特許第6170130号(P6170130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170130
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】移動式サドルを備える自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   B62J1/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-503089(P2015-503089)
(86)(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公表番号】特表2015-511561(P2015-511561A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】KR2012007884
(87)【国際公開番号】WO2013147375
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0031070
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517012187
【氏名又は名称】クレーブン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(72)【発明者】
【氏名】キム,チュンチュ
【審査官】 山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0253427(US,A1)
【文献】 実開昭60−165277(JP,U)
【文献】 特開昭53−022240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式サドルと、
前記移動式サドルに連結されて、自転車フレームのシートポスト領域に結合され、ワイヤを引動作によって、前記移動式サドルを自転車の走行方向に移動させるサドル移動モジュールと、
前記自転車フレームのハンドル領域に設けられて、前記ワイヤが結束され、前記ワイヤを引ように操作する操作レバーとを含み、
前記サドル移動モジュールは、
外観を形成するモジュールボックスと、
中央領域は前記移動式サドルから延長されたサドルブラケットに固定され、両端部は前記モジュールボックスの外側に露出されて、前記ワイヤが連結されるワイヤ連結シャフトと、
前記サドルブラケットに回転可能に結合される回転軸と、
前記回転軸の両端部に設けられるピニオンと、
前記モジュールボックス内に設けられて、前記ピニオンが噛み合って移動されるラインを形成するラックとを含むことを特徴とする移動式サドルを備える自転車。
【請求項2】
前記回転軸は前記ワイヤ連結シャフトを挟んで前後方に一対で配置され、前記ピニオンは前記回転軸の両端部領域にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項3】
前記ワイヤ連結シャフトは前記モジュールボックスの側面に形成される長孔を通じて外側に露出され、
前記ワイヤ連結シャフトの端部には前記ワイヤの結束のためのワイヤ結束ブラケットがさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項4】
前記サドル移動モジュールと連結されて、前記ワイヤの力を調節するワイヤの力調節装置をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項5】
前記ワイヤは、
前記操作レバーに連結される第1ワイヤと、
前記ワイヤ結束ブラケットに連結される第2ワイヤとを含み、
前記ワイヤの力調節装置は前記第1ワイヤと前記第2ワイヤに連結されることを特徴とする請求項4に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項6】
前記ワイヤの力調節装置は、
装置ハウジングと、
前記装置ハウジング内に設けられ、ピボット部によってシーソー運動をし、一端部は前記第1ワイヤと連結される第1ワイヤ連結部を形成し、他端部は前記第2ワイヤと連結される第2ワイヤ連結部を形成する回動バーとを含むことを特徴とする請求項5に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項7】
前記第1ワイヤ連結部と前記ピボット部との間の距離は前記第2ワイヤ連結部と前記ピボット部との間の距離より長く形成され、前記第1ワイヤ連結部に連結される第1ワイヤと前記第2ワイヤ連結部に連結される第2ワイヤの作用方向は互いに平行することを特徴とする請求項6に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項8】
前記ワイヤの力調節装置は、前記回動バーの周辺に配置されて、回転軸によって前記装置ハウジングに回転可能に結合され、前記第2ワイヤがガイドされるガイド部材をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の移動式サドルを備える自転車。
【請求項9】
