(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の判定情報は、前記独自印刷機能情報作成部で独自設定した独自設定ユーザー名であり、前記第2の判定情報は、前記プリンタドライバで付加した所定の標準設定ユーザー名であることを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
前記画像形成装置は、入力した前記第1のデータを蓄積するプリセット情報保持部を備え、新たに入力した前記第1のデータの前記第1の判定情報と、前記プリセット情報保持部に蓄積されている第1のデータの前記第1の判定情報とを比較し、一致するものがあれば一致した前記第1のデータの内容を更新し、一致するものがなければ新たに追加蓄積することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の印刷システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態1のホストPC100のホスト端末部の要部構成を示すブロック図であり、
図2は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態1の印刷装置200の要部構成を示すブロック図である。
【0009】
図1において、ホストPC100では、一般的な印刷機能を有するアプリケーション部101が作動して印刷データを作成し、作成した印刷データを標準的な機能のみを搭載したプリンタドライバ110のデータ受信部に送信する。データ受信部111では、受信した印刷データを保持する。標準印刷機能設定部112は、オペレータが印刷設定を変更したい場合に動作し、OSに付随した標準的な機能、即ちOSの仕様で決められた、例えば
・部数指定
・両面印刷指定
・用紙サイズ設定
・給紙トレイ指定
・印刷解像度指定
等の一般的な標準印刷機能の選択・設定が可能となっている。
【0010】
図5は、このとき、標準印刷機能設定部112に属する表示部(図示せず)に表示される標準印刷設定ダイアログであり、オペレータはこの標準印刷設定ダイアログに基づいて、上記した項目等の選択・設定を行う。
【0011】
また、同様にOSに付随した機能である標準印刷機能情報付加部113は、標準印刷機能設定部112で設定した標準印刷機能コマンドをデータ化し、標準印刷機能設定データとして、データ受信部111で保持されている印刷データに付加する。更にこの標準印刷機能情報付加部113では、
・アプリケーション名
・ドキュメント名
・ユーザー名(ログイン名)
等を、標準印刷機能設定データに加える。ここでのアプリケーション名は、印刷データを作成した際のアプリケーションの名前である。
【0012】
尚、ここでのユーザー名は、例えばホストPC100に設けられたユーザー情報保持部117に、予め登録し保存されたユーザー名、或いは新たに登録したユーザー名とするこができる。また、ここではユーザー名としたが、他にログイン名、暗証番号、社員番号など、互いに関連付けられたユーザー情報であってもよい。
【0013】
ホストPC100は、印刷データに標準印刷機能設定データを加えた第2のデータとしての標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)を第2のデータ送信部116を介して後述する印刷装置200(
図2)に出力するが、ここでOSに同梱されている「Generic Postscript Driver」を使用して印刷を行った際の標準印刷データを
図3に示す。
図3において、
矢印Bがアプリケーション名を指し、
矢印Aがドキュメント名を指し、
矢印Cがユーザー名(ログイン名)を指す。
【0014】
尚、ここでは、標準印刷データを、印刷データと標準印刷機能設定データとの組み合わせとして説明したが、標準印刷コマンド情報を第2の機能情報として更に詳細に記すと、
標準印刷データ=印刷データ
+ユーザー名(他にアプリケーション名、ドキュメント名など)
+第2の機能情報(標準印刷コマンド情報)
とすることが出来る。
【0015】
独自機能設定ツール120は、OSに付随した標準的な機能のみを搭載したプリンタドライバ110では選択・設定できない、印刷装置200(
図2)が独自に有する機能の設定を可能にする。ここでの印刷装置独自の機能としては、例えば
・自動トレイ切り替え機能
・極細線補正機能
・カラーマッチング精度機能
等があげられる。
【0016】
印刷機能設定表示部121では、独自印刷機能情報を管理する印刷機能情報保持部としての独自印刷機能情報データベース122から設定可能な機能情報を取得し、取得した独自印刷機能情報の機能一覧を表示してオペレータに機能選択を行わせる。独自印刷機能情報には、設定項目名、設定値、デフォルト設定値、設定優先度(オーダー)、設定コマンドが含まれ、設定項目毎にそれぞれが対応して管理されている。ここで
図4に、設定項目が「トレイスイッチ」の場合の各情報をPostScript言語で記載した設定項目ブロック例を示す。
図4において、
矢印Dが設定項目名を指し、
矢印Eが設定優先度(オーダー)を指し、
矢印Fがデフォルト設定値を指し、
矢印Gが設定コマンドA(True)を指し、
矢印Hが設定コマンドB(False)を指す。
これらの情報は、使用する環境や言語に合わせて、XML言語などで記載することもできる。
【0017】
印刷機能設定表示部121は、設定可能な機能について設定値保存エリア121aに初期値を記憶させる。ここでの初期値とは、デフォルト設定値(
図4で矢印Fが指す)の情報を集めたものであり、その設定項目と設定値とを記憶する。印刷機能設定表示部121は、これらの記憶したデータを基に印刷設定ダイアログを表示する。
【0018】
図6は、このとき印刷機能設定表示部121に表示される印刷設定ダイアログの一例を示す。オペレータは、これらの印刷設定ダイアログに基づいて、好みの印刷結果となるように印刷設定ダイアログの設定内容を変更する。
【0019】
印刷機能設定表示部121は、変更された設定値情報を順次更新して設定値保存エリア121aに保存し、独自印刷機能情報作成部123は、設定値保存エリア121aの設定値情報を基に、第1のデータ送信部115を介して印刷装置200に送信する第1のデータとしての独自情報を作成する。
【0020】
このため独自印刷機能情報作成部123は、各設定項目と対応する設定値とを含んで設定値保存エリア121aに保存されている設定値情報を抽出し、独自印刷機能情報データベース122から、その設定値項目に対応する設定項目ブロック(
図4参照)の、その設定値に対応する設定コマンド及び優先度(オーダー)を抽出して出力コマンド保存エリア123aに保存する。
【0021】
独自印刷機能情報作成部123は、全ての設定項目の出力コマンドを出力コマンド保存エリア123aに保存したら、保存されている優先度(オーダー)情報を基に設定コマンドの出力順をソートする。ソートする理由は、設定された順番によって印刷結果が変わることがあるためであり、例えばPostScriptの記載方法であれば、優先度(オーダー)が小さい値の方からコマンドを出力するようにソートする。ソートが終わったら、出力コマンド保存エリア123aのデータから優先度(オーダー)情報を削除する。
【0022】
次に印刷機能情報作成部123は、ユーザー名を出力コマンド保存エリア123aに保存する。
【0023】
尚、ここでのユーザー名は、例えばホストPC100に設けられたユーザー情報保持部117に、あらかじめ登録し保存されたユーザー名、或いは
図7に示すように、印刷機能設定表示部121にユーザー名登録ダイアログを表示し、新たに登録したユーザー名とすることがでる。また、ここではユーザー名としたが、他にログイン名、暗証番号、社員番号など、互いに関連付けられたユーザー情報であってもよい。
