(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態の第一の特徴としては、筆記具に装着されて該筆記具におけるリフィールの種別を表示するリフィール識別部材において、前記筆記具に使用可能な交換用リフィールに対し装着するように形成されるとともに、前記筆記具に装着される際に前記交換用リフィールから分離されるように形成されている。
ここで、前記「リフィール」の種別には、インク色の違いによる種別や、筆記部の太さの違いによる種別、シャープペンリフィールやボールペンリフィール等、機能的な違いによる種別等を含む。
この構成によれば、当該リフィール識別部材を交換用リフィールに装着した状態で扱えるため、当該リフィール識別部材の紛失を防いで、当該リフィール識別部材の部品管理や販売上の扱いを容易にすることができ、その上、当該リフィール識別部材を筆記具に装着する際の作業性も向上することができる。
【0011】
第二の特徴としては、押子への進退操作により筆記部を出没させる出没式筆記具に装着するためのリフィール識別部材であって、前記押子に装着されるように形成されている。
この構成によれば、当該リフィール識別部材を押子に装着可能な小さな部品として形成した場合でも、当該リフィール識別部材の紛失を防いで、当該リフィール識別部材の部品管理や販売上の扱いを容易にすることができる上、当該リフィール識別部材を押子に装着する際の作業性も向上することができる。
【0012】
第三の特徴としては、交換用リフィールの後端部に嵌め合せられるように形成されている。
この構成によれば、当該リフィール識別部材が、長尺な交換用リフィールの後端部に嵌め合せられて扱われるため、当該リフィール識別部材の部品管理、販売及び組立作業等の扱いをいっそう容易にすることができる。
【0013】
第四の特徴としては、前記筆記具に装着されるように形成された識別体と、交換用リフィールに装着されるように形成されるとともに前記識別体に対し分離可能に接続された補助体とを具備してなる。
この構成によれば、識別体を小さな部品に形成した場合でも、補助体を有するため部品管理や交換作業等の扱いを容易にすることができる。
【0014】
第五の特徴としては、前記識別体に対し前記補助体が曲げられることでこれら識別体と補助体が分離するようにした。
この構成によれば、識別体に対し補助体を曲げる操作によりこれら識別体と補助体を容易に分離することができる。
【0015】
第六の特徴としては、前記補助体は、先端側が細くなって前記識別体に接続された接続部と、該接続部の接続方向に対し交差する方向へ延びた延設部とを一体に有し、前記接続方向を回転軸とした前記延設部の回動により前記接続部が捩じ曲げられて破断するようにした。
この構成によれば、接続部が捩じ曲げられて破断する構造であるため、識別体を補助体から分離する作業を容易にすることができる。
【0016】
更なる特徴としては、部品管理や交換作業等の扱いをより容易にするために、前記識別体よりも前記補助体を長く形成した。
【0017】
また、更なる特徴としては、ボールペン用リフィールに装着した場合に該リフィールの識別性を向上するために、前記識別体を、リフィールの筆記色に対応する色とした。
【0018】
また、更なる特徴としては、リフィールの種別に応じて容易に組み替えられるように、当該リフィール識別部材を、筆記具に対し着脱可能に形成した。
【0019】
また、応用例としては、前記リフィール識別部材を交換用リフィールの後端部に着脱可能に装着して、リフィール識別部材付き交換用リフィールを構成する。
【0020】
さらに、応用例としては、前記リフィール識別部材を着脱可能に装着した筆記具を構成する。
【0021】
次に、上記特徴を有する本実施の形態の好ましい具体例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施の形態のリフィール識別部材100,100’は、
図1〜
図5に示すように、出没式筆記具1に装着されて該筆記具1におけるリフィール40,50の種別を表示するためのものであり、出没式筆記具1に使用可能な交換用リフィール40’,50’に対し装着するように形成されるとともに、出没式筆記具1に装着される際には交換用リフィール40’,50’から分離されるように形成されている。
【0023】
出没式筆記具1は、
図1〜
