特許第6170483号(P6170483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170483
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】管路内撮影車
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20170713BHJP
   E03F 9/00 20060101ALI20170713BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20170713BHJP
   G01N 21/954 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   G05D1/02 R
   E03F9/00
   G02B23/24 B
   G01N21/954 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-224789(P2014-224789)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2016-91283(P2016-91283A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】592185666
【氏名又は名称】管清工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091410
【弁理士】
【氏名又は名称】澁谷 啓朗
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 健司
(72)【発明者】
【氏名】飯島 達昭
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 豪人
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−047663(JP,A)
【文献】 特開2006−288447(JP,A)
【文献】 特表2012−511786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00− 1/12
E03F 1/00−11/00
G01N 21/84−21/958
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内を走行して撮影する管路内撮影車であって、
撮影車本体と、この撮影車本体の幅方向両側に取り付けられた一対の走行手段と、前記一対の走行手段に対応して前記撮影車本体に一対設けられた、前記一対の走行手段を回転駆動する駆動モータと、前記撮影車本体に搭載された撮影カメラ及び照明装置と、前記撮影車本体に収容された、前記駆動モータ並びに前記撮影カメラ及び照明装置に電力を供給するバッテリと、前記駆動モータと前記バッテリとの間に配置され、このバッテリから前記駆動モータに流れる過剰電流を検出する障害物センサ、前記障害物センサが前記過剰電流を検出すると前記駆動モータを逆回転させて前記一対の走行手段を後退駆動する切替手段と、を備え
前記撮影車本体には、この撮影車本体のローリングを検出するロールセンサ及び前記ロールセンサが前記撮影車本体のローリングを検出すると前記駆動モータの作動を制御する制御手段が設けられ、
前記制御手段は、それぞれの前記走行手段が異なる作動態様となり、一方の走行手段が停止し、他方の走行手段が作動を行って前記撮影車本体を非ローリング状態に戻すように、それぞれの前記駆動モータを制御する、ことを特徴とする管路内撮影車。
【請求項2】
前記一対の走行手段は一対の走行車輪装置であり、それぞれの走行車輪装置は、外側にテーパ面を有する車輪本体の内側に小径の補助車部を備えた車輪を含んでいる、ことを特徴とする請求項1記載の管路内撮影車。
【請求項3】
前記車輪は駆動輪であり、前記走行車輪装置はそれぞれ、前記駆動輪を前後に有するとともに、前記駆動輪の間に前記補助車部と同形の従動輪を前記補助車部と同じ高さに有している、ことを特徴とする請求項2記載の管路内撮影車。
【請求項4】
