特許第6170685号(P6170685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170685
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】車載システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/00 20060101AFI20170713BHJP
   B60R 7/04 20060101ALN20170713BHJP
【FI】
   B60R11/00
   !B60R7/04 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-21545(P2013-21545)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-151709(P2014-151709A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年1月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 拓
(72)【発明者】
【氏名】高松 昌博
(72)【発明者】
【氏名】下地 映次
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−180222(JP,A)
【文献】 特開平10−297379(JP,A)
【文献】 特開平2−134789(JP,A)
【文献】 実開平4−98620(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00−37/06
B60R 7/04
11/00
11/02
16/02
G01C 21/00−21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内部に設けられた取付部と、
各々が前記取付部に対して選択的に取り付け可能であり、各々が異なる車両用機能を発揮可能である複数の交換要素から成る選択ユニットと、
を備え、該選択ユニットの中から任意に選択された1つの交換要素が前記取付部に取り付けられた状態で利用される車載システムであって、
各前記交換要素は、自身を特定するための識別情報が記憶された記憶部を有し、
前記選択ユニットの中から前記取付部に取り付けられた前記交換要素を、その交換要素の前記記憶部に記憶されている前記識別情報に基づいて特定する制御部と、
前記制御部による特定結果に基づいて前記取付部に取り付けられた交換要素の種別に対応する情報を表示する表示部を備えた、車載システム。
【請求項2】
各種入力を受け付ける入力部を更に備え、
前記表示部は、前記取付部に取り付けられた交換要素の前記車両用機能に関する操作画面を表示し、
該操作画面に対応する操作入力を前記入力部が受け付けた場合には、該操作入力に従って、前記取付部に取り付けられた交換要素が前記車両用機能を発揮する、
請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記表示部は、インストルメントパネルに設置されたメータユニットであるパネルメータの中央に配置されたマルチディスプレイである、
請求項1又は請求項2に記載の車載システム。
【請求項4】
前記取付部は、前記車室内部にある収容スペース内に設けられた、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて利用される車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者(乗員)の快適性の向上を目的として車両に取り付られて用いられる車両用設備に関しては、取付部の構造上、車両の購入時に使用者が選択可能な装備品(交換要素)の種類が限られていた。このため、使用者が、車両の取得後に後付けの汎用の装備品を別途購入して取付部に取り付ける等の対応が為されていた。
【0003】
本発明の関連技術として、例えば、特許文献1には、シートからヘッドレストのステーを取り外すことなく、当該ステーに後付用の製品を脱着できる取付ベースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−67563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両の取得後に別途購入する汎用の装備品では、取り付け後に車両内の各システムと連携することが困難であり、利便性が充分ではない虞があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたものであり、利便性を向上した車載システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載システムは、下記の点を特徴としている。
