特許第6170306号(P6170306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170306
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】サドル付分水栓
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/00 20060101AFI20170713BHJP
   F16L 41/02 20060101ALI20170713BHJP
   F16L 41/08 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   E03B7/00 B
   F16L41/02
   F16L41/08
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-25520(P2013-25520)
(22)【出願日】2013年2月13日
(65)【公開番号】特開2014-152578(P2014-152578A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】岡田 大輔
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−010847(JP,U)
【文献】 特開2002−286186(JP,A)
【文献】 特開2000−027245(JP,A)
【文献】 特開2003−214585(JP,A)
【文献】 特開平08−158419(JP,A)
【文献】 実開昭57−019292(JP,U)
【文献】 特開2008−175802(JP,A)
【文献】 特開2011−153489(JP,A)
【文献】 特開2007−146502(JP,A)
【文献】 米国特許第06406067(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/00
F16L 23/00,41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流を分岐させるために水道管を跨ぐように取り付けられるサドル付分水栓において、
前記水道管に取り付けられるサドル部と、当該サドル部から水道管基準で径外に位置する胴部と、を備え、
前記サドル部及び前記胴部は、前記水道管の側面に形成された、分水のための貫通孔からの水流を通すことのできる分水流路を有し、
前記サドル部と前記胴部とは、前記分水流路を挟んで対向する位置にて、2個の固定部材により固定されることを特徴とするサドル付分水栓。
【請求項2】
前記固定部材としてボルトが用いられ、
前記サドル部及び前記胴部は、前記2本のボルトが取り付けられるフランジ部を備え、
前記サドル部側のフランジ部、または、前記胴部側のフランジ部における当接面は、前記サドル部と前記胴部とが重なるよう水道管基準で径外から見た場合に、前記2本のボルトを結ぶ線に直交する方向の対角距離が、前記線に沿う方向の対角距離よりも小さい形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のサドル付分水栓。
【請求項3】
前記2本のボルトを結ぶ線に直交する方向は、前記水道管の軸方向に沿う方向であることを特徴とする請求項2に記載のサドル付分水栓。
【請求項4】
前記2本のボルトは、頭部が前記水道管側に位置し、ネジ部が前記胴部側に位置し、
前記胴部側のフランジ部にて、前記ネジ部がねじ込まれる孔は有底孔であって、前記ネジ部の先端は前記胴部内に位置することを特徴とする請求項2または3に記載のサドル付分水栓。
【請求項5】
前記サドル部は、前記水道管に形成された前記貫通孔を覆うサドル本体を備え、
前記サドル本体と前記水道管との間には、上下方向に貫通する貫通孔を有するサドルパッキンが配置され、
前記サドルパッキンは前記2個の固定部材の下方に位置し、