前記撮影車本体には、前記撮影カメラの撮影画像又は撮像を記憶する記憶装置が設けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の管路内撮影車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水管等の管路内を走行してこの管路内を撮影し、調査する管路内撮影車に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設されている下水管には老朽化や地震及び地盤沈下などによりクラックが生じたり、接続個所のずれによる隙間が発生したりするが、このようなクラックや隙間を放置すると、下水管内にクラックや隙間から大量の雨水が流れ込み、流れ込んだこの大量の雨水が下水処理場に運ばれて下水処理場に大きな負担をもたらすおそれがある。また、このようなクラックや隙間から地下水が下水管内に流れ込むと、地中に大きな空洞が形成され、地盤沈下や道路の陥没といった事態も生じかねない。
【0003】
そこで、下水管内の状況を調査し、大きなクラックや接続個所のずれなどが発見された場合には早急にクラック部分やずれにより生じた隙間などを補修する必要があるが、下水管の管径は作業員が入り込めるような大きさではない場合が多く、下水管内の調査には、下水管内を走行して下水管内部を撮影する撮影車が用いられている。
【0004】
下水管内を走行する撮影車としては、モータによって駆動される走行手段を有する撮影車本体の前方にカメラを配置したものが用いられていて、この撮影車は走行手段の作動により下水管内を走行しながらカメラで下水管の内部を撮影していく。モータへの電力の供給は地上から電力ケーブルを介して行われ、カメラの撮影画像又は映像は信号ケーブルを介して地上のモニターに映し出される。そして、このモニターに映し出された映像を確認しながら地上でモータの作動を制御し走行手段を作動させている。
【0005】
しかしながら、このような撮影車は高価であり取り扱いも複雑であるため、この撮影車を用いた調査はコスト高となっている。そこで、取り扱いが簡単な撮影車として、例えば特許文献1には、モータに電力を供給するバッテリを搭載し、カメラで撮影した画像を記憶する記憶部を内蔵している自走式管内検査ロボットが記載されている。このような自走式管内検査ロボットは、下水管の開口部に配置してモータを作動させるだけで下水管の中を自動的に走行し、走行過程でカメラにより撮影した画像又は映像を記憶部に記憶していく。調査結果の確認は、下水管から取り出した自走式管内検査ロボットの記憶部に記録されている画像又は映像を確認することにより行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3133667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されたようなバッテリ搭載型の自走式管内検査ロボットでは、障害物に衝突して走行できなくなったときの対処が問題となる。特許文献1には、モータとして正逆回転の切替えが可能なDCモータを用い、無線による遠隔操作でモータの正逆回転を切り替えられるように構成することが記載されているが、装置が複雑化してしまう。また、命綱を取り付けておいて前進不能となったときに命綱でロボットを引きずり戻すという対処方法も記載されているが、無限軌道部が前進作動している状態でロボットを引き戻すのは容易ではない。
【0008】
そこで本発明は、簡単な構成であって障害物により前進が妨げられたときの回収性に優れた管路内撮影車の提供を目的とする。
【0009】
この目的を達成するための本発明の管路内撮影車は、管路内を走行して撮影する管路内撮影車であって、撮影車本体と、この撮影車本体の幅方向両側に取り付けられた一対の走行手段と、前記撮影車本体に設けられた、前記一対の走行手段を回転駆動する駆動モータと、前記撮影車本体に搭載された撮影カメラ及び照明装置と、前記撮影車本体に収容された、前記駆動モータ並びに前記撮影カメラ及び照明装置に電力を供給するバッテリと、を備え、前記駆動モータと前記バッテリとの間には、このバッテリから前記駆動モータに流れる過剰電流を検出する障害物センサが配置され、前記障害物センサが前記過剰電流を検出すると前記駆動モータを逆回転させて前記一対の走行手段を後退駆動する切替手段が設けられているものである。管路内撮影車が障害物にあたるとバッテリから過剰電流が流れるが、この過剰電流を検出して前進不能を判断し駆動モータを反転させる。前進不能は、例えば過剰電流が所定時間流れたときに判断される。撮影車本体に撮影カメラの撮影画像又は撮像を記憶する記憶装置を設けることができる。
【0010】
一対の走行手段は一対の走行車輪装置とすることができる。それぞれの走行車輪装置は、外側にテーパ面を有する車輪本体の内側に小径の補助車部を備えた車輪を含んでいることが好ましい。
【0011】
