特許第6170309号(P6170309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170309
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】防錆防食支柱
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/00 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   E04H12/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-28470(P2013-28470)
(22)【出願日】2013年2月16日
(65)【公開番号】特開2014-156736(P2014-156736A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000121729
【氏名又は名称】奥地建産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】奥地 誠
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 渉
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−308978(JP,A)
【文献】 特開2005−290682(JP,A)
【文献】 特表2012−516059(JP,A)
【文献】 特開2010−236295(JP,A)
【文献】 特開2001−073326(JP,A)
【文献】 米国特許第03991532(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
E01F 15/02 − 15/04
E01F 9/60 − 9/685
E04H 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種物品を支持する架台の支柱であって、かかる支柱の地際部に合成樹脂製の被膜又は塗装膜から成る防錆又は防食膜が施された金属製管体から成る支柱において、
かかる防錆又は防食膜の外周に、長手方向に1つの切断面を有し、周方向に弾性を有する硬質の合成樹脂製筒状体を巻回し、
前記筒状体の切断面において、一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆するように巻回され、
前記支柱の先端部に、設置土地面を掘削する掘削刃が設けられ、
前記筒状体において、支柱先端部に設けた掘削刃の掘削回転方向の前方側に位置する切断縁部が他方の切断縁部の内側に配置されていることを特徴とする防錆防食支柱。
【請求項2】
前記筒状体を接着材及び防食材を用いて支柱に接合したことを特徴とする請求項1に記載の防錆防食支柱。
【請求項3】
前記筒状体の切断面のそれぞれの切断縁部において、それぞれの切断縁に向かってその厚みが徐々に薄くなるように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の防錆防食支柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソーラーパネル等を載置し支持するための架台用の支柱に関し、より詳しくはその地際部に防錆及び防食(防腐食)手段を施した支柱及び当該支柱に装着できる防錆及び防食(防腐食)部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、鋼製型材や管体を用いた各種の構築物や架台において使用する鋼管製支柱にあっては、設置される地面の地際部の錆や腐食が問題となっていた。
ここでいう「地際部」というのは、設置される地面の際ばかりでなく、その地上部分及び地中部分の所定範囲の部分をも意味するものである。
【0003】
かかる地際部は、雨や霧等の天候による影響ばかりでなく、ペットのマーキングによる影響、更には地中の水分や土質等による悪影響が最も強く及ぶ部分である。
より詳しくは、この地際部の腐食としては、以下のような要因が挙げられる。
先ず、この部分には水が溜まり易く、水に濡れている時間が長くなる。
設置場所の土壌により、つまりアルカリ性土壌又は酸性土壌等により腐食が促進される。
風や振動によって金属の化学的活性化が生じ、つまり腐食疲労を起こし易い。
土中と地上面の露出部との間の電位差が大きくなり、構造的にマイクロセル腐食が形成される。
【0004】
以上により地際部に錆や腐食が発生し易くなるのであるが、このような鋼管製支柱の地際部に対して防錆及び防食手段が設けられたものが種々提案されている。
下記特許文献1に記載の「埋設地際部の腐食防御性を有する鋼製柱」の発明にあっては、犬等によるマーキングが行われたとしても、埋設地際部の腐食防御性に優れた鋼製柱を提供することを課題とし、鋼製柱と埋設用充填材が接する界面上端部の大気側及び充填材側の少なくとも50mmの鋼製柱外側部分に、アンモニウムイオンを含む水溶液に対する耐久性に優れた耐食材からなる被覆層を設けた鋼製柱である。
【0005】
