(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末の前記第1MACエンティティは、第1基地局に対するデータ伝送に責任があり、前記端末の第2MACエンティティは、第2基地局に対するデータ伝送に責任があり、
前記第1基地局の第1サービス領域は、前記第2基地局の第2サービス領域よりも小さい、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)は、ヨーロピアン(European)システム、GSM(Global System for Mobile communication)及びGPRS(General Packet Radio Services)に基づいたWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)で運営される3G(3rd Generation)非同期移動通信システムである。UMTSのLTE(Long Term Evolution)は、UMTSを標準化する3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって議論中である。
【0027】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にする技術である。ユーザ及びプロバイダのコストを低減し、サービス品質を高め、カバレッジを広げ、システム収容力を向上させるLTEの目標のために、多くの方法が提案されてきた。3GPP LTEは、減少したビット当たりコスト、向上したサービスの利用可能性、周波数帯域の柔軟な使用、単純な構造、開放されたインタフェース、UEの適切な電力消費のような上位レベルの要求事項を要求する。
【0028】
以下、本発明の構造、動作及びその他の特徴は、本発明の実施例、添付の図面に示された例から容易に理解されるであろう。後述する実施例は、本発明の技術的特徴を3GPPシステムに適用した例である。
【0029】
本発明の実施例は、LTEシステム及びLTE−A(LTE−Advanced)システムを用いて説明されたが、これらは純粋に例示的なものである。したがって、本発明の実施例は、上記の定義に対応する任意の他の通信システムに適用することができる。また、本発明の実施例は、本明細書でFDD(Frequency Division Duplex)方式に基づいて説明されたが、本発明の実施例を容易に修正してH−FDD(Half−duplex FDD)方式又はTDD(Time Division Duplex)方式に適用できる。
【0030】
図2は、E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunication System)のネットワーク構造を示すブロック図である。E−UMTSは、LTEシステムと呼ぶこともできる。通信ネットワークは、IMS(Inter protocol Multimedia Subsystem)及びパケットデータを介して音声(VoIP: Voice over Internet Protocol)のような様々な通信サービスを提供するために広範囲に展開される。
【0031】
図2に示されたように、E−UMTSネットワークは、E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)、EPC(Evolved Packet Core)及び1つ以上のUEを含む。前記E−UTRANは、1つのセルに1つ以上のeNB20及び複数のUE10を含むことができる。1つ以上のE−UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイ30は、前記ネットワークの終端に位置して外部ネットワークに接続できる。
【0032】
本明細書で使用されるように、「DL」は、eNB20からUE10への通信を意味し、「UL」は、UEからeNBへの通信を意味する。UE10は、ユーザによって運搬される通信装置を意味し、MS(Mobile Station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)または無線デバイスと呼ばれる。
【0033】
図3は、E−UTRAN及びEPC構造の一例を示すブロック図である。
【0034】
図3に示されたように、eNB20は、UE10にユーザ平面と制御平面の終端点を提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、UE10にセッション及び移動性管理機能の終端点を提供する。eNBとMME/SAEゲートウェイは、S1インタフェースを介して接続されてもよい。
【0035】
eNB20は、一般的にUE10と通信する固定局であり、BS(Base Station)又はアクセスポイント(access point)と呼ぶことができる。1つのeNB20は1つのセル毎に配布されてもよい。ユーザトラフィック又は制御トラフィックを伝送するためのインタフェースは、eNB20間で使用され得る。
【0036】
MMEは、次のような様々な機能を提供する:eNB20に対するNASシグナリング、NASシグナリング保安、AS保安制御、3GPPアクセスネットワーク間の移動性のためのInter CNノードシグナリング、IdleモードUE到達可能性(ページング再伝送の制御及び実行を含む)、追跡領域リスト管理(UEがIdle及びActiveモードである時のために)、PDN GW及びサービングGW選択、MMEの変化時のハンドオーバーのためのMME選択、2G又は3G 3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバーのためのSGSN選択、ローミング、認証、専用ベアラー(bearer)設定を含むベアラー管理機能、(ETWS及びCMASを含む)PWSメッセージの伝送のためのサポート。SAEゲートウェイホストは、次のような様々な機能を提供する:ユーザ別(Per−user)ベースのパケットフィルタリング(例えば、深層パケット分析(deep packet inspection)による)、合法的な遮断、UE IPアドレス割り当て、DLで伝送レベルパケットマーキング、UL及びDLサービスレベル充電、ゲーティング(gating)及び伝送率執行、APN−AMBRに基づいたDL伝送率執行。MME/SAEゲートウェイ30を明確にするために、本明細書では、簡単に“ゲートウェイ”と呼ぶ。しかし、このエンティティは、MMEとSAEゲートウェイとのいずれも含むものと理解できる。
