特許第6170248号(P6170248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170248
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】妨害禁止モード
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170713BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04M3/42 E
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-531050(P2016-531050)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公表番号】特表2017-503376(P2017-503376A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2014064869
(87)【国際公開番号】WO2015073382
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2016年7月12日
(31)【優先権主張番号】14/080,701
(32)【優先日】2013年11月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウォー、アンドリュー マーティン
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0158943(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0130213(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0190117(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0254776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04B 7/24− 7/26
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
妨害禁止モードがユーザのモバイルデバイス上で作動させられたときにサーバによって一時的に無効にされる1つ以上の通信フィーチャの選択を前記ユーザから受信する工程であって、前記1つ以上の通信フィーチャは、前記ユーザに属する1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能であり、前記ユーザのモバイルデバイス上でアクセス可能でない、工程と、
前記サーバが、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードを作動させたことをす妨害禁止通知を前記ユーザの前記モバイルデバイスから受信する工程であって、前記妨害禁止通知は、前記モバイルデバイスの表示画面が下方に向いている物理的配向を示している、工程と、
前記サーバが、前記モバイルデバイスの前記表示画面が下方に向いている前記物理的配向を示している前記妨害禁止通知を受信することに応じて、前記ユーザに属する前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に無効にする工程と、
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記妨害禁止モードが前記ユーザの前記モバイルデバイス上で作動させられたときに一時的に無効にされる、通信サービスのうち前記モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャの前記ユーザによる選択を受信する工程と、
前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードを作動させたとき、前記モバイルデバイスに関連付けられている、選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にする工程と、
をさらに備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にする工程は、前記モバイルデバイスによる新しい電子メールメッセージの受信を一時的に停止することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にする工程は、前記モバイルデバイスに対する着信呼を一時的にブロックすることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にする工程と、前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に停止する工程とは、前記モバイルデバイスと前記1つ以上の付随的なデバイスとによる少なくともいくつかの同期メッセージの受信を一時的に停止することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にする工程と、前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に停止する工程とは、前記モバイルデバイスと前記1つ以上の付随的なデバイスとに送信される少なくともいくつかの通信メッセージを遮断することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に無効にする工程は、前記1つ以上の付随的なデバイスに対応するコンピュータに対する新しい電子メールの受信を一時的に停止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に無効にする工程は、前記1つ以上の付随的なデバイスのうちの1つに対応する電話機に対する着信呼を一時的にブロックすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードからアクティブ・モードに切り替わったことを示す前記モバイルデバイスからのアクティブ通知を受信する工程と、
受信した前記アクティブ通知に応じて、前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な一時的に無効にした前記1つ以上の追加の通信フィーチャを有効にする、工程と、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モバイルデバイスからの前記アクティブ通知は、前記モバイルデバイスの第2物理的配向に基づく、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイルデバイスの前記第2物理的配向は前記モバイルデバイスの前記表示画面が下方に向いていない配向を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
妨害禁止モードがユーザのモバイルデバイス上で作動させられたときにサーバによって一時的に無効にされる1つ以上の通信フィーチャの選択を前記ユーザから提供する工程であって、前記1つ以上の通信フィーチャは、前記ユーザに属する1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能であり、前記ユーザのモバイルデバイス上でアクセス可能でない、工程と、
前記ユーザの前記モバイルデバイスが静止している表示画面下向き状態または動いている表示画面下向き状態のうちの1つの状態であるか否かを検知する工程と、
前記モバイルデバイスが前記静止している表示画面下向き状態または前記動いている表示画面下向き状態のうちの少なくとも1つの状態である場合、妨害禁止通知を送信し、前記モバイルデバイスに関連付けられている第1通信フィーチャと、前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャと前記サーバによって一時的に無効にする工程と、
を備えるコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記モバイルデバイスに関連付けられている前記第1通信フィーチャを一時的に無効にする工程は、前記第1通信フィーチャに関係付けられる前記モバイルデバイスにより受信される少なくともいくつかの通信を遮断することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記妨害禁止通知を前記サーバに送信する工程は、前記モバイルデバイスに関連付けられている第2通信フィーチャを一時的に無効にするために前記妨害禁止通知を前記サーバに送信することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記モバイルデバイスが既に前記静止している表示画面下向き状態または前記動いている表示画面下向き状態のうちの1つの状態ではなくなっていることを検知する工程と、
前記モバイルデバイスが既に前記静止している表示画面下向き状態または前記動いている表示画面下向き状態のうちの1つの状態ではなくなっていることを検知することに応じて、前記モバイルデバイスに関連付けられている一時的に無効にした前記第1通信フィーチャを有効にし、アクティブ通知を前記サーバに送信する工程と、
をさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項16】
1つ以上のプロセッサと、
命令を含むメモリと、を備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによる実行時に、前記1つ以上のプロセッサに、