図2に示すように、前後方向へわたる案内孔12a,12bを周壁に有する略円筒状の軸筒10と、案内孔12a,12bから軸筒外に露出した複数の押子20,30と、各押子20,30に対し着脱交換可能に装着されたシャープペンシル用リフィール40及びボールペン用リフィール50とを備えた多機能(多色)筆記具である。
そして、この出没式筆記具1は、選択された押子20(又は30)を後退位置から前進位置まで前進させた際に、該押子20(又は30)に対応する筆記部41(又は51)を突出するとともに、押子20(又は30)を軸筒内側へ沈み込ませて係止部12c2(又は12d2)(
図2参照)に係止する。また、出没式筆記具1は、前記係止状態を、所定の解除操作(図示例によれば他の押子30(又は20)を前進させる操作)により解除し、先に前進した押子20(又は30)を後退させるとともに筆記部41(又は51)を没入させる。
また、同出没式筆記具1は、一つの押子20を開閉操作可能なクリップとしても兼用することができるクリップ開閉操作機能付出没式筆記具として構成される。
【0024】
出没式筆記具1の各構成要素について詳細に説明すれば、先ず、軸筒10は、前軸11に対し、後軸12を着脱可能に接続してなる長尺円筒状の部材である。
そして、この軸筒10の内部には、
図2に示すように、シャープペンシル用リフィール40及びボールペン用リフィール50、これらリフィール40,50をそれぞれ軸方向へ案内するリフィールガイド部材61、これらリフィール40,50をそれぞれ後方へ付勢する付勢部材62(図示例によれば圧縮スプリング)、シャープペンシル用リフィール40の後端にスペーサ43を介して接続されるとともに押子20を構成するスライド体21、ボールペン用リフィール50の後端に接続された押子30等が設けられている。
【0025】
なお、
図1〜
図2は、当該出没式筆記具1の基本構造を明確に示すために、一つのシャープペンシル用リフィール40および一つのボールペン用リフィール50のみを具備した例を示しているが、これらリフィールの数は単数又は複数とすることが可能である。
【0026】
前軸11は、前端部に、筆記部41,51を出没させるための開口部11aを有する略円筒状の部材であり、後軸12に対し着脱可能に螺合接続されている。
【0027】
後軸12は、外周部に突出部分を有しない略長尺円筒状の部材である。この後軸12は、その後端側周壁に、押子20,30を軸筒軸方向へ案内する案内孔12a,12bを有する。また、後軸12内には、該後軸12とは別体の筒状スライド体12cが設けられる(
図2参照)。
【0028】
複数の案内孔12a,12bのうち、一方の案内孔12aは、開閉機能付クリップを構成する押子20を案内するものであり、他方の案内孔12bは、ボールペン用リフィール50に対応する押子30を案内するものである(
図2参照)。
他方の案内孔12bは、案内孔12aと略同長さで且つ案内孔12aよりも狭い幅で、前後方向へ連続する長尺状の貫通孔である。
【0029】
筒状スライド体12cは、後軸12内の後端側に挿入され、軸筒10から後方へ突出する部分にノック部13を嵌め合せている(
図2参照)。そして、この筒状スライド体12cは、ノック部13のノック操作により、前後方向へ進退して、シャープペンシル用リフィール40を繰出し動作させる。なお、シャープペンシル用リフィール40からの鉛芯の繰出しは、開閉操作機能付クリップである押子20が前進位置にある際、該押子20を進退させる操作と、ノック部13をノックする操作との何れかの選択操作により可能である。
この筒状スライド体12cの周壁には、押子20,30を前後スライド可能に受ける平坦面状のスライド面12c1,12d1や、該スライド面12c1,12d1に沿って前進した際の押子20,30を軸筒内側へ沈み込ませて係止する段状の係止部12c2,12d2等が設けられる。
【0030】
押子20は、案内孔12aに嵌り合って前後へ進退可能なスライド体21と、該スライド体21に支持されて軸筒外へ露出したクリップ体22と、クリップ体22を閉鎖方向へ付勢する付勢部材23と、クリップ体22に対し着脱交換可能に装着された識別体24とを備え、クリップ体22におけるスライド体21との支持点Pよりも後側の部分が軸筒径内方向へ押動されることによって、クリップ体22における支持点Pよりも前側の部分を軸筒外周面から離隔させて開放する開閉操作機能付クリップを構成している。
【0031】