(1) 車室内部に設けられた取付部と、
各々が前記取付部に対して選択的に取り付け可能であり、各々が異なる車両用機能を発揮可能である複数の交換要素から成る選択ユニットと、
を備え、該選択ユニットの中から任意に選択された1つの交換要素が前記取付部に取り付けられた状態で利用される車載システムであって、
各前記交換要素は、自身を特定するための識別情報が記憶された記憶部を有し、
前記選択ユニットの中から前記取付部に取り付けられた前記交換要素を、その交換要素の前記記憶部に記憶されている前記識別情報に基づいて特定する制御部と、
前記制御部による特定結果に基づいて前記取付部に取り付けられた交換要素の種別に対応する情報を表示する表示部を備えたこと。
(2) 上記(1)の構成の車載システムであって、
各種入力を受け付ける入力部を更に備え、
前記表示部は、前記取付部に取り付けられた交換要素の前記車両用機能に関する操作画面を表示し、
該操作画面に対応する操作入力を前記入力部が受け付けた場合には、該操作入力に従って、前記取付部に取り付けられた交換要素が前記車両用機能を発揮する、
こと。
(3) 上記(1)又は上記(2)に記載の車載システムにおいて、
前記表示部は、インストルメントパネルに設置されたメータユニットであるパネルメータの中央に配置されたマルチディスプレイである、
こと。
(4) 上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載の車載システムにおいて、
前記取付部は、前記車室内部にある収容スペース内に設けられた、
こと。
【0008】
上記(1)の構成の車載システムでは、複数の交換要素から成る選択ユニットの中から選択されて取付部に取り付けられた1つの交換要素に対応する情報が、表示部に表示される。即ち、現在車両用機能を発揮中である交換要素に対応する情報が、使用者が視認する表示部に表示される。このため、使用者は、当該表示部を視認することにより、現在利用中の交換要素に関する情報を取得することができる。これにより、車載システムの利便性が向上される。また、上記(1)の構成の車載システムによれば、車両購入後に別途購入する後付け用の設備品であっても容易に表示部との連携を実現することができ、利便性を向上できる。また、使用者が選択できる交換要素の種類を増加させることができるため、車両の使用者に車両の使い方や嗜好に応じて設備品を選択させることができ、車両の商品的魅力を向上できる。
上記(2)の構成の車載システムでは、取付部に取り付けられた取付設備の車両用機能に関する操作画面が表示部に表示される。そして、当該操作画面に対応付けられた操作が為されると、当該操作に従って、取付部に取り付けられた交換要素が車両用機能を発揮する。したがって、使用者は、表示部を視認することにより、操作部が車両用機能に関する操作を受け付け中であることを認識できる。また、入力部を用いて使用中の車両用機能のオンオフを決定したり、設定を変更したりできる。また、上記(2)の構成の車載システムによれば、車両購入後に別途購入する後付け用の設備品であっても容易に表示部及び入力部との連携を実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利便性を向上した車載システムを提供できる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態における車載システム1の構成を示す図である。
図2図2(A)及び図2(B)は、車載システム1が配置された車室内部を示す図である。
図3図3(A)〜図3(E)は、選択ユニット15を構成する各種の交換要素を示す図である。
図4図4は、ステアリングスイッチ16の外観を示す図である。
図5図5は、交換要素の装着時の動作手順を示すフローチャートである。
図6図6(A)〜図6(E)は、各交換要素に対応する設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る車載システム1について図面を用いて説明する。図1は、実施形態における車載システム1の構成を示す図である。図1に示すように、車載システム1は、車両に搭載された各種アクチュエータ、センサ、スイッチ等の各種の車両用装備(後述する選択ユニット15を含む。)を接続して、その機能を実行させるものであり、スマートジャンクションボックス(以下、スマートJBと称する。)11、入出力代行コネクタ12、13、14及び選択ユニット15を有する。選択ユニット15は、図3を参照して後述するように、複数の交換要素により構成され(本実施形態では、5つの交換要素15A〜15E。)、該交換要素の各々が車室内部に設けられた取付部(後述する収容スペース25a。)に対して選択的に取り付け可能であり、各々が異なる車両用機能(例えば、飲料容器保持機能や灰皿機能。)を発揮可能なユニットである。車載システム1は、これら選択ユニット15から任意に選択された1つの交換要素が収容スペース25aに取り付けられた状態で利用される。
