(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る振動計の実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、本実施の形態に係る振動計の適用対象は任意であり、例えば、比較的強い振動を計測する強震計、比較的微小な振動を計測できる高感度地震計、比較的広域な周波数帯の振動を計測する広帯域地震計等に適用することができる。以下の本実施の形態では、24時間連続計測可能であり、且つ、計測結果をネットワークを介して外部機器に向けて送信可能な強震計であるIT強震計センサーに適用した場合について説明する。また、この振動計の設置場所は任意であり、例えば、一般住宅、公共施設(例えば学校等)、商業施設(例えばオフィスビル等)、工場施設等の建物や、橋、電線塔、トンネル等の構造物に設置することが挙げられる。以下の本実施の形態では、振動計をオフィスビルに設置した場合を例として説明を行う。
【0021】
(構成)
まず、本実施の形態に係る振動計の構成を説明する。
図1は、後述する床置き状態で設置面に取り付けられた本発明の実施の形態に係る振動計を示す斜視図である。
図2は、床置き状態で設置面に取り付けられた振動計を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は右側面図であり、(d)は平面図である。
図3は、
図1の分解斜視図である。なお、以下の説明においては、
図1のX方向を左右方向、
図1のY方向を前後方向、
図1のZ方向を上下方向とする。これら各図に示すように、振動計1は、IT強震計センサーであり、振動計本体10と、取付ピン50と、取付ベース60とを備えて構成されている。
【0022】
(構成−振動計本体)
振動計本体10は、オフィスビルの振動を計測するものである。この振動計本体10は、
図1、
図2(a)〜(d)、
図3に示す筐体20の外面において、図示しない外部機器(例えばセンター局に設置さえた管理サーバ等)に計測結果を所定のタイミングで送信するために、当該外部機器とネットワークケーブル2(例えばLANケーブル等)を介して接続されている。なお、ネットワークケーブル2は、特許請求の範囲における「伝送線路」に対応する。
【0023】
また、振動計本体10は、
図1、
図2(a)〜(d)、
図3に示す筐体20の内部に、回路基板(図示省略)を収容して構成されている。
【0024】
(構成−振動計本体−筐体)
筐体20は、振動計本体10の構造体であり、回路基板を外部から保護する保護手段である。
図1、
図2(a)〜(d)、
図3に示すように、筐体20は、例えば略正六面体状に形成されており、一側面(例えば筐体20の上面等)を開放した略箱形状のベース部21と、このベース部21をその開放面側から略覆うカバー部22とを備えて構成され、カバー部22はその上端部近傍位置においてベース部21に対して固定ネジ27によって接続されている。なお、このような筐体20の製造方法については任意であるが、電磁干渉防止の観点からは電磁シールド性の高い金属にて形成されることが好ましく、例えばアルミダイキャストにて製造されている(なお、取付ベース60の製造方法についても同様とする)。
【0025】
また、ベース部21には、光ガイド部23a〜光ガイド部23cと、接続口24a、24bとが設けられている。
【0026】
光ガイド部23aは、後述する表示部30aから入射された入射光を筐体20の外部に出射させるための光ガイド手段であり、当該表示部30aと対応する位置に配置されている。光ガイド部23bは、後述する表示部30bから入射された入射光を筐体20の外部に出射させるための光ガイド手段であり、当該表示部30bと対応する位置に配置されている。光ガイド部23cは、後述する表示部30cから入射された入射光を筐体20の外部に出射させるための光ガイド手段であり、当該表示部30cと対応する位置に配置されている。ここで、これら光ガイド部23a〜光ガイド部23cの構成については任意であるが、例えば、外部から対応する表示部の発光状態を視認できるように、透明又は半透明の樹脂材にて形成された略中空管状体とする構成が採用される。
【0027】
接続口24aは、筐体20の内部に設けられた後述する接続部40aにネットワークケーブル2を接続するために、筐体20の外部からネットワークケーブル2を引き込むための開口である。
【0028】
接続口24bは、筐体20の内部に設けられた後述する接続部40bに、図示しない通信ケーブル又は図示しない電源ケーブル(例えばUSBケーブル)等を接続するために、筐体20の外部から通信ケーブル又は電源ケーブルを引き込むための開口である。
【0029】
(構成−振動計本体−回路基板)
回路基板は、振動計1の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板であり、具体的には、回路基板には、従来の振動計に用いられるものと同様の公知の電子部品が実装されていると共に、第1振動センサ(図示省略)、第2振動センサ(図示省略)、第3振動センサ(図示省略)、表示部30a〜表示部30c、接続部40a、40b、制御部(図示省略)、及び、記憶部(図示省略)も実装されている。なお、この回路基板は、例えば、従来の振動計に用いられる公知の回路基板によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0030】
第1振動センサは、X方向の振動を検出し、当該検出値を後述する回路基板の制御部に出力する振動計測手段である。この第1振動センサは、例えば公知の振動センサ(具体的には、加速度計、速度計等)を用いて構成されている(第2振動センサ、第3振動センサの構成についても同様とする)。また、第1振動センサの計測方向がX方向に略沿うように、当該第1振動センサは配置されている。
【0031】
第2振動センサは、Y方向の振動を検出し、当該検出値を後述する回路基板の制御部に出力する振動計測手段であり、当該第2振動センサの計測方向がY方向に略沿うように配置されている。
【0032】
第3振動センサは、Z方向の振動を検出し、当該検出値を後述する回路基板の制御部に出力する振動計測手段であり、当該第3振動センサの計測方向がZ方向に略沿うように配置されている。
【0033】
表示部30aは、振動計本体10の電源がONしている時に点灯する電源表示手段であり、例えば公知の表示灯(具体的にはLED照明灯)等を用いて構成されている(なお、表示部30b、30cの構成についても同様とする)。
