特許第6170606号(P6170606)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浅川 香織の特許一覧

<>
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000002
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000003
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000004
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000005
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000006
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000007
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000008
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000009
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000010
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000011
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000012
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000013
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000014
  • 特許6170606-剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170606
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具
(51)【国際特許分類】
   A61F 15/00 20060101AFI20170713BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   A61F15/00
   A61F13/02 380
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-225614(P2016-225614)
(22)【出願日】2016年11月21日
(65)【公開番号】特開2017-35581(P2017-35581A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年12月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516349596
【氏名又は名称】浅川 香織
(74)【代理人】
【識別番号】100119769
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 清
(72)【発明者】
【氏名】浅川 香織
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3183622(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/136183(WO,A1)
【文献】 特開2015−077350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の短辺寸法、長辺寸法を有する長方形裏打ち支持体表面に積層した粘着性膏体表面をその長辺中央付近に設けた2本の直線又は2本の波線を境界に3分割した剥離フィルムで覆った3層構造の貼付剤の剥離フィルムを剥がして目的部位に貼付するための剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具であって、
該補助具は一対の二つ折り取っ手部品で構成され、各二つ折り取っ手部品は短辺が前記長方形貼付剤の短辺に等しく、長辺は貼付剤長辺の2倍以上の長さの長方形フィルムの長辺中央部表面に長辺に直角な狭い幅の帯状接着剤層を形成してその表面を剥離フィルムで覆い、該帯状接着剤層の片側辺を折り目として該接着剤層が外側になるように二つ折りに折り畳んで構成してあり、
