【実施例】
【0043】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
なお、本実施例においては特に断りのない限り、以下の装置を用いて分析・測定を行った。
NMR装置: JNM-EPC400、日本電子社製
IR装置: Spectrum One FT-IR spectrophotometer、Perkin-Elmer社製
【0044】
(参考例1)IMTOのモノマー前駆体化合物の合成
下記スキームに従い、1−(4−トリメチルシリルフェニル)エタノールを合成した。
【化12】
【0045】
<1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテルの合成>
1−(4−ブロモフェニル)エタノール(6.00g,29.8mmol,1.00等量)の塩化メチレン溶液(149mL)にジヒドロピラン(5.45mL,59.7mmol,2.00等量)と触媒量のピリジニウムパラトルエンスルホン酸(749mg,2.98mmol,0.100等量)を氷冷下加えた。室温下、アルコールが消失するまで反応させた後、反応溶液をトリエチルアミンを加えて中和した。減圧下溶媒を除去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=94:6)を用いて精製することにより、目的物の1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテルを得た(7.46g,26.2mmol,収率88%)。
【化13】
【0046】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.47−7.44(dd,2H,H−j,J
j,h−i=5.3Hz,J
j,Br=2.9Hz),7.28−7.26(d,1H,H−h,i),7.21−7.18(d,1H,H−h,i,J=8.3Hz),4.86−4.81(m,1H×0.5,H−e),3.96−3.67(m,1H×0.5,H−a),3.67−3.62(m,1H×0.5,H−a),3.39−3.35(m,1H×0.5,H−a);
FT−IR(neat):2943,2871,1593,1487,1202,1122,1078,1022,1011,980,824,549(cm
−1)。
【0047】
<1−(4−トリメチルシリルフェニル)エタノールの合成>
1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテル(4.00g,14.0mmol,1.00等量)のテトラヒドロフラン溶液(76.5ml)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.59mol/L n−hexyl solution,9.69mL,15.4mmol,1.10等量)を−78℃で滴下した。同一の温度で1時間撹拌した後、蒸留したトリメチルシリルクロリド(1.83g,16.8mmol,1.20等量)を滴下した。反応温度をゆっくりと室温まで昇温した後、反応溶液を飽和塩化アンモニア水溶液に注いだ。得られた水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下溶媒を除去し濃縮して得られた残査を次の反応に用いた。得られた残査のメタノール(97.0mL)溶液にピリジウムパラトルエンスルホン酸を室温下加えた。TLCを用いて反応の終了を確認した後に、トリエチルアミンを用いて反応溶液を中和した。溶媒を減圧下除去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=94:6)を用いて精製することにより、1−(4−トリメチルシリルフェニル)エタノール(1.59g,8.18mmol,1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテルに対する収率84%)を得た。
【化14】
【0048】
1H‐NMR(270MHz,CDCl
3):δ 7.54−7.51(d,2H,H−d,J=7.7Hz),7.39−7.36(d,2H,H−e,J=7.9Hz),4.93−4.86(q,1H,H−b,J=6.6Hz),1.63(m,1H,H−a),1.52−1.49(d,3H,H−c),0.26(s,9H,H
−f);
13C‐NMR(373MHz,CDCl
3):δ 146.3,139.5,133.5,124.8,70.2,24.9,−1.2;
FT−IR(neat):3368,2957,1602,1393,1249,1113,1085,1008,840,821,758,551(cm
−1)
【0049】
<1−N−[1−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール>
下記スキームに従い、1−N−[1−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾールを合成した。
