特許第6170243号(P6170243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170243
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】高荷重振動ダンパー
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20170713BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20170713BHJP
   B25D 17/24 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   E02F3/36 Z
   F16F15/04 A
   B25D17/24
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-515253(P2016-515253)
(86)(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公表番号】特表2016-520745(P2016-520745A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】KR2014003607
(87)【国際公開番号】WO2015122568
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2015年11月20日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0016270
(32)【優先日】2014年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515324660
【氏名又は名称】デドン エンジニアリング カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEDONG ENGINEERING CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョン ニョル
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−141928(JP,A)
【文献】 特開平09−105236(JP,A)
【文献】 特開昭47−036607(JP,A)
【文献】 特開2004−169770(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1236510(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 43/11
B25D 17/24
E02F 3/36
E02F 3/40
E02F 5/32
F16F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸受部を有する振動体支持部と、
前記第1軸受部に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有する回転軸と、
前記偏心部が回転自在に支持される第2軸受部を有する支持部と、
前記振動体支持部と支持部との間または振動体支持部と第2軸受部との間に設けられ、支持部を振動体支持部に対して弾性支持させる弾性部材
回転軸から半径方向にそれぞれ設けられる第1リンクまたは第2リンクと、
該第1、第2リンクを連結する連結リンクと、
前記振動体支持部の一方側に設けられ、前記連結リンクの振幅または荷重による変位を限定する振幅限定ユニットを備えることを特徴とする高荷重振動ダンパー。
【請求項2】
前記弾性部材は、振動体支持部と連結リンクとの間または第1、第2軸受部の間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の高荷重振動ダンパー。
【請求項3】
前記振動体支持部に振動発生ユニットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の高荷重振動ダンパー。
【請求項4】
前記振動体支持部に固定されるものであって、第1係止部材が形成されているカプラーブラケットと、前記カプラーブラケットに回転自在に設けられている第2係止部材と、第2係止部材を回転させるためのアクチュエータを含むクイックカプラーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の高荷重振動ダンパー。
【請求項5】
前記振動体支持部には振動バケット、振動リッパー、ふるいバケット、コンパクター、油圧ブレーカ、ミーリングカッタ、ジョークラッシャのうち選択された一つが設けられることを特徴とする請求項1または3に記載の高荷重振動ダンパー。
【請求項6】
第1軸受部を有する振動体支持部と、