スライド体21は、案内孔12aに沿って前後へスライドするように形成される。このスライド体21には、案内孔12a内で係止部12c2に係止される被係止部21aや、軸筒外径方向へ突出してクリップ体22を回動可能に支持する支持凸部21b、シャープペンシル用リフィール40を接続するリフィール接続部21c等が設けられる(
図2参照)。
【0032】
クリップ体22は、軸筒10外周面と略平行に前方へ延設された表部22aと、該表部22aの幅方向(
図6の上下方向)の両側で軸筒側へ突出する二つの突片部22b,22b(
図8参照)とから断面略凹状に形成される。
そして、このクリップ体22は、二つの突片部22b,22bがスライド体21の支持凸部21bに支持され、その支持点Pを中心にして回動する。
【0033】
表部22aには、識別体24を着脱交換可能に嵌合する被嵌合部22a1が設けられる(
図8参照)。
この被嵌合部22a1は、識別体24の識別本体部24aが挿入され嵌め合せられる識別本体部用凹部22a11と、該識別本体用凹部22a11内に位置するとともに識別体24の接続突部24bが挿入され嵌め合せられる被接続凹部22a12と、後述する被係合部25の片半部を構成する切欠部22a13とからなる。
【0034】
識別本体部用凹部22a11は、識別体24の識別本体部24aに対し若干の遊びを有する状態で嵌り合うように形成された凹部である(
図8参照)。
【0035】
被接続凹部22a12は、軸筒径方向へ貫通する円筒状の孔であって、識別体24の接続突部24bを着脱可能に圧入するように形成される(
図8参照)。
【0036】
切欠部22a13は、識別本体部用凹部22a11の表部側をクリップ幅方向へ貫通しており、図示例によれば、略半円状に形成されている(
図8参照)。
【0037】
突片部22b,22bは、表部22aのクリップ幅方向の両端部から軸筒側へ突出するとともに、クリップ体22の前後方向の略全長にわたって連続するように形成される。これら突片部22b,22bの前端側は、軸筒側へ突出して玉部22b1を構成している。また、これら突片部22b,22bの後部側には、後述するスライド体21の支持凸部21b側面の凹部に嵌り合って、回転可能に支持される突起状の軸部22b2を有する(
図8参照)。
【0038】
また、付勢部材23は、圧縮コイルスプリングであり、スライド体21とクリップ体22の間において、支持点Pよりも後側に挿入されて、クリップ体22の後端側を軸筒10から離れる方向へ付勢している(
図2参照)。
この付勢部材23は、クリップ体22を閉鎖方向へ付勢するものであればよく、引張バネや、板バネ、支持点Pに設けられるねじりコイルバネ等に置換することが可能である。
【0039】
識別体24は、リフィール40,50の種別を表示する識別本体部24aと、識別本体部24aからクリップ体22側へ突出する接続突部24bとを一体に備え、接続突部24bを押子20(詳細にはクリップ体22)に挿入し嵌め合せた際に、識別本体部24aがクリップ体22内に若干の遊びを有する状態で嵌り合うように構成される。
【0040】
識別本体部24aは、筆記部41,51の種別に対応する色を表示した状態でクリップ体22の外部に露出するように形成される。この識別本体部24aは、本実施の形態の一例によれば、接続突部24bと一体成形される合成樹脂材料の色を筆記部41に対応する色としているが、他例としては、該識別本体部24aの表面の一部又は全体に着色を施した態様とすることも可能である。
さらに、この識別本体部24aの他例としては、該識別本体部24aの外観形状によって筆記部41,51を識別できる態様としてもよく、例えば、該識別本体部24aを筆記部41,51に対応するマスコット形状とし、意匠上の体裁を向上するようにしてもよい。
【0041】
そして、この識別本体部24aには、切欠部24a1が設けられる(
図19参照)。この切欠部24a1は、クリップ前後方向の位置をクリップ体22の切欠部22a13(
図8参照)に対応させるようにして、識別本体部24a前後方向の中央寄りに配置され、押子20をクリップ幅方向へ貫通した被係合部25を構成する(
図23参照)。
【0042】
被係合部25は、クリップ体22の切欠部22a13と、識別体24の切欠部24a1とによって囲まれるとともにクリップ幅方向へ貫通する孔である。この被係合部25の内面には、該被係合部25の奥へ向かって内部空間を狭めるように傾斜面24a11が形成される。この傾斜面24a11は、被係合部25内に所定の治具Xが挿入された際に、治具Xから受ける押圧力が徐々に増加するように作用する(