使用に際しては、前記各二つ折り取っ手部品の剥離フィルムを剥がし、各二つ折り取っ手部品の前記二つ折り線を貼付剤の前記3分割された剥離フィルムの2本の直線又は波線境界の外側に接近させた位置にして、折り畳みで重なった各2枚の取っ手状フィルムを分割線とは反対側に向けた状態で2本の分割線間の中央線に対して対称に貼りつけ、該状態にて貼付剤の中央部剥離フィルムを剥がし、露出した粘着性膏体部でもって一対の二つ折り取っ手部品が接着された貼付剤を患部に貼りつけ、該状態にて一方の二つ折り取っ手部品の折り畳みで重なった2枚の取っ手状フィルムのうちの患部とは反対側の取っ手状フィルムを折り目を軸に180度旋回させて他方の二つ折り取っ手部品の上に折り重ね、該状態にて折り重ねた取っ手状フィルムを手で患部側に軽く押し付け、該状態にて旋回させずに残った取っ手状フィルムを患部表面に平行に貼付剤長手中心線から遠ざかる方向に緩い速度で引くことにより該取っ手状フィルムの前記接着剤層に貼り付いていた貼付剤の3分割された剥離フィルムの一方の剥離フィルムを同じ方向に移動させ、該移動により該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を剥離フィルムから剥がして反対側の患部表面に貼り付かせ、該剥離フィルム全体が粘着性膏体から剥がれたときに該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体が患部表面に貼り付いた状態となって貼付剤の中央部とその一方の片側粘着性膏体の患部表面への貼り付けが完了し、続いて残った他方の二つ折り取っ手部品の二つ折りで重なった2枚の取っ手状フィルムのうちの患部とは反対側の取っ手状フィルムを前記一方の二つ折り取っ手部品の場合と同様に折り目を軸に180度旋回させて貼付完了した裏打ち支持体の上に折り重ね、該状態にて折り重ねた取っ手状フィルムを手で患部側に軽く押し付け、該状態にて前記一方の取っ手状フィルムの場合と同様に旋回させずに残った取っ手状フィルムを患部表面に平行に貼付剤長手中心線から遠ざかる方向に緩い速度で引くことにより該取っ手状フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を同じ方向に移動させ、該移動により該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を剥離フィルムから剥がして反対側の患部表面に貼り付かせ、該剥離フィルム全体が粘着性膏体から剥がれたときに該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体全体が患部表面に貼り付いた状態となって貼付剤の他方の片側粘着性膏体の患部表面への貼り付けが完了し、これにより貼付剤の中央部とその両側に広がる粘着性膏体全体の患部表面への貼り付けが完了するように構成されていることを特徴とする剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消炎、鎮痛等を目的とした剥離フィルム付き貼付剤を背中などの見えない部位や手の届きにくい部位に貼付する際に、表面の剥離フィルムを上手く剥がして貼付剤が目的とする部位に容易、且つ正確に貼付されるように補助する剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
肩こり、腰痛、打撲、捻挫等の治療剤として各種の外用貼付剤が市販されている。これら貼付剤は不織布、紙等の裏打ち支持体上に薬効成分を有する粘着性膏体を塗布し、その表面をポリエチレン等の剥離フィルムで覆った積層構造をしている。通常、長方形に切断して市販されている。膏体を覆う剥離フィルムには全体が1枚構成のもの、中央にミシン目または切り目を入れた2枚構成のもの、切り目を2本入れた3枚構成のものがある。使用に際しては剥離フィルムを剥がし、裏打ち支持体を手で持ち膏体を患部に貼り付ける。
【0003】
しかし、裏打ち支持体は柔らかく膏体は粘着性が極めて高いため、剥離フィルムを剥がして患部に貼付する間に膏体に皺が生じたり、粘着面同士が貼り付いたり、粘着面が衣服に貼り付いたりし易い。特に、背中、腰などの見えにくい部位や手の届きにくい部位に貼付する際にそうした問題が生じ易く、また、そうした貼り付きに注意する余り、目的部位から外れた個所に貼り付けてしまうことも多い。
【0004】
こうした問題を解決するため、従来、各種の解決策が提案されている。例えば、特許文献1には剛性を有する平板からなり、該平板に貼付剤の対向する2辺を挿入・保持する複数の挿入口を形成した貼付剤貼付用補助具が開示されている。しかし、この補助具の場合、3分割された剥離フィルムの中央剥離フィルムを剥がして患部に貼りつけた後に補助具を取り外し、更に貼付剤表面に残る2枚の剥離フィルムを手で剥がす必要がある。こうした作業中に膏体に皺ができたり、膏体の粘着面が手について膏体が意図しない個所に貼りついたりする問題がある。
【0005】
また、特許文献2には剥離フィルムを2枚で構成し、1枚は膏体面の中間部位で上に折り曲げ、その折り曲げ部の上側に2枚目の剥離フィルムを重合した状態で膏体に貼付した貼用薬が開示されている。特許文献3にも類似構造のパップ剤が開示されている。しかし、これら貼用薬、パップ剤は剥離フィルムを剥がすには便利ではあるが、貼付前に片方の剥離フィルムを剥がし、膏体面を露出させて貼り付ける際に膏体に皺ができたり衣服等に貼り付いたりすることを完全には防止できない。また、剥がす際に手で掴む剥離フィルムの端部が四角形状貼用薬の中央付近に位置するため、見えない部位や手の届きにくい部位への貼付には困難を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−35934号公報