妨害禁止モードがユーザのモバイルデバイス上で作動させられたときにサーバによって一時的に無効にされる1つ以上の通信フィーチャの選択を前記ユーザから受信することであって、前記1つ以上の通信フィーチャは、前記ユーザに属する1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能であり、前記ユーザのモバイルデバイス上でアクセス可能でない、受信することと、
前記サーバが、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードを作動させたことを示す妨害禁止通知を前記ユーザの前記モバイルデバイスから受信することであって、前記妨害禁止通知は、前記モバイルデバイスの表示画面が下方に向いている物理的配向を示している、受信することと、
前記サーバが、前記モバイルデバイスの前記表示画面が下方に向いている前記物理的配向を示している前記妨害禁止通知を受信することに応じて、前記ユーザに属する前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に無効にすることと、を行わせるシステム。
【請求項17】
命令を記憶した非一時的な機械可読媒体であって、前記命令は、機械による実行時に、前記機械に動作を実行させ、前記機械可読媒体は、
妨害禁止モードがユーザのモバイルデバイス上で作動させられたときにサーバによって一時的に無効にされる1つ以上の通信フィーチャの選択を前記ユーザから受信するための命令であって、前記1つ以上の通信フィーチャは、前記ユーザに属する1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能であり、前記ユーザのモバイルデバイス上でアクセス可能でない、命令と、
前記サーバが、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードを作動させたことを示す妨害禁止通知を前記ユーザの前記モバイルデバイスから受信するための命令であって、前記妨害禁止通知は、前記モバイルデバイスの表示画面が下方に向いている物理的配向を示している、命令と、
前記サーバが、前記モバイルデバイスの前記表示画面が下方に向いている前記物理的配向を示している前記妨害禁止通知を受信することに応じて、前記ユーザに属する前記1つ以上の付随的なデバイス上でアクセス可能な前記1つ以上の通信フィーチャを一時的に無効にするための命令と、を含む非一時的な機械可読媒体。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサに、
前記妨害禁止モードが前記ユーザの前記モバイルデバイス上で作動させられたときに一時的に無効にされる、通信サービスのうち前記モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャの前記ユーザによる選択を受信することと、
前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードを作動させたとき、前記モバイルデバイスに関連付けられている、選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にすることと、
を行わせる、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にすることは、前記モバイルデバイスによる新しい電子メールメッセージの受信を一時的に停止することを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記モバイルデバイスに関連付けられている選択された前記通信フィーチャを一時的に無効にすることは、前記モバイルデバイスに対する着信呼を一時的にブロックすることを含む、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にデバイスのモードに関し、より詳細には、デバイスによって作動させられる妨害禁止モードに関係する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の「常にオン」の通信環境では、コンピュータ、モバイル電話機、タブレットおよび他の通信デバイスは、これらのデバイスのユーザに絶え間ない刺激の流れを提供する。電子メール、テキスト・メッセージ、通知および他のアラートの絶え間ない流れは、集中およびタスク完了の大きな障害となる場合がある。この問題は、ユーザが所定の瞬間においてアクセスし得る通信デバイスおよびサービスの数によって悪化する。即時のアラートおよびリアルタイム通信は多くの場合において必要であり、1つ以上の通信デバイスのユーザに高い効率を提供し得る。しかしながら、いくつかの場合では、1つ以上の通信デバイスのユーザは、特定のタスクに完全に集中する必要があることがあり、タスクを続ける中断されない期間を必要とすることがある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本願技術の様々な態様に従って妨害禁止モードを可能にするための例示的なクライアントサーバネットワーク環境を示す図。
図2A】複数の通信サービスおよびデバイスに関連した本願技術の妨害禁止モードのシステムおよび態様の例を示す図。
図2B】複数の通信サービスおよびデバイスに関連した本願技術の妨害禁止モードのシステムおよび態様の例を示す図。
図3】本願技術の様々な態様に従って妨害禁止モードを作動させるか、またはこのモードになるための例示的なプロセスを示すフロー図。
図4】本願技術の様々な態様に従って妨害禁止モードからアクティブ・モードへと作動解除させるか、または切り替えるための例示的なプロセスを示すフロー図。
図5】本願技術のいくつかの態様が実施される電子システムを概念的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
開示される本願技術は、新しい通信メッセージが一時的に停止され得るように、1つ以上の通信デバイスおよび/またはサービスを妨害禁止モードにするためのコンピュータ実装方法に関する。本願技術の様々な実施形態が次の特徴のうちのいずれか、すべてを含んでいてもよく、また、いずれも含まなくてもよいことが理解される。例示的な方法は、モバイルデバイスが妨害禁止モードであることを示す前記モバイルデバイスによる妨害禁止通知を受信する工程を備えてよい。その方法は、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードである場合、前記モバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャと、1つ以上の付随的なデバイスに関連付けられている1つ以上の追加の通信フィーチャとを一時的に無効にする工程をさらに備えてよい。
【0005】
別の例示的なコンピュータ実装方法は、モバイルデバイスが静止している表示画面下向き状態または動いている表示画面下向き状態のうちの1つの状態であるか否かを検知する工程を備えてよい。その方法は、前記モバイルデバイスが前記静止している表示画面下向き状態または前記動いている表示画面下向き状態のうちの少なくとも1つの状態である場合、前記モバイルデバイスに関連付けられている第1通信フィーチャを一時的に無効にし、妨害禁止通知をサーバに送信する工程をさらに備えてよい。
【0006】
さらに、開示される主題は、妨害禁止モードを可能にするためのシステムに関する。例示的なシステムは、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによる実行時に、前記1つ以上のプロセッサに動作を実行させる命令を含むメモリと、を備えてよい。前記システムの前記1つ以上のプロセッサは、モバイルデバイスが妨害禁止モードであることを示す前記モバイルデバイスによる妨害禁止通知を受信するように構成され得る。前記システムの前記1つ以上のプロセッサは、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードである場合、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードである場合、前記モバイルデバイスと1つ以上の付随的なデバイスとに関する少なくともいくつかの通信を一時的に停止することによって、前記モバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャと、前記1つ以上の付随的なデバイスに関連付けられている1つ以上の追加の通信フィーチャとを一時的に無効にするようにさらに構成され得る。
【0007】
さらに、開示される主題は、妨害禁止モードを可能にするためのモバイルデバイスに関する。例示的なモバイルデバイスは、表示画面と、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによる実行時に、前記1つ以上のプロセッサに動作を実行させる命令を含むメモリと、を備えてよい。前記モバイルデバイスの前記1つ以上のプロセッサは、前記モバイルデバイスが静止している表示画面下向き状態であるか否かを検知するように構成されてよい。前記システムの前記1つ以上のプロセッサは、前記モバイルデバイスが前記静止している表示画面下向き状態である場合、前記モバイルデバイスが妨害禁止モードであるという第1通知メッセージをサーバに送信するようにさらに構成されてよい。
【0008】