【0037】
複数のノードが、S1インタフェースを介してeNB20とゲートウェイ30との間に接続されてもよい。eNB20は、X2インタフェースを介して互いに接続されてもよい。隣接するeNBは、X2インタフェースを有するメッシュネットワーク構造を有することができる。
【0038】
図示のように、eNB20は、次の機能を行うことができる:ゲートウェイ30のための選択、RRC(Radio Resource Control)活性化の間、ゲートウェイに向かう伝送、ページングメッセージのスケジューリング及び伝送、BCCH(Broadcast Channel)情報のスケジューリング及び伝送、UL及びDLのUE10に対するリソースの動的割り当て、eNB測定の設定及び供給、無線ベアラー制御、RAC(Radio Admission control)、LTE ACTIVE状態の接続移動性制御。前述したように、EPCでは、ゲートウェイ30が次の機能を行うことができる:ページング発信、LTE IDLE状態管理、ユーザ平面の暗号化(ciphering)、SAE(System Architecture Evolution)ベアラー制御、NAS(Non−Access Stratum)シグナリングの暗号化及び無欠性保護。
【0039】
EPCは、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving−Gateway)及びPDN−GW(Packet Data Network−Gateway)を含む。MMEは、主にUEの移動性の管理のために使用される、UEの接続及び収容力に関する情報を有する。S−GWは、終端点としてE−UTRANを有するゲートウェイであり、PDN−GWは、終端点としてPDN(Packet Data Network)を有するゲートウェイである。
【0040】
図4は、3GPP無線接続ネットワーク標準に基づいたUEとE−UTRANとの間の無線インタフェースプロトコルの制御平面及びユーザ平面を示す図である。
【0041】
制御平面は、UEとE−UTRANとの間の呼び出し(call)を管理するために使用される制御メッセージを伝送するための経路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ(例:音声データ又はインターネットパケットデータ)を伝送するための経路を意味する。
【0042】
第1層のPHY層は、物理チャネルを用いて上位層に情報伝送サービスを提供する。PHY層は、伝送チャネルを介して上位層にあるMAC層に接続される。データは、伝送チャネルを介してMAC層と前記PHY層との間に伝送される。データは、物理チャネルを介して送信端の物理層と受信端の物理層との間で伝送される。物理チャネルは、無線リソースとして時間と周波数を使用する。具体的には、物理チャネルは、DLでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式を用いて変調され、ULでSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式を用いて変調される。
【0043】
第2層のMAC層は、論理チャネルを介して上位層のRLC(Radio Link Control)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ伝送をサポートする。RLC層の機能は、MAC層の機能ブロックで具現され得る。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、インターネットプロトコル(IP)パケット(例:相対的に小さい帯域幅を有する無線インタフェースでのIPバージョン4(IPv4)パケットまたはIPバージョン6(IPv6)パケット)の効率的な伝送のために不必要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮機能を行う。
【0044】
第3層の底に位置したRRC(Radio Resource Control)層は、制御平面でのみ定義される。RRC層は、設定、再設定及びRB(Radio Bearer)のリリースに関連して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルを制御する。RBは、第2層がUEとE−UTRANとの間のデータ伝送を提供するサービスを意味する。そのために、UEのRRC層とE−UTRANのRRC層は互いにRRCメッセージを交換する。
【0045】
eNBのセルは、1.25、2.5、5、10、15及び20MHzのような帯域幅のうち1つで動作し、前記帯域幅内の複数のUEにDL又はUL伝送サービスを提供するように設定される。異なるセルは、異なる帯域幅を提供するように設定され得る。
【0046】
E−UTRANからUEにデータを伝送するためのDL伝送チャネルは、システム情報の伝送のためのBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージの伝送のためのPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィック又は制御メッセージの伝送のためのDL SCH(Shared Channel)を含む。DLマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、DL SCHを介して伝送されてもよく、それぞれのDL MCH(Multicast Channel)を介して伝送されてもよい。
【0047】
UEからE−UTRANにデータを伝送するためのUL伝送チャネルは、初期制御メッセージを伝送するためのRACH(Random Access Channel)、及びユーザトラフィック又は制御メッセージを伝送するためのUL SCHを含む。伝送チャネルによって定義された論理チャネルは、次の伝送チャネルにマッピングされる:BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)及びMTCH(Multicast Traffic Channel)。
【0048】
図5は、E−UMTSシステムで使用される物理チャネル構造の一例を示す図である。
