【0014】
本発明は、簡略安価な構成の基に、ゴルフプレイ中における危険球の発生を
プレイヤーによる無線操作端末の操作によりゴルフ用のカートに設けた本体に接続したスピーカで報知するゴルフ危険球の警告音発呼システムを実現し提供するという目的を、
プレイヤーが片手で簡単操作可能に構成した小型筐体を形成し、この筐体に、前記無線操作端末自体の動作制御行う端末制御部と、本体無線送受信との間で無線交信する端末無線送受信部と、カート道上でゴルフ用のカートを発進・停止させる発進・停止ボタンと危険球発生時にプレイヤーが操作する危険ボタンとを備え、
プレイヤーによる1回の危険ボタンの押下操作
のみの極めて簡略な操作だけで、ティーグラウンドでのティーショットの危険球発生に限らず第2打地点以降での危険球発生の事態においても端末無線送信部から危険信号を無線送信可能な無線操作端末と、前記無線操作端末と無線交信する本体無線送受信部と、「ファー」又はこれに類似する危険を警告する音声を発生するための音声情報を記憶する音声情報記憶部と、前記音声情報に関する
発音条件情報であって、聴感指向性を利用して遠くにいる人でも聞き易くするためのエコー音を含みゴルフ場の晴天、曇天、風の強弱や降雨の程度等の自然環境に最適化して他のプレイヤーに的確に危険状態を報知することができる警告音色から構成された発呼音色、発呼回数、発呼時間、発呼音量
からなる発音条件情報を
ゴルフプレイ中においてもゴルフ場の自然環境の変化に即応して設定変更可能な入力操作部と、前記入力操作部からの発音条件情報を記憶する発音条件情報記憶部と、前記音声情報、発音条件情報を基に実際に発音するための発音情報を作成し出力する発音情報作成部と、を有し、ゴルフ用のカートに設けた本体と、前記本体と電気ケーブルで接続しゴルフ用の
カートの天板部に設けられ、危険球発生場所から最も近い位置となるカートから「ファー」又はこれに類似する音声を設定した発音条件で危険球の警告音として外部に発呼するスピーカと、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システムについて詳細に説明する。
【0016】
本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1は、
図1に示すように、ゴルフ場におけるゴルフプレイ時に使用するカート(ゴルフカート)2に搭載した本体3と、前記本体3に電気ケーブル4で接続されるとともに前記カート2の例えば天板部6に取り付けた発音手段であるスピーカ5と、前記本体3との間で無線にて各種信号の送受信を行う無線操作端末(リモートコントローラ)21と、を有している。
【0017】
前記本体3は、
図2に示すように、本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1全体の動作を実行する本体制御部6と、本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1全体の動作を実行するためにペアリングプログラムを含む動作プログラムを格納したプログラムメモリ7と、無線操作端末21と無線交信する本体無線送受信部8と、例えば「ファー」又はこれに類似する危険を警告するための音声を発音するための音声情報を記憶する音声情報記憶部9と、前記音声情報に関する発呼回数、発呼時間、後述するデジタルアンプ13のゲイン(発呼音量)、発呼音色(例えば遠くにいる人でも聴感指向性を利用して聞き易くするためのエコー)等の発音条件情報を設定入力する入力操作部10と、前記入力操作部10からの発音条件情報を記憶する発音条件情報記憶部11と、前記音声情報、発音条件情報を基に実際に発音するための発音情報を作成し出力する発音情報作成部12と、前記発音情報を増幅し電気ケーブル4を介して前記スピーカ5に伝送するデジタルアンプ13と、前記ペアリングプログラムに基づき本体無線送受信部8と後述する端末無線送受信部23との間のペアリング処理を実行するペアリング処理部15と、
を有している。
【0018】
そして、前記スピーカ14により、増幅された前記発音情報を基に、例えば「ファー」又はこれに類似する音声を既述したようにして設定した発音条件で危険球の警告音として外部に発呼するように構成している。
【0019】
前記無線操作端末21は、
図3に示すように、片手操作可能に構成した小型の筐体21Aを具備し、この筐体21Aに、前記無線操作端末21自体の動作制御を行う端末制御部22と、本体無線送受信部8との間で無線交信する端末無線送受信部23と、危険球発生時に例えば同伴プレイヤーが操作する危険ボタン24と、ペアリング処理時に動作する赤色LED25、及び青色LED26と、前記カート2をカート道上で発進させたり、停止させたりする際にプレイヤーが操作する発進・停止ボタン27と、を組み込んでいる。
【0020】
なお、前記カート2自体の前進、停止駆動の詳細機能については説明を省略する。
【0021】
