(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サブフレームは、前記第1の方向と直交する方向に沿って延びる支軸周りに回転可能となるように前記メインフレームに取り付けられている、請求項1に記載のタイヤ試験装置。
前記支軸は、前記車軸に前記タイヤが取り付けられた状態において、前記支軸の軸心方向から見たときに、前記タイヤの中心点を通り且つ前記第1の方向に延びる仮想直線上に位置している、請求項5に記載のタイヤ試験装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。
【0012】
≪実施形態の概要≫
[1]本実施形態の一つの例に係るタイヤ試験装置は、タイヤの走行模擬路面として機能する周面を含む回転体と、タイヤを支持可能に構成されたタイヤ支持機構と、タイヤ支持機構に支持されたタイヤが回転体の周面に対して近接及び離間するように回転体及びタイヤ支持機構の少なくとも一方を他方に対して進退させるように構成されたアクチュエータとを備える。タイヤ支持機構は、アクチュエータにより回転体又はタイヤ支持機構が進退する第1の方向と直交する第2の方向に沿って延びると共に、タイヤの接地面が回転体の周面と対向するようにタイヤを回転可能に支持する車軸と、アクチュエータに接続されたメインフレームと、車軸を支持すると共に、第1の方向と交差する方向においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するようにメインフレームに対して移動可能に取り付けられたサブフレームと、メインフレームとサブフレームとの間に設けられた少なくとも一つの計測部とを含む。
【0013】
本実施形態の一つの例に係るタイヤ試験装置では、サブフレームが、車軸を支持すると共に、第1の方向と交差する方向においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するようにメインフレームに対して移動可能に取り付けられている。そのため、アクチュエータがタイヤ支持機構を駆動して、タイヤの接地面が回転体の周面に接触したときに、タイヤが回転体から荷重を受けたとしても、サブフレームは、第1の方向には移動せず、第1の方向と交差する方向に移動する。従って、メインフレームとサブフレームとの間に設けられた計測部には、第1の方向においてタイヤに作用する荷重の成分がほとんど含まれなくなる。その結果、所定方向(メインフレームとサブフレームとの対向方向)においてタイヤに作用する荷重の成分を精度よく計測することが可能となる。
【0014】
[2]上記第1項の装置において、メインフレームとサブフレームとは第2の方向において対向しており、サブフレームは、第2の方向においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するように直動軸受を介してメインフレームに取り付けられていてもよい。この場合、サブフレームは、直動軸受によってメインフレームに対して直線的に第2の方向に移動する。すなわち、サブフレームのメインフレームに対する回転移動が、直動軸受によって規制されている。そのため、計測部には、サブフレームの回転成分(モーメント)がほとんど含まれなくなる。従って、計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに、第2の方向においてタイヤに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。
【0015】
[3]上記第1項の装置において、メインフレームとサブフレームとは、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向において対向しており、サブフレームは、第3の方向においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するように直動軸受を介してメインフレームに取り付けられていてもよい。この場合、サブフレームは、直動軸受によってメインフレームに対して第3の方向に直線的に移動する。すなわち、サブフレームのメインフレームに対する回転移動が、直動軸受によって規制されている。そのため、計測部には、サブフレームの回転成分(モーメント)がほとんど含まれなくなる。従って、計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに、第3の方向においてタイヤに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。
【0016】
