(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書において開示されるような径方向模型組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図2A】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2B】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2C】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2D】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2E】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2F】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2G】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図2H】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な横断面図である。
【
図3A】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な軸方向に延びる断面図である。
【
図3B】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な軸方向に延びる断面図である。
【
図3C】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な軸方向に延びる断面図である。
【
図4A】本明細書において開示されるような、径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な正面図であり、スプルー壁の高さは外周の周りで変化する。
【
図4B】本明細書において開示されるような、径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の種々の実施形態の代表的な正面図であり、スプルー壁の高さは外周の周りで変化する。
【
図5A】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される、中空スプルー、及び、内部に開口を有するスプルー壁の種々の実施形態の外周の代表的な平坦な投影図である。
【
図5B】本明細書において開示されるような径方向模型組立体において使用される、中空スプルー、及び、内部に開口を有するスプルー壁の種々の実施形態の外周の代表的な平坦な投影図である。
【
図6A】本明細書において開示されるような内部に開口を有する径方向模型組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図6B】本明細書において開示されるような、軸方向に延びるスプルー壁部分を有する
図6Aの径方向模型組立体から取り外された軸方向に延びるセグメントの斜視図である。
【
図7】本明細書において開示されるような、高さに沿って並びに内周及び外周の周囲で厚さが変化する凹部を有する径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の一実施形態の代表的な軸方向に延びる断面図である。
【
図8】本明細書において開示されるような、高さに沿って並びに内周及び外周の周囲で厚さが変化する突起を有する径方向模型組立体において使用される中空スプルー及びスプルー壁の一実施形態の代表的な軸方向に延びる断面図である。
【
図9】
図1の径方向模型組立体の中空スプルー及びスプルー壁並びにランナの代表的な軸方向に延びる断面斜視図である。
【
図10】本明細書において開示されるような軸方向に延びる模型セグメント及びランナの一実施形態の代表的な断面斜視図である。
【
図11】本明細書において開示されるような軸方向に延びる模型セグメント及びランナの別の実施形態の代表的な断面斜視図である。
【
図12】本明細書において開示されるような径方向模型組立体の一実施形態の中空スプルー及びスプルー壁並びにランナの上面図である。
【
図13】複数の周方向に延びる模型セグメントを含む径方向模型組立体の代表的な断面図である。
【
図14】本明細書において開示されるような径方向模型組立体を製造する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図15】本明細書において開示されるような径方向模型組立体を製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【
図16】本明細書において開示されるような耐火性鋳型の例示的な実施形態を示す図である。
【
図17】耐火性鋳型を製造する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図18】耐火性鋳型を製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本開示、その用途又は使用を限定する意図はない。図面を通して、対応する参照符号は、同様であるか又は対応する部分及び特徴を示すことを理解されたい。
【0011】
図面、より詳細には
図1及び
図2を参照すると、径方向模型組立体10が開示される。径方向模型組立体10は、長手方向軸16の周囲に配置されるスプルー壁14を含む中空スプルー12を含む。スプルー壁14は、厚さ18、長さ又は高さ20、外周22及び内周24を有する。径方向模型組立体10は、スプルー壁14の径方向外側に配置される模型26、及び、スプルー壁14と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる、径方向外側に延在するゲート28も含む。中空スプルー12、スプルー壁14、模型26及びゲート28はそれぞれ、本明細書において記載されるように消失性、使い捨ての、又は別様に除去可能な材料としても説明することができる消失性材料58から形成される。
図1に示されているように、径方向模型組立体10は、複数の模型26、及び、スプルー壁14と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる複数のゲート28を含む。本明細書において用いられる場合、「径方向」及び「径方向に」という用語は、これらの用語が用いられる要素についての説明において非常に広範に理解されることが意図され、限定はされないが、中心点又は中心軸を中心に半径方向に、これらの用語で修飾される要素の位置又は範囲を含む。これらの用語は、他の要素に関して特定の要素の外側若しくは内側の位置又は範囲をより広範に含む。例えば、スプルー壁14が矩形の外周形状等の非円筒形状を有する場合、外周に沿って外側又は内側にスプルー壁14に対して直交して取り付けられる全てのゲート(及び関連する模型)が共通の点又は長手方向軸から半径方向に延びるわけではないが、全てがスプルー壁から放射状になると言える。本明細書において用いられる場合、「径方向」及び「径方向に」という用語は、スプルー壁14からの本明細書において記載されるゲート28、ゲート34、模型26、模型32、ランナ62及び他の要素の外側又は内側への延びを、それらが位置付けられる方法や延びる方法に関係なく、広範に含むことも意図される。別の例では、外側に延びるゲート28又は内側に延びるゲート34は、ゲート軸に沿って延在することができるが、その軸は中心点又は中心軸を中心に半径方向である必要はなく、直線以外で湾曲するか又は延在することができる。
【0012】
径方向模型組立体10及び中空スプルー12は、中実の中央スプルーを有する関連技術の組立体に勝る改良であり、この理由は、中空スプルー12が、スプルー壁14の外面の表面積を増大させることを可能にし、中実のスプルーの直径が増大すると生じるような、スプルーを満たすのに必要な材料の量を必ずしも増大させることなく、より多くのゲート及び模型をスプルーに取り付けることを可能にするためである。径方向模型組立体10及び中空スプルー12を使用して、スプルーに取り付けることができる模型の数、及び、そこからの鋳造歩留りを有利に増大させることができる。径方向模型組立体10の別の利点は、中空スプルー12及びスプルー壁14を、径方向模型組立体10によって提供される増大した模型密度を含め、スプルー壁14に取り付けられる模型26及びゲート28に給送すること、並びに、本明細書において記載されるように、鋳型を鋳造して模型内の模型キャビティを満たした後で、スプルーキャビティからの溶融材料の略完全な逆流を可能にするスプルーキャビティを有する鋳型を提供する所定の厚さ18、長さ20、外周22及び内周24を含むように選択することもできることである。径方向模型組立体10のまた別の利点は、中空スプルー12の使用が、第2の模型32及び第2のゲート34のスプルー壁14の径方向内側への配置も可能にすることである。また別の利点として、スプルー壁14は、本明細書において記載されるように、鋳型キャビティ内の溶融金属の金属動的な(metallodynamic)流れを高め、特に模型キャビティを満たすことを確実にするために使用可能な種々の所定の特徴を組み込むことができる。このように、径方向模型組立体10及び中空スプルー12を使用して、スプルーに取り付けることができる模型26の数を更に増大させ、そこから鋳造されるパーツの鋳造歩留りを更に高めることができる。