【0013】
また、車載システム1は、インストルメントパネル5に設置されたメータユニットであるパネルメータ8内のマルチディスプレイ17、及び車両を操舵するハンドル9に設けられたステアリングスイッチ16を更に有する。マルチディスプレイ17は表示ツールとして使用され、ステアリングスイッチ16はユーザ意思入力ツールとして使用される。
【0014】
図2(A)及び図2(B)は、車載システム1が配置された車室内部を示す図である。図2(A)に示すように、マルチディスプレイ17、ステアリングスイッチ16及び選択ユニット15は、車室内の使用者(乗員)から視認可能な位置に配置されている。一方、スマートJB11や入出力代行コネクタ12、13、14は使用者から視認されない車両の内部に配置されている。
【0015】
また、図2(B)に示すように、運転席の側方に位置し、運転席と助手席を隔てる、センターコンソール25には、収容スペース25a(取付部)が形成されており、この収容スペース25aに選択ユニット15の中から選択された交換要素が装着される。図2(A)及び図2(B)中には、符号15により収容スペース25aに装着された交換要素を示している。
【0016】
スマートJB11は、インストルメントパネル5の内部や車両の底部等に設置されており、ワイヤハーネス3を介して各エリアの入出力代行コネクタ12、13、14と接続されている。
【0017】
スマートJB11(制御部)は、マイコン等を搭載しており、入出力代行コネクタ12、13、14に接続された各種の車両用装備の機能を実行させる。また、スマートJB11は、入出力代行コネクタ14に接続される、現在使用中の交換要素を特定するための識別符号が登録されたメモリを有している。
【0018】
入出力代行コネクタ12、13、14は、各種アクチュエータ、センサ、スイッチ等の車両用装備が接続されるものであり、接続された各種の車両用装備をスマートJB11に接続する。
【0019】
入出力代行コネクタ12はインストルメントパネル5の内部に設けられており、入出力代行コネクタ12には、パネルメータ8が接続されている。入出力代行コネクタ13はハンドル9のパッド内部に設けられており、入出力代行コネクタ13には、ステアリングスイッチ16が接続されている。入出力代行コネクタ14はセンターコンソール25の内部に設けられており、入出力代行コネクタ14には、収容スペース25aに装着された交換要素が接続される。
【0020】
マルチディスプレイ17(表示部)は、パネルメータ8の中央に配置されており、文字、図形、画像などの様々な可視情報を表示可能な画面を有する表示デバイス(図6参照。)である。
【0021】
ステアリングスイッチ16(入力部)は、前述したように、ハンドル9に設けられており、運転者によって操作可能な各種のボタンを有し、ユーザの意思を入力するツールである。
【0022】
選択ユニット15は、各々が異なる車両用機能を発揮可能である複数種類の交換要素15A〜15Eにより構成されている(図3参照。)。交換要素15A〜15Eは、各々が、入出力代行コネクタ14と挿抜自在に接続されるコネクタ15a(接続部)を有し、運転席のセンターコンソール25に交換自在に装着される。各交換要素は、各々を特定するための識別符号が記憶されたメモリを有する。各交換要素は、センターコンソール25に形成された収容スペース25aに装着されると同時にコネクタ15aが入出力代行コネクタ14に接続され、スマートJB11に接続されて認識される。
【0023】
図3(A)〜図3(E)は、交換要素15A〜15Eを示す図である。図3(A)に示すように、標準の交換要素であるドリンクホルダ15Aが用意されている。ドリンクホルダ15Aは、車両用機能として、飲料容器を保持する飲料容器保持機能と、その一部を点灯させるイルミネーション機能を有している。また、図3(B)に示すように、交換要素として、冷暖房の程度を調整する温度調整機能付きのドリンクホルダ15Bが用意されている。ドリンクホルダ15Bは、車両用機能として、飲料容器保持機能と温度調整機能を有している。また、図3(C)に示すように、交換要素として、脱臭機能付きの灰皿15Cが用意されている。灰皿15Cは、車両用機能として、灰皿機能と脱臭機能を有している。また、図3(D)に示すように、交換要素として、イオンを発生させて空気を浄化する空気浄化機能を有する消臭機15Dが用意されている。また、図3(E)に示すように、交換要素として、スマートフォン31の充電機能及び通信機能を有するクレイドル15Eが用意されている。使用者は、これらの交換要素15A〜15Eの中から任意の1つを選択して利用可能である。
【0024】