【0049】
一つの物理チャネルは、時間軸で複数のサブフレーム及び周波数軸で複数のサブフレームを含む。ここで、一つのサブフレームは、時間軸上で複数のシンボルを含む。一つのサブフレームは複数のリソースブロックを含み、一つのリソースブロックは複数のシンボル及び複数のサブキャリアを含む。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downllink Control Channel)、すなわち、L1/L2制御チャネルのためのサブフレームの特定シンボル(例えば、最初のシンボル)の特定サブキャリアを使用することができる。
図5は、L1/L2制御情報伝送領域(PDCCH)及びデータ領域(PDSCH)を示す。一実施例において、10msの無線フレームが使用され、一つの無線フレームは10個のサブフレームを含む。また、一つのサブフレームは、2つの連続したスロットを含む。一つのスロットの長さは0.5msであってもよい。また、一つのサブフレームは複数のOFDMシンボルを含み、複数のOFDMシンボルの一部(例えば、最初のシンボル)は、L1/L2制御情報を伝送するのに使用することができる。データを伝送するための単位時間として、TTI(Transmission Time Interval)は1msである。
【0050】
eNBとUEは、特定の伝送信号または特定のサービスデータを除いて、伝送チャネルであるDL−SCHを使用して、主にPDSCHを介してデータを送受信する。どのUE(1つ又は複数のUE)にPDSCHデータが伝送されるか、及び前記UEがPDSCHデータをどのように受信及び復調するかを示す情報がPDCCHに含まれた状態で伝送される。
【0051】
例えば、一実施例において、特定のPDCCHは、RNTI(Radio Network Temporary Identity)“A”と共にCRCマスキングされ、データに関する情報は、無線リソース“B”(例えば、周波数位置)及び伝送フォーマット情報“C”(例えば、伝送ブロックのサイズ、変調、コーディング情報など)を使用して特定のサブフレームを介して伝送される。次に、セル内に位置した1つ以上のUEが、RNTI情報を使用してPDCCHをモニタリングする。そして、RNTI “A”を有する特定のUEは、PDCCHを読み取り、PDCCH情報内のBとCによって指示されたPDSCHを受信する。
【0052】
図6は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)を示す図である。
【0053】
広帯域をサポートするためのキャリアアグリゲーション技術。前述したように、キャリアアグリゲーションを通じて既存の無線通信システム(例えば、LTEシステム)で定義された帯域幅単位(例えば、20MHz)で最大5個の構成キャリア(CC:Component Carrier)を束ねる方式で最大100MHzのシステム帯域幅をサポートすることができる。キャリアアグリゲーションのために使用されるCCの帯域幅の大きさは、互いに同一または異なっていてもよい。また、各CCは、異なる周波数帯域(または中心周波数)を有することができる。CCは隣接周波数帯域に存在し得る。しかし、隣接していない周波数帯域に存在するCCもまたキャリアアグリゲーションに使用され得る。キャリアアグリゲーション技術において、UL及びDL帯域幅の大きさは、対称的又は非対称的に割り当てられてもよい。
【0054】
キャリアアグリゲーションに使用される多重キャリア(CC)は、PCC(Primary Component Carrier)とSCC(Secondary Component Carrier)に分類することができる。PCCはP−Cell(Primary Cell)と呼ぶことができ、SCCはS−Cell(Secondary Cell)と呼ぶことができる。PCCは、UEとトラフィック及び制御信号を交換するために、eNBによって使用される。この場合、制御信号は、CCの追加、PCCのための設定、ULグラント(grant)、DL割り当てなどを含むことができる。eNBは、複数のCCを使用できるとしても、当該eNBに属するUEは1つのPCCのみを有するように設定され得る。UEが単一キャリアモードで動作する場合、PCCが使用される。したがって、独立に使用されるために、PCCは、eNBとUEとの間のデータ及び制御信号の交換のための全ての要求条件を満足するように設定されなければならない。
【0055】
一方、SCCは、送受信データの必要な大きさに応じて活性化又は非活性化される追加CCを含むことができる。SCCは、eNBから受信した特定の命令及び規則によってのみ使用されるように設定されてもよい。追加帯域幅をサポートするために、SCCは、PCCと共に使用されるように設定されてもよい。活性化されたCCを介して、ULグラント、DL割り当てなどのような制御信号が、eNBからUEによって受信され得る。活性化されたCCを介して、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)、SRS(Sounding Reference Signal)などのようなULの制御信号がUEからeNBに伝送され得る。
【0056】
UEに対するリソース割り当ては、一つのPCC及び複数のSCCの範囲を有することができる。マルチキャリアアグリゲーションモードで、システムの負荷(即ち、静的/動的負荷均衡)、ピークデータ率またはサービス品質要件に基づいて、システムは、SCCをDL及び/又はULに非対称的に割り当てることができる。キャリアアグリゲーション技術を用いて、CCの設定は、RRC接続手順の後にeNBによってUEに提供され得る。この場合、RRC接続は、SRB(Signaling RB)を介してUE及びネットワークのRRC階層間の交換されたRRC信号に基づいて、無線リソースがUEに割り当てられることを意味する。UEとeNBとの間のRRC接続手順の完了後、UEは、PCC及びSCCの設定情報と共にeNBによって提供され得る。SCCの設定情報は、SCCの追加/削除(または活性化/非活性化)を含む。したがって、eNBとUEとの間のSCCを活性化したり、以前のSCCを非活性化するために、RRC信号及びMAC制御要素の交換を行うことが必要であり得る。
【0057】
