特許第6170993号(P6170993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170993
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】遠近両用眼鏡状のフレーム
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/08 20060101AFI20170713BHJP
   G02C 1/06 20060101ALI20170713BHJP
   G02C 5/12 20060101ALI20170713BHJP
   G02C 5/14 20060101ALI20170713BHJP
   G02C 7/06 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   G02C7/08
   G02C1/06
   G02C5/12
   G02C5/14
   G02C7/06
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-248413(P2015-248413)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-116575(P2017-116575A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年12月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596179070
【氏名又は名称】関 則雄
(74)【代理人】
【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】関 則雄
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−159733(JP,A)
【文献】 特開2007−047283(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0092153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠(1)と、該一対のレンズ保持枠(1)を略中央高さで連結するブリッジ(2)と、前記レンズ保持枠(1)の外側で且つその略中央高さに設けた取付部(3)と、該取付部(3)に先端が折畳み可能に取付けたツル(4)と、前記ブリッジ(2)の両端部には上下反転した際に鼻に当接して支持出来るように設けた鼻当部(5)と、から少なくとも構成し、且つ、前記ツル(4)の先端側に垂直方向の段差部(6)を設け、該段差部(6)を、レンズA或いはレンズBの中心と前記ツル(4)の後端側の高さが合致される段差とし、更に前記段差部(6)よりも先端側の前記ツル(4)には上下反転可能にするための上下反転手段(7)を取付けたことを特徴とする遠近両用眼鏡状のフレーム。
【請求項2】
前記上下反転手段(7)が、半球面凹状の内面を有する本体(71)と、該本体(71)の内部で抱持される球体(72)と、前記本体(71)に取付ける蓋体(73)と、前記本体(71)に蓋体(73)を取付けるための締結材(74)と、から少なくとも成された請求項1記載の遠近両用眼鏡状のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は上下反転しても掛けることが出来る遠近両用眼鏡状のフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に遠近両用眼鏡は、1枚のレンズの上部を遠視用に、その下部を近視用に成し、眼鏡の装着者が眼球の方向や見る角度を変え、遠くの物を見る時には上目使いに、近くの物を見る時には下目使いにして見ているのが現状である。この場合、図9(a)に示すように視線が水平位置から下方に向って物を見るため、物を見るのに正視する(レンズの中心と目の高さが合致した視線で見る)のが自然であるのに対して、特に近くの物を見る時の視線は、不自然な見方、不自然な使い方で無理が生じ易く、目の疲れを誘発し易いものとなっていた。
【0003】
このため、下方の近視用領域を目の位置に近付けて、視線を正視状態に近くするための提案も多くある。この時、鼻当部だけを上下移動させると、図9(b)に示すように視線を水平位置から下方に向けて物を見ると、図9(a)の時よりも下方に向ける位置が少なくて済み、目の高さに近付けることができる。しかし、この時のレンズ全体が図中のように傾くため、見にくいものとなり、目の疲労が生じ易いものとなっていた。
【0004】
又、眼鏡自体を反転させる眼鏡や、眼鏡自体の高さを鼻当て位置の上下高さ調節によって目の位置に近付けた眼鏡など多種類のものがあり、例えば、特開平7−199126号が提案されている。これは、反転して眼鏡が掛けられるようにツルを反転して耳当部を上下反転させると共に、鼻当部を上下移動させて、遠中視部又は近視部の中央付近に目が位置するようにする構造のものである。
【0005】
