特許第6170508号(P6170508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6170508分析物の検出および測定のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170508
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】分析物の検出および測定のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20170713BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20170713BHJP
   G01N 33/544 20060101ALI20170713BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20170713BHJP
   G01N 21/41 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   G01N33/543 595
   C12N15/00 HZNA
   G01N33/544 Z
   G01N33/53 V
   G01N21/41 101
【請求項の数】24
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2014-555710(P2014-555710)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-507199(P2015-507199A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】US2013024158
(87)【国際公開番号】WO2013116527
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年9月30日
(31)【優先権主張番号】61/593,054
(32)【優先日】2012年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502409721
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・トレド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン,ブレント・ディー
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン−シク
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0284917(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0042237(US,A1)
【文献】 特開2006−337244(JP,A)
【文献】 特開2003−075402(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0152958(US,A1)
【文献】 特開2008−283883(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0104778(US,A1)
【文献】 Byung-Wook Park et al.,Surface modification of gold electrode with gold nanoparticles and mixed self- assembled monolayers for enzyme biosensors,KOREAN JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING,2011年 1月 1日,Vol.28,No.1,P.64-70
【文献】 Jeroen Pollet et al.,Fiber optic SPR biosensing of DNA hybridization and DNA-protein interactions,BIOSENS BIOELECTRON,2009年12月15日,Vol.25,No.4,P.864-869
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48−33/98
C12N 15/115
G01N 21/41
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の分析物に関するセンサーの感度および/または選択性を最適化するための方法であって、以下の工程:
1タイプ以上のアプタマーを二成分自己組織化単分子膜(SAM)連結を有する支持体に連結し、該二成分SAM連結は該支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有し、
該二成分SAM連結は、以下:
アプタマーと共有結合を形成可能なカルボキシ、アミンまたはアミド部分を含む安定性向上チオール化合物;および
付着したアプタマーの安定性を維持しながらタンパク質の非特異的吸着を阻害することが可能なタンパク質吸着耐性化合物;
を含んでなり、
該所望の連結間隔および/または連結長は、表面プラズモン共鳴(SPR)、ラマン分光法、または蛍光分光法の感度および選択性の少なくとも1つを分析物および/またはアプタマーの特性に基づいて最適化するように選択される;
を含む、前記方法。
【請求項2】
SAM連結の少なくとも1つの充填密度および/または長さが表面プラズモン共鳴(SPR)シグナルに影響を及ぼす、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
二成分SAM連結が、安定性向上化合物としてジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)および非特異的タンパク質吸着耐性化合物として(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を用いて形成され、
ここでPEG3はタンパク質の非特異的吸着を防ぎ、そして
ここでDTSP上のカルボキシル部分はアプタマーと安定な結合を形成する、
請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
1以上の分析物のためのセンサーを形成するための方法であって、以下の工程:
a)3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)からなる二成分を支持体上に吸着させ;
b)工程a)の支持体からMPAを還元脱着させ;
c)工程b)の支持体上にジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)を形成し;
d)少なくとも1タイプのアプタマーを工程c)の支持体上で固定し;そして、
e)工程d)の支持体上のPEG3から未結合のアプタマーを除去し、そうして該支持体のDTSP層に付着したアプタマーを残す;
を含む、前記方法。
【請求項5】
1以上の分析物のためのセンサーを形成するための方法であって、以下の工程:
a)3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)からなる二成分をエタノール溶液中で金表面支持体上に吸着させ;
b)0.5M KOH溶液中で工程a)の支持体からMPAを還元脱着させ、ここでMPAおよびPEG3の相分離した二成分自己組織化単分子膜(SAM)中の吸着したMPAは、該溶液に−1.2Vの電位を30分間かけることにより選択的に還元され;
c)PEG3層を上に有する工程b)の支持体を1mM DSTP溶液中に浸漬してその上にDTSP層を形成し;
d)少なくとも1タイプのアプタマーを工程c)の支持体上で固定し;そして
e)工程d)の支持体上のPEG3からアプタマーを除去し、そうして該支持体のDTSP層に付着したアプタマーを残す;
を含む、前記方法。
【請求項6】
分析物が血液中のタンパク質の糖化形態を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
総血清タンパク質レベルから特定の糖化タンパク質の割合を決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1以上の分析物の検出のためのキットであって、以下:
センサーであって、支持体に二成分自己組織化単分子膜(SAM)連結により連結された1タイプ以上のアプタマーを含み、該二成分SAM連結が該支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有し、
該二成分SAM連結は、以下:
アプタマーと共有結合を形成可能なカルボキシ、アミンまたはアミド部分を含む安定性向上チオール化合物;および
付着したアプタマーの安定性を維持しながらタンパク質の非特異的吸着を阻害することが可能なタンパク質吸着耐性化合物;
を含んでなる、前記センサー;および
該センサーが含まれる少なくとも1個の容器、ここで試料を該容器に添加することができる;
を含む、前記キット。
【請求項9】
1以上の固体支持体、センサーを溶離液から分離するための1以上の分離剤、およびアプタマーを該センサーから分離するための1以上の試薬をさらに含む、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
1タイプ以上のアプタマーを二成分自己組織化単分子膜(SAM)連結に連結する工程が、単一標的部位結合アプタマーおよび非標的タンパク質結合アプタマーを中に有する核酸のプールから単一標的部位結合アプタマーを同定することであって、以下の工程:
a)核酸のプールに単一部位標的タンパク質複合体を添加し、ここで該プール中に存在する単一標的部位結合アプタマーおよび非標的タンパク質結合アプタマーの両方が該単一部位標的タンパク質複合体に結合し、単一標的部位結合アプタマー+非標的タンパク質結合アプタマー+単一部位標的タンパク質複合体を形成し;
b)該単一標的部位結合アプタマー+非標的タンパク質結合アプタマー+単一部位標的タンパク質複合体を該プールから分離し;
c)該単一標的部位結合アプタマーおよび該非標的タンパク質結合アプタマーを該単一部位標的タンパク質複合体から溶離し;
d)前の工程の溶離液に非標的タンパク質複合体を添加し、ここで工程c)の溶離液中に存在する非標的タンパク質結合アプタマーは該非標的タンパク質複合体に結合し、非標的タンパク質結合アプタマー+非標的タンパク質複合体を形成し;
e)該非標的タンパク質結合アプタマー+非標的タンパク質複合体を前の工程の溶離液から分離して該溶離液中の単一標的部位結合アプタマーを残し;そして
f)該単一標的部位結合アプタマーを該溶離液から分離し、場合によりさらに該単一標的部位結合アプタマーを増幅する;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
単一標的部位結合アプタマーを用いてヘモグロビン、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)およびアルブミンの1つに関して選択する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
単一標的部位結合アプタマーがSEQ ID NO:3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15から選択される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記アプタマーがSEQ ID NO:4および5からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項1または12に記載の方法。
【請求項14】
前記アプタマーが、糖の位置における化学的置換、ヌクレオチド間結合における化学的置換、および塩基の位置における化学的置換からなる群から選択される化学修飾を少なくとも1つ含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二成分自己組織化単分子膜(SAM)が、核酸アプタマー分子にコンジュゲートされ、そして糖化ヘモグロビンの領域に特異的に結合することができるポリヌクレオチド配列を含み、該ポリヌクレオチド配列がSEQ ID NO:4および5からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記アプタマーが非糖化ヘモグロビンに結合するものであり、そして該アプタマーがSEQ ID NO:6および7からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記アプタマーが糖化血清アルブミンに結合するものであり、そして該アプタマーがSEQ ID NO:3、8および9からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記アプタマーが、非糖化血清アルブミンに結合するものであり、そして該アプタマーがSEQ ID NO:10、11、12、13、14および15からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
分析物が、ヒトヘモグロビン、ヒト血清アルブミン(HSA)が含まれるアルブミン、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、フィブリノーゲン、および/またはそれらの断片の1以上を含み、該分析物が糖化または非糖化形態である、請求項1〜7および10〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
分析物が、少なくとも1つの第2分析物と異なる半減期を有する少なくとも1つの第1分析物を含み、方法が、該第1および第2分析物を定量化して1以上の期間にわたる該第1および第2分析物のレベルに関する遡及判定を提供することをさらに含む、請求項1〜7および10〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
分析物が、少なくとも1つの第1分析物、少なくとも1つの第2分析物および少なくとも1つの第3分析物を含み、該第1、第2および第3分析物のそれぞれが異なる半減期を有し、方法が、該第1、第2および第3分析物を定量化して1以上の期間にわたる該第1、第2および第3分析物のレベルに関する遡及判定を提供することをさらに含む、請求項1〜7および10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
過去の平均血中分析物レベルのモニタリングにおける使用のための請求項1〜7および10〜21のいずれか1項に記載の方法であって、該方法が以下の工程:請求項1〜7および10〜21のいずれか1項に記載の方法により形成されたセンサーを血液試料と接触させ;該血液中の分析物の糖化形態の量を決定し;そして該血液試料分析物中に糖化形態で存在する該分析物の量を所与の時間フレームに関して対照レベルに関連付ける;を含む、前記方法。
【請求項23】
第1分析物がヘモグロビンからなり、第2分析物がIgMからなり、そして第3分析物がアルブミンからなり;該第1分析物、第2分析物または第3分析物の1以上が糖化形態または非糖化形態で存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
タンパク質の糖化形態の量が表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて決定される、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2012年1月31日に出願された米国仮出願シリアル番号61/593,054の利益を主張し、その全開示は参照により明確に本明細書に援用される。
【0002】
連邦政府により資金提供を受けた研究に関する記載
[0002] 本発明は一切の政府支援なしでなされ、政府は本発明において権利を有しない。
【0003】
配列リスト
[0003] 本出願はEFS−webを介して提出された配列リストを含み、それは参照によりそのまま本明細書に援用される。2013年1月31日に作成されたASCIIコピーは420_53354_SEQ_LIST_D2012−15.txtと名付けられており、大きさは3,888バイトである。
【0004】
技術分野および産業上の利用可能性
[0004] 本発明は、アプタマーで官能化された(functionalized)表面プラズモン共鳴(SPR)センサー、その同じものを作る方法および用いる方法に関する。
【背景技術】
【0005】