[4]上記第1項の装置は、メインフレームとサブフレームとの間に配置された補助フレームをさらに備え、メインフレームは、第2の方向においてサブフレームと対向する第1の部分と、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向においてサブフレームと対向する第2の部分とを含み、少なくとも一つの計測部は、第1の部分とサブフレームとの間に設けられた第1の計測部と、第2の部分とサブフレームとの間に設けられた第2の計測部とを含み、サブフレームは、第2の方向及び第3の方向の一方においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するように第1の直動軸受を介して補助フレームに取り付けられており、補助フレームは、第2の方向及び第3の方向の他方においてメインフレームとの間の距離が近接及び離間するように第2の直動軸受を介してメインフレームに取り付けられていてもよい。この場合、サブフレームは、第1の直動軸受によって補助フレームに対して第2の方向に直線的に移動する。すなわち、サブフレームの補助フレームに対する回転移動が、第1の直動軸受によって規制されている。一方、補助フレームは、第2の直動軸受によってメインフレームに対して第3の方向に直線的に移動する。すなわち、補助フレームのメインフレームに対する回転移動が、第2の直動軸受によって規制されている。そのため、第1及び第2の計測部には、サブフレーム及び補助フレームの回転成分(モーメント)がほとんど含まれなくなる。従って、第1の計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに、第2の方向においてタイヤに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。同様に、第2の計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに、第3の方向においてタイヤに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。以上より、一つのタイヤ試験装置において、第2の方向においてタイヤに生ずる荷重の成分と第3の方向においてタイヤに生ずる荷重の成分とのそれぞれを極めて精度よく計測することが可能となる。
【0017】
[5]上記第1項の装置において、サブフレームは、第1の方向と直交する方向に沿って延びる支軸周りに回転可能となるようにメインフレームに取り付けられていてもよい。この場合、アクチュエータがタイヤ支持機構を駆動して、タイヤの接地面が回転体の周面に接触したときに、タイヤが回転体から荷重を受けたとしても、サブフレームは、第1の方向には移動せず、支軸周りに回転する。従って、メインフレームとサブフレームとの間に設けられた計測部には、第1の方向においてタイヤに作用する荷重の成分がほとんど含まれなくなる。その結果、所定方向(メインフレームとサブフレームとの対向方向)においてタイヤに作用する荷重の成分を精度よく計測することが可能となる。
【0018】
[6]上記第5項の装置において、支軸は、車軸にタイヤが取り付けられた状態において、支軸の軸心方向から見たときに、タイヤの中心点を通り且つ第1の方向に延びる仮想直線上に位置していてもよい。支軸が仮想直線から離れている場合には、その離れている距離に応じて、計測部の計測値が増減してしまうので、測定値の補正を要する場合がある。しかしながら、支軸が仮想直線上にあるとそのような補正を必要としないので、計測部において荷重を簡易に計測することが可能となる。
【0019】
[7]上記第5項又は第6項の装置において、メインフレームとサブフレームとは、第2の方向において対向しており、支軸は、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向に沿って延びていてもよい。この場合、計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに第2の方向においてタイヤに生ずる荷重を計測することが可能となる。
【0020】
[8]上記第5項又は第6項の装置において、メインフレームとサブフレームとは、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向において対向しており、支軸は第2の方向に沿って延びていてもよい。この場合、計測部は、回転体にタイヤの接地面が接触したときに第3の方向においてタイヤに生ずる荷重を計測することが可能となる。
【0021】
[9]上記第5項又は第6項の装置において、メインフレームは、第2の方向においてサブフレームと対向する第1の部分と、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向においてサブフレームと対向する第2の部分とを含み、支軸は、第3の方向に沿って延びると共にサブフレームを第1の部分に対して回転可能に支持する第1の軸と、第2の方向に沿って延びると共にサブフレームを第2の部分に対して回転可能に支持する第2の軸とを含み、少なくとも一つの計測部は、第1の部分とサブフレームとの間に設けられた第1の計測部と、第2の部分とサブフレームとの間に設けられた第2の計測部とを含んでもよい。この場合、一つのタイヤ試験装置において、第2の方向においてタイヤに生ずる荷重の成分と第3の方向においてタイヤに生ずる荷重の成分とのそれぞれを精度よく計測することが可能となる。
【0022】
[10]上記第9項の装置において、支軸は、第1及び第2の軸を含むユニバーサルジョイントであってもよい。この場合、一つの支軸により、メインフレームの第1の部分に対するサブフレームの回転と、メインフレームの第2の部分に対するサブフレームの回転との双方が実現される。そのため、装置の簡素化を図ることが可能となる。
【0023】