下記特許文献2に記載の「地際埋設物防錆保護工法」の発明にあっては、ガードレール等の支柱の地際部の錆を有効に防止できる地際埋設物防錆保護工法を提供するものであって、その構成は、ガードレール等の支柱をアスファルト、モルタル又はコンクリート中に埋設し支持する工法であって、支柱の地際部に熱収縮チューブを被覆したのち、該熱収縮チューブを加熱収縮させ、その上端部を前記アスファルト、モルタル又はコンクリートの面よりも高く露出させていることを特徴とする。
【0006】
下記特許文献3に記載の「防食鋼管」の発明にあっては、地際部で確実に防食効果を得ることができるものを提供することを課題とする。
その構成は、鋼管と鋼よりもイオン化傾向の大きな金属からなる陽極金属層とを備え、鋼管と陽極金属層とを電気的に導通し、導電性ポリマーを含む塗料からなる塗膜層と、塗膜層上の地際部となる部分に装着された陽極金属層とを備える。陽極金属層は、亜鉛箔、アルミニウム箔、マグネシウム箔、亜鉛−アルミニウム合金箔からなる群から選択される1種の金属箔からなる。金属箔は、導電性粘着剤層を介して塗膜層上に装着されていてもよく、金属箔が塗膜層に直接接触する部分を残して形成された非導電性粘着剤層を介して塗膜層上に装着されていてもよいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−132128号公報
【特許文献2】特開2007−321381号公報
【特許文献3】特開2008−231508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明においても、上記従来の防錆及び防食性支柱と同様に、各種の構築物及び架台の支柱の地際部の防錆及び防食性能を付与することをその目的とするものであり、そしてその性能をより向上させることをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、各種物品を支持する架台の支柱であって、かかる支柱の地際部に合成樹脂製の被膜又は塗装膜から成る防錆又は防食膜が施された金属製管体から成る支柱において、かかる防錆又は防食膜の外周に、長手方向に1つの切断面を有し、周方向に弾性を有する硬質の合成樹脂製筒状体を巻回したことを特徴とする防錆防食支柱である。
【0010】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記筒状体の切断面において、一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆するように巻回されていることを特徴とする防錆防食支柱である。
【0011】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、前記支柱の先端部に、設置土地面を掘削する掘削刃が設けられていることを特徴とする防錆防食支柱である。
【0012】
本発明の第4のものは、上記第3の発明において、前記筒状体において、支柱先端部に設けた掘削刃の掘削回転方向の前方側に位置する切断縁部が他方の切断縁部の内側に配置されていることを特徴とする防錆防食支柱である。
【0013】
本発明の第5のものは、上記何れかの発明において、前記筒状体を接着材及び防食材を用いて支柱に接合したことを特徴とする防錆防食支柱である。
【0014】
本発明の第6のものは、上記第2乃至第5の何れかの発明において、前記筒状体の切断面のそれぞれの切断縁部において、それぞれの切断縁に向かってその厚みが徐々に薄くなるように形成したことを特徴とする防錆防食支柱である。
【0015】
本発明の第7のものは、地際部に合成樹脂製の被膜又は塗装膜から成る防錆又は防食膜が施された金属製管体からなる各種物品を支持する架台用支柱の前記防錆又は防食膜の外周に巻回するように装着される筒状体であって、かかる筒状体は、その長手方向に1つの切断面を有し、且つ、周方向に弾性を有する硬質の合成樹脂製のものからなることを特徴とする防錆防食筒状体である。
【0016】
本発明の第8のものは、上記第7の発明において、前記筒状体の切断面の一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆するように支柱に装着され得ることを特徴とする防錆防食筒状体である。
【0017】
本発明の第9のものは、上記第8の発明において、前記筒状体の切断面のそれぞれの切断縁部において、それぞれの切断縁に向かってその厚みが徐々に薄くなるように形成したことを特徴とする防錆防食筒状体である。
【0018】
本発明の第10のものは、上記第7乃至第9の何れかの発明において、前記筒状体の内面に防食材及び/又は滑り止め部材を更に接合したことを特徴とする防錆防食筒状体である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1のものにおいては、架台の金属製管体からなる支柱であって、かかる支柱の地際部に合成樹脂製の被膜又は塗装膜から成る防錆又は防食膜が施された支柱において、かかる防錆又は防食膜の外周に、長手方向に1つの切断面を有し、周方向に弾性を有する硬質の合成樹脂製筒状体を更に巻回したものである。
この筒状体を付加したことにより、防錆及び防食効果が更に増大し、向上することとなるのである。
【0020】
また、この筒状体は、支柱と別体に形成されるものであり、予め支柱に装着しておくこともできるし、施工中の任意の時に取り付け固定することもできる。
これは、筒状体が1つの切断面を有しているからであり、これにより任意のときに、即ち工場内で或いは施工現場にて着脱可能となるのである。
【0021】