SCCの活性化又は非活性化が、QoS(Quality of Service)、キャリアの負荷状態、その他の要素に基づいて、eNBによって決定され得る。そして、eNBは、DL/ULのための指示形態(活性化/非活性化)、SCCリストなどのような情報を含む制御メッセージを用いて、SCC設定をUEに指示することができる。
【0058】
前述したように、本発明は、二重接続環境のRA手順のためのものである。例示的なRA手順を詳細に説明する。
【0059】
図7は、非競合ベースのRA手順の間のUE及びeNBの作動手順を示す図である。
【0060】
(1)RAプリアンブル(Preamble)割り当て
非競合ベースのRA手順は、2つの場合、すなわち、(1)ハンドオーバー手順が行われる場合、(2)eNBの命令によって要求される場合の2つの場合のために行われ得る。もちろん、競合ベースのRA手順もまた2つの場合のために行われてもよい。
【0061】
まず、非競合ベースのRA手順のために、UEが、eNBから、競合可能性のない、指定されたRAプリアンブルを受信することが重要である。RAプリアンブルの受信方法の例は、ハンドオーバー命令を介した方法及びPDCCH命令を介した方法を含む。RAプリアンブルは、前記RAプリアンブルの受信方法を通じてUEに割り当てられる(S401)。
【0062】
(2)第1メッセージ伝送
前述したように、UEのみのために指定されたRAプリアンブルを受信した後、UEは、eNBにプリアンブルを伝送する(S402)。
【0063】
(3)第2メッセージ受信
ステップS402でUEがRAプリアンブルを伝送した後、eNBは、システム情報またはハンドオーバー命令を介して指示されたRA応答受信ウィンドウ内でRA応答を受信しようと試みる(S403)。より具体的には、RA応答は、MAC PDU(MAC Protocol Data Unit)の形態で伝送され得、MAC PDUは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を介して伝送され得る。また、UEは、PDSCHに伝送された情報を適切に受信するためにPDCCH(Physical Downlink Control Channel)をモニタリングすることが好ましい。すなわち、PDCCHは、PDSCHを受信しなければならないUEの情報、PDSCHの無線リソースの周波数及び時間情報、PDSCHの伝送フォーマットを含むことが好ましい。UEが、伝送されるPDCCHを成功裏に受信した場合、UEは、PDCCHの情報に応じてPDSCHに伝送されたRA応答を適切に受信することができる。RA応答は、RAプリアンブルID(Identifier)(例えば、RA−RNTI(Random Access Preamble Identifier))、UL無線リソースを示すULグラント、臨時C−RNTI、及びTAC(Timing Advance Command)値を含むことができる。
【0064】
前述したように、1つ以上のUEのためのRA応答情報が一つのRA応答に含まれ得るので、前記ULグラント、臨時C−RNI及びTAC値がどのUEに効果的であるかを示すために、RA応答にRAプリアンブルIDが必要である。この場合、UEは、ステップS402で選択されたRAプリアンブルに対応するRAプリアンブルIDを選択するものと仮定される。
【0065】
非競合ベースのRA過程において、UEは、RA応答情報を受信することによって、RA手順が正常に行われたことを決定した後、RA手順を終了することができる。
【0066】
図8は、競合ベースのRA手順の間のUE及びeNBの作動手順を示す図である。
【0067】
(1)第1メッセージ伝送
まず、UEは、システム情報又はハンドオーバー命令を介して指示されたRAプリアンブルのセットから、一つのRAプリアンブルをランダムに選択する。そして、RAプリアンブルを伝送できるPRACH(Physical RACH)リソースを選択する(S501)。
【0068】
(2)第2メッセージ受信
RA応答を受信する方法は、前述した非競合ベースのRA手順のそれとほぼ同様である。すなわち、UEがステップS402でRAプリアンブルを伝送した後、eNBは、システム情報又はハンドオーバー命令を介して指示されたRA応答受信ウィンドウ内でRA応答を受信しようと試み、対応するRA ID情報を介してPDSCHを受信する(S502)。この場合、eNBは、ULグラント、臨時C−RNTI、及びTAC(Timing Advance Command)値を受信することができる。
【0069】
(3)第3メッセージ伝送
UEが有効なRA応答を受信すれば、UEは、前記RA応答に含まれた情報をそれぞれ行う。すなわち、UEは、TACを適用し、臨時C−RNTIを格納する。また、UEは、ULグラントを用いてeNBにデータ(即ち、第3メッセージ)を伝送する(S503)。第3メッセージは、UE IDを含まなければならない。なぜなら、eNBは、競合ベースのRA手順を行うUEを識別することで、以降の競合を避ける必要があるためである。
【0070】
UE IDを第3メッセージに含ませるために、2つの方法が議論された。第一の方法として、UEに、RA手順の前、対応するセルから以前に割り当てられた有効なセルIDがある場合、UEは、ULグラントに対応するUL伝送信号を介してセルIDを伝送する。反面、UEに、RA手順の前、対応するセルから以前に割り当てられた有効なセルIDがない場合、UEは、固有識別子(例えば、S−TMSI又はランダムID)を含むセルIDを伝送する。一般的に、固有識別子は、セルIDよりも長い。UEが、ULグラントに対応するデータを伝送すると、UEは、競合解消タイマーを開始する。
【0071】
(4)第4メッセージ受信
RA応答に含まれたULグラントを介して、IDを含むデータを伝送した後、UEは、競合解消のためにeNBの命令を待つ。すなわち、UEは、特定のメッセージを受信するためにPDCCHの受信を試みる(S504)。PDCCHを受信するために2つの方法が議論された。上述したように、第3メッセージが、UE IDを用いてULグラントに対応するために伝送された場合、UEは、セルIDを用いてPDCCHを受信しようと試みる。もし、UE IDがUEの固有IDであれば、UEは、RA応答に含まれた臨時セルIDを用いてPDCCHを受信しようと試みる。その後、第一の方法の場合、UEが競合解消タイマーが満了する前にPDCCHを受信すれば、UEは、RA手順が正常に行われたと決定し、RA手順を終了する。第二の方法の場合、UEが競合解消タイマーが満了する前に臨時セルIDを介してPDCCHを受信すれば、UEは、PDSCHから伝送されたデータを識別する。UEの固有IDがデータに含まれた場合、UEは、RA手順が正常に行われたことを決定し、RA手順を終了する。