駆動モータを一対の走行手段に対応して一対配置し、撮影車本体に、この撮影車本体のローリングを検出するロールセンサ及びこのロールセンサが撮影車本体のローリングを検出すると駆動モータの作動を制御する制御手段を設けておき、制御手段が駆動モータを制御し、それぞれの走行手段が異なる態様で作動して撮影車本体を非ローリング状態に戻すといったように構成するのが効果的である。制御手段は例えば、一方の走行手段が停止し、他方の走行手段が作動を行うように駆動モータを制御する。制御手段は、ロールセンサが撮影車本体のローリングを検出している時間が長くなると、停止させた駆動モータを一時的に回転させ、再び停止させるように構成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の管路内撮影車は構造が簡単で安価であり、しかも取り扱い性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る管路内撮影車の全体斜視図である。
図2】管路内撮影車の平面図である。
図3】撮影車本体の後端部を示す図である。
図4】撮影車本体の内部に形成された収容室の別の開閉構造を示す図である。
図5】撮影装置の構成の変更例を概略的に説明する。
図6】走行車輪装置の構成の変更例を示す斜視図である。
図7】走行車輪装置の構成の変更例を示す平面図である。
図8】走行車輪装置の制御回路構成を示す図である。
図9】DCモータの傾き制御の具体的な一例を説明するタイミングチャートである。
図10】DCモータの逆転制御の具体的な一例を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1乃至図3を参照して本発明に係る管路内撮影車の全体的な構成を説明する。
【0016】
管路内撮影車1は、直方体状の撮影車本体3と、この撮影車本体3の幅方向両側又は左右両側に取り付けられた一対の走行車輪装置5と、撮影車本体3の前端部に設けられた撮影装置7と、を備えている。撮影車本体3内には、バッテリ9と、このバッテリ9から電力の供給を受けて走行車輪装置5を回転駆動する一対のDCモータ11(図8参照)と、撮影装置7からの撮影画像又は映像を受け取ってメモリーカード13(記憶装置)に格納する、カードスロットを有するカードアダプタ15(記憶装置)と、撮影車本体3のローリングを検出するジャイロセンサやポテンショメータなどのロールセンサ(図8の符号17参照)とが収容されていて、一対のDCモータ11の一方は一方の走行車輪装置5を駆動するようにこの一方の走行車輪装置5に接続され、他方のDCモータ11は他方の走行車輪装置5を駆動するようにこの他方の走行車輪装置5に接続されている(図8も参照)。なお、図1に符号18で示すように撮影車本体3の後端部に引き戻し用のワイヤ又は紐を取り付けておくこともできる。また、符号20、22はDCモータ11及び撮影装置7用の押しボタンスイッチである。
【0017】
撮影装置7は、撮影車本体3の前端部に固定された支持体19と、この支持体19に取り付けられたテレビカメラ(撮影カメラ)21と、このテレビカメラ21の外側に位置するように、支持体19に取り付けられた4つの照明ライト(照明装置)23、25とを有し、支持体19の上側には上側カバー27が固定されていて、支持体19は取り付け高さを調整して撮影車本体3に固定できるように構成されている。撮影車本体3の前端部の下側には先端部に保護バー29を有するカメラ保護部材31が前方に突出するように設けられている。テレビカメラ21の上側に配置された2つの照明ライト23は非広角ライトであり、テレビカメラ21の左右両側に配置された2つの照明ライト25は広角ライトである。
【0018】
一対の走行車輪装置5はそれぞれ、前後一対の駆動輪33と、一対の駆動輪33の中間に配置された一つの従動輪35とを有している。それぞれの駆動輪33及び従動輪35は、円盤の外側面をテーパ状に膨らませたような形状を有して円盤状部37と断面台形状のテーパ状部39とを一体的に備えている。円盤状部37の外周面には断面円弧状の突出部41が周方向に等間隔で多数形成され、テーパ状部39の外面には突出部41に対応してうろこ状の凹凸形状部分43が突出して放射状に形成されている。
【0019】
