【実施例】
【0039】
実施例1 インフリキシマブ(IFX)に対する抗体(ATI)の測定<1>
<試薬の調製>
1)PBS(Phosphate buffered saline、リン酸緩衝生理食塩水);
・PBS(-):NaCl 137mmol/l, KCl 2.68mmol/l, KHPO
4 2mmol/l, NaH
2PO
4・12H
2O 10mmol/l, pH.7.4
・PBS(+):PBS(-)にCaCl
2を0.9mM, MgCl
212H
2Oを0.33mM加えて調製した。
2)blocking buffer;
PBS(-)に0.5% boiled(5分間煮沸) Casein(Cat.No.C7078, Sigma), 1% Tween20および 0.01% Thimerosalを添加した。
【0040】
1.固相化C1q プレートの作製
(1)96 ウエル ELISA用プレート(MaxisorpF8 x12 ,Cat.No.468667,Nunc)にPBS(-)で10μg/mLの濃度に調製したC1q(Cat.No.C1740, Sigma)を100μLずつ各ウエルに分注し、4℃で一晩静置した。
(2)プレートのC1q溶液を捨て、300μL の0.5%Tween20を含むPBS(-)で、各ウエルを1回洗浄した。
(3)洗浄後、300μLのblocking bufferを加え、室温で1時間反応させる。反応後、液を捨て2時間風乾させて固相化C1qプレートとした。
【0041】
2.試料の調製
(1)標準試料の調製
1)抗ヒトIgG抗体を抗IFX抗体(ATI)標準試料として代用した。
ウサギ 抗ヒト IgG (H+L) 抗体(Cat.No.ab7155, abcam)を0.1%BSA(Cat.No.A-3803,Sigma)を含有するPBS(+)により5μg/mLの濃度に調製し、さらに0.1%BSA 含有PBS(+)で段階希釈して0.078、0.156、0.312、0.625、1.25、2.5μg/mLの濃度の標準物質を作製した。
2)各濃度の標準物質を200μLずつマイクロチューブに入れ、さらに0.1%BSA 含有PBS(+)で希釈したIFX (62.5μg/mL;田辺三菱製薬)を50μLずつ添加して混和後、4℃で一晩反応させ標準物質(IFX- ATI免疫複合体)とした。
【0042】
(2)IFX溶液の調製
1mg/mLで凍結保存しているIFXを溶解し、0.1%BSA 含有PBS(+)で段階希釈して12.5、25、50、100μg/mLの濃度のIFX溶液を作製した。
【0043】
(3)凝集ヒトIgG溶液(HAG-IgG)の調製
ヒトIgG 5mg/mL(I4506、Sigma)を63℃で20分間加温し、10000xgで5分間遠心した上清をとり、凝集ヒトIgGを作製した。この凝集ヒトIgGを0.1%含有PBS(+)で10μg/mLに希釈し、さらに段階希釈して1.25、2.5、5.0、10μg/mLの濃度の凝集ヒトIgG溶液を作製した。
【0044】
3.免疫学的測定(ATI-C1q ELISA)
(1)固相化C1qプレートのウエルに上記2(1)で調製した標準物質、上記2(2)で調製したIFX溶液、上記2(3)で調製した凝集ヒトIgG溶液をそれぞれ100μLずつ分注し、室温で1時間、プレートミキサーにて撹拌しながら反応させた。
(2)次に反応液を捨て、300μL の0.5%Tween 20(Cat.No. 1706531, BioRad)含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(3)HRP標識Human 抗IFX モノクローナル抗体(Cat.No.HCA216P,AbD Serotec)をCan Get Signal Solution 2(Cat.No.NKB-301,Toyobo)で1000倍希釈して100μLずつ各ウエルに加え、室温で1時間、プレートミキサーで撹拌しながら反応させた。
(4)反応後、液を捨て、300μL の0.5%Tween 20含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(5)TMB Blue基質液(Cat.No.S1601,Dako)を100μLずつ加え、撹拌し遮光して室温で30分間静置した。
(6)発色後、1N-H
2SO
4を50μLずつ各ウエルに加えて反応を停止させ、プレートリーダー(96穴プレート用吸光度計)で450nm/650nmの波長で吸光度を測定した。
(7)標準試料の検量線(用量反応曲線)を作成した。
【0045】
4.結果
ATI 2.5 μg/mLで、吸光度(O.D.)は1.99を示し用量反応曲線はプラトーに達した(