[0005] 以下の記述は本開示に関連する情報の要約を提供し、本明細書で提供された情報または参照された刊行物のいずれかが特許請求される発明に対する先行技術であるという容認ではない。
【0006】
[0006] 血液タンパク質の直接検出は、糖尿病における特異的なタンパク質の糖化の比率のモニタリング、薬物研究および環境モニタリングのためのバイオマーカー、癌の診断および処置等におけるようないくつかの科学的および臨床的適用に利益を与えることができる。血液タンパク質に関する現在の臨床および実験室測定技法は、ボロネート親和性免疫アッセイ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析および毛細管に基づくシステムであり、それは時間がかかり、かつ費用がかかる。
【0007】
[0007] より効率的かつ高速応答の測定法は、関連する適用領域に、特にリアルタイム分析が可能な次世代の携帯可能な手持ち式の診断装置の開発に関して大きく利益を与え、その領域を増進することができるであろう。近年では、いくつかの光学に基づく診断技法、例えば近赤外分光法、旋光分析、光干渉断層撮影、表面プラズモン共鳴(SPR)、ラマンおよび蛍光分光法が血液構成要素をモニタリングするために研究されている。しかし、これらの光学的方法の多くは、研究している試料中に存在し得る混乱させる(confounding)物質の作用により、それらの有用性が限られている。
【0008】
[0008] 高い特異性で標的分子に結合することができる核酸分子のインビトロ選択のための1つの方法は一般にSELEX(指数関数的増幅によるリガンドの系統的進化)として知られており、“Nucleic Acid Ligands”と題された米国特許第5,475,096号および“Nucleic Acid Ligands”と題された米国特許第5,270,163号において記述されており、そのそれぞれは参照により具体的に本明細書に援用される。
【0009】
[0009] 現在用いられているSELEXプロセスは有用であるが、より選択性の高いアプタマーの選択をインビトロでの選択技法から生み出すことを可能とする改善されたプロセスが常に必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,475,096号
【特許文献2】米国特許第5,270,163号
【発明の概要】
【0011】
[0010] 1つの広い観点において、本明細書において、支持体に連結されたアミン末端または同様のものを有するアプタマープローブを含む、標的実体(entity)の存在を検出するためのセンサーが提供され、ここで、そのセンサーがエネルギー源により励起された際、以下のどちらかであり:i)その標的実体およびそのアプタマープローブの間の特異的な相互作用の非存在下ではベースラインシグナルが発せられ;またはii)その標的実体およびそのアプタマープローブの間の特異的な相互作用の存在下では検出シグナルが発せられ、ここでそのベースラインシグナルはその検出シグナルとは異なり、それによりその標的実体の選択的存在が検出される。
【0012】
[0011] 特定の態様において、そのアプタマープローブにはその標的実体と特異的に相互作用するヌクレオチド配列が含まれる。
[0012] 特定の態様において、その標的実体は、大きな生体分子、小さな生体分子、有機分子、小分子、核酸、金属イオン、タンパク質、酵素、ペプチド、薬物、色素、癌細胞、ウイルス、ホルモン、または微生物の1以上である。特定の態様において、そのタンパク質は血液タンパク質である。
【0013】
[0013] 特定の態様において、そのアプタマープローブはアプタマーおよび結合したアミン部分を含む。
[0014] 特定の態様において、そのアプタマープローブにはその支持体およびそのアミン部分の間のSAMリンカーが含まれる。
【0014】
[0015] 特定の態様において、そのアミン末端アプタマープローブは3−メルカプトプロピオン酸(MPA)によりその支持体に連結されている。
[0016] 特定の態様において、そのセンサーはそのリンカーの特性に基づいてpM〜nMの検出が可能である調整可能な検出可能範囲を有する。
【0015】
[0017] 広い観点において、本明細書において、以下の工程を含む、標的実体が試料中に存在するかどうかを決定する方法が提供される:i)その試料を本明細書で記述されるようなセンサーと接触させ;ii)そのセンサーをエネルギー源により励起し;そしてiii)発せられたシグナルの強度を決定し、それによりその標的実体がその試料中に存在するかどうかを決定する。
【0016】
[0018] 特定の態様において、そのエネルギー源は表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて測定される。
[0019] 特定の態様において、その方法は1分未満の応答時間を有する。特定の態様において、その方法はおよそ周囲温度において1分未満の応答時間を有する。
【0017】
[0020] 別の広い観点において、本明細書において、本明細書で記述されるようなセンサーおよびそのセンサーを含有する少なくとも1個の容器を含む標的実体の検出のためのキットが提供され、ここで試料をその容器に添加することができる。
【0018】
[0021] 別の広い観点において、本明細書において、以下の工程を含む、センサーを作るための方法が提供される:i)自己組織化単分子膜(self−assembled monolayer)(SAM)リンカーを支持体に固定し;そしてii)アミン末端アプタマーをそのSAMリンカーに固定する。
【0019】
[0022] 別の広い観点において、本明細書において、以下の工程を含む、センサーを作るための方法が提供される:i)支持体を自己組織化単分子膜(SAM)リンカーを用いて官能化し;ii)工程i)の官能化された支持体を、アミン部分がそのSAMリンカー上に固定されるのに十分なアミン部分を有する組成物に曝露し;iii)工程ii)のアミンで官能化された支持体を、アプタマーがそのアミン部分上で固定されるのに十分な少なくとも1種類のアプタマーに曝露し;iv)場合により、非特異的に固定されたアプタマーを除去し;そしてv)工程iii)またはiv)のアミン末端アプタマーで官能化された支持体を、そのアミン部分により活性化された占有されていないSAM部位をブロッキングするのに十分なブロッキング剤に曝露する。
【0020】
[0023] 特定の態様において、そのアミン部分を有する組成物は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)の1以上にカップリングされている。
【0021】
[0024] 別の観点において、本明細書において、本明細書で記述されるようなセンサー用いて血液タンパク質を検出するための方法が提供される。
[0025] 別の観点において、本明細書において、糖尿病療法指導における適用のための糖化タンパク質の超高感度かつ選択的な検出および測定のための方法が提供される。1つの特定の態様において、その方法には表面プラズモン共鳴分光法の使用が含まれる。
【0022】
[0026] 別の態様において、この官能化法はラマンおよび蛍光分光法が含まれる他の感知様式に適用可能であり、既存のモニタリング技術の性能をさらに向上させるために用いることができる。
【0023】
[0027] 別の観点において、本明細書において、血液タンパク質の特定の糖化形態を標的とするアプタマーのインビトロ選択を最適化するための方法が提供される。1態様において、感度および選択性を標的特性に基づいて最適化するために表面官能化法が用いられる。
【0024】
[0028] 別の観点において、本明細書において、研究している試料中に存在し得る混乱させる物質の作用をさらに低減するための方法が提供される。
[0029] さらに別の観点において、本明細書において、既存の大規模臨床計測手段と類似の性能を達成することができる、頑強、低費用、かつ携帯式の感知プラットフォームが提供される。加えて、その統合されたプラットフォームは、インスリン依存性糖尿病療法へのコンプライアンスを評価することができる診断装置において有用である。その統合されたプラットフォームは、医師の診療室において、または家庭環境においてのどちらでも用いることができる低費用な手持ち式の装置を可能にする。その統合されたプラットフォームは収集されたデータの即時分析も提供し、そうして介護者および/または患者がその患者の長期グルコース調節コンプライアンスを評価することを可能にする。
【0025】
[0030] 別の広い観点において、本明細書において、少なくとも1ラウンドの指数関数的増幅(exponential)によるリガンドの系統的進化(SELEX)濃縮(enrichment)プロトコルにおいて非標的候補(例えば非糖化候補)を導入し、そして少なくとも1回の第2ラウンドのSELEXプロトコルにおいてその非標的候補を導入して糖化および非糖化タンパク質形態の両方に対する親和性を有するアプタマー候補を除去することを含む、定められた部位(例えば糖化タンパク質部位)に対して標的化されたアプタマーを同定するための方法が提供される。
【0026】
[0031] 別の広い観点において、本明細書において、所望の連結間隔および/または連結長を有する連結を用いる二成分自己組織化単分子膜(SAM)形成プロセスを用いることを含む、感度および/または選択性を標的および/またはアプタマー特性に基づいて最適化するための表面官能化法が提供され、ここでその連結間隔および/または連結長の少なくとも一方は、表面プラズモン共鳴(SPR)の感度および選択性を標的および/またはアプタマー特性に基づいて最適化するように選択される。
【0027】
[0032] 別の観点において、本明細書において、1タイプ以上のアプタマーを自己組織化単分子膜(SAM)連結を有する支持体に連結することを含む、1種類以上の分析物に関するセンサーの感度および/または選択性を最適化するための方法が提供され、そのSAM連結はその支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有する。その所望の連結間隔および/または連結長は、表面プラズモン共鳴(SPR)、ラマン分光法、または蛍光分光法の感度および選択性の少なくとも1つを分析物および/またはアプタマーの特性に基づいて最適化するように選択することができる。
【0028】
[0033] 特定の態様において、そのSAM連結の少なくとも1つの充填密度および/または長さは表面プラズモン共鳴(SPR)シグナルに影響を及ぼす。
[0034] 特定の態様において、連結は二成分SAMおよび還元脱着プロセスによる。
【0029】
[0035] 特定の態様において、その脱着プロセスは、その支持体の官能化された表面をタンパク質吸着に耐性の物質に曝露してタンパク質のその官能化された支持体上での非特異的な吸着を防ぐことを含む。
【0030】
[0036] 特定の態様において、そのタンパク質吸着耐性物質は(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を含む。
[0037] 特定の態様において、そのSAM連結はチオールSAM固定法を用いることを含み、ここでチオール化合物はそのアプタマーと安定な結合を形成することができるカルボキシ部分を有する。
【0031】
[0038] 特定の態様において、そのチオール化合物はジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)を含む。
[0039] 特定の態様において、そのSAM連結はジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を用いて形成され、ここでPEG3はタンパク質の非特異的吸着を防ぎ、ここでDTSP上のカルボキシル部分はそのアプタマーと安定な結合を形成する。
【0032】
[0040] 特定の態様において、二成分SAMチオール溶液がそのSAM連結において用いられる。
[0041] 特定の態様において、その二成分SAMチオール溶液は、3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)の1mMエタノール溶液をその二成分SAMの総濃度を約1mMで維持しながら混合することにより調製される。
【0033】
[0042] 特定の態様において、MPAおよびPEG3は約20:80、約50:50または約80:20の比率で存在する。
[0043] 特定の態様において、その方法はさらに、還元脱着によりMPAを排除してPEG3を未変化(intact)のままにし、そしてジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)をそのアプタマー上のアミノ基と共有結合させることを含み、ここでそのアプタマーはDTSPにのみ結合し、ここで一方でPEG3は結合を一切形成しない。
【0034】
[0044] 特定の態様において、そのアプタマーはそのMPA上に固定されることができるアミン修飾アプタマーを含む。
[0045] 特定の態様において、その表面は約5nM〜約1000nMの範囲の最適な動力(dynamic)を有する。
【0035】
[0046] 特定の態様において、そのセンサーには混合された長さのスペーサー層が含まれる。
[0047] 特定の態様において、その混合された長さの層は3−メルカプトプロピオン酸(MPA)と組み合わせられた11−メルカプトウンデカン酸(MUA)を含む。
【0036】
[0048] 特定の態様において、その表面に直接結合して自己組織化単分子膜(SAM)を形成することができる水溶性チオール含有アミノ酸が用いられる。特定の態様において、そのアミノ酸はシステインを含む。
【0037】
[0049] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、1種類以上の分析物のためのセンサーを形成するための方法が提供される:3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)からなる二成分を支持体上に吸着させ;工程a)の支持体からMPAを還元脱着させ;工程b)の支持体をDTSP溶液中に浸漬してその支持体上にDTSP層を形成し;少なくとも1タイプのアプタマーを工程c)の支持体上で固定し;そして、工程d)の支持体上のPEG3から未結合のアプタマーを除去し、そうしてその支持体のDTSP層に付着したアプタマーを残す。
【0038】
[0050] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、1種類以上の分析物のためのセンサーを形成するための方法が提供される:3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)からなる二成分をエタノール溶液中で金表面支持体上に吸着させ;0.5M KOH溶液中でその支持体からMPAを還元脱着させ、ここでMPAおよびPEG3の相分離した二成分自己組織化単分子膜(SAM)中の吸着したMPAは、その溶液に−1.2Vの電位を30分間かけることにより選択的に還元され;その上にPEG3層を有する支持体を1mM DSTP溶液中に浸漬してその上にDTSP層を形成し;少なくとも1タイプのアプタマーをその支持体上で固定し;そしてその支持体上のPEG3からアプタマーを除去し、そうしてその支持体のDTSP層に付着したアプタマーを残す。
【0039】
[0051] 特定の態様において、その支持体は金表面を有する。
[0052] 特定の態様において、その分析物は血液または血清中のタンパク質の糖化形態を含む。
【0040】
[0053] 特定の態様において、その方法は、総血清タンパク質レベルから特定の糖化タンパク質の割合を決定することを含む。
[0054] 特定の態様において、その分析物は、ヒトヘモグロビン、ヒト血清アルブミン(HSA)が含まれるアルブミン、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、フィブリノーゲン、および/またはその断片の1以上の非糖化および/または糖化形態を含む。
【0041】
[0055] 特定の態様において、その分析物は少なくとも1種類の第2分析物と異なる半減期を有する少なくとも1種類の第1分析物を含み、その方法はさらに、その第1および第2分析物を定量化して1以上の期間にわたるその第1および第2分析物のレベルに関する遡及判定を提供することを含む。
【0042】
[0056] 特定の態様において、その第1分析物はヘモグロビンを含み、その第2分析物はIgMを含む。
[0057] 特定の態様において、その分析物は少なくとも1種類の第1分析物、少なくとも1種類の第2分析物および少なくとも1種類の第3分析物を含み、その第1、第2および第3分析物のそれぞれは異なる半減期を有し、その方法はさらに、その第1、第2および第3分析物を定量化して1以上の期間にわたるその第1、第2および第3分析物のレベルに関する遡及判定を提供することを含む。