[11]上記第1項〜第10項のいずれか一項の装置において、計測部は、メインフレームとサブフレームとを連結する連結部材と、連結部材に生じた荷重を計測する荷重センサとを含み、連結部材の各端部はそれぞれ、第2の方向と、第1の方向及び第2の方向の双方に直交する第3の方向との少なくとも2方向において自由度を有する軸受を介して、メインフレーム及びサブフレームに接続されていてもよい。この場合、サブフレームが支軸周りに回転したときに、連結部材に撓みが生じ難くなる。そのため、メインフレームとサブフレームとの対向方向においてタイヤに作用する荷重の成分を、荷重センサによりさらに精度よく計測することが可能となる。
【0024】
[12]上記第11項の装置において、軸受は球面軸受であってもよい。
【0025】
≪実施形態の例示≫
以下に、本開示に係る実施形態の一例について、図面を参照しつつより詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0026】
[タイヤ試験装置の構成]
図1〜
図3に示される第1の例に係るタイヤ試験装置1は、タイヤTを試験するための装置である。具体的には、タイヤ試験装置1では、走行中のタイヤTに生ずる荷重(横力Fx、転がり抵抗Fy及び押し付け荷重Fz)を測定する。タイヤ試験装置1は、
図1及び
図2に示されるように、回転機構100と、試験機本体200とを備える。
【0027】
回転機構100は、回転体(回転ドラム)102と、電動モータ104とを含む。回転体102は、偏平な円柱状体である。回転体102の周面は、タイヤTの走行模擬路面として機能する。電動モータ104は、水平方向に延びる軸周りに回転体102を回転駆動させる駆動機構である。本明細書において、回転体102の回転軸(電動モータ104の中心軸)の延在方向を「X方向」(第2の方向)と称する。
【0028】
試験機本体200は、アクチュエータ210と、タイヤ支持機構220とを含む。アクチュエータ210は、床面Fに設けられた架台211上に搭載されている。アクチュエータ210は、水平方向で且つX方向と直交する方向に沿ってタイヤ支持機構220を回転体102に対して進退させる駆動機構である。アクチュエータ210がタイヤ支持機構220を回転体102に対して進退させると、タイヤ支持機構220に支持されたタイヤTが回転体102の周面に対して近接及び離間する。本明細書において、アクチュエータ210によるタイヤ支持機構220の駆動方向を「Z方向」(第1の方向)と称し、X方向及びY方向の双方に直交する方向を「Y方向」(第3の方向)と称する。アクチュエータ210は、例えば油圧シリンダであり、Z方向に沿ってピストンロッドを伸縮させる。
【0029】
タイヤ支持機構220は、架台230と、角度調節機構240と、計測機構250とを含む。架台230は、直方体形状を呈しており、角度調節機構240及び計測機構250を載置するベースとして機能する。架台230は、ガイドレール231及びスライダ232を介して床面F上に設けられている。
【0030】
ガイドレール231は、回転機構100とアクチュエータ210との間においてZ方向に直線状に延びている。スライダ232は、ガイドレール231上を摺動可能に構成されている。スライダ232は、ガイドレール231と共に、直動軸受(リニアガイド)を構成している。スライダ232は、架台230の下面に設けられている。そのため、スライダ232がガイドレール231に沿って移動すると、架台230、角度調節機構240及び計測機構250も全体として、ガイドレール231に沿って移動する。
【0031】
角度調節機構240は、主軸241と、支持筐体242と、アクチュエータ243と、リンク機構244とを含む。主軸241は、Z方向に延在する円柱状部材である。主軸241は、転がり軸受等の軸受(図示せず)を介して支持筐体242に取り付けられている。そのため、主軸241は、その軸心周りに支持筐体242に対して回転可能に支持されている。
【0032】
主軸241の基端部(アクチュエータ210側の端部)は、アクチュエータ210のピストンロッドの先端部と転がり軸受等の軸受を介して接続されている。そのため、主軸241が回転しても、アクチュエータ210のピストンロッドは回転しない。主軸241の先端部(計測機構250側の端部)は、計測機構250に接続されている。
【0033】
支持筐体242は、上方が開放された有底四角筒状体である。支持筐体242は、架台230上に載置されている。支持筐体242の側壁面には、X方向において外方に突出する補助架台242aが設けられている(
図2及び
図3参照)。
【0034】
アクチュエータ243は、補助架台242a上に載置されている。アクチュエータ243は、リンク機構244を駆動する駆動機構である。アクチュエータ243は、例えば油圧シリンダであり、X方向に沿ってピストンロッドを伸縮させる。
【0035】
リンク機構244は、リンク部材244a,244bを含む。リンク部材244a,244bは共に、直線状に延びる平板である。リンク部材244aの一端部は、アクチュエータ243のピストンロッドに対して、Z方向に延びる軸周りに回転可能に取り付けられている。リンク部材244aの他端部は、リンク部材244bの一端部に対して、Z方向に延びる軸周りに回転可能に取り付けられている。リンク部材244bの他端部は、主軸241に固定されている。そのため、アクチュエータ243がピストンロッドを伸縮させると、ピストンロッドがリンク部材244aを介してリンク部材244bの一端部がY方向に押し引きされる。これにより、リンク部材244bの他端部が固定された主軸241がその軸心周りに回転する。
