(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のシェーマと前記第2のシェーマとは、ユーザからの指示に従って選択された診断スコアに対応する色または模様を有する、請求項1記載の医用レポート作成装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用レポート作成装置及び医用画像診断装置を説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係る医用レポート作成装置1のネットワーク環境を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る医用レポート作成装置1は、ネットワークを介して医用画像診断装置100に接続されている。
【0009】
医用画像診断装置100は、被検体に関する医用画像を発生する医療機器である。医用画像診断装置100としては、超音波診断装置、X線診断装置、X線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴診断装置、及び核医学診断装置等の如何なる画像診断装置でも良い。医用画像診断装置100により発生された医用画像は、医用レポート作成装置1に伝送される。なお、医用画像は、医用画像診断装置100から直接的に医用レポート作成装置1に伝送されなくても良く、医用画像診断装置100から間接的に医用レポート作成装置1に伝送されても良い。例えば、医用画像は、医用画像診断装置100からPACS(Picture Archiving and Communication System)に伝送され保管される。そして医用レポート作成装置1からの要求を受けて医用画像がPACSから医用レポート作成装置1に伝送されても良い。
【0010】
医用レポート作成装置1は、診断対象部位についての医用レポートの作成に供されるコンピュータ装置である。医用レポート作成装置1は、デスクトップ型でも良いし、ラップトップ型でも良いし、タブレット型でも良い。以下、医用レポート作成装置1についての説明を行う。なお、本実施形態に係る診断対象部位は、血管であるとする。血管は、頭部や胸部、頸部、心臓、脚部、腕部等の人体の如何なる部位の血管でも良い。
【0011】
なお、医用レポート作成装置1は、医用画像診断装置100からの医用画像を保管できるのであれば、必ずしもネットワークを介して医用画像診断装置100に接続されている必要はない。例えば、医用レポート作成装置1は、医用画像処理装置100により発生された医用画像が記憶されたCD(compact disk)やDVD、可搬性半導体メモリ等の記録媒体から、記憶されている医用画像を取得して保管しても良い。この場合、医用レポート作成装置1は、医用画像診断装置100にネットワークを介して接続されていなくても良い。
【0012】
図2は、本実施形態に係る医用レポート作成装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、医用レポート作成装置1は、操作部11、表示部13、送受信部15、医用レポート作成部17、医用画像記憶部19、医用レポート記憶部21、シェーマ記憶部23、シェーマ処理部25、及び制御部27を有している。
【0013】
操作部11は、読影医等のユーザからの各種指示を入力機器を介して受け付ける。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。また入力機器は、表示部13の表示機器を覆うように設けられたタッチパネルでも良い。
【0014】
表示部13は、医用画像や医用レポート作成画面、シェーマ生成画面、シェーマ等の種々の情報を表示機器に表示する。表示機器としては、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
【0015】
送受信部15は、ネットワークを介して医用画像診断装置100や他の装置との間で種々の情報の送受信を行う。例えば、送受信部15は、医用画像診断装置100からネットワークを介して直接的、または、間接的に医用画像を受信する。
【0016】
医用レポート作成部17は、操作部11を介したユーザからの指示に従って、医用画像についての所見を記した医用レポートを作成する。医用レポートは、医用レポート作成画面において作成される。また、医用レポート作成部17は、後述のシェーマ処理部25により生成されたシェーマを医用レポートに電子的に添付する。
【0017】
医用画像記憶部19は、医用画像診断装置100またはPACSから送受信部15により受信された医用画像を記憶する。医用画像には医用画像診断装置100により生成された各種の付帯情報が関連付けられている。
【0018】
医用レポート記憶部21は、医用レポート作成部17により作成された医用レポートを記憶する。また、医用レポート記憶部21は、送受信部15を介して他の装置から供給された医用レポートを記憶しても良い。
【0019】