前記第1軸受部に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有し、相互所定間隔に離隔される回転軸と、
前記偏心部が回転自在に支持される第2軸受部を有する支持部と、
前記振動体支持部と支持部との間または振動体支持部と第2軸受部との間に設けられ、支持部を振動体支持部に対して上方に弾性支持させる弾性部材を備え、
前記回転軸に設けられ、振動によって回転軸の回転方向を同期させるための回転同期ユニットを備えることを特徴とする高荷重振動ダンパー。
【請求項7】
前記回転同期ユニットは、前記偏心部の端部側の回転軸に両端部が回転自在に支持される連結リンクを備えることを特徴とする請求項6に記載の高荷重振動ダンパー。
【請求項8】
アタッチメント本体の両側面に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有し、相互所定間隔に離隔される回転軸と、
前記偏心部が回転自在に支持される第2軸受部を有し、掘削機のブームと連結される支持部と、
前記アタッチメント本体と支持部との間に設けられ、支持部をアタッチメント本体に対して上方に弾性バイアスさせる弾性部材を備え、
前記回転軸に設けられ、振動によって回転軸の回転方向を同期させるための回転同期ユニットを備えることを特徴とする高荷重振動ダンパー。
【請求項9】
前記回転同期ユニットは、回転軸から半径方向にそれぞれ設けられる第1リンク及び第2リンクと前記第1リンクを回動自在に連結する第1連結リンクと第2リンクを回動自在に支持する第2連結リンクを備えることを特徴とする請求項8に記載の高荷重振動ダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動ダンパーに係り、さらに詳しくは振動発生源から発生する振動が他方側に伝達されることを防止できる高荷重振動ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、建設機械、掘削機、振動リッパ、自動車などには多様な形状の振動モデルが提案されて実用化されている。振動(振動)特性には、一般に負荷質量依存性と入力依存性がある。負荷質量依存性は荷重-変位特性の曲率と関係があり、入力依存性は荷重-変位特性のヒステリシスと関係がある。
【0003】
例えば、建設機械、掘削機油圧ブレーカ、振動リッパなどの振動発生源からブームまたは車体に伝わることを防止する制振ユニットには金属バネ、空気バネ、防振ゴム、ショックアブソーバなどが使われている。制振ユニットにソフトなバネを使えば、共振点(resonance point)は低周波側に移動するが、振動伝達率が高まる。共振点の伝達率を下げるためには、ダンパーの減衰比を大きくする必要がある。しかし、減衰比を大きくすれば高周波の伝達率が高くなるので、従来の受動的な振動モデルにおいてはその性能に限界が生じる。全ての条件下における最適化のために能動的制御が必要である。
【0004】
韓国特許第10−0331934号には磁気バネを用いた振動機構が開示されており、韓国特許第0161564号には油圧ブレーカ緩衝装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許第10-0331934号
【特許文献2】韓国特許第0161564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述した技術的課題を解決するために案出されたもので、その目的は振動発生源から発生する振動が他方側に伝達されることを防止できる高荷重振動ダンパーを提供するところにある。
【0007】
本発明の他の目的は、掘削機などの建設機械のブームとアタッチメント(attachment)との間に設けられ、アタッチメントから発生する振動がブームまたは車体に伝達されることを防止できる高荷重振動ダンパーを提供するところにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、建設機械の振動リッパ、油圧ブレーカなどのアタッチメントと結合され、アタッチメントから発生する振動を活性化させられる高荷重振動ダンパーを提供するところにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、アタッチメントに設けられた振動発生源から発生する振動を活性化して、アタッチメントの機能を向上させられる高荷重振動ダンパーを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した技術的課題を解決するために本発明に係る高荷重振動ダンパーは、第1軸受部を有する振動体支持部と、前記第1軸受部に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有する回転軸と、前記偏心部が回転自在に保持される第2軸受部を有する支持部と、前記第1振動体支持部と支持部との間または振動体支持部と第2軸受部との間に設けられ、支持部を振動体支持部に対して支持させる弾性部材を備え、前記回転軸は、各回転軸から半径方向にそれぞれ設けられる第1、第2リンクと、該第1、第2リンクを連結する連結リンクを備える。
