【実施例】
【0042】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0043】
(実施例1)
二酸化炭素吸収剤として水酸化カルシウム100重量部、分散助剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部を60℃に保たれた高圧ステンレス容器に入れて密閉し、圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、温度と圧力を保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻す超臨界処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、モアテック0168N)100重量部に対し二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例1における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例1とする。
【0044】
(実施例2)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを酸化カルシウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例2における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例2とする。
【0045】
(実施例3)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを非晶質アルミノシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例3における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例3とする。
【0046】
(実施例4)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムをチタン酸バリウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例4における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例4する。
【0047】
(実施例5)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムをリチウムシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例5における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例5とする。
【0048】
(実施例6)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例6における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例6とする。
【0049】
(実施例7)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をオレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例7における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例7とする。
【0050】
(実施例8)
実施例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例8における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例8とする。
【0051】
(実施例9)
実施例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリアクリル酸ナトリウム(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例9における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例9とする。
【0052】
(実施例10)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリオキシエチレン型ジェミニ型界面活性剤であるPOE30−10−ODEs(高分子界面活性剤)に代えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例10における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例10とする。
【0053】
(実施例11)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPET樹脂(帝人化成株式会社製、A−PET FR)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例11における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例11とする。
【0054】
(実施例12)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をナイロン6樹脂(東レ株式会社製、アミランCM1017)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例12における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例12とする。
【0055】
(実施例13)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPVC樹脂(サン・アロー化成株式会社製、SE−1100)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例13における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例13とする。
【0056】
(実施例14)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPS樹脂(PSジャパン株式会社製、HIPS 475D)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例14における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例14とする。
【0057】
(実施例15)
二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をガラス製容器に入れ、60℃の条件下において、超音波ホモジナイザーにて40KHzの周波数、出力300Wの超音波を15分間照射する超音波照射処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例15における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例15とする。なお、比較例15は、比較例1と同一のものである。
【0058】
(実施例16)
実施例15において、二酸化炭素吸収剤として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して超音波照射処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を用いて、実施例15と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、実施例16における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例16とする。なお、比較例16は、比較例8と同一のものである。
【0059】
(実施例17)
二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機(エム・テクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例17における前記攪拌処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例17とする。なお、比較例17は、比較例1と同一である。
【0060】
(実施例18)
実施例17において、二酸化炭素吸収剤として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して攪拌処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を用いて、実施例17と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、実施例18における攪拌処理工程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例18とする。なお、比較例18は、比較例8と同一である。
【0061】
(実施例19)
有機化合物の二酸化炭素吸収剤としてのココナツ中果皮繊維100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機(エム・テクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、モアテック0168N)100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例19における前記撹拌処理行程を行わずに全行程を行って得た樹脂組成物を比較例19とする。
【0062】
上記実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物に対して、引張衝撃強さ測定(JISK7160に記載の方法)、引張降伏応力測定(JISK7161に記載の方法)、曲げ弾性率測定(JISK7171に記載の方法)および二酸化炭素排出量測定(JISK7217に記載の方法)による評価を行った。以下に詳しい評価方法を説明する。
【0063】
評価方法
(衝撃強さ測定)
測定には、デジタル衝撃試験機DR−IB試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのノッチ付きの板状に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の一端を台座に固定されたつかみ具、他端を移動可能なクロスヘッド支持台にそれぞれ固定し、任意の重さのストライカを衝撃速度3.46m/sで前記クロスヘッド支持台に衝突させて行う。なお、測定は各10回ずつ行った。
