(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170249
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】スイッチングネットワーク回路、半導体ダイ、及びバイパスアーキテクチャを有するデバイスの作製方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/401 20150101AFI20170713BHJP
【FI】
H04B1/401
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-533046(P2016-533046)
(86)(22)【出願日】2014年11月19日
(65)【公表番号】特表2017-502563(P2017-502563A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014066466
(87)【国際公開番号】WO2015077374
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2016年6月2日
(31)【優先権主張番号】14/088,322
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトフィールド、 デビッド スコット
(72)【発明者】
【氏名】ストーリー、 デビッド ライアン
(72)【発明者】
【氏名】スリラッタナ、 ヌッタポン
(72)【発明者】
【氏名】エバンス、 ダリル アール
【審査官】
大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−333297(JP,A)
【文献】
実開昭54−124423(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0133095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/401
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングネットワークの回路であって、
無線周波数(RF)信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントに接続されて前記入力極から前記RFコンポーネントへの前記RF信号の引き回しを許容するべく前記入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、それぞれが出力経路に接続された少なくとも2つのバイパス投とを有する第1スイッチと、
少なくとも2つの前記出力経路のそれぞれと前記RFコンポーネントの対応出力との間に実装された第2スイッチと
を含み、
前記少なくとも2つのバイパス投はそれぞれが、前記入力極から前記出力経路への前記RF信号の引き回しを許容するべく前記入力極に接続可能に構成され、
前記第2スイッチは、第1状態の場合に前記入力極から前記出力経路への前記RFコンポーネントを介した前記RF信号の引き回しを許容し、第2状態の場合に前記入力極から前記出力経路への前記RF信号の引き回しを許容する一方で前記RFコンポーネントをバイパスさせるべく構成される回路。
【請求項2】
少なくとも2つの前記第2スイッチのそれぞれは一つの単極単投(SPST)スイッチを含む請求項1の回路。
【請求項3】
前記RF信号は、前記第2スイッチが前記第1状態の場合に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを介して引き回され、前記第2スイッチが前記第2状態の場合に前記第1スイッチのみを介して引き回される請求項1の回路。
【請求項4】
前記第2スイッチは、前記第1状態の場合に閉状態にあり、前記第2状態の場合に開状態にある請求項3の回路。
【請求項5】
前記第1スイッチは、単極を前記入力極とし、多投を、前記パススルー投及び前記少なくとも2つのバイパス投を含むようにした単極多投(SPMT)スイッチである請求項1の回路。
【請求項6】
前記RFコンポーネントはフィルタを含む請求項5の回路。
【請求項7】
前記RFコンポーネントはダイプレクサを含む請求項5の回路。
【請求項8】
半導体ダイであって、
複数のコンポーネントを受容するべく構成された基板と、
前記基板に設けられたスイッチングネットワークと
を含み、
前記スイッチングネットワークは、無線周波数(RF)信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントに接続されて前記入力極から前記RFコンポーネントへの前記RF信号の引き回しを許容するべく前記入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、それぞれが出力経路に接続された少なくとも2つのバイパス投とを有する第1スイッチを含み、