さらに、開示される主題は、システムによる実行時に、妨害禁止モードを可能にするための動作をシステムに実行させる命令を記憶した例示的な機械可読媒体に関する。例示的な機械可読媒体は、モバイルデバイスが妨害禁止モードであることを示す前記モバイルデバイスによる妨害禁止通知を受信するための命令を備えてよい。その機械可読媒体は、前記モバイルデバイスが前記妨害禁止モードである場合、前記モバイルデバイスに対する少なくともいくつかの通信を一時的に停止するための命令であって、前記少なくともいくつかの通信は前記モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャに関係付けられる、前記命令をさらに備えてよい。
【0009】
別の例示的な機械可読媒体は、モバイルデバイスが静止している表示画面下向き状態であるか否かを検知するための命令を備えてよい。その機械可読媒体は、前記モバイルデバイスが前記静止している表示画面下向き状態である場合、付随的なデバイスに対する少なくともいくつかの通信を一時的に停止するように妨害禁止通知をサーバに送信するための命令であって、前記少なくともいくつかの通信は前記付随的なデバイスに関連付けられている通信フィーチャに関係付けられる、前記命令をさらに備えてよい。
【0010】
これらおよび他の態様は、新しい通信(例えば電話の着信呼、新しい電子メール、新しいテキスト・メッセージなど)によって中断されない期間をユーザに提供することができる様々な妨害禁止モードをユーザのモバイルデバイスから作動および作動解除させることをユーザに可能にすることを含むいくつかの利点を含んでよいが、これらに限定されない。
【0011】
本願技術の様々な構成が例示として図示及び説明される以下の詳細な説明から、本願技術の他の構成が容易に明らかになると理解される。以下から分かるように、本願技術の範囲を逸脱することなく、本願技術は他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は他の様々な点において改変が可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、本来は例示的であると考えられ、制限的であるとは考えられない。
【0012】
本願技術のある特徴は、添付される請求項に示される。しかしながら、説明の目的で、本願技術のいくつかの実施形態が以下の図面において示される。
以下に示す詳細な説明は、本願技術の様々な構成の説明を意図し、本願技術が実施される唯一の構成のみを表すことを意図しない。添付された図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、本願技術の十分な理解を提供する目的のための具体的詳細を含む。しかしながら、本願技術は本明細書に示される具体的詳細には限定されず、これらの具体的詳細なく実施され得ることは明確かつ明らかである。いくつかの場合においては、本願技術の概念を曖昧にすることを避けるために、周知の構造及び構成要素はブロック図の形態で示される。
【0013】
本願技術の態様に従って、1つ以上の通信デバイスおよび/またはサービスを妨害禁止モードにする技術が、本明細書において説明される。
ユーザは、一日を通じてモバイルデバイス(例えばスマートフォンまたはタブレット)を常時携帯している。ある時、ユーザは、画面を上向きで自身の机かテーブルに自身のモバイルデバイス(例えば携帯電話またはタブレット)を置くことがある。したがって、ユーザが通信イベントを受信してもよいと考えているか、通信イベントを歓迎してさえもいることは合理的に推論され得る。この点では、ユーザは、モバイルデバイスのいわゆる近くにおいて他のタスクを実行しつつも、電話の着信呼、新しい通知、新しい電子メールメッセージ、あるいは同様のイベントを見ることができる。そのような新しい通信イベントが生じる時、モバイルデバイスの表示画面は一般に作動させられ、これによって、新しいイベントに答えるか認めるようユーザの注意が引き寄せられる。例えば、新しい通信イベントについてユーザにアラートするべく、画面は通知で光を放ってもよく、スピーカーは音を発してもよく、および/またはモバイルデバイスが振動してもよい。
【0014】
これに対し、ユーザが妨害されることを望まない可能性がある、ある期間が存在する。引き出しにモバイルデバイスを置いたり、従来のモバイルデバイスについて画面が下を向くように電話機を裏返したりすることは、一般に、新しい通信イベントによって邪魔が引き起こされるのを止めるにはほとんど役に立たない。例えば、音や振動は、通知メカニズムとして典型的に使用される。例えば、さらに、画面の作動による反射光は、机やテーブルの表面においても明白かもしれない。例えば、机に向かっているか会合に出席している間、特別の問題に専念することを試みる場合、そのような邪魔はユーザを中断し得る。しかしながら、本願技術の態様は、モバイルデバイスの画面が下方に向いた配向に置かれる場合、通信イベントを無効にできる。さらに、画面が下方に向いた状態でモバイルデバイスが置かれる場合、他のデバイスからの通信イベントは同様に無効にされ得る。
【0015】
本願技術のある態様によれば、モバイルデバイスの加速度計、ジャイロスコープ、および/または類似のメカニズムを用いて、モバイルデバイスの画面がいつ上向きであるか、あるいは、いつ下向きであるかを検知するために、バックグラウンドアプリケーション、システムあるいはサービスが、モバイルデバイス上で動作していてもよい。バックグラウンドアプリケーション、システムあるいはサービスは、さらにモバイルデバイスが静止しているか動いているかを検知してもよく(例えばモバイルデバイスの位置同定システムをさらに用いることによって)、動いている場合、いかなる速度でモバイルデバイスが動いているのかを検知してもよい。さらに、バックグラウンドアプリケーションかサービスは、ユーザの現在の位置を確認するためにジオロケーション情報(例えば位置同定システムからのGPSデバイスデータあるいは類似の情報)を利用してもよい。この情報は、いくつかの例では個々に、他の例では組み合わせて、モバイルデバイスが、妨害禁止モードをトリガすることが意図されている第1物理的配向であるか否かを検知するために使用されてもよい。
【0016】
従って、本願技術の態様は容易に直ちに、通信刺激の複数の流れを除去し、これによって、ユーザに1つ以上の通信デバイスによる中断がない期間を提供することに利用することができる。
【0017】
図1は、妨害禁止システムをサポートし、妨害禁止モードを可能にするための様々な技術を実施するために使用されてもよい例示的なクライアントサーバネットワーク環境を示す。ネットワーク環境100は、1つ以上のサーバ110に通信可能に接続された、いくつかの電子デバイス102、103、104、106を含んでいてもよく、これらは、例えば、ネットワーク108によって通信可能に接続されていてよい。他の例において、電子デバイス102、103、104、106は、互いに通信可能に接続されてもよい(例えば、ネットワーク108によって通信可能に接続されていてよい)が、1つ以上のサーバ110に通信可能に接続されなくてもよい。
【0018】
図1の例では、サーバ110は妨害禁止システムを含む1つ以上のシステムあるいはサービスをホストしてもよいが、これに限定されない。いくつかの例において、サーバ110はコンピュータ・サーバのような1つのコンピューティングデバイスであってもよいし、あるいはサーバコンピュータのアクションを実行するために共に動作する2つ以上のコンピューティングデバイスを表わしていてもよい(例えば、クラウドコンピューティングまたは分散システム)。サーバ110は様々なデータベース、ストレージサービスあるいは他のコンピューティングデバイスと結合されてもよい。サーバ110と、結合されたデータベース、ストレージサービス、あるいは他のコンピューティングデバイスとは、同じ場所に位置していても違う場所に位置していてもよい。例えば、サーバ110は1つ以上のプロセッシングデバイス112と1つ以上のデータ・ストア114を含んでいてもよい。1つ以上のプロセッシングデバイス112が、例えば、1つ以上の通信デバイス上の妨害禁止モードを可能にするために1つ以上のデータ・ストア114に記憶された命令を実行してもよい。1つ以上のデータ・ストア114が、非一時的なコンピュータ可読媒体上にコンピュータ命令を記憶してもよい。
【0019】
1つ以上の通信サーバ120が、図1の例での通信サービスあるいはアプリケーションを提供してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信サーバ120は、サーバ110に関して上に記述されたような同様の態様で設計されてもよい。1つ以上の通信サーバ120は、携帯電話サービス、電子メールサービス、テキスト・メッセージ・サービス、ボイス・オーバーIP(VoIP)サービス、ビデオチャット・サービスなどを含むが、これらに限定されない、1つ以上の通信システムあるいはサービスをホストしてもよい。例えば、これらの通信システムまたはサービスは電子デバイス102、103、104、106に提供されてもよい。1つ以上の通信サーバ120は、さらにサーバ110と通信してもよい。
【0020】
ネットワーク108は、公共の通信ネットワーク、個人の通信ネットワークあるいは両方の組み合わせの場合がある。ある例において、ネットワーク108は、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、キャンパス・エリア・ネットワーク(CAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、ブロードバンド・ネットワーク(BBN)、インターネットなどのうちの任意の1つ以上も含むことができる。さらに、ネットワーク108は次のネットワークトポロジーのうちの任意の1つ以上を含み得るが、これらに限定されず、そのネットワークトポロジーは、バスネットワーク、スター型ネットワーク、環状ネットワーク、メッシュネットワーク、スター−バスネットワーク、木あるいは階層的ネットワークなどを含む。