前記サドルパッキンの貫通孔は前記分水流路の一部である、請求項1〜4のいずれかに記載のサドル付分水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管に取り付けて用いられるサドル付分水栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サドル付分水栓は、例えば水道管(水道本管)から家庭や事業所等へ給水配管を分岐させる場合に、水道管に取り付けられる。このサドル付分水栓は、水道管を跨ぐように固定されるサドル部と、このサドル部から水道管基準で径外に位置する部分であって給水配管が接続される胴部と、を備える。一例として、特許文献1に記載の「サドル付き分水栓」がある。
【0003】
特許文献1に記載の「サドル付き分水栓」では、サドル部と胴部とはフランジ接続されている。そして、サドル部側のフランジと胴部側のフランジとは固定部材としてのボルトが貫通することで固定されている。特許文献1に記載のフランジ固定用のボルトは、平面視にて等間隔に4本が、正方形の四隅に一致するように配置されている。これにより、サドル部に対して胴部を90°きざみの任意の方向に固定できる。
【0004】
しかし前記(4本)のように多数のボルトを用いる場合、ボルトの配置によってサドル部の大きさが決まるため、コンパクトなサドル付分水栓を形成することが制約される。また、サドル付分水栓の製造コストを低減できる余地もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3710625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、コンパクトであって製造コストを低減できるサドル付分水栓を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水流を分岐させるために水道管を跨ぐように取り付けられるサドル付分水栓において、前記水道管に取り付けられるサドル部と、当該サドル部から水道管基準で径外に位置する胴部と、を備え、前記サドル部及び前記胴部は、前記水道管の側面に形成された、分水のための貫通孔からの水流を通すことのできる分水流路を有し、前記サドル部と前記胴部とは、前記分水流路を挟んで対向する位置にて、2個の固定部材により固定されることを特徴とするサドル付分水栓である。
【0008】
前記構成によると、前記サドル部と前記胴部とを、分水流路を挟む2個の固定部材で固定できる。このため、前記サドル部と前記胴部とにおいて、前記固定部材を支持する部分を固定部材に対応する分だけ形成すればよい。よって、多数の固定部材を用いる場合よりも前記サドル部と前記胴部の寸法を小さくできる。そして、寸法を小さくできる分、サドル付分水栓の材料費を節約できる。また、前記分水流路を挟んで固定部材による固定がされるため、前記サドル部と前記胴部との結合を均一に行うことができる。よって、不均一な結合によりサドル部と胴部との間で生じる水漏れを抑制できる。
【0009】
また、前記固定部材としてボルトが用いられ、前記サドル部及び前記胴部は、前記2本のボルトが取り付けられるフランジ部を備え、前記サドル部側のフランジ部、または、前記胴部側のフランジ部における当接面は、前記サドル部と前記胴部とが重なるよう水道管基準で径外から見た場合に、前記2本のボルトを結ぶ線に直交する方向の対角距離が、前記線に沿う方向の対角距離よりも小さい形状に形成されたものとできる。
【0010】
前記構成によると、前記2本のボルトを取り付け可能な面積を有する形状で各フランジ部の当接面を形成できる。よって、多数のボルトを用いる場合よりも各フランジ部の寸法を小さくできる。また、当接面が前記形状であると、当接面の両端を絞ることができコンパクト化できる。その一方で、当接面の中心では分水流路を形成するための十分な面積を確保できる。
【0011】
また、前記2本のボルトを結ぶ線に直交する方向は、前記水道管の軸方向に沿う方向とできる。この構成によると、前記形状のうち小さい側の対角距離に沿う方向とサドル部の幅方向とを一致させることができる。このため、サドル部の幅寸法を小さくできる。
【0012】