【化15】
【0050】
4−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール(177mg,1.00等量,1.40mmol)とトリフェニルフォスフィン(473mg,1.82mmol,1.30等量)の乾燥テトラヒドロピラン溶液(3.5mL)に1−(4−トリメチルシリルフェニル)エタノール(300mg,1.54mmol,1.10eq.)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(3.0mL)を−30℃で滴下した。その後、ジターシャリーブチルアゾジカルボン酸(387mg,1.68mmol,1.20等量)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(4.0mL)を滴下した。その後、反応温度を2時間かけて、0℃まで昇温した。TLCを用いて、原料であるアルコールの消失を確認した後、減圧化溶媒を除去した。得られた残査をジエチルエーテルで希釈した。析出したトリフェニルフォスフィンオキシドをろ過別した後に、減圧下の再び濃縮した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=68:32)することにより、目的物を得た(225mg、78.4mmol,収率56%)。
【化16】
【0051】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.83(s,1H,H−a),7.80(s,1H,H−b),7.51−7.49(d,2H,H−f,J=7.8Hz),7.19−7.17(d,2H,H−g,J=7.8Hz),6.41−6.35(q,1H,H−d,J=7.1Hz),3.84(s,3H,H−c),1.88−1.86(d,3H,H−e,J=6.8Hz),0.25(s,9H,H−h);
13C‐NMR(373MHz,CDCl
3):δ 160.62,141.40,140.42,139.79,133.83,125.53,122.33,55.29,51.39,22.08,−1.24;
FT−IR(neat):2955,1715,1539,1438,1362,1249,1219,1134,1114,841.8,766,671(cm
−1);
mp:142−143℃;
HRMS(ESI−TOF) calcd. for C
16H
22N
2O
2Si[M+H]
+ 303.1529, found 303.1556。
【0052】
(参考例2)モノマー前駆体化合物を用いたヨウ素化実験
下記スキームに従い、参考例1で合成したポリマー前駆体化合物を用いて、IMTOを合成した。
【化17】
【0053】
IMTOのモノマー前駆体化合物(20.0mg,0.0661mmol,1.0等量)のトリフルオロ酢酸溶液(530μL)に、ヨウ化ナトリウム(NaI;10.9mg,0.0727mmol,1.10等量)とN‐クロロコハク酸イミド(NCS;26.5mg,0.198mmol,3.0等量)を加えた。室温、40℃、60℃の各温度で60分反応させた後、10%チオ硫酸ナトリウムと飽和炭酸水素ナトリウムとを1:1で混合させた水溶液中に反応溶液を注ぐことにより、反応を停止させた。有機層をHPLCで分析することによって、収率を求めた。
カラム:Column: Inertsil(登録商標)WP300 C18
溶出溶媒:0分 (1%ギ酸 アセトニトリル:1%ギ酸 水=35:65)−25分(1%ギ酸 アセトニトリル:1%ギ酸 水=50:50)−26分(1%ギ酸 アセトニトリル:1%ギ酸 水=50:50)
リテンションタイム ヨウ化物 13.3分 シリル体 25.4分
【0054】
【表1】
【0055】
(実施例1)モノマー前駆体化合物の合成
下記スキームに従い、1−[1−(4−ヨードフェニル)エチル]‐1H‐イミダゾール‐5‐カルボン酸メチル(IMTO)のモノマー前駆体化合物を合成した。
【化18】
【0056】
<1−((4−ブロモブチル)ジメチルシリルフェニル)エタノールの合成>
参考例1と同様な方法で合成した1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテル(4.70g,16.5mmol,1.00等量)のテトラヒドロフラン溶液(49.5mL)に,n-ブチルリチウム(1.64mol/L n−hexyl solution,12.1mL,19.8mmol,1.20等量)を−78℃で滴下した。一時間撹拌した後、反応溶液に、(4−ブロモブチル)クロロジメチルシラン(4.95g,21.5mmol,1.3等量)同一の温度のもと滴下した。反応温度を室温まで昇温した後に、塩化アンモニア溶液を用いて反応を停止させた。水層をジエチルエーテルで抽出した後に、飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で中和し、硫酸マグネシウムを用い乾燥した。