前記ワイヤの力調節装置は前記自転車フレームに結合されることを特徴とする請求項4に記載の移動式サドルを備える自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式サドルを備える自転車に関するもので、より詳しくは、自転車の走行方向またはその逆方向にサドルが移動されることができるようにすることによって、体のサイズが異なっても不便なしに、走行中でもサドルの位置を搭乗者の体のサイズに合わせて容易に可変させることができる移動式サドルを備える自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自転車は人が両足でペダルを踏んで発生される力でタイヤを回して走る乗り物である。広義では、三輪や四輪で構成された自転車と、水上または氷上自転車など地上以外の所で走行する自転車も総称して言われている。
【0003】
このような自転車は人力を利用した代表的な交通手段の一つとして広く使用されており、最近には、運動器具としての健康増進効果、レクレーション手段としての多様な応用が可能であり、一方、環境親和的な特性により、需要が徐徐に拡散されている。
【0004】
図1は従来技術による自転車の斜視図である。
【0005】
図1を参照すれば、一般的な自転車1は、タイヤ2、フレーム3、ペダル4、チェーン5、固定式サドル6及びハンドル7などで構成されている。この時、座る席としての固定式サドル6はフレーム3の垂直軸であるシートポスト(seat post)8に固定されている。
【0006】
このように従来技術による自転車1の場合、固定式サドル6がシートポスト8に固定された場合が多く、固定式サドル6を自転車1の走行方向またはその逆方向に移動させることができない。
【0007】
しかし、従来と違って、固定式サドル6を自転車1の走行方向またはその逆方向に移動させることができるようにする場合、自転車1の利用者の体のサイズが異なっても不便なしに、走行中でもサドル6の位置を自分の体のサイズに合わせて容易に可変させることができるはずであるので、これに対する構造改善が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、自転車の走行方向またはその逆方向にサドルが移動されることができるようにすることによって、体のサイズが異なっても不便なしに、走行中でもサドルの位置を搭乗者の体のサイズに合わせて容易に可変させることができる移動式サドルを備える自転車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、移動式サドルと、上記移動式サドルと連結されて、自転車フレームのシートポスト領域に結合され、ワイヤを引動作によって、上記移動式サドルを上記自転車の走行方向に移動させるサドル移動モジュールと、上記自転車のハンドル領域に設けられて、上記ワイヤが結束され、上記ワイヤを引ように操作する操作レバーとを含むことを特徴とする移動式サドルを備える自転車によって達成される。
【0010】
上記サドル移動モジュールは、外観を形成するモジュールボックスと、中央領域は上記サドルから延長されたサドルブラケットに固定され、両端部は上記モジュールボックスの外側に露出されて、上記ワイヤが連結されるワイヤ連結シャフトと、上記サドルブラケットに回転可能に結合される回転軸と、上記回転軸の両端部に設けられるピニオンと、上記モジュールボックス内に設けられ、上記ピニオンが噛み合って移動されるラインを形成するラックとを含むことができる。
【0011】
上記回転軸は上記ワイヤ連結シャフトを挟んで前後方に一対で配置され、上記ピニオンは上記回転軸の両端部領域にそれぞれ設けられることができる。
【0012】
上記ワイヤ連結シャフトは上記モジュールボックスの側面に形成される長孔を通じて外側に露出され、上記ワイヤ連結シャフトの端部には上記ワイヤの結束のためのワイヤ結束ブラケットがさらに設けられることができる。
【0013】
上記サドル移動モジュールに連結されて、上記ワイヤの力を調節するワイヤの力調節装置をさらに含むことができる。
【0014】
上記ワイヤは、上記操作レバーに連結される第1ワイヤと、上記ワイヤ結束ブラケットに連結される第2ワイヤとを含み、上記ワイヤの力調節装置は上記第1ワイヤと上記第2ワイヤに連結されることができる。
【0015】
上記ワイヤの力調節装置は、装置ハウジングと、上記装置ハウジング内に設けられ、ピボット部によってシーソー運動をし、一端部は上記第1ワイヤと連結される第1ワイヤ連結部を形成し、他端部は上記第2ワイヤと連結される第2ワイヤ連結部を形成する回動バーとを含むことができる。
【0016】
上記第1ワイヤ連結部と上記ピボット部との間の距離は上記第2ワイヤ連結部と上記ピボット部との間の距離より長く形成され、上記第1ワイヤ連結部に連結される第1ワイヤと上記第2ワイヤ連結部に連結される第2ワイヤの作用方向は互いに平行することができる。
【0017】
上記ワイヤの力調節装置は、上記回動バーの周辺に配置され、回転軸によって上記装置ハウジングに回転可能に結合され、上記第2ワイヤがガイドされるガイド部材をさらに含むことができる。
【0018】
上記ワイヤの力調節装置は上記フレームに結合されることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、自転車の走行方向またはその逆方向にサドルが移動されることができることによって、体のサイズが異なっても不便なしに、走行中でもサドルの位置を搭乗者の体のサイズに合わせて容易に可変させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術による自転車の斜視図である。
図2】本発明の一実施例による移動式サドルを備える自転車の側面構造図である。
図3図2に示した移動式サドル領域の拡大図である。
図4】サドル移動モジュールの概略的な側面内部構造図である。