【0036】
計測機構250は、タイヤTを支持可能に構成されていると共に、支持したタイヤTに作用する荷重を計測可能に構成されている。計測機構250は、
図1、
図2及び
図4に示されるように、メインフレーム251と、サブフレーム252と、車軸253と、支軸254と、2つの計測部255,256とを含む。
【0037】
メインフレーム251は、基部251aと、延在部251b,251cとを含む。基部251aは、X方向に沿って延びる板状体である。基部251aの一端部には、主軸241の先端部が固定されている。すなわち、メインフレーム251は、主軸241を介してアクチュエータ210と接続されている。基部251aのうち回転機構100側に向かう側面には、一対の補助壁251dが一体的に設けられている。
【0038】
延在部251b(第1の部分)は、基部251aの他端部から回転機構100側に向けてZ方向に延びる板状体である。延在部251bの一端部は、基部251aの他端部に一体的に設けられている。そのため、基部251a及び延在部251bは、Y方向から見たときに、L字形状を呈している。
【0039】
延在部251c(第2の部分)は、基部251aの当該側面から回転機構100側に向けてZ方向に延びる板状体である。延在部251cの一端部は、基部251aの中間部のうち上側の側面に一体的に設けられている。そのため、基部251a及び延在部251cは、X方向から見たときに、L字形状を呈している。
【0040】
サブフレーム252は、一対の基部252aと、延在部252bとを含む。一対の基部252aは、X方向に沿って略平行に延びる板状体である。一対の基部252aは、Y方向において対向している。一対の基部252aは、一端側において一対の補助壁251dを間に置くように位置している。
【0041】
延在部252bは、一対の基部252aの他端部から回転機構100側に向けてZ方向に延びる板状体である。延在部252bの一端部は、一対の基部252aの他端部に一体的に設けられている。そのため、一対の基部252a及び延在部252bは、Y方向から見たときに、L字形状を呈している。
【0042】
延在部252bは、X方向において、メインフレーム251の延在部251bと対向している。延在部252bは、Y方向において、メインフレーム251の延在部251cと対向している。
【0043】
車軸253は、X方向に向けて延びる円柱状部材である。車軸253の一端部は、サブフレーム252の延在部252bの他端部(先端部)に固定されている。そのため、車軸253は、サブフレーム252(延在部252b)に対して片持ち状に支持されている。車軸253は、タイヤ試験装置1によりタイヤTの試験を行う際に、タイヤTを車軸253周りに回転可能に支持する。
図1及び
図2に示されるように、車軸253にタイヤTが取り付けられた状態において、タイヤTの接地面は回転体102の周面と対向する。
【0044】
支軸254は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示されるように、いわゆるユニバーサルジョイント(例えば十字継手)であり、一対の補助壁251dと一対の基部252aとで囲まれる空間に配置されている。支軸254は、
図5に示されるように、直方体形状を呈する本体部254aと、一対の軸254b(第1の軸)と、一対の軸254c(第2の軸)とを含む。
【0045】
一対の軸254bは、本体部254aのうちY方向において対向する一対の側面からそれぞれ突出している。一対の軸254bはそれぞれ、Y方向に沿って直線状に延びている。一対の軸254bはそれぞれ、転がり軸受等の軸受(図示せず)を介して一対の基部252aに取り付けられている。そのため、サブフレーム252は、一対の軸254bの軸心周りにメインフレーム251に対して回転可能に支持されている。
【0046】
一対の軸254cは、本体部254aのうちX方向において対向する一対の側面からそれぞれ突出している。一対の軸254cはそれぞれ、X方向に沿って直線状に延びている。一対の軸254cはそれぞれ、転がり軸受等の軸受(図示せず)を介して一対の補助壁251dに取り付けられている。そのため、サブフレーム252は、一対の軸254cの軸心周りにメインフレーム251に対して回転可能に支持されている。
【0047】
計測部255(第1の計測部)は、
図2及び
図4に示されるように、メインフレーム251の延在部251bとサブフレーム252の延在部252bとの間に設けられている。計測部255は、連結部材255aと、一対の軸受255bと、荷重センサ255cとを含む。
【0048】
連結部材255aは、例えば、荷重センサ255cを介して延在部251bと延在部252bとを連結する棒状部材であり、X方向に沿って延びている。具体的には、連結部材255aの一端部は、一対の軸受255bのうち一方を介して延在部251bと接続されている。連結部材255aの他端部は、一対の軸受255bのうち他方を介して延在部252bと接続されている。
【0049】
軸受255bは、X方向及びY方向の少なくとも2方向において自由度を有する。軸受255bは、例えば、ユニバーサルジョイントであってもよいし、
