【文献】
"運命のクランバトル",「電撃ゲームアプリ Vol.10 マックピープル 2013年7月号増刊」,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年 6月14日,p.22-23
【文献】
"高速カードバトル カードヒーロー",「ファミ2コミック 4月号 ファミ通DS+Wii 4月号付録」,日本,株式会社エンターブレイン,2009年 4月 1日,p.82-84
【文献】
「エルミナージュIII 〜暗黒の使徒と太陽の宮殿〜 コンプリートガイド」,日本,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2011年 8月26日,初版,p.026-027
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所属変更ステップにおいて、前記第2サブグループから前記第1サブグループに所属を変更可能なプレイヤキャラクタのうち、最も優れた防御値を有するプレイヤキャラクタを前記第1サブグループに変更可能にする、請求項2に記載のサーバ装置の制御方法。
前記第1サブグループの所属プレイヤキャラクタ数と、前記第2サブグループの所属プレイヤキャラクタ数とに応じて、前記表示領域内の前記第1サブグループ及び前記第2サブグループの表示領域の割合が変更される、
請求項4に記載のサーバ装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、グループ対戦(GvG)を行なうゲームの中には、各グループにおいてプレイヤキャラクタを前衛と後衛とに分け、前衛のプレイヤキャラクタが他のグループの前衛のプレイヤキャラクタを攻撃することにより対戦が進められるものがある。また、後衛のプレイヤキャラクタは、他のグループの前衛に配置されたプレイヤキャラクタに対して攻撃できるタイプのゲームと待機しているだけのタイプのゲームがある。プレイヤキャラクタは相手プレイヤキャラクタから攻撃を受けると、相手プレイヤキャラクタの攻撃力、及び自身の防御力に応じてダメージを受け生命値が減り、一方、相手プレイヤキャラクタは与えたダメージに応じてポイントを獲得する。このように戦闘が進められ、終了時に獲得するポイントの合計が高いグループが勝利となる。
【0008】
また、対戦中において、相手プレイヤキャラクタからの攻撃が繰り返され、生命値がゼロになると、プレイヤキャラクタは、ステータスが例えば「気絶」となり、相手プレイヤキャラクタからの攻撃対象から外されるようになっている。そして、前衛のプレイヤキャラクタが全て「気絶」ステータスになると、相手プレイヤキャラクタの攻撃対象がなくなるため、相手グループがポイントを獲得することが不可能になる。このようにグループ対戦中に獲得するポイントの差(点差)が広がらないようにすることによって、一方的なゲーム展開がさらに助長されることを防止し、グループ対戦において、一定の興趣性、趣向性を担保している。
【0009】
しかし、上述した仕組みでは、グループ対戦において獲得ポイントの差が一定以上広がらないということに過ぎず、負けているグループが勝っているグループを逆転することは難しい。このためグループ対戦における戦況が硬直する傾向にあり、十分な興趣性、趣向性を確保しているとは言えない面もある。
【0010】
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、グループ対戦の興趣性や趣向性を十分に確保することができ、その結果、そのグループ対戦イベント延いてはゲーム全体の活性化を図ることが可能なソーシャルゲームを提供するサーバ装置の制御方法、サーバ装置、プログラム、ゲームシステム、及び端末装置のゲーム制御方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明によるサーバ装置の制御方法は、ゲームをプレイするプレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部とを備えるサーバ装置の制御方法であって、以下の処理を実行する。
【0012】
まず、情報記憶部に、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶させる。
【0013】
さらに、制御部により、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させ、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させる。
【0014】
ここで、「プレイヤ」とは、端末装置を操作するユーザであり、いわゆるクライアント−サーバシステムのクライアントにも該当する概念であって、サーバ装置のユーザ(サーバ管理者等)と区別する観点からも、これを「プレイヤ」と表記する。また、プレイヤは、一般に、自身に代えて、仮想的なゲーム空間において活動、行動、思考等するキャラクタやそれに関連付けられた適宜のゲーム媒体(以下、合わせてプレイヤキャラクタという)を通して、ゲームに参加し得る。よって、本開示において「プレイヤ」という場合、厳密にはプレイヤキャラクタを主位的に示すことがあるが、以下では単に「プレイヤ」と表記することもある。
【0015】
また、「グループ」としては、例えば、一般的な称呼として、種々の趣向を凝らした「ギルド」、「パーティ」、「チーム」、「コミュニティ」といった複数の構成員(メンバ)を有する仮想的な集合体等が挙げられる。このような「グループ」は、ゲームタイトル毎に作成・結成されてもよいし、或いは、複数のゲームタイトルを横断するような共通グループや共用グループとして、例えばプラットフォーム毎に作成・結成されてもよい。また、本開示においては、「対戦イベント」を主たるグループ間イベントとして説明するが、そのような対戦(バトル)タイプのイベントに加えて、ソーシャルゲームの一部として実行されるグループ間の交流イベントといった異なる種類のイベントが含まれていても構わない。
【0016】
また、本発明によるサーバ装置は、ゲームをプレイするプレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続されるサーバ装置であって、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部とを備えている。
【0017】
そして、情報記憶部は、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を有している。