【0034】
表示部30bは、振動計本体10と外部機器との相互間において通信エラーが発生している時に点灯する通信エラー表示手段である。
【0035】
表示部30cは、振動計本体10にネットワークケーブル2が接続されている時に点灯する接続表示手段である。
【0036】
接続部40aは、記憶部に記録された第1振動センサ、第2振動センサ、又は第3振動センサの検出値を外部機器に向けて送信するために、ネットワークケーブル2を接続するための接続手段である。この接続部40aは、例えば公知のコネクタ(具体的にはLANコネクタ等)を用いて構成されてもよいが、振動計1が屋外に設置される場合には、防水コネクタを用いて構成されることが好ましい(なお、接続部40bの構成についても同様とする)。
【0037】
接続部40bは、接続部40aのバックアップ用の接続手段であり、又は商業用電源から電源ケーブルを接続するための接続手段であり、例えば公知のコネクタ(具体的にはUSBコネクタ等)を用いて構成されている。
【0038】
制御部は、振動計本体10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0039】
記憶部は、振動計本体10の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、第1振動センサ、第2振動センサ、又は第3振動センサにて検出された検出値等)を記録する記録手段である。この記憶部の具体的構成は任意であるが、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを用いることができる。なお、振動計本体10の詳細については、後述する。
【0040】
(構成−取付ピン)
取付ピン50は、後述する第1貫通孔25又は第2貫通孔26を介して振動計本体10を取付ベース60に固定するための取付手段である。この取付ピン50は、例えば鋼材等にて形成された略細長状体である。また、この取付ピン50の取付ベース60側とは反対側の端部には、脱落防止部51が設けられている。脱落防止部51は、振動計本体10が取付ベース60から脱落することを防止するための脱落防止手段である。この脱落防止部51は、略円柱状体であり、取付ピン50と一体に形成されている。ここで、脱落防止部51の外径の大きさについては、例えば後述する1貫通孔25又は後述する第2貫通孔26の孔径よりも大きく設定されている。これにより、振動計本体10が設置面Wに略直交する方向に向けて移動することが制限されるので、振動計本体10が取付ベース60から脱落することを防止することができる。
【0041】
(構成−取付ベース)
取付ベース60は、振動計本体10をオフィスビルの設置面(以下、「設置面W」と称する)に取り付けるための取付手段である。この取付ベース60は、略台形状体にて形成されており、振動計本体10と設置面Wとの相互間に介在する位置に配置されている。そして、取付ベース60に設けられた貫通孔61a〜貫通孔61dの各々を介して設置ボルト62が設置面Wに打設されることによって(あるいは、設置面Wに設けられた図示しないネジ穴であって当該ネジ穴の内周面に形成されたネジ溝を有するネジ穴に、設置ボルト62が挿入されて締め付けられることによって)、当該取付ベース60は設置面Wに取り付けられている。なお、取付ベース60の詳細については、後述する。
【0042】
(振動計本体及び取付ベースの詳細について)
次に、本実施の形態に係る振動計本体10及びの取付ベース60の構成及び形状の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
図4は、振動体本体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。
図5は、取付ベース60の設置面Wに対する取付状態を示す正面図であり、(a)は設置面WがX方向に略沿っている場合の取付状態を示す図であり、(b)は設置面WがX方向に対して傾斜している場合の取付状態を示す図である。
【0043】
(振動計本体及び取付ベースの詳細について−振動計本体及び取付ベースの構成)
まず、振動計本体10の構成については、具体的には、
図4(a)〜(c)に示すように、振動計本体10の筐体20には、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dと、第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dとが設けられている(なお、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dは、相互に区別する必要がない場合には「第1貫通孔25」と総称する。また、第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dは、相互に区別する必要がない場合には「第2貫通孔26」と総称する。)。
【0044】
第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dは、筐体20の上面から下面までの間(すなわち、カバー部22の上面からベース部21の下面までの間)を当該両側面に略直交する方向(
図1に示すZ方向に相当)に沿って貫通する貫通孔である。この第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々は、筐体20における上面側又は下面側から見た4つの隅部の各々に配置されている。また、第1貫通孔25の孔径の大きさについては任意であるが、取付ピン50の外径とほぼ同等の大きさに設定されている(後述する第2貫通孔26の孔径の大きさついても同様とする)。
【0045】
第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dは、筐体20の正面から背面までの間(すなわち、第2貫通孔26a、26bの場合にはベース部21の正面から背面までの間、第2貫通孔26c、26dの場合にはカバー部22の正面から背面までの間)を当該両側面に略直交する方向(
図1に示すY方向に相当)に沿って貫通する貫通孔である。この第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dの各々は、筐体20における正面側又は背面側から見た4つの隅部の各々に配置されている。
【0046】
また、取付ベース60の構成については、具体的には、