【特許文献2】特開2000−351727号公報
【特許文献3】特開2000−219622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は消炎、鎮痛等を目的とした剥離フィルム付き貼付剤を見えない部位や手の届きにくい部位に貼付する際に、表面の剥離フィルムを上手く剥がして貼付剤が目的とする部位に容易、且つ正確に貼付されるように補助する剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、特定の短辺寸法、長辺寸法を有する長方形裏打ち支持体表面に積層した粘着性膏体表面を長辺中央付近に設けた2本の直線又は2本の波線を境界に3分割した剥離フィルムで覆った3層構造貼付剤の剥離フィルムを剥がして目的部位に貼付するための剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具であって、該補助具は一対の二つ折り取っ手部品で構成され、各二つ折り取っ手部品は短辺が前記長方形貼付剤の短辺に等しく、長辺は貼付剤長辺の2倍以上の長さの長方形フィルムの長辺中央部表面に長辺に直角な狭い幅の帯状接着剤層を形成してその表面を剥離フィルムで覆い、該帯状接着剤層の片側辺を折り目として該接着剤層が外側になるように二つ折りに折り畳んで構成してあり、使用に際しては、前記各二つ折り取っ手部品の剥離フィルムを剥がし、各二つ折り取っ手部品の前記二つ折り線を貼付剤の前記3分割された剥離フィルムの2本の直線又は波線境界の外側に接近させた位置にして、折り畳みで重なった各2枚の取っ手状フィルムを境界線とは反対側に向けた状態で2本の境界線間の中央線に対して対称に貼りつけ、該状態にて貼付剤の中央部剥離フィルムを剥がし、露出した粘着性膏体部でもって一対の二つ折り取っ手部品が接着された貼付剤を患部に貼りつけ、該状態にて一方の二つ折り取っ手部品の折り畳みで重なった2枚の取っ手状フィルムのうちの患部とは反対側の取っ手状フィルムを折り目を軸に180度旋回させて他方の二つ折り取っ手部品の上に折り重ね、該状態にて折り重ねた取っ手状フィルムを手で患部側に軽く押し付け、該状態にて旋回させずに残った取っ手状フィルムを患部表面に平行に貼付剤長手中心線から遠ざかる方向に緩い速度で引くことにより該取っ手状フィルムの前記接着剤層に貼り付いていた貼付剤の3分割された剥離フィルムの一方の剥離フィルムを同じ方向に移動させ、該移動により該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を剥離フィルムから剥がして反対側の患部表面に貼り付かせ、該剥離フィルム全体が粘着性膏体から剥がれたときに該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体が患部表面に貼り付いた状態となって貼付剤の中央部とその一方の片側粘着性膏体の患部表面への貼り付けが完了し、続いて残った他方の二つ折り取っ手部品の二つ折りで重なった2枚の取っ手状フィルムのうちの患部とは反対側の取っ手状フィルムを前記一方の二つ折り取っ手部品の場合と同様に折り目を軸に180度旋回させて貼付完了した裏打ち支持体の上に折り重ね、該状態にて折り重ねた取っ手状フィルムを手で患部側に軽く押し付け、該状態にて前記一方の取っ手状フィルムの場合と同様に旋回させずに残った取っ手状フィルムを患部表面に平行に貼付剤長手中心線から遠ざかる方向に緩い速度で引くことにより該取っ手状フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を同じ方向に移動させ、該移動により該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体を剥離フィルムから剥がして反対側の患部表面に貼り付かせ、該剥離フィルム全体が粘着性膏体から剥がれたときに該剥離フィルムに貼り付いていた粘着性膏体全体が患部表面に貼り付いた状態となって貼付剤の他方の片側粘着性膏体の患部表面への貼り付けが完了し、これにより貼付剤の中央部とその両側に広がる粘着性膏体全体の患部表面への貼り付けが完了するように構成されていることを特徴とする剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具である。
【0009】