【0011】
本発明において、前記弾性部材は振動体支持部と連結リンクとの間または第1、第2軸受部の間に設けられる。そして、前記振動体支持部の一方側に設けられ、連結リンクの振幅または荷重による変位を限定する振幅限定ユニットをさらに備える。
【0012】
また、本発明に係る高荷重振動ダンパーは、第1軸受部を有する振動体支持部と、前記軸受部に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有し、相互所定間隔に離隔される回転軸と、前記偏心部が回転自在に支持される第2軸受部を有する支持部と、前記振動体支持部と支持部との間または振動体支持部と第2軸受部との間に設けられ、支持部を振動体支持部に対して弾性支持させる弾性部材を備え、前記回転軸に設けられ、振動によって回転軸の回転方向を同期させるための回転同期ユニットを備える。
【0013】
そして、本発明に係る高荷重振動ダンパーは、アタッチメント本体の両側面に回転自在に設けられ、回転軸の回転中心に対して偏心された偏心部を有し相互所定間隔離隔される回転軸と、前記偏心部が回転自在に支持される第2軸受部を有し、掘削機のブームと連結される支持部と、前記アタッチメント本体と支持部との間に設けられ、支持部をアタッチメント本体に対して上方に弾性バイアスさせる弾性部材を備え、前記回転軸に設けられて振動によって回転軸の回転方向を同期させるための回転同期ユニットを備える。
【0014】
前記回転同期ユニットは、回転軸から半径方向にそれぞれ設けられる第1、第2リンクと、該第1、第2リンクを連結する連結リンクを備える。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したきた本発明に係る高荷重振動ダンパーによれば、掘削機のブームと連結される振動体支持部または支持部とアタッチメントまたは振動発生源から発生する振動が他方側、すなわち第2ブラケット側に伝達されることを防止でき、振動体支持部に設けられたアタッチメントの振動発生源から発生する振動が活性化させられる。
【0016】
そして、高荷重振動ダンパーは、掘削機などの建設機械に設けられる各種のアタッチメントに適用する際、アタッチメントから発生する振動が掘削機のブームに伝達されることを防止でき、各種のアタッチメントの作製時、アタッチメント構造の単純化を可能にする。特に、振動の伝達による問題点を根本的に解決できるので、設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る高荷重振動ダンパーの斜視図である。
図2図2は、本発明に係る高荷重振動ダンパーの分離斜視図である。
図3図3は、図1に示した回転軸が回転同期ユニットによって連結された状態の実施形態を示した斜視図である。
図4図4は、回転軸が回転同期ユニットによって連結された状態の他の実施形態を示した平面図である。
図5図5は、本発明に係る高荷重振動ダンパーの他の実施形態を示した斜視図である。
図6図6は、図5に示した高荷重振動ダンパーの側面図である。
図7図7は、本発明に係る高荷重振動ダンパーの他の実施形態を示したもので、振幅限定ユニットが設けられた状態を示した斜視図である。
図8図8は、本発明に係る高荷重振動ダンパーにクイックカプラーが設けられた状態を示した斜視図である。
図9図9は、本発明に係る高荷重振動ダンパーに振動リッパが設けられた状態を示した斜視図である。
図10図10は、本発明に係る高荷重振動ダンパーに振動ふるいバケットが設けられた状態を示した斜視図である。
図11図11は、本発明に係る高荷重振動ダンパーに振動バケットが設けられた状態を示した斜視図である。
図12図12は、本発明に係る高荷重振動ダンパーにミーリングカッターが設けられた状態を示した斜視図である。
図13図13は、本発明に係る高荷重振動ダンパーに油圧ブレーカが設けられた状態を示した斜視図である。
図14図14は、本発明に係る高荷重振動ダンパーが掘削機のアタッチメント本体に設けられた状態を示した一部切除斜視図である。
図15図15は、図14に示した高荷重振動ダンパーの側面図である。
図16図16は、本発明に係る高荷重振動ダンパーの作動状態を示した一部切除斜視図である。
図17図17は、本発明に係る振動ダンパーの作動状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳述する。
【0019】
本発明に係る高荷重振動ダンパーは、振動発生源から発生した振動が他方側に伝達されることを防ぐためのものであって、その一例を図1ないし図4に示した。
【0020】
同図を参照してわかるように、本発明に係る高荷重振動ダンパー10は、第1軸受部21、22を有する振動体支持部20を備える。該振動体支持部20の第1軸受部21、22は振動体支持部本体20aの両側に相互並んで、すなわち対向して設けられた板状の部材よりなる。