図3に示すように、取付ベース60における振動計本体10側の側面に、固定部63a〜固定部63dが設けられている(なお、固定部63a〜固定部63dは、相互に区別する必要がない場合には「固定部63」と総称する)。
【0047】
固定部63a〜固定部63dは、第1貫通孔25又は第2貫通孔26を挿通する取付ピン50を固定するための固定手段である。これら固定部63a〜固定部63dは、取付ベース60における振動計本体10側の側面のうち、第1貫通孔25又は第2貫通孔26に対向する部分に配置されている。ここで、取付ピン50の固定部63への固定については、例えば、取付ピン50の取付ベース60側の端部であって、ネジ切り加工が施された端部が、固定部63に設けられたネジ穴64(具体的には、ネジ穴64の内周面に形成されたネジ溝を有するネジ穴64)に挿入されて締め付けられることにより、取付ピン50は固定部63に固定される。
【0048】
このような構成により、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、筐体20の上面又は下面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とを固定することができ、あるいは第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dの各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、筐体20の背面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とを固定することができる。すなわち、筐体20の上面、下面、又は背面を、取付ベース60における振動計本体10側の共通の側面に選択的に固定することが可能となる。これにより、振動計本体10のX方向、Y方向、又はZ方向に対する設置角度を変えることなく、振動計本体10を取付ベース60を介して様々な方向の設置面Wに取り付けることが可能となる。
【0049】
特に、筐体20が正六面体状に形成されているので、例えば、筐体20の下面と取付ベース60とを固定した場合(以下、第1固定状態と称する)と筐体20の上面と取付ベース60とを固定した場合(以下、第2固定状態と称する)とで、取付ベース60の振動計本体10との接触部分の面積を略同一にすることができる。これにより、例えば、第1固定状態における上記接触部分の面積が、第2固定状態と異なる場合(例えば第1固定状態の上記接触部分の面積が第2固定状態よりも小さい場合)に生じる弊害を回避することができる。具体的には、第1固定状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベース60が形成された場合に、第2固定状態における振動計本体10の取付ベース60との接触部分の面積が第1固定状態よりも小さくなることにより、振動計本体10を取付ベース60に安定して固定しづらくなることを回避できる。また、第2固定状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベース60が形成された場合に、第1固定状態における取付ベース60の振動計本体10との接触面積が第2固定状態よりも小さくなることにより、第1固定状態時に取付ベース60に無駄な部分が生じることを回避することができる。また、取付ベース60における振動計本体10側の共通の側面に筐体20を固定するので、取付ベース60を簡易な構造にて形成することができる。
【0050】
また、筐体20の上面及び下面に略直交する方向に沿って貫通する第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d、又は筐体20の正面及び背面に略直交する方向に沿って貫通する第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dに、取付ピン50を挿通しているので、例えば、設置面WがX方向、Y方向、又はZ方向に略沿っている場合において、振動計本体10が取付ベース60を介して設置面Wに取り付けられる際に、振動計本体10における設置面W側の側面及び当該側面と対向する側面が設置面Wに略沿い、且つ振動計本体10における設置面W側の側面に略直交する側面が設置面Wに略直交するように、取付ピン50によって振動計本体10をガイドすることができる。これにより、振動計本体10の部分であって、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々(又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dの各々)における設置面W側の端部から当該端部とは反対側の端部に至る領域に対応する部分全域と取付ピン50とを接触させることができるので、振動計本体10が水平方向又は鉛直方向に沿った状態を保持することでき、ひいては、振動計本体10の設置面Wに対する芯だしを正確に行うことができる。
【0051】
なお、筐体20の下面は、特許請求の範囲における「第1側面」に対応し、筐体20の上面は、特許請求の範囲における「第2側面」に対応し、筐体20の背面は、特許請求の範囲における「第3側面」に対応し、筐体20の正面は、特許請求の範囲における「第4側面」に対応する。
【0052】
(振動計本体及び取付ベースの詳細について−振動計本体及び取付ベースの形状)
次に、振動計本体10及び取付ベース60の形状については、例えば、筐体20の上面、下面、又は背面と、取付ベース60における振動計本体10側の側面とが、相互に嵌合可能な形状にて形成されてもよい。具体的には、
図3、
図4(a)〜(c)に示すように、筐体20の上面のうち4つの隅部が、当該4つの隅部以外の部分よりも略凹状に形成されている(筐体20の下面、及び背面の形状についても同様とする)。また、取付ベース60における振動計本体10側の側面に設けられた固定部63a〜固定部63dが、当該側面のうち振動計本体10と対向する部分(ただし、固定部63a〜固定部63dは除く)よりも略凸状に形成されている(より具体的には、当該振動計本体10と対向する部分が貫通孔状に形成されている)。
【0053】
このような形状により、筐体20の上面(あるいは、筐体20の下面又は背面)を取付ベース60における振動計本体10側の側面に嵌合させることができるので、振動計本体10の取付ベース60に対する位置合わせを容易に行うことができる。
【0054】
(振動計本体及び取付ベースの詳細について−振動計本体に関するその他の構成)