図23参照)。
なお、この傾斜面24a11は、図示例によれば、識別体24側のみに設けているが、同様の傾斜面を、クリップ体22側のみに設けたり、識別体24側及びクリップ体22側の双方に設けるようにしてもよい。
【0043】
また、接続突部24bは、その外周面に複数の縦リブ24b1を有し(
図19〜
図21参照)、これら縦リブ24b1をクリップ体22の被接続凹部22a12内周面(
図8及び
図9参照)に圧接している。
【0044】
また、他方の押子30は、案内孔12b内のスライド面12d1に沿って前後へスライドするように形成された押子本体31と、押子本体31に着脱交換可能に装着された識別体32とから構成される(
図10参照)。
【0045】
押子本体31は、案内孔12b内の係止部12d2に係止される被係止部31aや、軸筒周壁から軸筒外径方向へ突出する操作部31b、ボールペン用リフィール50を接続するリフィール接続部31c等を備え、操作部31bに形成された被嵌合部31b1に識別体32を装着している。
【0046】
押子本体31の被嵌合部31b1は、クリップ体22の被嵌合部22a1と同様にして、識別本体部用凹部31b11、被接続凹部31b12、切欠部31b13等を有する(
図11参照)。
【0047】
識別体32は、上述した押子20の識別体24と同一形状の部品であり、識別体24と同様に、識別本体部32aと接続突部32bからなり、識別本体部32aに切欠部32a1を有し、接続突部32bに複数の縦リブ32b1を有し、切欠部32a1には傾斜面32a11が形成される(
図19〜
図21参照)。
この識別体32は、上記識別体24とは異なる色の合成樹脂材料から成形されている。
【0048】
そして、上記構成の押子本体31と識別体32の間には、押子20の構成と同様に、治具Xを挿入するための被係合部35が構成される(
図24参照)。
【0049】
またシャープペンシル用リフィール40は、押子20又はノック部13のノック操作により後部側が進退運動することで、芯タンク42内の鉛芯を、前端の筆記部41から繰り出すように構成されている。このシャープペンシル用リフィール40の後端部にはスペーサ43が接続され、該スペーサ43に対しスライド体21前端のリフィール接続部21cが挿入され嵌合されている。
【0050】
また、ボールペン用リフィール50は、インクタンク52内のインクを筆記部51前端の転写ボールから吐出するように構成されている。
【0051】
シャープペンシル用リフィール40後端側のスペーサ43は、同外形のリフィール接続部21c,31cに対し異なる内径のリフィールを接続するための部材であり、このスペーサ43の後端側内径は、ボールペン用リフィール50の後端側内径と略同径に形成される。
したがって、スライド体21には、スペーサ43を介してシャープペンシル用リフィール40を接続可能であるのは勿論のこと、ボールペン用リフィール50を直接接続することも可能である。
【0052】
次に、上記構成の出没式筆記具1におけるシャープペンシル用リフィール40やボールペン用リフィール50を、交換用リフィール40’,50’に交換する際に併せて交換されるリフィール識別部材100,100’について詳細に説明する。なお、符号100’で示すリフィール識別部材は、リフィール識別部材100と同一構成で色違いのものであるため、重複する詳細説明を省略する。
【0053】
リフィール識別部材100は、出没式筆記具1の複数種類の押子20,30に対し、何れにも装着可能に形成されるとともに、出没式筆記具1に使用可能な交換用リフィール40’,50’に対し分離可能に装着するように形成される。
詳細に説明すれば、このリフィール識別部材100は、出没式筆記具1の押子20,30に装着されるように形成された識別体110と、交換用リフィール40’,50’に装着されるように形成されるとともに識別体110に対し分離可能に接続された補助体120とを具備し、合成樹脂材料の成形により一体に構成されている(
図14〜
図18参照)。
【0054】
識別体110は、上述した識別体24,32と同構成の部材であり、対応する交換用リフィール40’,50’の種別(例えば、インク色、芯太さ等)に応じて、異なる色や、模様、外観形状に構成される。