減圧下溶媒を除去した後に得られる残査を次ぎの反応に直接用いた。得られた残査をメタノール(165mL)に溶解させ、触媒量のピリジンニウムパラトルエンスルホン酸(415mg,1.65mmol,0.100等量)を0℃で加えた。TLCを用いて反応溶液を分析し、反応の終了確認した後、トリエチルアミンを加えて、反応溶液を中和した。溶媒を減圧下除去した後に、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=92:8)で精製することにより目的物の1−((4−ブロモブチル)ジメチルシリルフェニル)エタノール(4.60g,14.6mmol,1−(4−ブロモフェニル)エチル テトラヒドロピラニル エーテルに対する収率88%)を得た。
【化19】
【0057】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3): δ 7.51−7.49(d,2H,H−d,J=7.7Hz),7.38−7.36(d,2H,H−e,J=8.3Hz),4.92−4.87(q,1H,H−b,J=6.6Hz),3.41−3.37(t,2H,H−k,J=6.8Hz),1.89−1.83(dd,2H,H−i,J=7.2Hz),1.51−1.50(d,3H,H−a,J=6.3Hz),1.49−1.42(m,2H,H−h),0.77−0.72(m,2H,H−g),0.27(s,6H,H−f);
13C‐NMR(100MHz,CDCl
3):
13C‐NMR(373MHz,CDCl
3):δ 146.38,141.65,137.65,124.69,69.81,36.00,31.19,24.82,22.26,14.37,−3.19;
FT−IR (neat):3411,1719,1641,1411,1305,1117,1080,924,838(cm
−1)。
【0058】
<1−N−[1−(4−(4−ブロモブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾールの合成>
4−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール(1.68g,13.3mmol,1.00等量)とトリフェニルフォスフィン(4.32g,16.6mmol,1.25等量)の乾燥テトラヒドロピラン溶液(40mL)に1−(4−トリメチルシリルフェニル)エタノール(4.60g,14.6mmol,1.10等量)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(15ml)を−30℃で滴下した。その後、ジターシャリーブチルアゾジカルボン酸(3.82g,16.6mmol,1.25等量)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(25ml)を滴下した。その後、反応温度を2時間かけて、0℃まで昇温した。TLCを用いて、原料であるアルコールの消失を確認した後、減圧化溶媒を除去した。得られた残査をジエチルエーテルで希釈した。析出したトリフェニルフォスフィンオキシドをろ過別した後に、減圧下の再び濃縮した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=65:35)で精製することにより、目的物の1−N−[1−(4−(4−ブロモブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾールを得た(3.70g,8.74mmol,収率66%)。
【化20】
【0059】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.92(s,1H,H−a),7.82(s,1H,H−b),7.50−7.48(d,2H,H−f,J=7.7Hz),7.21−7.19(d,2H,H−g,J=7.7Hz),6.43−6.38(q,1H,H−d,J=6.9Hz),3.86(s,3H,H−c),3.41−3.37(t,2H,H−l,J=6.8Hz),1.89−1.82(m,5H,H−e,k),1.49−1.43(m,2H,H−i),0.76−0.72(m,2H,H−i),0.26(s,6H,H−h);
19C‐NMR(373MHz,CDCl
3):δ 160.27,141.40,139.56,138.63,137.80,125.29,54.88,51.04,35.80,33.03,22.06,21.76,14.37,−3.43;
FT−IR(neat):2953,1715,1601,1539,1436,1362,1213,1113,1052,954,840(cm
−1);
HRMS(ESI−TOF)calcd.for C
19H
27BrN
2O
2Si[M+H]
+ 423.1103,found 423.1135。
【0060】