【0072】
LTEリリース12で、スモールセル向上(Small Cell Enhancement)に関する新しい研究が始まっており、二重接続がサポートされる。すなわち、
図9に示されたように、UEは、マクロ(Macro)セルとスモールセルの両方に接続される。
【0073】
図9は、本発明の一実施例に係るUEの二重接続を説明する図である。
【0074】
図9で、MeNBはマクロセルeNBを意味し、SeNBはスモールセルeNBを意味する。スモールセルは、フェムトセル(femto cell)、ピコセル(pico cell)などを含むことができる。
【0075】
MeNBとSeNBとの間のインタフェースはXnインタフェースと呼ばれる。Xnインタフェースは、非理想的なものと仮定される。すなわち、Xnインタフェースで遅延が60msまであり得る。
【0076】
SeNBは、BE(Best Effort)類型のトラフィックを送る責任がある。一方、MeNBは、VoIP、ストリーミングデータ、またはシグナリングデータのように他の類型のトラフィックを伝送する責任がある。ここで、BE類型のトラフィックは、遅延を耐えるが、エラーを耐えられないトラフィックであり得る。
【0077】
二重接続をサポートするために、様々なプロトコル構造が研究された。本発明の一態様による潜在的な構造のうち一つが、
図10に示される。
【0078】
図10は、二重接続をサポートする例示的な構造を示す図である。
【0079】
図10で、MeNBは様々なRBを有している:SRB、DRB(Data RB)、BE−DRB(Best Effort DRB)。BE−DRBの観点で、PDCP及びRLCエンティティは、異なるネットワークノードに(即ち、PDCPはMeNBに、RLCはSeNBに)位置する。
【0080】
UEの側面で、プロトコルの構造は、MACエンティティが各eNBのために設定されたこと(即ち、MeNBのためにM−MACが、SeNBのためにS−MACが設定)以外は、従来技術と同一である。なぜなら、スケジューリングノードが互いに異なるノードに位置し、2つのノードが非理想的バックホールと接続されているためである。
【0081】
UE内に2つのMACエンティティ、すなわち、M−MAC及びS−MACがある:M−MACは、UEとMeNBとの間の伝送に責任があり、S−MACは、UEとSeNBとの間の伝送を担当する。以下の説明で、特に定義される場合を除いて、M−MACは、UE内のM−MACのことをいい、S−MACは、UE内のS−MACのことをいう。MeNB内のM−MAC及びSeNB内のS−MACは明示的に特定される。
【0082】
このような二重接続の状況で、UEは、MeNB(マクロセル)及びSeNB(スモールセル)の両方に接続されているので、UEは、マクロセルとスモールセルに並列にRA(Random Access)を行う必要がある。これは、M−MAC及びS−MACでRA手順を重複する原因となり得る。
【0083】
従来技術では、UE具現に基づいて特定の時点でただ一つのRA進行過程のみがあった。しかし、スモールセル環境では、スモールセルがBE方式で用いられるので、マクロセルをスモールセルよりも優先順位にすることが好ましい。したがって、本発明の一態様では、RA手順の間、UEに、マクロセルでのRA手順がスモールセルでのRA手順よりも優先できる構成が提案される。
【0084】
図11は、本発明の好ましい実施例を説明する図である。
【0085】
図11に示されたように、UE内には2つのMACエンティティ、すなわち、M−MACとS−MACがある。M−MACは、UEとMeNBとの間の伝送に責任があり、S−MACは、UEとSeNBとの間の伝送に責任がある。したがって、UE内のM−MACは、MeNBでRA手順を行い、S−MACは、SeNBでRA手順を行う。以下の説明で、M−RAは、マクロセルでのRA手順を意味し、S−RAは、スモールセルでのRA手順を意味する。以下の説明で、M−MACはM−RAを行い、S−MACはS−RAを行うと仮定される。
【0086】
また、
図11に示されていないが、UE内には2つのPHYエンティティ、すなわち、M−PHYとS−PHYがある。M−PHYはM−MACと接続され、S−PHYはS−MACと接続される。以下の説明で、M−PHYは、UE内のM−PHYを意味し、S−PHYは、UE内のS−PHYを意味する。
【0087】
本実施例において、UE内に2つのMACエンティティ(M−MAC及びS−MAC)がある場合、M−MACがM−RAを開始するとき、M−MACがM−RAの開始/完了の通知をS−MACに送る構成が提案される。S−MACがM−MACからM−RAの開始の通知を受信した場合、S−MACは、S−RAの開始を中断したり/無視する。S−MACがM−MACからM−RAの完了の通知を受信した場合、中断されたり/無視されたS−RAがある場合、S−MACは、競合ベースのS−RAを開始する。
【0088】
図11の例において、UEのM−MACは、M−RAを要求するPDCCH命令を受信することができる(S1110)。しかし、UEのM−MACは自らM−RAを開始することができる。
【0089】
M−MACが、MeNB又はM−MAC自体からのPDCCH命令によってM−RAの要求を受けた場合、M−MACはM−RAを開始することができる(S1120)。M−MACがM−RAを開始するとき、M−MACがS−MACに、‘開始通知(start indication)’と呼ばれる、M−MACがM−RAを開始するという通知を送る構成が提案される。
【0090】
また、M−MACがM−RAを完了したとき、M−MACがS−MACに、‘完了通知(completion indication)’と呼ばれる、M−RAが完了したという通知を送る構成が提案される。M−RAが成功裏に完了したか、成功裏には完了しなかったかに関係なく、M−MACはS−MACに‘完了通知’を伝送することができる。
【0091】