前記少なくとも2つのバイパス投はそれぞれが、前記入力極から前記出力経路への前記RF信号の引き回しを許容するべく前記入力極に接続可能に構成され、
前記スイッチングネットワークはさらに、少なくとも2つの前記出力経路のそれぞれと前記RFコンポーネントの対応出力との間に実装された第2スイッチを含み、
前記第2スイッチは、第1状態の場合に前記入力極から前記出力経路への前記RFコンポーネントを介した前記RF信号の引き回しを許容し、第2状態の場合に前記入力極から前記出力経路への前記RF信号の引き回しを許容する一方で前記RFコンポーネントをバイパスさせるべく構成される半導体ダイ。
【請求項9】
前記スイッチングネットワークは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)プロセス技術として実装される請求項8の半導体ダイ。
【請求項10】
前記スイッチングネットワークは、擬似格子整合高電子移動度トランジスタ(pHEMT)プロセス技術として実装される請求項8の半導体ダイ。
【請求項11】
バイパスアーキテクチャを有するデバイスを作製する方法であって、
無線周波数(RF)信号のバイパスのための一つのパススルー投及び少なくとも2つのバイパス投を含む第1スイッチを形成し又は与えることと、
前記第1スイッチの前記パススルー投をRFコンポーネントへと接続することと、
前記少なくとも2つのバイパス投のそれぞれを、対応する出力経路に接続することと、
少なくとも2つの前記出力経路のそれぞれと前記RFコンポーネントの対応出力との間に第2スイッチを形成し又は与えることと
を含み、
前記RF信号は、前記第2スイッチが第1状態の場合に前記第1スイッチから前記出力経路へと前記RFコンポーネントを介して引き回され、
前記RF信号は、前記第2スイッチが第2状態の場合に前記第1スイッチから前記出力経路へと引き回される一方で前記RFコンポーネントをバイパスする方法。
【請求項12】
前記RFコンポーネントはフィルタを含む請求項11の方法。
【請求項13】
前記RFコンポーネントはダイプレクサを含む請求項11の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、無線周波数フィルタ又はダイプレクサの低損失バイパスに関連付けられるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RF)システムにおいて、フィルタ又はダイプレクサが、いくつかの条件で必要とされ又は所望されるのが典型的である。フィルタ又はダイプレクサは、必要とされない場合、当該フィルタ又はダイプレクサに関連付けられる損失負担を回避するべくバイパスすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,933,561号明細書
【特許文献2】米国特許第8,121,564号明細書
【特許文献3】米国特許第8,219,157号明細書
【特許文献4】米国特許第8,175,541号明細書
【発明の概要】
【0004】
一定数の実装によれば、本開示は、無線周波数(RF)信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントへの当該RF信号の引き回しを許容するべく当該入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、当該入力極及び少なくとも一つのバイパス伝導経路に接続可能に構成された少なくとも一つの専用バイパス投とを有する第1スイッチを含むスイッチングネットワーク回路に関する。スイッチングネットワーク回路はさらに、一極及び一投を有する第2スイッチも含む。第2スイッチは、RFコンポーネントの出力とバイパス伝導経路との間に接続可能に構成される。
【0005】
いくつかの実施形態において、第2スイッチは、少なくとも一つの単極単投(SPST)スイッチを含み得る。第2スイッチは、RFコンポーネントの出力の各チャネルに対し一つのSPSTスイッチを含み得る。一以上のSPSTスイッチはそれぞれ、回路がバイパスモードの場合に開状態にあり、回路がパススルーモードの場合に閉状態にある。
【0006】
いくつかの実施形態において、第1スイッチは、単極を入力極とし、多投を、パススルー投及び少なくとも一つの専用バイパス投を含むようにした単極多投(SPMT)スイッチとすることができる。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはフィルタを含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの専用バイパス投は2以上の投を含み得る。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはダイプレクサを含み得る。
【0007】