【0043】
[0058] 特定の態様において、その第1分析物はヘモグロビンを含み、その第2分析物はIgMを含み、その第3分析物はアルブミンを含む。
[0059] 特定の態様において、その方法は過去の平均グルコースレベルをモニタリングするために有用であり、その方法は以下の工程を含む:本明細書で記述される方法により形成されたセンサーを血液試料と接触させ;その血液中のそのタンパク質の糖化形態の量を決定し;そしてその血液試料中に糖化形態で存在するそのタンパク質の量を、所与の時間フレームに関して対照グルコースレベルに関連付ける。
【0044】
[0060] 特定の態様において、そのタンパク質の糖化形態の量は、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて決定される。
[0061] 別の観点において、本明細書において、1種類以上の分析物の存在を決定するためのセンサーが提供され、ここでそのセンサーは本明細書で記述される方法のいずれか1つにより形成される。
【0045】
[0062] 特定の態様において、そのアプタマーには特定の分析物と相互作用することができるヌクレオチド配列が含まれる。
[0063] 特定の態様において、そのセンサーは、大きな生体分子、小さな生体分子、有機分子、小分子、核酸、金属イオン、タンパク質、酵素、ペプチド、薬物、色素、癌細胞、ウイルス、ホルモン、または微生物から選択される1種類以上の分析物と相互作用することができる。
【0046】
[0064] 特定の態様において、その分析物は、生物学的試料、環境試料、化学的試料、薬学的試料、食品試料、農業試料、および獣医学的試料の1以上である。
[0065] 特定の態様において、そのタンパク質は血液タンパク質である。
【0047】
[0066] 特定の態様において、そのセンサーはそのリンカーの特性に基づいてpM〜nMの検出が可能である調整可能な検出可能範囲を有する。
[0067] 特定の態様において、そのセンサーは1分未満の応答時間を有する。
【0048】
[0068] 特定の態様において、そのセンサーはおよそ室温において1分未満の応答時間を有する。
[0069] 別の観点において、本明細書において、本明細書で記述されるようなセンサーおよびそのセンサーを含有する少なくとも1個の容器を含む、1種類以上の分析物の検出のためのキットが提供され、ここで試料をその容器に添加することができる。
【0049】
[0070] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、試料中に存在し得る少なくとも1種類の混乱させる物質の作用を低減するための方法が提供される:その混乱させる物質の非特異的吸着を実質的に低減する/防ぐために十分な1以上の親水性の基をその支持体上の非結合部位において組み込み、アプタマーをその支持体に自己組織化単分子膜(SAM)連結を用いて連結し、そのSAM連結はその支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有し、そしてSPRセンサーにより通常のSPR検出限界を超える分離距離においてアプタマー結合応答を検出する。
【0050】
[0071] 本明細書において、表面プラズモン共鳴(SPR)分光法およびカスタム開発したアプタマーに基づく官能化されたセンサー表面を用いて試験環境中の1種類以上の標的分子またはその断片を検出および/または定量化する方法も記述する。その方法は、ヘモグロビンの半減期より短い半減期を有する標的分子が含まれるがそれらに限定されない大きな範囲の半減期を有するそのような分子の検出および/または測定を可能にする。さらに、その方法は、蛍光色素または光架橋のようなタグまたは標識を用いずに実施することができる。その方法はまた、低い試料消費を有し、速い応答時間(一般に数秒)を提供し、これはそれを糖血症のコンプライアンスの評価における適用に関して有用なものにする。
【0051】
[0072] 別の観点において、本明細書において、自己組織化単分子膜(SAM)連結により支持体に連結された1タイプ以上のアプタマーを含むセンサーであって、そのSAM連結がその支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有し、その所望の連結間隔および/または連結長は表面プラズモン共鳴(SPR)、ラマン分光法、または蛍光分光法の感度および選択性を分析物および/またはアプタマーの特性に基づいて最適化するように選択されているセンサーが提供される。
【0052】
[0073] 特定の態様において、そのSAM連結の少なくとも1つの充填密度および/または長さは表面プラズモン共鳴(SPR)シグナルに影響を及ぼす。
[0074] 特定の態様において、その連結は二成分SAMおよび還元脱着プロセスによる。
【0053】
[0075] 特定の態様において、その支持体の官能化された表面は、タンパク質のその官能化された表面上での非特異的な吸着を防ぐために十分なタンパク質吸着に耐性の物質に曝露させてある。
【0054】
[0076] 特定の態様において、そのタンパク質吸着耐性物質は(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を含む。
[0077] そのSAM連結は、そのアプタマーと安定な結合を形成することができるカルボキシ部分を有するチオール化合物を含む。
【0055】
[0078] 特定の態様において、そのチオール化合物はジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)を含む。
[0079] 特定の態様において、そのSAM連結はジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を用いて形成され、ここでPEG3はタンパク質の非特異的吸着を防ぎ、ここでDTSP上のカルボキシル部分はそのアプタマーと安定な結合を形成する。
【0056】
[0080] 特定の態様において、二成分SAMチオール溶液がそのSAM連結において用いられる。
[0081] 特定の態様において、その二成分SAMチオール溶液は、3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)の1mMエタノール溶液をその二成分SAMの総濃度を約1mMで維持しながら混合することにより調製される。
【0057】
[0082] 特定の態様において、MPAおよびPEG3は約20:80、約50:50または約80:20の比率で存在する。
[0083] 特定の態様において、そのMPAが還元脱着により排除されてPEG3が未変化のままになっており;そしてジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)がそのアプタマー上のアミノ基と結合しており、そしてPEG3は結合を一切形成しない。
【0058】
[0084] 特定の態様において、そのアプタマーは3−メルカプトプロピオン酸(MPA)上に固定されることができるアミン修飾アプタマーを含む。
[0085] 特定の態様において、その表面は約5nM〜約1000nMの範囲の最適な動力を有する。
【0059】
[0086] 特定の態様において、そのセンサーには混合された長さのスペーサー層が含まれる。
[0087] 特定の態様において、その混合された長さの層は3−メルカプトプロピオン酸(MPA)と組み合わせられた11−メルカプトウンデカン酸(MUA)を含む。
【0060】
[0088] 特定の態様において、そのSAM連結はその支持体の表面に直接結合することができる水溶性チオール含有アミノ酸を含む。
[0089] 特定の態様において、そのアミノ酸はシステインを含む。
【0061】
[0090] 別の観点において、本明細書において、少なくともその支持体の表面が金であるセンサーが提供される。
[0091] 特定の態様において、そのセンサーは血液中のタンパク質の糖化形態からなる分析物を感知するために設計されている。
【0062】
[0092] 特定の態様において、そのセンサーは総血清タンパク質レベルから特定の糖化タンパク質の割合を決定するために設計されている。
[0093] 特定の態様において、その分析物はヒトヘモグロビン、ヒト血清アルブミン(HSA)が含まれるアルブミン、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、フィブリノーゲン、および/またはその断片の1以上を含み、その分析物は糖化および/または非糖化形態である。
【0063】
[0094] 特定の態様において、その分析物は少なくとも1種類の第2分析物と異なる半減期を有する少なくとも1種類の第1分析物を含む。
[0095] 特定の態様において、その第1分析物はヘモグロビンからなり、その第2分析物は免疫グロブリンM(IgM)からなり;そして、ここでその第1分析物または第2分析物のいずれかが糖化または非糖化形態で存在する。
【0064】
[0096] 特定の態様において、その分析物は少なくとも1種類の第1分析物、少なくとも1種類の第2分析物および少なくとも1種類の第3分析物を含み、その第1、第2および第3分析物のそれぞれは異なる半減期を有する。
【0065】
[0097] 特定の態様において、その第1分析物はヘモグロビンからなり、その第2分析物はIgMからなり、その第3分析物はアルブミンからなり;ここでその第1分析物、第2分析物または第3分析物の1以上は糖化または非糖化形態で存在する。
【0066】
[0098] 別の観点において、本明細書において、以下の工程により過去の平均血中分析物レベルをモニタリングするための本明細書で記述されるセンサーのいずれか1つの使用が提供される:本明細書で記述される方法により形成されたセンサーを血液試料と接触させ;その血液中のその分析物の糖化形態の量を決定し;そしてその血液試料分析物中に糖化形態で存在するその分析物の量を、所与の時間フレームに関して対照レベルに関連付ける。
【0067】
[0099] 特定の態様において、そのタンパク質の糖化形態の量は、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて決定される。
[00100] 特定の態様において、そのアプタマーには特定の分析物と相互作用することができるヌクレオチド配列が含まれる。
【0068】
[00101] 特定の態様において、そのセンサーは、大きな生体分子、小さな生体分子、有機分子、小分子、核酸、金属イオン、タンパク質、酵素、ペプチド、薬物、色素、癌細胞、ウイルス、ホルモン、または微生物から選択される1種類以上の分析物と相互作用することができる。
【0069】
[00102] 特定の態様において、その分析物は、生物学的試料、環境試料、化学的試料、薬学的試料、食品試料、農業試料、および獣医学的試料の1以上である。
[00103] 特定の態様において、その分析物は血液タンパク質である。
【0070】
[00104] 特定の態様において、そのセンサーはそのリンカーの特性に基づいてpM〜nMの検出が可能である調整可能な検出可能範囲を有する。
[00105] 特定の態様において、そのセンサーは1分未満の応答時間を有する。
【0071】
[00106] 特定の態様において、そのセンサーはおよそ室温において1分未満の応答時間を有する。
[00107] 特定の態様において、そのセンサーにはアプタマーが含まれ、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15のいずれか1つの配列全体に対して少なくとも70%の同一性を有するDNA配列を含む。
【0072】
[00108] 別の観点において、本明細書において、本明細書で記述されるセンサーのいずれか1つ以上およびそのセンサーが含まれる少なくとも1個の容器を含む1種類以上の分析物の検出のためのキットが提供され、ここで試料をその容器に添加することができる。
【0073】
[00109] 特定の態様において、そのキットはさらに、1個以上の固体支持体、そのセンサーを溶離液から分離するための1種類以上の分離剤、およびアプタマーをそのセンサーから分離するための1種類以上の試薬を含む。
【0074】
[00110] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、その中に単一標的部位結合アプタマーおよび非標的タンパク質結合アプタマーを有する核酸のプールから単一標的部位結合アプタマーを同定する方法が提供される:
a)核酸のプールに単一部位標的タンパク質複合体を添加し、ここでそのプール中に存在する単一標的部位結合アプタマーおよび非標的タンパク質結合アプタマーの両方がその単一部位標的タンパク質複合体に結合し、単一標的部位結合アプタマー+非標的タンパク質結合アプタマー+単一部位標的タンパク質複合体を形成し;
b)その単一標的部位結合アプタマー+非標的タンパク質結合アプタマー+単一部位標的タンパク質複合体をそのプールから分離し;
c)その単一標的部位結合アプタマーおよびその非標的タンパク質結合アプタマーをその単一部位標的タンパク質複合体から溶離し;
d)前の工程の溶離液に非標的タンパク質複合体を添加し、ここで工程c)の溶離液中に存在する非標的タンパク質結合アプタマーはその非標的タンパク質複合体に結合し、非標的タンパク質結合アプタマー+非標的タンパク質複合体を形成し;
e)その非標的タンパク質結合アプタマー+非標的タンパク質複合体を前の工程の溶離液から分離してその溶離液中の単一標的部位結合アプタマーを残し;そして、
f)その単一標的部位結合アプタマーをその溶離液から分離し、場合によりさらにその単一標的部位結合アプタマーを増幅する。
【0075】
[00111] 特定の態様において、その単一標的部位結合アプタマーを用いて、ヘモグロビン、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)およびアルブミンの1つに関して選択する。
【0076】
[00112] 特定の態様において、その単一標的部位結合アプタマーはSEQ ID NO:3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15から選択される。
【0077】
[00113] 特定の態様において、その単一部位標的タンパク質は固体支持体上に固定されている。
[00114] 特定の態様において、その非標的タンパク質複合体は固体支持体上に固定されている。
【0078】
[00115] 特定の態様において、その固体支持体は磁性ビーズ、クロマトグラフィー用マトリックス、マイクロタイターディッシュまたはアレイを含む。
[00116] 別の観点において、本明細書において、糖化ヘモグロビンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:4および5からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0079】
[00117] 特定の態様において、その糖化ヘモグロビンはヒトヘモグロビンである。
[00118] 特定の態様において、そのアプタマーは100nM以下のヒトヘモグロビンに関する解離定数を有する。
【0080】
[00119] 別の観点において、本明細書において、糖化ヘモグロビンに結合する本明細書で記述されるアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:4および5からなる群から選択される核酸配列ならびに5’リンカーおよび3’リンカーの1以上を含む。
【0081】
[00120] 特定の態様において、そのリンカーは自己組織化単分子膜(SAM)である。
[00121] 別の観点において、本明細書において、SEQ ID NO:4および5のいずれか1つの配列全体に対して少なくとも70%の同一性を有し、ヒト糖化ヘモグロビンに結合するアプタマーが提供される。
【0082】
[00122] 別の観点において、本明細書において、糖化ヘモグロビンのある領域に特異的に結合することができるポリヌクレオチド配列を含む核酸アプタマー分子にコンジュゲートされた自己組織化単分子膜(SAM)を含む物質の組成物が提供され、ここでそのポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:4および5からなる群から選択される。
【0083】
[00123] 別の観点において、本明細書において、非糖化ヘモグロビンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:6および7からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0084】
[00124] 特定の態様において、その非糖化ヘモグロビンはヒトヘモグロビンである。