【0024】
最後に独自印刷機能情報作成部123は、出力コマンド保存エリア123aに保存するソート済みの設定コマンドである第1の機能情報としての独自印刷機能コマンド情報にユーザー情報のユーザー名を付加した第1のデータとしての独自情報(独自印刷機能コマンド情報(第1の機能情報)+ユーザー名)を第1のデータ送信部115を介して印刷装置200に送信して処理を終了する。尚、第1のデータ送信部115及び第2のデータ送信部116が送信部に相当する。
【0025】
図9は、優先度情報が付された状態で、出力コマンド保存エリア123aに保存されるPostScriptで記載された設定コマンド(独自印刷機能コマンド情報)を示し、
図10は、ソートされ、優先度情報が削除された後、出力コマンド保存エリア123aに保存される設定コマンドを示し、
図11は、更にユーザー名が付されて独自情報として出力される設定コマンドを示す。
【0026】
尚、
図1において、印刷機能設定表示部121が印刷機能設定部に相当し、印刷機能設定表示部121、独自印刷機能情報作成部123、プリンタドライバ110、及び第1と第2のデータ送信部115,116がホスト端末に相当する。
【0027】
図2において、画像形成装置としての印刷装置200では、独自情報受信部204が、ホストPC100の独自機能設定ツール120から送信された独自情報を受信し、独自情報に付加されたユーザー情報を抽出する。尚、ここで独自情報から抽出したユーザー名を以後、第1の判定情報としての独自設定ユーザー名と称す。
【0028】
ここでプリセット情報データベース205について説明する。
図8は、プリセット情報データベース205のデータ保持構成を概略的に示す図であり、同図に示すように、プリセット情報データベース205は、後述するように、独自情報受信部204によって登録或いは上書きされるデータを管理する。ここでは
図8に示すように、登録ユーザー名の欄に登録されたユーザー名を、仮にユーザー名(1)〜ユーザー名(n)として登録し、登録設定コマンド情報の欄にそれぞれのユーザー名に対応する独自設定コマンド情報を対応させて登録している。但し、実際には、例えば
図12に示すように、「OkiTaro」、「OkiHanako」、「Guest−2F」等、ユーザー名毎に設定コマンド(独自印刷機能コマンド情報)がブロック化され保存されている。
【0029】
独自情報受信部204は、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名を検索し、独自情報から新たに抽出した独自設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する。独自設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていなかった場合、この時受信した独自情報を、新たな登録ユーザー名及び登録設定コマンド情報としてプリセット情報データベース205に対応させて登録する。独自設定ユーザー名がすでにプリセット情報データベース205に登録されていた場合、新たな独自印刷機能コマンド情報を、登録済みの対応する独自設定コマンド情報に上書きして更新する。
【0030】
また、印刷装置200では、データ受信部201が、ホストPC100のプリンタドライバ110から送信された標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)を受信し、保持する。プリセット情報取得部202は、データ受信部201に保持された標準印刷データから標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報を抽出する。尚、ここで標準印刷データから抽出したユーザー名を以後、第2の判定情報としての標準設定ユーザー名と称す。
【0031】
プリセット情報取得部202は、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名を検索し、データ受信部201が保持する標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する。標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていた場合、プリセット情報データベース205から対応する独自設定コマンド情報を取得し、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する。標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていない場合は、独自設定コマンド情報を追加することなく、そのまま印刷部203に送信する。
【0032】
尚、ここでは、ユーザー名に基づいて、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名を検索し、データ受信部201が保持する標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定したが、他にログイン名、暗証番号、社員番号など、互いに関連付けられたユーザー情報に基づいて検索し、関連する情報がその中に含まれるか否かを判定するようにしてもよい。
【0033】
印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する。
【0034】
尚、
図2において、データ受信部201及び独自情報受信部204が受信部に相当し、プリセット情報取得部202が印刷制御部に相当する。
【0035】
次にホストPC100及び印刷装置200の各部における動作(データ処理)の流れについて、
図13〜
図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
先ず、ホストPC100のプリンタドライバ110による標準印刷データ生成処理について、
図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
プリンタドライバ110は、データ受信部111においてアプリケーション部101で作成した印刷データを受信し、保持する(ステップS101)。この印刷に際して、オペレータがOSに付随した機能である標準印刷機能を設定する場合(ステップS102、設定)、標準印刷設定ダイアログ(
図5)を標準印刷機能設定部112の図示しない表示部に表示する。
【0038】
標準印刷機能設定部112及び標準印刷機能情報付加部113は、オペレータによって、前記した印刷部数指定、両面印刷指定、用紙サイズ設定、給紙トレイ指定、印刷解像度指定等の一般的な印刷機能の選択・設定が行われるのに伴って、ステップS102−1、ステップS102−1、・・・、において、これらのコマンドをデータ化し、標準印刷機能設定データとして印刷データに付加する。尚、これ等の機能設定は、デフォルト設定値が初期設定されるため、初期設定値を変更する場合にのみ実行される。
【0039】
標準印刷機能設定の変更が終了した場合或いは機能設定を行わない場合(ステップS102、印刷)、標準印刷機能情報付加部113は、標準印刷機能設定部112で設定した標準印刷機能コマンドをデータ化し、標準印刷機能設定データとしてデータ受信部111で保持されている印刷データに付加し(ステップS103)、更にユーザー名(ログイン名)、アプリケーション名、ドキュメント名を標準印刷機能設定データに加え(ステップS104)、標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)の作成処理を終了する。ここで作成された標準印刷データは、前記したように、印刷装置200のデータ受信部201に送信される。