【0013】
図2A〜
図2H及び
図3A〜
図3Cに示されているように、例示的な実施形態では、中空スプルー12及びスプルー壁14は、ゲート28及び模型26の取り付けに適した表面を有する任意の好適な中空体を含み、種々の湾曲した若しくは多面体の形状(平坦で平面的な表面を含む)又はそれらの組み合わせを含む任意の好適な中空の形状を有する。これは、種々の実施形態では、多くの円筒形状(
図2A)、特に種々の円形(
図2A)を含む直円筒形状、楕円形(
図2B)、弓型(交差する円弧又は曲線の組み合わせによって画定される、
図2C及び
図2H)、丸みを帯びた矩形(
図2G)、矩形(
図2E)、三角形(
図2D)、並びに、他の多面体の円筒形状、又は、長手方向軸に略直交する代表的な外周断面図の使用によって、
図2C及び
図2Hに示されているような規則的若しくは不規則的な湾曲した円筒形状等を含むことができる。これらの代表的な形状は専ら例示的であり、多くの他の多面体及び湾曲した外周断面形状並びにそれらの組み合わせが可能である。中空スプルー12は、
図2A〜
図2Gの例に示されているように、長手方向軸16を完全に包囲するように完全に閉じられるか、又は、
図2Hの例に示されているように長手方向軸16を略包囲するように略閉じることができるスプルー壁14によって画定することができる。中空スプルー12及びスプルー壁14は、一定であるか又は互いに対して若しくは互いを基準にして可変である所定の厚さ18、長さ20並びに外周22及び内周24を有する。例えば
図2A〜
図2Gに示されているような1つの例示的な実施形態では、厚さ18、長さ20、外周22及び内周24は互いに対して略一定である。他の実施形態では、厚さ18は、
図2A〜
図2H及び
図3A〜
図3Cの例によって示されているような任意のやり方で、一定である(
図2A〜
図2G、
図3A)か、長さ20(
図3B及び
図3C)若しくは外周22(
図2C)に沿って変えることができるか、この双方である。厚さ18は、スプルー壁14の上側端44に向かって上方に厚さを増大させる(
図3C)か、又は、上方に厚さを低減する(
図3B)ことによって、長さに沿って変えることができる。同様に、他の実施形態では、長さ20は、
図4A(段状)及び
図4B(連続的)に示されているように外周22の周りで変えることができる。示されている変形は例示的なものに過ぎず、厚さ18、長さ20、外周22及び内周24を含む中空スプルー12の形状及び形態の多くの他の変形が可能である。
【0014】
1つの実施形態では、スプルー壁14は、壁が例えば
図1に示されているように中空スプルー12の長手方向軸16を完全に囲む中実の閉形態であるように、連続的な壁であるものとすることができる。代替的に、他の実施形態では、スプルー壁14は、例えば
図2H、
図5A及び
図5Bに示されているように、外面38から内面40にスプルー壁14を通って延びる1つ又は複数の開口36を含む略閉形態とすることができる。開口36は、スプルー壁14の下側端42及び上側端44の一方、或いは双方から内側に延びるか(
図5A)、又は、下側端42と上側端44との間でスプルー壁14内に全体的に位置付けることができる(
図5B)。更に代替的な実施形態として、スプルー壁14は、外周22及び内周24の周りで閉形態を形成しないように、下側端42から長さ20全体を通って上側端44まで延びる開口36を有する(
図2H及び
図6A)。スプルー壁14が中実の閉形態であるか、或いは1つ又は複数の開口36を含むか否かにかかわらず、スプルー壁14は、外面38若しくは内面40或いは双方の面から内側に延びる1つ又は複数の凹部48、又は、外面38若しくは内面40或いは双方の面から外側に延びる突起50、又は、凹部48及び突起50の組み合わせを含む。
【0015】
中空スプルー12及びスプルー壁14は、全体的な形状並びに所定の厚さ18、長さ20、外周22及び内周24、並びに、開口36、凹部48及び突起50を組み込むことを含め、鋳造中に鋳型内の溶融金属の所定の金属動的な流れを促す耐火性鋳型を提供するように選択することができる。これは、鋳型キャビティ(単数又は複数)、特に、鋳造中に通路(複数の場合もあり)を満たすように、スプルー壁14内に画定される通路(複数の場合もあり)、ゲート(複数の場合もあり)28内の通路及び模型(複数の場合もあり)26キャビティへの並びにこれらを通る流れを含み、また、鋳型キャビティ、特に、反重力鋳造の場合に、模型キャビティを満たすのに用いられた圧力が解放された後で、ゲート通路及びスプルー壁通路を通って戻る還流を含む。これらの特徴を使用して、鋳型キャビティの特定の部分における流速又は流れの量を増減すること、及び、流量特性(例えば層流又は乱流)を含め、鋳造中及び/又は鋳造後の、鋳型キャビティを用いた金属動的な流れを調整することができる。反重力鋳造の場合、模型キャビティが満たされると、模型に悪影響を与えることなく、すなわち模型キャビティを完全に満たしたままにして、ゲート及びスプルー壁を含む鋳型の他の部分から、可能な限り多くの溶融金属が戻ることが非常に望ましい。
【0016】
1つの実施形態では、模型組立体10は、スプルー壁14と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる、径方向外側に延在するゲート28を含む。これは、各模型26に少なくとも1つのゲート28を含む。別の実施形態では、複数の径方向外側に延びるゲート28が、スプルー壁14と各模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる。ゲート28(単数又は複数)は、スプルー壁14から径方向外側に延びる。ゲート28は、任意の方法又は向きでスプルー壁14から模型26まで径方向外側に延びる。1つの実施形態では、ゲート28(単数又は複数)は、長手方向軸16に対して略垂直に径方向外側に延びるゲート軸52に沿って径方向外側に延在する。他の実施形態では、ゲート28(単数又は複数)は、長手方向軸16に対して略垂直ではないように径方向外側に延びるゲート軸52に沿って径方向外側に延在する。各模型に取り付けられるゲート28の数、及び、それらの断面形状、断面積、長さ等を含むそれらの他の特徴は、模型キャビティを満たすのに十分なゲート通路を提供するように選択することができる。ゲート28及び対応するゲート通路又はキャビティの設計は、鋳型内の模型及び模型キャビティのサイズ、形状、向き、空間配置、熱伝達及び他の特性を含む複数の要因を考慮することができる。1つの実施形態において、複数の同一の模型26のそれぞれの複数のゲート28は、各模型の同じ位置に取り付けられる同じ数のゲートを有することを含め、同じであるものとすることができ、この場合、それぞれの模型上の同じ位置を有するゲートは、
図1、
図6A及び
図9に示されているように同一である。この実施形態では、模型26のそれぞれのゲート28(単数又は複数)は同じであるため、ゲート28/模型26は、
図1に示されているように、スプルー壁14の長さに沿ってスプルー壁14の外周22の周りでスプルー壁14の外面38の周囲で等間隔に離間する。他の多くの配置が可能である。代替的には、上述したように同じである複数のゲート28/模型26の場合、ゲート28/模型26は、(同一であるか又は異なり得る)隣接する模型26のゲート長さを交互にするといった所定の模型で外面38の長さに沿ってずらして配置することができ、それによって、隣接する模型26は、スプルー壁14の外面38により近づけて又はより離して離間される。これらの交互の配置は、幾つかの場合、模型26の充填密度を高めるために用いられる。上述した実施形態は単に例示的であり、中空スプルー12を使用したゲート28/模型26の多くの他の所定の配置が可能である。複数の模型26は、ゲート28によってスプルー壁14に取り付けられる場合、例えば