図2)。一方、C1qに捕捉される加熱処理して凝集したヒトIgG(HAG-IgG)を10μg/mL、又はIFXを100μg/mLまで添加してもO.D.の明らかな上昇は認められなかった。
よって、当該用量反応曲線(検量線)より、検体の吸光度値から検体中のATI量を特異的に算出することができる。
【0046】
実施例2 患者血漿中の抗インフリキシマブ抗体(ATI)の測定<1>
1.試料の調製
(1)抗体医薬品の効果減弱(LOR)を発現した患者から採取された血漿をPBS(+)で4倍希釈し、その200μLをマイクロチューブに分注し、さらに0.1%BSA 含有PBS(+)で希釈したIFX (62.5μg/mL) を50μL、又は0.1%BSA 含有PBS(+)を50μLずつ添加して混和後、4℃で一晩反応させた(最終希釈倍率は5倍)。
【0047】
(2)5例の健常者の血漿を混和して作製した健常血漿検体を患者検体の調製と同様にPBS(+)で4倍希釈し、その200μLをマイクロチューブに分注し、さらに0.1%BSA 含有PBS(+)で希釈したIFX (62.5μg/mL) を50μL、又は0.1%BSA 含有PBS(+)を50μLずつ添加して混和後、4℃で一晩反応させた(最終希釈倍率は5倍)。
【0048】
2.免疫学的測定
実施例1と同様にして作製した固相化C1qプレートのウエルに、上記1(1)及び(2)で調製した試料を100μLずつ分注し、実施例1の3(免疫学的測定)で示した方法に従って反応させ、
図2で示した検量線より、試料中のATI量を測定した。
【0049】
3.結果
患者血漿においてはIFX添加により更にIFX-ATI免疫複合体が形成され測定値は上昇し、希釈率に従い測定値は低下した。一方、健常血清検体ではIFX添加・無添加に関わらず、ATIは検出されなかった(
図3)。
これより、IFX添加による本発明の方法によれば、患者の血漿中に含まれるIFXと結合しているATI量及び/又はIFXと非結合のATI量を測定することができる。
【0050】
実施例3 インフリキシマブ(IFX)に対する抗体(ATI)の測定<2>
<試薬の調製>
1)PBS(Phosphate buffered saline、リン酸緩衝生理食塩水);
・PBS(-):NaCl 137mmol/l, KCl 2.68mmol/l, KHPO
4 2mmol/l, NaH
2PO
4・12H
2O 10mmol/l, pH.7.4
・PBS(+):PBS(-)にCaCl
2を0.9mM, MgCl
212H
2Oを0.33mM加えて調製した。
2)blocking buffer;
PBS(-)に0.5% boiled(5分間煮沸) Casein(Cat.No.C7078, Sigma), 1% Tween20および 0.01% Thimerosalを添加した。
【0051】
1. 固相化抗Cd3モノクローナル抗体プレートの作製
(1)96 ウエル ELISA用プレート(MaxisorpF8 x12 ,Cat.No.468667,Nunc)にPBS(-)で1μg/mLの濃度に調製した抗Cd3モノクローナル抗体(Anti-C3d MoAb;Cat.No.MCA2648,AbD Serotec)を100μLずつ各ウエルに分注し、4℃で一晩静置した。1回洗浄した。
(2)洗浄後、300μLのblocking bufferを加え、室温で1時間反応させた。反応後、液を捨て2時間風乾させて固相化抗Cd3モノクローナル抗体プレートとした。
【0052】
2.試料の調製
(1)標準物質(IFX-ATI免疫複合体(ATI-IFX/Sera))の調製
1)凍結保存のIFX 100μg/100μL/tubeと ウサギ抗ヒトIgG(H+L) 抗体 (ATIの代用として)100μg/100μLを混ぜ、4℃で18時間反応させた。
2)反応後、62%の健常者プール血清(生食で希釈)を800μL加えて100μg/mLとし、37℃で60分間反応させた。
3)反応終了後、0.1%BSA/0.01% Thimerosal/PBS(+)で20倍希釈して、5μg/mLの濃度にし、ATI標準液とした。500μL/tubeで分注して-80℃にて凍結保存した。
4)凍結保存のATI標準液(5μg/mL)を融解し、その40μLを取り0.1%BSA/0.01% Thimerosal/PBS(+)を960μL加えて200ng/mLを作製し、さらに段階希釈を繰り返して、0, 3.125, 6.25, 12.5, 25, 50, 100, 200ng/mL濃度の標準物質(ATI-IFX/Sera)を作製した。
【0053】
(2)IFX溶液の調製
1mg/mLで凍結保存しているIFXを溶解し、0.1%BSA 含有PBS(+)で段階希釈して0.1、0.5、1、5、10μg/mLの濃度のIFX溶液を作製した。
【0054】
(3)凝集ヒトIgG(HAG-IgG)溶液の調製