本発明の第2のものにあっては、前記筒状体の切断面において、一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆するように巻回されていることを特徴とするものである。
これにより、上記第1の発明と同じ効果を有するばかりでなく、この筒状体は、その長手方向に1つの切断面を有し、当該切断面の一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆できるように巻回でき、支柱への装着が極めて簡単なものとなる。
即ち、その支柱への取付位置の調整、支柱の太さへの対応も極めて容易となり、施工作業の簡素化及び容易化に寄与するものとなる。
【0022】
本発明の第3のものにおいては、支柱の先端部に設置土地面を掘削する掘削刃を設けたため、予め支柱を設置するための穴部を掘削する必要がなく、かかる支柱を用いて設置現場で、そのまま掘削を行いつつ支柱を立設することが可能となる。
【0023】
本発明の第4のものにおいては、支柱の掘削回転方向に合致するように、支柱先端部に設けた掘削刃の掘削回転方向の前方側に位置する切断縁部を他方の切断縁部の内側に配置したことを特徴とするものである。
これにより、筒状体の他方の切断縁部の切断縁が回転切削方向と干渉することなく、摩擦抵抗を減少させ、問題なく掘削しつつ支柱を立設することができる。
【0024】
本発明の第5のものにおいては、前記筒状体を接着材及び防食材を用いて支柱に接合したことを特徴とするものである。
この接着材及び防食材による接合は任意のものではあるが、この接着材等を用いて接着することにより筒状体と支柱との接合がより強固となり、両者の間に侵入しうる水分や塵埃等を考慮すれば、より防錆・防食効果を向上させることができることとなる。
【0025】
本発明の第6のものにおいては、前記筒状体の切断面のそれぞれの切断縁部がそれぞれの切断縁に向かってその厚みを徐々に薄くなるように形成したことを特徴とするものであり、その結果、この筒状体を支柱に巻回した際に、重ね合わされた切断縁部の部分の厚みを他の部分の厚みとほぼ同等とすることができ、支柱の先端の掘削刃を用いて掘削する際など、支柱を立設する際に都合のよいものとなるのである。
【0026】
本発明の第7のものにおいては、上記第1の発明において使用する合成樹脂製の筒状体を特定し、権利請求したものであり、各種物品を支持する架台の支柱の地際部に巻回するように装着でき、この筒状体を装着することにより、当該架台用支柱の地際部の防錆及び防食効果をより向上させることができるものである。
また、この筒状体は単体のものとして支柱と別体のものとして形成されているために、架台の支柱に適宜、所望の時に装着することが可能となるものである。
【0027】
本発明の第8のものにおいては、上記第7の発明の効果に加えて、この筒状体がその長手方向に1つの切断面を有し、当該切断面の一方の切断縁部が他方の切断縁部を被覆できるように巻回できるため、支柱への装着が極めて簡単なものとなり、その支柱への取付位置の調整、支柱の太さへの対応も極めて容易となり、施工作業の簡素化及び容易化に寄与するものである。
【0028】
本発明の第9のものにおいては、筒状体の切断面のそれぞれの切断縁部において、それぞれの切断縁に向かってその厚みが徐々に薄くなるように形成しているため、この筒状体の切断面での接合状態をより適切なものとすることができ、切断面での両切断縁部の重ね合わせ部分においてその厚みを薄くすることができ、その全体の外径をほぼ同一にすることができる。
【0029】
本発明の第10のものにおいては、筒状体の内面に防食材及び/又は滑り止め部材を接合したことを特徴とし、これにより防食効果を向上させるだけでなく、当該筒状体を支柱の地際部に装着する際に、支柱の長手方向にこの筒状体が滑動したり、移動してしまうことを防止することもできるのである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の架台用支柱の一実施形態に係る地際部を図示する説明図であって、その(イ)が支柱に防食皮膜を設けた状態を示し、その(ロ)が更に防食用の筒状体を付加した状態を示している。
図2】本発明に係る防錆防食筒状体の他の実施形態を図示する説明図であって、その(A)が長手方向切断面が重合していないものを示し、その(B)が長手方向切断面が重ね合わされているものを示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の架台用支柱の一実施形態に係る地際部を図示する説明図であって、その(イ)が支柱に防食皮膜を設けた状態を示し、その(ロ)が更に防食用の筒状体を付加した状態を示している。
本発明に係る支柱10は、例えば溶融亜鉛メッキ等が施された鋼製管体から成り、図示は省略しているが、先端部には掘削用の掘削刃が設けられたものである。
【0032】
かかる支柱10の地際部に、合成樹脂製の熱収縮チューブからなる防食皮膜12を設けている。
図中Gは、設置土地面のグランドレベルを示している。
上記合成樹脂製熱収縮チューブを支柱10に挿通し、外部から熱風を噴射して収縮させ、図1(イ)の状態に固着する。
固着位置は、予め設定された地際部であり、上記グランドレベルGの上下20cm乃至30cm程度の範囲である。
【0033】
図1(ロ)においては、更に、上記防食皮膜12の外周に、やはり硬質の合成樹脂製の筒状体15を巻回して装着している。