シェーマ記憶部23は、後述のシェーマ処理部25により生成された、被検体の診断対象血管に関するシェーマを記憶する。シェーマは、診断対象血管の内部構造を模式的に表現する絵図である。シェーマは、文章では伝えづらい診断対象部位の構造等を画像で伝えるために生成される。本実施形態に係るシェーマは、例えば、短軸断面に関するシェーマ(以下、短軸シェーマと呼ぶ)と長軸断面に関するシェーマ(以下、長軸シェーマと呼ぶ)とに分類される。
【0020】
図3A、
図3B、
図3Cは、頸動脈に関する長軸シェーマと短軸シェーマとを説明するための図である。
図3Aは、頸動脈の3次元構造を模式的に示す図であり、
図3Bは、典型的な頸動脈の長軸シェーマを示す図であり、
図3Cは、典型的な頸動脈の短軸シェーマを示す図である。
図3Aに示すように、頸動脈は中心軸CLを有する管状構造物である。長軸シェーマは、中心軸CLに沿う断面CS1に関するシェーマに規定され、短軸シェーマは、中心軸CLに直交する断面CS2に関するシェーマに規定される。以下、中心軸CLに沿う断面を長軸断面CS1と呼び、中心軸CLに直交する断面を短軸断面CS2と呼ぶ。長軸断面CS1と短軸断面CS2とは互いに直交する。各シェーマは、血管の内部構造を複数の層からなる積層構造で表現している。例えば、各シェーマは、外膜に対応する画素領域(以下、外膜領域と呼ぶ)R1、内膜に対応する画素領域(以下、内膜領域と呼ぶ)R2,内腔に対応する画素領域(以下、内腔領域と呼ぶ)R3からなる3つの解剖学的領域を有している。外膜領域R1、内膜領域R2、及び内腔領域R3には、互いを視覚的に区別するために異なる画素値が割り付けられている。画素値は、グレー値で定義されても良いし、カラー値で定義されても良い。頸動脈は、解剖学的部位に応じて複数のセグメントに区分される。例えば、頸動脈は、
図3Bや
図3Cに示すように、ICA(internal carotid artery:内頸動脈)、ECA(external carotid artery:外頸動脈)、及びCCA(common carotid artery:総頸動脈)に区分され、CCAは、さらに、位置に応じて3つのセグメントに区分される。この分類に従い、本実施形態に係る頸動脈は、5つのセグメントS1_ICA、セグメントS1_ECA、セグメントS2_CCA、セグメントS3_CCA、セグメントS4_CCAに区分されているものとする。
【0021】
シェーマ処理部25は、予め生成されたシェーマに基づいて、当該シェーマの断面に直交する断面に関するシェーマを画像処理により自動的に生成する。予め生成されるシェーマは、短軸シェーマであっても良いし長軸シェーマであっても良い。予め生成されるシェーマが短軸シェーマの場合、自動的に生成されるシェーマは長軸シェーマである。反対に、予め生成されるシェーマが長軸シェーマの場合、自動的に生成されるシェーマは短軸シェーマである。具体的には、シェーマ処理部25は、基準シェーマ生成部251とシェーマ自動生成部253とを有している。基準シェーマ生成部251は、ユーザによる操作部11を介した指示に従ってシェーマを生成する。基準シェーマ生成部251により生成されるシェーマを基準シェーマと呼ぶことにする。シェーマ自動生成部253は、基準シェーマに基づいて、当該基準シェーマの断面に直交する断面に関するシェーマを画像処理により自動的に生成する。以下、シェーマ自動生成部253により生成されるシェーマを比較シェーマと呼ぶことにする。
【0022】
上記において基準シェーマの断面と比較シェーマの断面とは直交するとしたが本実施形態はこれに限定されない。基準シェーマの断面と比較シェーマの断面とは、互いに交差すれば、直交しなくても良い。例えば、基準シェーマの断面と比較シェーマの断面との成す角度は、30度や45度、60度の如何なる角度であっても良い。しかしながら、以下、説明を具体的に行なうため、基準シェーマの断面と比較シェーマの断面との成す角度は、90度であるものとする。
【0023】
制御部27は、医用レポート作成装置1の中枢として機能する。具体的には、制御部27は、後述のシェーマ生成処理のためのプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに従って医用レポート作成装置1内の各部を制御する。これにより本実施形態に特有のシェーマ生成処理が実行される。
【0024】
次に本実施形態に係る医用レポート作成装置1の詳細を第1実施例、第2実施例、及び第3実施例に分けて説明する。なお、以下の説明を具体的にするため、診断対象血管は頸動脈であるとする。また、医用画像診断装置1は超音波診断装置であるとする。
【0025】
[第1実施例]
第1実施例に係る医用レポート作成装置は、短軸シェーマに基づいて長軸シェーマを自動的に生成する。すなわち、第1実施例において短軸シェーマは、基準シェーマとして利用される。第1実施例に係る医用レポート作成装置は、ユーザからの操作部11を介した指示に従って任意の内部構造を有する基準シェーマ、すなわち、短軸シェーマを生成する。以下、第1実施例に係る医用レポート作成装置1について説明する。
【0026】