図2及び
図4に示されるように球面軸受であってもよい。
【0050】
荷重センサ255cは、連結部材255aに生じた荷重を計測可能に構成されている。具体的には、荷重センサ255cは、回転体102にタイヤTが接触したときにX方向においてタイヤTに生ずる荷重(横力Fx)を計測する。荷重センサ255cは、例えばロードセルであってもよい。
【0051】
計測部256(第2の計測部)は、
図1及び
図4に示されるように、メインフレーム251の延在部251cとサブフレーム252の延在部252bとの間に設けられている。計測部256は、連結部材256aと、一対の軸受256bと、荷重センサ256cとを含む。
【0052】
連結部材256aは、例えば、荷重センサ256cを介して延在部251cと延在部252bとを連結する棒状部材であり、Y方向に沿って延びている。具体的には、連結部材256aの一端部は、一対の軸受256bのうち一方を介して延在部251cと接続されている。連結部材256aの他端部は、一対の軸受256bのうち他方を介して延在部252bと接続されている。
【0053】
軸受256bは、X方向及びY方向の少なくとも2方向において自由度を有する。軸受256bは、例えば、ユニバーサルジョイントであってもよいし、
図1及び
図4に示されるように球面軸受であってもよい。
【0054】
荷重センサ256cは、連結部材256aに生じた荷重を計測可能に構成されている。具体的には、荷重センサ256cは、回転体102にタイヤTが接触したときにY方向においてタイヤTに生ずる荷重(転がり抵抗Fy)を計測する。荷重センサ256cは、例えばロードセルであってもよい。
【0055】
[計測原理]
続いて、
図6及び
図7を参照して、横力Fx及び転がり抵抗Fyの計測原理について説明する。まず、タイヤ支持機構220が回転機構100から離間した状態で、試験対象のタイヤTを車軸253に取り付ける。このとき、
図6に示されるように、Y方向から見て、タイヤTの中心点Cを通り且つZ方向に延びる仮想直線VL1上に支軸254の軸254bが位置するように、タイヤTの車軸253に対する取り付け位置を調節する。また、
図7に示されるように、X方向から見て、タイヤTの中心点を通り且つZ方向に延びる仮想直線VL2上に支軸254の軸254cが位置するように、タイヤTの車軸253に対する取り付け位置を調節する。
【0056】
次に、図示しないコントローラ(制御部)がアクチュエータ210を制御して、タイヤTの接地面が回転体102の周面に当接するように、タイヤ支持機構220を回転機構100に向けて押し出す。このときのアクチュエータ210によるタイヤTの押圧力(推力)は、例えば数トン〜数百トン程度であってもよい。
【0057】
次に、コントローラが電動モータ104を制御して、回転体102を回転させる。回転体102の接線速度は、例えば時速数十km〜時速数百km程度であってもよい。これにより、タイヤTは、回転体102から抗力を受けて、車軸253周りを回転する。すなわち、回転体102の周面は、タイヤTの走行模擬路面として機能する。
【0058】
このとき、コントローラがアクチュエータ243を制御して、リンク機構244を介して主軸241を回転させると、タイヤTは回転体102の周面(走行模擬路面)に対して所定の角度傾く。この角度は、タイヤTが向いている方向と実際にタイヤTが進行している方向とがなす角であり、「スリップ角」とも呼ばれる。タイヤTにスリップ角がついた状態では、
図6に示されるように、タイヤTに横力Fxが生ずる。
【0059】
タイヤTに横力Fxが生ずると、その反力が車軸253を介してサブフレーム252に作用し、サブフレーム252が軸254b周りに回転する。これにより、メインフレーム251(延在部251b)とサブフレーム252(延在部252b)とを連結する連結部材255aが、圧縮力又は引張力を受ける。荷重センサ255cは、当該圧縮力又は引張力を計測し、例えばコントローラにその計測値を出力する。
【0060】
ここで、軸254bにおいて生ずるメカロス(機械損失)MLxは、パラメータP,μx,rx,Lxをそれぞれ
P:アクチュエータ210によるタイヤTの押圧力
μx:軸254bにおける転がり摩擦係数
rx:軸254bの半径
Lx:軸254bの中心点とタイヤTの中心点Cとの直線距離
とすると、式1で算出される。
MLx=P×μx×rx/Lx ・・・(1)
このメカロスMLxは、荷重センサ255cにおいて誤差として現れるので、小さいほど好ましい。荷重センサ255cにはメカロスMLxによる誤差の他に温度等による誤差も生ずるので、荷重センサ255cの全体としての誤差が1%以内であってもよく、荷重センサ255cにおけるメカロスMLxによる誤差が0.1%以下であってもよい。すなわち、μx×rx/Lxの値が0.1%以下であってもよい。
【0061】
一方、
図7に示されるように、走行模擬路面を走行するタイヤTには転がり抵抗Fyが生ずる。タイヤTに転がり抵抗Fyが生ずると、その反力が車軸253を介してサブフレーム252に作用し、サブフレーム252が軸254c周りに回転する。これにより、メインフレーム251(延在部251c)とサブフレーム252(延在部252b)とを連結する連結部材256aが、圧縮力又は引張力を受ける。荷重センサ256cは、当該圧縮力又は引張力を計測し、例えばコントローラにその計測値を出力する。