しかしなら、眼鏡自体を反転させる眼鏡は、取付部が眼鏡枠の外側中央高さに設けられているため、眼鏡自体を反転させても、視線が上下のレンズの境に来て見にくくなり、必ず鼻当部の上下高さを調節しなければならないものであった。この眼鏡は反転させて使用できるようにした後、鼻当部を上下移動させて調節する必要があり、面倒であると共に、鼻当部の上下移動させる微調節はなかなか正確に行うのは困難である。又、この時の視線としては、図9(c)に示すようになり、目の高さにズレが生じ、且つ、レンズ全体が図中のように傾くため、目の疲労をなくすことはできないものであった。
【0006】
尚、上記以外に眼鏡自体を反転させて掛けられるようにしたものとして、実開昭56−52721号「持運び用細身形老眼鏡」,特開2014−85363「上下反転式遠近両用メガネ」,実用新案登録第3031992号「めがね」,特開平7−159733号「遠近両用眼鏡」などが提案されているが、実開昭56−52721号と特開2014−85363は、耳当部が略直線であるため、眼鏡がズレ或いは外れて落下し易いものであった。又、実用新案登録第3031992号と特開平7−159733号は上下用の耳当部がそのままの形状で単に一体化されたものであるため、見栄えが悪く且つ違和感があるものとなり、実用性に欠けたものとなっていた。更に、実開昭56−52721号,特開2014−85363,実用新案登録第3031992号,特開平7−159733号は、レンズの中心と目の高さのズレが生じるため、目の疲労を誘発し易いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−199126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上下反転して異種類のレンズなどを簡単に使い分け可能になると共に、レンズなどの中心と目の高さを合致させて眼精疲労が軽減される遠近両用眼鏡状のフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記現状に鑑みて成されたものであり、つまり、上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠と、該一対のレンズ保持枠を略中央高さで連結するブリッジと、レンズ保持枠の外側で且つその略中央高さに設けた取付部と、該取付部に先端が折畳み可能に取付けたツルと、ブリッジの両端部には上下反転した際に鼻に当接して支持出来るように設けた鼻当部と、から少なくとも構成し、且つ、ツルの先端側に垂直方向の段差部を設け、該段差部を、レンズA或いはレンズBの中心とツルの後端側の高さが合致される段差とし、更に、段差部よりも先端側のツルに上下反転可能にするための上下反転手段を取付けたものとする。また前記上下反転手段が、半球面凹状の内面を有する本体と、該本体の内部で抱持される球体と、本体に取付ける蓋体と、本体に蓋体を取付けるための締結材と、から少なくとも成されたものとしても良く、且つ、前記取付部に上下反転手段を備えて一体化したものとしても良い。更に、前記ブリッジに鼻当部が上下反転可能に設けられたものとしても良い。尚、本発明で言う「略中央高さ」には、中央高さ及び中央高さ付近の高さも含むものとする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠(1)と、該一対のレンズ保持枠(1)を略中央高さで連結するブリッジ(2)と、レンズ保持枠(1)の外側で且つその略中央高さに設けた取付部(3)と、該取付部(3)に先端が折畳み可能に取付けたツル(4)と、ブリッジ(2)の両端部には上下反転した際に鼻に当接して支持出来るように設けた鼻当部(5)と、から少なくとも構成し、且つ、ツル(4)の先端側に垂直方向の段差部(6)を設け、該段差部(6)よりも先端側のツル(4)に上下反転可能とするための上下反転手段(7)を取付けることによって、上下反転して異種類のレンズなどを簡単に使い分け可能となる。更に従来品の如く調節や微調節することが不要なものとなるのである。
またツル(4)の後端側の高さがレンズA或いはレンズBの中心と合致されるような段差部(6)を設けることにより、レンズAの眼鏡とレンズBの眼鏡の2種類の眼鏡が、上辺同士を固定した眼鏡と略同様な使用が可能となるため、レンズAの眼鏡とレンズBの眼鏡を使い分けて単独の眼鏡として使用する状態と略同一の感覚となり、反転しても目の高さがズレないので、物を見る場合、正視する自然状態となり、眼精疲労が軽減可能なものとなると共に、レンズの使用範囲(視線の移動範囲)が広がるものとなる
【0011】
請求項2に示すように上下反転手段(7)が、半球面凹状の内面を有する本体(71)と、該本体(71)の内部で抱持される球体(72)と、本体(71)に取付ける蓋体(73)と、本体(71)に蓋体(73)を取付けるための締結材(74)と、から少なくとも成されることによって、上下反転がスムーズに行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
図2図1の正面を示す説明図である。
図3図1の平面を示す説明図である。
図4】本実施形態の上下反転手段の分解部品を示す斜視図である。
図5】本実施形態の上下反転手段と取付部及びその一体化した構造を示す説明図である。
図6】別実施形態の鼻当部を示す説明図である。
図7】本実施形態のレンズ保持枠が折曲されたものを示す説明図である。
図8】本発明の作用を示す説明図である。