図1に示されているような複数の同じ模型26、若しくは、例えば
図13に示されているような複数の異なる模型26、又はそれらの組み合わせを含む。
【0017】
1つの実施形態では、模型組立体10は、スプルー壁14と第2の模型32すなわち内側模型との間に取り付けられるとともにその間に延びる、径方向内側に延びる第2のゲート34すなわち内側ゲートを含む。これは、各模型32に少なくとも1つの第2のゲート34を含む。別の実施形態では、複数の径方向内側に延びる第2のゲート34が、スプルー壁14と各第2の模型32との間に取り付けられるとともにその間に延びる。第2のゲート34(単数又は複数)は、スプルー壁14から長手方向軸16に向かって径方向内側に延びる。第2のゲート34は、スプルー壁14から第2の模型32まで任意の方法又は向きで径方向内側に延びる。1つの実施形態では、第2のゲート34(単数又は複数)は、第2のゲート軸54に沿って径方向内側に延びる。第2のゲート軸54は、長手方向軸16に対して略垂直に径方向内側に、又は、ゲート軸52について本明細書において記載する向きと同様の他の向きで延びる。各第2の模型32に取り付けられる第2のゲート34の数、及び、それらの断面形状、断面積、長さ等を含むそれらの他の特性は、第2の模型キャビティを満たすのに十分な第2のゲート通路を提供するように選択することができる。第2のゲート34及び対応する第2のゲート通路又は第2のキャビティの設計は、鋳型内の第2の模型32及び第2の模型キャビティのサイズ、形状、向き、空間配置、熱伝達及び他の特性を含む多くの要因を考慮することができる。この実施形態では、第2の模型32のそれぞれの第2のゲート34(単数又は複数)は同じであるため、第2のゲート34/第2の模型32は、
図10に示されているように、長さ20に沿ってスプルー壁14の内面40の周囲で、及びスプルー壁14の内周24の周りで等間隔に離間させることができる。模型26及びゲート28の、その配置が内周24内に位置付けられることを除き、配置に関して上述したものと同様の多くの他の配置が可能である。模型26及びゲート28を有するか又は有しない第2の模型32及び第2のゲート34を用いることができる。1つの実施形態では、模型26又は第2の模型32を別個に使用して実現することができる鋳造歩留りと比較して、模型26及び第2の模型32の双方を組み込むことで鋳造歩留りを更に高めることができる。別の実施形態では、模型26のない第2の模型32を別個に使用することができ、それによって、模型のみがスプルー壁14の内周24内に位置付けられる。模型26と同様に、所与の模型組立体10における第2の模型32は、任意の配置の同じか又は異なる模型であってもよい。
【0018】
中空スプルー12、模型(複数の場合もあり)26及びゲート(複数の場合もあり)28、並びに、任意の第2の模型(複数の場合もあり)32及び第2のゲート(複数の場合もあり)(34)を含む模型組立体10は、使い捨て又は除去可能であり、耐火性材料92のシェルを含む耐火性鋳型90が模型組立体10上に形成された後で選択的に除去することができるように選択される消失性材料58(又は代替的には複数の異なる消失性材料58)から形成される。消失性材料58は、使い捨て又は除去可能な材料と称することもできる。消失性材料58は、耐火性鋳型90から除去されるように構成されている任意の材料を含むことができ、ワックス、ポリマー、金属、セラミック、粘土、木若しくは無機材料、又はそれらの組み合わせを含む。消失性材料58は、例えば、この材料を加熱して熱分解すること又は消失性材料58を融解させることを含む、任意の好適な方法又は手段によって選択的に除去されるように構成することができる。除去は、種々の有機又は無機溶媒、酸等を含む、消失性材料を溶解させる好適な溶媒を用いて達成することもできる。1つの実施形態では、消失性材料は、種々の市販の模型用ワックスを含む模型用ワックスを含む。ポリマーは例えば発泡ポリスチレンを含む。金属は、任意の好適な消失性金属、特に、Pb、Sn、Bi若しくはSb又はそれらの合金等の比較的低い融点の金属を含む。無機材料は、例えば焼き石膏を含む。模型組立体10は、中空スプルー12、模型(複数の場合もあり)26及びゲート(複数の場合もあり)28を含め、消失性材料58から単一片として形成することができるか、又は、模型組立体10を形成するように一緒に組み付けられる複数の片として形成することができる。複数の片として組み付けられる場合、中空スプルー12、模型(複数の場合もあり)26及びゲート(複数の場合もあり)28は、それぞれ、本明細書において記載されるように別個に形成して一緒に組み付けることができるか、又は代替的には、部分15、17又はスプルー壁14のセクション、模型(複数の場合もあり)26及びゲート(複数の場合もあり)28のうちの1つ又は複数を、組立体の模型セグメント60として一緒に形成することができ、これらのセグメントは、本明細書において記載されるとともに例えば
図1に示されているように、模型組立体10を形成するように一緒に接合することができる。本明細書において記載されるように、単一片として形成されるか、別個の構成要素として形成されるか又はセグメントとして形成されるかにかかわらず、模型組立体10の構成パーツは、鋳造若しくは成形の種々の形態、又は、除去的に形成されるボディを形成する種々の除去プロセス(例えば機械加工)、又は、付加的に形成されるボディを形成する付加プロセス(例えば、三次元コンピュータ支援設計(CAD)データから三次元物体を形成するのに使用される、ステレオリソグラフィ(SLA)、レーザエンジニアリングネットシェイプ(LENS:laser engineered net shaping)、三次元プリント若しくは他のラピッドプロトタイピング/製造方法)、又はそれらの組み合わせを含む任意の好適な方法で形成される。
【0019】
径方向模型組立体10は、中空スプルー12の下側端42又は上側端44を含む端に近接して配置されるランナ62も含むことができる。ランナ62は、溶融プールからスプルー壁通路に溶融金属を給送するのに使用されるランナ通路を提供する耐火性鋳型90の部分を形成するのに使用される。本明細書において記載される模型組立体10が、模型組立体10が溶融金属を耐火性鋳型90及びランナ62の上から供給するように設計されている耐火性鋳型90を形成するような向きである従来の又は重力鋳造に使用される場合、ランナ62は概して、中空スプルー12の上側端44に近接して配置される。本明細書において記載される模型組立体10が、模型組立体10が溶融金属を耐火性鋳型90及びランナ62の下から供給するように設計されている耐火性鋳型90を形成するような向きである反重力鋳造に使用される場合、ランナ62は概して、中空スプルー12の下側端42に近接して配置される。ランナ62はランナ軸64を含むことができ、ランナ及び軸は、長手方向軸16に対して略横断方向に延びるようにすること、又は、例えば、長手方向軸16から中空スプルー12に向かって径方向上方に(若しくは下方に)延びるようにすることを含め、スプルー壁14に対して任意の好適な向きで位置決めすることができる。ランナ62は、消失性材料58と同じ材料又は異なる消失性材料である第2の消失性材料66から形成される。ランナ62は、任意の好適なサイズ及び形状を有することができ、中空スプルー12及びスプルー壁14に関して本明細書において記載する特徴と同様の特徴を含むことができる。1つの実施形態では、ランナ62は連続的な壁であるものとすることができ、その壁は、中空スプルー12の端を完全に包囲する中実の閉形態であり、例えば
図9に示されているように、中空スプルー12の端に取り付けられ、中空スプルー12の長手方向軸16の周囲に配置されるようにする。代替的には、他の実施形態では、ランナ62は、例えば
図10及び
図12に示されているように、ランナ62を通って上側面68から下側面70に延びる1つ又は複数の開口72又はボアを含む略閉形態であってもよい。ランナ62及び開口72は、例えば
図12に示されているような中央ハブ82及び複数のスポーク74の形状をなしてもよい。開口72は、任意の好適な形状又はサイズを有することができ、任意の数であってもよい。ランナ62が中実の閉形態であるか又は1つ又は複数の開口72を含むかにかかわらず、ランナ62は、
図10及び