[00125] 特定の態様において、そのアプタマーは100nM以下のヒトヘモグロビンに関する解離定数を有する。
【0085】
[00126] 別の観点において、本明細書において、非糖化ヘモグロビンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:6および7からなる群から選択される核酸配列ならびに5’リンカーおよび3’リンカーの1以上を含む。
【0086】
[00127] 特定の態様において、そのリンカーは自己組織化単分子膜(SAM)である。
[00128] 別の観点において、本明細書において、SEQ ID NO:6および7のいずれか1つの配列全体に対して少なくとも70%の同一性を有し、ヒト非糖化ヘモグロビンに結合するアプタマーが提供される。
【0087】
[00129] 別の観点において、本明細書において、非糖化ヘモグロビンのある領域に特異的に結合することができるポリヌクレオチド配列を含む核酸アプタマー分子にコンジュゲートされた自己組織化単分子膜(SAM)を含む物質の組成物が提供され、ここでそのポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:6および7からなる群から選択される。
【0088】
[00130] 別の観点において、本明細書において、糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:3、8および9からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0089】
[00131] 特定の態様において、その糖化血清アルブミンはヒト糖化血清アルブミンである。
[00132] 特定の態様において、そのアプタマーは100nM以下のヒト糖化血清アルブミンに関する解離定数を有する。
【0090】
[00133] 別の観点において、本明細書において、糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:3、8および9からなる群から選択される核酸配列ならびに5’リンカーおよび3’リンカーの1以上を含む。
【0091】
[00134] 特定の態様において、そのリンカーは自己組織化単分子膜(SAM)である。
[00135] 別の観点において、本明細書において、SEQ ID NO:3、8および9のいずれか1つの配列全体に対して少なくとも70%の同一性を有し、ヒト糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供される。
【0092】
[00136] 別の観点において、本明細書において、糖化血清アルブミンのある領域に特異的に結合することができるポリヌクレオチド配列を含む核酸アプタマー分子にコンジュゲートされた自己組織化単分子膜(SAM)を含む物質の組成物が提供され、ここでそのポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:3、8および9からなる群から選択される。
【0093】
[00137] 別の観点において、本明細書において、非糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:10、11、12、13、14および15からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0094】
[00138] 特定の態様において、その非糖化血清アルブミンはヒト非糖化血清アルブミンである。
[00139] 特定の態様において、そのアプタマーは100nM以下のヒト非糖化血清アルブミンに関する解離定数を有する。
【0095】
[00140] 別の観点において、本明細書において、非糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供され、ここでそのアプタマーはSEQ ID NO:10、11、12、13、14および15からなる群から選択される核酸配列ならびに5’リンカーおよび3’リンカーの1以上を含む。
【0096】
[00141] 特定の態様において、そのリンカーは自己組織化単分子膜(SAM)である。
[00142] 別の観点において、本明細書において、SEQ ID NO:10、11、12、13、14および15のいずれか1つの配列全体に対して少なくとも70%の同一性を有し、ヒト非糖化血清アルブミンに結合するアプタマーが提供される。
【0097】
[00143] 別の観点において、本明細書において、非糖化血清アルブミンのある領域に特異的に結合することができるポリヌクレオチド配列を含む核酸アプタマー分子にコンジュゲートされた自己組織化単分子膜(SAM)を含む物質の組成物が提供され、ここでそのポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:10、11、12、13、14および15からなる群から選択される。
【0098】
[00144] 特定の態様において、そのアプタマーは少なくとも1個の化学修飾を含む。
[00145] 特定の態様において、その修飾は、糖の位置における化学的置換、ヌクレオチド間結合における化学的置換、および塩基の位置における化学的置換からなる群から選択される。
【0099】
[00146] 別の観点において、本明細書において、有効量の本明細書で記述されるアプタマー、またはその塩、およびそのための支持体を含む試験試薬が提供される。
[00147] 別の観点において、本明細書において、少なくとも1種類の本明細書で記述されるようなアプタマーを含むキットが提供される。
【0100】
[00148] 特定の態様において、そのアプタマーはPEG化されている。
[00149] 特定の態様において、そのPEG化されたアプタマー分子には(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)が含まれる。
【0101】
[00150] 特定の態様において、そのSAM連結はジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を用いて形成される。
【0102】
[00151] 特定の態様において、そのアプタマーは少なくとも1個の化学修飾を含む。
[00152] 特定の態様において、その修飾は、糖の位置における化学的置換、ヌクレオチド間結合における化学的置換、および塩基の位置における化学的置換からなる群から選択される。
【0103】
[00153] 有効量の1種類以上の本明細書で記述されるアプタマーまたはその塩、およびそのための支持体を含む試験試薬。
[00154] 1種類以上の本明細書で記述されるアプタマーを含むキット。
【0104】
[00155] 別の観点において、本明細書において、SEQ ID NO:3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15からなる群から選択される精製および単離された非天然存在DNA配列が提供される。
【0105】
[00156] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、試料中に存在し得る少なくとも1種類の混乱させる物質の作用を低減するための方法が提供される:a)その混乱させる物質の非特異的吸着を実質的に低減する/防ぐために十分な1以上の親水性の基をその支持体上の非結合部位において組み込み、b)アプタマーをその支持体に自己組織化単分子膜(SAM)連結を用いて連結し、そのSAM連結はその支持体上に官能化された表面を形成するための所望の連結間隔および/または連結長を有し、そしてc)SPRセンサーにより通常のSPR検出限界を超える分離距離においてアプタマー結合応答を検出する。
【0106】
[00157] 本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な記述を吟味すれば当業者には明らかであり、または明らかになるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点はこの記述の範囲内に含まれ、本発明の範囲内であり、そして添付の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【0107】
[00158] 本特許または出願書類は、1個以上のカラーで作成された図面および/または1個以上の写真を含んでいてよい。カラーの図面(単数または複数)および/または写真(単数または複数)を有するこの特許または特許出願刊行物のコピーは、請求および必要な料金の支払いに応じて特許庁により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1】[00159] 図1:感知表面官能化法の模式図。
図2】[00160] 図2:5mM Fe(CN)3−/Fe(CN)4− (カラムA)むき出しの(Bare)Au;(カラムB)Au/MPA/EDC−NHS/EA/PPA;(カラムC)Au/MPA/EDC−NHS/EA/PPA/APT1を含有する100mM PB溶液(pH7.2)中で得られたインピーダンススペクトルのナイキストプロット。右のプロットはそれぞれの層の(Ret)を示す。インピーダンススペクトルは0.1Hzから100kHzまでの周波数範囲において5mV rmsの電位振幅で10倍あたり10点(10 points per decade)で集められた。
図3】[00161] 図3:磁性ビーズカップリング法によるmolでのアプタマー/トロンビン結合比を示すグラフ。
図4】[00162] 図4:むき出しのAuおよびアプタマーで修飾されたセンサーのSPR応答を示すグラフ。全てのデータの点は3つの実験データの読み取りから平均された。試料はトロンビンのみ(上のプロット)および400nM BSAを伴うトロンビン(下のプロット)であった。はめ込みプロットは、より低い濃度でのよりよい可視化を可能にするために対数スケールでプロットされた同じデータである。
図5】[00163] 図5:400nM BSA(BSA群)、500nMトロンビン(トロンビン群)、および400nM BSAを伴う500nMトロンビン(トロンビン+BSA群)に関する異なる感知表面のSPR応答を示すグラフ。エラーバーは、3つの新しく調製された試料から決定された値の標準偏差を表す。
図6】[00164] 図6:400nM BSAを伴う、および伴わない50nM、250nM、500nMトロンビンに関する異なる感知表面のSPR応答を示すグラフ、上の軸(APT1)、下の軸(APT2);下の軸のゼロの位置は、重なり合っているであろうデータの点をよりよく識別するために意図的にシフトさせてある。
図7】[00165] 図7:励起された表面プラズモンの模式図。
図8a】[00166] 図8a:クレッチマン配置でのSPRの模式図。
図8b】[00167] 図8b:屈折率の変化による共鳴角のシフトの模式図。
図9】[00168] 図9:HbA1cのSPR感知表面に付着したSAM表面上に固定されたアプタマーとの結合の模式図(上);および、屈折率の変化による共鳴角のシフトの模式図(下)。
図10】[00169] 図10:異なる糖化レベルのHSAに関するSPR応答を示すグラフ(%パーセント比;糖化/総タンパク質)。注釈:それぞれの試料の総タンパク質濃度は、1μg/mL総タンパク質のレベルで一定である。(緑)アプタマーで官能化された表面、(赤)むき出しのAu表面。
図11】[00170] 図11a〜11e:DTSP−PEG3二成分SAM形成に関する還元脱着の模式図:(図11a)MPAおよびPEG3のAu上での同時吸着;(図11b)MPAの還元脱着;(図11c)DTSPの吸着;(図11d)アプタマーの固定;および、(図11e)PEG3からのアプタマーの除去。
図12】[00171] 図12:SELEXプロセスに関するMB対抗選択の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0109】
[00172] この開示全体を通して、様々な刊行物、特許および公開された特許明細書は同定する引用により参照される。これらの刊行物、特許および公開された特許明細書の開示は、この発明が属する技術分野の技術水準をより完全に記述するために、本開示中に参照により本明細書に援用される。
【0110】
[00173] 定義
[00174] この明細書において引用される全ての刊行物、公開された特許文書、および特許出願は、本発明が属する技術分野(単数または複数)における技術のレベルを示している。本明細書で引用される全ての刊行物、公開された特許文書、および特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、公開された特許文書、または特許出願が具体的に、かつ個別に参照により援用されることが示されたのと同程度まで参照により本明細書に援用される。
【0111】
[00175] 特許請求の範囲を含め、この明細書で用いられる際、単数形“a”、“an”、および“the”には、内容が明確に別途指示しない限り、複数の言及も含まれ、“少なくとも1”および“1以上”と互換的に用いられている。すなわち、“アプタマー(単数)”への言及にはアプタマー(複数)の混合物が含まれ、“核酸(複数)”への言及には核酸(複数)の混合物が含まれる、等。
【0112】
[00176] 本明細書で用いられる際、用語“約”は、数値が関連する項目の基本的な機能が変わらないような、数値の重要でない修正または変動を表す。
[00177] 本明細書で用いられる際、用語“含む(comprises)”、“含むこと(comprising)”、“含まれる(includes)”、“含まれること(including)”、“含有する(contains)”、“含有すること(containing)”、およびそれらのあらゆる変形は非排他的な包含を含むことが意図されており、従って、要素もしくは要素のリストを含む、要素もしくは要素のリストが含まれる、または要素もしくは要素のリストを含有する問題のプロセス、方法、プロダクトバイプロセス、または組成物には、それらの要素のみが含まれるのでなく、問題のそのようなプロセス、方法、プロダクトバイプロセス、または組成物に明確に列挙されていない、または本来備わっていない他の要素も含まれてよい。
【0113】
[00178] 用語“アプタマー”は、本明細書で用いられる際、特定の標的実体に結合することができるオリゴ核酸またはペプチド分子を示す。一般に、アプタマーは、小分子、例えば薬物および色素から複雑な生物学的分子、例えば酵素、ペプチド、およびタンパク質までに及ぶ様々な標的化合物に関するそれらの高い親和性および選択性のため、抗体模倣物の役目を果たすことができる人工オリゴヌクレオチドである。特定の標的化合物に関するカスタムアプタマーを、指数関数的増幅によるリガンドの系統的進化(SELEX)と呼ばれるインビトロの反復プロセスにより、ランダムオリゴヌクレオチドライブラリーから同定することができる。SELEXプロセスの例に関して、参照によりそのまま本明細書に援用される米国特許第5,270,163号;第5,475,096号;および第5,567,588号を参照。
【0114】
[00179] アプタマーは、抗体と類似して、それらの標的化合物に特異的な受容体の役目を果たす3D構造を形成することができる。アプタマーは、広い範囲のpHおよび塩濃度に対する許容性、熱安定性、合成の容易さ、および費用効率のような、抗体を超えるいくつかの利点も有する。アプタマーの特異性および親和性は、抗体よりも高くないとしても、抗体と同等である。アプタマーは標的化合物の放出のために可逆的に変性させることもでき、それはアプタマーをバイオセンシング適用に関して特に有用な受容体にする。
【0115】
[00180] 例えば、アプタマーは、様々な標的に結合させるためにインビトロ選択の繰り返されるラウンドまたは当業者が同定可能な均等な技法により設計された一本鎖(ss)オリゴヌクレオチドからなることができ、および/または化学的に合成されたペプチドであることができる。
【0116】
[00181] “アプタマー”または“核酸リガンド”は、特定のヌクレオチド配列を有する核酸分子の1タイプまたは種のコピーのセットである。アプタマーには、あらゆる適切な数のヌクレオチドが含まれることができる。“アプタマー(複数)”は、1より多くのそのような分子のセットを指す。異なるアプタマーは同じ数または異なる数のヌクレオチドのどちらを有していてもよい。アプタマーはDNAもしくはRNAであってよく、一本鎖、二本鎖であってよく、または二本鎖領域を含有していてよい。
【0117】
[00182] アプタマーおよび分析物または標的の間の親和性相互作用は程度の問題であることは理解されるべきである。すなわち、アプタマーのその標的に関する“特異的な結合親和性”は、そのアプタマーが一般にそのようなアプタマーが混合物または試料中の他の非標的構成要素に結合し得るよりもはるかに高い程度の親和性でその標的に結合することを意味する。