図5】サドル移動モジュールの概略的な平面内部構造図である。
図6図5で移動式サドルが自転車の走行方向に移動された状態の図面である。
図7】本発明の一実施例による移動式サドルを備える自転車に適用されるワイヤの力調節装置の概略的な平面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって、本発明を詳しく説明する。
【0022】
図2は本発明の一実施例による移動式サドルを備える自転車の側面構造図であり、図3図2に示した移動式サドル領域の拡大図であり、図4はサドル移動モジュールの概略的な側面内部構造図であり、図5はサドル移動モジュールの概略的な平面内部構造図であり、図6図5で移動式サドルが自転車の走行方向に移動された状態の図面である。
【0023】
これらの図面を参照する。まず、図2によれば、本実施例の自転車は従来と同じく、車輪102、フレーム103、ペダル104、チェーン105及びハンドル107などの構成を有する。
【0024】
その他に、本実施例の自転車は、移動式サドル110、サドル移動モジュール130、及び操作レバー120を含む。
【0025】
特に、本実施例の場合、従来の固定式サドル6(図1参照)と違って、移動式サドル110が適用され、操作レバー120の操作によるサドル移動モジュール130の動作によって自転車の走行方向に移動されることができる。したがって、サドルの位置を搭乗者の体のサイズに合わせて容易に可変させることができる。
【0026】
移動式サドル110は、図5及び図6に示したように、全体的に弾性を有し、上面が平らに形成され、後部分は搭乗者の臀部を支えるように広く形成され、前部は狭小に形成されて搭乗者の股ぐらの間に位置される。それにより、長時間乗っても不便がない。
【0027】
サドル移動モジュール130は移動式サドル110に連結されて、自転車フレーム103のシートポスト108領域に結合され、ワイヤ140を引動作によって移動式サドル110を自転車の走行方向に移動させる役割を果たす。
【0028】
実際、サドル移動モジュール130によって移動式サドル110が自転車の走行方向またはその逆方向に移動されることができるが、本実施例では図5及び図6のように移動式サドル110が自転車の走行方向に移動される例について説明する。
【0029】
しかし、本発明の権利範囲はこれに制限されない。
【0030】
操作レバー120は、図2に示すように、自転車のハンドル107領域に設けられて、ワイヤ140が結束され、ワイヤ140を引ように操作する部分である。本実施例の場合、操作レバー120によってワイヤ140を引っ張ることができるようにしている。
【0031】
一方、図3図6に示すように、サドル移動モジュール130は、モジュールボックス131、ワイヤ連結シャフト133及び回転軸135a、135bを含む。
【0032】
モジュールボックス131はサドル移動モジュール130の外観を形成する。図面にはモジュールボックス131が極めて概略的に示されているが、モジュールボックス131の形状は自転車に合わせて適切に変更させることができる。このようなモジュールボックス131によってワイヤ連結シャフト133、回転軸135a、135bなどが外部で見えなくなり、外観が美麗になることができる。
【0033】
ワイヤ連結シャフト133は、その中央領域はサドル110から延長されたサドルブラケット111に固定され、両端部はモジュールボックス131の外側に露出されてワイヤ140が連結される場所を成す。
【0034】
この時、ワイヤ連結シャフト133はモジュールボックス131の側面に形成される長孔132を通じて外側に露出され、ワイヤ連結シャフト133の端部にはワイヤ140の結束のためのワイヤ結束ブラケット134が設けられる。結果的に、ワイヤ連結シャフト133がモジュールボックス131の側面長孔132に沿って移動される動作に連動されて移動式サドル110が移動されることができる。
【0035】
回転軸135a、135bはサドルブラケット111に回転可能に連結される。本実施例で回転軸135a、135bはワイヤ連結シャフト133を挟んで前後方に一対で配置される。
【0036】
このような回転軸135a、135bの両端部にはピニオン137が設けられ、モジュールボックス131内には複数のピニオン137が噛み合って移動されるラインを形成するラック138が設けられる。
【0037】
このような構成を有する移動式サドル110の動作について図5及び図6を参照して説明する。
【0038】
使用者が操作レバー120を操作すれば、ワイヤ140が図6の矢印A方向に引っ張られ、このような力はワイヤ結束ブラケット134を通じてワイヤ連結シャフト133に伝達される。
【0039】
それで移動式サドル110が矢印B方向に移動されることができる。この時、回転軸135a、135bの両端部に設けられた複数のピニオン137がラック138に沿って回転される動作によって移動式サドル110が矢印B方向に移動されることができる。
【0040】
一方、移動式サドル110を本来の位置に戻す場合には、移動式サドル110から下りて移動式サドル110を強制的に後に押せば良い。
【0041】
このように、本実施例によれば、自転車の走行方向またはその逆方向に移動式サドル110が移動されることができるようにすることによって、搭乗者の体のサイズが異なっても不便なしに、走行中でも移動式サドル110の位置を搭乗者の体のサイズに合わせて容易に可変させることができるようになる。
【0042】
図7は本発明の一実施例による移動式サドルを備える自転車に適用されるワイヤの力調節装置の概略的な平面構造図である。