【0021】
前記第1軸受部21,22の各両端部側には回転軸(31、32)、(33、34)が回転自在に設けられる。各2つの各第1軸受部21,22にはそれぞれ2つの回転軸が所定間隔離隔するように設けられる(図2参照)。しかし、これに限定されず、軸受部に2つの回転軸が並んで支持される構成でもよく、また、2つの回転軸の設置位置は水平軸上に位置しないように、すなわち振動体支持部本体20aの面からの高さが異なるように設けることもできる。
【0022】
前記それぞれの回転軸(31、32)、(33、34)にはその回転中心に対して回転中心が偏心された偏心部(31a、32a)、(33a、34a)が備えられる。前記各回転軸(31、32)、(33、34)に形成された偏心部は同じ方向(回転軸の中心方向に対して同じ半径方向)に形成されたり、互いに違う方向に形成される場合もある。前記第1軸受部21,22に回転自在に設けられる回転軸(31、32)、(33、34)の偏心部(31a、32a)、(33a、34a)には掘削機のブームに設けられる支持部40の第2軸受部41,42が保持される。前記偏心部(31a、32a)、(33a、34a)は前記第2軸受部と対応して設けられる二つの第2軸受部41、42にそれぞれ回転自在に保持される。
【0023】
前記振動体支持部20と支持部40との間または第1軸受部21,22と第2軸受部41,42との間には前記振動体支持部20に対して支持部40を弾性支持するための弾性部材50が設けられる。
【0024】
前記弾性部材50は、前述したように、掘削機のブームと連結される支持部40を振動体支持部20に対して弾性支持させるためのものであって、図1及び図2に示したように、第1軸受部21,22と第2軸受部41、42との間に設けられる。前記弾性部材50の設置は、第1軸受部21、22と第2軸受部41、42との間に弾性部材が介在された状態で、弾性部材の両端部が第1軸受部21,22と第2軸受部41、42とに各々固定されることによって行われる。前記弾性部材50の設置は、前述した実施形態により限定されず、前記第1、第2連結リンクと振動体支持部本体21aとの間に設けられるか、図5及び図6に示したように、連結プレート67と振動体支持部本体21aとの間に設けられる構成でもよい。
【0025】
前記弾性部材は、弾性ゴム、ショックアブソーバ、弾性バネ、空気バネ、空気チューブのうち少なくとも一つからなる。しかし、これに限定されず、前記振動体支持部20に対して前記支持部40を上方向に弾性支持できる構造であれば、任意の部材、機構等で構成することが可能である。例えば、前記振動体支持部20と支持部40との間に弾性部材が設けられ、前記振動体支持部20と支持部40は複数の油圧またはガスショックアブソーバが設けられる。
【0026】
そして、本実施形態の高荷重振動ダンパーは、前記回転軸31、32、33、34に設けられ、回転軸31、32、33、34の回転方向を同期させるための回転同期ユニット60を備える。
【0027】
前記回転同期ユニット60は、図2及び図3に示したように、前記偏心部(31a、32a)、(33a、34a)のうち一方の偏心部31a、32aの端部には第1リンク61、62がそれぞれ設けられ、他方の偏心部33a、34aの端部側には第2リンク63、64がそれぞれ設けられる。前記第1リンク61、62と前記第2リンク63、64の端部はそれぞれ第1、第2連結リンク65、66によって連結される。しかし、これに限定されず、図4に示したように、第1、第2リンク(61、62)、(63、64)を、一つの第3連結リンク68によって連結することもできる。
【0028】
前記回転軸31〜34の回転を同期させるための回転同期ユニットは、前述した実施形態に限定されず、各回転軸の偏心部31a〜34aと隣接する側の端部を、前述したような連結リンクと回転自在に連結することによって行われる。このような回転軸の同期は、振動体支持部20と支持部40に偏荷重が働く場合、振動減衰現象が分散されることを防止できる。
【0029】
そして、図5及び図6に示したように、前記第1、第2リンク(61、62)、(63、64)は連結プレート68によって連結され、一つの連結プレート68によって回動自在に設けられることもできる。
【0030】
前述したように、第1リンク61、62を第1連結リンク65を用いて結合し、第2リンク63、64を第2連結リンク66に結合する過程において、前記第1、第2リンク(61、62)、(63、64)はそれぞれ垂直軸に対して同じ方向に所定の角度で傾斜したまま第1、第2連結リンク65,66とそれぞれ結合されるようにするのが望ましい。前記一つの連結プレート68と第1、第2連結リンク(61、62)、(63、64)の結合も、前述したように第1、第2リンク(61、62)、(63、64)が垂直軸に対して傾斜した状態でヒンジ軸により行われる。
【0031】