ヒトIgG 5mg/mL(I4506、Sigma)を63℃で20分間加温し、10000xgで5分間遠心した上清をとり、凝集ヒトIgGを作製した。この凝集ヒトIgGを0.1%含有PBS(+)で10μg/mLに希釈し、さらに段階希釈して0.1、0.5、1、5、10μg/mLの濃度の凝集ヒトIgG溶液を作製した。
【0055】
3.免疫学的測定(ATI- Anti C3d MoAb ELISA)
(1)固相化抗Cd3モノクローナル抗体プレートのウエルに標準物質を100μL分注し、室温で1時間、プレートミキサーにて撹拌しながら反応させた。
(2)次に反応液を捨て、300μL の0.5%Tween 20(Cat.No. 1706531, BioRad)含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てた。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(3)HRP標識Human 抗IFX モノクローナル抗体(Cat.No.HCA216P,AbD Serotec)をCan Get Signal Solution 2(Cat.No.NKB-301,Toyobo)で1000倍希釈して100μLずつ各ウエルに加え、室温で1時間、プレートミキサーで撹拌しながら反応させた。
(4)反応後、液を捨て、300μL の0.5%Tween 20含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てた。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(5)洗浄後、100μLのTMB Blue基質液(Cat.No.S1601,Dako)を各ウエルに加え、室温で15~30分間、遮光して反応させた。
(6)発色後、50μLの1.0M H
2SO
4を加えて反応を停止し、プレートリーダー(96穴プレート用吸光度計)で450nm/650nmの2波長で吸光度を測定した。
(7)標準物質の検量線(用量反応曲線)を作成した。
【0056】
4.結果
ATI 200ng/mLで吸光度(O.D.)は2.1と最大値となる用量反応曲線を示した。一方、C3dが結合する加熱処理して凝集したヒトIgG(HAG-IgG)を10μg/mLもしくは、IFXを10μg/mLまで添加してもO.D.の明らかな上昇を認めなかった(
図4)。
【0057】
実施例4 患者血漿中の抗インフリキシマブ抗体(ATI)の測定<2>
1.試料の調製
IFX維持療法にLORを発現した潰瘍性大腸炎患者の血漿120μLに0.1%BSA/0.01% Thimerosal/PBS(+)を360μL加えて4倍希釈し、その200μLずつ2本のマイクロチューブに分注、さらに0.1%BSA/0.01% Thimerosal/PBS(+)で調製したIFX (125μg/mL) を50μL、又は0.1%BSA/0.01% Thimerosal/PBS(+)を50μL添加して混和し、4℃で一晩反応させた(希釈倍率10〜40倍)。
【0058】
2.免疫学的測定
実施例3と同様にして作製した固相化抗Cd3モノクローナル抗体プレートのウエルに、上記1で調製した試料を100μLずつ分注し、実施例3の3(免疫学的測定)で示した方法に従って反応させ、
図4で示した検量線より、試料中のATI量を測定した。
【0059】
3.結果
患者血漿はIFX添加により更にIFX免疫複合体形成が促進され測定値は上昇し、希釈率に従い測定値は低下した(
図5)。
【0060】
実施例5 アダリムマブに対する抗体(ATA)の測定<1>
<試薬の調製>
1)PBS(Phosphate buffered saline、リン酸緩衝生理食塩水);
・PBS(-):NaCl 137mmol/l, KCl 2.68mmol/l, KHPO
4 2mmol/l, NaH
2PO
4・12H
2O 10mmol/l, pH.7.4
・PBS(+):PBS(-)にCaCl
2を0.9mM, MgCl
212H
2Oを0.33mM加えて調製した。
2)blocking buffer;
PBS(-)に0.5% boiled(5分間煮沸) Casein(Cat.No.C7078, Sigma), 1% Tween20および 0.01% Thimerosalを添加した。
3)Diluent ;
PBS(+)に0.1%BSAと0.01% Thimerosalを添加して調製した。
【0061】
1.固相化C1q プレートの作製
(1)96 ウエル ELISA用プレート(MaxisorpF8 x12 ,Cat.No.468667,Nunc)にPBS(-)で10μg/mLの濃度に調製したC1q(Cat.No.C1740, Sigma)を100μLずつ各ウエルに分注し、4℃で一晩静置した。