【0018】
また、制御部は、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させ、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させる。
【0019】
さらに、本発明によるプログラムは、ゲームをプレイするプレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能なコンピュータに、以下のステップを実行させるためのものである。
【0020】
すなわち、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させるステップと、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させるステップと、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させるステップと、を実行させる。
【0021】
またさらに、本発明によるゲームシステムは、ゲームをプレイするプレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続されるサーバ装置、及び端末装置を含み、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を端末装置に表示させる制御部と、を備える。
【0022】
そして、本発明によるサーバ装置と同様に、情報記憶部が、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を有している。
【0023】
また、制御部が、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させ、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させる。
【0024】
またさらに、本発明による端末装置が実行するゲーム制御方法は、ゲームをプレイするプレイヤに操作され、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を画面に表示させる制御部とを備える端末装置が実行するゲーム制御方法であって、以下の処理を実行する。
【0025】
情報記憶部に、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶させる。
【0026】
また、制御部により、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させ、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、グループ対戦イベントの興趣性や趣向性を十分に確保することができ、その結果、そのグループ対戦イベント延いてはゲーム全体の活性化を図ることが可能なソーシャルゲームを提供するサーバ装置の制御方法、サーバ装置、及びプログラムを実現することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0030】
図1は、本発明によるサーバ装置の好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。また、
図2は、本発明によるゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。これらの図に示す如く、サーバ装置100は、ネットワーク200に接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を発現するものである。また、そのサーバ装置100と、同じくネットワーク200に有線接続及び/又は無線接続されたクライアントコンピュータ21や携帯端末22といった端末装置2とが、互いに通信可能に設定されることにより、ゲームシステム1が構成される。
【0031】
なお、ネットワーク200は、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100及び端末装置2間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、例えば、端末装置2に無線接続される基地局、その基地局に接続された移動体通信網、サーバ装置に接続されたインターネット、移動体通信網とインターネットを接続するゲートウェイ装置を備えるものが挙げられる。
【0032】
サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110が、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されたものである。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0033】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、ゲームの実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、さらに必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0034】
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムやゲームプログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0035】
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、ゲームプログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムやゲームプログラム、その他ゲームの進行や複数の端末装置2間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0036】
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100のユーザ(ゲームの提供者)が行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0037】