一方、図7に示したように、前記振動体支持部20の一方側には回転軸31〜34の回転を同期させるための第1、第2連結リンク65、66または第3連結リンク68の振幅または荷重による移動変位を限定するための振幅限定ユニット70をさらに備える。前記振幅限定ユニット70は前記振動体支持部20の一方側から前記回転同期ユニット60の第1、第2連結リンク65,66または第3連結リンク68の上部側に延びる保持ブラケット71と、該保持ブラケット71に設けられ、前記第1連結リンクまたは第3連結リンク68と接触される弾性体72が設けられるが、前記弾性体72は保持ブラケット71との間隔を調節できるように、保持ブラケット71に高さ調整の可能(ブラケットに螺合される)な調節棒73の端部に設けられる。
【0032】
そして、前記振動体支持部20の振動体支持部本体21aには、示されていないが、振動発生ユニット(図示せず)または選択された掘削機のアタッチメントが設けられる。
【0033】
前記振動発生ユニットは、ハウジングに偏心ウェイトが取り付けられた2つの駆動軸が設けられ、該回転軸にそれぞれ互いに噛み合うギアがそれぞれ設けられる。そして、前記ハウジングは、2つの駆動軸のうち少なくとも一つの駆動軸を駆動させるためのアクチュエータが設けられた構成を有する。このような構成は、本発明者が出願して登録された韓国特許第0878296号に開示されている。前記振動発生ユニットは、前述した実施形態に限定されず、振動体支持部20に取り付けられるもので、別の振動発生手段を有さないアタッチメントを振動体支持部のように振動させられる構造であれば可能である。
【0034】
図8に示したように、振動体支持部20にクイックカプラー90が設けられる。クイックカプラー90は第1係止部材92が設けられたカプラーブラケット91と、該カプラーブラケット91に回転自在に設けられている第2係止部材93と、第2係止部材93を回転させるためのアクチュエータ94とを含む。前記第1係止部材92は、アタッチメントを取り付けるための固定ピンが挿入できるように、固定ピンの外径に対応する内径を有する係止溝が形成されているが、該係止溝は第2係止部材93の位置と対向する方向に開口されている。前記第2係止部材93はアクチュエータ94によって回転及び固定される。
【0035】
そして、前記振動体支持部20の振動体支持部本体21aには、前述したように、掘削機に装着され作業性を拡張させるための各種のアタッチメントが設けられる。このアッチメントは前記クイックカプラー90によって結合されうる。図7に示したように、クイックカプラー90のカプラーブラケット91に回転軸が回転自在に設けられる。
【0036】
前記アタッチメントとしては、図10ないし図14に示したように、別の振動発生ユニットを有している公知の振動リッパー101、振動ふるいバケット102、振動バケット103、ミーリングカッタ104、コンパクター、油圧ブレーカ105などが設けられる。ここで、前述したように別のアタッチメントが別の振動発生部を有さない場合、前記振動体支持部20に設けられる振動発生ユニットを設けて振動させられることは当然である。
【0037】
一方、図15及び図16には、本発明に係る高荷重振動ダンパーの他の実施形態が示されている。本実施形態において、前記実施形態と同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0038】
同図を参照してわかるように、高荷重振動ダンパー10は、偏心部31a、32a、33a、34aの形成された回転軸31、32、33、34がアタッチメント本体100の両側面にそれぞれ回転自在に設けられる。そして、掘削機のブームと連結される支持部40の第1軸受部には回転軸の偏心部が回転自在に設けられる。
【0039】
そして、前記支持部40の第1軸受部41、42の外側には各回転軸31、32、33、34の回転を同期させるための回転同期ユニット60が設けられる。前記回転同期ユニット60は、前述した実施形態と実質的に同一である。すなわち、前記アタッチメントの一方の側面に保持された回転軸31,32の端部側には第1リンク61、62が設けられ、前記アタッチメントの他方の側面に設けられる回転軸33,34の端部側には第2リンク63、64が設けられる。そして、前記第1リンク61、62と前記第2リンク63、64には、それぞれ第1、第2連結リンク65、66がそれぞれ設けられる。そして、前記アタッチメント本体100の上面と前記支持部40の下面との間には弾性部材110が設けられる。前記弾性部材110の設置は、前述した実施形態に限らず、アタッチメント本体100の側面と、前記支持部40の第1軸受部41、42の内面の間に設けられてもよい。
【0040】
前述したように高荷重振動ダンパーは、アタッチメント本体100の両側面に回転軸31、32、33、34の一方を支持する場合、構造を単純化して小型化が可能になる。
前述したように構成された本発明に係る高荷重振動ダンパーの作用を、図1ないし図4及び図17図18を参照して説明すれば、次の通りである。
【0041】