シェーマは、ユーザによる医用レポートの作成時において生成される。医用レポートの作成時において表示部13は、超音波診断装置1により発生された超音波画像と医用レポート作成画面とを表示している。ユーザは、超音波画像を観察しながら、操作部11を介して所見等の必要事項を入力する。医用レポート作成部17は、操作部11を介して入力された所見等の必要事項を医用レポートのフォーマットに記入する。
【0027】
医用レポートの作成時においてシェーマ処理部25によりシェーマが生成される。シェーマの生成を希望する場合、まずユーザは、操作部11を介してシェーマの生成指示を入力する。ユーザにより操作部11を介してシェーマ生成指示がなされたことを契機として表示部13は、初期的なシェーマ生成画面を表示する。
【0028】
図4は、初期的なシェーマ生成画面を示す図である。
図5は、シェーマ生成後のシェーマ生成画面を示す図である。
図4及び
図5に示すように、シェーマ生成画面は、複数のGUI(graphical user interface)部品により構成されている。具体的には、シェーマ生成画面は、患者情報区域W1、手動生成区域W2、スコア区域W3、及びシェーマ区域W4を含んでいる。患者情報区域W1は、診断対象の患者についての患者情報の表示領域である。患者情報としては、例えば、患者ID等が挙げられる。
【0029】
手動生成区域W2は、基準シェーマの手動的な生成を支援するための表示領域である。第1実施例において手動生成区域W2は、描画区域W21と付加診断情報マーク区域W22とを有している。描画区域W21は、操作部11を介した手動的な描画操作により短軸シェーマを生成するための表示領域である。初期画面において描画区域W21には、例えば、短軸シェーマSSのテンプレート(以下、短軸シェーマ・テンプレートと呼ぶ)が表示される。短軸シェーマ・テンプレートは、頸動脈血管の短軸断面に関する典型的な内部構造を模式的に表現した絵図である。付加診断情報マーク区域W22は、付加診断情報の内容を表現する複数のマーク(以下、付加診断情報マークと呼ぶ)MAを表示するための表示領域である。付加診断情報は、頸動脈を画像診断に供される付加的な情報である。付加診断情報としては、例えば、解剖学的部位や診断スコアに応じた典型的なドプラ波形のパターンが挙げられる。この場合、付加診断情報マークとしては、ドプラ波形のパターンを模式的に表現したマーク(以下、ドプラ波形マークと呼ぶ)MAが挙げられる。なお、付加診断情報は、ドプラ波形のパターンのみに限定されない。例えば、付加情報としては、血管の狭窄率であっても良い。この場合、付加診断情報マークは、狭窄率を表現するマークとなる。
【0030】
スコア区域W3には、複数の診断スコアにそれぞれ対応する複数のボタン(以下、診断スコア・ボタンと呼ぶ)B1が表示される。
【0031】
図4及び
図5に示すように、シェーマ区域W4は、シェーマの表示領域である。シェーマ区域W4は、例えば、長軸シェーマ区域W41と短軸シェーマ区域W42とに細分化される。長軸シェーマ区域W41は、長軸シェーマSLの表示領域である。初期画面において長軸シェーマ区域には、長軸シェーマのテンプレート(以下、長軸シェーマ・テンプレートと呼ぶ)が表示される。長軸シェーマ・テンプレートは、頸動脈血管の長軸断面に関する典型的な内部構造を模式的に表現した絵図である。長軸シェーマ・テンプレートは、初期の長軸シェーマSLに設定されている。短軸シェーマ区域W42は、複数のセグメントにそれぞれ対応する複数の短軸シェーマSSの表示領域である。短軸シェーマ区域W42は、複数のセグメント区域W421と複数の付加診断情報区域W423とを有している。各セグメント区域W421には、当該セグメントに関する短軸シェーマSSが表示される。初期画面において各セグメント区域W421には、当該セグメントに関する短軸シェーマ・テンプレートが表示される。短軸シェーマ・テンプレートは、初期の短軸シェーマSSに設定されている。各セグメント区域W421において、長軸シェーマSLの長軸断面の向きを示すマーク(以下、長軸断面マークと呼ぶ)MLが短軸シェーマSSに重ねて表示されている。各付加診断情報区域W423には、当該セグメントについて、付加診断情報マーク区域W22に表示されている複数のドプラ波形マークMAの中からユーザにより操作部11を介して選択されたマークが表示される。各セグメント区域W421及び付加診断情報区域W423の近傍、例えば、上側には、当該セグメントのセグメント名(解剖学的分類名)が表示される。
【0032】
以下、シェーマ生成画面を利用したシェーマ生成処理について説明する。シェーマ生成処理は、基準シェーマ生成局面とシェーマ自動生成局面とに区分される。まずは、基準シェーマ生成局面について説明する。
【0033】