【0040】
次に、ホストPC100の独自機能設定ツール120による独自情報生成処理について、
図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
印刷機能設定表示部121は、独自印刷機能情報を管理する独自印刷機能情報データベース122から設定可能な独自印刷機能情報を取得し(ステップS201)、各独自印刷機能情報の初期値、即ちデフォルト設定値を設定値保存エリア121aに記憶し(ステップS202)、このデフォルト設定値を初期設定値として印刷設定ダイアログ(
図6)を表示する(ステップS203)。
【0042】
オペレータが表示された独自印刷機能情報の設定を変更する場合(ステップS204、設定)、印刷機能設定表示部121は、オペレータによって、前記した自動トレイ切り替え機能、極細線補正機能、カラーマッチング精度機能等の独自機能(
図14では、独自機能A,B等で示す)の各項目の選択・設定が行われるのに伴って、変更された設定値情報を順次更新して設定値保存エリア121aに保存する(ステップS204−1、S204−2・・・・)。
【0043】
独自印刷機能設定の変更が終了した場合或いは機能設定を行わない場合(ステップS204、印刷)、独自印刷機能情報作成部123は、各設定項目の設定値に対応する設定コマンド及び優先度(オーダー)を取得して出力コマンド保存エリア123aに保存し(ステップS205)、保存されている優先度(オーダー)情報を基に設定コマンドの出力順をソートする(ステップS206)。
【0044】
最後に独自印刷機能情報作成部123は、出力コマンド保存エリア123aに保存するソート済みの設定コマンドである独自印刷機能コマンド情報にユーザー名を付加し(ステップS207)、独自情報(独自印刷機能コマンド情報+ユーザー名)の作成処理を終了する。ここで作成された独自情報は、前記したように、印刷装置200の独自情報受信部204に送信される。
【0045】
尚、ここでのユーザー名は、例えばホストPC100の図示しない保存部に予め登録されているユーザー情報(ログイン名)が初期値として使用されるが、
図7に示すように、印刷機能設定表示部121にユーザー名登録ダイアログを表示し、ここから任意のユーザー名を登録するようにしてもよい。
【0046】
次に、印刷装置200(
図2)の独自情報受信部204によるプリセット情報登録処理について、
図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
独自情報受信部204は、ホストPC100の独自機能設定ツール120から送信される独自情報を受信して保持し(ステップS301)、独自情報に付加されたユーザー情報(独自設定ユーザー名)を抽出する(ステップS302)。そして、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名(
図8)を検索し(ステップS303)、独自情報から新たに抽出した独自設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する(ステップS304)。
【0048】
登録ユーザー名に、新たに抽出した独自設定ユーザー名が含まれていた場合、即ち独自設定ユーザー名がすでにプリセット情報データベース205に登録されていた場合(ステップS304、Yes)、新たな独自印刷機能コマンド情報を、登録済みの対応する独自設定コマンド情報(
図8)に上書きして更新する(ステップS305)。一方、登録ユーザー名に新たに抽出した独自設定ユーザー名が含まれていない場合、即ち独自設定ユーザー名がまだプリセット情報データベース205に登録されていない場合(ステップS304、No)、この時受信した独自情報を、新たな登録ユーザー名及び登録設定コマンド情報としてプリセット情報データベース205に対応させて登録する(ステップS306)。
【0049】
以上のようにして独自情報受信部204は、新たな独自情報を受信する毎に、プリセット情報データベース205の内容を更新する。
【0050】
次に、印刷装置200による印刷処理について、
図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
印刷装置200では、データ受信部201が、ホストPC100のプリンタドライバ110から送信される標準印刷データを受信して保持する(ステップS401)。プリセット情報取得部202は、この標準印刷データから、標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報(標準設定ユーザー名)を抽出する(ステップS402)。そして、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名(
図8)を検索し(ステップS403)、標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する(ステップS404)。
【0052】
登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていた場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在する場合(ステップS404、Yes)、プリセット情報データベース205の対応するプリセット情報からユーザー名を除いた独自設定コマンド情報を取得し(ステップS405、S406)、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する(ステップS407)。
【0053】
登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていない場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在しない場合(ステップS404、No)、標準印刷データに独自設定コマンド情報を追加することなく、そのまま印刷部203に送信する。印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する(ステップS408)。
【0054】
以上のように、
図1及び
図2に示す本実施の形態1の印刷システムによれば、ホストPC100の独自機能設定ツール120を利用してオペレータが設定する、OSのプリンタドライバ110には用意されていない独自印刷機能コマンドを、ユーザー名と関連付けて印刷装置200内のプリセット情報データベース205に格納し、印刷装置200は、プリンタドライバ110から標準印刷データを受信すると、プリセット情報データベース205に格納されている同じユーザー名に対応する独自印刷機能コマンドを標準印刷データに加えた上で、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく印刷を実行する。
【0055】
従って、本実施の形態の印刷システムによれば、印刷用プリンタドライバとしては、OS付随の標準的なプリンタドライバしか使用できないOSにおいても、ホストPCから、印刷するドキュメントのみに有効となる印刷装置独自の多彩な印刷機能をユーザー毎に容易に設定することができる。
【0056】
また、本実施の形態においては、第1の判定情報及び第2の判定情報として、共にユーザー名とした。しかしながら、これに限定されるものではなく、第1の判定情報と第2の判定情報が異なる情報であっても、これによって、第1のデータと第2のデータが適合していることが特定できればよい。例えば、第1の判定情報、第2の判定情報として、先に例示したユーザー名、ログイン名、暗証番号、社員番号等をどのように組み合わせても良い。
【0057】
実施の形態2.
