【実施例】
【0017】
以下本発明の一実施例による回転式塵芥収集車について説明する。
図1は本実施例による回転式塵芥収集車の構成図、
図2は同塵芥収集車の投入箱を示す要部構成図、
図3は同塵芥収集車において後部扉を全開状態とした投入箱の要部構成図、
図4は同塵芥収集車において後部扉を一部開状態とした投入箱の要部構成図、
図5は同塵芥収集車において後部扉を全閉状態とした投入箱の要部構成図である。
【0018】
本実施例による回転式塵芥収集車1は、塵芥を収容する収容箱10と、収容箱10の後方開口部11に連通させて装着する投入箱20とを有している。
投入箱20は、収容箱10の後方開口部11に対向するフロント面20Fと、後部扉21を有するリア面20Rと、一対の側壁22とで囲まれる空間23S内に、押し込み板31と回転板32とを備えている。
押し込み板31は、フロント面20Fとリア面20Rとの間で揺動し、回転板32は押し込み板31より下方において回転軸32aを中心にして回転する。回転板32の下方は底面20Bで閉塞されている。
【0019】
図2を用いて本実施例による回転式塵芥収集車1の構成を説明する。
本実施例による回転式塵芥収集車1は、回転板32の位置を検出する位置検出手段41と、後部扉21の動作状態を検出する開閉検出手段42と、位置検出手段41で検出した回転板32の位置と開閉検出手段42で検出した後部扉21の動作状態に応じて出力する出力制御手段43と、出力制御手段43からの出力に応じた注意喚起を行う注意喚起手段44とを備えている。
図2では、注意喚起手段44として光源44a、44b、44cを用いた場合を示している。
光源44aは投入箱20の空間23S内に設け、光軸を塵芥投入口24に向けている。光源44bはリア面20Rの空間23S側に設け、光軸を底面20Bに向けている。光源44cは、リア面20Rの外側に設け、光軸を車輌後方、すなわち作業者に向けている。
光源44b、44cは、特に後部扉21の下部に設けることが好ましい。
【0020】
次に、
図2を用いて本実施例による回転式塵芥収集車1の押し込み板31と回転板32との動作について説明する。
投入箱20のリア面20Rには塵芥を投入する塵芥投入口24を有し、後部扉21を上方へ引き上げることで、塵芥投入口24が開かれる。
図2では、塵芥投入口24が一部開状態であることを示している。
押し込み板31は、下端部31aが回転軸32aの上方近傍とフロント面20Fとの間で揺動する。
回転板32は、その先端32bがリア面20Rから底面20Bに沿ってフロント面20F側に移動し、その後リア面20Rに戻るように回転する。
塵芥投入口24から投入された塵芥は、回転板32によって、底面20Bに沿ってフロント面20F側へ移動し、フロント面20Fで所定の高さまで持ち上げられる。
回転板32が塵芥をフロント面20Fで所定の高さに持ち上げた状態では、押し込み板31は、下端部31aが回転軸32aの上方近傍に位置している。
そして、押し込み板31は、図示のように下端部31aをフロント面20Fに移動させることで、回転板32で持ち上げた塵芥を投入箱20から排出する。
押し込み板31の下端部31aが回転板32の軌跡範囲外へ移動した後に、回転板32は、その先端32bがリア面20Rに近接するように回転する。
一方、押し込み板31は、下端部31aが回転軸32aの上方近傍となるように揺動する。
先端32bがリア面20Rに近接した状態にある回転板32は、塵芥投入口24から投入された塵芥を、再び底面20Bに沿ってフロント面20F側へ移動する。
この動作を繰り返すことで、塵芥投入口24から投入された塵芥は投入箱20から排出され、収容箱10に収容される。
【0021】
上記動作において、先端32bが塵芥投入口24の上部に近づく位置(X)から塵芥投入口24を通過した位置(Y)まで移動する第1区間(X−Y)が最も危険な状態であり、先端32bが塵芥投入口24を通過した位置(Y)からフロント面20Fに近接する位置(Z)まで移動する第2区間(Y−Z)は最も安全な状態である。また、先端32bがフロント面20Fに近接する位置(Z)から塵芥投入口24の上部に近づく位置(X)まで移動する第3区間(Z−X)が注意を要する状態である。
位置検出手段41では、例えば第1区間(X−Y)と、第2区間(Y−Z)と、第3区間(Z−X)とを検出する。