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置2のアクセス状況、各端末装置2におけるゲームのプレイ状況や進行状態(過去の成績等)を示すデータ、端末装置2間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0038】
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、ゲームに関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0039】
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、ゲームに関する音声情報(効果音や楽曲情報)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0040】
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワーク200へ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するためのインターフェースとから構成される。
【0041】
このように構成されたゲームシステム1及びサーバ装置100において、本発明によるゲーム用のプログラムに従って実施されるゲーム(ソーシャルゲーム)の好適な一実施形態について、以下に説明する。
図3は、サーバ装置100において実施されるゲームのタイムテーブルの一例を示す概念図である。また、
図4,
図7,
図8は、
図3に示すソーシャルゲームにおけるゲーム画面の構成例を示す模式図である。
【0042】
なお、以下の手順における各種処理(画像や画面の表示、判定、演算等)は、サーバ装置100の演算処理部101による制御指令に基づいて実行される。すなわち、演算処理部101が、本発明における「制御部」として機能する。また、上述したROM102及びRAM103、並びに、外部メモリ106に加え、ゲームに関する情報が記録された各種記憶媒体が、本発明における「情報記憶部」に相当する。
【0043】
このゲームは、互いに異なる対戦イベントBa1,Ba2を含んで構成されており、本実施形態においては、
図3における時間軸Ytに示す如く、これらの対戦イベントBa1,Ba2が0時から24時まで間断なく連続的に実施される。サーバ装置100は、予め設定されたスケジュールや時系列アルゴリズムにしたがって、これらの対戦イベントBa1,Ba2をプレイヤの端末装置2へ配信可能な状態にある。
【0044】
プレイヤは、端末装置2(クライアントコンピュータ21や携帯端末22;タブレット端末やスマートフォン等)を操作し、インターネット等のネットワーク200を介して、その端末装置2をサーバ装置100に接続する。それから、端末装置2の操作により、プレイヤがサーバ装置100から提供されるこのゲームを選択し、或いは、ゲームを選択する前のプラットフォーム画面にて、ID番号や暗証番号等のログイン情報を入力する。サーバ装置100の演算処理部101が、そのログイン情報を認識すると、ID番号に関連付けられたそのプレイヤ固有のマイページ画面やマイホーム画面を、端末装置2に表示する。また、ゲームの種類によっては、そのマイページ画面において、ゲームシーンとして設定された複数の場面(例えば、ロケーション、ダンジョン、クエスト等)がリストされたバナーが表示される。なお、これらのロケーション、ダンジョン、クエストといった場面は、相互に或いは個々の構造として階層化されていてもいなくてもよい。
【0045】
さらに、本ゲームでは、サーバ装置100の演算処理部101によって、マイページ画面やマイホーム画面において、個々のプレイヤが所属するグループである先述した「ギルド」に関するメニュー画面が表示される。本ゲームをプレイしたり本ゲームに参加したりした経験があるプレイヤは、基本的に所定のギルドに所属しており、その情報が、ROM102等の情報記憶部にプレイヤのID情報等の特定情報に関連付けられて記録されている。演算処理部101は、その情報に基づいて、そのプレイヤが所属しているギルドの情報と、必要に応じてギルドに関する編集メニュー等を端末装置2にさらに表示する。
【0046】
一方、本ゲームを初めてプレイするプレイヤや本ゲームに初めて参加するプレイヤは、基本的に、特定のギルドに所属していないため、演算処理部101は、かかるギルドに無所属のプレイヤの端末装置2に、ギルドを探索(検索)したり、新たなギルドを作成(確立)したりするためのメニュー画面を表示する。プレイヤはメニュー画面から逐次表示されるプルダウンメニュー等における指示にしたがって端末装置2を操作し、自分が参画するギルドを決定又は作成することができる。
【0047】
プレイヤの所属ギルドが決定又は選択された後、必要に応じて、複数のゲームリストやイベントリストが端末装置2に表示され、プレイヤが本ゲームへ参加することを選択すると、プレイヤの端末装置2には、その時点で実施されているゲームイベントの画面が表示される。これにより、プレイヤは、そのとき開催されているゲームイベントに自由に参加することができる。なお、このとき、プレイヤの端末装置2には、各種ゲームイベントの準備画面や導入画面が表示されてもよく、それは、静止画でも動画(フラッシュ等)でもよい。
【0048】
上述の如く、
図3に示す一例では、サーバ装置100によって、対戦イベントBa1,Ba2のいずれかが絶えず実行されている。例えば、本ゲームへのログイン時刻が、午前0時〜6時、午前9時〜12時、午後1時〜6時、午後8時〜10時、及び午後11時〜12時(次の日の0時)のいずれかの場合、このゲームコミュニティでは、対戦イベントBa1が開催されている。また、同様に、本ゲームへのログイン時刻が、午前6時〜9時、午前12時〜午後1時、午後6時〜8時、午後10時〜11時のいずれかの場合、対戦イベントBa2が開催されている。このように、演算処理部101は、所定のスケジュールに基づいて、開催されるべき対戦イベントBa1,Ba2の処理を実行するように構成されている。
【0049】
これらの対戦イベントBa1,Ba2のうち、対戦イベントBa1は、レイド戦、すなわち、例えばプレイヤが所属するギルドG1(グループ)と、敵プレイヤキャラクタであるレイドとの戦い(上述したGvRに相当するバトル)である。一方、対戦イベントBa2は、ギルド戦、すなわち、例えばプレイヤが所属するギルドG1,G2(ともにグループ)同士の戦い(上述したGvGに相当するバトル)である。
【0050】