【0118】
[00183] 本明細書で用いられる際、用語“増幅”または“増幅すること”は、ある分子またはあるクラスの分子の量またはコピー数を増大させるあらゆるプロセスまたはプロセス工程の組み合わせを意味する。
【0119】
[00184] 本明細書で用いられる際、“プール”はそれから所望のリガンドを選択するための異なる配列の核酸の混合物である。プールの源は、天然に存在している核酸またはその断片、化学的に合成された核酸、酵素的に合成された核酸または前記の技法の組み合わせにより作られた核酸からであることができる。修飾されたヌクレオチド、例えば検出可能な標識、反応性の基または他の修飾を有するヌクレオチドを、そのプール中に組み込むことができる。特定の態様において、SELEXプロセスおよび/または本明細書で記述される向上したSELEX法を用いてプールを生成することができる。プールは、その核酸を構造により、そして化学的、大きさ、または他の分離法によってではなく分離することができるように、1以上の共通の構造部分を有する核酸も含むこともできる。本明細書で用いられる際、プールは時々“ライブラリー”または“候補または核酸混合物”とも呼ばれる。例えば、“RNAプール”はRNAからなる候補混合物を指す。
【0120】
[00185] 本明細書で用いられる際、“核酸”、“オリゴヌクレオチド”、および“ポリヌクレオチド”はあらゆる長さのヌクレオチドのポリマーを指して互換的に用いられており、そのようなヌクレオチドにはデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、および/またはアナログもしくは化学的に修飾されたデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドが含まれ得る。用語“ポリヌクレオチド”、“オリゴヌクレオチド”、および“核酸”には、二本鎖または一本鎖分子ならびに三重らせん分子が含まれる。
【0121】
[00186] 用語“センサー”には、本明細書で用いられる際、物理量を測定し、それを観察者が、または機器が読み取ることができるシグナルに変換する装置を示す。理解されているように、センサーは既知の標準に対して較正される。従って、センサーを用いて、そのアプタマーの標的実体への親和性を利用することにより標的実体を捕捉することができ、それは本開示を読めば当業者には同定可能である技法を用いて検出することができる。
【0122】
[00187] 用語“検出する”または“検出”は、本明細書で用いられる際、試料、反応混合物、分子複合体ならびにプラットフォームおよびアレイが含まれる支持体が含まれるがそれらに限定されない空間の限られた部分における標的またはシグナルの存在(existence)、存在(presence)または事実の決定を示す。検出は、それが標的またはシグナルの量(quantity)または量(amount)の測定(定量化とも呼ばれる)を指す、それに関する、またはそれを含む場合“定量的”であり、それにはその標的またはシグナルの量または割合を決定するために設計されたあらゆる分析が含まれるが、それらに限定されない。検出は、それが定量化されない別の標的またはシグナルに対する相対的な存在量の点での標的またはシグナルの質または種類の同定を指す、それに関する、またはそれを含む場合、“定性的”である。“光学的検出”は、視覚的に検出可能なシグナル:対象の標的またはその標的に付着したプローブからのスペクトルまたは画像により実施される検出を示す。
【0123】
[00188] 用語“標識剤”、“標識”、または“検出可能部分”、または“検出可能要素”または“検出可能構成要素”は、標的分子/アプタマー複合体を検出するために用いることができる1種類以上の試薬を指す。検出可能部分または標識は、直接または間接的に検出することができる。
【0124】
[00189] 用語“標的”、“標的実体”および“分析物”は本明細書において互換的に用いられてよく、一般に試料中のその存在または非存在を検出しなければならない物質、化合物または構成要素を指す。分析物には生体分子および特にバイオマーカーが含まれるが、それらに限定されない。用語“生体分子”は、本明細書で用いられる際、糖類、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、有機分子、ハプテン、エピトープ、生物細胞、生物細胞の一部、ビタミン、ホルモン等が含まれるがそれらに限定されない生物学的環境に関連付けられた物質、化合物または構成要素を示す。用語“バイオマーカー”は、細胞周期の期、健康および疾患状態が含まれるがそれらに限定されない生物学的環境の特定の状態と関係する生体分子を示す。そのバイオマーカーの存在、非存在、低減、上方制御は特定の状態と関係しており、特定の状態を示している。用語“ポリペプチド”、“ペプチド”、および“タンパク質”は、線状であれ分枝状であれ、あらゆる長さのアミノ酸のポリマーを含むことが意図されており、それは天然に、または介入により、例えば糖鎖付加、脂質付加、アセチル化、リン酸化、ジスルフィド結合形成、コンジュゲーション、または他の操作もしくは修飾により修飾されている可能性があり、修飾されていない可能性もある。
【0125】
[00190] 用語“固体支持体”は、分子が直接または間接的に共有結合または非共有結合のどちらかにより付着することができる表面を有するあらゆる支持体を意味する。その支持体材料は、天然に存在しているもの、合成されたもの、または天然に存在している材料の修飾であってよい。固体支持体材料には、磁性ビーズ、または例えばその表面上に組み込まれた1個以上の官能基、例えばアミノ、カルボキシル、チオール、またはヒドロキシル官能基のいずれかを有することができるあらゆる他の材料が含まれてよい。その固体支持体は、単純から複雑までに及ぶ様々な構成のいずれをとることもでき、ビーズ、円盤、粒子、平板、棒、細片、チューブ、ウェル等が含まれるいくつかの形状のいずれか1つを有することができる。その表面は、比較的平面状(例えばスライド)、球状(例えばビーズ)、円筒状(例えばカラム)、または溝付き(grooved)であってよい。
【0126】
[00191] 用語“分離すること”は、それにより混合物の1以上の構成要素がその混合物の他の構成要素から分離されるあらゆるプロセスを意味する。例えば、標的分子に結合したアプタマーを、標的分子に結合していない他の核酸から、および非標的分子から分離することができる。すなわち、分離プロセスまたは工程は、候補混合物中の全ての核酸の、標的分子に対するそれらの相対的親和性および/または解離速度に基づく少なくとも2つのプール中への分離を可能にする。その分離プロセスは様々な方法により成し遂げることができる。例えば、その上に標的分子がコンジュゲートされている磁性ビーズを用いて混合物中のアプタマーを分離することもできる。別の例として、表面プラズモン共鳴(SPR)技術を用いて、標的をセンサーチップ上に固定し、混合物をそのチップ上で流すことにより、混合物中の核酸を分離することができ、ここでその標的に関する親和性を有する核酸はその標的に結合することができ、残った核酸は洗い流すことができる。
【0127】
[00192] 用語“試料”は、本明細書で用いられる際、標的または分析物を含んでいる可能性があり、含んでいない可能性もある混合物、ガス、または物質を指す。試料には生物学的試料、例えば血液、痰、息、尿、精液、唾液、羊水、髄膜液(meningeal fluid)、腺液(glandular fluid)、乳頭吸引液、リンパ液、気管支吸引液、関節吸引液、滑液、細胞抽出物、脳脊髄液、便もしくは組織試料からのホモジナイズされた固体物質、細菌培養物、ウイルス培養物、またはそれらの実験的に分離された画分が含まれるが、それらに限定されない。
【0128】
[00193] 用語“非標的”は、アプタマーと非特異的複合体を形成する試料中の分子を指す。第1アプタマーに関する非標的である分子が第2アプタマーに関する標的であり得ることは理解されるであろう。同様に、第1アプタマーに関する標的である分子は第2アプタマーに関する非標的であり得る。
【0129】
[00194] 一般的記述
[00195] 記述された方法および装置は、所望の試験環境中の、および微妙な(sensitive)濃度の糖化タンパク質を検出することができる所望の高い感度および特異性の両方を有するシステムを提供する。
【0130】
[00196] 特定の観点において、その方法には総血清タンパク質レベルからの特定の糖化タンパク質の割合を決定することが含まれる。そのようなタンパク質の限定的でない例には、ヒトヘモグロビン、アルブミン(例えばヒト血清アルブミン(HSA))、およびIgMタンパク質が含まれる。
【0131】
[00197] 体内にある一般的な糖化タンパク質は、ヘモグロビンA1c(HbA1c)および免疫グロブリンM(IgM)(それはB細胞上に存在する基本的な抗体である)である。HbA1cおよびIgMは両方とも体内で異なる半減期を有する;例えば、HbA1cに関して約6〜8週間およびIgMに関して約1週間。従って、血清中のこれらの糖化タンパク質の定量化は、より短い期間およびより長い期間の両方にわたる血糖管理に関する遡及的判定を提供する。本方法は、1タイプの糖化血清タンパク質しか検出することができずに結果としてグルコース制御に関するあらゆるコンプライアンスの評価が1つの固定された期間に限られていた他の試験の主な欠点の1つを克服する。本方法はヘモグロビン異常症、溶血、および/または貧血からの干渉のようなアッセイの結果を限定する他の欠点を克服することも特筆されるべきである。
【0132】
[00198] 本明細書で記述される方法/装置の他の特定の態様において、1種類以上の他の分子またはその断片、例えば他の糖化タンパク質を正確に試験することができることは理解されるべきである。本方法は、ヘモグロビンまたは部位特異的HbA1c以外の糖化血液タンパク質の検出および測定を促進し、その方法は血糖管理の評価のための他の技術に関しても有用である。
【0133】
[00199] 特定の態様において、異なる糖化タンパク質は血中で異なる半減期を有するため、およそ数日から約6週間に至るまでの期間からの糖化タンパク質の標的化された歴史的な(historic)時間記録を、評価される特定の糖化タンパク質に応じて獲得することができる。対照的に、以前の試験は1つの固定された期間のみの評価に限定されている。
【0134】
[00200] この方法およびそのような方法を用いるプラットフォームは高度に小型化されており、リアルタイムの検出および分析を提供するための手持ち式の装置において有用である。
【0135】
[00201] その方法は、必要な感度を有し、分析物の医学的検査において有用である。
[00202] その方法はさらに、異なるタイプのタンパク質、例えば糖化ヘモグロビンおよび血液タンパク質の他の糖化形態の評価を可能にする。
【0136】
[00203] 本明細書で記述される1つの方法において、血清中の特定の糖血症タンパク質(glycemic proteins)のレベルを測定することにより糖血症のコンプライアンスを評価するための正確、迅速かつ比較的安価な方法を提供するために、表面プラズモン共鳴が高度に官能化されたアプタマー感知表面と共に用いられる。
【0137】
[00204] アプタマーの決定
[00205] 本明細書で記述される方法は、異なるタイプのアプタマーを検出するために有用である。1態様において、ヘモグロビン、アルブミン、およびIgMの糖化/非糖化タンパク質に特異的なオリゴヌクレオチド(アプタマー)を単離および同定するために、指数関数的増幅によるリガンドの系統的進化(SELEX)濃縮プロトコルを用いることができる。
【0138】
[00206] 標準的なSELEXプロトコルは対象の所与のタンパク質に特異なリガンドのスクリーニングを可能にするが、本明細書で記述されるのは、本明細書においてさらに説明されるように、両方のタンパク質のバージョン(すなわち糖化および非糖化形態)を検出および捕捉することができる二次アプタマーを同定する向上したSELEX法である。
【0139】
[00207] 本明細書で記述される1態様において、その二次アプタマーの同定を用いて、所与の時間フレームに関する平均グルコースレベルに相関し得るパーセント糖化を決定する。
【0140】
[00208] 検出プラットフォーム:タンパク質感知および表面プラズモン共鳴(SPR)分光法
[00209] タンパク質の検出のため、自己組織化単分子膜(SAM)を用いて特異的なアプタマーを金SPR感知表面に付着させる。SPR分光法自体は、伝導体および誘電体の間の界面において起こる現象に関連している。この界面において、電子構造における電荷密度の振動である表面プラズモンが存在することができる。これらの表面プラズモンは、可視〜近赤外スペクトルにおける光により最も一般的に励起される。この励起は、連続的な金属表面における自由に伝播する表面プラズモンとして、または金属に基づくナノ粒子構造の使用による局在性の作用としてのどちらかで起こり得る。本明細書で記述される1態様において、自由に伝播する表面プラズモンのアプローチが用いられる。
【0141】
[00210] 簡潔には、価電子が原子芯から分離され、外部電場の存在下で本質的に電子ガスとして振る舞い;表面プラズモンは次の式に等しい対応する波ベクトルを有する結合した波であることを示すことができる:
【0142】
【化1】
【0143】
[00211] ここでλは光の波長であり、εmetalおよびεsampleはそれぞれ媒体の相対的な誘電率定数である。従って、入射光がkspに近いエネルギーを有する横モード偏光成分を有する電場ベクトルを有する場合、表面プラズモンへのエネルギー移動が起こるであろう(すなわち、それは励起されるであろう)。
【0144】
[00212] 図7において示されるように、その入射光ベクトルは成分kを有し、それは次の式により表すことができる:
【0145】
【化2】
【0146】
[00213] ここでnは入射媒体の屈折率であり、θは金属表面と接触する入射光の入射角である。表面プラズモン共鳴は、εmetalおよびεsampleの入射光の波長λへの依存のため、その試料の屈折率における局所的な変動に高度に敏感である。屈折率における変化は、反射率に基づくアプローチを用いて測定することができる。図7において示されるような2つの誘電媒体の界面において反射された光はその表面において最大強度を有するエバネセント場を生成し、それは自由電子と共鳴する(すなわち表面プラズモン)。これは結果として光エネルギーの表面プラズモンへの移動をもたらし、それに対応して反射される光の度合いが低減する。この減少が起こる角度は一般に共鳴角と呼ばれる。
【0147】
[00214] 共鳴角を測定するために用いられるクレッチマン計測配置が図8aにおいて図説されている。この配置において、光はプリズムを通過し、それはガラス−金属界面において反射される。金属−光界面における相互作用の拡大バージョンが図7において示されている。図8bにおいて図説されているように、金属/試料界面での屈折率におけるあらゆる変化は結果として共鳴角における対応する変化またはシフトをもたらすであろう。
【0148】
[00215] 本方法は、しばしば特異性の欠如の問題により悪影響を受けるSPR単独での使用の欠点を克服する。加えて、SPR単独での使用において、感知する分析物が屈折率における少なくとも中程度の変化を引き出さない場合、SPRは感度の欠如の問題によっても同様に悪影響を受ける。
【0149】
[00216] 本方法はこれらの不都合な問題を、本明細書で記述される選択的なアプタマーを用いることにより、そして自己組織化単分子膜(SAM)をSPRと共に用いることにより克服する。本方法は、高い感度および選択性、費用対効果、化学的および熱的安定性、容易な合成および貯蔵のような利点を提供する。
【0150】
[00217] 本明細書で記述されるアプタマーに基づく感知法は、バイオセンサー適用における感知要素として特に有用である。アプタマーの核酸性はまた、固定および再生をより容易にする。SPR適用の1態様において、その受容体(すなわちアプタマー)を、標的分析物または分子を捕捉するために、様々なタイプの固体支持体上に固定する(図9参照)。
【0151】
[00218] 加えて、本明細書で記述される方法および装置は、SAMと関係してきたタンパク質の非特異的な吸着による過去の問題を克服し、ここでそのような非特異的な吸着はセンサー活性に有害であった。特に、血液、尿または他の臨床試料のような複雑な試料マトリックスからの非特異的吸着は、感度を制限する主な要因であった。
【0152】