図11に概略的に示されているように、上側面68若しくは下側面70、或いは双方の面から内側に延びる1つ又は複数の凹部75、又は、上側面68若しくは下側面70、或いは双方の面から外側に延びる突起76、又は、凹部75及び突起76の組み合わせを含む。ランナ62は、全体的な形状、所定の厚さ78及び径方向長さ80、並びに、開口72、凹部75及び突起76を取り入れることを含め、鋳造中に鋳型内の溶融金属の所定の金属動的な流れを促す耐火性鋳型を提供するように選択することができる。これは、鋳型キャビティ(単数又は複数)、特に、鋳造中に通路(複数の場合もあり)を満たすように、スプルー壁14内に画定される通路(複数の場合もあり)、ゲート(複数の場合もあり)28内の通路及び模型26キャビティへの及びこれらを通る流れを含み、また、鋳型キャビティ、特に、反重力鋳造の場合に模型キャビティを満たすのに用いられた圧力が解放された後で、ゲート通路及びスプルー壁通路を通って戻る還流を含む。これらの特徴を使用して、鋳型キャビティの特定の部分における流速又は流れの量を増減すること、及び、流量特性(例えば層流又は乱流)を含め、鋳造中及び/又は鋳造後の、鋳型キャビティを用いた金属動的な流れ、特に、スプルー壁14内の通路への流れを調整することができる。反重力鋳造の場合、模型キャビティが満たされると、模型に悪影響を与えることなく、すなわち模型キャビティを完全に満たしたままにして、ゲート及びスプルー壁を含む鋳型の他の部分から、可能な限り多くの溶融金属が戻ることが非常に望ましい。
【0020】
ランナ62は、内面40、或いは、上側端44若しくは下側端42又はそれらの組み合わせである中空スプルー壁14の端内に配置するとともに取り付けることができる。1つの実施形態では、ランナ62は、例えば
図9に示されているように、スプルー壁14の下側端42に近接して内周24の周囲に取り付けられる中実の部材を含む。別の実施形態では、ランナ62は、中央ハブ82から延びる複数の外側に延在するスポーク74を含み、各スポーク74は、例えば
図12に示されているようにスプルー壁14の下側端42に近接して取り付けられる。
【0021】
図1〜
図13に示されているように、径方向模型組立体10は、複数の模型セグメント60の組立体として形成することができ、模型セグメント60は、少なくとも1つの模型26、32、及び、径方向外側に延びるゲート28又は径方向内側に延びるゲート34等の少なくとも1つの対応するゲートを含み、スプルー壁14の少なくとも一部15、17も含むことができる。模型セグメント60は、ランナ62の一部も含むことができる。模型セグメント60は、スプルー壁14の少なくとも一部を含むスペーサセグメント61と組み合わせることもできる。ゲート28、34、並びに、模型セグメント60及びスペーサセグメント61のスプルー壁14部分は、開口36、並びに、外面38若しくは内面40の凹部48及び突起50、又はそれらの組み合わせ等の、本明細書において記載される特徴も含むことができる。模型セグメント60は、スプルー壁14の軸方向に延びる部分15が長手方向軸16の方向に略延びる、軸方向に延びる模型セグメント60、又は、スプルー壁14の周方向に延びる部分17が、長手方向軸16に略直交して延びることを含め、壁の外周を含むように略横方向に延びる、周方向に延びる模型セグメント60を含むことができるか、又は、軸方向に延びる及び周方向に延びるセグメント60の組み合わせを含むことができる。周方向に延びる模型セグメント60は、スプルー壁14が円筒形である、径方向に延びる模型セグメント(例えばリング状のセグメント)とも、又は、横方向に延びる模型セグメントとも記載することができる。模型セグメント60は、本明細書において記載されるように消失性材料58から形成される。模型セグメント60は、スプルー壁14のそれらの部分15、17、模型26、32及びゲート28、34を含め、本明細書において記載されるような耐火性鋳型がそこに形成されることと併せてそれらの取り外しを促すように、設計の選択として同じ消失性材料58又は異なる消失性材料から形成することができる。複数の模型セグメント60及びスペーサセグメント61が用いられる場合には、スペーサセグメント61は、本明細書において記載されるように、径方向模型組立体10を提供するように組み付けることができる。用いられる模型セグメント60は、軸方向に延びるセグメント60であるか又は周方向に延びるセグメント60であるかにかかわらず、同じであるか又は互いに異なるものとすることができる。模型セグメント60は、隣接するセグメント間に形成される溶接部、種々の接着剤、糊、又は1つのセグメントを別のセグメントに接着させるのに使用される他の接合材料等の直接的な結合、及び、それ自身が消失性材料から形成される装置を含む種々の取り付け装置を含め、任意の好適な方法で径方向模型組立体10を形成するように一緒に組み付けることができる。
【0022】
図1及び
図13に示されているように、複数の模型32を含む径方向模型組立体10は、複数の同じ模型26(
図1)若しくは複数の異なる模型32.1〜32.4(
図13)又はそれらの組み合わせを含むことができ、これは、
図13が、複数の同じ模型(例えば、26.2及び26.3のそれぞれの2つ以上、この場合、26.2及び26.3は異なる模型である)を含むためである。
【0023】
図1、
図6A、
図6B、
図9、
図10及び
図11に示されているように、例えば、1つの実施形態では、径方向模型組立体10は、スプルー壁14の軸方向に延びる部分15(
図6B)、ゲート(複数の場合もあり)28及び模型(複数の場合もあり)26をそれぞれ含む複数の軸方向に延びる模型セグメント60の組立体として形成することができる。本明細書において説明されるように、軸方向に延びる模型セグメント60は、径方向模型組立体10の所定の設計に応じて同じか又は異なるように選択することができる。例えば、使用されるゲート(複数の場合もあり)28及び模型(複数の場合もあり)26は、設計の要件に従って、同じか若しくは異なるか又はそれらの組み合わせである。また、種々の模型セグメント60において用いられるスプルー壁14の軸方向に延びるセクション又は部分15は、設計の要件、特に、本明細書において記載されるようにスプルー壁14の所定の形状に従って、同じか若しくは異なるか又はそれらの組み合わせであるように選択することができる。例えば、複数の隣接する部分15、17の複数の接触する側は、例えば
図1におけるようにスプルー壁14の所定の形状に影響を与える角度を提供するように選択することができる。軸方向に延びるセグメント60は、スプルー壁部分の当接面の一方若しくは双方に配置される接着剤84(
図1)、タック86若しくは継ぎ目87の溶接を含む溶接部85(
図9)又はそれらの組み合わせを含む任意の好適な接合部79又は締結装置83、並びに、軸方向に延びるセグメント60及びスプルー壁のそれらの関連する部分に当接する接合装置に取り付けられるか又は提供することができる種々の機械的な締結具88、例えば、ピン、杭、ストラップ、タブ、固定具、フレーム、バンド、クリート、ステープル、クリップ及び機械的な接合部を形成するか又は1つのセグメントを別のセグメントに締結するように構成されている他の装置の全ての様式によって互いに接合することができる。締結装置(単数又は複数)83はまた、模型組立体10とともに取り外されるように構成され、本明細書において記載される材料のような好適な消失性材料58から形成することもできる。
【0024】
別の実施形態では、径方向模型組立体10は、別個の構成要素として形成される軸方向に延びるスプルー壁14に取り付けられるゲート(複数の場合もあり)28及び模型(複数の場合もあり)26をそれぞれ含む複数の軸方向に延びる模型セグメント60の組立体として形成することができる。これは、例えば、模型26及び対応するゲート28のみが各模型セグメント60を形成する以外は、
図6A及び
図6Bの径方向模型組立体10と同一であるものとすることができ、一方で、スプルー壁14は一体片として形成され、それらの模型26の向き又はスプルー壁14に対するそれらの全体的な向きによって軸方向に延びるとも言える軸方向に延びる模型セグメント60は、スプルー壁14の外面38に取り付けられる。また別の実施形態では、第2の模型32及び対応する内側に延びるゲート34も、模型セグメント60として形成され、径方向模型組立体10の設計要件に応じて、模型28及び外側に延在するゲート32を含む模型セグメント60と一緒に又は別個に、スプルー壁14の内面40に取り付けることができる。この実施形態の模型セグメント60は、模型セグメント60を互いに接合する、本明細書において記載される装置及び方法を使用してスプルー壁14に取り付けることができる。
【0025】
図13に示されているように、径方向模型組立体10は、複数の略周方向に延びる模型セグメント(例えば60.1〜60.6)を含むことができ、各略周方向に延びる模型セグメントは、スプルー壁14のスプルー壁セクション又は部分17を含む。略軸方向に延びる模型セグメント(例えば
図1〜