また、前記2本のボルトは、頭部が前記水道管側に位置し、ネジ部が前記胴部側に位置し、前記胴部側のフランジ部にて、前記ネジ部がねじ込まれる孔は有底孔であって、前記ネジ部の先端は前記胴部内に位置するものとできる。この構成によると、ボルトのネジ部が胴部から露出しないため、前記のようにサドル付分水栓の材料費を節約できることに加え、ボルトの腐食を抑制して耐久性を向上できるため、サドル付分水栓のメンテナンスコストの点で有利とできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、多数のボルトを用いる場合よりも前記サドル部と前記胴部の寸法を小さくできる。そして寸法の小さい分、サドル付分水栓の材料費を節約できる。このため、コンパクトであって製造コストを低減したサドル付分水栓を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(A)は本発明の一実施形態に係るサドル付分水栓の正面側の部分断面図、図1(B)は同右側面側の部分断面図である。
図2図2(A)は本発明の一実施形態に係るサドル本体の平面図、図2(B)は同サドル本体の正面側の半断面図、図2(C)は同サドル本体の底面図である。
図3図3(A)は本発明の一実施形態に係るサドルパッキンの平面図、図3(B)は同サドルパッキンの正面側の半断面図、図3(C)は同サドルパッキンの底面図、図3(D)は同サドルパッキンの右側面側の半断面図である。
図4図4(A)は本発明の一実施形態に係る胴部の一部を示す正面側の部分断面図、図4(B)は同胴部の一部を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。下記における方向の表現は、サドル付分水栓を図1(A)に示すように設置した場合における方向による。また、配管の延びる方向を「前後方向」とする。なお、本発明が下記において説明する方向の態様のみに限定解釈されないことは言うまでもない。
【0016】
本実施形態のサドル付分水栓1は、サドル部2と胴部3とを備える。サドル部2は、サドル本体21及びバンド部22から構成されており、両者は鋳鉄製であって、取付ボルト23a及び取付ナット23bを用いて、円管である水道管(水道本管)Pに固定される。サドル本体21とバンド部22は、前後方向及び左右方向において対称形状である。胴部3は、固定部材である固定ボルト5の締結によりサドル部2に結合され、サドル部2の水道管基準で径外(本実施形態では上方)に位置する。
【0017】
サドル本体21は、側面に分水のための貫通孔(図示しない)が形成される水道管Pの、当該貫通孔を覆うことができ、水道管Pを跨ぐようにして固定される。このサドル本体21は、図2(A)〜(C)に示すように、湾曲部211、胴受部212、ボルト取付片213を有する。なお、サドル付分水栓1が通水中の水道管Pに取り付けられる場合には、サドル本体21の水道管Pへの固定後に水道管Pに貫通孔を形成する穿孔作業がなされる。
【0018】
湾曲部211は、サドル本体21が水道管Pへ固定された状態で水道管Pの上方側面に沿うように位置する。湾曲部211の内面211aは、水道管Pの側面(外周面)のアールに対応した曲率とされている。湾曲部211の端部からボルト取付片213が左右側方に突出している。ボルト取付片213は、取付ボルト23aが貫通するボルト貫通孔213aを備える。
【0019】
胴受部212は、内部に底面視略菱形の空間が形成されており、この空間にサドルパッキン4が配置される。胴受部212の上部がフランジ部212aである。このフランジ部212aは、上面(当接面)212a1の中央に胴部3における差込筒部34が入り込む円形の貫通孔212bが開口している。この貫通孔212bにより、サドル本体21に、水道管Pからの水流を通すことのできる通路である分水流路11の一部が形成される。そして、前記貫通孔212bの中心を基準として、二つの円形孔である固定ボルト貫通孔212c,212cが平面視で対称に形成されている。この固定ボルト貫通孔212cは、フランジ部212aの上面(当接面)212a1に対して直交する方向(本実施形態では垂直方向)に延びる孔であり、図2(B)に示すように下方部分212c1が大径とされ、上方部分212c2が小径とされた孔(座ぐり孔)である。図1(A)に示すように、固定ボルト貫通孔212cの下方部分212c1には固定ボルト5の頭部51が位置し、上方部分212c2には固定ボルト5のネジ部52が位置する。固定ボルト5がフランジ部33の固定ボルト取付孔332にねじ込まれた状態では、図示のように、固定ボルト5の頭部51の頂面511がフランジ部212aの下面212a2と略同一面となる。このため、胴受部212に配置されたサドルパッキン4に圧縮により生じる弾性力をフランジ部212aと固定ボルト5とに均一にかけることができる。
【0020】