図4は、ステアリングスイッチ16の外観を示す図である。ステアリングスイッチ16は、ハンドル9の両側に設けられた一対のステアリングスイッチ16A、16Bからなる。ステアリングスイッチ16Aは、カーソルを上下左右に移動させる矢印ボタン18A及び選択や許可等を指示するための決定ボタン18Bを有する。一方、ステアリングスイッチ16Bは、設定ボタン18C及びキャンセルボタン18Dを有する。
【0025】
上記構成を有する車載システム1において、現在装着されている交換要素に代えて新たな交換要素を装着した際の動作について説明する。図5は、交換要素の装着時の動作手順を示すフローチャートである。使用者は、図3に示した選択ユニット15の中から、所望の交換要素を選択し、センターコンソール25に形成された収容スペース25aに装着する。
【0026】
まず、スマートJB11は、収容スペース25aに新たな交換要素が装着され、入出力代行コネクタ14に当該新たな交換要素が接続されたか否かを判別する(ステップS1)。新たな交換要素が接続されていないと判定した場合、スマートJB11はそのまま本動作を終了する。
【0027】
一方、入出力代行コネクタ14に新たな交換要素が接続されたと判定した場合、スマートJB11は、接続された新たな交換要素のメモリに記憶された識別符号を読み出し、自身のメモリに登録された識別符号の一覧と照合し、この交換要素を特定する(ステップS2)。スマートJB11は、特定された交換要素の種別に対応する設定画面(図6参照。)をマルチディスプレイ17に表示する(ステップS3)。このように、車載システム1では、マルチディスプレイ17には、収容スペース25aに取り付けられた交換要素の種別に対応する情報が表示される。
【0028】
使用者(購入者、運転者を含む。)は、ステアリングスイッチ16を操作し、マルチディスプレイ17に表示された設定画面(操作画面)を見ながら、交換要素が有する車両用機能に関する各種の設定項目を設定する。スマートJB11は、当該設定項目が設定されるまで待機する(ステップS4)。
【0029】
設定項目が設定されると(即ち、設定画面に対応する操作入力をステアリングスイッチ16が受け付けると。)、スマートJB11は、接続されている交換要素に対し、設定された各設定項目の内容に従って当該交換要素の車両用機能を実行させる(ステップS5)。この後、スマートJB11は本動作を終了する。
【0030】
以上説明したように、図5に示す動作により、収容スペース25aに取り付けられた交換要素の車両用機能に関する設定画面がマルチディスプレイ17に表示され(ステップS3)、当該設定画面に対応する操作入力をステアリングスイッチ16が受け付けた場合には、当該操作入力に従って、収容スペース25aに取り付けられた交換要素がその車両用機能を発揮する。
【0031】
図6は、各交換要素に対応する設定画面を示す図である。当該設定画面は、各交換要素の車両用機能のオンオフの変更や設定値の調整のための画面であり、前述したように、マルチディスプレイ17に表示される。図6(A)に示すように、標準装備の交換要素15Aの設定画面では、イルミネーション機能のオン/オフの設定が可能である。
【0032】
図6(B)に示すように、温度調整機能付きのドリンクホルダ15Bの設定画面では、温度調整機能のオン/オフや設定温度の調整が可能である。ここでは、暖房の設定温度が45℃に設定されている。図6(C)に示すように、脱臭機能付きの灰皿15Cの設定画面では、脱臭機能のオン/オフの設定が可能である。
【0033】
図6(D)に示すように、消臭機15Dの設定画面では、消臭機能のオン/オフの設定が可能である。図6(E)に示すように、スマートフォン31が載置されたクレイドル15Eの設定画面では、充電機能のオン/オフの設定、通信機能のオン/オフの設定が可能である。充電機能がオンである場合、スマートフォン31は入出力代行コネクタ14を介して供給される電力で充電される。
【0034】
以下では、本実施形態に係る車載システム1の作用及び効果について説明する。
【0035】
本実施形態の車載システム1は、車室内部に設けられた収容スペース25a(取付部)と、各々が収容スペース25aに対して選択的に取り付け可能であり、各々が異なる車両用機能を発揮可能である複数の交換要素15A〜15Eから成る選択ユニット15と、を備え、該選択ユニット15の中から任意に選択された1つの交換要素が収容スペース25aに取り付けられた状態で利用される車載システムである。そして、車載システム1は、収容スペース25aに取り付けられた交換要素の種別に対応する情報を表示するマルチディスプレイ17(表示部)を備えている。
このように、車載システム1では、現在車両用機能を発揮中である交換要素に対応する情報が、使用者が視認可能なマルチディスプレイ17に表示されるため、使用者は、マルチディスプレイ17を視認することにより、現在利用中の交換要素に関する情報を取得することができる。これにより、車載システムの利便性が向上されている。また、車載システム1によれば、車両購入後に別途購入する後付け用の設備品であっても容易にマルチディスプレイ17との連携を実現することができ、利便性を向上できる。