第1実施例に係る基準シェーマ生成局面において基準シェーマ生成部251は、ユーザからの操作部11を介した指示に従って各セグメントについて短軸シェーマを生成する。まずユーザは、生成対象のセグメントを操作部11を介して指定する。例えば、ユーザは、短軸シェーマ区域W42に表示されている複数のセグメント名の中から、生成対象のセグメント名を選択する。あるいは、ユーザは、短軸シェーマ区域W42に表示されている複数のセグメント区域W421の中から、生成対象のセグメント区域W421を選択する。表示部13は、選択されたセグメント名またはセグメント区域W421に対応するセグメントの短軸シェーマ・テンプレートSSを描画区域W21に表示する。
【0034】
描画区域W21の右側には、外膜領域・編集ボタンB21、内膜領域・編集ボタンB22、及び内腔領域・編集ボタンB23が表示される。外膜領域・編集ボタンB21が押下されることにより基準シェーマ生成部251は、外膜領域R1の変形処理を解除し、内膜領域R2の変形操作と内腔領域R3の変形処理とを禁止する。内膜領域・編集ボタンB22が押下されることにより基準シェーマ生成部251は、内膜領域R2の変形処理を解除し、外膜領域R1の変形処理と内腔領域R3の変形処理とを禁止する。内腔領域・編集ボタンB23が押下されることにより基準シェーマ生成部251は、内腔領域R3の変形処理を解除し、外膜領域R1の変形処理と内膜領域R2の変形処理とを禁止する。ユーザは、外膜領域R1、内膜領域R2、及び内腔領域R3の各々について変形操作を行い、基準シェーマ生成部251は、操作部11を介した変形操作に従って短軸シェーマSSの外膜領域R1、内膜領域R2、及び内腔領域R3に対して個別に変形処理を施す。
【0035】
シェーマの有用性を高めるため基準シェーマ生成部251は、診断スコアに応じたシェーマの色付け機能を有している。前述のように、スコア区域W3には、複数の診断スコアにそれぞれ対応する複数の診断スコア・ボタンB1が表示される。診断スコアは、プラークの性状や狭窄率で判断される。具体的には、スコア「正常」に対応する正常・ボタンB11、スコア「均質低輝度」に対応する均質低輝度・ボタンB12、スコア「均質高輝度」に対応する均質高輝度・ボタンB13、スコア「陰影+均質高輝度」に対応する陰影+均質高輝度ボタンB14、スコア「不均質」に対応する不均質ボタンB15、スコア「嚢胞状+不均質」に対応する嚢胞状+不均質ボタンB16、及びスコア「陥凹」に対応する陥凹ボタンB17が挙げられる。また、診断スコアが未決定の場合に対処するために、未スコア・ボタンB18が表示されても良い。各診断スコア・ボタンB1には、診断スコアに対応する色が関連付けられている。ユーザは、医用画像等を観察して診断対象血管の診断スコアを決定し、決定した診断スコアに対応するボタンB1を操作部11を介して押下する。基準シェーマ生成部251は、押下されたボタンB1に関連付けられた色を描画区域W21に表示されている短軸シェーマSSに割付ける。これにより基準シェーマ生成部251は、診断スコアに応じた色を有する短軸シェーマを生成することができる。色は、短軸シェーマSSの全解剖学的領域に割付けられても良いし、特定の解剖学的領域に割付けられても良い。例えば、内膜領域R2に色が割り付けられると良い。表示部13は、押下されたボタンB1に関連付けられた色で短軸シェーマSSを表示する。
【0036】
図4及び
図5に示すように、スコア区域W3には、「全て正常ボタン」B3が表示されている。「全て正常ボタン」B3が操作部11を介して押下された場合、基準シェーマ生成部251は、全ての短軸シェーマSSに対して、スコア「正常」に対応する色を割付ける。
【0037】
なお、診断スコア・ボタンB1には色ではなく模様が関連付けられても良い。この場合、基準シェーマ生成部251は、診断スコアに応じた模様を有する短軸シェーマを生成することができる。
【0038】
前述のように、短軸シェーマ区域W42には付加診断情報区域W423が設けられている。付加診断情報区域W423には、例えば、診断スコアや解剖学的部位に応じた典型的なドプラ波形を模式的に表現する複数のドプラ波形マークMAが表示されている。ユーザは、各セグメントに関する超音波画像やドプラ波形を観察して、複数のドプラ波形マークMAの中から、各セグメントに適切なドプラ波形マークMAを操作部11を介して選択する。選択されたドプラ波形マークMAは、対応するセグメントの付加診断情報区域W423に表示される。同一のセグメントに関する短軸シェーマSSとドプラ波形マークMAとは互いに関連付けてシェーマ記憶部23に記憶される。各セグメントの短軸シェーマにドプラ波形マークMAが並べて表示されることで、各セグメントに割り当てられた診断スコアの根拠をドプラ波形マークMAで示すことができる。
【0039】
図4及び
図5に示すように、描画区域W21の上部にはセーブ・ボタンB41、クリア・ボタンB42、及びキャンセル・ボタンB43が表示されている。操作部11を介してセーブ・ボタンB41が押下された場合、基準シェーマ生成部251は、描画区域W21に描出されている短軸シェーマSSを、対応するセグメントの短軸シェーマに設定する。設定された短軸シェーマは、セグメント名に関連付けてシェーマ記憶部23に記憶される。付加診断情報区域WW423また、設定された短軸シェーマは、対応するセグメントのセグメント区域W421に表示される。操作部11を介してクリア・ボタンB42が押下された場合、基準シェーマ生成部251は、描画区域W21に描出されている短軸シェーマSSを短軸シェーマ・テンプレートに置き換える。操作部11を介してキャンセル・ボタンB43が押下された場合、操作が一回分戻される。