【0021】
ネットワーク108は、公共の通信ネットワーク(インターネット、セルラ・データ・ネットワーク、ケーブル・データ・ネットワーク、あるいは公衆交換電話網上のダイアルアップ・モデムを含むが、これらに限定されない)の場合もあれば、個人のネットワーク(例えば個人のローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)あるいは専用回線ネットワーク等)の場合もある。ネットワーク108は次のネットワークトポロジーのうちの任意の1つ以上も含み得るが、これらに限定されず、そのネットワークトポロジーは、バスネットワーク、スター型ネットワーク、環状ネットワーク、メッシュネットワーク、スター−バスネットワーク、木あるいは階層的ネットワークなどを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、電子デバイス102、103、104および106は、ラップトップもしくはデスクトップ・コンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末(「PDA」)、ポータブルメディア・プレイヤー、タブレット・コンピュータ、テレビ、またはディスプレイに結合されているかもしくは組み込まれている1つ以上のプロセッサを有する他のディスプレイ等のコンピューティングデバイス、あるいは、ウェブ・ページまたはウェブのアプリケーションの表示のために使用することができる、他の適切なコンピューティングデバイスの場合がある。図1の例では、電子デバイス102はデスクトップ・コンピュータとして示される。電子デバイス103および104はスマートフォンとして示される。また、電子デバイス106はタブレット・デバイスとして示される。
【0023】
電子デバイス102、103、104、106と、サーバ110との間の通信は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)通信プロトコルによって可能にされてもよい。他の通信プロトコルも使用されてよく、これには、電子デバイス102、103、104、106とサーバとの間のいくらかあるいはすべての通信のための、例えば、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)通信が含まれる。他の例において、電子デバイス102、103、104、106はサーバ110と通信せずに、互いとの通信状態にあってもよい。
【0024】
クライアント・デバイス(例えば電子デバイス103、104、あるいは106)と対話するユーザは、妨害禁止モードを作動させることに関連して1つ以上のアクティビティを実行してもよい。妨害禁止システム(例えば、サーバ110でホストされている)は、1つ以上の通信サービス(例えば、1つ以上の通信サーバ120によって提供されている)による新しい通信を一時的に停止し、または無効にできる。例えば、1つ以上の通信サービスは、1つ以上の電子デバイス(例えば電子デバイス102、103、104、あるいは106)によってユーザに提供されてもよい。
【0025】
図1の例では、電子デバイス102、103、104、106の各々は、通信サービスと関係する電子デバイス102、103、104、106のうちの少なくとも1つの他の電子デバイスからテキスト、オーディオあるいはビデオストリームを受信してもよい。従って、電子デバイス102、103、104、106、マイクロホン、カメラあるいはオーディオまたはビデオをキャプチャするための他のデバイスを含んでいる場合もあれば、これらに連結される場合もあり、またテキスト、オーディオあるいはビデオの提供のために出力デバイスを含んでいてもよい。
【0026】
動作では、サーバ110は、1つ以上の通信サーバ120によって提供される1つ以上の通信サービスによる新しい通信を一時的に停止したり無効にしたりするための動作を提供および処理してもよい。電子デバイス102、103、104、106の各々は、1つ以上の通信システムあるいはサービスと関係する妨害禁止モードを確立する目的のため、サーバ110あるいは1つ以上のサーバ120との通信を確立してもよい。
【0027】
妨害禁止モードを可能にするための技術は、図2図4に関して、そして、引き続き図1を参照して、さらに以下に説明する。
図2A図2Bは、1つ以上の通信サービスに関連付けられている妨害禁止モードのシステムおよび態様の例を示す。例えば、ユーザ201は仕事または家で特定のタスクに集中したい場合がある。本願技術の態様によって、モバイルデバイス203は、1つ以上の通信デバイスによる中断がない期間をユーザに201に提供するように、オブジェクトかメカニズムとして機能できるようになる。ある例において、ユーザ201が妨害されたくない場合、ユーザ201は、モバイルデバイス203の表示画面側234を下向きにし、机かテーブルに水平に置いて、モバイルデバイス203の後部側232がユーザ201に向かって上向きの状態で、モバイルデバイス203を裏返す(図2A)。妨害禁止システム、アプリケーション、バックグラウンドサービスあるいはモジュールは、表示画面側234が上向きであるとき、および、表示画面側234が下向きであり水平に置かれているときを検知するべく、加速度計、ジャイロスコープおよび/またはモバイルデバイス203の類似のメカニズムを利用するモバイルデバイス203上で動作する。
【0028】
モバイルデバイス203が机かテーブルの上に存在する場合、モバイルデバイスの移動はわずかであるか、存在しない。そのような状況も、加速度計、ジャイロスコープおよび/または類似のメカニズムの使用によりモバイルデバイス203によって検知でき、静止している下向き状態と称することができる。他の状況で、モバイルデバイス203は、下向きあるいは多少下向きだが、動いていてもよい(例えば、ユーザ201の歩行中において、モバイルデバイス203がバックパックかハンドバック中に置かれている場合、あるいは、ユーザ201の運転中において、カー・シートかコンソール上に下向きに置かれている場合)。この下向きで動いている構成は、加速度計、ジャイロスコープおよび/または、類似のメカニズムの使用により、モバイルデバイス203によって同様に検知されてよく、動いている下向き状態と称され得る。いくつかの実施形態では、動いている下向き状態は妨害禁止モードをトリガせず、他の実施形態では、動いている下向き状態は妨害禁止モードをトリガする。
【0029】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイス203が静止している下向き状態にある場合、小さな動き(特に、モバイルデバイスの表示画面側234を下向きに維持している間に、モバイルデバイス203が動かされるとき)は、状態を変化させないことが理解される。例えば、ユーザ201は、ユーザ201の現在の妨害禁止モードをそのままにしようと意図しないで、ある書類にアクセスするかあるいはユーザの作業スペースを再配置するために、モバイルデバイス203をスライドさせて一瞬どける必要があり得る。従って、モバイルデバイス203の動きのある閾値は、静止している下向き状態からの状態を変更しないよう、許容される。
【0030】
ある実施形態で、モバイルデバイス203が静止している下向き状態にあると考えられる場合、モバイルデバイス203の妨害禁止システムは、サービスまたはサーバに信号または通知(例えばネットワーク108によってサーバ110上のクラウドサービスに電子デバイス103によって送信される信号)を送信するように動作してもよい。その後、サービスまたはサーバは、モバイルデバイス203が妨害禁止モードであることを識別し、1つ以上の他のサービスあるいはサーバにモバイルデバイス203が妨害禁止モードであるという指示を送ることができ(例えば電子メールサーバおよびVoIPサーバを含む1つ以上の通信サーバ120へのサーバ110によるブロードキャストメッセージ)、これにより、一時的にある通信フィーチャを無効にするか停止する。
【0031】
1つ以上のサービスあるいはサーバは、モバイルデバイス203に関連付けられているサービスを含んでいてもよい(例えば、モバイル電話機に関連付けられているアカウントのための、また、モバイル電話機上においてアクセス可能な電話サービス、通知サービス、電子メールサービス)。1つ以上のサービスあるいはサーバは、さらに、モバイルデバイス203のユーザ201に関連付けられているが、直接モバイルデバイス203自体に関連付けられていないサービスを含んでいてもよい。例えば、コンピュータ202に関連付けられているが、モバイルデバイス203に関連付けられていない電子メールアカウントは、ユーザ201が妨害禁止モードであると通知されてもよい。同様に、電話機207に関連付けられているが、モバイルデバイス203に関連付けられていない電話サービスは、ユーザ201が妨害禁止モードであると通知されてもよい。
【0032】
従って、図1Aの例に示すように、モバイルデバイス203が静止している下向き状態であり、モバイルデバイス203の妨害禁止システムがモバイルデバイス203を妨害禁止モードにしている場合、モバイルデバイス203は、モバイルデバイス203に関連付けられている様々なサービス(例えば通話、電子メール、テキスト・メッセージ、通知)から通信を受信しない(あるいはいくらかは受信する)。いくつかの実施形態で、モバイルデバイス203が、ユーザ201およびモバイルデバイス204が妨害禁止モードであることを認識していない通信サービス(例えば遠隔のビデオチャット・サービス)から通信を受信する場合、モバイルデバイス203の妨害禁止システムは、モバイルデバイス203が既に妨害禁止モードではなくなっているということになるまで、その通信を遮断して、処理しない。