撮影車本体3の後端部には開閉可能又は取り付け及び取り外し可能な蓋45が設けられ、この蓋45の内側には収容室47が形成されていて、収容室47内にはバッテリ9やカードアダプタ15などが収容されている。充電時又は画像確認時にはこの蓋45を開けてバッテリ9やメモリーカード13を取り出す。カードアダプタ15はメモリーカード13の取り扱いに便宜となるような位置に配置する。蓋45は、下側が後方に位置するように傾いた状態で、撮影車本体3の後端部の上側に設けられたガイド部材48内に上端部をスライドさせて差し込んでから(図3aの矢印参照)、収容室47の開口周辺に当接するまで下側を前方に押し込み、ヒンジ連結されている押え部材49を回転させて蓋45の下側を押えることにより収容室47の開口を閉じるように構成されている(図3b参照)。蓋45は、押え部材49を反転させて下側を後方に引き出し、上端部がガイド部材48から抜け出るまで横方向にスライドさせて取り外すことができる(図3c参照)。なお、図4に示すように撮影車本体3の上面部を開閉可能な蓋51として構成し、この蓋51により撮影車本体3内に形成された収容室を開閉するように構成してもよい(仮想線は蓋51の半開放状態を示す)。
【0020】
次に、図5を参照して撮影装置7の構成の変更例を説明する。
【0021】
撮影装置7はテレビカメラ21の左右両側に非広角ライト23と広角ライト25とを一つずつ配置して構成することができる(図5a)。撮影装置7はまた、テレビカメラ21の左右両側に広角ライト25及び監視用テレビカメラ52を一つずつ配置して構成することができる(図5b)。監視用テレビカメラ52の撮影画像又は映像は信号ケーブル53を介してハンディタイプのモニター55にリアルタイムで映し出すことができるように構成される。モニター55により例えばマンホール又は地上で管路内画像又は映像を確認できる。
【0022】
図6及び図7を参照して走行車輪装置5の構成の変更例を説明する。
【0023】
一対の走行車輪装置5はそれぞれ、図6に示すような、前後一対の駆動輪57と、一対の駆動輪57の中間に配置された一つの従動輪59とを有するように構成できる。それぞれの駆動輪57は、円盤の外側面をテーパ状に膨らませたような形状を有して円盤状部60と断面台形状のテーパ状部61とを一体的に備える車輪本体と、円盤状部60の内側に設けられた、円盤状部60よりも小径の、短い円柱状の補助車部63とを一体的に有している。円盤状部60及び補助車部63の外周面には断面四角形状の突出部65が周方向に等間隔で多数形成され、テーパ状部61の外面には突出部65に対応して断面四角形状の突出部67が放射状に形成されている。従動輪59は補助車部63と同一形状に形成され、補助車部63と同一の高さ位置に取り付けられている。補助車部63を形成することにより障害物を乗り越える機能が増大する。
【0024】
図8乃至図10を参照して走行車輪装置5の制御態様を説明する。
【0025】
左右一対の走行車輪装置5のそれぞれを駆動するように左右一対のDCモータ11が左右それぞれの駆動輪33(図6に示す走行車輪装置5の場合には駆動輪57)に接続されて撮影車本体3内に配置されている。DCモータ11とバッテリ9との間にはモータ制御回路が構成されていて、左右一対のDCモータ11はこのモータ制御回路によって正転、逆転及び一方のみの回転を行うように制御される。モータ制御回路の図8上左側のリレー69は、撮影車本体3が右側に所定角度ローリングしたこと又は所定角度以上ローリングしたこと(撮影車本体3の右側が上昇したこと)をロールセンサ検出部17が検出したときに開いて左側のDCモータ11を停止させ、撮影車本体3の右側へのローリングが所定角度に戻ったこと又は所定角度以下となったことをロールセンサ検出部17が検出したときに閉じて左側のDCモータ11を再び作動させる。モータ制御回路の図8上右側のリレー71は、撮影車本体3が左側に所定角度ローリングしたこと又は所定角度以上ローリングしたこと(撮影車本体3の左側が上昇したこと)をロールセンサ検出部17が検出したときに開いて右側のDCモータ11を停止させ、撮影車本体3の左側へのローリングが所定角度に戻ったこと又は所定角度以下となったことをロールセンサ検出部17が検出したときに閉じて右側のモータ11を再び作動させる。したがって、撮影車本体3が右側に傾くと、右側の走行車輪装置5は前進作動しているが、左側の走行車輪装置5は作動を停止するので撮影車本体3は左側に復帰回転して非ローリング状態に戻る。反対に撮影車本体3が左側に傾くと、左側の走行車輪装置5は前進作動しているが、右側の走行車輪装置5は作動を停止するので撮影車本体3は右側に復帰回転して非ローリング状態に戻る。リレー69、71及びロールセンサ検出部17は制御手段を構成する。なお、ここではDCモータ11用の押しボタンスイッチ20の図示は省略している。
【0026】