【0062】
ここで、軸254cにおいて生ずるメカロス(機械損失)MLyは、パラメータP,μy,ry,Lyをそれぞれ
P:アクチュエータ210によるタイヤTの押圧力
μy:軸254cにおける転がり摩擦係数
ry:軸254cの半径
Ly:軸254cの中心点とタイヤTの中心点Cとの直線距離
とすると、式2で算出される。
MLy=P×μy×ry/Ly ・・・(2)
このメカロスMLyも、荷重センサ256cにおいて誤差として現れるので、小さいほど好ましい。荷重センサ256cにおいても荷重センサ255cと同様に、荷重センサ256cの全体としての誤差が1%以内であってもよく、荷重センサ256cにおけるメカロスMLyによる誤差が0.1%以下であってもよい。すなわち、μy×ry/Lyの値が0.1%以下であってもよい。
【0063】
[作用]
以上のような本実施形態では、サブフレーム252(延在部252b)が、車軸253を支持すると共に、Y方向に沿って延びる軸254b周りに回転可能となるようにメインフレーム251に取り付けられている。そのため、アクチュエータ210がタイヤ支持機構220を駆動して、タイヤTの接地面が回転体102の周面に接触したときに、タイヤTが回転体102から荷重を受けたとしても、サブフレーム252は、Z方向には移動せず、軸254b周りに回転する。従って、メインフレーム251(延在部251b)とサブフレーム252(延在部252b)との間に設けられた計測部255(荷重センサ255c)には、Z方向においてタイヤTに作用する荷重の成分がほとんど含まれなくなる。同様に、本実施形態では、サブフレーム252(延在部252b)が、車軸253を支持すると共に、X方向に沿って延びる軸254c周りに回転可能となるようにメインフレーム251に取り付けられている。そのため、アクチュエータ210がタイヤ支持機構220を駆動して、タイヤTの接地面が回転体102の周面に接触したときに、タイヤTが回転体102から荷重を受けたとしても、サブフレーム252は、Z方向には移動せず、軸254c周りに回転する。従って、メインフレーム251(延在部251c)とサブフレーム252(延在部252b)との間に設けられた計測部256(荷重センサ256c)には、Z方向においてタイヤTに作用する荷重の成分がほとんど含まれなくなる。その結果、所定方向(メインフレーム251とサブフレーム252との対向方向)においてタイヤTに作用する荷重の成分(横力Fx及び転がり抵抗Fy)を精度よく計測することが可能となる。
【0064】
ところで、タイヤTの径には多数の種類が存在し、タイヤTのハブにも多数の種類が存在する。そのため、タイヤTのハブに荷重センサを取り付けて荷重を計測しようとすると、タイヤTの径及びハブの組み合わせごとに最適な荷重センサの取り付け位置等を検討しなければならない。また、タイヤTに荷重が作用するとハブが変形することがありうるので、荷重センサがハブに取り付けられていると、荷重センサの計測値の精度が低下しうる。しかしながら、本実施形態では、タイヤTに作用する荷重を計測するためにタイヤTのハブに荷重センサを取り付ける必要がない。そのため、本実施形態に係るタイヤ試験装置1によれば、様々な種類のタイヤTに生ずる荷重を簡便且つ精度よく計測することが可能となる。
【0065】
本実施形態では、
図6に示されるように、仮想直線VL1上に支軸254の軸254bが位置している。また、
図7に示されるように、仮想直線VL2上に支軸254の軸254cが位置している。そのため、荷重センサ255c,256cの測定値を補正する必要がない。従って、荷重センサ255c,256cにおいて荷重を簡易に計測することが可能となる。
【0066】
本実施形態では、支軸254が、軸254b,254cを含むユニバーサルジョイントである。そのため、一つの支軸254により、メインフレーム251の延在部251bに対するサブフレーム252の回転と、メインフレーム251の延在部251cに対するサブフレーム252の回転との双方が実現される。そのため、タイヤ試験装置1の簡素化を図ることが可能となる。
【0067】
本実施形態では、連結部材255aが一対の軸受255bを介してメインフレーム251とサブフレーム252とを連結していると共に、連結部材256aが一対の軸受256bを介してメインフレーム251とサブフレーム252とを連結している。そのため、サブフレーム252が支軸254周りに回転したときに、連結部材255a,256aに撓みが生じ難くなる。従って、メインフレーム251とサブフレーム252との対向方向においてタイヤTに作用する荷重の成分を、荷重センサ255c,256cによりさらに精度よく計測することが可能となる。
【0068】
[実施形態の他の例]
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本開示の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、タイヤ試験装置1は、押し付け荷重Fzを計測するための計測部(荷重センサ)をさらに備えていてもよい。
【0069】
アクチュエータ210は、回転体102がタイヤTに近接及び離間するように回転機構100をタイヤ支持機構220に対して進退させるように構成されていてもよい。あるいは、アクチュエータ210は、回転機構100及びタイヤ支持機構220の少なくとも一方を他方に対して進退させるように構成されていてもよい。