いくつかの実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成された基板を含む半導体ダイに関する。半導体ダイはさらに、基板に設けられたスイッチングネットワークを含む。スイッチングネットワークは、無線周波数(RF)信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントへの当該RF信号の引き回しを許容するべく当該入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、当該入力極及び少なくとも一つのバイパス伝導経路に接続可能に構成された少なくとも一つの専用バイパス投とを有する第1スイッチを含む。スイッチングネットワークはさらに、一極及び一投を有する第2スイッチを含む。第2スイッチは、RFコンポーネントの出力とバイパス伝導経路との間に接続可能に構成される。
【0008】
いくつかの実施形態において、スイッチングネットワークは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)プロセス技術として実装可能である。いくつかの実施形態において、スイッチングネットワークは、擬似格子整合高電子移動度トランジスタ(pHEMT)プロセス技術として実装可能である。
【0009】
一定数の実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含む無線周波数(RF)モジュールに関する。RFモジュールはさらに、パッケージング基板に搭載されたダイを含む。ダイはスイッチングネットワークを有する。スイッチングネットワークは、無線周波数(RF)信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントへの当該RF信号の引き回しを許容するべく当該入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、当該入力極及び少なくとも一つのバイパス伝導経路に接続可能に構成された少なくとも一つの専用バイパス投とを有する第1スイッチを含む。スイッチングネットワークはさらに、一極及び一投を有する第2スイッチを含む。第2スイッチは、RFコンポーネントの出力とバイパス伝導経路とを接続可能に構成される。RFモジュールはさらに、ダイとパッケージング基板との電気的接続を与えるべく構成された複数のコネクタを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、ダイは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイとすることができる。いくつかの実施形態において、ダイは、擬似格子整合高電子移動度トランジスタ(pHEMT)ダイとすることができる。一定数の教示によれば、本開示は、RF信号を処理するべく構成された送受信器を含む無線周波数(RF)デバイスに関する。RFデバイスはさらに、RF信号の送信及び受信を容易にするべく送受信器と通信するアンテナも含む。RFデバイスはさらに、送受信器とアンテナとの間に実装されてRF信号を引き回すべく構成されたスイッチングネットワークも含む。スイッチングネットワークは、入力信号を受信するべく構成された入力極と、RFコンポーネントへの当該入力信号の引き回しを許容するべく当該入力極に接続可能に構成されたパススルー投と、当該入力極及び少なくとも一つのバイパス伝導経路に接続可能に構成された少なくとも一つの専用バイパス投とを有する第1スイッチを含む。スイッチングネットワークはさらに、一極及び一投を有する第2スイッチを含む。第2スイッチは、RFコンポーネントの出力とバイパス伝導経路との間に接続可能に構成される。
【0011】
いくつかの実装において、本開示は、バイパスアーキテクチャを有するデバイスを作製する方法に関する。方法は、無線周波数(RF)信号のバイパスを専用とする少なくとも一つの投を含むスイッチを形成し又は与えることを含む。方法はさらに、RFコンポーネントを形成し又は与えることも含む。方法はさらに、RFコンポーネントをバイパスする対応伝導経路へと、少なくとも一つの専用バイパス投を接続することも含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、RFコンポーネントの一以上の出力チャネルのそれぞれに第2スイッチを形成し又は与えることも含み得る。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはフィルタを含み得る。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはダイプレクサを含み得る。
【0013】
いくつかの実装によれば、本開示は、スイッチングネットワークにおいて無線周波数(RF)コンポーネントをバイパスする方法に関する。方法は、第1スイッチを、当該第1スイッチの入力極で受信したRF信号が、専用バイパス投を介してバイパス伝導経路へと引き回されるように動作させることを含む。第1スイッチの動作により、RFコンポーネントは、第1スイッチの入力極から接続解除される。方法はさらに、第2スイッチを、RFコンポーネントがバイパス伝導経路から接続解除されるように動作させること含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはフィルタを含み得る。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントはダイプレクサを含み得る。