次に、振動計本体10に関するその他の構成については、例えば、筐体20における表示部30a〜表示部30c側の側面と、筐体20における接続部40a、40b側の側面とが、取付ベース60に接触せず、且つ相互に対向するように、表示部30a〜表示部30c及び接続部40a、40bが配置されることが好ましい。具体的には、
図2(a)〜(d)に示すように、上述したように、取付ベース60に筐体20の上面、下面、又は背面が固定される場合には、表示部30a〜表示部30cが筐体20における左面側の位置に配置され、接続部40a、40bが筐体20における右面側の位置に配置される。この場合において、光ガイド部23a〜光ガイド部23c、及び接続口24a、24bの配置については、例えば光ガイド部23a〜光ガイド部23cが筐体20の左面に配置され、接続口24a、24bが筐体20の右面に配置される。
【0055】
このような配置により、筐体20の上面、下面、又は背面が、取付ベース60における振動計本体10側の側面に固定された場合でも、筐体20の左面(つまり、筐体20における表示部30a〜表示部30c側の側面)が人目に触れやすく、且つ、筐体20の右面(つまり、筐体20における接続部40a、40b側の側面)が人目に触れにくくなるように、振動計本体10を取付ベース60を介して設置面Wに取り付けることができる。
【0056】
(振動計本体及び取付ベースの詳細について−取付ベースに関するその他の構成)
次に、取付ベース60に関するその他の構成については、例えば、振動計本体10をX方向、Y方向、又はZ方向に略沿って正確に取り付けることができる構成が好ましい。具体的には、
図3、
図5(a)、(b)に示すように、取付ベース60における振動計本体10側の側面から見た4つの隅部の各々に、傾き調整部65が設けられている。傾き調整部65は、振動計本体10又は取付ベース60における設置面Wに対する傾きを調整するための傾き調整手段である。この傾き調整部65は、例えば公知のボルト材等を用いて構成されている。また、傾き調整部65の設置面W側の端部(具体的には、傾き調整部65のシャンク部分の先端部)が設置面Wと接触するように、当該傾き調整部65は取付ベース60に設けられた貫通ネジ孔66a〜貫通ネジ孔66d(具体的には、貫通ネジ孔66a〜貫通ネジ孔66dの各々の内周面に形成されたネジ溝を有する貫通ネジ孔66a〜貫通ネジ孔66d)の各々に挿通されている。
【0057】
ここで、傾き調整部65のZ方向の長さについては、例えば、傾き調整部65のZ方向の長さが取付ベース60のZ方向の長さよりも長く設定されている。これにより、例えば、
図5(b)に示すように、設置面WがX方向に対して傾斜している場合に、傾き調整部65の締め付け具合によって、傾き調整部65の設置面側の端部を取付ベース60に突出させることにより、取付ベース60と設置面Wとの相互間に隙間を生じさせることができる。このような傾き調整部65による隙間の調整が、貫通ネジ孔66a〜貫通ネジ孔66dの挿通された傾き調整部65毎に独立して行われることにより(具体的には、傾斜の低い側の傾き調整部65の締め付け量が、傾斜の高い側の傾き調整部65よりも多くなるように、傾き調整部65による隙間の調整が行われることにより)、取付ベース60がX方向に略沿うように、当該取付ベース60が設置面Wに取り付けられることが可能となる。なお、傾き調整部65の設置面W側とは反対側の端部(具体的には、傾き調整部65のヘッド部分)と取付ベース60との相互間に隙間が生じるため、振動等によって傾き調整部65が緩みやすくなる。よって、このような傾き調整部65の緩みを防止するために、例えば、傾き調整部65のヘッド部分を設置面W側とは反対側に向けて付勢するバネ材67(例えばコイルスプリング等)が上記相互間に設けられてもよい。
【0058】
このような構成により、振動計本体10における設置面Wに対する傾きを調整することができ、振動計本体10をX方向、Y方向、又はZ方向に略沿って正確に取り付けることが可能となる。
【0059】
(取り付け方法)
次に、このように構成された振動計1の取り付け方法について説明する。
図6は、後述する床置き状態で設置面Wに取り付けられた振動計1を示す左側面図である。
図7は、後述する天井置き状態で設置面Wに取り付けられた振動計1を示す左側面図である。
図8は、後述する壁掛け状態で設置面Wに取り付けられた振動計1を示す左側面図である。ここで、この振動計1の取付方法は、
図6に示すように、振動計本体10が、X方向及びY方向に略沿った設置面Wであってオフィスビルの床面である設置面Wに取付ベース60を介して接触した状態で取り付けられる「床置き状態」の取り付け方法と、
図7に示すように、振動計本体10が、X方向及びY方向に略沿った設置面Wであってオフィスビルの天井面である設置面Wに取付ベース60を介して接触した状態で取り付けられる「天井置き状態」の取り付け方法と、
図8に示すように、振動計本体10が、Z方向に略沿った設置面Wであってオフィスビルの壁面である設置面Wに取付ベース60を介して接触した状態で取り付けられる「壁掛け状態」の取り付け方法との3つに区分けされる。なお、床置き状態は、特許請求の範囲における「第1取付状態」に対応し、天井置き状態は、特許請求の範囲における「第2取付状態」に対応し、壁掛け状態は、特許請求の範囲における「第3取付状態」に対応する。
【0060】
(取り付け方法−床置き状態)
最初に、床置き状態の取り付け方法について説明する。
図6に示すように、まず、振動計本体10の筐体20の下面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とが接触するように、振動計本体10を取付ベース60に嵌合させる。
【0061】
次に、筐体20に設けられた第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、筐体20の下面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とを固定する。
【0062】
続いて、取付ベース60における振動計本体10側とは反対側の側面を設置面Wに接触させる。そして、その状態を保持しながら、取付ベース60に設けられた貫通孔61a〜貫通孔61dの各々を介して設置ボルト62を設置面Wに打設し、且つ、取付ベース60に設けられた貫通ネジ孔66a〜貫通ネジ孔66dの各々に傾き調整部65を挿通して締め付けることにより、取付ベース60を設置面Wに取り付ける。より具体的には、筐体20の正面及び背面がX方向に略直交し、筐体20の左面及び右面がY方向に略直交し、且つ、筐体20の上面及び下面がY方向に略直交するように、取付ベース60を設置面Wに取り付ける。