【0064】
(引張降伏応力測定)
測定には、ストログラフHT試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を射出成形により20mm×5mmの平行部を有する、長さ100mm、幅25mm、厚さ4mmのダンベル状の板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成型後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を固定し、試験片の長さ方向に一定の引張加重を加えて、各瞬間における応力とその応力に対応するひずみを測定し、応力−ひずみ曲線図から降伏点における降伏応力を求める。なお、測定は各5回ずつ行った。
【0065】
(曲げ弾性率測定)
測定には、ベントグラフ−2試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を64mmの支点間隔で自由支持し、支点間の中央に加圧くさびにより曲げ加重(試験応力)を加えて、破壊応力およびたわみを測定する。なお、測定は各5回ずつ行った。
【0066】
(二酸化炭素排出量測定)
測定には、プラスチック燃焼試験機(株式会社スギヤマゲン製)を用いて行った。
試料は、重量0.1gの試験片の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を用いた。測定は、0.1gの試料を、ガス供給量0.5L/min、設定温度750℃の条件下で10分間燃焼させ、その際に発生した二酸化炭素の総排出量を測定する。なお、測定は各3回ずつ行った。
【0067】
図1には、実施例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果、
図2には、比較例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果をそれぞれ示す。なお、各評価結果は、測定回数に対する平均の値を記載する。
【0068】
いずれの二酸化炭素吸収剤、分散助剤および樹脂の組み合わせにおいても、二酸化炭素吸収剤と分散助剤からなる混合物に対して分散処理を行った各実施例が、分散処理を行わなかった各比較例と比較して二酸化炭素排出量が大幅に減少していることが分かる。
また、各実施例では、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの機械的性質においても各比較例と比べて良好な値を示した。
さらに、各実施例に用いた樹脂単体の機械的強度を100%として各実施例の機械的強度を比較すると、多くは90〜70%であり、十分な機械的強度を備えていることを確認した。中には、機械的強度が劣るものもあるが、当該負荷が作用しない用途に用いるとよい。
【0069】
本発明の二酸化炭素排出量削減性能をさらに詳しく説明するために、二酸化炭素吸収剤の種類、分散助剤の種類、樹脂の種類および分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較を以下に考察する。
【0070】
(二酸化炭素吸収剤の種類における二酸化炭素排出量の比較)
二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム(実施例1および比較例1)、酸化カルシウム(実施例2および比較例2)、非晶質アルミノシリケート(実施例3および比較例3)、チタン酸バリウム(実施例4および比較例4)およびリチウムシリケート(実施例5および比較例5)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
なお、このとき分散助剤には、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、樹脂には低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を用いた。
図3に示すように、いずれの二酸化炭素吸収剤においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、水酸化カルシウムの場合51.6%、酸化カルシウムの場合52.5%、非晶質アルミノシリケートの場合56.4%、チタン酸バリウムの場合55.0%およびリチウムシリケートの場合53.4%の排出量削減を実現している。
特に、アルミノケイ酸塩の一種である非晶質アルミノシリケートにおいては、56.4%と最も良好な結果を示した。
【0071】
(分散助剤の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウムとし、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(実施例1および比較例1)、ホスファチジルコリン(実施例6および比較例6)、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(実施例7および比較例7)およびPOE30−10−ODEs(実施例10および比較例10)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図4(a)に示すように、いずれの分散助剤においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合51.6%、ホスファチジルコリンの場合52.5%、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩の場合51.8%およびPOE30−10−ODEsの場合53.8%の排出量削減を実現している。
特に、高分子界面活性剤であるPOE30−10−ODEsにおいては、53.8%と最も良好な結果を示した。
【0072】
さらに、前記二酸化炭素吸収剤において最も良好な削減量を示した、非晶質アルミノシリケートを二酸化炭素吸収剤として、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(実施例3および比較例3)、ホスファチジルコリン(実施例8および比較例8)およびポリアクリル酸ナトリウム(実施例9および比較例9)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図4(b)に示すように、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウムとした場合よりも全体として良好な値を示し、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合56.4%、ホスファチジルコリンの場合51.5%およびポリアクリル酸ナトリウムの場合55.0%の排出量削減を実現している。
特に、脂肪酸金属塩である12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムにおいて56.4%と最も良好な結果を示した。
【0073】
この評価結果では、わずかながらに二酸化炭素吸収剤と分散助剤とに効果的な組み合わせが認められるものの、いずれの組み合わせにおいても組み合わせによる二酸化炭素排出量の削減量に大きな差がないことを示している。
【0074】
(樹脂の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物を低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(実施例1および比較例1)、PET樹脂(実施例11および比較例11)、ナイロン6樹脂(実施例12および比較例12)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVC)(実施例13および比較例13)およびポリスチレン樹脂(PS)(実施例14および比較例14)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図5に示すように、樹脂による効果の違いはほとんどなく、いずれの樹脂においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、LLDPEの場合51.6%、PETの場合42.0%、ナイロン6の場合52.0%、PVCの場合51.3%およびPSの場合52.5%の排出量削減を実現している。
【0075】
(分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較例1)、超臨界流体処理を行ったもの(実施例1)、超音波照射処理を行ったもの(実施例15)、攪拌処理を行ったもの(実施例17)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図6(a)に示すように、いずれの分散処理方法においても、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.6%、著音波照射処理で場合51.6%、攪拌処理の場合51.9%の排出量削減を実現している。
【0076】
さらに、二酸化炭素吸収剤を非晶質アルミノシリケート、分散助剤をホスファチジルコリンとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較例8)、超臨界流体処理を行ったもの(実施例8)、超音波照射処理を行ったもの(実施例16)、攪拌処理を行ったもの(実施例18)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図6(b)に示すように、いずれの分散処理方法においても、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした場合と同様に、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.5%、超音波照射処理の場合53.5%、攪拌処理の場合51.5%の排出量削減を実現している。
【0077】
このことから、分散処理方法の種類に関係なく、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物に対して分散処理を行い、樹脂に対する二酸化炭素吸収剤の分散性を高めることにより、得られた二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の二酸化炭素排出量が50%程度削減されるという極めて有用な評価結果が得られた。
【0078】
このような、本発明の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物によれば、樹脂本来の特長も有していることから、既存の樹脂製品の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物への転換が容易であり、地球温暖化抑制に対する早期効果を実現することができる。
【0079】
なお、本発明は、前記実施形態のものに限定されるものはなく、必要に応じて種々変更することが可能である。