図17は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態2の印刷装置250の要部構成を示すブロック図である。この印刷装置250を採用する印刷システムが前記した
図1、
図2に示す実施の形態1の印刷システムと主に異なる点は、印刷装置250に印刷装置パネル表示部251が追加された点と、これに伴うプリセット情報取得部252のデータ処理内容である。従って、この印刷装置250を採用する印刷システムが、前記した実施の形態1の印刷システム(
図1、
図2)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0058】
本実施の形態におけるホストPCは、前記した実施の形態1のホストPC100(
図1)と同じであるため、ここでの説明は省略するが、以下の説明では、必要に応じて
図1のホストPC100を参照する。
【0059】
図17に示す印刷装置250において、独自情報受信部204とプリセット情報データベース205の構成、及び
図15のフローチャートを参照するプリセット情報データベース205へのプリセット情報登録処理は、前記した実施の形態1で説明した内容と全く同じなので、ここでの説明は省略する。
【0060】
図17に示す印刷装置250では、データ受信部201が、ホストPC100(
図1)のプリンタドライバ110から送信された標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)を受信し、保持する。プリセット情報取得部252は、データ受信部201に保持された標準印刷データから標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報を抽出する。尚、ここで標準印刷データから抽出したユーザー名を、標準設定ユーザー名と称す。
【0061】
プリセット情報取得部252は、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名を検索し、データ受信部201が保持する標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する。標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていた場合、プリセット情報データベース205から対応する独自設定コマンド情報を取得し、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する。印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する。
【0062】
標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていない場合、プリセット情報取得部252は、独自機能設定ツール120(
図1)によって、対応する、独自印刷機能コマンド情報とユーザー名とを備えた独自情報(プリセット情報)を生成し、プリセット情報データベース205に登録するように要請する内容のメッセージを、報知部としての印刷装置パネル表示部260に表示させる。
図18は、このとき印刷装置パネル表示部260が表示するメッセージの一例を示す図である。
【0063】
メッセージが表示されている間、印刷処理は保留される。独自機能設定ツール120にて独自情報(プリセット情報)が作成され、プリセット情報データベース205に登録された場合には印刷処理が再開され、メッセージが表示されている間に、印刷装置パネル表示部260に配設されたキャンセルボタン260a(
図18)が押下された場合は印刷を中止する。
【0064】
以上の構成において、印刷装置250による印刷処理について、
図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0065】
印刷装置250では、データ受信部201が、ホストPC100(
図1)のプリンタドライバ110から送信される標準印刷データを受信して保持する(ステップS501)。プリセット情報取得部252は、この標準印刷データから、標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報(標準設定ユーザー名)を抽出する(ステップS502)。そして、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名(
図8)を検索し(ステップS503)、標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する(ステップS504)。
【0066】
登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていた場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在する場合(ステップS504、Yes)、印刷装置パネル表示部260にメッセージが表示されている場合にはこれを消去し(ステップS505)、プリセット情報データベース205の対応するプリセット情報からユーザー名を除いた独自設定コマンド情報を取得し(ステップS506、S507)、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する(ステップS508)。印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する(ステップS509)。
【0067】
一方、ステップ504で、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていない場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在しない場合(ステップS504、No)、独自機能設定ツール120(
図1)によって、独自情報(プリセット情報)を生成し、プリセット情報データベース205に登録するように要請する内容のメッセージを、印刷装置パネル表示部260に表示させる(ステップS510)。
【0068】
ここで印刷処理を一旦中断し、印刷装置パネル表示部260のキャンセルボタン260a(
図18)が押下されたか或いは新たにプリセット情報が登録されたかを監視する(ステップS511)。オペレータが印刷装置パネル表示部260に表示されたメッセージに促されて独自情報を作成し、新たなプリセット情報がプリセット情報データベース205に登録された場合には(ステップS511、登録)、ステップS503に戻って、再度プリセット情報データベース205の登録ユーザー名検索を実行し、ステップS504〜ステップS511の処理を繰り返す。
【0069】
一方、ステップS511でキャンセルボタン260aの押圧が検出された場合(ステップS511、キャンセル)、データ受信部201に保存した標準印刷データを削除し、印刷処理を終了する。
【0070】
従って、前記した実施の形態1の印刷システムでは、印刷装置200のプリセット情報データベース205に、所望のプリセット情報が登録されていない場合には、独自印刷機能コマンドを付加せずに標準機能のみによる印刷を行っていたが、本実施の形態の印刷システムでは、所望のプリセット情報が登録されていない場合、印刷処理を一端中断してオペレータに対して対応するプリセット情報を登録するように促し、新たなプリセット情報の登録を待って、所望の機能設定による印刷を実行する。
【0071】
以上のように、本実施の形態の印刷システムによれば、実施の形態1の効果に加えて、所望のプリセット情報が登録されていない状態で印刷起動した場合には、一端処理を保留し、新たなプリセット情報の登録を促すメッセージを表示し、新たなプリセット情報が登録されるのを待ってから印刷を開始することができるので、常に、印刷装置の機能を十分に生かした印刷を実行することが可能となる。
【0072】
実施の形態3.