S−MACがM−MACから開始通知を受けたとき、進行中のS−RAがある場合、S−MACは、進行中のS−RAを中断することができる。S−MACは、S−RA及びra−PRACH−MaskIndexのために明示的にシグナリングされたプリアンブルがあれば、これを廃棄することができる。また、S−MACは、Msg3バッファでMAC PDUの伝送のために使用されたHARQバッファを空にすることができる。
【0092】
S−MACが、M−MACから開始通知を受信した後、SeNBからのPDCCH命令(S1130)、あるいはS−MAC自体によってS−RAの要求を受けた場合、S−MACはS−RA開始要求を無視することができる。
【0093】
S−MACは、M−MACからM−RAの開始通知を受信する時間と、M−MACからS−RAの完了通知を受信する時間との間の時間間隔の間、S−RA開始の要求を無視することができる。
【0094】
S−MACがM−MACから完了通知を受信すると、S−MACは、次のような場合に、競合ベースのRAとしてS−RAを開始する。
【0095】
S−MACで中断されたS−RAがある場合、又は
S−MACで無視されたS−RAがある場合。
【0096】
図11で、M−MACから完了通知を受信した後、S−MACが、S−RAを要求するSeNBからPDCCH命令を受けたとき、S−MACはS−RAを開始する(S1150)。なぜなら、M−MACからの完了通知を示す通知を受信した後であるためである。
【0097】
図12は、本発明の更に他の実施例を示す図である。
【0098】
図12で、UE内には、
図11のように、2つのMACエンティティ、すなわち、M−MACとS−MACがある。UEは、ネットワークによって、S−MACがM−MACから完了通知を受信したとき、S−MACが、M−MACからの開始通知の受信に基づいて進行中のS−RAを中断させた場合、S−MACが競合ベースのS−RAを開始するように設定される。
【0099】
MeNBは、UEにM−RAを要求するためにPDCCH命令を伝送することができる(ステップ1)。M−MACがM−RAを初期化するためにMeNBからPDCCH命令を受信したとき、M−MACは、M−RAを開始し、S−MACに開始通知を伝送することができる(ステップ2)。SeNBは、S−RAを要求するためにUEにPDCCH命令を伝送することができる(ステップ3)。S−MACがM−MACから開始通知を受信したが、M−MACから完了通知を受信しなかったので、S−MACは、SeNBからのS−RA要求を無視することができる。
【0100】
M−MACがM−RAを完了したとき、M−MACはS−MACに完了通知を伝送することができる(ステップ4)。中断されたS−RAがないので、S−MACは、競合ベースのS−RAを開始しない。
【0101】
SeNBは、S−RAを再び要求するために、UEにPDCCH命令を伝送することができる(ステップ5)。S−MACがM−MACから完了通知を受信したので、S−MACはS−RAを初期化することができる。
【0102】
MeNBは、M−RAを再び要求するために、UEにPDCCH命令を伝送することができる(ステップ6)。次いで、M−MACは、M−RAを開始し、S−MACに開始通知を伝送することができる。S−MACが開始通知を受信したとき、S−MACは、進行中のS−RAを中断する。
【0103】
M−MACがM−RAを完了したとき、M−MACはS−MACに完了通知を伝送することができる(ステップ7)。S−MACがM−MACから完了通知を受信したとき、S−MACは競合ベースのS−RAを開始する。なぜなら、S−MACが、ステップ6で、進行中のS−RAを中断したためである。
【0104】
以下の説明は、UEのPHYエンティティとMACエンティティとの間の手順のための本発明の他の態様である。
【0105】
MeNB/SeNBからのPDCCH命令によって、又はM−MAC/S−MAC自体によってM−RA/S−RAの要求を受けた場合、M−MAC/S−MACは、それぞれM−RA/S−RAを開始することができる。二重接続の環境で、M−RAの共存により、S−PHYがRAプリアンブルを伝送できない状況があり得る。そのような原因としては、伝送電力の不足などがあり得る。従来技術において、RAプリアンブル伝送の失敗は別途に定義されない。したがって、RAプリアンブル伝送の失敗は、RA失敗によって管理されなければならない。しかし、これはRA手順の不必要な遅延を誘発し得る。
【0106】
したがって、本発明の一態様において、UE内に2つのMACエンティティ(M−MACとS−MAC)がある場合、S−PHYがS−MACの指示通りにS−RAのためのプリアンブルをSeNBに伝送できないとき、S−PHYは、SeNBにS−RAのためのプリアンブルを伝送しない。また、S−PHYは、S−MACに、S−RAのためのプリアンブル伝送が行われなかったことを通知する。前記通知をS−MACがS−PHYから受信すると、S−MACは、S−RAを継続するか、またはS−RAを中断する。S−MACが前記通知を受信してS−RAを続けるとき、S−MACは、プリアンブル_伝送_カウンター(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を増加させないか、またはバックオフ(Backoff)によってプリアンブル伝送を遅延する。この方式は、例示的な図面と共に詳細に説明する。
【0107】
図13は、二重接続を考慮した現在のLTE標準に従う手順を説明する図である。
【0108】
UEのS−MACは、S−RAを要求するPDCCH命令を受信することができる(S1310)。もちろん、S−MACは自らS−RAを開始することができる。同図において、PDCCH命令は、S−MACによって直接受信されるものと見られるが、実際の動作は、PDCCH命令がS−PHYによって受信され、S−MACに伝達される。
【0109】
S−MACがS−RAを開始すると、S−MACは、プリアンブルをSeNBに伝送するようにS−PHYに指示することができる(S1320)。ここで、プリアンブル伝送の伝送電力は、上述したように、‘preambleInitialReceivedTargetPower+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER−1)*powerRampingStep’として設定される。また、S−MACは、S−PHYに、選択されたPRACH、対応するRA−RNTI、プリアンブルインデックス及びプリアンブル_受信された_ターゲット_電力(PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER)を使用してプリアンブルを伝送するように指示することができる。