図11)に関連して本明細書において記載されたものと同様に、これらの模型セグメントは、単一片として又は互いに接合される別個の片として形成されるスプルー壁のそれらの部分17、ゲート(複数の場合もあり)34及び模型(複数の場合もあり)32を有することができる。これは、複数の模型セグメント(60.1〜60.3)を含むことができ、この場合、対応する模型はスプルー壁14のセクションの外周22の径方向外側に配置され、径方向外側に延在するゲート28は、模型とスプルー壁のセクションとの間に取り付けられるとともにその間に延びる(例えば60.1/14.1/34.1/32.1、60.2/14.2/34.2/32.2及び60.3/14.1/34.1/32.2)。これらの例では、セグメント、スプルー壁部分、ゲート及び/又は模型の小数第1位の違いは、異なるセグメント、スプルー壁部分、ゲート及び/又は模型を示す。セグメントの違い(例えば60.2及び60.3)は、模型のタイプの違いに起因する(例えば60.1及び60.2)か、又は、セグメント上の同じ模型の異なる位置若しくは配置(例えば60.1及び60.3)、又は、スプルー壁を含むセグメントの部分の違い(例えば60.2及び60.3)、又はそれらの組み合わせに起因する。セグメントの違いは、ゲートの違いも含む(例えば、模型が同じ(32.2)であっても60.2/34.2及び60.3/34.1)。
【0026】
同様に、これは、複数の略周方向に延びる模型セグメント(60.4〜60.6)を含むことができ、この場合、対応する模型は、スプルー壁部分14.1又は14.2のセクションの内周24に径方向内側に配置され、径方向内側に延びるゲート34.1又は34.2は、模型とスプルー壁のセクションとの間に取り付けられるとともにその間に延びる(例えば、60.4/14.1/34.1/32.3、60.5/14.2/34.2/32.2及び60.6/14.1/34.1/32.3)。これらの例では、セグメント、スプルー壁部分、ゲート及び/又は模型の小数第1位の違いは、同様に、異なるセグメント、スプルー壁部分、ゲート及び/又は模型を示す。セグメントの違い(例えば60.4及び60.5)は、模型のタイプの違いに起因する(例えば60.4及び60.5)か、又は、セグメント上の同じ模型の異なる位置若しくは配置(例えば60.4及び60.6)、又は、スプルー壁を含むセグメントの部分の違い(例えば60.5及び60.6)、又はそれらの組み合わせに起因する。同様に
図13に示されているように、スプルー壁14は、ゲート又は模型を含まないスプルー壁部分14.1を含む1つ又は複数のスペーサセグメント61も含むことができ、各スペーサセグメント61はスプルー壁14のスペーサセクションを含み、セグメント及びスペーサが略水平であるか又は略軸方向に延びるセグメント及び/若しくはスペーサであるかにかかわらず、スプルー壁14を延ばすか又はセグメント60を互いから離間させるのに使用される。スプルー壁14の厚さ18は、少なくとも1つの略周方向に延びるスプルー壁部分から形成することができるが、
図13に示されている当接構造を有するものを含め、複数の略周方向に延びるスプルー壁部分から形成することもできる。スプルー壁14の長さ20は、
図13に示されている当接構造を有するものを含め、複数の略周方向に延びるスプルー壁部分を重ねることによって形成される。
図13に示されている当接構造に加えて、重なり及び当接の組み合わせの構造を含む、隣接するスプルー壁部分の重なるか又は当接する構造の全ての様式が意図される。周方向に延びるセグメント60は、周方向に延びるセグメント60とともに使用されるように好適に適合されている、本明細書において記載されるものを含む任意の好適な締結装置(単数又は複数)83によって互いに接合することができる。
【0027】
径方向模型組立体10は、例えば
図9に示されているような模型固定具89等の組み付けの助けを用いて又は用いることなく組み付けることができる。示されている模型固定具89は、模型組立体10を支持するプラテン、及び、プラテンに回転可能な支持を提供するシャフトを含む。
【0028】
図面、より詳細には
図14を参照すると、径方向模型組立体10を製造する方法100が開示されている。この方法は、本明細書において記載されるように、長手方向軸16の周囲に配置されるスプルー壁14を含む中空スプルー12を形成すること(110)を含み、この場合、スプルー壁は、厚さ18、長さ20、並びに、1つの実施形態では外周22及び内周24を含む周囲を有する。模型組立体は、本明細書において記載されるように、スプルー壁14の外側に配置される模型26、並びに、スプルー壁14の外面38と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる、外側に延在するゲート28も含み、中空スプルー12、模型26及び径方向外側に延在するゲート28はそれぞれ消失性材料58から形成される。形成すること(110)は、本明細書において記載されるような、1つ又は複数の消失性材料58から記載される要素を形成することを含む。1つの実施形態では、形成すること(110)は、中空スプルー12、模型26及び外側に延在するゲート28を一体的な模型組立体10として形成することを含み、これらの部分は単一片として一緒に形成される。一体的な模型組立体10として形成すること(110)は、選択される消失性材料58に概ね応じて任意の好適な方法で行うことができる。消失性材料58がワックス又は低融点金属を含む1つの例では、一体的な模型組立体10は、従来の鋳造技法を使用してワックス又は金属を鋳造し一体片の鋳造模型又は鋳型にすることによって形成することができる。消失性材料58がポリスチレン等の発泡ポリマーを含むポリマーを含む別の例では、一体的な模型組立体10は、従来の射出成形技法を使用してポリマーを一体片鋳型に射出することによって形成することができる。消失性材料58がポリマーを含むまた別の例では、一体的な模型組立体10を、3Dプリンティング等の付加製造プロセスを使用して形成することができる。3Dプリンティングを含む付加製造は、コンピュータ支援設計(CAD)又はアニメーションモデリングソフトウェアから仮想の設計図をとり、それらをプリンタに入力するためにデジタル断面に「スライス」し、連続的な一連の模型材料の断面を連続的に付加的に蓄積する(すなわちプリントする)。使用される機械及びプロセスに応じて、本明細書において記載されるような好適な模型材料及び/又は結合材料を、材料/結合剤の層化が完成して最終的な3Dモデルが「プリントされる」まで、構築床又はプラットフォームに堆積させる。これは、仮想の(数学的)モデル及び物理的な(プリントされた)モデルがほぼ同一であるプロセスである。プリントを行うために、プリンタは、標準的なファイルフォーマット(例えば「.stl」、「.ply」又は「.wrl」ファイル)で設計を受信し、液体、粉末又はシート材の連続的な層を堆積させて一連の断面からモデルを構築する。CADモデルからの仮想の断面に対応するこれらの層は、一緒に接合されるか又は自動的に融合されて最終的な形状を作り出す。この技法の主要な利点は、スプルー12、模型(複数の場合もあり)26及び外側に延在するゲート(複数の場合もあり)28並びにランナ(複数の場合もあり)62等の一体的な模型組立体12の要素の全てを含む、ほぼ任意の形状又は幾何学的な特徴部を作り出すことができることである。
【0029】
別の実施形態では、形成すること(110)は、中空スプルー12、模型26及び外側に延在するゲート28を複数の構成要素として形成することを含み、例えば、それぞれは別個の構成要素若しくは片として形成されるか、又は、これらの構成要素の態様が組み合わせられて複数の構成要素若しくは片になり、その後、複数の構成要素を接合して模型組立体10を形成する。複数の構成要素を形成すること(110)は、種々の従来の鋳造又は成形方法の使用を含め、選択される消失性材料58に応じた任意の好適な方法で行うことができる。1つの例では、形成すること(110)は、中空スプルー12、模型26及びゲート28を複数の構成要素として形成し、その後、この複数の構成要素を接合して模型組立体10を形成することを含む。複数の構成要素は、同じ消失性材料58からそれぞれ形成することができる。代替的には、複数の構成要素は、異なる消失性材料58から複数の構成要素のそれぞれを形成することを含め、異なる消失性材料58から形成することができる。接合は、任意の適切な接合装置若しくは方法、又はそれらの組み合わせを使用して行うことができる。消失性材料がワックスである1つの例では、接合は、接合される構成要素間の接合面の周囲に沿ってビードを形成すること、又は、接合される一方又は双方の面の全て若しくは一部を、ワックスを軟化させるように十分に、融解させるまで及び融解させることを含め加熱し、接触する面を互いに結合させて冷却時にそれらの間に接合部を形成すること等により、ワックス溶接によって達成することができる。