図20は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態3のホストPC300のホスト端末部の要部構成を示すブロック図であり、
図21は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態3の印刷装置350の要部構成を示すブロック図である。
【0073】
このホストPC300及び印刷装置350を採用する印刷システムが前記した
図1、
図2に示す実施の形態1の印刷システムと主に異なる点は、独自印刷機能情報データベース352(実施の形態1では122)をホストPC300にではなく、印刷装置350に設けている点である。従って、この本実施の形態の印刷システムが、前記した実施の形態1の印刷システム(
図1、
図2)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0074】
図20、
図21に示すように、ここでは、独自機能設定ツール320の印刷機能設定表示部121及び独自印刷機能情報作成部123が、印刷装置350に設けられた独自印刷機能情報データベース352と通信できるよう接続されている。
【0075】
以上のように構成された本実施の形態の印刷システムにおいて、各部が行う標準印刷データ生成処理、独自情報生成処理、プリセット情報登録処理、及び印刷処理は、それぞれ前記した実施の形態1で、
図13に示すフローチャート、
図14に示すフローチャート、
図15に示すフローチャート、及び
図16に示すフローチャートに基づいて説明した内容と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0076】
また、独自機能設定ツール320では印刷機能設定表示部121が、印刷設定項目や設定値を表示するために、印刷装置350内にある独自印刷機能情報データベース352へアクセスして情報を取得するが、例えばネットワーク障害などのためにアクセスできない場合は、独自機能設定ツール320のそもそもの目的である、印刷装置350へのプリセット情報の登録ができない状態となるため、代替処理等は設ける必要はない。
【0077】
また印刷装置350内に設けられた独自印刷機能情報データベース352への情報の登録は、例えば、印刷装置リリース時には、FirmWare内に実装し、更に装置の出荷後には、予め搭載した、印刷設定可能な機能を編集できる編集手段によって、印刷装置のオペレーションパネルやNIC内に実装しているWEBページなどで行うように構成してもよい。
【0078】
以上のように、実施の形態1の印刷システム(
図1、
図2参照)では、独自印刷機能情報を管理する独自印刷機能情報データベース122をホストPC100に設けているが、本実施の形態の印刷システムでは、印刷装置350自体が、独自機能設定ツール320で設定可能な独自印刷機能情報を管理する独自印刷機能情報データベース352を備え、そこから独自情報生成のためのデータを取得するように構成している。
【0079】
従って、複数の異なる印刷装置に対応するためには、実施の形態1の印刷システムでは、印刷装置毎に独自機能設定ツール120を用意するか、印刷装置毎の独自印刷機能情報を独自機能設定ツール120内に複数保持する必要があるため、新たな印刷装置に対応する毎に独自機能設定ツールを更新する必要があり、更に独自機能設定ツールのサイズの肥大化を招くが、本実施の形態の印刷システムによれば、それぞれの印刷装置が独自印刷機能情報を管理する独自印刷機能情報データベースを備えることになるため、新たな印刷装置に対応する場合でも、独自機能設定ツールの更新が不要となり、またホストPC300が独自印刷機能情報を管理しないため、独自機能設定ツール320のサイズも小さいまま維持できる。
【0080】
実施の形態4.
図22は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態4のホストPC400のホスト端末部の要部構成を示すブロック図であり、
図23は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態4の印刷装置450の要部構成を示すブロック図である。
【0081】
このホストPC400及び印刷装置450を採用する印刷システムが前記した
図1、
図2に示す実施の形態1の印刷システムと主に異なる点は、ホストPC400の独自機能設定ツール420に対象AP選択部421を設け、印刷装置450にAP名取得部456を設け、これに伴って、印刷システムにおけるデータ処理の一部が異なる点である。従って、この本実施の形態の印刷システムが、前記した実施の形態1の印刷システム(
図1、
図2)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0082】
図22において、対象AP選択部421は、印刷機能設定表示部121で設定した設定値情報が対象とするアプリケーション(AP)名を指定する。この時対象AP選択部421は、
図24に示すアプリケーション(AP)設定ダイアログを表示し、オペレータはこのアプリケーション設定ダイアログに基づいて、独自印刷機能情報データベース422に登録されているアプリケーション名を選択指定するか、或いは独自印刷機能情報データベース422に未登録のアプリケーション名を、そのドキュメントの拡張子を入力して指定する。尚、アプリケーション名及び拡張子は、属性情報として付加されるものである。
【0083】
図23において、AP名取得部456は、データ受信部451が保持する、ホストPC400のプリンタドライバ110から送信された標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)から、標準印刷機能設定データに含まれる属性情報としてのアプリケーション(AP)名を抽出する。
【0084】
次にホストPC400及び印刷装置450の各部における動作(データ処理)の流れについて、
図26〜
図28に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、プリンタドライバ110による標準印刷データ生成処理は、前記した実施の形態1で、
図13に示すフローチャートに基づいて説明した内容と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0085】
従って先ず、ホストPC400の独自機能設定ツール420による独自情報生成処理について、
図26に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0086】
印刷機能設定表示部121は、独自印刷機能情報を管理する独自印刷機能情報データベース422から設定可能な独自印刷機能情報を取得し(ステップS601)、各独自印刷機能情報の初期値、即ちデフォルト設定値を設定値保存エリア121aに記憶し(ステップS602)、このデフォルト設定値を初期設定値として印刷設定ダイアログ(
図6)を表示する(ステップS603)。
【0087】
オペレータが表示された独自印刷機能情報の設定を変更する場合(ステップS604、設定)、印刷機能設定表示部121は、オペレータによって、前記した自動トレイ切り替え機能、極細線補正機能、カラーマッチング精度機能等の独自機能(
図26では、独自機能A,B等で示す)の各項目の選択・設定が行われるのに伴って、変更された設定値情報を順次更新して設定値保存エリア121aに保存する(ステップS604−1、S604−2・・・・)。
【0088】
独自印刷機能設定の変更が終了した場合或いは機能設定を行わない場合(ステップS604、印刷)、対象AP選択部421では、印刷機能設定表示部121で設定した独自印刷機能が有効となるアプリケーションを取得する。このため、先ず独自印刷機能情報データベース422からアプリケーション情報を取得し(ステップS605)、オペレータによってアプリケーション名の指定方法を選択させる(ステップS606)。ここでオペレータが