【0040】
このようなシェーマ生成画面における種々の機能を利用して複数のセグメントに関する複数の短軸シェーマが生成される。
【0041】
次に、シェーマ自動生成局面に係る処理について説明する。
【0042】
複数のセグメントに関する複数の短軸シェーマが生成されることを契機としてシェーマ自動生成部253は、複数の短軸シェーマに基づいて長軸シェーマを画像処理により自動的に生成する。長軸シェーマの長軸断面は、ユーザによる操作部11を介した指示に従って任意に設定可能である。上述のように、各セグメント区域W421の短軸シェーマSSには、長軸断面の向きを示す長軸断面マークMLが表示されている。
図6に示すように、長軸断面マークMLの向きは、ユーザにより操作部11を介して変更可能である。具体的には、長軸断面マークMLは、操作部11を介して中心軸CL回りに回転される。長軸断面マークMLの変更操作に連動して長軸シェーマの長軸断面がシェーマ自動生成部253により変更される。長軸断面の向きは、全てのセグメントについて同一でも良いし、セグメント毎に異なっていても良い。長軸断面の向きが全てのセグメントについて同一の場合、一つの長軸断面マークMLに対する変更操作が全てのセグメントの長軸断面に自動的に反映される。
【0043】
シェーマ自動生成部253によるシェーマ自動生成処理は、割当処理と平滑化処理とを含んでいる。
図7は、シェーマ自動生成部253による割当処理を示す図である。
図7に示すように、各セグメントの短軸断面CSSは、典型的には、長軸シェーマSLの各セグメントにおいて中心軸の中心に直交するように設定されている。
図7において各セグメントの長軸断面CSLは、全て同一方向に向いており、具体的には、水平方向に向いているものとする。短軸シェーマSS上の長軸断面CSLの画素と当該画素に解剖学的に一致する長軸シェーマSL上の短軸断面CSSの画素とは対応付けられている。割当処理においてシェーマ自動生成部253は、各短軸シェーマSSの長軸断面CSL上の各解剖学的領域R1,R2,R3の画素値を、長軸シェーマSL上の解剖学的同一位置に割り当てる。具体的には、シェーマ自動生成部253は、各短軸シェーマSSについて当該短軸シェーマSSの長軸断面CSL上の各画素の画素値を、長軸シェーマSL内の当該短軸シェーマSSに関する短軸断面CSS上にあって当該画素に解剖学的同一位置にある画素に割り当てる。次に平滑化処理が行われる。
【0044】
平滑化処理においてシェーマ自動生成部253は、
図8に示すように、複数の解剖学的領域R1,R2,R3の各々を対象として長軸断面内において幾何学的な平滑化処理を施す。平滑化処理は、S字関数やスプライン関数等の任意の平滑化関数を利用して行われる。平滑化処理により短軸断面CSSのみに割り当てられていた解剖学的領域R1,R2,R3が、各短軸断面CSS上の解剖学的領域R1,R2,R3を滑らかに接続するよう長軸シェーマSLの全域に割り当てられることとなる。複数の短軸シェーマにおいて異なる診断スコアが割り当てられている場合、異なる短軸シェーマの同種の解剖学的領域R1,R2,R3には異なるカラー値が割り当てられている。この場合、カラー値の平滑化処理が施される。これにより長軸シェーマSL上の二つの短軸断面CSS間において色のグラデーションが発生することとなる。このようにして長軸シェーマSLが複数のセクションに関する複数の短軸シェーマに基づいて生成される。
【0045】
なおシェーマ自動生成部253は、セクションS1_ICAの血管の内側(
図7及び8の右側)血管壁とセクションS1_ECAの血管の内側(
図7及び8の左側)血管壁との境目、すなわち、血管の分岐部に対しては、解剖学的領域をより自然に描出するため、次に示す補間処理が行われる。
【0046】
図9は、血管の分岐部における補間処理を説明するための図である。
図9に示すように、補間処理の実行前において、セクションS1_ICAの血管の内側(
図9の左側)の血管壁に関する解剖学的領域R1,R2とセクションS1_ECAの血管の内側(
図9の左側)の血管壁に関する解剖学的領域R1,R2とは不連続である。シェーマ自動生成部253は、セクションS1_ICAの内側の血管壁に関する解剖学的領域R1,R2とセクションS1_ECAの内側の血管壁に関する解剖学的領域R1,R2との間のセクションS2_CCAにおける画素値の欠落部分を、各セクションの内側の血管壁に関する解剖学的領域R1,R2の厚みの合計値を直径とする円で補間する。ここで、セクションS1_ICAの内側の外膜領域R1の幅をdolとし内膜領域R2の幅をdilとし、セクションS1_ECAの内側の外膜領域R1の幅をdorとし内膜領域R2の幅をdirとする。シェーマ自動生成部253は、セクションS2_CCAの血管に由来する外膜領域R1の欠落部分を、幅dolと幅dorとの合計値doを直径とする円R1cで補間する。この円R1cの内部は、外膜領域として設定される。同様に、シェーマ自動生成部253は、セクションS2_CCAの血管に由来する内膜領域R2の欠落部分を、幅doと幅dilと幅dirと幅dilとの合計値diを直径とする円R2cで補間する。この円R2cの内部であり円R1cに重複しない部分は、内膜領域に設定される。この補間処理により分岐部における解剖学的領域R1,R2の欠落部分が補間される。