このように膏体の中央部分のみを露出させて患部に貼り付けるので貼付剤を正確に位置決めして貼り付けることができる。この位置決めの際、膏体は中央の幅の狭い部分のみしか露出しておらず、他の部分は二つ折り取っ手部品で覆われているため意図しない部分に膏体が付着するのが防止される。また、膏体の中央部外側部分の貼り付けは二つ折り取っ手部品で膏体を剥離フィルムから剥がすと同時に、剥がれた膏体が直ぐに患部に貼り付けられるので膏体が意図しない部分に付着することはない。また、直ちに貼り付けられるので膏体に皺が生ずることもなく、膏体は患部に正確、且つきれいに貼り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の貼付用補助具1を用いる対象である貼付剤2の構造図である。
図2】本発明の貼付用補助具1の平面図と断面図である。
図3】貼付用補助具1の片側の二つ折り取っ手部品1aの構造説明図である。
図4】貼付用補助具1を貼付剤2に貼り付けた状態の構造図である。
図5】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図6】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図7】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図8】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図9】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図10】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図11】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図12】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図13】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
図14】貼付用補助具1の使用法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る貼付用補助具1を用いる対象である貼付剤2の構造の例であり、図1の(1)は断面図、図1の(2)、(3)は2種類の平面図である。貼付剤2は長方形をしており、不織布、紙等の裏打ち支持体3の上に薬効成分を有する粘着性の膏体4を塗布し、その表面をポリエチレン、紙、不織布等の剥離フィルム5で覆った3層構造になっている。剥離フィルム5は貼りやすいよう、また剥がしやすいように長辺中央部に2本の分割線5d、5dを設けて3分割されている。図1の(2)は2本の分割線5d、5dが波形の例、図1の(3)は直線の例である。本発明に係る貼付用補助具1は、このような貼付剤2を見えない部位や手の届きにくい部位に貼付する際に、表面の剥離フィルム5を上手く剥がし、貼付剤2が目的とする患部に容易、且つ正確に貼付されるように補助するものである。
【0012】
本発明に係る貼付用補助具1は、一対の二つ折り取っ手部品1a、1bで構成される。図2の(1)は平面図、図2の(2)はその断面図である。二つ折り取っ手部品1a、1bは同一構成であり、図2はそれらを向かい合わせに対称に並べた図である。図3は一方の二つ折り取っ手部品1aについての構造、製作法の説明図である。最初に図3の(1)に示すような長方形フィルム6を準備する。材料としてはポリエチレンフィルム、紙、不織布等を使用する。その短辺幅は図1に示した長方形貼付剤2の短辺幅に等しくし、長辺幅は貼付剤2の長辺幅の2倍以上とする。長方形フィルム6の長手方向中央下面側に狭い幅の帯状接着剤層7を長辺に直角に形成し、その表面を剥離フィルム9で覆っておく。この長方形フィルム5を図3の(3)の矢印に示すように、帯状接着剤層7の片側辺を折り目として帯状接着剤層7が外側になるように二つ折りに折り畳むと図2に示した一方の二つ折り取っ手部品1aが完成する。他方の二つ折り取っ手部品1bも同様にして製作する。以後、図2の(2)に示すように、折り畳んだ状態における二つ折り取っ手部品1aの帯状接着剤層7側のフィルム片を取っ手状フィルム1as、帯状接着剤層7とは反対側のフィルム片を取っ手状フィルム1auと呼び、他方の二つ折り取っ手部品1bについても帯状接着剤層7側のフィルム片を取っ手状フィルム1bs、帯状接着剤層7とは反対側のフィルム片を取っ手状フィルム1buと呼ぶことにする。
【0013】
次に、このように形成した貼付用補助具1を用いた貼付剤2の貼りつけ方について説明する。最初に貼付用補助具1の各二つ折り取っ手部品1a、1bの帯状接着剤層7を覆っている剥離フィルム9を手で剥がして取り去る。次に図4の(1)の平面図、図4の(2)の断面図に示すように、各二つ折り取っ手部品1a、1bの二つ折り線を、貼付剤2の3分割された剥離フィルム5の2本の境界線5d、5dの外側に接近させた位置にし、折り畳みで重なった二つ折り取っ手部品1aの取っ手状フィルム1as、1au、二つ折り取っ手部品1bの取っ手状フィルム1bs、1buを分割線5d、5dとは反対側に向けた状態で対称に貼りつける。
【0014】