ここで、
図4を参照して、各プレイヤの端末装置2に表示される対戦イベントBa2(GvG;ギルド戦)の実行開始時の状態の一例について説明する。この対戦イベントBa2(ゲームタイトルによっては、クエストやターン等と呼ばれることもある;対戦イベントBa1においても同様)における処理手順としては、まず、端末装置2の画面2aに、ゲーム画像の表示領域としてイベントフィールドF及びパレットPを画定し、それらの表示領域に、それぞれの構成要素を表示する。
【0051】
具体的には、イベントフィールドFに、ギルドG1(グループ)に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6(プレイヤ)、及び、ギルドG2(相手グループ)に所属するプレイヤキャラクタB1〜B6(相手プレイヤ)が構成要素の一部として表示される。すなわち、ここでは、イベントフィールドFに、主として、ギルドG1のプレイヤキャラクタA1〜A6が表示される領域(ギルドG1のメインフィールド)、及び、ギルドG2のプレイヤキャラクタB1〜B6が表示される領域(ギルドG2のメインフィールド)が画定される。そして、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6、及び、ギルドG2に所属するプレイヤキャラクタB1〜B6は、それぞれが一丸となって、相手ギルドの相手プレイヤキャラクタとの直接的な決戦を行う。
【0052】
また、ギルドG1,G2のメインフィールドは、それぞれ、図示一点鎖線で囲んで示すサブフィールドG1f,G1b及びサブフィールドG2f,G2bから構成されている。この実施形態では、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6のうち、各プレイヤキャラクタA1〜A6に設定されるパラメータの値(
図5参照)に基づいて、3体(所定数)のプレイヤキャラクタA1〜A3が前衛(第1サブグループ)としてサブフィールドG1fに配置され、他のプレイヤキャラクタA4〜A6が後衛(第2サブグループ)としてサブフィールドG1bに配置される。同様に、ギルドG2に所属するプレイヤキャラクタB1〜B6のうち、各プレイヤキャラクタB1〜B6に設定されるパラメータに基づいて、3体(所定数)のプレイヤキャラクタB1〜B3が前衛(第1サブグループ)としてサブフィールドG2fに配置され、プレイヤキャラクタB4〜B6が後衛(第2サブグループ)としてサブフィールドG2bに配置される。ここで、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータ値には、攻撃値、防御値、生命値等の各値が含まれる。また、防御値に関しては、
図5に示すように、ギルドG1のプレイヤキャラクタA1〜A6については、A1>A2>A3>A4>A5>A6の順に防御値が設定されており、ギルドG2のプレイヤキャラクタB1〜B6については、B1>B2>B3>B4>B5>B6の順に防御値が設定されている。したがって、
図4に示す例においては、各ギルドG1,G2において、防御値の高いプレイヤキャラクタA1〜A3、プレイヤキャラクタB1〜B3がそれぞれ前衛として配置されている。
【0053】
上記のギルドG1,G2のいずれにおいても、相手プレイヤキャラクタからの攻撃によってダメージを受けるのは、前衛のプレイヤキャラクタのみであり、前衛及び後衛のプレイヤキャラクタは、いずれも攻撃に参加することができる設定とされている。換言すると、前衛に所属するプレイヤキャラクタは、相手を攻撃すると共に相手からの攻撃対象となり、後衛に所属するプレイヤキャラクタは、相手を攻撃するが相手からの攻撃対象とはならない設定となっている。このように設定することにより、対戦イベントBa2を開始した後、暫くの間は、各ギルドG1,G2に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6のうち、防御値が低く設定されるプレイヤキャラクタA4〜A6,B4〜B6は後衛に配置されているため、相手プレイヤキャラクタからの攻撃を受けない。そして、サブフィールドG1f,G1b,G2f,G2bにそれぞれ配置される各プレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6は、一定の規則に従って前衛から後衛に、又は後衛から前衛に配置(所属)が変更される。このプレイヤキャラクタの所属を変更する処理についての詳細は後述する。なお、サブフィールドG1f,G2fにはプレイヤキャラクタA1〜A3,B1〜B3がラージサイズで表示され、サブフィールドG1b,G2bには、プレイヤキャラクタA4〜A6,B4〜B6がスモールサイズ(ラージサイズより小さいサイズ)で表示される。これにより、攻撃によりダメージを受ける前衛のプレイヤキャラクタA1〜A3,B1〜B3をプレイヤに視認させ易くしている。
【0054】
また、この対戦イベントBa2における対戦の態様として、ギルドG1のプレイヤキャラクタA1〜A6のそれぞれの端末装置2の画面2aには、パレットPが表示される。このパレットPは、その構成要素として、ギルドG1,G2のそれぞれのプレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6が、相手プレイヤキャラクタB1〜B6,A1〜A6に対して攻撃を仕掛ける際に使用できる「技」(通常技や必殺技)を抽選により決定するための場である。このパレットPには、仮想的なカードの束であるデッキDと、デッキDから選択された複数のカード(ゲーム媒体)が表示される。
【0055】
各カードには、「技」の種類又はそれを表す例えばプレイヤキャラクタ、技に関連する特定のアイテム、イラスト、文字等が描画又は記載されている。また、各カードには、前記の技、攻撃値(技や発動される動作のポイント;アクションポイント(AP)や技ポイント(技P))、防御値(体力や生命力(HP)でもよい)、属性(赤、緑、青といった色や、火、水、木、光といった形態等)、稀少度(レア度)等の情報が設定されている。そして、プレイヤがデッキDから順次めくって表示させた3枚のカード31,32,33の種類、属性、稀少度等が全て揃った場合、或いは、特定の組み合わせ(役)ができた場合、プレイヤキャラクタA1〜A6の攻撃力や防御力が増大するといった効果が発動される。さらに、カード31,32,33の選択や組み合わせによって発動される技又はそれに関連する実行中アイテム401,402が、イベントフィールドFにおけるプレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6のそれぞれの下方に表示される。