この筒状体15が、本発明に係る防錆防食筒状体となる。
この筒状体15は、周方向に弾性を有しており、図(ロ)に図示した通り、装着した状態で支柱10に固定された状態を維持することができるものである。
【0034】
かかる筒状体15は、適宜所定の厚みを有し、その長手方向に切断面16を有し、この切断面16で、一方の切断縁部16aが他方の切断縁部16bを内側に位置するように接合されている。
即ち、一方の切断縁部16aは、その厚みがその先端縁に向かって徐々に薄くなるように形成され、同様に他方の切断縁部16bもその厚みがその先端縁に向かって徐々に薄くなるように形成され、一方の切断縁部16aが他方の切断縁部16bの外側に配置されているのである。
【0035】
従って、これにより筒状体15の厚みは、切断面16を含んでその全体で略同一の厚みとなるように形成している。
このように筒状体15の全体を略同一の厚みとすることにより、本発明に係る支柱10の先端部の掘削刃を用いて設置土地面を掘削し立設する際に、便宜なものとなる。
【0036】
同様に、筒状体15の切断面16における両側の切断縁部16a、16bの重ね合わせにおいて、支柱10の先端部に設けた掘削刃の掘削回転方向の前方側に位置する切断縁部16bを一方の切断縁部16aの内側に配置することにより、当該切断縁部16aの切断縁が支柱10の回転に際して邪魔にならないように構成している。
【0037】
尚、図(ロ)においては、筒状体15の切断面16において、一方の切断縁部16aの側縁が筒状体15の周側面とほぼ同一面となっているが、多少外周に出っ張った状態であっても問題はない。
というのも、この切断縁部16aの側縁は、上記した通り、支柱10の掘削回転方向と抵触しないからである。
【0038】
尚、上記筒状体15は、FRPやウレタン、LP管(塩ビ管)等々、防食性能を有するものであれば、どのような素材のものをも使用することができる。
また、この筒状体15の長手方向長さは、防食膜12の長手方向長さよりも短いものとすることが好ましい。
防食膜12と筒状体15との間に隙間を生じさせないためである。
【0039】
図2は、本発明に係る防錆防食筒状体の他の実施形態を図示する説明図であって、その(A)が長手方向切断面が重合していないものを示し、その(B)が長手方向切断面が重ね合わされているものを示している。
図2(A)に図示した筒状体25においては、上記筒状体15と異なり、その切断面26において、それぞれの切断縁部26a、26bが当接しており、重ね合わされていないのである。
【0040】
この実施形態に係る筒状体26にあっては、支柱10の外径が予め判明している場合に使用するものである。
この筒状体26の内表面には、防食材27を更に接合しており、或いは防食材27と共に滑り止め部材を接合するのも自由である。
この防食材27としては、例えばブチルゴムやEPDM等を利用することができる。
【0041】
図2(B)に図示した筒状体35においては、上記図1の実施形態と異なり、その切断面が接しておらず、それぞれの切断縁部36a、36bが重ね合わされた状態(オーバーラップ状態)に形成されたものである。
そして、一方の切断縁部36aは、支柱10の回転方向の前方側に位置し、他方の切削縁部36bの内側に位置するために、支柱10が回転する際に、他方の切断縁部36bが干渉又は抵触しないように構成している。
【0042】
更に、上記同様に、筒状体35の内表面には、防食材27が接合されており、この防食材27と共に滑り止め部材を更に接合するのも自由である。
この実施形態に係る筒状体35おいては、支柱10の外径が異なるものであっても適宜装着し、固定することができ、異なる外径の支柱10に対応することができ、取り付けの自由度が広がるのである。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、以下の通りその形態を種々設計変更することができる。
防食膜及び筒状体の長手方向長さは、必要に応じて適宜設定することができる。
望ましくは、地際部のグランドレベルの少なくとも上下30cm程度の範囲に設けるべきである。
【0044】
防食膜の素材は、従来使用されている種々のものを使用することができる。
本発明に係る筒状体の肉厚も適宜自由に設定することができる。
更に、この筒状体を支柱に装着するに際して、種々の接着材を用いて予め支柱に接着しておくことも可能である。
【0045】
その際には、接着材として防水性、防錆作用、更には防食性能を有するものを使用することが相応しい。
更に、本発明に係る防錆防食筒状体の内面にウレタンゴム等の滑り止め部材を接合又は配設するのも自由であり、これにより、支柱の地際部に当該筒状体を装着するに際して、かかる筒状体が支柱の長手方向に滑動したり、移動してしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る筒状体の内表面に更に防食材を接合するのも自由である。
【0046】
以上、本発明は、極めて簡易な構成により、地際部に防錆及び防食性能を有する各種物品を支持する架台用の防錆防食支柱及びこれに用いる防錆防食筒状体を提供することが出来たものである。
【符号の説明】
【0047】
10 支柱
12 防食膜
15、25、35 筒状体
16、26 切断面
16a、16b、26a、26b、36a、36b 切断縁部
27 防食材
G グランドレベル
図1
図2