【0015】
本開示を要約する目的で本発明の一定の側面、利点及び新規な特徴がここに記載された。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一の利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、達成又は最適化する態様で具体化又は実施をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1A及び1Bは、ここに記載の一以上の特徴を有するアーキテクチャのパススルーモード及びバイパスモードを示す。
【
図2】
図2A〜2Cは、
図1のアーキテクチャが、RFコンポーネントに関連付けられた一以上のチャネルのバイパスを許容する単極多投(SPMT)スイッチによって実装可能であることを示す。
【
図4】
図4A及び4Bは、
図3Bの構成の一具体例のパススルーモード及びバイパスモードを示す。
【
図5】バイパス機能を実行するべく別個のスイッチを必要とする現行のバイパスアーキテクチャの一例を示す。
【
図6】ここに記載の一以上の特徴を備えたスイッチングネットワークを有する半導体ダイの一例を示す。
【
図7】
図6のダイ及び
図1〜3のRFコンポーネントを含み得るモジュールの一例を示す。
【
図8】
図6のスイッチングネットワークを含むモジュールを有するRFデバイスの一例を示す。
【
図9】ここに記載の一以上の特徴を備えたバイパスアーキテクチャを有するデバイスを作製するべく実装可能なプロセスの一例を示す。
【
図10】
図10A及び10Bは、バイパスモード及びパススルーモードを有効にするべく実装可能なプロセスの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここに与えられる見出しは、存在したとしても、単なる便宜上のことであり、特許請求の範囲に係る発明の範囲又は意味に必ずしも影響を与えるわけではない。
【0018】
ここに開示されるのは、RFフィルタ又はRFダイプレクサのようないくつかの無線周波数(RF)コンポーネントに関連付けられたバイパス回路の性能を改善することに関するシステム及び方法である。かかる改善は、例えば、RF信号の損失を低減することを含み得る。様々な例が、ダイプレクサの文脈においてここに記載されるにもかかわらず、本開示の一以上の特徴はまた、マルチプレクサのような他のアプリケーションにおいても実装可能であることを理解すべきである。ここでの記載の便宜上、用語ダイプレクサ及びマルチプレクサは互換可能に使用することができる。したがって、特にそうでないことが示されない限り、ダイプレクサ又はマルチプレクサは、2以上のチャネルを含み得る。
【0019】
RFシステムは典型的に、一以上のフィルタ及び/又は一以上のダイプレクサを含む。かかるコンポーネントは典型的に、すべての条件で使用されることはない。すなわち、RF信号に、フィルタ又はダイプレクサを、そのような機能が必要とされない場合にバイパスさせ、当該フィルタ又はダイプレクサに関連付けられる余計なシステム損失を回避可能とするのが望ましいことがある。かかるバイパスを達成する現行のアーキテクチャは典型的に、バイパスを行う直列スイッチ要素を追加することを含む。しかしながら、かかる直列スイッチ要素は典型的に、スイッチング挿入損失に寄与する。
【0020】
ここに記載されるのは、挿入損失の低減のような有利な特徴を達成することができるバイパス構成の例である。
図1A及び1Bは、第1状態(
図1A)及び第2状態(
図1B)に構成し得るバイパスアーキテクチャ100を示す。第1状態は、RF信号が(点線130として描かれるように)、伝導経路110、112、114、116を経由して第1ノード1と第2ノード2との間のRFデバイス104を通過するパススルーモードに対応し得る。RFデバイス104の非限定的な例がここに詳述される。第2状態は、RF信号が(点線140として描かれるように)、伝導経路120を経由してRFデバイス104をバイパスするバイパスモードに対応し得る。
【0021】
いくつかの実装において、上記パススルーモード及びバイパスモードは、第1及び第2スイッチ回路S1(102)及びS2(106)を含むスイッチングネットワークによって容易にすることができる。いくつかの実施形態において、第1スイッチ102は、スイッチングネットワークの入力スイッチとすることができる。第1スイッチ102の様々な非限定的な例がここに詳述される。いくつかの実施形態において、第2スイッチ106は、バイパスモードの場合、RFデバイス104の一以上の出力のそれぞれに対するアイソレーションを改善するべく構成することができる。第2スイッチ106の例がここに詳述される。
【0022】
図2A〜2Cは、いくつかの実装において、