また、前記本体無線送受信部8と端末無線送受信部23との間の無線通信方式としては、Bluetooth(登録商標)通信、Bluetooth LE(Bluetooth Low Energy)通信、赤外線通信等、種々の方式があり、本発明においては特に限定するものではないが、前記危険ボタン24を押してから、発呼されるまでの時間が迅速な(例えば0.5秒以内等)、すなわち、Low Delayの無線方式が好ましい。
【0022】
次に、本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1の危険球発生時における動作について
図4、
図5をも参照して説明する。
【0023】
本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1においては、あるホールにおけるゴルフプレイ開始に先立って、公知の技術ではあるが前記本体無線送受信部8と端末無線送受信部23との間のペアリング処理を実行する。
【0024】
すなわち、前記本体無線送受信部8、端末無線送受信部23を各々動作可能な状態とする。このとき、端末無線送受信部23の赤色LED25が赤色発光する。
【0025】
次に、前記端末無線送受信部23を本体3に向け、端末無線送受信部23の危険ボタン24を例えば3秒間長押しする。
【0026】
これにより、前記端末無線送受信部23と本体無線送受信部8との間で無線交信が行われ、ペアリングプログラムに基づくペアリング処理部15の動作で本体無線送受信部8と端末無線送受信部23とがペアリングされ、赤色LED25が消灯し青色LED26が青色発光する。
【0027】
これ以降、端末無線送受信部23から本体無線送受信部8への無線信号の送信が何時でも可能となる。
【0028】
ゴルフ場のあるホールにおけるゴルフプレイが開始され、例えばあるプレイヤーのミスショットにより
図5に示すような隣接ホールに飛び込むようなゴルフ球(危険球)Bが発生した場合には、前記プレイヤー以外の同伴プレイヤーが自己の手に持った無線操作端末21の危険ボタン24を1回押下する。
【0029】
危険ボタン24が押下されると、その押下信号が端末制御部22の制御の基に危険信号として端末無線送受信部23から前記カート2における本体3に設けた本体無線送受信部8に無線送信される。
【0030】
無線操作端末21からの危険信号を受信した本体3においては、前記危険信号を基に本体制御部6の制御により発音情報作成部12が前記音声情報、発音条件情報を基に実際に発音するための発音情報を作成しデジタルアンプ13に出力する。
【0031】
デジタルアンプ13は前記発音情報を増幅し、前記スピーカ5に伝送する。
【0032】
これにより、スピーカ14が例えば「ファー」又はこれに類似する音声(警告音)を大音量で発呼し、隣接ホールに存在する他のプレイヤーに危険状態を報知する。
【0033】
このようにして、ゴルフ場のあるホールにおいて隣接ホールに飛び込むような危険球が発生した場合に、前記無線操作端末21の危険ボタン24を1回押下するだけの極めて簡略な操作だけで、隣接ホールに存在する他のプレイヤーに危険状態を報知し注意を喚起することができ、ゴルフプレイ時の安全性向上に資することができる。
【0034】
また、「ファー」又はこれに類似する音声からなる警告音の発呼回数、発呼時間、発呼音量、発呼音色等の発音条件も変更可能であるため、ゴルフ場の自然環境(晴天、曇天、風の強弱や降雨の程度等)に対応して最適化した警告音をもってより的確に他のプレイヤーに対して危険状態を報知することもできる。
【0035】
上述した例では、隣接ホールに飛び込むような危険球が発生した場合の動作について説明したが、これに限らず、同一ホールにおいて先行するグループに打ち込むような危険球が発生した場合においても、上述した場合と同様な簡略な操作だけで、先行するグループに向けて例えば「ファー」又はこれに類似する音声を大音量で発呼することにより、先行するグループのプレイヤーに危険状態を報知し注意を喚起することができ、この場合もゴルフプレイ時の安全性向上に資することができる。
【0036】
また、本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1によれば、前記カート2に設けた本体3及びスピーカ5と、前記無線操作端末21との組み合わせにより構成しているので、ティーグラウンドでのティーショットにおける危険球の発生に限らず、第2打地点、第3打地点等での危険球の発生という事態にも上述した場合と同様に速やかに対応してゴルフプレイ時のプレイヤーの安全性向上に資することができる。
【0037】
更にまた、本実施例に係るゴルフ危険球の警告音発呼システム1によれば、前記本体3及びスピーカ5と、前記無線操作端末21との組み合わせからなるシテム構成を、ゴルフ場の各ホールを走行しているすべてのカート2に採用することで、ゴルフ場の各ホールで各々ゴルフプレイを行っている各グループのプレイヤー全員の安全性向上に資することができる。