フランジ部212aの上面(当接面)212a1の形状は、図2(A)に示すように、前後方向が幅狭であり、左右方向に幅広である略菱形(本実施形態では、菱形における左右方向の角が面取りされた上で各角にアールを備えた形状)である。つまり、固定ボルト貫通孔212c,212cの中心を結ぶ線212Xに直交する方向の対角距離が、前記中心を結ぶ線212Xに沿う方向の対角距離よりも小さい形状である。このため、2本の固定ボルト5,5を取り付け可能な面積を有する略菱形でフランジ部212aの上面(当接面212a1)を形成できる。よって、従来の4本のボルトを用いた構成のように、多数のボルトを用いる場合よりもフランジ部212aの寸法を小さくできる。また、フランジ部212aの上面は、前後方向が幅狭であることから、サドル部2の幅寸法を小さくできる。このため従来に比べて、サドル部2を軽量化できる。よって、製造コストを低減できる。また、上面(当接面)212a1が略菱形であることから、上面(当接面)212a1の大きい対角側の両端を絞ることができコンパクト化できる。その一方で、上面(当接面)212a1の中心では分水流路11を形成するための十分な面積を確保できるため、コンパクト化しつつも必要な機能は制限されない。
【0021】
バンド部22は、サドル本体21のうちで胴受部212を除いた部分とほぼ同一形状である。このバンド部22はサドル本体21と同じように、湾曲部221とボルト取付片222とを有する。湾曲部221は、バンド部22が水道管Pへ固定された状態で水道管Pの下方側面に沿って当接する部分である。湾曲部221の内面221aは、水道管Pの側面(外周面)のアールに対応した曲率とされている。また、湾曲部221の幅方向中央には、材料節約のため、左右方向に長い長孔状の切欠部221aが形成されている。そして、湾曲部221の端部からボルト取付片222が左右側方に突出している。ボルト取付片222は、取付ボルト23aが貫通するボルト貫通孔222aを備える。
【0022】
サドル部2が水道管Pに固定される際、サドル本体21の胴受部212と水道管Pとの間にはサドルパッキン4が配置される。サドルパッキン4は合成ゴム製であって、図3(A)〜(D)に示すように平面視及び底面視が略菱形とされ、角部はアール形状とされている。中央には水道管Pの前記貫通孔から流出した水を胴部3に流すための円形の貫通孔41が上下方向に貫通している。この貫通孔41は、下方部分411が上方部分412よりも大径に形成されている。貫通孔41の上方部分412の内径は胴部3の差込筒部34の外径より僅かに小さく形成されており、サドルパッキン4と差込筒部34との間から水が漏れないようにされている。この貫通孔41により、サドルパッキン4に分水流路11の一部が形成される。
【0023】
サドル部2が水道管Pに固定された状態では、サドルパッキン4は上下方向に圧縮される(図1(A)は未圧縮の状態を示している)。これにより、水道管Pから流出した水が水道管Pの外周に沿って漏れないようにされている。また、このサドル部2の水道管Pへの固定状態では、サドルパッキン4の側部外周面42はサドル本体21の胴受部212の内面に水密状態で当接する。
【0024】
サドル部2が水道管Pに固定されるに当たっては、あらかじめ、サドル部2に胴部3が固定された状態とされた上で、水道管Pを挟んでサドル本体21が上方に、バンド部22が下方に配置される。次に、サドル本体21とバンド部22のボルト取付片213,222を上下に貫通するようにして取付ボルト23aが貫通される。そして、この取付ボルト23aに取付ナット23bがねじ込まれて締め付けられる。これにより、サドル部2が水道管Pに固定される。前記取付ボルト23aに対して取付ナット23bが締め付けられることに伴い、サドル本体21の胴受部212が下方に移動する。これに伴いサドルパッキン4が圧縮され、サドル本体21と水道管Pとの間での防水がなされる。
【0025】
胴部3は、胴部本体31、弁体32、フランジ部33、差込筒部34、吐出部35、上部キャップ37を備える。本実施形態では、胴部3の各部は黄銅で形成されている。ただし、胴部3の材質はこれに限定されず、青銅等の銅合金またはステンレス鋼等の種々の材質を採用できる。この胴部3の内部に分水流路11の一部が形成され、これにより、水道管Pから分岐した水流を吐出部35に導くことができる。
【0026】