消失性材料58が本明細書において記載されるような材料のいずれか、特にワックスを含む別の例では、構成要素は、特に近接する構成要素を含め、1つの構成要素を別の構成要素に接合するように構成されている、本明細書において列挙されるような消失性材料58のいずれかを含む、同じ消失性材料58又は異なる(例えばより剛性の)消失性材料から形成される、種々のピン、杭、ストラップ、タブ、固定具、フレーム、バンド、クリート、ステープル、クリップ、及び、接合部79を形成するのに使用されるか若しくは締結装置83として働くことができる他の装置又は部材、又はそれらの組み合わせを使用して互いに接合することができる。消失性材料58が本明細書において記載されるような材料のいずれかを含み、特にワックス、ポリマー又は金属を含むまた別の例では、構成要素は、特に近接する構成要素を含め、1つの構成要素を別の構成要素に接合するように構成されている、種々の接着剤若しくは糊又はそれらの組み合わせを使用して互いに接合することができる。形成すること(110)はまた、鋳造若しくは成形作業中に直接的にであるか、又は、材料を付加若しくは除去する機械加工又は他の既知の方法等の二次作業によって間接的にであるかにかかわらず、開口36、凹部48及び突起50等の特徴部を本明細書において記載されるスプルー壁14に形成することを含むことができる。例えば、形成すること(110)は、本明細書において記載されるように、切削又は機械加工等によってスプルー壁14の一部を除去すること(140)であって、スプルー壁14に開口36を形成する、除去すること(140)を任意選択的に含むこともできる。
【0030】
模型組立体10を形成する方法100はまた、スプルー壁14の径方向内側に配置される第2の模型32、及び、スプルー壁と第2の模型との間に取り付けられるとともにその間に延びる、径方向内側に延びる第2のゲート34を形成すること(120)を含むことができ、第2の模型及び第2のゲートもそれぞれ、本明細書において記載されるような第2の消失性材料66から形成される。形成すること(120)は、形成すること(110)とは全く別個である、これらの要素の形成プロセスを含むことができ、それによって、これらの要素は、スプルー壁14、模型26及びゲート28とは別個に形成される。内側に延びる部材を形成すること(120)が外側に延びる部材を形成すること(110)とは別個である場合、内側に延びる模型32及び内側に延びるゲート34に加えて、形成される径方向模型組立体10の部分は、スプルー壁14の一部、特にその内面40も含むことができる。1つの例では、スプルー壁14は、同心若しくは入れ子状のシリンダ又はスリーブ等の内側部材及び外側部材として形成することができ、例えば、この場合、外側部材は模型26及びゲート28と一緒に形成され、内側部材は第2の模型32及び第2のゲート34と一緒に形成される。この例では、形成すること(120)を使用して、径方向模型組立体10を形成するように形成すること(110)によって形成される径方向模型組立体10の第1の部分に接合される径方向模型組立体の第2の部分を形成する。代替的には、形成すること(120)は、本明細書において記載される方法で、第2の模型32及び第2のゲート34を模型26、ゲート28及びスプルー壁14と一緒に一体的な又は一体片の径方向模型組立体10として形成することを含むことができる。
【0031】
径方向模型組立体10を形成する方法100はまた、ランナ62を形成すること(130)、並びに、同様に本明細書において記載されるように、長手方向軸16の周囲に配置されるとともにスプルー壁14に接合されるランナ62を有する中空スプルー12及びスプルー壁14の、本明細書において記載されるような下側端42及び上側端44を含む端に近接してランナ62を接合すること(140)を任意選択的に含むことができる。1つの実施形態では、ランナ62は、例えば鋳造又は射出成形等の本明細書において記載される方法によって、スプルー壁14、模型26及びゲート28と一緒に一体的な又は一体片の模型組立体10として形成することもできる。別の実施形態では、ランナ62を形成すること(130)は、例えば鋳造又は射出成形等の本明細書において記載される方法によって、他の複数の構成要素の形成と併せて別個に、又は、他の複数の構成要素のうちの1つの一部として形成され、本明細書において記載されるように他の複数の構成要素と一緒に接合されることを含むことができる。この場合、形成すること(110)は、ランナ62を別個の構成要素のうちの1つとして形成することを更に含み、接合することは、ランナ62を接合して模型組立体10を形成することを更に含む。ランナ62を形成すること(130)は、鋳造若しくは成形作業中に直接的にであるか、又は、材料を付加若しくは除去する機械加工又は他の既知の方法等の二次作業によって間接的にであるかにかかわらず、本明細書において記載されるようなランナに、開口72、凹部75又は突起76等の特徴部を形成することも含むことができる。
【0032】
図15を参照すると、1つの実施形態では、径方向模型組立体10は、本明細書において記載されるような複数の模型セグメント60を使用する方法200によって形成することができる。方法200は、複数の模型セグメント60を形成すること(210)を含み、各模型セグメントは、スプルー壁14の模型セクション又は部分15、17、スプルー壁14のセクション又は部分から離間した模型(複数の場合もあり)26、32、及び、模型(複数の場合もあり)とスプルー壁の模型セクション又は部分との間に取り付けられるとともにその間に延びるゲート(複数の場合もあり)28、34を含む。各模型セグメント60は、本明細書において記載されるようなランナ62又はランナの一部も含むことができる。複数の模型セグメント60は、本明細書において記載されるような消失性材料から形成される。方法200は、スプルー壁14の模型セクション又は部分15、17を接合してスプルー壁を形成する、接合すること(220)も含み、スプルー壁は、長手方向軸の周囲に配置される中空スプルー12を含み、模型26は中空スプルーから離間し、ゲート28は中空スプルーと模型との間に延びる。方法200の1つの実施形態では、ゲート28は外側に延在するゲート28を含み、各外側に延在するゲートは、スプルー壁14のそれぞれの部分15、17から外側に、模型26のそれぞれ1つまで延びる。方法200の別の実施形態では、ゲートは内側に延びるゲート34を含み、各内側に延びるゲートはスプルー壁14の内側に模型32のそれぞれ1つまで延びる。方法200のまた別の実施形態では、ゲートは外側に延在するゲート28及び内側に延びるゲート34を含み、各外側に延在するゲート28及び内側に延びるゲート34は、スプルー壁14から模型26、32のそれぞれ1つまでそれぞれ外側及び内側に延びる。
【0033】
方法200の1つの実施形態では、スプルー壁14の模型セクション又は部分15は、本明細書において記載されるような略軸方向に延びる模型セクションである。この実施形態では、接合すること(220)は、略軸方向に延びる模型セクション又は部分15間に軸方向に延びる接合部79を形成することを含むことができる。本明細書において記載される任意の好適な接合部79又は締結装置83を、接合すること(220)に用いることができる。1つの例では、消失性材料58はワックスを含むことができ、軸方向に延びる接合部79はワックス溶接部85を含む。
【0034】
方法200の別の実施形態では、スプルー壁14の模型セクション又は部分17は、本明細書において記載されるような略周方向に延びる模型セクションである。この実施形態では、接合すること(220)は、略周方向に延びる模型セクション又は部分17間に周方向に延びる接合部を形成することを含むことができる。1つの例では、消失性材料58はワックスを含むことができ、軸方向に延びる接合部79はワックス溶接部85を含む。
【0035】
方法200の他の実施形態では、スプルー壁14の模型セクション又は部分15、17は、略軸方向に延びる模型セクション及び周方向に延びる模型セクションを含むことができる。この実施形態では、接合すること(220)は、軸方向に延びる模型セクション又は部分15と周方向に延びる模型セクション又は部分17との間に軸方向に延びる接合部及び周方向に延びる接合部の双方を形成することを含むことができる。1つの例では、消失性材料58はワックスを含むことができ、軸方向に延びるとともに周方向に延びる接合部79はワックス溶接部85を含む。
【0036】
方法200は、スプルー壁14の少なくとも1つのスペーサセクション又は部分を含む少なくとも1つのスペーサセグメント61を形成すること(230)も含み、模型セクション又は部分を接合することは、模型セクション及び少なくとも1つのスペーサセクションを接合してスプルー壁14を形成することを更に含む。