そして、この識別体110の両側部は、補助体120に接続されている。
【0055】
補助体120は、識別体110の両側部に接続された二つの接続部121,121と、これら接続部121,121の接続方向(
図14によれば上下方向)に対し交差する方向へ延びた延設部122と、該延設部122において識別体110側に対する反対側に位置するリフィール接続部123とを一体に具備してなる(
図14〜
図18参照)。
【0056】
各接続部121は、略円錐状に先端側が細くなった部位であり、その先端部が識別体110の側面に対し、略直交するようにして一体に接続されている。
二つの接続部121,121は、識別体110を両側から挟むように位置して対称に設けられる。
【0057】
また、これら接続部121,121は、識別体110における前後方向において接続突部24b(又は32b)の近傍に配置される(
図17参照)。この配置によれば、識別体110が搬送や梱包時の衝撃により回動して脱落してしまうのを防ぐことができる。すなわち、仮に、接続部121,121を接続突部24bから前方へ離れた位置に配置した場合には、接続部121,121と接続突部24bとの間の寸法が長くなるため、前記寸法を腕の長さとした識別体110の回転モーメントが比較的大きくなり、接続部121が振動等によって意図せずに容易に分離してしまうおそれがあるが、本実施の形態ではこのような不具合を防ぐことができる。
【0058】
延設部122は、二つの接続部121から、出没式筆記具1の軸方向に沿う後方(
図14によれば右方向)へ向かうように延設され、図示例によれば平面視略C字状に形成される。この延設部122は、当該リフィール識別部材100を樹脂成型する際には、識別体110やリフィール接続部123へ溶融樹脂を導くランナーとして作用する。
この延設部122には、識別体110の接続突部24b(32b)と同方向へ突出する複数(図示例によれば三つ)の突起122a,122a,122bを有する(
図15〜
図17参照)。
【0059】
二つの突起122a,122aは、識別体110を間に置いてその両側に位置するように配置される(
図17参照)。また、突起122bは、二つの接続部122a,122aの間の略中心線上においてリフィール接続部123寄りに配置される。
これら突起122a,122a,122bは、当該リフィール識別部材100を樹脂成型する際には、当該リフィール識別部材100を突き出して成形金型から分離する突出しピンの被当接部として作用する。
また、後側の突起122bは、識別体110の接続突部24b(又は32b)と同等の突出量に形成される。この寸法設定によれば、当該リフィール識別部材100が載置された際や梱包された際に、識別体110のみが、他の物体(例えば梱包材等)に当接して押圧されて、延設部122から分離してしまうようなことを防ぐことができる。
【0060】
また、リフィール接続部123は、延設部122から後方(
図14によれば右方向)へ突出する突起状に形成される。このリフィール接続部123は、交換用リフィール40’,50’の後端開口部の内周面に嵌合されるように、その突端側に幅方向へ拡大した凸曲面状の突起123a(
図14及び
図17参照)を有する。
【0061】
そして、上記構成のリフィール識別部材100は、交換用リフィール40’(又は50’)の後端部に着脱可能に接続される。この接続状態において、当該リフィール識別部材100を構成する識別体110、延設部122及びリフィール接続部123は、交換用リフィール40’(又は50’)の軸心上に、略直線状に並んで配置される(
図15参照)。
【0062】
一方の交換用リフィール40’は、例えば、上記シャープペンシル用リフィール40に対し径の異なる鉛芯を使用可能にしたシャープペンシル用リフィールである。
また、他方の交換用リフィール50’は、例えば、上記ボールペン用リフィール50に対し色の異なるインクを具備したボールペン用リフィールである。
【0063】
次に、上記構成のリフィール識別部材100,100’について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
リフィール識別部材100(又は100’)は、
図3及び
図4に示すように、交換用リフィール40’(又は50’)の後端部に着脱可能に装着されて、リフィール識別部材付き交換用リフィールA(又はB)を構成する。
【0064】