【0070】
サブフレーム252がU字形状を呈しており、車軸253の両端部がサブフレーム252によって両持ち状に支持されていてもよい。
【0071】
所定の中心軸に対して試験機本体200が回転可能に構成されていてもよい。当該所定の中心軸は、例えば、回転体102の外周面に対する接線のうち鉛直方向に延びると共に、試験機本体200側に位置していてもよい。この場合、タイヤTは回転体102の周面(走行模擬路面)に対して所定の角度傾く。この角度は、鉛直方向から見たときに、タイヤTの縦方向の中心線と回転体102の周面とがなす角であり、「キャンバ角」とも呼ばれる。
【0072】
図8に示される第2の例に係るタイヤ試験装置1のように、Y方向から見て、仮想直線VL1上に支軸254の軸254bが位置していなくてもよい。この場合、軸254bが仮想直線VL1からずれた距離dの大きさ分、荷重センサ255cの計測値を補正する必要がある。具体的には、軸254dの仮想直線VL1のずれの位置に応じて、荷重センサ255cの計測値に対してP×d/Lxを加算又は減算する。支軸254の軸254cが仮想直線VL2からずれた場合も同様である。
【0073】
図9及び
図10に示される第3の例に係るタイヤ試験装置1のように、計測機構250は、一対の補助壁251d及び支軸254に代えて、補助フレーム257と、一対の直動軸受258と、一対の直動軸受259とを含んでいてもよい。具体的には、補助フレーム257は、メインフレーム251の基部251aと、サブフレーム252の基部252aとの間に配置されている。
図9及び
図10に示される計測機構250においては、サブフレーム252の基部252aは、メインフレーム251の基部251aと同様、X方向に沿って延びる板状体である。
【0074】
直動軸受258,259は、所定の一方向に部材を案内するように構成されている。直動軸受258,259は、例えば、LMガイド(登録商標、THK株式会社製)であってもよい。
【0075】
一対の直動軸受258(直動軸受;第2の直動軸受)は、メインフレーム251の基部251aと補助フレーム257との間に配置されている。一対の直動軸受258は、X方向において並んでいる。直動軸受258は、直線状のガイドレール258aと、スライダ258bとを含む。
【0076】
ガイドレール258aは、メインフレーム251の基部251aのうち補助フレーム257との対向面に設けられている。ガイドレール258aは、Y方向(メインフレーム251の延在部251cとサブフレーム252の延在部252bとの対向方向)において延びている。スライダ258bは、補助フレーム257のうちメインフレーム251の基部251aとの対向面に設けられている。スライダ258bの内部には、複数の転動体(鋼球、円筒ころ等)(図示せず)が設けられている。スライダ258bは、内部の転動体がガイドレール258aに接するように、ガイドレール258aに取り付けられている。従って、補助フレーム257は、直動軸受258を介してメインフレーム251に取り付けられている。
【0077】
スライダ258bは、転動体自身が回転すると共に複数の転動体がスライダ258bの内部を循環することで、ガイドレール258a上を直線運動可能である。従って、補助フレーム257は、メインフレーム251上において、スライダ258bを介してガイドレール258aの延在方向(Y方向)に沿うように案内される。
【0078】
一対の直動軸受259(直動軸受;第1の直動軸受)は、補助フレーム257とサブフレーム252の基部252aとの間に配置されている。一対の直動軸受259は、Y方向において並んでいる。直動軸受259は、直線状のガイドレール259aと、スライダ259bとを含む。
【0079】
ガイドレール259aは、補助フレーム257のうちサブフレーム252の基部252aとの対向面に設けられている。ガイドレール259aは、X方向(メインフレーム251の延在部251bとサブフレーム252の延在部252bとの対向方向)において延びている。スライダ259bは、サブフレーム252の基部252aのうち補助フレーム257との対向面に設けられている。スライダ259bの内部には、複数の転動体(鋼球、円筒ころ等)(図示せず)が設けられている。スライダ259bは、内部の転動体がガイドレール259aに接するように、ガイドレール259aに取り付けられている。従って、サブフレーム252は、直動軸受259を介して補助フレーム257に取り付けられている。
【0080】
スライダ259bは、転動体自身が回転すると共に複数の転動体がスライダ259bの内部を循環することで、ガイドレール259a上を直線運動可能である。従って、サブフレーム252は、補助フレーム257上において、スライダ259bを介してガイドレール259aの延在方向(X方向)に沿うように案内される。
【0081】