【0047】
このようにしてシェーマ自動生成部253は、複数の短軸シェーマに基づいて単一の長軸断面に関する単一の長軸シェーマを生成することができる。生成された長軸シェーマは、短軸シェーマに関連付けてシェーマ記憶部23に記憶される。また、生成された長軸シェーマは、表示部13により長軸シェーマ区域W41に表示される。なお、前述の説明においては、複数の短軸シェーマに基づいて単一の長軸断面に関する単一の長軸シェーマを生成する例を示した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、シェーマ自動生成部253は、中心軸回りに互いに異なる回転角度を有する複数の長軸断面を設定し、複数の短軸シェ―マに基づいて複数の長軸断面に関する複数の長軸シェーマを前述の方法により個別に生成しても良い。
【0048】
図4及び5に示すように、スコア区域W3には、添付ボタンB51と閉じるボタンB52とが表示されている。操作部11を介して添付ボタンB51が押下された場合、医用レポート作成部17は、生成された短軸シェーマと長軸シェーマとを医用レポートに添付する。短軸シェーマと長軸シェーマとが添付された医用レポートは、医用レポート記憶部21に記憶される。操作部11を介して閉じるボタンB52が押下された場合、表示部13は、シェーマ生成画面を表示機器から消去する。
【0049】
前述の説明の通り、第1実施例に係る医用レポート作成装置1は、操作部11を介した変形操作に従って手動的に生成された複数の短軸シェーマに基づいて自動的に長軸シェーマを生成することができる。
【0050】
[第2実施例]
第2実施例に係る短軸シェーマは、予め生成された短軸シェーマの候補(以下、短軸シェーマ候補と呼ぶ)の中から、ユーザからの指示に従って選択される。以下、第2実施例に係る医用レポート作成装置1について説明する。なお、第2実施例に係る医用レポート作成装置1は、第1実施例と同様の方法により短軸シェーマに基づいて長軸シェーマを生成する。従って第2実施例においては、短軸シェーマの生成(選択)のみについて説明する。以下の説明において、第1実施例と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0051】
図10は、第2実施例に係る表示部13により表示されるシェーマ生成画面を示す図である。
図10に示すように、第2実施例に係るシェーマ生成画面のシェーマ生成区域W2は、狭窄率範囲区域W23とシェーマ候補区域W24とを有している。狭窄率範囲区域W23は、複数の狭窄率範囲にそれぞれ対応する複数の狭窄率範囲ボタンB6のための表示領域である。狭窄率は、短軸断面において血管領域に対して内膜領域が占める割合を百分率で示す指標である。狭窄率は、プラークの悪性度を評価する指標の一つである。
図10においては、一例として、狭窄率範囲「0」に関する狭窄率ボタンB61、狭窄率範囲「1〜19」に関する狭窄率ボタンB62、狭窄率範囲「20〜49」に関する狭窄率ボタンB63、狭窄率範囲「50〜74」に関する狭窄率ボタンB64、狭窄率範囲「75〜89」に関する狭窄率ボタンB65、及び狭窄率範囲「90〜99」に関する狭窄率ボタンB66が示されている。シェーマ候補区域W24は、複数の短軸シェーマ候補SCのための表示領域である。
【0052】
以下、第2実施例に係る短軸シェーマの生成処理について
図10を参照しながら具体的に説明する。第2実施例に係るシェーマ記憶部23は、複数の短軸シェーマ候補SCを記憶している。複数の短軸シェーマ候補SCの各々は、当該短軸シェーマ候補に対応する狭窄率範囲に関連付けて記憶されている。各短軸シェーマ候補SCは、関連付けられている狭窄率範囲に従う狭窄率を有している。同一の狭窄率範囲に関する複数の短軸シェーマ候補SCは、互いに異なる形状及び位置の内膜領域を含んでいる。
【0053】
短軸シェーマの生成局面においてユーザは、まず、生成対象の短軸シェーマのセクションを、前述と同様の方法により操作部11を介して選択する。また、ユーザは、診断対象血管が属する狭窄率範囲に対応する狭窄率ボタンB6を操作部11を介して押下する。表示部13は、押下された狭窄率ボタンB6に対応する狭窄率範囲に関連付けられた複数のシェーマ候補SCをシェーマ記憶部23から読み出して表示する。狭窄率範囲は、ユーザが超音波画像を観察して判断しても良いし、超音波診断装置100により算出され表示された狭窄率を採用しても良い。また、超音波診断装置100により超音波画像に基づいて算出された狭窄率のデータを送受信部15を介して受信し、受信された狭窄率に属する狭窄率範囲に関連付けられた複数の短軸シェーマ候補SCが表示部13により自動的に表示されても良い。ユーザは、表示された複数の短軸シェーマ候補SCをシェーマ候補区域W24に表示する。ユーザは、シェーマ候補区域W24に表示されている複数の短軸シェーマ候補SCの中から診断対象血管の内部構造に最も近似している短軸シェーマ候補SCを操作部11を介して選択する。基準シェーマ生成部251は、選択された短軸シェーマ候補SCを、生成対象のセクションの短軸シェーマSSに設定する。このように各セクションの短軸シェーマを複数のシェーマ候補SCの中から選択することにより、複数の短軸シェーマSSが生成される。