【0043】
前述した実施例の場合、操作レバー120を操作してワイヤ140を引と移動式サドル110が移動される。この時の力を減らすことさえできれば使用上の便宜性が増大されることができる。即ち、少ない力でも移動式サドル110をより容易に移動させることができる。
【0044】
このために、本実施例の場合、ワイヤの力調節装置160が設けられることができる。
【0045】
勿論、ワイヤの力調節装置160は一つの実施例であり、必ず設ける必要はない。
【0046】
このようなワイヤの力調節装置160はサドル移動モジュール130と連結されて、ワイヤ140の力を調節する役割を果たす。
【0047】
ワイヤ140を操作レバー120に連結される第1ワイヤ140aとワイヤ結束ブラケット134に連結される第2ワイヤ140bとに分け、第1ワイヤ140aと第2ワイヤ140bとの間に図7のような形態のワイヤの力調節装置160が配置される。
【0048】
勿論、第1ワイヤ140aと第2ワイヤ140bが切れたのではなく、第1ワイヤ140aと第2ワイヤ140bとの間にはワイヤの力調節装置160が連結されるので、ワイヤの力調節装置160を介して第1ワイヤ140aと第2ワイヤ140bは互いに連結された一つのラインを形成する。
【0049】
一方、ワイヤの力調節装置160は、操作レバー120で第1ワイヤ140aを引っ張る時に力がたくさんかかることを減らす代わりに、ワイヤ結束ブラケット134側では大きい力が提供されることができるようにするために設けられる。
【0050】
このようなワイヤの力調節装置160は、図2のように、フレーム103に設けられることができるが、他の位置に配置させることもできる。
【0051】
また、図2と違って、ワイヤの力調節装置160を並列に連結して用いる場合、つまり、2つ以上を用いることもできるのに、このような場合、少ない力で第1ワイヤ140aを引いてもワイヤ結束ブラケット134側では大きい力を提供することができる。
【0052】
このような役割を果たすワイヤの力調節装置160は、図7に示すように、装置ハウジング161と、装置ハウジング161内に設けられ、ピボット部164によってシーソー運動をし、一端部は第1ワイヤ140aと連結される第1ワイヤ連結部165を形成し、他端部は第2ワイヤ140bと連結される第2ワイヤ連結部166を形成する回動バー162と、回動バー162の周辺に配置されて第2ワイヤ140bがガイドされるガイド部材163とを含む。
【0053】
第1ワイヤ連結部165と第2ワイヤ連結部166は何れも回動バー162の両端部に回動可能に連結されることができる。
【0054】
このようなワイヤの力調節装置160は、所謂てこの原理を利用した装置で、本実施例の場合には、第1ワイヤ140aを引っ張る時、力がたくさんかかることを減らす代わりに移動式サドル110を引っ張るワイヤ結束ブラケット134側では大きい力を提供することができるようにするために設けられる。
【0055】
即ち、図7によれば、ピボット部164から第1ワイヤ連結部165までの距離L1と第1ワイヤ連結部165を引っ張る時の力の大きさT1、つまり第1ワイヤ140aを引っ張る時の力の大きさT1の積は、ピボット部164から第2ワイヤ連結部166までの距離L2と第2ワイヤ連結部166に連結された第2ワイヤ140bが引っ張られる時の力の大きさT2の積と同じである。したがって、ピボット部164の位置を適切に調節すればかかる力をより減らすことができる。
【0056】
例えば、図7のように、第1ワイヤ連結部165とピボット部164との間の距離L1を第2ワイヤ連結部166とピボット部164との間の距離L2より長く形成させる場合、所謂てこの原理に起因して第1ワイヤ140aを引っ張る時、力がたくさんかかることを減らす代わりに、移動式サドル110を引っ張るワイヤ結束ブラケット134側では大きい力を提供することができる。この時、第1ワイヤ連結部165に連結される第1ワイヤ140aと第2ワイヤ連結部166に連結される第2ワイヤ140bの作用方向は互いに平行することが効果的である。
【0057】
ガイド部材163は第2ワイヤ140bがガイドされる円盤状の部材で、回動バー162の周辺に配置され、回転軸163aによって装置ハウジング161に回転可能に結合させることができる。
【0058】
このように、サドル移動モジュール130と操作レバー120との間にワイヤ140の力を調節するワイヤの力調節装置160を設けることによって、搭乗者がサドル110に着席した状態で、少ない力でサドル110の位置を簡便に調節することができる。
【0059】
本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲内で多様に修正及び変形することができることは当該技術が属する分野における技術者にとって自明である。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の特許請求の範囲に属するとすべきである。
【符号の説明】
【0060】
102:車輪
103:フレーム
104:ペダル
105:チェーン
107:ハンドル
110:移動式サドル
111:サドルブラケット
120:操作レバー
130:サドル移動モジュール
131:モジュールボックス
132:長孔
133:ワイヤ連結シャフト
134:ワイヤ結束ブラケット
135a、135b:回転軸
137:ピニオン
138:ラック
140:ワイヤ
160:ワイヤの力調節装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7