【0056】
なお、3枚のカード31,32,33がパレットPに表示されている状態において、プレイヤがデッキDからカードをさらに捲ると、カード31,32,33のうちいずれか1枚(例えば、図示向って一番左にあるカード31が、画面2aから削除され、新たに選択された別のカードが表示される。このとき、削除されるカード31がパレットPの外部に、例えばスライドアウトし、残りのカード32,33が向って左側にスライドし、空いたスペースに新たなカードがスライドインするといった演出を行ってもよい。
【0057】
そして、ギルドG1の各プレイヤキャラクタA1〜A6は、パレットPにおいてデッキDからカードを順次選択する(捲る)ことにより、それぞれのカード31,32,33に設定された技、攻撃値、特定のアイテム、防御値等、及び、それらの属性や稀少度等の組み合わせに応じて、相手のギルドG2のプレイヤキャラクタB1〜B6を攻撃し、相手に与えるダメージや自分が受けるダメージが計算される。反対に、ギルドG2のプレイヤキャラクタB1〜B6のそれぞれの端末装置2の画面2aにも、同様の表示がなされ、相手のギルドG1のプレイヤキャラクタA1〜A6への攻撃を行う。
【0058】
また、各ギルドG1,G2のメインフィールドの上方には、それぞれのギルドG1,G2毎のHPゲージ61,62が表示され、さらに、それらのHPゲージ61,62の近傍には、プレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6が、相手プレイヤキャラクタB1〜B6,A1〜A6から攻撃を受ける前に、その相手プレイヤキャラクタへ連続して攻撃をした回数(いわゆるコンボ回数)がコンボゲージCm1,Cm2として表示される。このコンボゲージCm1,Cm2に表示されるコンボ回数が所定値以上になると、プレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6が、相手プレイヤキャラクタB1〜B6,A1〜A6に仕掛ける技の威力が増強され、これにより、相手プレイヤキャラクタに与えるダメージが増幅される。また、少なくとも対戦イベントBa2においては、攻撃を受けるプレイヤキャラクタの防御値(パラメータ)に応じて攻撃結果が異なるように設計されている。つまり、異なる防御値が設定されたプレイヤキャラクタに同一の攻撃を行なった場合、防御値の高いプレイヤキャラクタより防御値の低いプレイヤキャラクタの方が大きなダメージを与えることができ、より高いポイントを獲得できるようになっている。そして、対戦終了時刻における獲得ポイントに基づいて、両者の勝敗が決せられる。
【0059】
次に、
図6を参照してプレイヤキャラクタの所属を前衛から後衛へ、又は後衛から前衛へ変更させる処理の一例について説明する。サーバ装置100は、上述のように、各ギルドG1,G2の前衛に所属する相手プレイヤキャラクタに対して前衛及び後衛に所属するプレイヤキャラクタが攻撃をする対戦処理を端末装置2に実行させる(ST501)。次に、サーバ装置100は、対戦イベントBa2に対して予め定められた一定期間(一定時間でも良い。
図3参照)が経過したか否かを判断し(ST502)、一定期間を経過したと判断した場合は(ST502:YES)、対戦イベントBa2を終了させる。
【0060】
一方、一定期間を経過していないと判断した場合(ST502:NO)、サーバ装置100は、各ギルドG1,G2について、前衛に所属するプレイヤキャラクタのうちに、相手プレイヤキャラクタの攻撃を受け対戦不能状態に陥ったプレイヤキャラクタが存在するか否かを判断する(ST503)。ここで、対戦不能状態とは、例えば、相手プレイヤキャラクタの攻撃を受け生命値がゼロになると共にステータスが「気絶」になった状態である。対戦不能状態に陥ったプレイヤキャラクタが存在しないと判断した場合(ST503:NO)、ステップS501の処理へ戻り、サーバ装置100は端末装置2に対戦処理を継続させる。
【0061】
また、対戦不能状態に陥ったプレイヤキャラクタが存在すると判断した場合(ST503:YES)、サーバ装置100は、対戦不能状態に陥ったプレイヤキャラクタの所属を前衛から後衛に変更させる(ST504)。例えば、
図4に示すギルドG2のプレイヤキャラクタB1が対戦不能状態に陥った場合、プレイヤキャラクタB1の所属が前衛から後衛に変更される。これにより、プレイヤキャラクタB1の配置がサブフィールドG1fからサブフィールドG1bへ変更され、ギルドG2の前衛が3人から2人になる。なお、配置が変更される際は、プレイヤキャラクタB1の表示サイズがラージサイズからスモールサイズに変更される。
【0062】
次に、サーバ装置100は、相手プレイヤキャラクタを対戦不能状態に陥らせたギルドの後衛に所属するプレイヤキャラクタのうちから、最も優れたパラメータ値を有するプレイヤキャラクタを選択する(ST505)。例えば、
図4に示すギルドG1の後衛に所属するプレイヤキャラクタA4〜A6のうちから、防御値が最も優れているプレイヤキャラクタA4が選択される(
図5参照)。なお、プレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6は対戦不能状態(気絶状態)になると、一定時間(一定期間でも良い。)が経過するまで、対戦不能状態が継続し、該対戦不能状態においては、ステップS505の選択から除外されるように構成される。
【0063】
次に、サーバ装置100は、ステップS505において選択したプレイヤキャラクタの所属を後衛から前衛に変更させる(ST506)。例えば、
図4に示すギルドG1の後衛に所属するプレイヤキャラクタA4が選択された場合、プレイヤキャラクタA4の所属が後衛から前衛に変更される。これにより、プレイヤキャラクタA4の配置がサブフィールドG1bからサブフィールドG1fへ変更され、ギルドG1の前衛が3人から4人になる。なお、配置が変更される際は、プレイヤキャラクタA4の表示サイズがスモールサイズからラージサイズに変更される。また、ステップS504,S506の処理によって、サブフィールドG1f,G1b,G2f,G2bに配置されるプレイヤキャラクタの人数に変更がある場合、その変更に応じて、サブフィールドを確定するラインの領域を変化させるようにする。そして、ステップS501の処理へ戻り、サーバ装置100は対戦処理を継続させる。
【0064】
なお、