図24に示すダイアログにおいて、「アプリケーション名」、即ち表示されるアプリケーション名を選択する方法を選んだ場合(ステップS606、選択)、選択されたプリケーション名を取得し(ステップS607)、「任意指定」を選んだ場合(ステップS606、入力指定)、ドキュメントの拡張子を入力する入力情報を取得する(ステップS608)。
【0089】
次に、独自印刷機能情報作成部423は、各設定項目の設定値に対応する設定コマンド及び優先度(オーダー)を取得して出力コマンド保存エリア423aに保存し(ステップS609)、保存されている優先度(オーダー)情報を基に設定コマンドの出力順をソートする(ステップS610)。
【0090】
最後に独自印刷機能情報作成部423は、出力コマンド保存エリア423aに保存するソート済みの設定コマンドである独自印刷機能コマンド情報にユーザー名を付加し(ステップS611)、更に対象AP選択部421で取得したアプリケーション情報を付加し(ステップS612)、独自情報(独自印刷機能コマンド情報+ユーザー名+AP情報)の作成処理を終了する。ここで作成された独自情報は、印刷装置450の独自情報受信部454に送信される。
【0091】
尚、ここでのユーザー名は、例えばホストPC400の図示しない保存部に予め登録されているユーザー情報(ログイン名)が初期値として使用されるが、
図7に示すように、印刷機能設定表示部121にユーザー名登録ダイアログを表示し、ここから任意のユーザー名を登録するようにしてもよい。
【0092】
次に、印刷装置450の独自情報受信部454によるプリセット情報登録処理について、
図27に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0093】
独自情報受信部454は、ホストPC400の独自機能設定ツール420から送信される独自情報を受信して保持し(ステップS701)、独自情報に付加されたユーザー情報を抽出し(ステップS702)、同じく独自情報に付加されたアプリケーション情報を抽出する(ステップS703)。そして、プリセット情報データベース455に登録済みの登録ユーザー名及び登録アプリケーション名を検索し(ステップS704)、抽出した独自設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するデータ(プリセット情報)がその中に含まれているか否かを判定する(ステップS705)。
【0094】
ここでプリセット情報データベース455について説明する。
図25は、プリセット情報データベース455のデータ保持構成を概略的に示す図であり、同図に示すように、プリセット情報データベース455は、独自情報受信部454によって登録或いは上書きされるデータを管理する。ここでは
図25に示すように、登録ユーザー名の欄に登録されたユーザー名を、仮にユーザー名(1)〜ユーザー名(n)として登録し、登録アプリケーション名及び登録設定コマンド情報の欄に、ユーザー名と同じ独自情報から得た登録アプリケーション名と独自設定コマンド情報をそれぞれ対応させて登録している。
【0095】
登録ユーザー名及び登録アプリケーション名の欄に、新たに抽出した独自設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するデータ(プリセット情報)が含まれていた場合、即ち独自設定ユーザー名及びアプリケーション名を同じくするプリセット情報がすでに登録されていた場合(ステップS705、Yes)、新たな独自印刷機能コマンド情報を、登録済みの対応する独自設定コマンド情報(
図25)に上書きして更新する(ステップS706)。
【0096】
一方、抽出した独自設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するプリセット情報が含まれていない場合、即ち独自設定ユーザー名及びアプリケーション名を同じくするプリセット情報が未登録の場合(ステップS705、No)、この時受信した独自情報の独自設定ユーザー名、アプリケーション名、及び独自印刷機能コマンド情報を対応させたプリセット情報をプリセット情報データベース205に新規登録する(ステップS707)。
【0097】
以上のようにして、独自情報受信部454は、新たな独自情報を受信する毎に、プリセット情報データベース455の内容を更新するので、プリセット情報データベース455には、
図25に示すように、ユーザー名とアプリケーション名とが異なる組み合わせのプリセット情報が保管される。
【0098】
次に、印刷装置450による印刷処理について、
図28に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0099】
印刷装置450では、データ受信部451が、ホストPC400のプリンタドライバ110から送信される標準印刷データを受信して保持する(ステップS801)。AP名取得部456は、この標準印刷データから、標準印刷機能設定データに含まれるアプリケーション情報を抽出して保持し(ステップS802)、プリセット情報取得部452は、標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報(標準設定ユーザー名)を抽出し(ステップS803)、そしてプリセット情報データベース455に登録済みの登録ユーザー名及び登録アプリケーション名を検索し(ステップS804)、標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するデータ(プリセット情報)がその中に含まれているか否かを判定する(ステップS805)。
【0100】
登録ユーザー名及び登録アプリケーション名の欄に、抽出した標準設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するデータ(プリセット情報)が含まれていた場合、即ちユーザー名及びアプリケーション名を同じくするプリセット情報がすでに登録されていた場合(ステップS805、Yes)、プリセット情報データベース455の対応するプリセット情報からユーザー名及びアプリケーション名を除いた独自設定コマンド情報を取得し(ステップS806、S807)、データ受信部451に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部453に送信する(ステップS808)。
【0101】
一方、抽出した標準設定ユーザー名及びアプリケーション名が共に一致するプリセット情報が含まれていない場合、即ちユーザー名及びアプリケーション名を同じくするプリセット情報が未登録の場合(ステップS805、No)、標準印刷データに独自設定コマンド情報を追加することなく、そのまま印刷部453に送信する。印刷部453では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する(ステップS809)。
【0102】
従って、前記した実施の形態1の印刷システムでは、ユーザー毎に異なる印刷設定での印刷を可能としたが、本実施の形態の印刷システムでは、ユーザー及びアプリケーションの何れかが異なる毎に、異なる印刷設定での印刷を可能としている。
【0103】
以上のように、本実施の形態の印刷システムによれば、例えばPowerpointはカラーで印刷したいが、Wordはモノクロで印刷したい、WEBは4‐UPで印刷したい、など、同じユーザーであっても印刷を行うドキュメント種によって、異なる印刷設定としたい場合などに対応でき、より多岐にわたる状況に応じた印刷設定が可能となる。
【0104】
実施の形態5.