[00219] 他の制限要因は、吸着された表面自体の生物物理学的および化学的特性であった。そのようなSAMでは、対象の分析物との特異的な親和性相互作用を確実にするために、これらの特性は抑制される必要があった。さらに、SAM表面上に吸着されたタンパク質は、二次構造における立体構造変化および/またはその表面上の最適でない配向および分布のため、それらの生理活性を部分的に喪失する。また、表面の調製のためのプロトコルおよび物質輸送の条件がタンパク質吸着応答に著しく影響を与える。従って、異なる実験室から得られたデータの定量的比較が困難であり、しばしば不正確であった。
【0153】
[00220]
【実施例】
【0154】
[00221] 本発明は以下の実施例においてさらに定義され、別途記載しない限り、ここで全ての部および百分率は重量によるものであり、度はセ氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を示すものであるが、説明としてのみ与えられていることは理解されるべきである。上記の論考およびこれらの実施例から、当業者はこの発明の本質的な特徴を確かめることができ、その精神および範囲から逸脱せずに、本発明の様々な変更および修正を行ってそれを様々な使用および条件に適応させることができる。この明細書中で言及される特許および非特許文献が含まれる全ての刊行物は、参照により明確に援用される。以下の実施例は本発明の特定の好ましい態様を説明することを意図しており、そのように明記されない限り、特許請求の範囲において定義される通りの本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0155】
[00222] 実施例1
[00223] 材料
同定されたアプタマーは、15bpのアプタマー(APT1):
【0156】
【化3】
【0157】
および34bpのアプタマー(APT2):
【0158】
【化4】
【0159】
を含め、Integrated DNA Technologies(アイオワ州コーラルビル)により合成された。
[00224] トシル基活性化(Tosylactivated)磁性ビーズ(MB)をInvitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から購入した。全ての他の化学物質をSigma Aldrich(カリフォルニア州カールスバッド)から入手可能な最高純度で購入した。アプタマー溶液を1M pH8リン酸緩衝液を用いて調製した。3−メルカプトプロピオン酸(MPA)溶液をエタノール中で調製した。タンパク質試料溶液を5mM KClおよび1mM MgClを含む0.1M pH7.2 PBS緩衝溶液を用いて調製した。用いたリン酸は100mMであった。全ての他の溶液を脱イオン(DI)水中で調製した。
【0160】
[00225] 計測手段
[00226] SPRの測定は、商業グレードのSensiQ Discoveryシステム(ICx Technologies、バージニア州アーリントン)を25℃で用いて実施された。このセンサーはクレッチマン配置に基づいており、ここでプリズムにより統合された発光ダイオード(LED)からの光はまず偏光し、次いで金表面から内部反射される。光反射の角度および相対強度をフォトダイオードアレイを用いて測定した。試料溶液を感知表面に適用した際、SPRプロフィールの最小値(SPR角としても知られている)が装填された試料の屈折率の関数としてシフトし、リアルタイムの屈折率の読みを与えた(しかし、単独ではそのセンサーは所与の標的に一切特異的/選択的ではない)。そのSPR応答プロフィールはSensiQソフトウェアにより記録され、次いでMATLAB(登録商標)内で処理された。
【0161】
[00227] 電気化学インピーダンス分光(EIS)測定を、Gamry Reference 600ポテンシオスタット(ペンシルバニア州ウォーミンスター)をKClを支持電解質として含む5mM Fe(CN)3−/Fe(CN)4−溶液中で用いて実施した。全ての実験を室温で実施し、溶液を窒素ガスで15分間パージし、実験の間窒素ブランケット(nitrogen blanket)を維持した。その実験は25℃で実施された。インピーダンススペクトルを0.1Hzから100kHzまでの周波数範囲において5mV rmsの電位振幅で10倍あたり10点で集めた。EISの結果を、実験インピーダンスデータを電気的等価回路モデルに当てはめることにより分析した。その電気的等価回路のパラメーターは、Gamry EIS 300電気化学インピーダンス分光機に組み込まれた複合非線形最小二乗(CNLS)プログラムを用いてインピーダンス関数を測定されたボードおよびナイキストプロットに当てはめることにより得られた。
【0162】
[00228] アプタマーの結合能力は以下のように決定された:10nmolのアミン修飾アプタマーを10mgの洗浄した磁性ビーズ(MB)に、振盪恒温器中で37℃において18時間でカップリングさせた。占有されていない結合部位をウシ血清アルブミン(BSA)によりブロッキングした。そのアプタマーとカップリングしたMBを完全に洗浄し、次いで10nmolのトロンビンをそのアプタマーとカップリングしたMBと振盪器中で室温において2時間混合した。対照群を、アプタマーの非存在を除いて正確に同じ方法により調製した。総タンパク質および未結合のタンパク質を、SensiQにより提供されたカルボキシル官能化SPRセンサーを用いて測定した。
【0163】
[00229] 血液タンパク質を検出するためのアプタマーに基づくSPRセンサーの使用を実証するため、トロンビンおよび抗トロンビンアプタマーを選択した。金スライドを物理蒸着(PVD)により調製し、予め汚れを除いた顕微鏡用カバースライド(cover slides)の上に1nmのチタンの層および50nmの金の層を形成した。次いでこれらを大量のDI水およびエタノールにより洗浄した。それらを使用前に窒素ガス中で乾燥させた。
【0164】
[00230] 金スライドを官能化するため、それらを10mM MPA溶液中に30分間浸漬し、次いでエタノールおよびDI水で洗浄した。そのスライドを乾燥させた後、次いでそれらをN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(NHS 0.2M、EDC 0.05M)の溶液中に30分間浸漬した。次いでそのスライドをDI水で洗浄し、次いで5μMアプタマー溶液中に浸漬した。最後に、そのスライドをPBS緩衝液ですすいで非特異的に吸着されたタンパク質を洗い流した。それでそのスライドは測定の準備ができた。特定の態様において、この2工程表面官能化プロセスはSPRにおいてだけでなくラマンおよび蛍光分光法においても適用可能である。その表面官能化プロセスは図1において模式的に図説されている。
【0165】
[00231] コートされていない(すなわち金ではない)SensiQベースの(base)センサーを、開発した金に基づくSPR感知表面を用いてカスタム改変した。具体的には、新しく調製したアプタマーを固定した金支持体を、その剥がしたセンサーに屈折率整合光学用油を用いて取り付けた(coupled)。これに続いて、次いで100μLの1Mエタノールアミン(EA)を20μL/分の流速で装填してEDC/NHSにより活性化された占有されていないMPA部位をブロッキングし、続いて100μLの100mMリン酸(PPA)を50μL/分で注入して非特異的な結合を除去した。ランニング緩衝液は0.1M pH7.2 PBSであった。そのセンサーをまずその緩衝液で10分間標準化し(normalized)、次いで5nM、25nM、50nM、250nM、500nM、1000nM、2000nMの濃度のトロンビン試料(25μL)を5μL/分で装填した。BSAを含む試料は全て400nM BSAを用いて調製した。全てのデータはその試料注入の290秒、300秒、および310秒後に記録され、平均された。センサーの再生は、100μL PPAの50μL/分での注入、続いてランニング緩衝液を用いた洗浄により実施された。
【0166】
[00232] 実施例1に関する結果
[00233] EIS測定
[00234] それぞれの官能化された層の固定の成功を、EIS測定により確証した。図2は、異なる電極でのインピーダンススペクトルのナイキストプロットを示す。むき出しの金の電極は高い周波数において非常に小さいサイクルを表し、これは電解質溶液中で溶解したレドックスプローブへの非常に低い電子移動抵抗を示している(曲線A)。MPAを電極上に固定し、EAおよびPPAで処理した際、電子移動抵抗(Ret)は125Ωに増大した(曲線B)。次いで、5μMのAPT1アプタマーを添加し、SAMと結合させた際、Retは600Ωに増大した(曲線C)。この態様において、その金電極上の反応部位をEA(エタノールアミン)によりブロッキングしてその金表面上へのアプタマーの非特異的吸着を防ぎ、そうしてそのアプタマーがSAMにのみ付着することを確実にした。そのRetの増大は、その固定されたアプタマーおよびそのレドックスプローブの間の静電反発により引き起こされ、これは界面の電子移動に関する障壁をもたらす。これらの結果は、そのSAM層のその金表面上への固定の成功およびそのアプタマーのそのSAMへの安定な結合を示している。
【0167】
[00235] 磁性ビーズ(MB)に基づく最大結合能力
[00236] アプタマーとカップリングしたMBを完全に洗浄した後、トロンビンを添加し、濃度変化をカルボキシル修飾SPRセンサーを用いて測定した。屈折率は添加されたトロンビンの濃度変化によってのみ制御される。他の実験変数、例えばタンパク質変性および温度はSPRの結果に小さな影響しか有さず、従ってその結果に影響を及ぼすとは考えられなかった。
【0168】
[00237] 図3において示されるように、トロンビンの濃度変化はそのアプタマーにより官能化されていない対照群に関しては無意味であった(3%未満)。これは、その2つの実験群における濃度変化が主にそのアプタマーおよびトロンビンの間の結合によるものであったことを示している。APT1およびAPT2群に関して、アプタマーで官能化されたMBおよびトロンビン溶液の混合物を18時間反応させ、その反応はMBの製造業者の仕様書に基づいて完了しているとみなされた。従って、最終濃度はアプタマーのトロンビンに対する最大mol/mol結合能力を反映していた。
【0169】
[00238] その結果は、APT1の結合比(57.1%)がAPT2(55.2%)よりも優れた能力を有することを示した。両方のアプタマーはトロンビンに対する50%より大きいmol/mol結合比を有し、これはそれらがトロンビン感知適用に関する優れた受容体候補であることを示している。特定の態様において、全てのアプタマーがMBに結合できるわけではなく、従って結合しているアプタマーの標的化合物(単数または複数)に対する実際の結合能力はわずかに大きい可能性があることは理解されるべきである。
【0170】
[00239] 対照群はアプタマー官能化なしのMBからなり、全ての結合部位はBSAによりブロッキングされた。アプタマー含有群は、それぞれのアプタマーにより官能化され、占有されていない結合部位がBSAによりブロッキングされたAPT1−およびAPT2−MBであった。エラーバーは3つの試料から決定された値の標準偏差を表す。
【0171】
[00240] SPRの結果
[00241] 2種類の異なるアプタマーを金表面上に固定し、それぞれ1つずつの結合性能を比較した。参照のため、異なるトロンビン濃度(5nM、25nM、50nM、250nM、1000nM、2000nM)の試料を個々に、むき出しのAuのセンサー、APT1センサーおよびAPT2センサーそれぞれの上に装填した。次いで第2の実験を同じトロンビン濃度を用いて実施した;しかし、400nM BSAの混乱させる構成要素がそれぞれのトロンビン試料に比較のために添加された。図4において“トロンビンのみ”の実験に関して示されているように、SPRシフトはむき出しのAuのセンサー表面に関して比較的高いトロンビン濃度に関してさえも非常に低かった。
【0172】
[00242] 対照的に、アプタマー修飾センサーに関して、SPRシフトは有意に高められ、最適検出範囲は5nM〜1000nM(線形範囲)であった。“トロンビン+400nM BSA”のデータ(図4において示されている)は、大きな400nM BSAの混乱させる濃度の構成要素がそれぞれのトロンビン試料濃度に追加されたデータを示している。トロンビンのみの群と比較した場合、その応答はほとんど同一であり、これはそのアプタマー修飾APT1およびAPT2センサーがトロンビンのみに高度に特異的であることを示している。
【0173】
[00243] これはさらに図5において図説されており、それは400nMのBSAを伴う、および伴わない500nMのトロンビン濃度に関するSPRシフトを示している。BSAの試料への添加はアプタマー修飾センサーに関するSPR応答に最小限の作用しか有さず、これはそのセンサーのトロンビンに対する優れた選択性を示している。これはむき出しのAuのセンサーとは対照的であり、それはBSAを含む、および含まないトロンビン試料の間で著しい変化を経験した。APT1修飾センサーは全てのトロンビン濃度に関してAPT2センサーよりもわずかに高いシフトを有していた。APT1に関する当てはめ線の傾きも線形応答範囲においてAPT2よりもわずかに大きく(図6)、これもよりよい感度を示している。これらの2種類のアプタマーはトロンビンの異なる部位に結合し、従ってその標的への親和性は界面の結合環境においておよび溶液中での両方において異なっている。
【0174】
[00244] 抗体感知
[00245] MB結合試験において、APT1はAPT2よりもわずかに高い結合能力を有し、それはその官能化されたセンサーの感度の点でSPRの結果と一致している。理論により束縛されることを望むわけではないが、この態様において、これはより小さいアプタマーはその標的タンパク質の結合部位に接近するより大きな可能性を有するためである可能性があると信じられている。また、特定の態様において、より複雑な二次構造を有するより大きいアプタマーは標的化合物との結合を形成するために余分な空間的柔軟性を必要とする可能性がある。
【0175】
[00246] 本明細書における実施例1が示すように、MPA層は金上で優秀な被覆率を有し、バイオセンシング目的のための抗体免疫処置のために有用である。これらの結果はまた、そのアミン修飾アプタマーがMPA層上に容易に固定され、そのセンサーの性能は抗体に基づくセンサーと比較可能であったことを示している。
【0176】
[00247] 3個の感知スライドをそれぞれのアプタマーに関して、そして対照群に関しても調製した。そのセンサー対センサー(sensor to sensor)性能は、新しく調製した試料を用いた場合一貫しており、それぞれの測定に関して比較的小さい誤差をもたらし、平均して総シグナルの2%標準偏差未満であった(図5において示されているエラーバー)。
【0177】
[00248] BSAの添加はわずかに大きい誤差を導入し、流速を低下させる、および試料の装填時間を増大させることによりその誤差を低減することができるが、考慮するのに十分であるほど重要ではないと思われた。その誤差の大部分は温度の変動により引き起こされていると考えられ;従って、一部の態様において、そのセンサーを温度制御された環境に置くことは正確性を増大させるのを助ける可能性がある。
【0178】
[00249] 本明細書で記述される感知表面は5nMから1000nMまでの最適動作範囲を有し、それはトロンビンアプタマーに基づく感知技法に関する最大の報告された動作範囲と比較可能であり、またはそれよりも大きい。ヒトの血液中のトロンビン濃度範囲は低ナノモル濃度〜低マイクロモル濃度の範囲内であることが報告されているため、本明細書で記述される方法はインビボでのトロンビンの定量的検出に十分に適している。
【0179】
[00250] センサーの可逆性
[00251] そのセンサーの可逆性を試験するため、固定された試料濃度をそのセンサーに10回繰り返し装填した。そのセンサーの再生はPPAによりなされた。50nM、250nMおよび500nMのトロンビン濃度を用いた平均SPR応答を標準偏差に関するエラーバーと共に図6において示す。全てのデータは新しく調製された感知スライドから得られた。SPR応答は一般に同じ試料濃度に関してそれぞれの装填に関して約0.5%減少した。全ての感知スライドは、10回目の装填後に元のSPRシフト応答の95%より多くを維持していた。また、2回目の試料の装填は通常その後の装填と比較した場合に最大の応答変化を有していた。実験の要求に応じて、より長いPPA注入時間によりそのセンサーの回復率を増大させることができる。BSAの出現はそのセンサーの感度を低下させた(例えば、図6において、BSAの出現はその応答曲線においてわずかに傾きを低減した)が、それはそのセンサーの可逆性には影響を及ぼさなかった。図6は、センサーが50nM〜500nMの試料の範囲においてBSAの出現ありおよびなしで線形応答を維持したことも示している。
【0180】
[00252] 実施例2
[00253] センサーの他の態様