【0054】
なお、第2実施例においても、第1実施例と同様に、診断スコア・ボタンB1を押下することにより短軸シェーマSSに色または模様を割り当てることが可能である。
【0055】
前述の説明の通り、第2実施例に係る医用レポート作成装置1は、複数のシェーマ候補の中から手動的に選択された複数の短軸シェーマに基づいて自動的に長軸シェーマを生成することができる。
【0056】
[第3実施例]
第1実施例及び第2実施例において医用レポート作成装置1は、短軸シェーマに基づいて長軸シェーマを自動的に生成するものとした。第3実施例に係る医用レポート作成装置1は、長軸シェーマに基づいて短軸シェーマを自動的に生成する。以下、第3実施例に係る医用レポート作成装置1について説明する。なお以下の説明において、第1実施例及び第2実施例と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0057】
第3実施例に係る基準シェーマ生成部251は、ユーザからの操作部11を介した指示に従って複数の長軸断面に関する複数の長軸シェーマを生成する。シェーマ自動生成部253による短軸シェーマの精度向上の観点からいえば、できるだけ多くの長軸シェーマが生成されるとよい。また、短軸シェーマの精度向上のため、複数の長軸断面は、回転軸回りに均等に設定されるとよい。短軸シェーマが二つの場合、互いに直交するように二つの短軸断面が設定される良い。第3実施例において長軸シェーマは、第1実施例のように操作部11を介した解剖学的領域に対する変形操作に従って生成されても良いし、複数の長軸シェーマの候補から選択されても良い。長軸シェーマの生成方法は、第1実施例及び第2実施例に係る短軸シェーマの生成方法と略同一なので説明は省略する。
【0058】
複数の長軸シェーマが生成されることを契機としてシェーマ自動生成部253は、生成された複数の長軸シェーマに基づいて複数の短軸断面に関する複数の短軸シェーマを画像処理により自動的に生成する。第1実施例及び第2実施例と同様に第3実施例に係るシェーマ自動生成処理は割当処理と平滑化処理とを含んでいる。なお以下の説明を具体的に説明するため、シェーマ自動生成部253は、二つの互いに直交する長軸断面に関する二つの長軸シェーマに基づいて5つのセグメントに関する5つの短軸シェーマを生成するものとする。5つのセグメントは、第1実施例及び第2実施例と同様であるものとする。
【0059】
図11は、第3実施例に係る割当処理を説明するための図である。
図11に示すように、長軸断面SCL1に関する長軸シェーマSL1と長軸断面SCL2に関する長軸シェーマSL2とが生成されているものとする。割当処理においてシェーマ自動生成部253は、各長軸シェーマSL1,SL2の各セクションの短軸断面CSS上の各解剖学的領域R1,R2,R3の画素値を、各短軸シェーマSS上の解剖学的同一位置に割り当てる。すなわち、シェーマ自動生成部253は、長軸シェーマSL1の短軸断面CSS上の各画素の画素値を、各短軸シェーマSS内の長軸断面CSL1上にあって当該画素に解剖学的同一位置にある画素に割り当てる。また、シェーマ自動生成部253は、長軸シェーマSL2の短軸断面CSS上の各画素の画素値を、各短軸シェーマSS内の長軸断面CSL2上にあって当該画素に解剖学的同一位置にある画素に割り当てる。次に平滑化処理が行われる。
【0060】
図12は、シェーマ自動生成部253により行われる平滑化処理を説明するための図である。なお
図12においては説明の簡単のため、セクションS1_ICAに関する短軸シェーマのみを示している。平滑化処理においてシェーマ自動生成部253は、
図12に示すように、短軸断面に沿って複数の解剖学的領域R1,R2,R3の各々を対象として幾何学的な平滑化処理を施す。平滑化処理は、第1実施例及び第2実施例と同様である。平滑化処理により長軸断面CSL1及びCSL2のみに割り当てられていた解剖学的領域R1,R2,R3が、短軸断面CSS上の解剖学的領域R1,R2,R3を滑らかに接続するよう短軸シェーマSSの全域に割り当てられることとなる。同様の方法により、他のセクションに関する他の短軸シェーマが生成される。
【0061】
前述の説明においてシェーマ自動生成部253は、二つの互いに直交する長軸断面に関する二つの長軸シェーマに基づいて複数の短軸シェーマを生成するものとした。しかしながら、第3実施例に係るシェーマ自動生成部253はこれに限定されない。第3実施例に係るシェーマ自動生成部253は、前述と同様の方法を用いて、3以上の長軸断面に関する3以上の長軸シェーマに基づいて複数の短軸断面に関する複数の短軸シェーマを自動的に生成しても良い。長軸シェーマの数が多いほど短軸断面の精度が向上する。