図29は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態5のホストPC500のホスト端末部の要部構成を示すブロック図であり、
図30は、本発明による印刷システムを構成する実施の形態5の印刷装置550の要部構成を示すブロック図である。
【0105】
このホストPC500及び印刷装置550を採用する印刷システムが前記した
図1、
図2に示す実施の形態1の印刷システムと主に異なる点は、ホストPC500の独自機能設定ツール520にリクエスト表示部524を設け、これに伴って、独自機能設定ツール520及び印刷装置550のプリセット情報取得部552におけるデータ処理の一部が異なる点である。従って、この本実施の形態の印刷システムが、前記した実施の形態1の印刷システム(
図1、
図2)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0106】
図29に示すホストPC500において、プリンタドライバ110による標準印刷データ生成処理は、前記した実施の形態1で、
図13に示すフローチャートに基づいて説明した内容と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0107】
図29に示す独自機能設定ツール520において、報知部としてのリクエスト表示部524は、後述する印刷装置550(
図30)のプリセット情報取得部552からの要請に応じて、新たな独自情報(プリセット情報)を生成してプリセット情報データベース205に登録するように要請する内容のメッセージを表示する。
【0108】
図30に示す印刷装置550において、独自情報受信部204とプリセット情報データベース205の構成、及び
図15のフローチャートを参照するプリセット情報データベース205へのプリセット情報登録処理は、前記した実施の形態1で説明した内容と全く同じなので、ここでの説明は省略する。
【0109】
図30に示す印刷装置550では、データ受信部201が、ホストPC500(
図29)のプリンタドライバ110から送信された標準印刷データ(印刷データ+標準印刷機能設定データ)を受信し、保持する。プリセット情報取得部552は、データ受信部201に保持された標準印刷データから標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報を抽出する。尚、ここで標準印刷データから抽出したユーザー名を、標準設定ユーザー名と称す。
【0110】
プリセット情報取得部552は、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名を検索し、データ受信部201が保持する標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する。標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録され、且つ対応する独自設定コマンド情報がある場合、プリセット情報データベース205から対応する独自設定コマンド情報を取得し、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する。印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する。
【0111】
標準設定ユーザー名がプリセット情報データベース205に登録されていない場合、プリセット情報取得部552は、独自機能設定ツール520(
図29)によって、対応する、独自印刷機能コマンド情報とユーザー名とを備えた独自情報(プリセット情報)を新たに生成するように要求する。従って、要求に応じて新たに作成される独自情報(プリセット情報)のユーザー名が、ここで抽出した標準設定ユーザー名となるように、要求時にこの標準設定ユーザー名も添付する。
【0112】
リクエスト表示部524では、この要求に応じて、オペレータに対して独自情報を作成するように要請する内容のメッセージを表示するとともに、後述するようにオペレータがこのメッセージをみて、独自情報(プリセット情報)を作成するか否かを判定するためのダイアログを表示する。
図31は、このときリクエスト表示部524が表示するメッセージの一例を示す図である。
【0113】
次にホストPC500の独自機能設定ツール520及び印刷装置550のプリセット情報取得部552における動作(データ処理)の流れについて、
図32、
図33に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0114】
先ず、印刷装置550による印刷処理について、
図32に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0115】
印刷装置550では、データ受信部201が、ホストPC500のプリンタドライバ110から送信される標準印刷データを受信して保持する(ステップS901)。プリセット情報取得部552は、この標準印刷データから、標準印刷機能設定データに含まれるユーザー情報(標準設定ユーザー名)を抽出する(ステップS902)。そして、プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名(
図8参照)を検索し(ステップS903)、標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が、その中に含まれるか否かを判定する(ステップS904)。
【0116】
尚、このとき、プリセット情報データベース205には、前記した実施の形態1の
図14のフローチャートに示す独自情報生成処理、或いは後述する
図33に示す独自情報生成処理によって形成された独自情報(プリセット情報)が複数保管されているものとする。
【0117】
プリセット情報データベース205に登録済みの登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていない場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在しない場合(ステップS904、No)、プリセット情報取得部552は、独自機能設定ツール520(