図3に示すように、シャープペンシル用のリフィール識別部材付き交換用リフィールAを構成する場合には、シャープペンシル用の交換用リフィール40’に対し上記スペーサ43を介してリフィール識別部材100が接続される。
そして、このリフィール識別部材付き交換用リフィールAは、
図5に示すように、円筒状の保護ケースaに挿入され、この状態で梱包袋や梱包箱等に収納される。
【0065】
また、
図4に示すように、ボールペン用のリフィール識別部材付き交換用リフィールBを構成する場合には、ボールペン用の交換用リフィール50’に対しリフィール識別部材100’が直接接続される。そして、このリフィール識別部材付き交換用リフィールBは、図示しない包装袋や梱包箱等に収納される。
【0066】
よって、リフィール識別部材100(又は100’)と交換用リフィール40’(又は50’)とが一体的に扱われるため、部品管理段階及び販売段階等において、比較的小さな部品である識別体110の紛失を防ぐことができる上、識別体110を包装袋又は包装箱等から取り出したりする作業等も容易に行うことができる。
【0067】
また、例えば、リフィール識別部材付き交換用リフィールBの識別体110を出没式筆記具1の押子本体31に装着する際には、リフィール識別部材付き交換用リフィールBを手で掴む等して、
図22(a)に示すように、押子本体31の識別本体部用凹部31b11に対し、識別体110を軸筒径方向へ挿入して嵌め合せ、その後、
図22(b)に示すように、接続部121の接続方向を回転軸として、延設部122及び交換用リフィール50’等を回動させれば、接続部121の細くなった部分(
図14参照)が捩じ曲げられて破断し、識別体110が分離される。
交換用リフィール50’側に残った延設部122等は、手で交換用リフィール50’から外して廃棄等すればよい。また、交換用リフィール50’はボールペン用リフィール50と交換すればよい。
また、他のリフィール識別部材付き交換用リフィールAについて、識別体110を出没式筆記具1の押子20に装着する作業も、上記と同様にして行うことができる。
【0068】
よって、前記のような識別体110の交換作業においても、識別体110の紛失を防ぐことができる上、識別体110を押子に装着し分離する作業を容易に行うことができる。
【0069】
また、出没式筆記具1から識別体24(32又は110)を外す作業は、以下の手順により容易に行うことができる。
先ず、
図23及び
図24に示すように、押子20(又は30)の被係合部25(又は35)に対し、棒状の治具Xが挿入される。治具Xは、図示例によれば、ボールペン用リフィールであり、その先端チップが、被係合部25(又は35)に挿入される。
この際、被係合部25(又は35)は貫通孔であるため、挿入した治具Xの先端部(ボールペンリフィールの先端チップ)が損傷するようなことを防ぐことができる。
そして、治具Xを被係合部25(又は35)内へ押し込めば、治具Xの先端側が、識別体24(又は32)の傾斜面24a11(又は32a11)と、押子20(30)の双方に当接し摺接して、識別体24(32又は110)が押子20(30)から抜け出て外れる。
なお、治具X先端を被係合部25(又は35)内へ差し込み、識別体24(32又は110)を治具Xでこじるようにして外すことも可能である。
【0070】
よって、上記出没式筆記具1によれば、リフィール40,50を好みの色や機能の交換用リフィール40’,50’に交換した際に、識別体24(又は32)を、交換用リフィール40’,50’の種別に対応する識別体110に、容易に交換することができる。
【0071】
次に、他の具体例について説明する。なお、以下に示す出没式筆記具は、上述した出没式筆記具1を一部変更したものであるため、主に、その変更部分について詳細に説明し、重複する説明を省略する。
【0072】
図25に示す出没式筆記具2は、前記出没式筆記具1に対し、クリップ体22をクリップ体22’に置換したものである。
【0073】
クリップ体22’は、識別体110の突起122bに対応する位置に、突起122bと嵌脱可能な仮嵌合部22a2を有する。
仮嵌合部22a2は、図示例によれば、突起122bを抜き差し可能な貫通孔であり、付勢部材23の中心部に対応して配設されている。
【0074】
よって、
図25に示す出没式筆記具2によれば、リフィール識別部材100の識別体110を押子20に装着する際、補助体120の突起122bが仮嵌合部22a2に嵌り合って位置決めされる。このため、押子20に対し識別体110を装着する際の作業性を、より向上することができる。