胴部本体31は弁体32を内蔵する部分である。図4(A)に示すように、胴部本体31の下方にはフランジ部33が位置し、更に、フランジ部33の下方に差込筒部34が突出している。胴部本体31の上部には穿孔作業口部36が突出している。穿孔作業口部36は筒状で、上部外周にはネジ山が形成されており、ここに上部キャップ37がねじ込まれる。この上部キャップ37は必要により取り外され、穿孔作業口部36を開放できる。また、胴部本体31の左右も開放されている。このうち左側は水の出口である吐出部35とされている。一方、右側には弁体32の一部である操作部321が突出する。
【0027】
弁体32は、胴部本体31の内部で横軸回りに回動可能なように配置されている。弁体32の右方部分は胴部本体31から突出した操作部321とされており、この操作部321を作業者が捻ることで弁体32を回動できる。この弁体32の回動により、胴部3の内部における分水流路11を開閉できる。胴部本体31と弁体32との間にはOリング38が配置されており、この胴部本体31と弁体32との間から水が漏れないようにされている。
【0028】
なお、サドル付分水栓1が水道管Pに取り付けられた後、水道管Pへの穿孔が行われる際には、弁体32を回転させることにより、弁体32が上下方向に開放された状態とされる。この状態で穿孔作業口部36から上部キャップ37が取り外されると、穿孔作業口部36が開放され、そこから穿孔のためのドリル刃等を、弁体32を貫通して水道管Pに当接させることができる。
【0029】
フランジ部33における下面(当接面)331の中央から下方に円筒状の差込筒部34が突出している。図4(B)に示すように、この差込筒部34を挟んで二つの円形孔である固定ボルト取付孔332,332が底面視で対称に形成されている。この固定ボルト取付孔332は、フランジ部33の下面(当接面)331に対して直交する方向(本実施形態では垂直方向)に延びる孔である。二つの固定ボルト取付孔332,332の中心間距離は、サドル本体21における二つの固定ボルト貫通孔212c,212cの中心間距離と同一である。フランジ部33は、図4(B)に示すように、下面(当接面)331の形状がサドル本体21のフランジ部212aにおける上面の形状と同じく、前後方向が幅狭であり、左右方向に幅広である略菱形である。つまり、固定ボルト取付孔332,332の中心を結ぶ線33Xに直交する方向の対角距離が、前記中心を結ぶ線33Xに沿う方向の対角距離よりも小さい略菱形である。このようにフランジ部33の下面(当接面)331を略菱形にすることの作用は、前記サドル本体21におけるフランジ部212aと同様である(0019、0020段落参照)。つまり、従来の4本のボルトを用いた構成のように、多数のボルトを用いる場合よりもフランジ部33の寸法を小さくできる。このため従来に比べて、胴部3を軽量化できる。よって、製造コストを低減できる。
【0030】
また、固定ボルト取付孔332のフランジ部33の下面における開口径は、本実施形態では、サドル本体21における固定ボルト貫通孔212cのフランジ部212aの上面における開口径とほぼ同一である。この固定ボルト取付孔332は、フランジ部33を貫通しない有底孔である。また、この固定ボルト取付孔332の内周面には固定ボルト5をねじ込むことのできるねじ山が形成されている。
【0031】
差込筒部34は、サドル部2に胴部3が取り付けられた状態で、下端がサドル本体21における湾曲部211の内面211aに略一致する寸法とされている。差込筒部34の寸法はこれに限定されず、差込筒部34の下端が湾曲部211の内面211aよりも下方に位置すると水道管Pに干渉してしまうことを考慮し、差込筒部34の下端が前記内面211aよりも上方に位置するような適宜の寸法に設定できる。この差込筒部34における内部空間に、水道管Pから流出した水が流れる。この水は、差込筒部34の通過後、弁体32を通り吐出部35から出て、当該吐出部35に接続された家庭や事業所等へ向かう給水配管へと通される。つまり、この差込筒部34は、水道管Pからの水流を通すことのできる分水流路11の一部を構成する。そして、各フランジ部212a,33に取り付けられる固定ボルト5,5は、この差込筒部34における分水流路11に対して対向する位置に配置される。
【0032】