<1−N−[1−(4−(4−アジドブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール>
1−N−[1−(4−(4−ブロモブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール(1.68g,3.97mmol,1.00等量)のジメチルホルムアミド(27.8mL)溶液に、アジ化ナトリウム(1.29g,19.8mmol,5.0等量)と触媒量のヨウ化ナトリウムを加えた。80℃で6時間反応させた後、混合物を冷却し、水を加えた。水層をジエチルエーテルで抽出した後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下溶媒を除去した後に、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール98:2)で精製することにより、目的物の1−N−[1−(4−(4−アジドブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾールを得た。(1.35g,3.50mmol,収率89%)。
【化21】
【0061】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.85(s,1H,H−a),7.79(s,1H,H−b),7.48−7.46(d,2H,H−f,J=8.0Hz),7.19−7.17(d,2H,H−g,J=8.0Hz),6.40−6.35(q,1H,H−d,J=7.2Hz),3.83(s,3H,H−c),3.25−3.22(t,2H,H−l,J=6.8Hz),1.88−1.86(d,3H,H−e,J=7.2Hz),1.63−1.56(tt,2H,H−k,J
k,l=J
k,j=7.2Hz),1.42−1.34(m,2H,H−i),0.76−0.72(m,2H,H−i),0.24(s,6H,H−h);
13C‐NMR(100MHz,CDCl
3):δ 160.41,141.46,139.65,138.80,137.83,134,33,133.84,125.41,122.11,55.03,51.17,50.75,32.19,21.84,20.8, 15.03,−3.38;
FT−IR (neat):3785,2952,2315,2097,1714,1437,1362,1256,1218,1133,1113,1050,821 (cm
−1);
HRMS (ESI−TOF) calcd. for C
23H
33N
3O
3Si[M+H]
+ 428.2369,found 428.2392.
【0062】
<1−N−[1−(4−(4−(メタクリルアミドブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール>
1−N−[1−(4−(4−アジドブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾールのテトラヒドロフラン:水(1:1)の混合溶液(6.72mL)に塩化アンモニウム(270mg,5.04mmol,3.0等量)と活性化亜鉛(446mg,6.82mmol,4.06等量)を0℃で加えた。TLC分析により反応の終了を確認した後、セライトろ過した。ろ液を減圧下濃縮した残査を次ぎの反応に用いた。得られた残査を炭酸水素ナトリウム(998mg,11.8mmol,7.0等量)のテトラヒドロフラン:水(1:1)溶液(6.72mL)に溶解させた後、メタクリル酸塩化物(522mg,5.04mmol,3.0等量)を0℃で加えた。TLC分析によりアミノ基の消失を確認した後に、反応溶液を酢酸エチルで希釈した。水層を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下溶媒を除去した後に得られる残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=98:2)することにより、目的物の1−N−[1−(4−(4−(メタクリルアミドブチル)ジメチルシリルフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール(モノマー前駆体化合物)を得た。(590mg,1.38mmol,収率83%)。
【化22】
【0063】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.82(s,1H,H−a),7.80(s,1H,H−b),7.48−7.46(d,2H,H−f,J=7.2Hz),7.19−7.16(d,2H,H−g,J=7.2Hz),6.40−6.35(q,1H,H−d,J=7.3Hz),5.71(m,1H,H−m),5.62(s,1H,H−p),5.28(s,1H,H−o),3.83(s,3H,H−c),3.30−3.25(dt,2H,H−l,J=6.6Hz),1.94(s,3H,H−n),1.53−1.51(tt,2H,H−k,J=7.2Hz),1.36−1.30(m,2H,H−j,J=3.9Hz),0.77−0.73(m,2H,H−i),0.24(s,6H,H−h);