図9のタイミングチャートを参照してDMモータ11の傾き制御の具体的な一例を説明すると、ロールセンサ検出部17のロールセンサの出力電圧が撮影車本体3の左側への所定角度のローリングを示すまで上昇すると、ロールセンサ検出部17又はロールセンサ検出部17のコンパレータの左検出信号がオンとなる(時刻t1)。そうすると、モータ停止時間を設定するロールセンサ検出部17の第1のタイマT1がオンとなり、第1のタイマT1の設定時間が経過するまで右のリレー71が開いて右のDMモータ11が回転を停止する。ただし、第1のタイマT1の設定時間内であっても検出信号がオフとなればリレーが閉じてDMモータ11は回転を再開する(時刻t2参照)。ロールセンサ検出部17の第2のタイマT2はセンサ無視時間を設定し、第1のタイマT1のオンと同時にオンとなるが、第1のタイマT1よりも長い設定時間を有している。また、ロールセンサ検出部17のロールセンサの出力電圧が撮影車本体3の右側への所定角度のローリングを示すまで上昇すると、ロールセンサ検出部17又はロールセンサ検出部17のコンパレータの右検出信号がオンとなる(時刻t3)。そうすると、第1のタイマT1がオンとなり、第1のタイマT1の設定時間が経過するまで左のリレー69が開いて左のDMモータ11が回転を停止する。第1のタイマT1がオフとなった時刻t4で右検出信号がオンのままでも第2のタイマT2の設定時間が経過する時刻t5までは第1のタイマT1はオンとはならないので、時刻t4からt5までは左のリレー69が閉じて左のDMモータ11は一旦回転し、時刻t5の第1のタイマT1のオンで再び左のリレー69が開いて左のDMモータ11が回転を停止する。そして、時刻t6の右検出信号のオフで左のリレー69が閉じて左のDMモータ11が回転を再開する。なお、第2のタイマT2の設定時間内に検出信号が再びオンとなってもリレーは開かない(時刻t7参照)。
【0027】
切替スイッチ(切替手段)73は過剰電流センサ検出部(障害物センサ検出部)75が所定値以上の電流を検出したときに作動し、左側のDCモータ11、右側のDCモータ11又は両方のDCモータ11に流れる電流の向きを逆にしてDCモータ11を逆方向に回転させる。したがって、管路内撮影車1が管路内の障害物に当たって前進できなくなると一対の走行車輪装置5が逆回転して管路内撮影車1を例えば調査開始点まで後退させる。なお、走行車輪装置5が逆回転しているときに撮影車本体3が所定角度まで又は所定角度以上ローリングしたことをロールセンサ検出部17が検出したときは、管路内撮影車1が前進しているときと同様に一方の走行車輪装置5だけが後退作動を停止する。
【0028】
図10のタイミングチャートを参照してDMモータ11の逆転制御の具体的な一例を説明すると、過剰電流センサ検出部75の過剰電流センサ(障害物センサ)の出力電圧が過剰電流を示すまで上昇すると(時刻t1)、過剰電流センサ検出部75のコンパレータの信号が遅延してオンとなる(時刻t2)。コンパレータの信号は、過剰電流センサの出力電圧が通常電流を示すまで下降すると(t3)、遅延してオフとなる(時刻t4)。コンパレータの信号がオンとなると、切替スイッチ73の切替時刻を設定する過剰電流センサ検出部75のタイマTがオンとなり、タイマTの設定時間が経過した時刻t5にコンパレータの信号がオンのままであれば、切替スイッチ73は切り替わりDMモータ11を逆転させる。DMモータ11が逆転すれば走行車輪装置5は後退作動を開始する。ここでは、コンパレータの信号は時刻t5の前の時刻t4でオフとなっているので切替スイッチ73は切り替わらない。時刻t6で過剰電流センサの出力電圧が過剰電流を示すまで再び上昇すると、コンパレータは遅延して再びオンとなりタイマTもオンとなるが(時刻t7)、タイマTの設定時間が経過した時刻t8でコンパレータの信号はオンのままである。したがって、時刻t8で切替スイッチ73は切り替わりDMモータ11を逆転させ、DMモータ11の正転により前進作動していた走行車輪装置5は後退作動する。切替スイッチ73にはラッチがかかり、コンパレータの信号が時刻t9でオフとなっても切替状態は保持される。
【0029】
なお、CPUを有するコントローラを配置し、コントローラがロールセンサ及び過剰電流センサの出力に基づいてリレー69、71及び切替スイッチ73を制御するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の管路内撮影車1は下水管内を低コストで調査できる。
【符号の説明】
【0031】
1 管路内撮影車
3 撮影車本体
5 走行車輪装置
7 撮影装置
9 バッテリ
11 DCモータ
17 ジャイロセンサやポテンショメータなどのロールセンサ
73 切替スイッチ(切替手段)
75 過剰電流センサ(障害物センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10