図6の説明においては、プレイヤキャラクタ1人が対戦不能状態に陥った場合を例に挙げて説明したが、相手プレイヤキャラクタの攻撃により複数のプレイヤキャラクタが同時に対戦不能状態に陥った場合は、その複数のプレイヤキャラクタの所属が略同時に変更される。そして、攻撃を行なったギルドの後衛に所属するプレイヤキャラクタのうちから上記所属が変更された人数と同数のプレイヤキャラクタを、防御値が優れている順に選択させ、それらの所属を後衛から前衛に変更させる。このように処理することにより、対戦イベントBa2を行なう両ギルドの前衛に所属する総プレイヤキャラクタの人数を一定にすることができる。
【0065】
次に、
図7を参照して、各プレイヤの端末装置2に表示される対戦イベントBa2において、プレイヤキャラクタA1〜A6,B1〜B6の一部の所属が
図4に示す状態から変更されたときの一例について説明する。より具体的には、
図4に示す状態から、ギルドG2のプレイヤキャラクタB1が対戦不能状態に陥り、ギルドG1のプレイヤキャラクタA4が所属変更の対象として選択された場合である。
【0066】
図7を参照すると、ギルドG1については、サブフィールドG1fにプレイヤキャラクタA1,A2,A3,A4の4人が配置されており、サブフィールドG1bにプレイヤキャラクタA5,A6の2人が配置されている。一方、ギルドG2については、サブフィールドG2fにプレイヤキャラクタB2,B3の2人が配置されており、サブフィールドG2bにプレイヤキャラクタB1,B4,B5,B6が配置されている。したがって、ギルドG1からギルドG2への攻撃対象はプレイヤキャラクタB1,B2の2人であり、ギルドG2からギルドG1への攻撃対象はプレイヤキャラクタA1,A2,A3,A4の4人となる。このように、ギルドG1においては、前衛の人数が4人と多くなる一方、A1,A2,A3より防御値が低いプレイヤキャラクタA4がギルドG2からの攻撃対象に加えられる。また、ギルドG2においては、前衛のプレイヤキャラクタの人数が2人になり1人減るものの、防御値が弱いプレイヤキャラクタA4を攻撃対象とすることができ、プレイヤキャラクタA4を攻撃することにより、より大きなダメージを与え、高いポイントを獲得できるようになる。
【0067】
このため、ギルドG1がプレイヤキャラクタB1を対戦不能状態にする程優位に対戦を進めていても、プレイヤキャラクタA4が攻撃対象となった以後は、ギルドG2がプレイヤキャラクタA4を集中的に攻撃することにより、ギルドG2が高いポイントを獲得することができようになる。よって、ギルドG2の獲得ポイントがギルドG1の獲得ポイントを上回ることが可能になり、ゲームに負けていたギルドG2がギルドG1に勝利することができる可能性が高くになる。
【0068】
次に、
図8を参照して、ゲーム展開が一方的な戦況になった場合について説明する。例えば、ギルドG2のプレイヤが気付かないうちに、対戦が開始され、ギルドG1からギルドG2に対して一方的に攻撃が行なわれた場合である。
【0069】
図8を参照すると、ギルドG1については、サブフィールドG1fにプレイヤキャラクタA1〜A6の6人が配置されており、サブフィールドG1bにプレイヤキャラクタが配置されていない。一方、ギルドG2については、サブフィールドG2fにプレイヤキャラクタが配置されておらず、サブフィールドG2bにプレイヤキャラクタB1〜B6の6人が配置されている。したがって、ギルドG1からギルドG2へは攻撃対象となるプレイヤキャラクタが存在しないのに対し、ギルドG2からギルドG1へは攻撃対象となるプレイヤキャラクタがA1〜A6の6人となる。このように、ギルドG1においては、前衛の人数が6人になるが攻撃対象がなくなる一方で、防御値が最も低いプレイヤキャラクタA6を含む6人のプレイヤキャラクタA1〜A6全てがギルドG2からの攻撃対象になる。また、ギルドG2においては、相手からの攻撃対象となる前衛のプレイヤキャラクタがいないためこれ以上攻撃を受けることがない一方で、防御値が最も低いプレイヤキャラクタA6を攻撃対象とすることができる。よってギルドG2がプレイヤキャラクタA6を攻撃することにより、大きなダメージを与え、高いポイントを獲得できるようになる。
【0070】
このため、ギルドG1がプレイヤキャラクタB1〜B6を対戦不能状態にするほど一方的に対戦を進めていても、プレイヤキャラクタA6が攻撃対象となった以後は、ギルドG2がプレイヤキャラクタA6を集中的に攻撃することにより、他のプレイヤキャラクタA1,A2,A3,A4,A5を攻撃するときよりも高いポイントを獲得することができ、ギルドG2の獲得ポイントがギルドG1の獲得ポイントを上回ることが可能になり、一方的にゲームに負けていたギルドG2がギルドG1に勝利することができる可能性が高くなる。
【0071】
以上の如く構成されたサーバ装置100、その制御方法、ゲームプログラム、及びゲームシステム1によれば、サーバ装置100の演算処理部101によって、対戦イベントBa2が実行される。そして、演算処理部101は、プレイヤキャラクタに設定される防御値に基づいて、対戦イベントBa2の開始時に対戦イベントBa2を実行するギルドG1及びG2毎に、各ギルドG1,G2に含まれるプレイヤキャラクタのうち3人(所定数)のプレイヤキャラクタA1〜A3,B1〜B3を前衛に所属させると共に各ギルドG1,G2の他のプレイヤキャラクタA4〜A6,B4〜B6を後衛に所属させる。そして、対戦イベントBa2の開始後は、例えばプレイヤキャラクタB1の所属を前衛から後衛に変更させると共に、プレイヤキャラクタに設定される防御値に基づいて選択されるギルドG1のプレイヤキャラクタA4の所属を後衛から前衛に変更させる。このように、有利にゲームを進めているギルドG1の前衛に防御力が弱いプレイヤキャラクタA4が配置されるため、ギルドG2がプレイヤキャラクタA4を集中的に攻撃することにより、高いポイントを獲得できるようになり、不利な戦況のギルドG2が逆転可能になる。よって、対戦イベントBa2の戦況が硬直することはなく、十分な興趣性、趣向性を確保することができる。そして、その結果、その対戦イベントBa2延いてはゲーム全体の活性化を図ることができる。
【0072】
また、演算処理部101は、ギルドG2に所属する対戦不能状態に陥ったプレイヤキャラクタを前衛から後衛に所属を変更させると共に、その所属を変更させるプレイヤキャラクタの数と同数のプレイヤキャラクタを、ギルドG1において、後衛から前衛に所属させる。このため、ギルドG1およびG2の前衛に所属するプレイヤキャラクタの総数が、6人(一定数)に保たれるので獲得ポイント及び前衛(つまり、攻撃対象となる)の人数のバランスを保つことができ、興趣性、趣向性をさらに確保することができる。