【0033】
図1Aにさらに示すように、モバイルデバイス203が妨害禁止モードである場合、モバイルデバイス203は、1つ以上の他の通信装置に関連付けられているあるサービス(例えば通話、電子メール、テキスト・メッセージ、通知)から通信を受信しなくてもよい(あるいはいくらかは受信する)。例えば、コンピュータ202は、いくつかの実施形態ではコンピュータ202に関連付けられている1つ以上の通信サービスから通信を受信しない。例えば、モバイルデバイス203の妨害禁止モード中、コンピュータ202のディスプレイ222は新しい通信メッセージを示さない。いくつかの実施形態で、モバイルデバイス203の妨害禁止モード中、ディスプレイ222およびコンピュータ202は、複数の目的のために完全に使用可能であることが理解される。
【0034】
例えば、ユーザ201は、妨害禁止モード中、コンピュータ202上にインストールされた文書処理アプリケーションを利用する必要があり得る。さらに、ユーザ201は妨害禁止モード中、新しい通信が禁止されているサービスに関連付けられているアプリケーションを使用する必要があり得る。例えば、ユーザ201は、ユーザ201の妨害禁止モード中、タスクを完了するために以前の電子メールにアクセスする必要があり得る。ユーザ201は、以前の電子メールにアクセスし、いくつかの実施形態では、新しい電子メールメッセージを送信することもし得るが、モバイルデバイス203が妨害禁止モードのままである限り、新しい電子メールは受信されないだろう。
【0035】
同様に、モバイルデバイス203の妨害禁止モード中、電話機207は、電話機が妨害禁止ステータスになったと画面274で示してもよい。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス203の妨害禁止モード中、電話機207が着信呼を受信しないとしても、画面274はそのような指示を提供しなくてもよい。同様に、モバイルデバイス203の電話禁止モード中、ボイス・メールをユーザ201が使える場合において、電話機207上のボイス・メール・インジケータ・ライト276は、点灯しないことになる。
【0036】
図2Bの例で示すように、表示画面側234が上向きになるようにユーザ201がモバイルデバイス203を裏返す場合(この他、静止している下向き状態からモバイルデバイス203の物理的配向を変更する場合)、モバイルデバイス203の妨害禁止システムはアクティブ・モードに変わることになる。従って、モバイルデバイス203の妨害禁止システムは、モバイルデバイスがアクティブ・モードである(あるいは既に妨害禁止モードではなくなっている)と示すために、サービスあるいはサーバに信号または通知(例えばネットワーク108によってサーバ110上のクラウドサービスに電子デバイス103によって送信される信号)を送信するように動作してよい。その後、サービスまたはサーバは、モバイルデバイス203がアクティブ・モードであることを識別し、モバイルデバイス203のユーザ201がアクティブ・モードであるとの指示を1つ以上の他のサービスあるいはサーバに送信してよく(例えば、電子メールのサービスまたはサーバとVoIPサービスまたはサーバに対するサーバ110によるブロードキャストメッセージ)、関連付けられているサービスは、他のサービスまたはサーバの各々に関連付けられている通信を受信するデバイスに対する新しい通信(および妨害禁止モード中に生じた、以前に停止された通信)を送信できる。
【0037】
例えば、モバイルデバイス203が既に妨害禁止モードではなくなっている場合、新しい電子メールメッセージ225がコンピュータ202によって受信され、モバイルデバイス203が妨害禁止モードになるよりも前に受信された古い電子メールメッセージ227と共にディスプレイ222上で示されてよい(例えば、古いメール227は、モバイルデバイス203が妨害禁止モード中であった場合に、必要なときにはタスクを完了するためにアクセスされるようユーザ201によって使用され得た電子メールである)。同様に、モバイルデバイス203が既に妨害禁止モードではなくなっている場合、電話機207は着信呼を受信してもよい。例えば、モバイルデバイス203の妨害禁止モード中にボイスメッセージの受信があった場合、画面274はそのことを示すテキストを提供してもよく、電話機207上のボイス・メールのインジケータ・ライト276は、モバイルデバイス203がアクティブ・モードに移行するときに点灯してもよい。
【0038】
図3は、妨害禁止モードを作動させるか、妨害禁止モードになる例示的なプロセスのフロー図を示す。他のプロセスおよび本開示の態様と共にプロセス300での動作が使用されてもよいことが理解される。プロセス300は図1および図2の例を考慮して説明されるが、プロセス300はそのようなものに限定されない。
【0039】
ブロック302では、モバイルデバイス(例えば電子デバイス103、104、106、あるいはモバイルデバイス203)のシステムは、モバイルデバイスが第1物理的配向であるか否かを検知してもよい。例えば、モバイルデバイスの第1物理的配向は、モバイルデバイスの表示画面が実質的に下方に向いている配向の場合がある。いくつかの実施形態では、第1物理的配向は、静止している表示画面下向き状態あるいは動いている表示画面下向き状態であってよく、妨害禁止モードを示していてもよい。
【0040】
例えば、モバイルデバイスは、モバイルデバイスが下向きであるがデバイスが配置されている机または他の表面の角度によりわずかに傾いて配置されている場合、実質的に下向き姿勢であると判定されてもよい。さらに、モバイルデバイスは、モバイルデバイスがほぼ、ある閾値の動きの範囲内であるか許容範囲内である同じ姿勢のままである(モバイルデバイスのステータスを妨害禁止モードから変更するような態様でモバイルデバイスを動かすユーザによる意図とは一般にみなされない)場合、実質的に静止していると判定されてもよい。
【0041】
ブロック304では、妨害禁止通知はモバイルデバイスによって送信され、サーバ(例えばサーバ110)によって受信されてもよい。妨害禁止通知は、モバイルデバイスがある実施形態による妨害禁止モードであることをサーバに示す。いくつかの実施形態では、妨害禁止通知は、モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャ、および付随的なデバイスに関連付けられているフィーチャに関して送信されてもよい。サーバは妨害禁止通知を受信し、妨害禁止モードと関係する動作を実行してもよい。他の実施形態では、妨害なし通知は付随的なデバイス動作に関連付けられている通信フィーチャに関して送信されてもよく、また、モバイルデバイスに関連付けられているある通信フィーチャについての妨害禁止モードに関係する動作は、モバイルデバイスによって実行される。
【0042】
ブロック306では、モバイルデバイスが妨害禁止モードである場合、モバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャは一時的に無効にされてもよい。例えば、モバイルデバイスに対する着信呼は一時的に停止されてもよい。別の例では、モバイルデバイスに対する新しい電子メールメッセージは一時的に停止されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、サーバ(例えばサーバ110)はモバイルデバイスによる妨害禁止通知を受信し、モバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャを一時的に停止し、または無効にし得る。ウェブ・ブラウザを利用するある通信フィーチャあるいはサービスは、ウェブ・ページの更新を防ぐことによって通信フィーチャまたはサービスに関連付けられているウェブ・ページにより一時的に停止されたり無効にされたりしてよい。例えば、モバイルデバイスの妨害禁止モード中、ウェブ・ブラウザ拡張機能は、関連する1つ以上のウェブ・ページのリフレッシュを遮断し、または、別様にリフレッシュさせない場合がある。
【0044】
あるいは、さらに、モバイルデバイスは、モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャを一時的に停止したり無効にしたりしてよい。例えば、動作は、新しい通知に関するアラートを停止すること、新しい電子メールに関するアラートを停止すること、あるいは、着信呼やボイスメッセージについての鳴ることや指示を無効にすることに関し、モバイルデバイス上で実行されてよい。
【0045】
妨害禁止モードの様々な態様および実施形態が考慮されることが認められる。例えば、ユーザは、妨害禁止モード中、ユーザが一時的に停止したり無効にしたりすることを望む、モバイルデバイスに関連付けられている通信フィーチャ、および、付随的なデバイスに関連付けられている追加の通信フィーチャのうちのいずれかを選択してよい。従って、ユーザ・インターフェースは、モバイルデバイスが妨害禁止モードである場合に一時的に停止されるか無効にされ得る様々なフィーチャおよびサービスがユーザ・インターフェースによって選択可能なように、提供されてもよい。
【0046】
同様に、各通信フィーチャあるいはサービス内では、通信の集合の一部がある実施形態において選択可能であってよい。例えば、デバイスが妨害禁止モードである場合においても無視して、電子メールが1つ以上の選択された連絡先から受信され得るように、電子メールのサービスかアプリケーション中の1つ以上の連絡先が選ばれてもよい。
【0047】