[00254] 別の態様において、そのセンサーには混合された長さのスペーサー層が含まれることができる。1つの限定的でない例において、その混合された長さの層はMPAと組み合わせられた11−メルカプトウンデカン酸(MUA)であることができ、それは特定の態様において感度および特異性を増大させるために用いることができる。
【0181】
[00255] 他の態様において、混合された長さのスペーサーを含ませてその固定されたアプタマーの特定の形状の形成および維持を促進することができる。
[00256] 別の態様において、非特異的なタンパク質結合を低減するために、エチレンオキシドのような親水性の基をそのアプタマーの5末端上に挿入することができる。
【0182】
[00257] 本明細書で記述される2工程固定法の特定の態様において、そのアプタマーの間隔をあけることは、MPA SAM密度を調節することにより、またはエタノールアミンおよびそのアプタマーを様々なモル比で同時保温することにより行うこともできる。
【0183】
[00258] 血液タンパク質の検出
[00259] 異なる血液タンパク質の検出に関して、目的の標的タンパク質に特異的に直接結合するアプタマーを見つけるため、SELEX手順を用いることができる。次いで、ほとんどあらゆるタンパク質に関する標的特異的なセンサーを形成するため、その開発されたアプタマーを次いでアミン末端処理し、本明細書で記述される方法の1つを用いて金表面上に固定することができる。従って、アプタマーを抗体を超える利点を伴って特定の化合物を標的とするようにSELEXにより生成することができる。
【0184】
[00260] 本明細書で記述される2工程固定法は、SAMおよびアミン末端アプタマーの金SPR感知表面上への固定のために特に有用である。本明細書で記述されるSPRセンサーは、少ない試料消費、標識の必要がないこと、高い感度、および速い応答時間のような利点を提供する。その2工程固定法の追加の利点には、実証可能な費用効率、優れた可逆性、均一な密度、および頑強かつ特異的な血液タンパク質検出プラットフォームとしての使用が含まれる。
【0185】
[00261] 実施例3
[00262] SPRアプタマーに基づく糖化アルブミンタンパク質の感知
[00263] 糖化ヒト血清アルブミン(HSA)の検出および定量化の両方を行った。開発され、用いられたアプタマー(チオール化、非還元)は、
【0186】
【化5】
【0187】
であった。
[00264] 金スライドを物理蒸着(PVD)により調製し、予め汚れを除いた顕微鏡用カバースライド上に1nmのチタンの層および50nmの金の層を形成した。次いでその金スライドを大量のDI水およびエタノールにより洗浄した。その金スライドを使用前に窒素ガス中で乾燥させた。
【0188】
[00265] チオール化されたアプタマーを1Mリン酸緩衝液pH8により希釈し、振盪機中でクリーランド試薬REDUCTACRYL(商標)と2時間混合してアプタマー配列中の二重チオール結合を還元した。システインは金表面に直接結合して自己組織化単分子膜(SAM)を形成することができる水溶性のチオール含有アミノ酸であり、次いでそれをアプタマー溶液に添加して、アプタマーの間隔をあけ、アプタマー間の隙間を埋め、非特異的表面吸光度(absorbance)を低減するのを助けた。この予備実験におけるアプタマーの終濃度は1μMに設定され、アプタマー:システインのモル比は1:10であった。その金スライドをアプタマー/システイン混合物溶液中に37℃で浸漬させた。
【0189】
[00266] その固定プロセスの後、その金スライドを0.01M PBS緩衝液pH7.4で洗浄した。次いでその官能化された表面を対応するSPRセンサーに取り付け、1μg/mL総タンパク質HSA試料(すなわち、総=糖化+非糖化)を所与の糖化パーセント(%)比(糖化/総タンパク質):2、6、10、14、および18%に関して調製した。
【0190】
[00267] SPR応答をそれぞれの試料に関して記録した。官能化された表面に関する結果がむき出しのAuに関する結果と共に図10において要約されている。アプタマーで官能化されたSPR表面は糖化タンパク質含有量における変化に直接応答する。総タンパク質濃度は試料間で1μg/mLで一定であることは特筆すべきである。
【0191】
[00268] 官能化されていない表面(すなわちむき出しの金)は無視できるほどの応答を示し、これは官能化された表面では感度が高いことをさらに説明している。長さは短いが(40〜60nt)、特定の態様において、アプタマー配列は標的を大きさおよび電荷に基づいて識別することができ、親和性が影響を及ぼされ得る。理論により束縛されることを望むわけではないが、本発明者らは、本明細書においてここで、そのアプタマーの3D構造も役割を果たしている可能性があると信じており;1つの限定的でない例には、シトシンに富むバルジループ構造およびACC(C)または(C)CCAモチーフが含まれる。
【0192】
[00269] HbA1c、アルブミン、およびIgMに関する非糖化および糖化タンパク質結合部位に関するアプタマー
[00270] アプタマーを自己組織化単分子膜(SAM)に付着するように開発した。特定の態様に関して、タンパク質ヘモグロビン、アルブミン、およびIgMは、それぞれの半減期が血糖管理における短期、中期、および長期の履歴にわたる情報を提供するため、有用である。一部の一般的な血液タンパク質に関する特性の要約を下記の表1において提供する。
【0193】
【表1】
【0194】
[00271] それぞれのタンパク質の糖化は、それぞれのタンパク質の1MグルコースおよびDTPAを含有するpH7.4 PBS中での2日間の保温により実施することができる。次いでその糖化タンパク質に透析プロセスを施し、次いでそれを親和性クロマトグラフィーによりさらに濃縮することができる。この工程において、その糖化タンパク質をそれぞれの非糖化形態から支持カラム中のポリアクリルアミドビーズ上に固定されたボロン酸を用いて分離することができる。このプロセスにより、非結合および結合画分の両方を収集し、さらに濾過法を用いて濃縮することができる。
【0195】
[00272] タンパク質の糖化および非糖化バージョンの両方におけるヘモグロビン、アルブミン、およびIgMに特異的な重要なオリゴヌクレオチド(アプタマー)の単離および同定を達成するため、下記でさらに説明され、図12において模式的に説明されているような、向上した指数関数的増幅によるリガンドの系統的進化(SELEX)濃縮法を用いることができる。
【0196】
[00273] 向上したSELEX法は、対象のタンパク質に特異であるリガンドのスクリーニングを可能にする。その向上したSELEX法は、ランダム化されたRNA配列の大きなライブラリーを生成することにより実施することができる。このライブラリーは通常1014〜1015の異なるRNA種を含有し、それはそれらの個々の配列に応じて異なる構造へと折り畳まれる。次いでこのライブラリーを対象の標的タンパク質と共に保温し、次いでそのタンパク質に結合するライブラリー中に含有されるRNAをそのタンパク質に結合しないRNAから分離する。次いで保持されたRNAをRT−PCRにより増幅し、インビトロで転写してRNAのプールを生成し、それは対象の標的に結合するRNAに関して濃縮されている。この選択および増幅プロセスを、その標的タンパク質に対する最高の親和性を有するRNAリガンドが単離されるまで8〜12ラウンドの間繰り返すことができる。次いでこれらのアプタマーをクローニングし、配列決定する。
【0197】
[00274] 糖化タンパク質の総タンパク質に対する比率の決定
[00275] 糖化タンパク質の総タンパク質に対するパーセント比の測定は、所与の時間窓にわたる平均血中グルコースに関連していた。
【0198】
[00276] その標的タンパク質の糖化部位に特異的なアプタマーを生成することができる。また、そのそれぞれのタンパク質の糖化および非糖化バージョン両方に結合するであろうアプタマーを生成した。1態様において、ヘモグロビン、アルブミン、およびIgMタンパク質の糖化バージョンをSELEXプロトコルにおける標的として用いた。結果として得られた低減したアプタマーのプールは、非糖化部位および糖化部位特異的アプタマーの両方を含有する。この時点で、および後のラウンド(単数または複数)において、次いで非糖化タンパク質(すなわち通常のタンパク質)を導入することができ、ここで糖化部位を認識する既存のアプタマーは結合せず、特性付けのために回収することができる。この方法は、そのタンパク質の糖化/非糖化バージョンの両方に結合することができる別々のアプタマーならびに糖化バージョンにのみ特異的であるアプタマーを提供する。
【0199】
[00277] 表面プラズモン共鳴自己組織化単分子膜アプタマーに基づく官能化された表面の最適化
[00278] 次いで同定されたアプタマーを最初に結合特性、感度、特異性、および選択性が含まれる一般的な性能に関して特性付けることができる。下記の表2において示されているのは、性能レベルに基づく標的の明細(specifications)の例である。
【0200】
【表2】
【0201】
[00279] 特に、結合親和性を特性付けるための1つの方法は、SPR法の使用である。同定されたアプタマー候補に基づいて、SPRはそれぞれの結合応答曲線を生成するために有用である。例えば、特定の装置(例えばSensiQ、iCx Nomatics)は二重マイクロ流体チャンネルを備えており、制御可能な流速を有する。その試験は、図1に関して記述された固定法と類似の固定法を用いて実施することができる。
【0202】
[00280] 固定を促進するための修飾
[00281] また、特定の態様において、その糖化および非糖化特異的アプタマー候補をCOOHで修飾された金SPR表面上への固定を促進するための5’−NH−Cアタッチメントを用いて修飾することができる。次いでSPR測定を用いてアプタマー候補に関するそれぞれの親和性定数を特性付ける。
【0203】
[00282] 親和性試験に加えて、SPRチップに固定されたアプタマーを用いて、特異性および選択性の両方を評価することができる。そのような態様において、それぞれのアプタマーチップを糖化および非糖化形態の両方のそれぞれの標的タンパク質に曝露した。所与のタンパク質に関する、ならびに異なるタンパク質(例えばHbA1cアプタマーチップに関するアルブミン)に関するその2形態の間の交差反応性がそうして決定された。特定の好ましい態様において、その標的交差反応性は約6%未満であることが望ましい。この基準が満たされないことが決定された場合、交差反応性の性能をさらに向上させるために、そのSELEXプロトコルを向上した選択条件(例えば排除ラウンドの頻度を増大させる)を用いて繰り返すことができる。
【0204】
[00283] 優れた標的認識は固定のために用いられるアプタマー連結プロセスによっても影響を受け得ることも理解されている。特定の態様において、その方法にはそのアプタマーの1つ以上の代わりの連結法の使用が含まれることができる。特定の態様において、その連結は3’−アミノ、チオール、または他の可能性のある連結によることができる。
【0205】
[00284] そのような連結を例えば特定のパラメーター、例えば密度および長さを調節することにより修正することができることも、意図される範囲内である。従って、最大限の所望の性能を提供するためにアプタマーおよび連結法を最適化することができる。加えて、官能化された表面を作り出すための本明細書で記述される方法を最適化して、その表面における所望のレベルの均一性を提供する、ならびにそのアプタマーセンサー応答を最適化することができる。
【0206】
[00285] 自己組織化単分子膜(SAM)連結
[00286] 上記で記述された連結法に加えて、用いることができる別の方法には、二成分自己組織化単分子膜(SAM)および還元脱着プロセスによる連結が含まれる。SAMの充填密度およびSAMの長さはSPRシグナルに影響を及ぼすため、その二成分SAMの密度および長さを還元脱着プロセスを用いて調節することができる。
【0207】
[00287] 特定の態様において、混合型SAMを適合させる(tailoring)ために、合成されたジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)を(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)と共に用いることができる。タンパク質吸着に耐性であるPEG3を用いてタンパク質の非特異的吸着を防ぐことができる。加えて、DTSP中のカルボキシル基はそのアプタマーと安定な結合を形成するであろう。
【0208】
[00288] 特定の態様において、ジチオビス−N−スクシンイミジルプロピオネート(DTSP)を用いるチオールSAM固定法をリン酸緩衝溶液中で用いた。DTSPは、少なくとも部分的にはその独特の表面特性、例えば親水性、水和性、化学反応性、およびヘモグロビンおよびシトクロムcのようなタンパク質に対する親和性のため、SAMに関して有用である。
【0209】
[00289] 二成分SAM固定に関して、3−メルカプトプロピオン酸(MPA)および(1−メルカプト−11−ウンデシル)トリ(エチレングリコール)(PEG3)を用いることができる。特定の態様において、MPAが選択され、これはそれがPEG3よりも低い酸化還元電位を有するためであり、それはMPAを還元脱着により容易に排除してPEG3を未変化のままにすることができることを意味する。DTSPはアプタマーのアミノ基と共有結合を形成することができ、一方でPEG3はできず、従ってアプタマーはDTSPのみに付着するであろう。
【0210】
[00290] 2構成要素チオール溶液はMPAおよびPEG3の1mMエタノール溶液を様々な比率で混合し、一方で二成分SAMの総濃度を1mMで維持することにより調製することができる。次いでMPAおよびPEG3(その比率は20:80、50:50および80:20である)の二成分SAMを金電極上で、その電極をその混合されたチオール溶液中に1時間浸すことにより形成することができる。
【0211】
[00291] ここで、二成分SAMの形成および還元脱着手順が示されている図11a〜11eにおける模式図を参照する。最初に、3−メルカプトプロピオン酸(MPA)およびPEG3の二成分をエタノール溶液中で金表面上に吸着させる(図11a)。MPAの金電極からの還元脱着を0.5M KOH溶液中で実施する。相分離したMPAおよびPEG3の二成分SAM中の吸着されたMPAを、−1.2Vの電位を30分間かけることにより選択的に還元する(図11b)。
【0212】
[00292] MPAの還元脱着後、PEG3層を有する試料を1mM DTSP溶液中に浸漬してDTSP層を形成する(図11c)。図11dはアプタマーの固定を示し、図11eはアプタマーのPEG3からの除去を示す。
【0213】
[00293] アプタマーは、−COOH末端基を露出しているDTSPのSAMに共有結合的にカップリングされる。共有結合の形成のため、PBS中のアプタマー(50μg/ml)を新しく調製したNHSおよびEDCと一緒に注入する。N末端においてアミノ基を有するアプタマーを、CO−NHアミド結合形成によりDTSP SAM上に固定することができる。DTSPおよびPEG3の比率を変動させてSAMの充填を調節し、結果として、次いで最適なSPRシグナルを与えるタンパク質の結合を得ることができる。
【0214】
[00294] 表面被覆の測定
[00295] サイクリックボルタンメトリー(CV)および電気化学インピーダンス分光法(EIS)を用いて固定されたSAMの表面被覆およびその試料の酸化還元応答を測定することができる。その表面組成物を吸着されたチオールに関するサイクリックボルタモグラムのピーク面積から概算することができる。修飾された電極上に沈着した二成分SAMの応答を、未修飾の電極の応答と比較することができる。
【0215】
[00296] 還元脱着のサイクリックボルタモグラムは、0.5mol dm−3リン酸緩衝溶液中で、Ag−AgCl飽和KCl電極を参照電極として、白金線を対電極として用いて記録することができる。SAM+アプタマーでコートされた金電極(Au+SAM+アプタマー)ならびに金電極上の還元脱離したSAMおよびアプタマー(Au+RD SAM+アプタマー)のCV曲線をそうして比較することができる。CV曲線は還元脱離に関して100mV/sの走査速度で記録することができる。それぞれのボルタモグラムにおいて、SAMの還元脱着のダウンピーク(down peak)はおよそ50mVに見られると予想される。
【0216】