【0110】
上述したように、進行中のM−RAの共存により、S−PHYがプリアンブルを伝送できない状況があり得る。これは、伝送電力の制限のためでもあるが、必ずこのような状況に限定されるものではない。現在の技術標準で、このような問題を処理するための手順はない。したがって、これは、従来のRA失敗手順通りに処理されるはずである。
【0111】
すなわち、UEのS−MACは、RA応答を受信するために、SeNBからのPDCCHをモニタリングすることができる(S1340)。このようなモニタリングは、RAモニタリングウィンドウがra−ResponseWindowSizeサブフレームの長さを有する間行われ得る。
【0112】
S−MACがプリアンブル伝送のためのRA応答の受信に失敗すれば、RA手順は成功しなかったものと決定される(S1350)。具体的には、RA応答ウィンドウでRA応答が受信されなかった場合、または受信したRA応答の全てが伝送されたRAプリアンブルに対応するRAプリアンブルIDを含まない場合、RA応答の受信は成功しなかったものと見なされ、S−MACは、RA失敗に対する手順を行うことができる(S1360)。RA失敗に対する手順は、次のことを含む:
S−MACはPREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを1ずつ増加させる。
【0113】
もし、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER=preambleTransMax+1である場合、すなわち、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERが最大許容される数に到達した場合、(RAプリアンブルがPCellに伝送された場合)上位層にRA問題を知らせるか、または(RAプリアンブルがSCellに伝送された場合)RA手順が成功裏には完了しなかったと見なす。
【0114】
このようなRA手順において、RAプリアンブルはMACによって選択される:UE内のバックオフパラメータに基づいて、0とバックオフパラメータ値との間の均一な分布によってランダムバックオフ時間を選択し、バックオフ時間だけ後続RA伝送を遅延し、最初からRAリソースの選択を進行する。
【0115】
通常の技術者は、前記手順が非効率的であることを認識するはずであり、したがって、次の方式が提案される。
【0116】
図14は、本発明の一実施例を説明する図である。
【0117】
もし、M−MACがPDCCH命令又はM−MAC自体によってM−RAの要求を受けた場合、M−MACはM−RAを開始する。S−MACがPDCCH命令又はS−MAC自体によってS−RAの要求を受けた場合、S−MACはS−RAを開始する(S1310)。
【0118】
M−MACがM−RAを開始するとき、M−MACは、M−PHYに、選択されたPRACH及びPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してM−RAのためのプリアンブルを伝送するように指示する。S−MACがS−RAを開始するとき、S−MACは、S−PHYに、選択されたPRACH及びPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してS−RAのためのプリアンブルを伝送するように指示する(S1320)。
【0119】
S−PHYが、S−MACから、S−RAのためのプリアンブルを伝送するようにする指示を受信したとき、S−PHYが、S−MACからの指示通りにPRACH又はPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してSeNBにS−RAのためのプリアンブルを伝送できない場合、S−PHYは、SeNBに、S−RAのためのプリアンブルを伝送しない(S1330)。これは、
図14に示されたように、進行中のM−RAによって引き起こされ得る。
【0120】
S−PHYがSeNBにS−RAのためのプリアンブルを伝送しないとき、S−PHYがS−MACに、S−PHYがSeNBにS−RAのためのプリアンブルを伝送できないことを知らせる通知を送る構成が提案される(S1410)。
【0121】
S−MACがS−PHYからこのような通知を受信したとき、S−MACは、RA失敗のための手順を行わずに、S−RAを続けたり、または中断することができる(S1420)。すなわち、S−MACは、
図13について説明されたように、RA失敗のための手順を行わなくてもよい。S−MACがS−RAを続けることに決定した場合、S−MACは、RAリソースを再選択し、S−PHYに所定のバックオフ時間後にプリアンブルを伝送するように再び指示することができる。S−MACがS−RAを中断することに決定する場合、S−MACは、RAリソースを廃棄し、RA手順のためのHARQバッファを空にすることができる。
【0122】
図15及び
図16は、
図14に関連して説明される方式の詳細な例を示す図である。
【0123】
図15及び
図16はいずれも、S1410の前の手順は、
図14に示した手順と同一である。
図15は、S−MACがS−RAを続けることに決定したときの手順である。
図16は、S−MACがS−RAを中断することに決定したときの手順である。
【0124】
図15を参照すると、S−MACがS−PHYからプリアンブル伝送が不可能であるという通知を受信したとき、S−MACはS−RAを続けることに決定できる。具体的には、S−MACは、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを増加させずにRAリソースの選択を進行することができる(S1420−1)。この場合、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERが増加しないので、PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERが増加しない。
【0125】