【0063】
ここで、設置ボルト62の設置面Wへの打設については、例えば、
図5(a)に示すように、設置面WがX方向に略沿っている場合には、傾き調整部65の設置面W側の端部が設置面Wと接触するまで傾き調整部65を締め付けた後に、設置ボルト62のヘッド部と取付ベース60とが接触するまで設置ボルト62を打設する。この場合において、取付ベース60の振動計本体10側とは反対側の側面全体が、設置面Wと接触した状態になる。また、
図5(b)に示すように、設置面WがX方向に対して傾斜している場合に、傾き調整部65の設置面W側の端部が設置面Wと接触し、且つ振動計本体10がX方向に略沿うまで傾き調整部65を締め付けた後に、設置ボルト62のヘッド部と取付ベース60とが接触するまで設置ボルト62を打設する。この場合において、取付ベース60の振動計本体10側とは反対側の側面の一部のみが、設置面Wと接触した状態になる(なお、この工程については、天井置き状態の取り付け方法、及び壁掛け状態の取り付け方法についても同様であるので、以下の説明では省略する)。
【0064】
このように、床置き状態の取り付け方法では、振動計本体10の回路基板に実装された第1振動センサの計測方向がX方向に略沿い、第2振動センサの計測方向がY方向に略沿い、且つ第3振動センサの計測方向がZ方向に略沿うように、振動計本体10を取付ベース60を介して設置面Wに取り付けることができる。
【0065】
(取り付け方法−天井置き状態)
次に、天井置き状態の取り付け方法について説明する。
図7に示すように、まず、振動計本体10の筐体20の上面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とが接触するように、振動計本体10を取付ベース60に嵌合させる。
【0066】
次に、筐体20に設けられた第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、筐体20の上面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とを固定する。
【0067】
このように、天井置き状態の取り付け方法では、床置き状態の取り付け方法における振動計本体10の設置角度を変えることなく、振動計本体10を取付ベース60を介して設置面Wに取り付けることができる。
【0068】
(取り付け方法−壁掛け状態)
最後に、壁掛け状態の取り付け方法について説明する。
図8に示すように、まず、振動計本体10の筐体20の背面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とが接触するように、振動計本体10を取付ベース60に嵌合させる。
【0069】
次に、筐体20に設けられた第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dの各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、筐体20の背面と取付ベース60における振動計本体10側の側面とを固定する。
【0070】
このように、壁掛け状態の取り付け方法では、床置き状態の取り付け方法(又は天井置き状態の取り付け方法)における振動計本体10の設置角度を変えることなく、振動計本体10を取付ベース60を介して取り付けることができる。
【0071】
(効果)
このように本実施の形態によれば、振動計本体10のX方向、Y方向、又はZ方向に対する設置角度を変えることなく、振動計本体10における取付ベース60との取り付け位置を変えることにより、床置き状態、天井置き状態、及び壁掛け状態のうち、少なくとも2つ以上の取付状態を取り得るので、1台の振動計1で様々な方向の設置面Wに取り付けることができる。これにより、各取付状態に応じた製品を製造する必要がないため、従来の振動計に比べて、部品点数の削減や製造作業の効率化等を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、各取付状態に応じた製品毎に在庫管理や納品管理を行う必要がないため、従来の振動計に比べて、管理作業の効率化等を図ることができ、在庫管理や納品管理を簡易に行うことができる。
【0072】
また、振動計本体10を略正六面体状に形成しているので、例えば、床置き状態と天井置き状態(又は壁掛け状態)とで、取付ベース60の振動計本体10との接触部分の面積を略同一にすることができる。これにより、例えば、床置き状態における上記接触部分の面積が、天井置き状態と異なる場合(例えば床置き状態の上記接触部分の面積が天井置き状態よりも小さい場合)に生じる弊害を回避することができる。具体的には、床置き状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベース60が形成された場合に、天井置き状態における振動計本体10の取付ベース60との接触部分の面積が床置き状態よりも小さくなることにより、振動計本体10を取付ベース60に安定して固定しづらくなることを回避できる。また、天井置き状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベース60が形成された場合に、床置き状態における取付ベース60の振動計本体10との接触面積が天井置き状態よりも小さくなることにより、床置き状態時に取付ベース60に無駄な部分が生じることを回避することができる。また、振動計本体10の上面、下面、又は背面が、振動計本体10の取付状態に応じて取付ベース60における振動計本体10側の共通の側面に選択的に固定可能となるように、振動計本体10及び取付ベース60を形成したので、取付ベース60を簡易な構造にて形成することができ、取付ベース60の製造性を向上させることができる。
【0073】