ここで、第3の例に係る計測機構250において、タイヤTにスリップ角が設定された状態で、車軸253に支持されたタイヤTの接地面が回転中の回転体102の周面に当接すると、タイヤTにはX方向の横力Fxが生ずる。タイヤTに横力Fxが生ずると、その反力が車軸253を介してサブフレーム252に作用し、サブフレーム252がガイドレール259aに沿ってX方向に直線的に移動する。一方、補助フレーム257とメインフレーム251との間に位置する直動軸受258はY方向以外に移動しないので、横力Fxの反力がサブフレーム252を介して補助フレーム257に作用しても、補助フレーム257はメインフレーム251に対して移動しない。これにより、メインフレーム251(延在部251b)とサブフレーム252(延在部252b)とを連結する連結部材255aが、圧縮力又は引張力を受ける。荷重センサ255cは、当該圧縮力又は引張力を計測し、例えばコントローラにその計測値を出力する。
【0082】
一方、走行模擬路面を走行するタイヤTにはY方向の転がり抵抗Fyが生ずる。タイヤTに転がり抵抗Fyが生ずると、その反力が車軸253を介してサブフレーム252に作用する。サブフレーム252と補助フレーム257との間に位置する直動軸受259はX方向以外に移動しないので、転がり抵抗Fyの反力がサブフレーム252に作用しても、サブフレーム252は補助フレーム257に対して移動しない。一方、転がり抵抗Fyの反力が、サブフレーム252及び直動軸受259を介して補助フレーム257に作用すると、補助フレーム257がガイドレール258aに沿ってY方向に直線的に移動する。これにより、メインフレーム251(延在部251c)とサブフレーム252(延在部252b)とを連結する連結部材256aが、圧縮力又は引張力を受ける。荷重センサ256cは、当該圧縮力又は引張力を計測し、例えばコントローラにその計測値を出力する。
【0083】
以上のように、第3の例に係るタイヤ試験装置1では、補助フレーム257は、直動軸受258によってメインフレーム251に対してY方向に直線的に移動する。すなわち、補助フレーム257のメインフレーム251に対する回転移動が、直動軸受258によって規制されている。一方、サブフレーム252は、直動軸受259によって補助フレーム257に対してX方向に直線的に移動する。すなわち、サブフレーム252の補助フレーム257に対する回転移動が、直動軸受259によって規制されている。そのため、荷重センサ255c,256cには、サブフレーム252及び補助フレーム257の回転成分(モーメント)がほとんど含まれなくなる。従って、荷重センサ255cは、回転体102にタイヤTの接地面が接触したときに、X方向においてタイヤTに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。同様に、荷重センサ256cは、回転体102にタイヤTの接地面が接触したときに、Y方向においてタイヤTに生ずる荷重を極めて精度よく計測することが可能となる。以上より、一つのタイヤ試験装置1において、X方向においてタイヤTに生ずる荷重の成分とY方向においてタイヤTに生ずる荷重の成分とのそれぞれを極めて精度よく計測することが可能となる。
【0084】
第3の例に係る計測機構250において、直動軸受258,259の数は特に限定されず、少なくとも一つであってもよい。
【0085】
第3の例に係る計測機構250において、Y方向に延びるガイドレール258aを含む直動軸受258が補助フレーム257とサブフレーム252との間に配置されていると共に、X方向に延びるガイドレール259aを含む直動軸受259が補助フレーム257とメインフレーム251との間に配置されていてもよい。
【0086】
ガイドレール258aが延びる方向は、Z方向(アクチュエータ210によるタイヤ支持機構220の駆動方向)に交差する方向であってもよい。ガイドレール259aが延びる方向は、Z方向及びガイドレール258aが延びる方向の双方に交差する方向であってもよい。
【0087】
以上のタイヤ試験装置1においては、横力Fx及び転がり抵抗Fyの一方を計測できればよい。例えば、第1及び第2の例に係るタイヤ試験装置1において、横力Fxを計測し転がり抵抗Fyを計測しない場合には、支軸254が一対の軸254cを含んでいなくてもよい。同様に、第1及び第2の例に係るタイヤ試験装置1において、横力Fxを計測せず転がり抵抗Fyを計測する場合には、支軸254が一対の軸254bを含んでいなくてもよい。第3の例に係るタイヤ試験装置1において、横力Fxを計測し転がり抵抗Fyを計測しない場合には、計測機構250が補助フレーム257及び直動軸受258を含まず、サブフレーム252が直動軸受259を介してメインフレーム251に取り付けられていてもよい。同様に、第3の例に係るタイヤ試験装置1において、横力Fxを計測せず転がり抵抗Fyを計測する場合には、計測機構250が補助フレーム257及び直動軸受259を含まず、サブフレーム252が直動軸受258を介してメインフレーム251に取り付けられていてもよい。
タイヤ試験装置は、回転体102と、計測機構250と、計測機構250を回転体102に対して進退させるアクチュエータとを備える。計測機構250は、車軸253と、アクチュエータに接続されたメインフレーム251と、サブフレーム252と、計測部255とを含む。車軸253は、X方向に沿って延びると共にタイヤTを回転可能に支持する。サブフレーム252は、車軸253を支持すると共に、Y方向に沿って延びる軸254b周りに回転可能となるようにメインフレーム251に取り付けられている。計測部255は、メインフレーム251とサブフレーム252との間に設けられている。