S−MACは、UE内のバックオフパラメータ値を設定することによってRAリソースの選択を進行することができる。バックオフパラメータ値は、UEとネットワークとの間で事前に定義されるか、またはRRC/MAC/PHY信号を用いてネットワークによって設定され得る。UE内のバックオフパラメータ値に基づいて、S−MACは、0とバックオフパラメータ値との間の均一な分布によってランダムバックオフ時間を選択することができる。S−MACは、バックオフ時間だけ後続RA伝送を遅延し、次いで、RAリソースの選択を進行する。
【0126】
次いで、S−MACは、S−PHYに、プリアンブルを伝送するように指示することができる(S1420−2)。
【0127】
図16を参照すると、S−MACがS−PHYから、プリアンブル伝送が不可能であるという通知を受信したとき、S−MACはS−RAを中断することに決定できる。具体的には、S−MACは、S−RA及びra−PRACH−MaskIndexのために明示的にシグナリングされたプリアンブルがあれば、これを廃棄することができる(S1420−1)。また、S−MACは、Msg3バッファ内でMAC PDUの伝送のために使用されたHARQバッファを空にすることができる(S1420−2)。このような動作により、S−MACは、進行中のS−RAを中断することができる。
【0128】
S−MACが、M−MACがM−RAを完了したことを示す完了通知を受信した場合、S−MACがS−PHYから、S−PHYがS−RAのためのプリアンブルを伝送できないことを示す通知を受信してS−RAを中断した場合は、S−MACは競合ベースのS−RAを開始することができる。
【0129】
この場合、S−MACは、S−MACがSeNBからのPDCCH命令又はS−MAC自体によって開始されたS−RAを中断したかに関係なく競合ベースのS−RAを開始することができる。
【0130】
図17は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック図である。
【0131】
図17に示された装置は、前記方法を行うように調整されたUE及び/又はeNBであってもよいが、同じ動作を行う任意の装置であってもよい。
【0132】
図17に示されたように、前記装置は、DSP/マイクロプロセッサ110及びRFモジュール(送受信機)135を含むことができる。DSP/マイクロプロセッサ110は、送受信機135と電気的に接続されて送受信機135を制御する。前記装置は、具現及び設計者の選択によって、電力調節モジュール105、バッテリー155、ディスプレイ115、キーパッド120、SIMカード125、メモリ装置130、スピーカー145及び入力装置150をさらに含むことができる。
【0133】
具体的には、
図17は、SeNB/MeNBから信号を受信するように設定された受信機135、ネットワークに信号を送信するように設定された送信機135を示すことができる。このような受信機及び送信機は送受信機135を構成することができる。UEは、送受信機135(受信機及び送信機)に接続されたプロセッサ110をさらに含むことができる。
【0134】
また、
図17は、UEに信号を送信するように設定された送信機135及びUEから信号を受信するように設定された受信機135を含むネットワーク装置を示すことができる。前記送信機及び受信機は送受信機135を構成することができる。ネットワークは、送信機及び受信機に接続されたプロセッサ110をさらに含む。
【0135】
本発明の思想又は範囲を逸脱しない状態で本発明に様々な修正及び変形がなされ得ることは、通常の技術者に自明である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及び均等な範囲で提供される本発明の修正及び変形を含むように意図された。
【0136】
以上で説明された実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定の形態で結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されていない形態で実施されてもよい。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、または、他の実施例の対応する構成又は特徴に置換されてもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりできるということは、通常の技術者にとって明らかである。
【0137】
本発明の実施例でeNBによって行われると説明された特定の動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、eNBを含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいてUEとの通信のために行われる様々な動作は、eNB又はeNB以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。用語‘eNB’は、固定局(fixed station)、Node B、BS(Base Station)、アクセスポイント(access point)などの用語によって代替されてもよい。
【0138】
上述した実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェアまたはこれらの結合などによって具現されてもよい。
【0139】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現されてもよい。
【0140】
ファームウエアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動され得る。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置して、公知の様々な手段によって前記プロセッサとデータを交換することができる。
【0141】
本発明は、本発明の思想及び本質的な特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが通常の技術者にとって自明である。したがって、上記の実施例は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、上記の詳細な説明ではなく、添付の請求項及びその法的な均等物によって決定すべきであり、添付の請求項の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれるものと意図される。