(2)プレートのC1q溶液を捨て、300μL の0.5%Tween20を含むPBS(-)で、各ウエルを1回洗浄した。
(3)洗浄後、300μLのblocking bufferを加え、室温で1時間反応させる。反応後、液を捨て2時間風乾させて固相化C1qプレートとした。
【0062】
2.試料の調製
(1)標準試料の調製
1)抗ヒトIgG抗体を抗ADA抗体(ATA)標準試料として代用した。
ウサギ 抗ヒト IgG (H+L) 抗体(Cat.No.ab7155, abcam)をDiluentにより400ng/mLの濃度に調製し、さらにDiluentで段階希釈して6.25, 12.5, 25, 50, 100, 200, 400ng/mLの濃度の標準物質を作製した。
2)各濃度の標準物質を200μLずつマイクロチューブに入れ、さらにDiluentで希釈したAdalimumab (ADA,125μg/mL;エーザイ)を50μLずつ添加して混和後、4℃で一晩反応させ標準物質(ATA-ADA免疫複合体)とした。
(2)Adalimumab溶液及びIFX溶液の調製
1mg/mLで凍結保存しているIFX及びAdalimumabを溶解し、Diluentで段階希釈して1.25, 2.5, 5, 10, 20, 40μg/mLの濃度のIFX溶液とAdalimumab溶液を作製した。
(3)凝集ヒトIgG溶液(HAG-IgG)の調製
ヒトIgG 5mg/mL(I4506、Sigma)を63℃で20分間加温し、10000xgで5分間遠心した上清をとり、凝集ヒトIgGを作製した。この凝集ヒトIgGをDiluentで40μg/mLに希釈し、さらに段階希釈して1.25, 2.5, 5, 10, 20, 40μg/mLの濃度の凝集ヒトIgG溶液を作製した。
【0063】
3.免疫学的測定(ATA-C1q ELISA)
(1)固相化C1qプレートのウエルに上記2(1)で調製した標準物質をそれぞれ100μLずつ分注し、25℃で2時間、プレートミキサーにて撹拌しながら反応させた。
(2)次に反応液を捨て、300μL の0.5%Tween 20(Cat.No. 1706531, BioRad)含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(3)HRP標識Human抗Adalimumab モノクローナル抗体(Cat.No.HCA204P,AbD Serotec)をCanGet Signal Solution 2(Cat.No.NKB-301,Toyobo)で2000倍希釈して100μLずつ各ウエルに加え、室温で1時間、プレートミキサーで撹拌しながら反応させた。
(4)反応後、液を捨て、300μL の0.5%Tween 20含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(5)TMB Blue基質液(Cat.No.S1601,Dako)を100μLずつ加え、撹拌し遮光して室温で30分間静置した。
(6)発色後、1N-H
2SO
4を50μLずつ各ウエルに加えて反応を停止させ、プレートリーダー(96穴プレート用吸光度計)で450nm/650nmの波長で吸光度を測定した。
(7)標準試料の検量線(用量反応曲線)を作成した。
【0064】
4.結果
ATA 200ng/mLで、吸光度(O.D.)は1.863 を示し用量反応曲線はプラトーに達した(
図6)。一方、C1qに捕捉される加熱処理して凝集したヒトIgG(HAG-IgG)を40μg/mL、又はIFXもしくはAdalimumabを40μg/mLまで添加してもO.D.の明らかな上昇は認められなかった。
よって、当該用量反応曲線(検量線)より、検体の吸光度値から検体中のATA量を特異的に算出することができる。
【0065】
実施例6 患者血漿中の抗Adalimumab抗体(ATA)の測定<2>
1.試料の調製
Adalimumab(ADA)維持療法に対しLORを発現した炎症性腸疾患患者(5例)の血漿120μLにDiluentを360μL加えて4倍希釈し、その200μLずつ2本のマイクロチューブに分注、さらにDiluentで調製したAdalimumab (125μg/mL) を50μL、又はDiluentを50μL添加して混和し、4℃で一晩反応させた(最終希釈倍率:5倍)。
【0066】
2.免疫学的測定
実施例5と同様にして作製した固相化C1qプレートのウエルに、上記1で調製した試料を100μLずつ分注し、実施例5の3(免疫学的測定)で示した方法に従って反応させ、
図6で示した検量線より、試料中のATA量を測定した。
【0067】
3.結果