【0036】
また、本実施形態の車載システム1は、各種入力を受け付けるステアリングスイッチ16(入力部)を更に備えている。そして、マルチディスプレイ17は、収容スペース25aに取り付けられた交換要素の車両用機能に関する設定画面(操作画面)を表示し、該設定画面に対応する操作入力をステアリングスイッチ16が受け付けた場合には、該操作入力に従って、収容スペース25aに取り付けられた交換要素が車両用機能を発揮する。
このように、車載システム1では、収容スペース25aに取り付けられた取付設備の車両用機能に関する設定画面がマルチディスプレイ17に表示され、当該設定画面に対応付けられた操作が為されると、当該操作に従って、収容スペース25aに取り付けられた交換要素が車両用機能を発揮する。したがって、使用者は、マルチディスプレイ17を視認することにより、ステアリングスイッチ16が車両用機能に関する操作を受け付け中であることを認識できる。また、ステアリングスイッチ16を用いて使用中の車両用機能のオンオフを決定したり、設定を変更したりできる。また、車両購入後に別途購入する後付け用の設備品であっても、容易にマルチディスプレイ17及びステアリングスイッチ16との連携を実現することができる。
【0037】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0038】
例えば、上記実施形態では、選択ユニット15がセンターコンソール25に形成された収容スペース25aに装着されると同時にコネクタ15aが入出力代行コネクタ14に接続される場合を示したが、同時でなくとも構わない。即ち、選択ユニット15が収容スペース25aに装着される前後で、選択ユニット15の一部であるコネクタ15aを入出力代行コネクタ14に接続するようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、識別符号の一致により選択ユニットを特定していたが、その他の方法で特定してもよい。その他の方法の一例として、選択ユニット15毎に入出力代行コネクタ14に接続されるコネクタ15aのピンが異なるように配置し、スマートJB11が、このコネクタ15aのピン配置を判別することにより選択ユニット15の種類を特定するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、設定画面は、新たな交換要素の接続が検出された時に表示される構成としたが、使用者がステアリングスイッチ16を操作することにより任意のタイミングで表示されるようにしても構わない。
【0041】
また、上記実施形態で示した選択ユニット15は一例であり、その他、TV、ロック付きキャッシュケース、小物入れ、筆記具入れ等を選択ユニットとしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、車載用装備の一例である交換要素として、センターコンソールの収容スペースに交換自在に装着される選択ユニットを示したが、ヘッドレストやダッシュボード等に交換自在に装着される選択ユニットであってもよい。また、ヘッドレストに装着される選択ユニットとしては、例えばマッサージ機やヘッドホン等が挙げられる。ダッシュボードに交換自在に装着される選択ユニットとしては、TVやオーディオ機器が挙げられる。
【0043】
また、上記実施形態では、運転者の意思を入力する入力デバイスとして、ステアリングスイッチ16を用いた場合を示したが、パネルメータ内のマルチディスプレイ17がタッチパネルで構成される場合には、このタッチパネルを入力デバイスとして用いてもよい。これにより、使用者は画面を見ながら画面にタッチすることで入力が可能となる。
【0044】
また、上記実施形態では、メータユニットであるパネルメータ8内のマルチディスプレイ17を表示ツールとして用いた場合を示したが、ナビゲーション装置に搭載されたディスプレイを表示ツールとして用いても構わない。
【符号の説明】
【0045】
1 車載システム
3 ワイヤハーネス
5 インストルメントパネル
8 パネルメータ
9 ハンドル
11 スマートジャンクションボックス(JB)
12、13、14 入出力代行ボックス
15 選択ユニット
15a コネクタ
15A〜15E 交換要素
16、16A、16B ステアリングスイッチ(入力部)
17 マルチディスプレイ(表示部)
18A 矢印ボタン
18B 決定ボタン
18C 設定ボタン
18D キャンセルボタン
25 センターコンソール
25a 収容スペース(取付部)
31 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6