出力制御手段43は、第1区間(X−Y)では危険を知らせる第1の出力を行い、第3区間(Z−X)では安全を知らせる第2の出力を行う。第2区間(Y−Z)では、第1の出力及び第2の出力とは異なる第3の出力を行う。なお、それぞれの区間(X−Y)(Y−Z)(Z−X)毎に異なる出力を行うとして説明したが、区間の起点となる位置X、Y、Zで異なる出力を行えばよい。
【0022】
注意喚起手段44として光源44a、44b、44cを用いる場合には、第1の出力による発光色と、第2の出力による発光色と、第3の出力による発光色とを異ならせる。
また、発光色を異ならせる代わりに、又は発光色を異ならせることに加えて、第1の出力による発光パターンと、第2の出力による発光パターンと、第3の出力による発光パターンとを異ならせてもよい。このように発光色や発光パターンを異ならせることで、注意喚起機能を高めることができる。
また、注意喚起手段44として光源44a、44b、44cを用いる代わりに、又は光源44a、44b、44cを用いることに加えて、注意喚起手段44として音源を用いることもできる。
注意喚起手段44として音源を用いる場合には、第1の出力による音量と、第2の出力による音量と、第3の出力による音量とを異ならせる。
また、音量を異ならせる代わりに、又は音量を異ならせることに加えて、第1の出力による音声の種類と、第2の出力による音声の種類と、第3の出力による音声の種類とを異ならせてもよい。このように音量や音声の種類を異ならせることで、注意喚起機能を高めることができる。
【0023】
図3から
図5を用いて後部扉21の動作状態に応じた出力制御について説明する。
図3から
図5では、注意喚起手段44として光源44dを用いている。光源44dは、投入箱20内に設けており、光源44dの光軸は、投入箱20を形成する側壁22の内面に向けている。このように、側壁22で光源44dを反射させることで、塵芥を包む包装袋の量や色の影響を受けにくいため、注意喚起機能を損なうことがない。この場合には、側壁22を反射板とすることが好ましい。側壁22を反射板とすることで、安定した注意喚起を行うことができる。
【0024】
光源44dは、後部扉21が全開状態である
図3では照射せず、後部扉21が一部開状態である
図4では照射している。すなわち、後部扉21が全開状態であることを開閉検出手段42が検出した場合には出力制御手段43は出力を行わず、後部扉21が一部開状態であることを開閉検出手段42が検出した場合には出力制御手段43は出力を行う。なお、出力制御手段43からの出力は、既に説明した通り、位置検出手段41で検出した回転板32の位置に応じて行われる。
このように、後部扉21が一部開状態の時だけ注意喚起を行うことで、後部扉21が全開でなく、回転板32の位置を視認しにくい場合の安全性を高めることができる。
【0025】
これに対して、開閉検出手段42によって、後部扉21が全開状態であることを検出した時と、後部扉21が一部開状態であることを検出した時とで、出力制御手段43からの出力を異ならせてもよい。後部扉21が全開状態と一部開状態とで注意喚起を異ならせることで、特に一部開状態における回転板32の位置を視認しにくい場合の安全性を高めることができる。
図5に示すように、開閉検出手段42によって後部扉21が全閉状態であることを検出すると、出力制御手段43からの出力を行わない。
【0026】
以上のように、回転板32の位置を検出する位置検出手段41と、位置検出手段41で検出した回転板32の位置に応じて出力する出力制御手段43と、出力制御手段43からの出力に応じた注意喚起を行う注意喚起手段44とを備えることで、視認しにくい状態でも作業の安全性を高めることができる。
特に、投入箱20のリア面20Rには、塵芥を投入する塵芥投入口24を形成する後部扉21を有し、後部扉21の動作状態を検出する開閉検出手段42を備え、開閉検出手段42によって、後部扉21が全開状態であることを検出した時には出力制御手段43からの出力を行わず、後部扉21が一部開状態であることを検出した時に出力制御手段43からの出力を行うことで、後部扉21が全開でなく、回転板32の位置を視認しにくい場合の安全性を高めることができる。
また、開閉検出手段42によって、後部扉21が全開状態であることを検出した時と、後部扉21が一部開状態であることを検出した時とで、出力制御手段43からの出力を異ならせることで、特に一部開状態における回転板32の位置を視認しにくい場合の安全性を高めることができる。