図29)に対して独自情報(プリセット情報)を新たに生成するように、ここで抽出した標準設定ユーザー名を添付して要求する(ステップS905)。尚、この要求に応じて、独自機能設定ツール520のリクエスト表示部524では、後述するように、例えば
図31に示す内容のダイアログを表示する。
【0118】
一方、登録ユーザー名に標準印刷データから抽出した標準設定ユーザー名が含まれていた場合、即ちプリセット情報データベース205に、該当するユーザー名が存在する場合(ステップS904、Yes)、更にそのユーザー名に対応する独自設定コマンド情報が存在するか否かを判定する(ステップS906)。尚、ここでの判定は、後述するように、オペレータが、
図31に示すダイアログにおいて、「プリセットを作成せずに印刷する」を選択した場合、検索されたユーザー名に対応する独自設定コマンド情報が空のプリセット情報がプリセット情報データベース205内に存在するために行われる。
【0119】
ここで、ユーザー名に対応する独自設定コマンド情報が存在する場合(ステップS906、Yes)、プリセット情報データベース205から対応する独自設定コマンド情報を取得し(ステップS907)、データ受信部201に保持されている標準印刷データの標準印刷機能設定データに独自設定コマンド情報を追加して印刷部203に送信する(ステップS908)。
【0120】
一方、検索されたユーザー名に対応する独自設定コマンド情報が存在しない場合(ステップS906、Yes)、対応する独自設定コマンド情報が存在しないこのユーザー名をプリセット情報データベース205から削除し(ステップS909)、標準印刷データに独自設定コマンド情報を追加することなく、そのまま印刷部203に送信する。印刷部203では、印刷データに付随する各種の機能設定指示に基づく既存の印刷プロセスにより、所定の記録媒体への印刷を実行する(ステップS910)。
【0121】
次に、ホストPC500の独自機能設定ツール520による独自情報生成処理について、
図33に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0122】
尚、
図33に示すフローチャートは、印刷装置550のプリセット情報取得部552から、独自情報(プリセット情報)を新たに生成するように要求(
図32のステップS905参照)された際に行う独自情報生成処理を示すもので、それ以外の通常の独自情報生成処理は、前記した実施の形態1で説明した
図14のフローチャートに基づいて行われるものである。
【0123】
印刷装置550のプリセット情報取得部552から、新たに独自情報(プリセット情報)を生成する要請があると、リクエスト表示部が
図31に示すダイアログを表示する(ステップS951)。この画面に基づいて、オペレータが新たな独自情報(プリセット情報)を作成するか否かのどちらを選択するかを監視する(ステップS952)。
【0124】
オペレータが「作成する」を選択した場合(ステップS952、作成する)、独自機能設定ツール520は、ステップS953〜ステップS959の処理によって独自情報(独自印刷機能コマンド情報+ユーザー名)を作成し、印刷装置550の独自情報受信部204に送信するが、このステップS953〜ステップS959の処理は、前記した実施の形態1において、
図14のフローチャートのステップS201〜ステップS207で説明した独自機能設定ツール120(
図1)の処理と全く同じなのでここでの説明は省略する。但し、ステップS959では、先にプリセット情報取得部552から送られてきた標準設定ユーザー名を添付する。
【0125】
一方、オペレータが「作成しない」を選択した場合(ステップS952、作成しない)、独自機能設定ツール520は、独自印刷機能コマンド情報を作成せずに(ステップS960)、ユーザー情報だけ付加した独自情報(ユーザー名のみ)を印刷装置550の独自情報受信部204に送信する(ステップS959)。
【0126】
印刷装置550の独自情報受信部204は、前記した実施の形態1で説明した
図15のフローチャートに基づいてプリセット情報データベース205へのプリセット情報登録処理を行うので、プリセット情報データベース205には、
図8に示すように、登録ユーザー名の欄に登録されたユーザー名と登録設定コマンド情報の欄に登録された独自設定コマンド情報とが対応するプリセット情報に加え、対応する独自設定コマンド情報のないユーザー名が登録ユーザー名の欄に登録されることになる。
【0127】
従って、前記した実施の形態2の印刷システムでは、印刷装置250(
図17)に登録済のプリセット情報がない場合には印刷を保留し、印刷装置内の印刷装置パネル表示部260にプリセット情報の登録を促すメッセージを表示させていが、本実施の形態の印刷システムでは、ホストPC500(
図29)に同内容のメッセージを表示し、オペレータによって、新たに登録するプリセット情報の内容、即ち独自設定コマンド情報を添付するか否かを選択させた後、少なくとも要求されたユーザー名を備えたプリセット情報を登録するようにしている。
【0128】
従って、印刷時に、登録済のプリセット情報がない場合にも、オペレータの意志のもとに、新たに登録されたプリセット情報によって、印刷機能が補強された状態で、或いは基本的な印刷機能のまま印刷を進めることになる。
【0129】
以上のように、本実施の形態の印刷システムによれば、印刷装置にプリセット情報がない場合には、プリセット登録のリクエストメッセージをホストPCに表示させるため、より迅速にプリセット情報を登録することが可能となる。
【0130】
尚、前記した実施の形態4では、実施の形態1の構成の下に、ユーザー及びアプリケーションの何れかが異なる毎に、異なる印刷設定での印刷を可能する例を示したが、例えば実施の形態3のように独自印刷機能情報データベースが印刷装置の側に備えられた構成でも適用でき、更に実施の形態2或いは5のように、表示手段によりメッセージをオペレータに伝えたのち、オペレータの意志に基づいて印刷処理を行う構成のものにも適用できるものである。