13C‐NMR(100MHz,CDCl
3):δ 168,24,160.38,141.32,140.13,138.99,137.73,133.84,125.34,122.19,118.64,55.04,51.17,38.96,32.92,21.82,18.46,15.04,−3.35;
FT−IR(neat):3324,2953,1714,1660,1622,1539,1437,1362,1248,1219,1133,1113,1052,922,838,767,733,673,538(cm
−1);
HRMS(ESI−TOF) calcd. for C
23H
33N
3O
3Si[M+H]
+ 428.2369,found 428.2392。
【0064】
(実施例2)ポリマー前駆体化合物の合成
下記スキームに従い、実施例1で合成したモノマー前駆体化合物を用いて、IMTOのポリマー前駆体化合物を合成した。
【化23】
【0065】
モノマー前駆体化合物(580mg,1.36mmol,1.00等量)をトルエン(1.24mL)に溶解させ、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;11.2mg,0.0670mol,0.0500等量)と加えた。この混合溶液を、3回冷凍脱気した後に、液体窒素で凍結し、その後、65℃まで加熱し24時間反応させた。反応溶液の温度を室温にした後に、ヘキサンに注いだ。得られた個体を塩化メチレンに溶解させたのち、シリカゲルカラムカラムクロマトグラフィーを通した。塩化メチレン溶液で溶出したものをあつめて、再度、ヘキサンを用いて固化させることにより、目的とするポリマー前駆体化合物を得た(282mg,0.661mmol,収率49%、重合度(n)20)。
【化24】
【0066】
1H‐NMR(400MHz,CD
2Cl
2):δ 7.91−7.76(br,1H,H−a),7.71(s,1H,H−b),7.47−7.38(br,2H,H−f),7.18−7.10(br,2H,H−g),6.35−6.27(br,1H,H−d),5.07(m,1H,H−m),3.72(s,3H,H−c),3.14−2.90(br,2H,H−l),1.87−1.77(br,3H,H−e),1.64−1.36(br,2H,H−k),1.36−1.20(br,5H,H−j,n),0.90−0.89(br,2H,H−o),0.73−0.62(br,2H,H−i),0.23−0.13(br,6H,H−h);
13C‐NMR(100MHz,CDCl
3):δ 160.65,142.22,140.19,139.16,137.93,134.11,128.23,125.62,122.45,77.62,45.27,39.82,31.67,22.73,22.05,21.68,15.33,13.94,−3.15;
FT−IR(neat):2945,2328,1705,1456,1360,1225,1114,1003,918,659,558(cm
−1)。
【0067】
(実施例3)ポリマー前駆体化合物を用いたヨウ素化実験
下記スキームに従い、実施例2で合成したポリマー前駆体化合物を用いて、IMTOを合成した。
【化25】
【0068】
ポリマー前駆体化合物(20.0mg,0.0469mmol,1.00等量)のトリフルオロ酢酸溶液(469μL)に、ヨウ化ナトリウム(NaI;7.03mg,0.0469mmol,1.00等量)とN‐クロロコハク酸イミド(NCS;18.8mg,0.141mmol,3.0等量)を加えた。40℃で60分反応させた後、10%チオ硫酸ナトリウムと飽和炭酸水素ナトリウムとを1:1で混合させた水溶液中に反応溶液を注ぐことにより、反応を停止させた。有機層のみ減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した。まず、塩化メチレンのみで溶出させることにより、ポリマー前駆体化合物を溶出させた。溶出したポリマー前駆体化合物はTLCにて確認した(ヘキサン:酢酸エチル=1:1,Rf値:0−0.3)。さらに、溶出液:クロロホルム:メタノール=98:2で溶出することにより、目的化合物のIMTOを得た(13.4mg,0.0376 mmol、80%)。
【化26】
1−N−[1−(4−ヨードフェニル)エチル]−5−メトキシカルボニル−1H−イミダゾール(IMTO)
【0069】
1H‐NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.91−7.86(m,1H,H−a),7.80(s,1H,H−b),7.69−7.66(d,2H,H−g,J=8.3Hz),6.93−6.91(d,2H,H−f,J=8.3Hz),6.33−6.30(q,1H,H−d,J=7.1Hz),3.81(s,3H,H−c),1.86−1.84(d,3H,H−e,J=7.2Hz);