図1のアーキテクチャ100の第1スイッチ102が、単極N投(SPNT)スイッチに基づき得ることを示す。ここで、Nは正の整数である。かかるスイッチには、一以上の付加投を加えることができる。そのような付加された投(複数可)は、バイパス機能専用とすることができる。例えば、Nが5と仮定すれば、SP5T構成が、通常のスイッチングネットワーク機能を与える。この場合、2つの付加投により、5つのアームが通常のスイッチングネットワーク機能を容易にして残りの2つのアームがRFデバイスのバイパス機能を容易にするというSP7T構成をもたらすことができる。Nと、付加投(複数可)の数とは他の値も可能であり、様々な例がここに記載される。
【0023】
図2Aのアーキテクチャ100に係る構成150の一例では、入力スイッチに対して一つの付加投を与え、SP(N+1)Tスイッチ152をもたらすことができる。かかる付加投は、単チャネルRFデバイス104のバイパス専用とすることができる。かかる単チャネルRFデバイスは、伝導経路112を経由する入力と、伝導経路114を経由する出力とを有し得る。すなわち、パススルーモードの場合、RF信号は、スイッチ152からN投の一つを経由し、RFデバイス104へと経路112を経由して通り、RFデバイス104から経路114を経由して出力される。バイパスモードの場合、RF信号は、スイッチ152から付加投を経由し、バイパス経路120へと流れ、RFデバイス104をバイパスし得る。
図3Aは、単チャネルRFデバイス104を、例えばRFフィルタ204とすることができる構成200を示す。
【0024】
図2Bのアーキテクチャ100に係る構成160の一例では、入力スイッチに対して2つの付加投を与え、SP(N+2)Tスイッチ162をもたらすことができる。かかる付加投は、RFデバイス104の2つまでのチャネルのバイパス専用とすることができる。かかるRFデバイスは、伝導経路112を経由する入力と、伝導経路114a、114bを経由する2つの出力とを有し得る。すなわち、パススルーモードの場合、RF信号は、スイッチ162からN投の一つを経由し、RFデバイス104へと経路112を経由して通り、RFデバイス104から経路114a、114bを経由して出力される。バイパスモードの場合、RF信号は、スイッチ162から2つの付加投を経由し、バイパス経路120a及び120bのいずれか又は双方へと流れ、RFデバイス104をバイパスし得る。
図3Bは、RFデバイス104が、例えばダイプレクサ214となり得る構成210の一例を示す。
【0025】
図2Cのアーキテクチャ100に係る構成170の一例では、SP(N+3)Tスイッチ172をもたらすべく、入力スイッチに対して3つの付加投を与えることができる。かかる付加投は、RFデバイス104の3つまでのチャネルのバイパス専用とすることができる。かかるRFデバイスは、伝導経路112を経由する入力と、伝導経路114a、114b、114cを経由する3つの出力とを有し得る。すなわち、パススルーモードの場合、RF信号は、スイッチ172からN投の一つを経由し、RFデバイス104へと経路112を経由して通り、RFデバイス104から経路114a、114b、114cを経由して出力される。バイパスモードの場合、RF信号は、スイッチ172から3つの付加投を経由し、一以上のバイパス経路120a、120b、120cへと流れ、RFデバイス104をバイパスし得る。
図3Cは、RFデバイス104が、例えばマルチプレクサ224となり得る構成220の一例を示す。
【0026】
図2及び3は、いくつかの実装において、一以上の単極単投(SPST)スイッチは、
図1を参照して記載した第2スイッチS2(106)に関連付けられた機能を与えることができる。SPSTスイッチは、RFデバイスの各チャネルの出力に与えることができる。すなわち、
図2Aの構成150の例では、SPSTスイッチ156は、RFデバイス104の単一の出力に与えられるように示される。
図2Bの構成160の例では、SPSTスイッチ156a、156bは、RFデバイス104の2つの出力に与えられるように示される。
図2Cの構成170の例では、SPSTスイッチ156a、156b、156cは、RFデバイス104の3つの出力に与えられるように示される。SPSTスイッチ156及び入力スイッチ(152、162、172)の動作構成の例がここに詳述される。
【0027】
図4A及び4Bは、
図2B及び3Bを参照して記載される構成の一具体例となり得る構成210の一例のパススルー(250)モード及びバイパス(280)モードを示す。SP(N+2)Tスイッチは、入力RF信号を、伝導経路260を経由して単極で受信するべく構成されるSP7Tスイッチ252となるように示される。7つの投の5つ(1、2、4、6、7)は、スイッチ252に対して通常のスイッチングネットワーク機能を与えるように示される。当該機能は、ダイプレクサ214のために第4投及び伝導経路112を介してパススルー入力を与えることを含む。残る2つの投(3、5)が、バイパス経路120a、120bに接続されるように示される。バイパス経路120a、120bは、出力経路270a、270bそれぞれに接続されるように示される。
【0028】