【0037】
図面、特に
図16を参照すると、径方向模型組立体10は任意の好適な目的で使用することができ、鋳造用の耐火性鋳型90の作製において模型として使用されるように特に設計されている。耐火性鋳型90は、任意の好適なタイプの鋳造に使用することができるが、重力インベストメント鋳造及び反重力インベストメント鋳造の全ての様式を含む、インベストメント鋳造の全ての様式の鋳型として使用されるのに特に好適である。耐火性鋳型90は、径方向模型組立体10の外面102に耐火性材料92を堆積させて耐火性鋳型組立体105を形成することによって本明細書において記載されるように形成することができる。したがって、耐火性鋳型組立体105は、長手方向軸16の周囲に配置されるスプルー壁14を含む中空スプルー12、スプルー壁14の外側に配置される模型26、及び、スプルー壁14と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる、外側に延在するゲート28を備える消失性径方向模型組立体10を含み、中空スプルー12、模型26及びゲート28はそれぞれ消失性材料から形成され、耐火性鋳型90は、消失性径方向模型組立体10の外面102によって画定される鋳型キャビティ103に形成されるとともに鋳型キャビティ103を有する。
【0038】
径方向模型組立体10の消失性材料58は、径方向模型組立体10の外面102によって画定される鋳型キャビティ103を有する耐火性鋳型90を提供するように耐火性鋳型組立体105から除去される。耐火性鋳型90の鋳型キャビティ103は、長手方向軸116の周囲に配置されるスプルー壁部分114を備える中空スプルー部分112を含む。耐火性鋳型90は、スプルー壁部分114の外側に配置される鋳型キャビティ103の模型部分126も含む。耐火性鋳型90は、スプルー壁部分114と模型部分126との間に取り付けられて延びるとともに流体連通を提供する、鋳型キャビティ103の外側に延びるゲート部分128を更に含む。耐火性鋳型90は、本明細書において記載される径方向模型組立体10の形態の外面102によって画定される鋳型キャビティ103の形状のいずれかを有することができ、例えば、種々のスプルー壁部分114並びに模型部分126及び外側に延びるゲート部分128を含む種々の中空スプルー部分112を含む、本明細書において記載される径方向模型組立体10の種々の部分に対応する鋳型キャビティ103の部分を有することができる。1つの実施形態では、例えば、中空スプルー部分112は、鋳型キャビティの中空の円筒形のスプルー部分112を含むことができる。別の実施形態では、模型部分126は、鋳型キャビティ103の中空スプルー部分112の外面部分138の周囲に配置される複数の模型部分126を含むことができる。ここで記す鋳型キャビティ103の部分は、耐火性鋳型組立体105のこれらの部分を形成するのに使用される径方向模型組立体10の対応する部材の参照符号から100だけ増えた参照符号を有する。これはまた、例えば、種々のスプルー壁部分114、並びに、スプルー壁部分114の内側に配置される第2の模型部分(図示せず)、及び、スプルー壁部分114と第2の模型部分132との間に取り付けられて延びるとともに流体連通を提供する、内側に延びるゲート部分(図示せず)を含む、種々の中空スプルー部分112を含む。これはまた、本明細書において記載されるような鋳型キャビティ103の外側に延びる部分及び内側に延びる部分の種々の組み合わせを含む耐火性鋳型90及び鋳型キャビティ103の構成を含むことができる。耐火性鋳型90の鋳型キャビティ103の種々の部分は、互いに相互接続され、それらの間で流体連通するように流体通路を提供する。これは、耐火性鋳型90から径方向模型組立体10を燃焼させる目的の、燃焼ガス等の高温ガスを含む流体、並びに、耐火性鋳型90及び鋳型キャビティ103に流し込まれて鋳造物品を形成するように凝固されるような溶融材料を含む流体を含む。
【0039】
本明細書において記載されるように、消失性径方向模型組立体10は、下側端42又は上側端44を含む、中空スプルー12及びスプルー壁14の端に近接して配置されるランナ62も含むことができ、耐火性鋳型90も、ランナ62を含み、したがって鋳型キャビティ103のランナ部分162を含む径方向模型組立体10の外面102に形成される。これは、本明細書において記載されるランナ62の構造の全てを有するランナ部分162を含むことができる。1つの実施形態では、例えば、ランナ62は、スプルー壁14の内面内に配置されるとともに取り付けられ、鋳型キャビティ103のランナ部分162は、スプルー壁部分114の内面部分内に配置されて取り付けられるとともに流体連通する。別の実施形態では、ランナ62はスプルー壁14の下側端42に近接して配置され、鋳型キャビティ103のランナ部分162は、鋳型キャビティ103の下側端部に取り付けられるとともに流体連通する。また別の実施形態では、ランナ62は、中央ハブ82から延びる複数の外側に延在するスポーク74を含み、各スポークは、外側端がスプルー壁14の内面40に、内側端がハブ82に取り付けられ、鋳型キャビティ103のランナ部分162は複数の外側に延びるスポーク部分174を含み、各スポーク部分は、鋳型キャビティ103のスプルー壁部分114の内面部分及び鋳型キャビティ103のハブ部分182に取り付けられるとともに流体連通する。
【0040】
耐火性鋳型90及び鋳型キャビティ103は、耐火性材料92から形成される耐火性鋳型壁104の内面107によって画定されるとともに境界を定められる。耐火性鋳型壁104は、耐火性鋳型90を形成するとともに鋳型キャビティ103を画定するのに十分な任意の好適な肉厚を有することができる。肉厚は、中空スプルー部分を含む鋳型構造の全体的なサイズ、形状及び他の態様、特に、模型部分及びゲート部分の数、サイズ、形状並びに間隔を含む、多くの要因に応じて変えることができる。鋳型壁104の耐火性材料92の選択に影響を与える付加的な要因は、鋳型90が鋳造中に自立するか否か、又は、支持媒体(例えば鋳造砂等の耐火性粒子状媒体)内に配置されて部分的に支持されるか否かを含む。1つの実施形態では、鋳型壁104は、約0.12インチ(3.048mm)未満の厚さを有する。1つの実施形態では、鋳型壁104は均質な耐火性材料92を含むことができる。別の実施形態では、耐火性鋳型90は、壁を形成するように一緒に焼結される耐火性材料92の乾燥耐火性スラリの複数の層を含む鋳型壁104を含む。任意の好適な耐火性材料92を使用して、スラリ又は別のものから鋳型壁104を形成することができる。これらは、ジルコン、溶融シリカ、シリカ、アルミノケイ酸塩、ムライト若しくは溶融アルミナ、又はそれらの組み合わせを含む。耐火性材料92、及び、その厚さを含む鋳型壁の他の態様は、ガス透過性又はガス不透過性である鋳型壁104を提供するように選択することができる。
【0041】
耐火性鋳型90は、耐火性鋳型を製造する任意の好適な方法によって径方向模型組立体10を使用して形成することができる。
図16及び
図17を参照すると、1つの実施形態では、耐火性鋳型90は、方法300によって耐火性材料92のスラリから形成することができる。方法300は、長手方向軸16の周囲に配置されるスプルー壁14を含む中空スプルー12、スプルー壁14の外側に配置される模型26、及び、スプルー壁14の外面38と模型26との間に取り付けられるとともにその間に延びる、外側に延在するゲート28を備える消失性模型組立体10を形成すること(310)を含み、中空スプルー12、模型26及びゲート28はそれぞれ消失性材料から形成される。方法300によると、模型組立体10は、本明細書において記載される径方向模型組立体10のいずれかを含むことができ、形成すること(310)は、例えば本明細書において記載される方法200を含む、模型組立体を形成する任意の好適な方法を含むことができる。1つの実施形態では、模型組立体10を形成すること(310)は、ランナ62を形成すること、及び、中空スプルー12の端42、44に近接してランナを接合することを更に含み、ランナ62は長手方向軸16の周囲に配置されるとともにスプルー壁14に接合される。
【0042】