【0062】
前述の説明の通り、第3実施例に係る医用レポート作成装置1は、複数の長軸シェーマに基づいて自動的に短軸シェーマを生成することができる。
【0063】
[効果]
前述の説明の通り、本実施形態に係る医用レポート作成装置1は、シェーマ記憶部23とシェーマ処理部25とを有している。シェーマ記憶部23は、診断対象血管の基準断面に関し診断対象血管の内部構造を模式的に表現する基準シェーマを記憶する。シェーマ処理部25は、基準シェーマに基づいて、診断対象血管の基準断面に交差する断面に関するシェーマを画像処理により自動的に生成する。
【0064】
この構成により本実施形態に係る医用レポート作成装置1は、短軸シェーマと長軸シェーマとの両方を手動的に個別に生成することなしに、一方のシェーマに基づいて他のシェーマを画像処理により自動的に生成することができる。
【0065】
かくして本実施形態によれば、シェーマ生成に係るユーザの作業負担の軽減を実現することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、短軸シェーマと長軸シェーマとを個別に手動で生成する場合に比して、短軸シェーマと長軸シェーマとの不整合を低減される。
【0067】
(変形例)
本実施形態において医用レポート作成装置1は、医用画像診断装置100にネットワークを介して接続されたコンピュータ装置であるとした。しかしながら、本実施形態に係る医用レポート作成装置1は、これに限定されない。例えば、医用レポート作成装置1は、医用画像診断装置100に組み込まれても良い。医用レポート作成装置1を医用画像診断装置100に組み込む場合、医用画像診断装置100は、超音波診断装置、X線診断装置、X線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴診断装置、及び核医学診断装置等の如何なる画像診断装置であっても良い。しかしながら、以下、説明を具体的に行なうため、医用画像表示装置100は超音波診断装置であるものとする。以下、医用レポート作成装置1が組み込まれた超音波診断装置100について変形例で説明する。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0068】
図13は、変形例に係る超音波診断装置100の構成を示す図である。
図13に示すように、超音波診断装置100は、超音波プローブ101、送信駆動部103、信号処理部105、及び画像発生部107を有している。
【0069】
超音波プローブ101の先端側には振動子アレイが内蔵されている。振動子アレイは、一次元状または2次元状に配列された複数の振動子を有している。振動子は、超音波の送受信を行う。具体的には、振動子は、送信駆動部103から駆動信号の印加を受ける。振動子駆動信号の印加を受けて振動子は、超音波を送信し、被検体により反射された超音波を受信し、受信された超音波に応じたエコー信号を発生する。発生されたエコー信号は、信号処理部105に供給される。
【0070】
送信駆動部103は、超音波プローブ101を介して診断対象血管を超音波で走査する。具体的には、送信駆動部103は、送信方向及び送信焦点位置に応じた遅延時間が与えられた駆動信号を振動子に印加する。駆動信号の印加により、遅延時間に応じた送信方向及び送信焦点位置に関する超音波送信ビームが超音波プローブ101から送信される。
【0071】
信号処理部105は、超音波プローブ101からのエコー信号にA/D変換を施す。そして信号処理部105は、デジタルのエコー信号に、超音波受信ビームのビーム方向を決定するのに必要な遅延時間を受信焦点位置毎に印加し、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。この遅延加算により、超音波受信ビームに対応する受信信号が生成される。
【0072】
画像発生部107は、受信信号に基づいて走査領域に関する超音波画像を即時的に繰り返し発生する。本実施形態に係る超音波画像は、Bモード画像、ドプラ波形、カラードプラ画像等の超音波診断装置1により発生可能な如何なる種類の画像でも良い。発生された超音波画像は、超音波診断装置100に内蔵された医用レポート作成装置1に即時的に供給される。
【0073】
変形例に係る医用レポート作成装置1は、画像発生部107から繰り返し供給される超音波画像を動画的に表示するとともに、本実施形態において説明したようにレポート作成画面やシェーマ生成画面を表示する。これによりユーザは、超音波画像を観察しながら医用レポートの作成作業やシェーマの生成作業をすることができる。
【0074】
かくして変形例に係る医用画像診断装置は、シェーマ生成に係るユーザの作業負担の軽減を実現することができる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。