5例のADAに対しLORを発現した患者血漿においてはADA添加により更にADA-ATA免疫複合体が形成され、非添加に比べ測定値は有意(P=0.0063)に上昇した(
図7)。
これより、Adalimumab添加による本発明の方法によれば、患者の血漿中に含まれるADAと結合しているATA量及び/又はADAと非結合のATA量を測定することができる。
【0068】
実施例7 ADAs-C1q ELISAにおけるカルシウム(Ca)添加の影響
7−1.ADAs-C1q ELISA測定系におけるカルシウム添加の影響
<試薬の調製>
1)PBS(Phosphate buffered saline、リン酸緩衝生理食塩水);
・PBS(-):NaCl 137mmol/l, KCl 2.68mmol/l, KHPO
4 2mmol/l, NaH
2PO
4・12H
2O 10mmol/l, pH.7.4
2)blocking buffer;
PBS(-)に0.5% boiled(5分間煮沸) Casein(Cat.No.C7078, Sigma), 1% Tween20および 0.01% Thimerosalを添加した。
3)Diluent ;
PBS(-)に0.1%BSAと0.01% Thimerosalを添加して調製した。
4)CaCl
2添加Diluent ;
CaCl
2をDiluentに0.3、0.6、0.9mMになるように添加して調製した。
【0069】
1.固相化C1q プレートの作製
(1)96 ウエル ELISA用プレート(MaxisorpF8 x12 ,Cat.No.468667,Nunc)にPBS(-)で10μg/mLの濃度に調製したC1q(Cat.No.C1740, Sigma)を100μLずつ各ウエルに分注し、4℃で一晩静置した。これをATIおよびATA測定用ELISAプレートとした。一方、比較対照としてHeyらの方法(非特許文献5)に従う固相化C1q プレートを用いる免疫複合体の測定には5μg/mLの濃度のC1qを同様に固相化した。
(2)プレートのC1q溶液を捨て、300μL の0.5%Tween20を含むPBS(-)で、各ウエルを1回洗浄した。
(3)洗浄後、300μLのblocking bufferを加え、室温で1時間反応させる。反応後、液を捨て2時間風乾させて固相化C1qプレートとした。
【0070】
2.試料の調製
(1)標準試料の調製
抗ヒトIgG抗体を抗IFX抗体(ATI)標準試料として代用した。
ウサギ 抗ヒト IgG (H+L) 抗体(Cat.No.ab7155, abcam)を50μLとり、IFX(1mg/mL)を100μL加えてさらにPBS(-)を850μL加えて1mLとし、4℃で一晩反応させた。反応後、その5μLずつを各濃度のCaCl
2を添加したDiluentを995μL加えて200倍してATI 500ng/mLの濃度を作製した。
(2)加熱凝集ヒトIgG溶液(HAG-IgG)の調製
ヒトIgG 4mg/mL(I4506、Sigma)を63℃で20分間加温し、10000xgで5分間遠心した上清をとり、凝集ヒトIgGを作製した。この凝集IgGを10μLとり、PBS(-)を990μL加えて40μg/mLの濃度を作製する。これを5μLずつとり、
各濃度のCaCl
2添加Diluentを995μL加えて200倍して200ng/mLのHAG-IgGを調製した。
【0071】
3.免疫学的測定
(A)固相化C1q法による免疫複合体(Immune Complexes:ICs)ELISAとCa濃度
(1)固相化C1qプレートのウエルに上記2(2)で調製したHAG-IgG溶液(200ng/mL)それぞれ100μLずつ分注し、25℃で1時間、プレートミキサーにて撹拌しながら反応させた。
(2)次に反応液を捨て、300μL の0.5%Tween 20(Cat.No. 1706531, BioRad)含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(3)HRP標識抗ヒトIgGヤギ抗体(ab81202, abcam)を0.5%Tween 20含有PBS(-)に0.5% Caseinを添加した溶液で16000倍希釈して100μLずつ各ウエルに加え、25℃で1時間、プレートミキサーで撹拌しながら反応させた。
(4)反応後、液を捨て、300μL の0.5%Tween 20含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(5)TMB Blue基質液(Cat.No.S1601,Dako)を100μLずつ加え、撹拌し遮光して室温で30分間静置した。
(6)発色後、1N-H
2SO
4を50μLずつ各ウエルに加えて反応を停止させ、プレートリーダー(96穴プレート用吸光度計)で450nm/650nmの波長で吸光度を測定した。
【0072】