【0073】
さらに、演算処理部101は、プレイヤキャラクタの所属を後衛から前衛に変更させるときは、後衛に所属させているプレイヤキャラクタのうちから最も優れた防御値(パラメータ)を有するプレイヤキャラクタを所属変更の対象として選択させる。このため、例えば後衛からプレイヤキャラクタがランダム選択される場合と比較して、最も防御値が低いプレイヤキャラクタが突然、攻撃対象となることを回避することができ、対戦イベントBa2のゲームバランスを保ち、興趣性、趣向性をさらに確保することができる。
【0074】
そして、演算処理部101は、対戦不能状態に陥った(気絶した)プレイヤキャラクタを一定時間が経過するまで所属変更の対象から除外させる。このため、例えば、最も防御値が高いプレイヤキャラクタB1がギルドG1からの攻撃によって後衛に所属変更された場合、当該一定時間が経過するまでの間に、さらにギルドG2に所属するプレイヤキャラクタを後衛から前衛に所属を変更させる状況が生じてもプレイヤキャラクタB1は所属変更の対象にならず、他のプレイヤキャラクタが所属変更の対象になる。したがって、前衛に所属させるプレイヤキャラクタの組合せをゲームの進行に応じて変化させることができ、ゲームの興趣性、趣向性をさらに確保することができる。
【0075】
またさらに、演算処理部101は、対戦イベントBa2を予め定められた一定期間継続させた後、終了させる。このため、仮にゲーム展開が一方的になったとしてもゲームが終了せずに、例えば
図8を参照して上述したように、戦況が有利なギルドは攻撃対象がなくなるためポイントを獲得できない状態になり、戦況が不利なギルドは相手の最も防御値が低いプレイヤキャラクタを集中的に攻撃して高いポイントを獲得するができる状態になる。このため、戦況が不利なギルドが逆転することが可能になり、ゲームの興趣性、趣向性をさらに確保することができる。
【0076】
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、
図1に示すサーバ装置100の構成は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置2であるクライアントコンピュータ21及び携帯端末22についても適合する。逆言すれば、クライアントコンピュータ21及び携帯端末22を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワーク200を介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
【0077】
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワーク200を介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
【0078】
またさらに、サーバ装置100及び端末装置2におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置2としては、ネットワーク200に接続可能なゲーム機を用いてもよく、他には、例えば通信カラオケ装置を用いることも可能である。
【0079】
加えて、対戦イベントBa1,Ba2におけるゲーム設定も、上記の実施形態における具体例に限定されるものではない。例えば、対戦イベントBa1,Ba2は、2つのギルドG1,G2間の対戦に限られず、3つ以上のギルド間の対戦としてもよい。
【0080】
また、
図4等に示した実施形態においては、イベントフィールドFに、前衛のプレイヤキャラクタと後衛のプレイヤキャラクタがともに構成要素の一部として表示されるものとしたが、これに限られず、例えば、イベントフィールドFからサブフィールドG1b,G2bの領域を無くし、後衛のプレイヤキャラクタは表示されない構成としてもよい。この場合には、イベントフィールドFに、前衛のプレイヤキャラクタのみが表示されることとなる。
【0081】
なお、上記実施の形態では、サーバ装置100が上記の各処理を実行する場合で説明したがこれは本発明の一実施の形態であり、本発明は上記実施の形態に限るものではない。例えば、他の実施の形態として、端末装置2が上記の各処理を実行するようにしても良い。
【0082】
より詳細には、端末装置2は、ゲームをプレイするプレイヤに操作され、ゲームに関連する情報を記憶する情報記憶部と、情報にアクセスし、ゲームに関する演算を実行し、且つ、ゲームの画像を画面に表示させる制御部とを備え、以下の処理を実行するようにしても良い。
【0083】
先ず、情報記憶部に、ゲームに関連する情報の一部として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定されるパラメータ、プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶させる。
【0084】
次に、制御部により、対戦イベントの開始時に、プレイヤキャラクタに設定されるパラメータの値に基づいて、対戦イベントが行われる各グループに所属するプレイヤキャラクタのうち所定数のプレイヤキャラクタを第1サブグループに所属させると共に各グループの他のプレイヤキャラクタを第2サブグループに所属させ、対戦イベントの開始後に、一のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第1サブグループから第2サブグループへ所属させると共に他のグループに所属する少なくとも一のプレイヤキャラクタを第2サブグループから第1サブグループへ所属させる。以上のように端末装置2が上記の各処理を実行するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したとおり、本発明のサーバ装置、その制御方法、プログラム、及びゲームシステムは、対戦イベント自体の面白味、興趣性や趣向性を格段に高めることができ、対戦イベント延いてはゲーム全体の活性化を促進して、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を向上させることが可能となるので、特にサーバ−クライントタイプのネットワーク構成において配信、提供、実施等されるゲーム全般(特にソーシャルゲームの要素を含むもの)、そのゲームの配信、提供、実施等に係るソフト及びハード関連の技術全般、さらに、それらの設計、製造、販売等の活動に、広く且つ有効に利用することができる。