また、筐体20の上面及び下面に略直交する方向に沿って貫通する第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d、又は筐体20の正面及び背面に略直交する方向に沿って貫通する第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dに、取付ピン50を挿通しているので、例えば、設置面WがX方向、Y方向、又はZ方向に略沿っている場合において、振動計本体10が取付ベース60を介して設置面Wに取り付けられる際に、振動計本体10における設置面W側の側面及び当該側面と対向する側面が設置面Wに略沿い、且つ振動計本体10における設置面W側の側面に略直交する側面が設置面Wに略直交するように、取付ピン50によって振動計本体10をガイドすることができる。これにより、振動計本体10の部分であって、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25dの各々(又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dの各々)における設置面W側の端部から当該端部とは反対側の端部に至る領域に対応する部分全域と取付ピン50とを接触させることができるので、振動計本体10が水平方向又は鉛直方向に沿った状態を保持することでき、ひいては、振動計本体10の設置面Wに対する芯だしを正確に行うことができるため、振動計1の計測精度を向上させることができる。
【0074】
また、筐体20の上面、下面、又は背面と、取付ベース60における振動計本体10側の側面とを、相互に嵌合可能な形状にて形成したので、筐体20の上面(あるいは、筐体20の下面又は背面)を取付ベース60における振動計本体10側の側面に嵌合させることができ、振動計本体10の取付ベース60に対する位置合わせを容易に行うことができる。また、取付ベース60における第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dに対向する部分に、固定部63a〜固定部63dを設け、固定部63a〜固定部63dの各々に、取付ピン50を第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dのいずれか一方を介して固定したので、筐体20の上面、下面、又は背面を、取付ベース60における振動計本体10側の共通の側面に選択的に固定することができ、床置き状態、天井置き状態、及び壁掛け状態の3つの取付状態を取り得ることが可能となる。
【0075】
また、振動計本体10における表示部30a〜表示部30c側の側面と、振動計本体10における接続部40a、40b側の側面とが、設置面W及び取付ベース60に接触せず、且つ相互に対向するように、表示部30a〜表示部30cと接続部40a、40bとを配置したので、例えば、筐体20における表示部30a〜表示部30c側の側面が人目に触れやすく、且つ、筐体20における接続部40a、40b側の側面が人目に触れにくくなるように、振動計本体10を取付ベース60を介して設置面Wに取り付けることができ、ユーザのニーズに応じた振動計1の設置が可能となる。
【0076】
また、取付ベース60に、振動計本体10における設置面Wに対する傾きを調整するための傾き調整部65を設けたので、振動計本体10における設置面Wに対する傾きを調整することができ、振動計本体10をX方向、Y方向、又はZ方向に略沿うように取り付けることが可能となる。
【0077】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0078】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、振動計1において、振動計本体10の鉛直方向又は水平方向に対する設置角度を変えることなく、振動計本体10の設置面Wに対する取付状態を2つ以上取り得ることが難しい場合であっても、この2つ以上の取付状態を、従来とは異なる技術により従来と同様に達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0079】
(振動計本体について)
上記実施の形態では、振動計本体10は、取付ベース60を介して設置面Wに取り付けられていると説明したが、これに限られず、例えば、取付ベース60を省略して、取付ピン50が、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d(又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26d)を介して設置面Wに打設されることによって、振動計本体10が設置面Wに直接的に接触した状態で取り付けられてもよい。
【0080】
(振動計本体の取付ベースへの固定について)
上記実施の形態では、振動計本体10の取付ベース60への固定については、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d(又は第2貫通孔26a〜第2貫通孔26d)の各々に取付ピン50を挿通して固定部63に固定することにより、振動計本体10と取付ベース60とが固定されると説明したが、これに限られない。例えば、第1貫通孔25a〜第1貫通孔25d、第2貫通孔26a〜第2貫通孔26d、及び取付ピン50を用いない構成により、振動計本体10と取付ベース60とが固定されてもよい。具体的には、筐体20における上面、下面、及び背面の固定部63に対応する位置にネジ穴(具体的には、ネジ穴の内周面にネジ溝を有するネジ穴)が形成されると共に、取付ベース60における各固定部63に貫通孔が形成される。そして、振動計本体10が取付ベース60に嵌合された後、取付ベース60における振動計本体10側とは反対側の側面から公知の固定ネジを貫通孔を介してネジ穴に挿入して締め付けることにより、振動計本体10と取付ベース60とが固定されてもよい。この場合において、貫通孔の形状については、固定ネジのヘッド部分が取付ベース60から外部に向けて突出しないように、固定ネジのヘッド部分が貫通孔の内部に収容可能となる形状が好ましく、例えば、貫通孔の孔径のうち固定ネジのヘッド部分側の孔径が固定ネジのヘッド部分の外径よりも大きくなるように、貫通孔が形成される。
【0081】
また、上記実施の形態では、筐体20の上面、下面、又は背面が、取付ベース60における振動計本体10側の共通の側面に選択的に固定されると説明したが、これに限られず、例えば、筐体20の上面、下面、又は背面の各々が、取付ベース60の異なる側面に固定されてもよい。この場合において、取付ベース60の構成については任意であるが、例えば、取付ベース60が略正六面体状に形成され、取付ベース60の上面、下面、左面の各々における第1貫通孔25又は第2貫通孔26に対向する部分に、固定部63a〜固定部63dが設けられる構成が採用される。これにより、振動計本体10の鉛直方向又は水平方向に対する設置角度を変えることなく、振動計本体10を取付ベース60の上面、下面、又は左面に固定することが可能となる。