吐出部35は、胴部本体31から左方に延びる略円筒状の部分であり、内面に管用ねじが形成されている。この吐出部35に給水配管がねじ込まれて接続される。
【0033】
固定ボルト5はステンレス合金製である。サドル部2に胴部3が取り付けられる際、この固定ボルト5は、下方からサドル本体21におけるフランジ部212aの固定ボルト貫通孔212cを貫通し、次いで、胴部3におけるフランジ部33の固定ボルト取付孔332にねじ込まれる。つまり、サドル部2に胴部3が取り付けられた状態では、固定ボルト5の頭部51は下方に位置し、ネジ部52は上方に位置する。そして、ネジ部52の先端はフランジ部33の内部に位置する。このため、固定ボルト5は胴部3から露出しない。よって、サドル分水栓1が水道管Pに取り付けられた後に土壌中に埋められた場合において、土壌環境により固定ボルト5が腐食することを抑制でき、サドル付分水栓1の耐久性を向上できる。
【0034】
また、この固定ボルト5の頭部51はサドルパッキン4の弾性により下方から付勢される。この下方からの付勢により、固定ボルト5の緩みが防止される。更に、サドルパッキン4の側部外周面42はサドル本体21の胴受部212に水密状態で当接するため、固定ボルト5が水道管Pから流出した水に触れることはない。このため、水との接触による固定ボルト5の腐食を抑制できる。また、サドルパッキン4の上面43とフランジ部212aの下面212a2及び固定ボルト5における頭部51の頂面511との、前記付勢を伴う当接によっても、固定ボルト5への防水がなされる。
【0035】
以上のように構成されたサドル付分水栓1によると、前記サドル部2と前記胴部3とは、前記分水流路11に対して対向する2本の固定ボルト5,5により固定される。そして、サドル部2と胴部3におけるフランジ部212a,33は、略菱形に形成されている。このため、2本の固定ボルト5,5を取り付けることのできる形状で各フランジ部212a,33を形成できる。また、サドル部2の幅寸法を小さくできる。このため、前後方向につき寸法を小さくできるので、この寸法の小さい分、材料費を削減できる。よって、軽量、コンパクトであって製造コストを低減できるサドル付分水栓1とできる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0037】
例えば、バンド部22は前記実施形態のようにサドル本体21の一部と対称形状であるものに限られず、ステンレス板等が用いられていてもよい。また、Uボルトや板状体の両端にボルトを溶接したものを、バンド部22と取付ボルト23aとを一体とした部品として用いることもできる。
【0038】
また、各フランジ部212a,33の当接面212a1,331の形状は前記実施形態の略菱形に限定されず、長方形、六角形、八角形、長円形、楕円形等の種々の形状としてよい。
【0039】
また、サドル本体21の固定ボルト貫通孔212c,212cについては、固定ボルト5のネジ部52の外径に比べて大径の孔や長孔とすることで、サドル部2に対する胴部3の固定位置を調整できるようにされていてもよい。
【0040】
また、固定ボルト5は、前記実施形態では各フランジ部212a,33の当接面212a1,331に直交するように、垂直方向に延びるように配置されているが、これに限定されず、傾斜して配置されていてもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、固定部材として固定ボルト5が用いられているが、サドル部2に胴部3を結合するための固定部材はこれに限定されず、例えば差込ピン、ボルト以外のねじ部材、フランジを外部から挟むようなクリップ等、種々の部材を用いることができる。
【0042】
また、前記実施形態のサドル付分水栓1の取り付け対象の水道管Pは円管であったが、これに限定されず、他の断面形状の水道管Pに取り付けられるようにサドル付分水栓(特にサドル部)が構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 サドル付分水栓
11 分水流路
2 サドル部
212a フランジ部(サドル部)
212a1 フランジ部の当接面
212X 2本のボルトを結ぶ線
3 胴部
33 フランジ部(胴部)
331 フランジ部の当接面
33X 2本のボルトを結ぶ線
5 固定部材、ボルト、固定ボルト
51 ボルトの頭部
52 ボルトのネジ部
P 水道管
図1
図2
図3
図4