次に、図5に示すように貼付剤2の中央の剥離フィルム5cを手で剥がして取り去り、粘着性膏体4の中央部を露出させる。中央の剥離フィルム5cは、貼付剤2を中央の剥離フィルム5cが外側になるようにして少し折り曲げると、剥離フィルム5cの周辺が膏体4表面から離れて少し浮き上がるので手で簡単に剥がしとることができる。次に、露出させた粘着性膏体4の中央部を目的とする患部にあてがい、二つ折り取っ手部品1a、1bに接着された状態の貼付剤2を図6に示すように患部8に貼りつける。これにより貼付剤2の粘着性膏体4の中央部が患部8に貼りついた状態となる。
【0015】
次に、一方の二つ折り取っ手部品1aの折り畳みで重なった2枚の取っ手状フィルム1au、1asのうちの患部とは反対側の取っ手状フィルム1asを引き起し、図7の矢印に示すように折り目を軸として180度旋回させて他方の二つ折り取っ手部品1bの上に図8に示すように折り重ねる。続いて、折り重ねた取っ手状フィルム1asを患部8側に手で軽く押し付け、図9に示すように該状態にて旋回させなかった取っ手状フィルム1auを患部8表面に平行に貼付剤2の長手中心線から遠ざかる方向(矢印方向)に緩い速度で引く。
【0016】
取っ手状フィルム1auが矢印方向に引かれて移動すると、その取っ手状フィルム1auに帯状接着剤層7により接着されていた貼付剤2の片側の剥離フィルム5aも一緒に矢印方向に移動する。貼付剤2の粘着性膏体4の中央部は患部8表面に貼り付いた状態にあるため、剥離フィルム5aが移動すると剥離フィルム5aに接着されていた粘着性膏体4は剥離フィルム5aから剥がされて患部8表面に貼りつけられる。取っ手状フィルム1aを引いて移動させる際には、反対側の取っ手状フィルム1asが浮き上がらないように、また、剥離フィルム5aから剥がされた粘着性膏体4が患部8表面に確実に貼り付けられるように、取っ手状フィルム1asを患部8側に手で軽く押し付けておく。
【0017】
取っ手状フィルム1auの移動を継続すると、遂には剥離フィルム5aに接着されていた粘着性膏体4の全体が剥離フィルム5aから剥がれ、図10に示すように粘着性膏体4の中央部及び剥離フィルム5aに貼り付いていた部分が患部8表面に貼り付いた状態となる。これにより貼付剤2の片側部分の貼り付けが完了する。
【0018】
続いて、貼付剤2の残りの片側部分、即ち、二つ折り取っ手部品1bの取っ手状フィルム1buに貼り付いている部分の患部8への貼り付けを行なう。この貼り付け方は前記と同じである。まず、図11に示すように取っ手状フィルム1bsを引き起し、図12に示すように反対側に折り重ねる。折り重ねた取っ手状フィルム1bsを患部8側に手で軽く押し付けた状態で、図13に示すように取っ手状フィルム1buを貼付剤2の長手中心線から遠ざかる方向(矢印方向)に緩い速度で引く。これにより取っ手状フィルム1bsに接着されていた剥離フィルム5bも一緒に矢印方向に移動する。その移動により剥離フィルム5bに貼り付いていた粘着性膏体4は剥離フィルム5bから剥がされて患部8表面に貼りつけられる。そして、最終的に図14に示すように貼付剤2の全体が患部8に貼りつけられた状態となり、貼り付け作業が完了する。
【0019】
このように本発明の剥離フィルム付き貼付剤の貼付用補助具1は、最初に貼付剤2表面の3分割された左右の剥離フィルム5a、5bの中央寄り部分に一対の二つ折り取っ手部品1a、1bを左右対称に貼り付け、その後で剥離フィルム5の中央部分5cを剥がしてその部分の膏体4を露出させて患部8に貼り付ける。このように膏体4の中央部分のみを露出させて患部8に貼り付けるので貼付剤2を正確に位置決めして貼り付けることができる。この位置決めの際、膏体4は中央の幅狭部分のみしか露出しておらず、他の部分は二つ折り取っ手部品1a、1bで覆われているため膏体4が意図しない部分に付着するのが防止される。
【0020】
続く、膏体4の残り部分の患部8への貼り付けは、貼付剤2の3分割された剥離フィルム5の両側フィルムに左右対称に貼り付けた各2枚構成の取っ手状フィルムを広げ、一方の取っ手状フィルムで貼付剤2全体を患部8側へ軽く押し付け、他方の取っ手状フィルムを外方向に引いて剥離フィルム5を剥がしながら、剥がされた裏打ち支持体3で支持された膏体4を患部8に貼り付ける動作で行なう。剥離フィルム5から剥がされた膏体4は外面側が裏打ち支持体3で覆われた状態で即、患部8側に移行して貼り付けられるため貼り付けの際に膏体4が露出することはない。このため意図しない部分に膏体4が付着したり、膏体4の表面同士が貼り付いたりすることが防止される。また、このような貼り付け方のため膏体4に皺や歪みが生じることはなく、背中、腰などの見えにくい部位や手の届きにくい部位にも容易、且つ正確に貼り付けることができる。
【符号の説明】
【0021】
図面中、1は貼付用補助具、1a、1bは二つ折り取っ手部品、2は貼付剤、3は裏打ち支持体、4は膏体、5は剥離フィルム、5c は中央部剥離フィルム、6は取っ手状フィルム、7は接着剤層、8は患部、9は剥離フィルムを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14