(B)ATI-C1q ELISAとCa濃度
(1)固相化C1qプレートのウエルに上記2(1)で調製したATI標準物質(500ng/mL)をそれぞれ100μLずつ分注し、25℃で2時間、プレートミキサーにて撹拌しながら反応させた。
(2)次に反応液を捨て、300μL の0.5%Tween 20(Cat.No. 1706531, BioRad)含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(3)HRP標識Human抗Infliximab モノクローナル抗体(Cat.No.HCA216P,AbD Serotec)をCan Get Signal Solution 2(Cat.No.NKB-301,Toyobo)で1000倍希釈して100μLずつ各ウエルに加え、25℃で1時間、プレートミキサーで撹拌しながら反応させた。
(4)反応後、液を捨て、300μL の0.5%Tween 20含有PBS(-)を各ウエル加えた後、液を捨てる。これを4回繰り返してウエルを洗浄した。
(5)TMB Blue基質液(Cat.No.S1601,Dako)を100μLずつ加え、撹拌し遮光して室温で30分間静置した。
(6)発色後、1N-H
2SO
4を50μLずつ各ウエルに加えて反応を停止させ、プレートリーダー(96穴プレート用吸光度計)で450nm/650nmの波長で吸光度を測定した。
【0073】
4.結果
HAG-IgG 200ng/mLの測定にCaCl
2を添加しても、吸光度の上昇はあまり明らかではなかった(
図8−A)。一方、標準試料500ng/mLとするATI-C1q ELISAの測定系にCaCl
2を添加すると濃度依存的に吸光度が上昇し、0.6mMの濃度でプラトーに達した(
図8−B)。よって、ATI-C1q ELISAの測定系にCaCl
2を添加することで、測定系の高感度化および安定化が期待された。
【0074】
7−2.ADAs-C1q ELISA用量反応曲線に対するCa添加の影響
<1>ATI-C1q ELISA用量反応曲線とCa添加
1.試料の調製
標準試料の調製
ウサギ 抗ヒト IgG (H+L) 抗体(2mg/mL,Cat.No.ab7155, abcam)を10μLとり、IFX(1mg/mL)を20μL加えてさらにDiluentもしくは0.6mM CaCl
2添加Diluentを470μL加えて、2種類のDiluentの溶液を4℃で一晩反応させた。
反応後、500μLの各Diluentを加えて、20μg/mLの濃度を作製し、その100μLをとり、900μLの各Diluentを加えて、2μg/mLの濃度を作製した。これを500μLとり、各Diluentで段階希釈して31.25, 62.5, 125, 250, 500, 1000, 2000ng/mLの濃度の標準物質を作製した。
【0075】
2.免疫学的測定
前述の「7−1」の「1.固相化C1qプレートの作成」と同様に作製した固相化C1qプレートのウエルに、上記1で調製した試料を100μLずつ分注し、実施例7の3(免疫学的測定)で示した方法に従って反応させ、標準試料の吸光度を測定した。
【0076】
3.結果
測定系のDiluentに0.6mM CaCl
2の添加によって非添加に比べ、用量反応曲線の吸光度が1.5〜4倍の値を示し、感度が上昇した(
図8−C)。
【0077】
<2>ATA-C1q ELISA用量反応曲線とCa添加
1.試料の調製
標準試料の調製
抗ヒトIgG抗体を抗adalimumab抗体(ATA)標準試料として代用した。
ウサギ 抗ヒト IgG (H+L) 抗体(2mg/mL,Cat.No.ab7155, abcam)を10μLとり、adalimumab(1mg/mL)を20μL加えてさらにDiluentもしくは0.6mM CaCl
2添加Diluentを470μL加えて、2種類のDiluentの溶液を4℃で一晩反応させた。
反応後、500μLの各Diluentを加えて、20μg/mLの濃度を作製し、その10μLをとり、990μLの各Diluentを加えて、200ng/mLの濃度を作製した。これを500μLとり、各Diluentで段階希釈して1.56, 3.125, 6.25, 12.5, 25, 50, 100ng/mLの濃度の標準物質を作製した。
【0078】
2.免疫学的測定
前述の「7−1」の「1.固相化C1qプレートの作成」と同様に作製した固相化C1qプレートのウエルに、上記1で調製した試料を100μLずつ分注し、実施例5の3(免疫学的測定)で示した方法に従って反応させ、標準試料の吸光度を測定した。
【0079】
3.結果
測定系のDiluentに0.6mM CaCl
2の添加によって非添加に比べ、吸光度が2〜4倍の値を示し、感度が上昇した(
図8−D)。