ダイプレクサ214からの2つの出力チャネルが、伝導チャネル経路114a、114bへと与えられるように示される。SPSTスイッチ156aが、第1チャネル経路114aと第1出力経路270aとの間に介在されるように示される。同様に、SPSTスイッチ156bが、第2チャネル経路114bと第2出力経路270bとの間に介在されるように示される。
【0029】
図4Aのパススルーモード250の例は、スイッチ252を、入力極が第4投に接続されかつSPSTスイッチ156a、156bのそれぞれが閉となるように設定することによって実装可能である。したがって、伝導経路260は、経路270a及び270bの双方に相互接続され、ダイプレクサの動作が容易となる。
【0030】
図4Bのバイパスモード280の例は、スイッチ252を、入力極が第5投に接続されかつSPSTスイッチ156a、156bのそれぞれが開となるように設定することによって実装可能である。したがって、伝導経路260は第2経路270bに相互接続され、2つの経路(260及び270b)の間のRF信号がダイプレクサ214をバイパスする。経路260を第1経路270aに相互接続しようとする場合、スイッチ252は、入力極が第3投に接続されるように設定することができる。
【0031】
2つの上記バイパス例のいずれにおいても、相互接続出力に対応するSPSTスイッチが開とされ、他のSPSTスイッチは開とされても又はされなくてもよい。例えば、第2経路270bが経路260に相互接続される第1例では、第2SPSTスイッチ156bが開とされ、第1SPSTスイッチ156aは開とされても又はされなくてもよい。同様に、第1経路270aが経路260に相互接続される第2例では、第1SPSTスイッチ156aが開とされ、第2SPSTスイッチ156bは開とされても又はされなくてもよい。
【0032】
図5は、バイパス専用投(複数可)を含まないSP5Tスイッチ302の一例の文脈において、ダイプレクサ312のバイパスを達成する現行のアーキテクチャ構成300の一例を示す。SP5Tスイッチ302は、第3投が、別個のバイパススイッチ306の入力を与える経路304に接続されるように示される。
【0033】
別個のバイパススイッチ306は、3つの投を含むように示される。第1及び第3投がバイパス経路310a、310bに接続され、第2投がダイプレクサ312の入力308に接続される。ダイプレクサの2つの出力(314a、314b)のそれぞれは、出力スイッチ(316a又は316b)の2つの投の一方に接続されるように示される。出力スイッチの他方の投は、バイパス経路(310a又は310b)に接続されるように示される。出力スイッチの極は、出力経路(318a又は318b)に接続されるように示される。
【0034】
図4のアーキテクチャの例と、
図5の現行のアーキテクチャとの比較に基づくと、一定数の差異に気づき得る。例えば、
図4のアーキテクチャ210の例では、RF信号は、パススルーモードの場合に2つのスイッチ(SP7T及びSPST)を通過し、バイパスモードの場合に一つのみのスイッチ(SP7T)を通過する。他方、
図5のアーキテクチャ300の例では、RF信号は、パススルーモード及びバイパスモードの双方において3つのスイッチ(SP5T、SP3T及びSP2T)を通過する。すなわち、
図4のアーキテクチャ210の例は、有利なことに、挿入損失が生じ得る別個のスイッチの数が少なくなる。かかる利点は、RF信号が一つのみのスイッチ(例えばSP7T)に遭遇するバイパスモードにおいてさらに顕著となる。これは、3つのスイッチ(例えばSP5T、SP3T及びSP2T)とは対照的である。
【0035】
図6は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を有するスイッチングネットワーク502が半導体ダイ500に実装可能であることを示す。かかるスイッチングネットワークは、一以上のプロセス技術を使用して作製することができる。例えば、スイッチングネットワークは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)プロセス技術を利用して作製された電界効果トランジスタ(FET)のネットワークに基づき得る。他例では、スイッチングネットワークは、ガリウムヒ素(GaAs)プロセス技術によって実装された擬似格子整合高電子移動度トランジスタ(pHEMT)のネットワークに基づき得る。ここに記載されるように、スイッチングネットワーク502は、RFコンポーネント(図示せず)から離れるように信号をバイパスさせる専用の一以上のバイパス投506を含む単極多投(SPMT)スイッチ504を含み得る。かかる専用投は、バイパス経路520に接続されるように示される。バイパス経路520は次いで、出力経路518に接続される。SPMTスイッチ504は、RFデバイスへの接続のための経路に接続されるように示される。
【0036】
またもここに記載されるように、スイッチングネットワーク502はまた、スイッチングネットワーク502がバイパスモードの場合に改善されたアイソレーションを容易にする一以上のSPSTスイッチ508も含み得る。SPSTスイッチ508は、RFデバイスの出力への接続のための経路514に接続されるように示される。SPSTスイッチ508はまた、経路516に接続される。経路516は次いで、出力経路518に接続される。経路516及び518は、SPSTスイッチ508の極及び投に接続され得る。