[00297] 最適なSPR応答を得るために、SAMの長さおよび密度両方を調節することができる。リンカーの長さが長い場合、より多くのアプタマーを固定することができるが、アプタマーがその表面からさらに離れるため、SPRのディップはより広くなり得る。同様に、リンカーの密度が高い場合、より多くのアプタマーをSAMに付着させることができるが、SPRのディップはより狭くなり、検出がより困難になり得る。これらのアプタマーで修飾された表面は、5’−NH−C/−COOH法と共に用いられる方法により特性付けることができる。
【0217】
[00298] 開発された官能化されたSPR感知表面の較正および検証
[00299] HbA1c、アルブミン、およびIgMの糖化/非糖化タンパク質の検出のためのSPR感知プラットフォームは、最初に既知の標的タンパク質比率を有する生理食塩水緩衝液を用いる試験において較正することができる。それぞれの試料溶液を、固定されたレベルの総タンパク質に関して、血液中で見られる比率レベルと比較して妥当な比率レベルで調製することができる(表1参照)。
【0218】
[00300] それぞれの試料に関して、タンパク質の総量に対する糖化タンパク質の比率は所望の範囲にわたって変動させることができる(例えば、HbA1cに関して6〜15%の%レベルはそれぞれ60〜360mg/dLの平均血糖レベルに相当する)。そのような態様において、1から25%v/vまでの範囲が適切であろう。次いでそれぞれの試料におけるSPR応答を評価することができ、%糖化に関して較正モデルを決定することができ、較正の標準誤差を計算することができる。開発されたSPRアッセイの正確さをさらに評価するため、無関係な試料(すなわち、較正において用いられていない試料)を用いてそれぞれの較正モデル(単数または複数)に基づいてアッセイ性能を評価することができる。相対および絶対誤差の両方を決定することができ、有用な診断の目的に必要であろう範囲と比較することができる。
【0219】
[00301] 血清の試験
[00302] 実際の血清における性能を評価するため、糖尿病でない源からの血清を利用することができる。その血清試料を分析して、標準的な臨床試験により(両方のタンパク質標的に関する)糖化対総タンパク質のそれぞれの割合を決定することができる。
【0220】
[00303] これらの値を参照値として用いて、個々の試料に特定の量のそれぞれの糖化タンパク質(登録商標)をドープする(doped)ことができる。生理食塩水試験で利用された試験評価と類似の試験評価を繰り返すことができる。血清中の特定の標的タンパク質(例えば表1において示されるようなヘモグロビン)の高い濃度のため、その試験を運転する前に試料を希釈することが望ましい可能性があることは理解されている。加えて、血清の複雑な化学組成のために問題が生じ得るため、他の可能性のある混乱させる作用、例えば糖化タンパク質の変動以外での試料組成における変動の導入を試験することができる。
【0221】
[00304] 実施例4
[00305] 糖化および/または非糖化タンパク質部位に対して標的化されたアプタマーの同定のための向上したSELEX法
[00306] 糖化タンパク質部位への親和性を有するアプタマーの同定を可能にするため、SELEXプロトコルを向上させた。この向上したSELEXプロトコルは、糖化タンパク質の総タンパク質に対するパーセント比の決定を可能にした。
【0222】
[00307] 標的タンパク質(単数または複数)の糖化部位に特異的なアプタマーを、それぞれのタンパク質の糖化および非糖化バージョンの両方に結合するであろうアプタマーに加えて生成した。それぞれのタンパク質(例えばヘモグロビン、アルブミン、IgM等)に関してそのようなアプタマーを生成するため、増幅の第1ラウンドにおいて、それぞれのタンパク質の糖化バージョンにSELEXプロトコルを適用した。そのSELEXプロトコルのこの第1ラウンドは結果として、“非糖化部位特異的”アプタマーおよび“糖化部位特異的”アプタマーの両方を含有する低減したアプタマーのプールをもたらした。
【0223】
[00308] 非糖化タンパク質(すなわち通常のタンパク質)を、第1ラウンドのSELEX増幅プロセスで得られたプール中に導入する。少なくとも1回の第2ラウンドの増幅において、そのような非糖化タンパク質に結合するプール中のアプタマーはこの特定のSELEXラウンドにおいて溶離されず、従ってそのプールから除去される。この向上したSELEXプロトコルは、糖化部位に特異的なアプタマーが進行中のプール中に留まるであろう機会を向上させる。次いでそのような残っているアプタマーを、標準的なSELEXプロセスの一部としてのそれに続くSELEXラウンドにおいて特性付けのために回収することができる。他の態様において、“糖化”タンパク質および“非糖化”タンパク質の使用を逆にすることができることは理解されるべきであり;例えばここで“糖化”タンパク質が第1ラウンドのSELEX増幅プロセスで得られたプール上に導入される。
【0224】
[00309] 高親和性糖化および/または非糖化タンパク質アプタマーの決定
[00310] タンパク質分子(例えばアルブミン)は糖化に関して利用可能な多数の部位を有する。糖化レベルは通常総タンパク質レベルに関する糖化されている所与のタンパク質の濃度の百分率を指し、一方で糖化率は単一のタンパク質分子内のどれだけ多くの部位がグルコースまたはグルコース誘導体に結合しているかを指す。3D立体構造および電荷分布は高度に糖化されたタンパク質分子および非糖化タンパク質分子の間で著しく異なっているが、軽度に糖化されたタンパク質分子(すなわち単一の糖化点)および非糖化タンパク質分子の間では非常に類似している。従って、非糖化形態に対して低い親和性を有する高親和性単一部位特異的糖化タンパク質結合アプタマーを開発することは非常に挑戦的である。
【0225】
[00311] 向上したSELEXインビトロ選択プロトコルの1つの例が図12において示されており、ここで大きなランダムDNAのプールを最初に磁性ビーズ(MB)上に固定された糖化タンパク質標的と混合する;すなわち一次または“糖化タンパク質標的MB”複合体。
【0226】
[00312] その糖化タンパク質標的に対して高い親和性を有するアプタマーは結合して“アプタマー−糖化タンパク質標的MB複合体”を形成するであろう。
[00313] その“アプタマー−糖化タンパク質標的MB”複合体を最初のDNAプールから分離する。
【0227】
[00314] それに続く工程において、その結合したアプタマーをその“糖化タンパク質標的MB”複合体(すなわち、そのタンパク質の単一または軽度に糖化された形態)から溶離する。
【0228】
[00315] この時点において、MBの第2セットにカップリングさせた対照タンパク質(すなわちそのタンパク質の非糖化形態)(第2または“非糖化タンパク質標的MB”複合体)をこの第1溶離液に添加する。
【0229】
[00316] その“非糖化タンパク質標的MB”複合体を用いて、その非糖化タンパク質形態に対する親和性も有する第1溶離液中の“選択的な”アプタマーを除去する。
[00317] それに続く工程において、その“選択的な”アプタマーをその“非糖化タンパク質標的MB”複合体から溶離する。
【0230】
[00318] その“非糖化タンパク質標的MB”複合体を除去したら、残っている“選択的な”アプタマーは単一のまたは標的化された糖化部位に対して高い親和性を有するアプタマーである。
【0231】
[00319] この時点で、標準的なSELEX法を用いて、所望の糖化タンパク質部位に対して非常に高い親和性を有するこれらの残っている“選択的な”アプタマーを増幅することができる。
【0232】
[00320] 具体的には、この向上したSELEX法は、そのタンパク質の非糖化形態に対して低い親和性を有する高親和性単一糖化部位アプタマーの開発を可能にする。この向上したSELEX法は、分析物/非常に類似した化学構造を有する分子を識別する能力を有するアプタマーを生成するためにも有用である。
【0233】
[00321] 糖化および非糖化アプタマーの例
[00322] 有用なアプタマーの例が下記に示されており、ここでXXXおよびYYYは追加の結合基、例えばビオチン、チオール、アミン等のいずれか1つ以上を指し、それは所与の自己組織化単分子膜(SAM)の開発を促進するために用いることができる。
【0234】
[00323] 糖化ヘモグロビンアプタマー
【0235】
【化6】
【0236】
;および
【0237】
【化7】
【0238】

[00324] 非糖化ヘモグロビンアプタマー
【0239】
【化8】
【0240】
;および
【0241】
【化9】
【0242】

[00325] 糖化:ヒト血清アルブミン(HSA)アプタマー
【0243】
【化10】
【0244】
;および
【0245】
【化11】
【0246】

[00326] 非糖化:ヒト血清アルブミン(HSA)アプタマー
【0247】
【化12】
【0248】
;および
【0249】
【化13】
【0250】

[00327] 実施例5
[00328] 標的特性に基づいて感度および選択性を最適化するためのSAMを用いる表面官能化法
[00329] アプタマーの可動化のための二成分SAM形成の感度および選択性はさらに高めることができる。例えば、連結の間隔ならびにアプタマーおよびSPR表面の間の距離を調節するため、2つの異なるタイプの自己組織化チオール分子をその表面上に沈着させる。11−メルカプトウンデカン酸(SH−(CH−COOH、MUA)およびメルカプトプロパノール(SH−(CH−OH、MPL)の1mMエタノール溶液を別々に調製する。それぞれの溶液を、その2つの構成要素の総濃度を1mMで維持しながら1:1の体積比で混合する。MUAおよびMPLの二成分SAMが金表面上に、その金表面をその混合されたチオール溶液中に1時間浸すことにより形成される。次いで、その金表面を続いてエタノールおよびDI水を用いてすすぐ。
【0251】
[00330] MPLの密度は、その金表面に0.5M KOH溶液(pH13)中で電位をかけることにより、最適なシグナル伝達のために調節することができる。−0.5〜−1.0Vで30分間かけられた電位はMPLの一部を脱離させ、結果としてより低密度のMPL層をもたらし、それはシグナル伝達を増進する。次いで、その表面をすぐにDI水により洗浄する。
【0252】
[00331] その表面を乾燥させた後、次いでそれをN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)の溶液(NHS 0.2M、EDC 0.05M)で30分間処理してMUAのカルボキシル基を活性化させる。次いでその表面をDI水で洗浄し、次いで5μMアプタマー溶液中に浸漬する。アプタマーはその活性化されたMUAに共有結合する。最後に、その表面をPBS緩衝液ですすぐ。
【0253】
[00332] この表面官能化法はSPRに適用可能であるだけでなく、他の感知様式、例えばラマンおよび蛍光分光法の感度および選択性を最適化するためにも適用可能である。その方法は、既存のモニタリング技術の性能を向上させるために用いることができる。
【0254】
[00333] 実施例6
[00334] 試料中に存在する混乱させる物質の作用を低減するための方法
[00335] その官能化プロセスの一部として、MPL層は本質的に親水性である。この特性は、タンパク質のその表面への非特異的吸着を防ぐことができる。別の態様において、そのアプタマー認識要素は、伸長された連結のアプローチにより、(なお所望の感度を維持しながら)通常のSPR感知範囲を超えて伸ばすことができる。この態様において、チオール類に関するような終結(terminations)により多数の連結を得ることができる。その終結の間で、その表面を金ナノ粒子溶液に曝露することにより金ナノ粒子界面を作ることができる。このナノ粒子カップリングは、そのアプタマー結合応答をSPRセンサーにより通常のSPR検出限界を超えた分離距離において検出することを可能にすることができる。
【0255】
[00336] 非アプタマー部位におけるように、金属粒子カップリングを欠いた、密に充填されたSPR範囲外の長さの連結を作ることができることは特筆すべきである。従って、これらの部位において非特異的タンパク質吸着または他の混乱させる構成要素に直面した場合、対応するSPR応答は生じず、それによりそのセンサーに関する選択性の性能を向上させるであろう。
【0256】
[00337] 別の態様において、二次物理蒸着(PVD)をそれに続くMPA層の上に形成し、続いて熱処理して類似の構造を得てそのアプタマーを伸ばしてSPR基礎表面から離し、一方でその金属カップリング連結により感度を維持することができる。
【0257】
[00338] 実施例7
[00339] バイオマーカーの検出
[00340] 本明細書で記述される方法およびプラットフォームは、疾患の診断および評価のためのバイオマーカーの検出の分野においても有用である。
【0258】
[00341] 例えば、本明細書で記述されるタンパク質(例えば糖化タンパク質)に関して、正確な検出は糖尿病の処置を促進し、数多くの関係する健康管理条件、例えば心血管疾患、失明、腎不全、および多くの他のものの増大する危険性を最小限にするのを助けることができる。
【0259】
[00342] 本明細書における方法およびプラットフォームは、手持ち式の装置中に容易に組み込むために小型化し、そうしてその方法および/またはプラットフォームが医師の診療室において、家庭において、または野外で直接用いられることを可能にすることができる。
【0260】
[00343] 従って、(糖血症のコンプライアンスの尺度である)糖化タンパク質の測定は、タイミングの悪いオフサイト分析(offsite analysis)による医師の検査の間にのみ利用可能であるのではなく、患者または健康管理提供者により容易に評価できる方法で容易に利用可能である。これらのより広く利用可能な測定は、今度は、自己監視血中グルコース測定の情報に対する補足的な情報を提供して、糖尿病患者が彼らの状態をよりよく管理し、可能性のある長期の健康問題を緩和するのをさらに助けるであろう。
【0261】
[00344] さらに、そのような情報が拡張された歴史的時間窓でより高頻度な方式で入手可能である場合、これは糖尿病コミュニティの内外でグルコース調節の理解に著しく影響を与える可能性があり、それは糖尿病に対する新規のおよび/または最適化された療法アプローチの開発、教育、および訓練により血糖管理のよりよい理解につながる可能性がある。
【0262】
[00345] 実施例8
[00346] キット
[00347] 本明細書で記述されるセンサーは、部品のキットの形態で提供することができる。そのようなキットには、診断キット、バイオマーカー発見キット、環境試験キット、生物災害または生物兵器検出キット、および医学または分析化学の適用において標的を検出するためのキットが含まれるが、それらに限定されない。限定的でない例として、そのアミン末端アプタマーは単独の分子として含まれることができ、または既に支持体に付着していることができる。追加の構成要素が含まれることもでき、それはマイクロ流体チップ、参照標準、および当業者が本開示を読めば同定可能である追加の構成要素を含むことができる。また、そのキットの構成要素は、本明細書で開示される方法を実施するため、適切な説明書および他の必要な試薬と共に提供することができる。一部の態様において、そのキットは別々の容器中にその組成物を含有することができる。そのアッセイを実施するための紙または電子支持体、例えばテープまたはCD−ROM上の説明書、例えば書面の説明書または音声の説明書もそのキット中に含まれることができる。そのキットは、用いられる個々の方法に応じて、他の包装された試薬および物質(例えば洗浄緩衝液等)も含有することができる。
【0263】
[00348] 本発明は様々な好ましい態様に関連して記述されてきたが、当業者は、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく様々な変更を行ってよく、その要素の代わりに均等物を用いてよいことを理解するべきである。加えて、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、その本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。
【0264】
[00349] 従って、本発明は本明細書で開示されたこの発明を実施するために熟慮された特定の態様に限定されるのではなく、本発明には特許請求の範囲内に入る全ての態様が含まれるであろうことが意図されている。
【0265】
[00350] 本明細書で列挙された文書のいずれの引用も、前記のいずれかが関連する先行技術であるという自認として意図されているわけではない。その日付に関する全ての記載またはこれらの文書の内容に関する表現は出願者に入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関する自認を構成することは一切ない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]