【0082】
(振動計本体の設置面に対する取付状態について)
上記実施の形態では、振動計本体10の設置面Wに対する取付状態については、床置き状態、天井置き状態、及び壁掛け状態の3つの取付状態が取り得られると説明したが、これに限られない。例えば、床置き状態、天井置き状態、及び壁掛け状態の3つの取付状態のうちいずれか2つの取付状態(例えば、床置き状態及び天井置き状態、天井置き状態及び壁掛け状態、あるいは、床置き状態及び壁掛け状態)が取り得られてもよい。この場合において、床置き状態及び天井置き状態が取り得られる場合には、第2貫通孔26a〜第2貫通孔26dを省略してもよい。
【0083】
(筐体について)
上記実施の形態では、振動計本体10の筐体20が略正六面体状にて形成されていると説明したが、これに限られず、例えば、略正六面体以外の六面体状にて形成されてもよく、あるいは略球体状にて形成されてもよい。ここで、筐体20が略球体状にて形成される場合には、取付ベース60に筐体20が嵌合可能となるように、取付ベース60における振動計本体10の側面が、略半球凹状に形成される。
【0084】
また、上記実施の形態では、筐体20に設けられた第1貫通孔25(又は第2貫通孔26)の個数が4つと説明したが、これに限られず、例えば2つ若しくは3つであってもよく、又は5つ以上であってもよい。
【0085】
(回路基板の構成について)
上記実施の形態では、回路基板には、第1振動センサ、第2振動センサ、及び第3振動センサが実装されていると説明したが、これに限られず、例えば第1振動センサ、第2振動センサ、及び第3振動センサのいずれか一つが実装されてもよく、あるいは、第1振動センサ、第2振動センサ、及び第3振動センサのいずれか2つ実装されてもよい。
【0086】
(表示部について)
上記実施の形態では、振動計本体10は、表示部30a〜表示部30cを備えていると説明したが、例えば、これらを省略してもよい。この場合において、筐体20に設けられた光ガイド部23a〜光ガイド部23cについても省略することができる。
【0087】
また、上記実施の形態では、表示部30a〜表示部30cは、筐体20における左面側の位置に配置されていると説明したが、これに限られず、例えば筐体20における正面側の位置に配置されてもよい。この場合において、光ガイド部23a〜光ガイド部23cは、筐体20の正面における表示部30a〜表示部30cと対応する位置に配置される。
【0088】
(傾き調整部について)
上記実施の形態では、傾き調整部65が取付ベース60に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、傾き調整部65は、振動計本体10に設けられてもよく、あるいは省略してもよい。なお、傾き調整部65が取付ベース60又は振動計本体10に設けられる場合には、例えば、振動計本体10の鉛直方向又は水平方向に対する傾斜が容易に調べられるように、公知の水準器が取付ベース60又は振動計本体10に設けられてもよい。この場合において、水準器の個数については任意であるが、例えば異なる2つの方向の傾斜が調べられるように、少なくとも2つ以上であることが好ましい。
(付記)
付記1の振動計は、建物又は構造物の振動を計測するための振動計であって、振動計測を行う振動計本体と、前記振動計本体を前記建物又は前記構造物の設置面に取り付けるための取付手段と、を備え、前記振動計本体の鉛直方向又は水平方向に対する設置角度を変えることなく、前記振動計本体における前記取付手段との固定位置を変えることにより、前記振動計本体を水平方向に略沿った前記設置面であって前記建物又は前記構造物の下面である前記設置面に直接的又は間接的に接触した状態で取り付ける第1取付状態、前記振動計本体を水平方向に略沿った前記設置面であって前記建物又は前記構造物の上面である前記設置面に直接的又は間接的に接触した状態で取り付ける第2取付状態、及び、前記振動計本体を鉛直方向に略沿った設置面であって前記建物又は前記構造物の側面である前記設置面に直接的又は間接的に接触した状態で取り付ける第3取付状態のうち、少なくとも2つ以上の取付状態を取り得る。
付記2の振動計は、付記1に記載の振動計において、前記取付手段は、前記振動計本体と前記設置面との相互間に介在する取付ベースであり、前記振動計本体を略正六面体状に形成し、前記振動計本体の側面のうち少なくとも2つ以上の側面が、前記振動計本体の取付状態に応じて前記取付ベースにおける前記振動計本体側の共通の側面に選択的に固定可能となるように、前記振動計本体及び前記取付ベースを形成している。
付記3の振動計は、付記1又は2に記載の振動計において、前記振動計本体に、当該振動計本体における前記設置面に取り付け可能な側面から当該側面と対向する側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する複数の貫通孔を形成し、前記貫通孔に、前記取付手段を構成する取付ピンであって、前記振動計本体を前記設置面に直接的又は間接的に取り付けるための取付ピンを挿通している。
付記4の振動計は、付記2及び3に記載の振動計において、前記振動計本体における前記取付ベースに固定可能な側面と、前記取付ベースにおける前記振動計本体側の側面とを、相互に嵌合可能な形状にて形成し、前記第1取付状態において、前記振動計本体における前記取付ベースに固定可能な側面のうちの第1側面を、前記取付ベースと固定可能とし、前記第2取付状態において、前記振動計本体における前記取付ベースに固定可能な側面のうち前記第1側面と対向する第2側面を、前記取付ベースと固定可能とし、前記第3取付状態において、前記振動計本体における前記取付ベースに固定可能な側面のうち前記第1側面に略直交する第3側面を、前記取付ベースと固定可能とし、前記振動計本体における前記第1側面側又は前記第2側面側から見た4つの隅部の各々に、前記第1側面から前記第2側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する第1貫通孔を形成し、前記振動計本体における前記第3側面側から見た4つの隅部の各々に、前記第3側面から当該第3側面に対向する第4側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する第2貫通孔を形成し、前記取付ベースにおける前記第1貫通孔又は前記第2貫通孔に対向する部分に、前記第1貫通孔又は前記第2貫通孔を挿通する前記取付ピンを固定するための固定手段を4つ設け、前記4つの固定手段の各々に、前記取付ピンを前記第1貫通孔又は前記第2貫通孔のいずれか一方を介して固定している。