ブロック308では、モバイルデバイスが妨害禁止モードである場合、1つ以上の付随的なデバイスに関連付けられている1つ以上の追加の通信フィーチャが、一時的に無効にされてもよい。ある実施形態では、サーバ(例えばサーバ110)は1つ以上の付随的なデバイスに関連付けられている1つ以上の追加の通信フィーチャを一時的に停止したり無効にしたりし得る。例えば、電話機(例えば電話機207)に対する着信呼は一時的に停止されてもよい。別の例では、コンピュータ(例えばコンピュータ202)に対する新しい電子メールは一時的に停止されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの妨害禁止モードによって影響を受けるサービスかアプリケーションのクライアント・インスタンスは、クライアント・インスタンスに関連付けられている特定のサービスに現在のモード(例えば妨害禁止かアクティブ・モードである)を提供するようにサーバにリクエストするよう構成されてもよい。サーバは、特定のサービスに関連付けられているクライアント・インスタンスに対する現在のモードを識別することができ、したがって、クライアント・インスタンスは、そのクライアント・インスタンス(例えばコンピュータ202によってアクセス可能なウェブ・ページからアクセス可能な電子メールアプリケーション)に基づいて新しいメッセージを許可し、または、許可しないことが可能である。
【0049】
例えば、遮断システム(例えば、モバイル電話機あるいは付随的なデバイスのいずれかでアクティブ)は、特定のサービスかアプリケーションに関連付けられている場合があり、サービスかアプリケーション(例えば、更新または通知を探しているサービスかアプリケーションと関係のある1つのJavaScript(登録商標)コードが挿入されてもよい)に届く通知を探していてもよい。遮断システムは、モバイルデバイスの現在のモードを得るためにサーバに対する通信(例えばエクステンシブル・マークアップ・ランゲージ(XML)HTTPリクエストを使用するサーバ110に対する通信)を確立することができる。モバイルデバイスが妨害禁止モードである場合、遮断システムは一時的に新しい通信メッセージあるいは通知を停止することができる(例えばサービスかアプリケーションに関連付けられている通知ユーザ・インターフェースを除去するか無効にすることによる)。
【0050】
ある態様に従って、デバイスの妨害禁止状態中に一時的に停止されるか無効にされるか遮断される通信は、特定の通信に関連付けられている通知レベルに基づく場合がある(例えば、関連付けられている電子メールサービスが妨害禁止モード中に制限されている場合であっても、「重要度高」と印が付けられた電子メールは、ユーザおよび/またはシステムによって許可されてもよい)。例えば、通知アプリケーションプログラミングインターフェース(API)は、通信が緊急/高であるかデフォルトであるかを判定するために、通知フィーチャまたはサービスによる特定の通信に関連付けられている通知レベルを識別するべく、利用され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、通信フィーチャあるいはサービスは、モバイルデバイスのユーザが妨害禁止モードであると他のユーザのために識別してもよい。例えば、モバイルデバイスのユーザに通常接続することができる他のユーザのために「オフライン」または「妨害禁止である」として、チャット・アプリケーションかサービスは、妨害禁止モードのデバイスのユーザを識別してもよい。
【0052】
図4は、妨害禁止モードからアクティブ・モードに作動解除させるか切り替える例示的なプロセスのフロー図を示す。本開示の他のプロセスおよび態様と共にプロセス400での動作が用いられてもよいことが理解される。プロセス400は図1および図2の例を考慮して説明するが、プロセス400はそのようなものに限定されない。
【0053】
ブロック402では、モバイルデバイス(例えば電子デバイス103、104、106、あるいはモバイルデバイス203)のシステムは、モバイルデバイスが既に第1物理的配向ではなくなっていることを検知してよい。例えば、モバイル電話機が上方に向いた配向、あるいは第1配向とは異なる別の物理的配向となるように、モバイル電話機の表示画面はひっくり返されてもよい。いくつかの実施形態では、第2物理的配向は、アクティブ・モード(例えば、妨害禁止モードとは反対のモードであり、モバイルデバイスあるいは付随的なデバイスが妨害禁止モードからアクティブ・モードに切り替わり、新しい通信メッセージを現在受領できるように構成されて、通信フィーチャは動作する)を示してもよい。
【0054】
ブロック404では、アクティブ通知はモバイルデバイスによって送信され、サーバ(例えばサーバ110)によって受信されてもよい。ある実施形態に従って、アクティブ通知は、モバイルデバイスがアクティブ・モードにあることをサーバに示す。
【0055】
ブロック406では、例えば、モバイルデバイスがアクティブ・モードである場合、受信されるアクティブ通知に応じて、サーバは、一時的に無効にされたモバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャを有効にし得る。例えば、モバイルデバイスに関し通常完了されるように、モバイルデバイスに対する着信呼は許可されてもよい。別の例では、モバイルデバイスへの新しい電子メールメッセージは許可されてもよい。また、モバイルデバイスの妨害禁止モード中に生じたメッセージが提供されてもよい。
【0056】
ブロック408では、例えば、モバイルデバイスがアクティブ・モードである場合、受信されるアクティブ通知に応じて、サーバは、一時的に無効にされたモバイルデバイスに関連付けられている少なくとも1つの通信フィーチャと、一時的に無効にされた1つ以上の付随的なデバイスに関連付けられている1つ以上の追加の通信フィーチャとを有効にし得る。例えば、モバイル電話機がアクティブ・モードである場合、電話機(例えば電話機207)に対する着信呼は許可されてもよい。別の例では、モバイル電話機がアクティブ・モードである場合、コンピュータ(例えばコンピュータ202)に対する新しい電子メールが受信されてもよく、コンピュータの妨害禁止モード中に生じたメッセージが提供されてもよい。
【0057】
妨害禁止モードからアクティブ・モードにモバイルデバイスのモードが変わる場合、ウェブ・ブラウザを利用する通信フィーチャあるいはサービスが、通信フィーチャかサービスに関連付けられているウェブ・ページによって一時的に停止されたり無効にされたりする例では、ウェブ・ページはリフレッシュされ、新しい通信メッセージ(例えば妨害禁止モード中に生じたメッセージ)は届いてよい。他の例において、通知または通信は集められてもよいしバッチ処理されてもよく、妨害禁止モードからアクティブ・モードへの変更の際に送信されてもよい。
【0058】
ある態様に従って、クライアント・インスタンスまたはデバイスサイドアプリケーション(例えば、電子デバイス103、モバイル電話機203、あるいはコンピュータ202上の電子メールアプリケーション)と、複数のサービスの1つ以上の発信サーバまたはシステムとの間の通信を同期および提供するための1つ以上のサーバまたはクラウドサービス(例えば、クラウドサービスを提供するように構成されている、サーバ110、1つ以上の通信サーバ120、および/または複数のサーバ)上で動作する同期システムまたはモジュールは、妨害禁止モードが作動させられている場合にクライアント・インスタンスまたはデバイスサイドアプリケーションに対する新しい通知または通信が一時的に停止され得るように提供されてよい。妨害禁止モードが作動解除させられる場合、1つ以上のサーバあるいはクラウドサービス上の同期システムまたはモジュールは、例えば、妨害禁止モードからアクティブ・モードへの変化の際、集められたかバッチ処理された通知または通信を送信するように動作可能であってよく、あるいは別様に、新しい通知あるいは通信を許可し、クライアント・インスタンスかデバイスサイドアプリケーションにそのような以前に停止された通知あるいは通信を送信するように、複数のサービスの1つ以上の発信サーバあるいはシステムに命令するように動作可能であってもよい。
【0059】
ある実施形態では、クライアント・インスタンスかデバイスサイドアプリケーションにおける特定のサービスを妨害禁止モードにするために、デバイス上(例えば、モバイル電話機上あるいは付随的なデバイス上)で動作可能な遮断システムあるいはモジュールは、クライアント・インスタンスかデバイスサイドアプリケーションにおける特定のサービスに関連付けられ、1つ以上のサーバまたはクラウドサービス(例えば、クラウドサービスを提供するように構成されている、サーバ110、1つ以上の通信サーバ120、および/または複数のサーバ)上の同期システムまたはモジュールから信号を受信するように動作可能であってよい。従って、例えば、1つ以上のサーバあるいはクラウドサービス上の同期システムまたはモジュールとの通信状態にない様々なリモート・サーバ、エンドポイントデバイスなどから新しい通知あるいは通信を特定のサービスが受信し得る場合、遮断システムまたはモジュールはデバイスへの新しい通信をさらに遮断するか許可しないように動作してもよい。同様に、クライアント・インスタンスあるいはデバイスサイドアプリケーションにおける特定のサービスをアクティブ・モードにする対応する信号は、妨害禁止モードが作動解除させられる場合、デバイス上の遮断システムあるいはモジュールによって同様に受信されてもよい。
【0060】
いくつかの例において、妨害禁止モードによって影響される様々なサービスがユーザ・レベル(例えば妨害禁止サービスの一部となる、ユーザに提供される特定のサービスの各々のためのオン・オフ・スイッチ)で選択可能で、複数のデバイス(例えば、コンピュータ202、モバイル電話機203、および/または電話機207)にわたって適用されるように、同期モジュールに関連付けられているユーザ・インターフェースが提供されてもよい(例えばダッシュボード・スタイル構成で)。ユーザ・インターフェースは、様々な妨害禁止モードの実施形態の通知レベルあるいは例外に基づいた選択可能なフィーチャ(例えばサービスに関連するか、デバイスに特有のカスタマイズされた構成)をさらに提供してよい。