方法300は、消失性模型組立体10の外面102に耐火性鋳型90を堆積させること(320)も含み、耐火性鋳型は、消失性径方向模型組立体10の外面102によって画定される鋳型キャビティ103を有し、本明細書において記載される特徴及び利点を有する。堆積させること(320)は、耐火性鋳型90を堆積させる任意の好適な方法を含むことができる。1つの実施形態では、耐火性鋳型90を堆積させること(320)は、液体キャリア媒体及び耐火性材料92の粒子を含む耐火性スラリに径方向模型組立体10を浸漬させることによって耐火性材料92の複数の層を形成し、径方向模型組立体の外面102にスラリの層を堆積させること、及び、乾燥させて液体キャリア媒体を除去し、耐火性材料92の乾燥した層を形成すること、並びに次に、これらのステップを繰り返して耐火性材料の後の乾燥した層を形成し、それによって、未焼結状態の耐火性鋳型90(すなわち耐火性鋳型のプリカーサ)を作り出すことを含む。1つの実施形態では、未焼結の耐火性鋳型90は、耐火性材料92の単一の層を含むことができ、他の実施形態では、2つ以上の層、より詳細には2つ〜5つの層を含む耐火性材料92の複数の層を含むことができる。任意の好適な耐火性スラリ、又は、様々な耐火性スラリ及び耐火性材料92の組み合わせを使用して、Chandley他に付与された米国特許第5,069,271号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているものを含む耐火性鋳型90を形成することができる。
【0043】
1つの実施形態では、方法300は、耐火性鋳型を加熱して(330)消失性模型組立体10を除去するか若しくは耐火性鋳型90を焼結させること、又はそれらの組み合わせも含むことができる。加熱して(330)消失性模型組立体10を除去するか又は耐火性鋳型90を焼結させることは、任意の好適な加熱装置及び方法によって達成することができる。消失性材料58がワックスを含む場合、加熱すること(330)は脱ろうを含むことができる。1つの実施形態では、加熱すること(330)は、本明細書において記載されるような消失性模型組立体10上に堆積されている未焼結耐火性鋳型プリカーサを、従来の鋳型炉の全ての様式を含む鋳型炉に挿入することを含むことができ、炉は、消失性模型材料を除去するのに十分な温度プロファイルを提供するように制御される。これは、熱を使用して消失性模型材料58を耐火性鋳型90から除去することができる任意の好適なプロセス又は機構を含むことができる。これは、例えば、消失性模型材料58を、種々の模型用ワックス及び/又は低融点を有する金属とともに効果的に使用され得るように、重力によって鋳型キャビティ103内の開口から流れ出るように融解させることを含む。これはまた、種々のワックス、及び、例えば発泡ポリスチレン等の種々の発泡(expanded or foamed)ポリマーを含む他の高分子材料に効果的に使用され得るように、鋳型壁がガス透過性である場合に、消失性模型材料58を、鋳型キャビティ103の開口から又は鋳型壁104を通って流れるように熱分解することを含むことができる。これはまた、消失性模型材料58が例えば融解及び熱分解の組み合わせによって除去される上記の組み合わせを含むことができる。1つの実施形態では、加熱すること(330)は、ガス燃焼鋳型ヒータを使用して行い、熱分解及び融解の組み合わせ等により消失性材料58を除去することができる。別の実施形態では、加熱すること(330)は、蒸気オートクレーブを使用して行い、融解等により消失性材料58を除去することができる。
【0044】
消失性模型材料58を除去することに加えて、耐火性鋳型を加熱すること(330)は、スラリにおいて用いられる任意の結合材料を含む耐火性材料92を焼結させるほど十分に未焼結状態の耐火性鋳型90(すなわち耐火性鋳型プリカーサ)を加熱することも含み、焼結状態の耐火性鋳型90を形成することができ、この場合、耐火性材料92の微粒子及びスラリからの任意の他の構成物質(例えば結合材料)が共に結合して、鋳型内に流し込まれる材料を保持するほど十分な強度を有するセラミックシェル又はインベストメントを形成する。シリカ、ジルコン、種々のケイ酸アルミニウム若しくはアルミナ又はそれらの組み合わせを含む任意の好適な耐火性材料92を、インベストメントを作り出すのに使用されるスラリにおいて使用することができる。シリカは溶融シリカ及び石英を含むことができる。一実施形態では、ケイ酸アルミニウムは、例えば約42%〜約72%のアルミナ含量等のアルミナ及びシリカの混合物を含むことができる(例えばムライト)。任意の好適な結合剤を使用して、エチルシリケート(例えばアルコールベースで化学的に硬化する)、コロイドルシリカ(例えば水ベースの、シリカゾルとしても知られている、乾燥によって硬化する)若しくはケイ酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む耐火性材料(複数の場合もあり)92を結合させることができ、例えば、pH及び粘度が制御されるこれらの構成物質の混成物を含む。加熱すること(330)は、耐火性材料92を焼結させるのに十分な温度/時間の任意の好適な組み合わせを含み、例えば、華氏約1600°(871℃)〜華氏約2000°(1093℃)、より詳細には華氏約1800°(982℃)〜華氏約2000°(1093℃)の範囲の温度等の焼結条件で耐火性鋳型90を形成することができる。1つの実施形態では、焼結は、華氏約1800°(982℃)の温度で約90分間行うことができる。焼結は、酸化、還元又は不活性雰囲気を含む任意の好適な雰囲気下で行うことができ、より詳細には空気中で行うことができる。
【0045】
本明細書において記載される形状を有する耐火性鋳型90は、耐火性鋳型を製造する任意の好適な方法を使用して形成することができる。
図16及び
図18を参照すると、1つの実施形態では、耐火性鋳型90は、耐火性鋳型組立体105の3Dプリンティング等によって、模型を使用することなく、耐火性材料92を含む未焼結状態の鋳型90(すなわち鋳型プリカーサ)の付加製造410を含む方法400によって形成することができる。3Dプリンティングを含む付加製造は、本明細書において記載されるように、コンピュータ支援設計(CAD)又はアニメーションモデリングソフトウェアから仮想の設計図をとり、それらをプリンタに入力するためにデジタル断面に「スライス」し、連続的な一連の耐火性材料92の断面を連続的に付加的に蓄積する(すなわちプリントする)。付加製造は、本明細書において記載されるような結合剤及び耐火性材料92、並びに、本明細書において記載されるような液体キャリア媒体を含む好適なキャリア媒体を含むスラリの3Dプリンティング等により、耐火性材料92の粒子を3Dプリンティングすることを含むことができる。付加方法は、例えば、デジタルライトプロセッシング(DLP)プリントを含むステレオリソグラフィ(SLA)を含むことができ、この場合、好適な3Dプリンタは、耐火性材料92で満たされる感光性樹脂結合剤を、デジタルライトプロセッシング(DLP)プロジェクタからの光に晒す。光は、結合剤を重合させ、プリントされる物体の断面の層を形成する。
【0046】
鋳型90及び鋳型組立体105のプリカーサが形成されると、方法400は、本明細書において記載されるように、耐火性材料92を加熱して(420)焼結状態の鋳型90及び鋳型組立体105を形成することも含むことができる。鋳型90及び鋳型組立体105は、本明細書において記載されるような任意の好適な焼結プロセスを使用して焼結させることができる。
【0047】
他の実施形態では、方法400は、3Dプリンティング等の付加製造410及び加熱420を組み合わせて耐火性材料を焼結させることができる。これらは、例えば選択的レーザ焼結(SLS)を含むことができ、この場合、高出力レーザ(例えば炭酸ガスレーザ)を使用して耐火性材料92又は結合剤の小さい粒子を融合させて所望の三次元形状を有する塊にする。
【0048】
付加製造の場合、鋳型キャビティ103を有する耐火性鋳型90は、模型組立体の外面によってもはや画定されず、むしろ、3Dプリンティング等の付加プロセスによって直接的に形成される。しかしながら、結果として生じる鋳型90は、本明細書において記載されるような模型組立体を使用して製造される鋳型組立体105の特徴を全て含むことができる。
【0049】
本発明を例示的な実施形態を参照して記載したが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができ、その要素の代わりに均等物を用いることができることが理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、多くの変更を行い、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させることができる。したがって、本発明は開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、出願の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。