付記5の振動計は、付記1から4のいずれか一項に記載の振動計において、前記振動計本体は、情報を表示する表示手段と、当該振動計本体に伝送線路を接続するための接続手段とを備え、前記振動計本体における前記表示手段側の側面と、前記振動計本体における前記接続手段側の側面とが、前記設置面及び前記取付手段に接触せず、且つ相互に対向するように、前記表示手段と前記接続手段とを配置している。
付記6の振動計は、付記1から5のいずれか一項に記載の振動計において、前記振動計本体又は前記取付手段に、当該振動計本体又は当該取付手段における前記設置面に対する傾きを調整するための傾き調整手段を設けている。
(付記の効果)
付記1に記載の振動計によれば、振動計本体の鉛直方向又は水平方向に対する設置角度を変えることなく、振動計本体における取付手段との固定位置を変えることにより、第1取付状態、第2取付状態、及び第3取付状態のうち、少なくとも2つ以上の取付状態を取り得るので、1台の振動計で様々な方向の設置面に取り付けることができる。これにより、各取付状態に応じた製品を製造する必要がないため、従来の振動計に比べて、部品点数の削減や製造作業の効率化等を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、各取付状態に応じた製品毎に在庫管理や納品管理を行う必要がないため、従来の振動計に比べて、管理作業の効率化等を図ることができ、在庫管理や納品管理を簡易に行うことができる。
付記2に記載の振動計によれば、振動計本体を略正六面体状に形成しているので、例えば、第1取付状態と第2取付状態(又は第3取付状態)とで、取付ベースの振動計本体との接触部分の面積を略同一にすることができる。これにより、例えば、第1取付状態における上記接触部分の面積が第2取付状態と異なる場合(例えば第1取付状態における上記接触部分の面積が第2取付状態よりも小さい場合)に生じる弊害を回避することができる。具体的には、第1取付状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベースが形成された場合に、第2取付状態における振動計本体の取付ベースとの接触部分の面積が第1取付状態よりも小さくなることにより、振動計本体を取付ベースに安定して固定しづらくなることを回避できる。また、第2取付状態における上記接触部分の面積に基づいて取付ベースが形成された場合に、第1取付状態における取付ベースの振動計本体との接触面積が第2取付状態よりも小さくなることにより、第1取付状態で取付ベースに無駄な部分が生じることを回避することができる。また、振動計本体の側面のうち少なくとも2つ以上の側面が、振動計本体の取付状態に応じて取付ベースにおける振動計本体側の共通の側面に選択的に固定可能となるように、振動計本体及び取付ベースを形成したので、取付ベースを簡易な構造にて形成することができ、取付ベースの製造性を向上させることができる。
付記3に記載の振動計によれば、振動計本体に、当該振動計本体における設置面に取り付け可能な側面から当該側面と対向する側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する複数の貫通孔を形成し、貫通孔に、取付手段を構成する取付ピンであって、振動計本体を設置面に直接的又は間接的に取り付けるための取付ピンを挿通しているので、例えば、設置面が水平方向又は鉛直方向に略沿っている場合において、振動計本体が設置面に直接的又は間接的に取り付けられる際に、振動計本体における設置面側の側面及び当該側面と対向する側面が設置面に略沿い、且つ振動計本体における設置面側の側面に略直交する側面が設置面に略直交するように、取付ピンによって振動計本体をガイドすることができる。これにより、振動計本体の部分であって、各貫通孔における設置面側の端部から当該端部とは反対側の端部に至る領域に対応する部分全域と取付ピンとを接触させることができるので、振動計本体が水平方向又は鉛直方向に沿った状態を保持することでき、ひいては、振動計本体の設置面に対する芯だしを正確に行うことができるため、振動計の計測精度を向上させることができる。
付記4に記載の振動計によれば、振動計本体における取付ベースに固定可能な側面と、取付ベースにおける振動計本体側の側面とを、相互に嵌合可能な形状にて形成したので、振動計本体を取付ベースにおける振動計本体側の側面に嵌合させることができ、振動計本体の取付ベースに対する位置合わせを容易に行うことができる。また、第1取付状態において、振動計本体の第1側面を、取付ベースと固定可能とし、第2取付状態において、振動計本体の第2側面を、取付ベースと固定可能とし、第3取付状態において、振動計本体の第3側面を、取付ベースと固定可能とし、振動計本体における第1側面側又は第2側面側から見た4つの隅部の各々に、第1側面から第2側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する第1貫通孔を形成し、振動計本体における第3側面側から見た4つの隅部の各々に、第3側面から第4側面までの間を当該両側面に略直交する方向に沿って貫通する第2貫通孔を形成し、取付ベースにおける第1貫通孔又は第2貫通孔に対向する部分に、取付ピンを固定するための固定手段を4つ設け、4つの固定手段の各々に、取付ピンを第1貫通孔又は第2貫通孔のいずれか一方を介して固定しているので、振動計本体の第1側面、第2側面、又は第3側面を、取付ベースにおける振動計本体側の共通の側面に選択的に固定することができ、第1取付状態、第2取付状態、及び第3取付状態の3つの取付状態を取り得ることが可能となる。
付記5に記載の振動計によれば、振動計本体における表示手段側の側面と、振動計本体における接続手段側の側面とが、設置面及び取付手段に接触せず、且つ相互に対向するように、表示手段と接続手段とを配置したので、例えば、振動計本体における表示手段側の側面が人目に触れやすく、且つ、振動計本体における接続手段側の側面が人目に触れにくくなるように、振動計本体を設置面に直接的又は間接的に取り付けることができ、ユーザのニーズに応じた振動計の設置が可能となる。
付記6に記載の振動計によれば、振動計本体又は取付手段に、当該振動計本体又は当該取付ベースにおける設置面に対する傾きを調整するための傾き調整手段を設けたので、振動計本体又は取付手段における設置面に対する傾きを調整することができ、振動計本体又は取付手段を鉛直方向又は水平方向に略沿うように取り付けることが可能となる。