本発明に係る振動ダンパー10は、掘削機のブームに支持部40が設けられ、振動発生ユニットまたは掘削機のアタッチメントが振動体支持部20に設けられている状態で振動発生ユニットまたはアタッチメントから発生した振動によって振動体支持部20が上下方向に振動するようになるが、振動の減衰作用を振動体支持部20の上向きへの移動と下向きへの移動とに分けて説明すれば次の通りである。
【0042】
まず、振動体支持部10へ振動が伝達されれば、振動体支持部20は上方向に移動しつつ回転軸31、32、33、34を回転させながら振動を吸収するようになると共に、弾性部材50が引っ張られながら振動が吸収される。すなわち、前記振動体支持部20の振動によって振動体支持部20が掘削機のブームと連結された支持部40側に移動すれば、振動体支持部20と支持部40を連結及び支持する回転軸(31、32)、(33、34)の偏心部(31a、32a)、(33a、34a)によって回転軸(31、32)、(33、34)が回転しつつ振動体支持部20の移動変位が支持部40に伝達されることが防止される。
【0043】
この過程で、前記振動体支持部20と支持部40との間、すなわち前記第1軸受部21、22と第2軸受部41,42との間または第1、第2連結リンク65、66と振動体支持部本体21aの下部に設けられる弾性部材50が引っ張られながら回転軸31、32、33、34の回転力を減衰(回転軸の回転負荷を増加)させるようになることで、振動を上向きに吸収するようになる。この際、前記支持部40は慣性力によって現位置状態を維持するようになる。
【0044】
特に、前記回転軸の回転時、前記回転軸(31、32)、(33、34)と第1連結リンク65,66と連結する第1、第2リンク(61、62)、(63、64)は垂直方向に対して同じ方向に所定角度に傾斜した状態を維持しているので、振動体支持部20の上向きに移動する際、回転軸(31、32)、(33、34)の回転が円滑に行われる。
【0045】
そして、前記振動体支持部20に伝達される振動によって振動体支持部20が下降する場合、振動体支持部20の第1軸受部21,22に支持された回転軸の一方側が支持され、該回転軸(31、32)、(33、34)の偏心部(31a、32a)、(33a、34a)に支持部40の第2軸受部41、42が支持されているので、回転軸(31、32)、(33、34)の偏心部(31a、32a)、(33a、34a)によって下降する振動体支持部40の移動変位が支持部40に伝達されることが防止される。この過程において、前記振動体支持部20と支持部40との間、すなわち前記第1軸受部21,22と第2軸受部41、42との間または第1、第2連結リンク65、66と振動体支持部本体21aの下部に設けられる弾性部材50は圧縮しつつ回転軸31、32、33、34の回転力を減衰(回転軸の回転負荷を増加)させるようになることから、上向きに振動を吸収するようになる。
【0046】
そして、ブームに設けられた高荷重振動ダンパーが設けられた状態で支持部40と振動体支持部20を連結する回転軸31−34のうち一方側の回転軸に集中的な偏荷重が働く場合、一方側の回転軸31,33が回転するようになり、該回転軸31,33に設けられた第1、第3リンク61,63と第1連結リンク65,66によって前記第2、第3リンク62,64が回転するようになることで、一方側の回転軸に働く偏荷重を分散させるようになる。従って、一方側の回転軸31,33に偏荷重が加わるとしても、一方側の回転軸の回転によって振動体支持部20または支持部40の移動変位が集中することを防止でき、ひいては弾性部材に加わる作用力が分散される。
【0047】
前述したような作動によって、振動体支持部20に伝達される振動が支持部40に伝達されることを防止できる。
【0048】
一方、掘削機のブームに本発明に係る振動ダンパー10の支持部40が設けられて、該振動ダンパー10の振動体支持部20に公知のアタッチメント、すなわち振動発生ユニットを有している振動バケット、振動リッパー、振動ふるいバケット、コンパクター、油圧ブレーカ、ミーリングカッタ、ジョークラッシャのうち選ばれた一つが設けられる場合、前述したような作用でアタッチメントから発生する振動が掘削機のブームに伝達されることを防止できる。
【0049】
そして、本発明に係る振動ダンパー10は、振動体支持部20に振動発生ユニットを設けることによって、別の振動発生ユニットを有さないコンパクターなどのアタッチメントの設置も可能である。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解されるべきものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る高荷重振動ダンパーは、建設機械、掘削機、産業機械、自動車などの振動減衰に広く適用可能であり、特に掘削機及び重装備のアタッチメントに適用することによって、アタッチメントの設計の自由度を高めることができる。
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