【0061】
図5は、本願技術のいくつかの実施形態が実施される電子システムを概念的に示す。電子システム500は、サーバ、コンピュータ、電話機、PDA、タブレット・コンピュータ、1つ以上のプロセッサが組み込まれているか1つ以上のプロセッサに結合されているテレビであってもよいし、一般的な任意の電子デバイスであってもよい。このような電子システムは、様々な種類のコンピュータ可読媒体と、他の様々な種類のコンピュータ可読媒体に関するインターフェースとを含む。電子システム500は、バス508、プロセッシング・ユニット512、システム・メモリ504、読出専用メモリ(ROM)510、パーマネント・ストレージ・デバイス502、入力デバイス・インターフェース514、出力デバイス・インターフェース506、及びネットワーク・インターフェース516を含む。
【0062】
バス508は、電子システム500の多数の内部デバイスを通信可能に接続する全てのシステムと、周辺機器と、チップセット・バスとを集合的に表す。例えば、バス508は、プロセッシング・ユニット512を、ROM510と、システム・メモリ504と、パーマネント・ストレージ・デバイス502とに通信可能に接続する。
【0063】
プロセッシング・ユニット512は、本開示のプロセスを実行するために、これらの様々なメモリ・ユニットから実行対象の命令と処理対象のデータとを取り出す。プロセッシング・ユニットは、互いに異なる実施形態において、1つのプロセッサであってもよいし、マルチコア・プロセッサであってもよい。
【0064】
ROM510は、プロセッシング・ユニット512と電子システムの他のモジュールとによって必要とされる静的なデータと命令とを記憶する。これに対し、パーマネント・ストレージ・デバイス502は、読出/書込メモリ・デバイスである。このデバイスは、電子システム500がオフであるときでも命令とデータとを記憶する不揮発性メモリ・ユニットである。本開示のいくつかの実施形態では、パーマネント・ストレージ・デバイス502としてマス・ストレージ・デバイス(例えば、磁気又は光ディスク、及び、対応するディスク・ドライブ)が用いられる。
【0065】
他の実施形態では、パーマネント・ストレージ・デバイス502としてリムーバブル・ストレージ・デバイス(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュ・ドライブ、対応するディスク・ドライブ)が用いられる。システム・メモリ504は、パーマネント・ストレージ・デバイス502と同様に、読出/書込メモリ・デバイスである。しかしながら、システム・メモリ504は、ストレージ・デバイス502とは異なり、揮発性読出/書込メモリ(例えば、ランダム・アクセス・メモリ)である。システム・メモリ504は、ランタイムにおいてプロセッサが必要とする命令とデータとのいくつかを記憶する。いくつかの実施形態においては、本開示のプロセスは、システム・メモリ504、パーマネント・ストレージ・デバイス502、又はROM510に記憶される。例えば、様々なメモリ・ユニットは、本願技術のいくつかの実施形態に従って妨害禁止モードを可能にするための命令を含んでよい。プロセッシング・ユニット512は、いくつかの実施形態のプロセスを実行するために、これらの様々なメモリ・ユニットから実行対象の命令と処理対象のデータとを取り出す。
【0066】
さらにバス508は、入力デバイス・インターフェース514と出力デバイス・インターフェース506とに接続する。入力デバイス・インターフェース514によって、ユーザが情報を通信し、電子システムに対するコマンドを選択することが可能になる。入力デバイス・インターフェース514とともに用いられる入力デバイスは、例えば、英数字キーボード、ポインティング・デバイス(「カーソル制御デバイス」とも称される)を含む。出力デバイス・インターフェース506によって、例えば、電子システム500によって生成された画像の表示が可能になる。出力デバイス・インターフェース506とともに用いられる出力デバイスは、例えば、プリンタ、ディスプレイ・デバイス(陰極線管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)など)を含む。いくつかの実施形態は、入力デバイス及び出力デバイスの両方として機能するタッチスクリーンなどのデバイスを含む。
【0067】
図5に示すように、バス508はさらに電子システム500を、ネットワーク・インターフェース516を介してネットワーク(図示せず)に接続する。このように、コンピュータは、コンピュータのネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)、ワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、イントラネット)の一部、又は、複数のネットワーク(例えば、インターネット)のうちの1つのネットワークの一部であってもよい。任意の、又は、すべての電子システム500の要素が、本開示とともに用いられ得る。
【0068】
これら上述の機能は、デジタル電子回路、コンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにより実装されることができる。上述の技術は、1つ以上のコンピュータ・プログラム製品を用いて実施される。プログラマブル・プロセッサ及びコンピュータは、モバイルデバイスに含まれてもよいし、モバイルデバイスとしてパッケージされてもよい。プロセス及びロジック・フローは、1つ以上のプログラマブル・プロセッサと1つ以上のプログラマブル論理回路とによって実行されてよい。汎用及び専用のコンピューティングデバイスと、ストレージ・デバイスとは、通信ネットワークを通じて相互接続され得る。
【0069】
いくつかの実施形態は電子部品(例えば、機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体(あるいは、コンピュータ可読記憶媒体、機械可読媒体、機械可読記憶媒体とも称される)におけるコンピュータ・プログラムの命令を記憶するマイクロ・プロセッサ、ストレージ、メモリ)を含む。このようなコンピュータ可読媒体のいくつかの例には、RAM、ROM、読出専用コンパクト・ディスク(CD−ROM)、記録可能コンパクト・ディスク(CD−R)、書き換え可能コンパクト・ディスク(CD−RW)、読出専用デジタル多用途ディスク(例えば、DVD−ROM、2層DVD−ROM)、種々の記録可能/書き換え可能DVD(例えば、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等)、フラッシュ・メモリ(例えば、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカード等)、磁気又はソリッド・ステート・ハードドライブ、超高密度光ディスク、他の任意の光又は磁気メディア、フロッピーディスクが含まれる。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッシング・ユニットにより実行可能であって、様々な操作を行うための一組の命令を含むコンピュータ・プログラムを記憶できる。コンピュータ・プログラム又はコンピュータ・コードの例には、例えばコンパイラによって生成される機械コードと、インタプリタを用いてコンピュータ、電子部品、又はマイクロ・プロセッサによって実行される、より高レベルのコードを含むファイルと、が含まれる。
【0070】
例えば、様々な動作を実行するためのこの命令は、メモリ・ユニットに記憶され、1つ以上のコンピュータ・プログラム製品(例えば、コンピュータ・システム500による実行または電子システム500の動作を制御するための実行用にコンピュータ可読媒体上に符号化されているコンピュータ・プログラム命令の1つ以上のモジュール)により、当業者に知られている任意の方法(次に限定されないが、データ指向言語(例えば、SQL、dBase)、システム言語(例えば、C、Objective−C、C++、アセンブリ)、アーキテクチャ言語(例えば、Java(登録商標)、.NET)、およびアプリケーション言語(例えば、PHP、Ruby、Perl、Python)などのコンピュータ言語を含む)によって実装されてもよい。
【0071】
様々な動作を実行するための命令は、配列言語、アスペクト指向言語、アセンブリ言語、オーサリング言語、コマンドライン・インタフェース言語、コンパイラ型言語、並行言語、中括弧言語、データフロー言語、データ構造化言語、宣言型言語、難解言語、拡張言語、第4世代言語、関数型言語、インタラクティブ・モード言語、インタプリタ型言語、反復型言語、リストベース言語、小言語(little language)、ロジックベース言語、機械語、マクロ言語、メタプログラミング言語、マルチパラダイム言語、数値解析、非英語ベース言語、オブジェクト指向のクラスベース言語、オブジェクト指向のプロトタイプベース言語、オフサイドルール言語、手続型言語、自己反映言語、ルールベース言語、スクリプト言語、スタックベース言語、同期型言語、シンタックス・ハンドリング言語、ビジュアル言語、ヴィルト言語、埋込型言語、およびxmlベース言語などのコンピュータ言語により実装されてもよい。様々なメモリ・ユニットは、プロセッシング・ユニット512によって実行される命令の実行中に一時変数または他の中間情報を記憶するために用いられてもよい。
【0072】