【0075】
なお、上記具体例によれば、交換用リフィール40’(又は50’)から分離される識別体110が、押子20(又は30)に装着されるようにしたが、他例としては、同識別体110が、押子以外の部位(例えば、軸筒10における押子20又は30の近傍やその他の位置等)に装着されるようにすることも可能である。
【0076】
また、上記具体例によれば、識別体110を多機能(多色)の出没式筆記具に装着するようにしたが、他例としては、識別体110が単機能(単色)の出没式筆記具に装着されるようにした態様や、識別体110が筆記部の出没しない筆記具に装着されるようにした態様等とすることも可能である。
【0077】
また、上記具体例によれば、リフィール識別部材100が交換用リフィール40’(又は50’)の後端開口部に挿入され接続される態様としたが、他例としては、リフィール識別部材100が交換用リフィール40’(又は50’)の後端部に環状に嵌り合う態様や、リフィール識別部材100が交換用リフィール40’(又は50’)における後端部以外の部分に嵌り合う態様等とすることも可能である。
【0078】
また、上記具体例によれば、交換用リフィール40’(又は50’)に対し補助体120を介して識別体110が接続される態様としたが、他例としては、識別体110自体に、交換用リフィール40’(又は50’)と直接嵌脱可能な嵌合部を設けて、この識別体110を、補助体120を介することなく直接、交換用リフィール40’(又は50’)に対し着脱可能に接続することも可能である。
【0079】
また、上記具体例によれば、識別体110の両側部に補助体120を接続した態様としたが、他例としては、識別体110の片方の側部に補助体120を接続した態様や、識別体110の前端部、後端部、又は表部(
図1における上側の面)等、側部以外の部分に補助体120を接続した態様とすることも可能である。
【0080】
また、上記具体例によれば、識別体110に対し補助体120を捩じ曲げるようにして分離する態様としたが、他例としては、識別体110に対し補助体120を折り曲げるようにして分離する態様とすることも可能である。
【0081】
また、
図5に示す態様では、リフィール識別部材付き交換用リフィールAの交換用リフィール40’に対し保護ケースaを筒状に被せているが、他の好ましい一例としては、交換用リフィール40’に対し筒状に被せた保護ケースaが、補助体120に嵌り合うように、補助体120に被嵌合部を設けるようにしてもよい。この構成によれば、交換用リフィール40’に対し保護ケースaががたつくのを防止し、交換用リフィール40’をより効果的に保護することができる。
【0082】
また、
図25に示す態様では、補助体120に嵌り合う孔状の仮嵌合部22a2を設けたが、他例としては、押子20の後部側に補助体120と嵌り合う凸状の仮嵌合部を設けたり、補助体120が押子20の後部側を幅方向に跨って嵌り合うようにすることも可能である。
【0083】
また、上記具体例によれば、識別体24,32,110を凸状に設けて、該識別体24,32,110が押子20(又は30)をスライド操作する際の手掛け部としても機能するようにしたが、他例としては、識別体24,32,110を押子20(又は30)と面一にした態様や、識別体24,32,110を押子20(又は30)内に目視可能に没入した態様とすることも可能である。
【0084】
また、上記具体例によれば、識別体24,32,110を同一の外観形状としたが、他例としては、複数の識別部のうち、その一部または全部を他のものとは異なる外観形状にしてもよい。
【0085】
また、上記具体例によれば、識別体24,32,110がリフィールの種別に応じた色を表示するようにしたが、この識別部の他例としては、リフィールの種別に応じた所定形状を有する態様、リフィールの種別に応じた文字や記号、模様、図形等を表示した態様等とすることが可能である。
【0086】
また、上記具体例によれば、識別体24,32,110を外すための治具Xとしてポールペンを用いたが、他例としては、治具Xとして爪楊枝やその他の棒状部材又は先細状部材を用いることも可能である。さらに、治具Xを用いずに、識別体24,32,110を手で押したり引っ張ったりして着脱する態様とすることも可能である。