【0037】
図7は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を備えたスイッチングネットワーク502を有するダイ500を、パッケージモジュール550の一部とし得ることを示す。モジュール550はまた、ここに記載されるフィルタ、ダイプレクサ又はマルチプレクサのようなRFデバイス104も含み得る。スイッチングネットワーク502及びRFデバイス104は、ここに記載の機能を与えるべく、(例えば
図6の伝導経路512及び514によって)相互接続することができる。モジュール550はまた、ここに記載のバイパス機能を容易にする一以上のバイパス経路も含み得る。モジュール550はまた、積層基板のようなパッケージング基板も含み得る。モジュール550はまた、ダイ500への又はダイ500からの信号を与えることを容易にする一以上の接続部も含み得る。モジュール550はまた、様々なパッケージング構造物554も含み得る。例えば、外部要素からの保護を与えるべく、ダイ500を覆うようにオーバーモールド構造物を形成することができる。
【0038】
図8は、いくつかの実施形態において、スイッチングネットワーク502と、ここに記載のRFデバイス104とを有するモジュール500が、無線デバイスのようなRFデバイス570に含め得ることを示す。かかる無線デバイスは、例えばセルラー電話、スマートフォン等を含み得る。いくつかの実施形態において、スイッチングネットワーク502は、
図7の例のようなパッケージモジュールに実装可能である。RFデバイス570は、送受信器回路572及びアンテナ576のような他の共通コンポーネントを含むように描かれる。
【0039】
図9は、ここに記載される一以上の特徴を備えたバイパスアーキテクチャを有するデバイスを作製するべく実装可能なプロセス600を示す。ブロック602では、少なくとも一つの付加投を有するスイッチを形成し又は与えることができる。ブロック604では、フィルタ及び/又はダイプレクサのようなRFコンポーネントを形成し又は与えることができる。ブロック606では、スイッチの少なくとも一つの付加投を、RFコンポーネントをバイパスする少なくとも一つの伝導経路に接続することができる。いくつかの実装において、伝導経路は出力経路に接続することができる。いくつかの実装において、プロセス600はさらに、RFコンポーネントの出力と出力経路との間にSPSTスイッチを形成し又は与えることも含み得る。
【0040】
図10A及び10Bは、ここに記載されるパススルーモードとバイパスモードとの間のスイッチングをするべく実装可能なプロセスの例を示す。
図10Aは、バイパスモードを有効にするべく実装可能なプロセス610を示す。ブロック612では、バイパス指令を生成することができる。ブロック614では、スイッチング信号を発行することができる。スイッチング信号は、バイパス指令に基づいて、スイッチの一極の、RF信号のバイパス専用の一投への接続を実行することができる。
【0041】
図10Bは、パススルーモードを有効にするべく実装可能なプロセス620を示す。ブロック622では、パススルー指令を生成することができる。ブロック624では、スイッチング信号を発行することができる。スイッチング信号は、パススルー指令に基づいて、スイッチの一極の、RF信号のバイパス専用の一投との接続解除を実行することができる。
【0042】
ここでのいくつかの例は、RFコンポーネントの入力を与える単極多投(SPMT)の文脈で記載される。例えば、
図4A及び4Bは、入力がSP7Tスイッチの左側に存在しかつ出力がアーキテクチャの右側に存在する経路を示す。理解されることだが、かかる方向性は、記載を容易にする単なる一例である。いくつかの実装において、ここに記載の一以上の特徴を有するアーキテクチャは双方向性となり得る。かかる双方向性は、アーキテクチャ全体に又はその何らかの部分に適用することができる。
【0043】
いくつかのスイッチの例が、単極構成の文脈でここに記載される。しかしながら、本開示の一以上の特徴はまた、一を超える極を有するスイッチにも実装できるのを理解すべきである。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。用語「結合」は2要素間の接続を言及するべく使用され、当該用語は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0045】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0046】
ここに与えられた本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0047】
本発明の所定の実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。