上記議論はソフトウェアを実行するマイクロ・プロセッサ又はマルチコア・プロセッサを主に指しているが、いくつかの実施形態は1つ以上の集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA))によって実行される。いくつかの実施形態では、このような集積回路は回路上自体に記憶される命令を実行する。
【0073】
本明細書及び本願の任意の請求項で用いられる通り、用語「コンピュータ」、「サーバ」、「プロセッサ」及び「メモリ」はすべて、電子又は他の技術分野のデバイスのことを指す。これらの用語から、人又は人の集団は除外される。本明細書上では、用語「表示」又は「表示する」は、電子デバイス上での表示を意味する。本明細書及び本願の任意の請求項で用いられる通り、用語「コンピュータ可読媒体」及び「複数のコンピュータ可読媒体」は全体として、コンピュータによって読み込まれる形式の情報を記憶する有形の物理的な物体に限定される。これらの用語から、無線信号、有線ダウンロード信号、及び他の任意の一時的な信号は除外される。
【0074】
ユーザとの対話を提供するため、本明細書において説明されている主題の実施形態は、ユーザに対して情報を表示するためのディスプレイ・デバイス(例えば、CRT(陰極線管)やLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボードと、ユーザがコンピュータに対して入力を提供できるポインティング・デバイス(例えば、マウス又はトラックボール)と、を有するコンピュータ上で実施可能である。他の種類のデバイスも同様に、ユーザとの対話を提供するために用いられ得る。例えば、ユーザに対して提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、触覚フィードバックなど)であってよいし、ユーザからの入力は任意の形式(音響、音声又は触覚入力を含む)で受信されてよい。さらに、ユーザによって用いられるデバイスに対してドキュメントを送信し、該デバイスからドキュメントを受信することによって(例えば、ユーザのクライアント・デバイス上でウェブ・ブラウザに対して、該ウェブ・ブラウザから受信したリクエストに応じてウェブ・ページを送信することによって)、コンピュータはユーザとの対話が可能である。
【0075】
本明細書において説明されている主題の実施形態は、バックエンド・コンポーネント(例えば、データ・サーバ)、ミドルウェア・コンポーネント(例えば、アプリケーション・サーバ)、フロントエンド・コンポーネント(例えば、ユーザの本明細書において説明されている主題の実施形態との対話を可能にするグラフィカル・ユーザ・インターフェース又はウェブ・ブラウザを有するクライアント・コンピュータ)、又は、このようなバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド・コンポーネントのうち1つ以上の任意の組み合わせを含むコンピューティング・システムにおいて実施可能である。該システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形式又は媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続され得る。通信ネットワークの例には、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)、ワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、インター・ネットワーク(例えば、インターネット)、及び、ピアツーピア・ネットワーク(例えば、アドホック・ピアツーピア・ネットワーク)が含まれる。
【0076】
コンピューティング・システムには、クライアント及びサーバが含まれ得る。クライアント及びサーバは一般的には互いにリモートであり、通常、通信ネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係が生じるのは、各コンピュータ上で動作しており、互いにクライアント/サーバ関係を有するコンピュータ・プログラムを介してである。いくつかの実施形態においては、サーバがデータ(例えば、HTMLページ)をクライアント・デバイスに対して(例えば、該クライアント・デバイスとの対話を行うユーザに対してデータを表示する目的、及び、該ユーザからユーザ入力を受信する目的で)送信する。クライアント・デバイスにおいて生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)は、サーバにおいてクライアント・デバイスから受信され得る。
【0077】
開示されるプロセスにおけるブロックについて説明した動作の任意の特定の順番又は階層は例示的アプローチを示すものである、と理解される。設計の嗜好に基づいて、プロセスにおける動作の特定の順番又は階層は再配置されてもよいと理解される。さらに、いくつかの態様および実施形態では、1つ以上のブロックにおける動作のうちの1つ以上は実行されなくともよいか、または実行される必要がない。ブロックにおける動作のうちのいくつかは同時に実行されてもよい。例えば、ある状況においては、マルチタスキング及びパラレル・プロセッシングは効果的である。さらに、上述した実施形態における様々なシステム・コンポーネントの分離については、全ての実施形態においてそのような分離が必須であるとして理解されるべきではない。上述のプログラム・コンポーネント及びシステムは一般的に1つのソフトウェア製品に統合され得る、又は、複数のソフトウェア製品にパッケージされ得る、と理解されるべきである。
【0078】
上記の説明は、本明細書において説明した様々な態様を当業者が実施できるようにするために提供されている。これらの態様に対する様々な改変は当業者に対して容易に明らかであり、本明細書に規定される包括的な原則は他の態様にも適用され得る。従って、本請求項は、本明細書に示される態様に限定される意図はなく、請求項の文言と一致する全ての範囲が付与され、単数である要素への参照は「1つ及び1つのみ」であることを(そのように特定的に記述されている場合を除いて)意味するのではなく、「1つ以上」を意味すると意図されている。用語「いくつか」は、(特定的に記述する場合を除いて)1つ以上を指す。男性の指示代名詞(例えば、「彼の」)は、女性及び中性(例えば、「彼女の」「その」)を含み、その逆も同様である。見出し及び小見出しは、それらがある場合にしても、便宜上用いられているに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0079】
用語ウェブ・サイトは、本明細書において使用したように、ウェブ・サイトのいずれの態様も含んでよく、これには、1つ以上のウェブ・ページ、ウェブ関連のコンテンツをホストまたは記憶するために用いられる1つ以上のサーバ等が含まれる。従って、用語ウェブ・サイトは、ウェブ・ページ、サーバという用語と交換可能に使用されてもよい。
【0080】
「ように構成されている(configured to)」、「ように動作可能である(operable to)」、および「ようにプログラムされている(programmed to)」との述語は、主題の特定の有形または無形の改変を意味しておらず、むしろ、交換可能に用いられると意図されている。例えば、動作または構成要素を監視および制御するように構成されているプロセッサは、動作を監視および制御するようにプログラムされているプロセッサ、または動作を監視および制御するように動作可能であるプロセッサも意味していてよい。同様に、コードを実行するように構成されているプロセッサは、コードを実行するようにプログラムされているプロセッサ、またはコードを実行するように動作可能であるプロセッサとして解釈されてよい。
【0081】
本明細書では、いずれかが用語「または(or)」に分けられている一連の項目に先行する句「のうちの1つ以上(at least one of)」は、その列挙されているものの各項目ではなく、その列挙されているものを全体として修飾して用いられる。この句「のうちの1つ以上」は、1つ以上の項目の選択を必要としない。むしろ、この句では、それらの項目のうちのいずれかの少なくとも1つ、および/またはそれらの項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、および/またはそれらの項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味が許される。例として、句「A、BまたはCのうちの1つ以上」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ;またはA、BおよびCの任意の組み合わせを指してよい。
【0082】
「態様」等の語句は、その態様が本願技術に必要不可欠であること、その態様が本願技術の全ての構成に適用されること、を暗示しない。態様に関する開示は、全ての構成又は1つ以上の構成に適用され得る。態様等の語句は、1つ以上の態様を指してもよいし、その逆も同様である。「構成」等の語句は、そのような構成が本願技術に必要不可欠であること、その構成が本願技術の全ての構成に適用されること、を暗示しない。態様に関する開示は、全ての構成又は1つ以上の構成に適用され得る。構成等の語句は、1つ以上の構成を指してもよいし、その逆も同様である。
【0083】
「例示的」という単語は「例または示すものとして役立つ」ことを意味するために本明細書において使用される。「例示的」として本明細書において説明した態様または設計は、他の態様または設計よりも好適または有利であると必ずしも解釈されない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5