13C‐NMR(100MHz,CDCl
3):δ 161.36,140.94,139.46,138.13,127.89,122.18,93.38,54.81,51.31,21.90;
FT−IR(neat):3419,3126,2984,2950,1715,1538,1488,1436,1362,1221,1134,1112,1064,1007,660,525(cm
−1);
mp:69−71℃;
HRMS(ESI−TOF) calcd. for C
13H
13IN
2O
2[M+H]
+ 357.0100, found 357.0093。
【0070】
(実施例4)ポリマー前駆体化合物を用いた放射性ヨウ素標識実験[1]
下記スキームに従い、実施例2で合成したポリマー前駆体化合物を用いて、
123I−IMTOを合成した。
【化27】
【0071】
実施例2で得られたポリマー前駆体化合物1mgにトリフルオロ酢酸50μL、5mg/mLの濃度のN−クロロこはく酸イミド50μL、325MBqの[
123I]ヨウ化ナトリウム20μLを添加した。当該混合液を40℃にて1時間静置した。反応終了後、ジクロロメタン15mLを加えた後、PS−DIEA(商品名、バイオタージ・ジャパン社製)400mgを加え、室温にて5分間静置した。
当該混合液を順相カラム(商品名:Sep−Pak(登録商標)Plus Silica Long Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量695mg)に通液し、
123I−IMTO及びポリマー前駆体化合物を当該カラムに吸着捕集した。このカラムをジクロロメタン20mLで洗浄してポリマー前駆体化合物を溶出させた後、メタノール/ジクロロメタン混=9/1混合溶液10mLを通液して、
123I−IMTOを溶出させた。得られた溶液にアルゴンガスを吹き付け蒸散させた後、エタノール2mLを加えた。得られた放射能量は合成直後において154.1MBqであった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は95.35%であった。
【0072】
TLC分析条件:
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:ヘキサン/酢酸エチルメタノール=2/3
検出器:GitaStar(製品名、raytest社製)
【0073】
(実施例5)[123I]ヨウ素化反応時間の検討
実施例2で得られたポリマー前駆体化合物1mgにトリフルオロ酢酸200μL、10mg/mLの濃度のN−クロロこはく酸イミド100μL、370MBqの[
123I]ヨウ化ナトリウム25μLを添加した。当該混合液を40℃にて静置し10分、20分、30分、60分後に当該混液から10μLずつ採取し、30%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液500μLで反応を停止した後、下記の条件によるTLC分析を行い、[
123I]ヨウ素化率を算出した。結果を表2及び
図1に示す。この結果から、放射性ヨウ素化反応時間は10分以上が好ましく、60分以上がより好ましいことがわかる。
【0074】
TLC分析条件:
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:ヘキサン/酢酸エチル=2/3
検出器:GitaStar(製品名、raytest社製)
【0075】
【表2】
【0076】
(実施例6)ポリマー前駆体化合物を用いた放射性ヨウ素標識実験[2]
実施例2で得られたポリマー前駆体化合物1mgにエタノール60μL、1mol/L塩酸190μL、329MBqの[
123I]ヨウ化ナトリウム10μL、30%過酸化水素10μLを添加した。当該混合液を80℃にて静置し30分、60分後に当該混液から10μLずつ採取し、30%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液500μLで反応を停止した後、下記の条件によるTLC分析を行い、[
123I]ヨウ素化率を算出した。結果を表3に示す。この結果から、酸化剤としては、N−クロロこはく酸イミド、過酸化水素を用いることができるが、N−クロロこはく酸イミドがより好ましいことがわかる
【0077】
TLC分析条件:
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:ヘキサン/酢酸エチルメタノール=2/3
検出器:GitaStar(製品名、raytest社製)
【0078】
【表3】
【0079】
(比較例1)アレンモノマーを用いた前駆体化合物の合成
実施例1のビニルモノマーに変えてアレンモノマーを用いたモノマー前駆体化合物を合成し、下記スキームに従い重合を検討した。AllylOCOCF
3とNi(COD)
2を窒素雰囲気下混合し、πアリールニッケルを形成したのち、モノマーを導入したが、重合は十分に進行しなかった。
【化28】