以下に、本願の原出願の分割直前の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、前記端末装置に、ゲームの画像情報を提供するサーバ装置の制御方法であって、
前記サーバ装置は、
前記ゲームにおいて、前記プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶される情報に基づいて、前記対戦イベントに参加する各グループに所属するプレイヤキャラクタを、他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受ける第1サブグループ、または、前記他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受けない第2サブグループに所属させるステップと、
前記対戦イベントの開始後に、一のグループに所属するプレイヤキャラクタのうち対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を前記第1サブグループから前記第2サブグループに変更すると共に、前記他のグループにおいて、所定数のプレイヤキャラクタの所属を前記第2サブグループから前記第1サブグループに変更する所属変更ステップとを実行し、
前記所属変更ステップにおいて、前記対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を、所定の時間または期間の経過後に、前記第1サブグループに変更可能にする、
サーバ装置の制御方法。
[2]
前記記憶するステップにおいて、前記プレイヤが操作するプレイヤキャラクタに設定される防御値を前記記憶部に記憶し、
前記所属変更ステップにおいて、前記防御値に基づいて前記第1サブグループにプレイヤキャラクタの所属を変更可能にする、[1]に記載のサーバ装置の制御方法。
[3]
前記所属変更ステップにおいて、前記第2サブグループから前記第1サブグループに所属を変更可能なプレイヤキャラクタのうち、最も優れた防御値を有するプレイヤキャラクタを前記第1サブグループに変更可能にする、[2]に記載のサーバ装置の制御方法。
[4]
前記所定数は、前記一のグループにおいて、前記第1サブグループから前記第2サブグループに所属させるプレイヤキャラクタの数と同数である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のサーバ装置の制御方法。
[5]
前記サーバ装置は、
前記ゲームの画像情報に基づいて前記端末装置に表示させる画像内に各グループの表示領域を設け、前記グループに所属するプレイヤキャラクタを1つの表示領域内に表示するステップを、
更に実行する[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のサーバ装置の制御方法。
[6]
前記表示領域内に表示されるプレイヤキャラクタは、前記第1サブグループと前記第2サブグループのいずれに所属するかに応じて、表示態様が変化する、[5]に記載のサーバ装置の制御方法。
[7]
前記第1サブグループの所属プレイヤキャラクタ数と、前記第2サブグループの所属プレイヤキャラクタ数とに応じて、前記表示領域内の前記第1サブグループ及び前記第2サブグループの表示領域の割合が変更される、[5]に記載のサーバ装置の制御方法。
[8]
前記対戦イベントは一定期間継続させた後、終了される、[1]乃至[7]のいずれか一項に記載のサーバ装置の制御方法。
[9]
プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、前記端末装置に、ゲームの画像情報を提供するサーバ装置であって、
前記ゲームにおいて、前記プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶部に記憶する手段と、
前記記憶部に記憶される情報に基づいて、前記対戦イベントに参加する各グループに所属するプレイヤキャラクタを、他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受ける第1サブグループ、または、前記他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受けない第2サブグループに所属させる手段と、
前記対戦イベントの開始後に、一のグループに所属するプレイヤキャラクタのうち対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を前記第1サブグループから前記第2サブグループに変更すると共に、前記他のグループにおいて、所定数のプレイヤキャラクタの所属を前記第2サブグループから前記第1サブグループに変更する所属変更手段とを備え、
前記所属変更手段は、前記対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を、所定の時間または期間の経過後に、前記第1サブグループに変更可能にする、サーバ装置。
[10]
コンピュータに、
プレイヤが操作する端末装置に通信回線を介して接続され、前記端末装置に、ゲームの画像情報を提供する機能と、
前記ゲームにおいて、前記プレイヤに関連付けられた複数のグループ、及び、該複数のグループ間で行なわれる対戦イベントの情報を記憶部に記憶する機能と、
前記記憶部に記憶される情報に基づいて、前記対戦イベントに参加する各グループに所属するプレイヤキャラクタを、他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受ける第1サブグループ、または、前記他のグループに所属するプレイヤキャラクタから攻撃を受けない第2サブグループに所属させる機能と、
前記対戦イベントの開始後に、一のグループに所属するプレイヤキャラクタのうち対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を前記第1サブグループから前記第2サブグループに変更すると共に、前記他のグループにおいて、所定数のプレイヤキャラクタの所属を前記第2サブグループから前記第1サブグループに変更する所属変更機能とを実現させるプログラムであって、
前記所属変更機能は、前記対戦不能状態になったプレイヤキャラクタの所属を、所定の時間または期間の経過後に、前記第1サブグループに変更可能にする、プログラム。