図9】従来品の視線を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図1図3に基づいて説明する。(1)は上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠であり、該レンズ保持枠(1)はレンズA,Bの外周を図中の如く囲っているが、これに限定するものではなく、例えば、縁なし眼鏡のレンズ保持枠(1)を用いても良い。尚、前記レンズ保持枠(1)によって保持されるレンズとしては、凹レンズ,凸レンズ,板ガラス(素通しや偏光板),色付きガラス(サングラスなど),ウェアラブル端末グラスなどを用いるのが好ましい。またレンズの形状としては、図1図2の図中に示す四角形に限定されるものではなく、例えば円形,楕円形や他の形状でも良い。またレンズA,Bは個別でなく、1枚のレンズに一体化させたものとしても良い。更に前記レンズの代わりに、ウェアラブル端末用の表示画面と成すものとしても良い。
又、図7に示すようにレンズA,Bが傾斜するようにレンズ保持枠(1)を折曲(傾斜)させたものとしても良い。このレンズA,Bの傾斜は、各レンズの利用特性に合せたものであり、例えば、一般にレンズは若干下向きの視線で見るのが一番良いように作られたものがあり、それに対応して視線がレンズ中心に合致するようにレンズ保持枠(1)を折曲させると良い。尚、図中の一点鎖線は目の高さを示す。
【0014】
(2)は一対のレンズ保持枠(1)を略中央高さで連結するブリッジである。(3)はレンズ保持枠(1)の外側で且つその中央高さに設けた取付部であり、該取付部(3)は蝶番になっているが、図5(c)に示すように、後述する上下反転手段(7)が取付部(3)に備えられて一体化した構造としても良い。尚、縁なし眼鏡の場合の取付部(3)の位置は、レンズA,Bの中央高さ(境目)になるようにレンズ保持枠(1)に設ける。(4)は取付部(3)に取付けた折畳み可能なツルであり、該ツル(4)には後述する段差部(6)が先端側に設けられている。
【0015】
(5)はブリッジ(2)の両端部に設けると共に上下反転した際に鼻に当接して支持出来るようにした鼻当部であり、該鼻当部(5)はブリッジ(2)と一体に合成樹脂等で形成したものとしても良い。又、前記鼻当部(5)を図6に示すように、ブリッジ(2)に鼻当部(5)が上下反転可能に設けられたものとしても良い。この時のブリッジ(2)は丸棒状にしたものを用いると共に鼻当部(5)は弾力性を有する材料で形成されている。(6)はツル(4)の先端側に設けた垂直方向の段差部であり、該段差部(6)は、レンズA或いはレンズBの中心とツル(4)の後端側の高さを合致させるための段差である。この段差部(6)は、ツル(4)の後端側の高さが先端側の高さよりも図中に於いては高くなっているが、前記後端側の高さを先端側の高さよりも低くしたものとしても良い。
【0016】
(7)は段差部(6)よりも先端側のツル(4)に取付けられた上下反転手段であり、該上下反転手段(7)は、半球面凹状の内面を有する本体(71)と、該本体(71)の内部で抱持される球体(72)と、前記本体(71)に取付ける蓋体(73)と、前記本体(71)に蓋体(73)を取付けるための締結材(74)と、から少なくとも成されている。前記本体(71)はツル(4)と連結されており、その連結の仕方としては、図中の如く鍔が上下方向に位置するように連結しているが、鍔が水平方向に位置するように連結しても良い。又、前記本体(71)と蓋体(73)には、球体(72)が内蔵された時に横振れしないように、図中に示す切欠部が設けられている(図4参照)。前記球体(72)には、取付部(3)に一端が回動可能に取付けられるための杆が固着されている。また前記本体(71)と蓋体(73)の間に弾性を有した板状のクッション材(75)を設けたものとしても良く、このクッション材(75)は締結材(74)であるビス等の締付具合によって、球体(72)に適切な回転抵抗を付与可能とするために設けるものである。尚、適切な回転抵抗とは、ツル(4)の反転がスムーズに行えると共に、眼鏡を装着している間にズレや外れなどが生じない程度の強さを有する回転抵抗が付与される大きさが好ましい。(8)はツル(4)の後端部に取付けられた耳当部である。
【0017】
図5は本実施形態の上下反転手段と取付部及びその一体化した構造を示す図であり、これについて説明する。(a)は取付部(3)と回動可能なツル(4)の先端部に球体(72)が固着され、本体(71)と蓋体(73)によって、球体(72)が抱持されている。(b)は取付部(3)と回動可能なツル(4)の先端部に円筒体(76)が固着され、該円筒体(76)を挿入する有底円筒体(77)は後方のツル(4)に固着されている。また前記円筒体(76)の外周にはピン(78)を取付け、前記有底円筒体(77)の外周には円筒体(76)が180度程度回動可能とするためのピン対応用の溝(79)が穿設されている。(c)は取付部(3)にピンの一端を埋設し、そのピンの他端には球体(72)が固着され、(a)と同様に本体(71)と蓋体(73)によって、球体(72)が抱持されている。又、ツル(4)が折畳まれるための溝が90度程度穿設されている。
【0018】
次に本発明の作用を図8に基づいて説明する。先ず始めに(a)の状態について説明する。この状態で眼鏡を掛けると、段差部(6)よりも後端側のツル(4)の高さ(目の高さ)とレンズAの中心が合致しているので、物が非常に見易く、且つ、レンズAの上下を有効に使用できるものとなる。その後、レンズBを使用する時は、先ずツル(4)或いは、眼鏡を外して耳当部(8)の上下を上下反転手段(7)が介在されて反転する。すると、(a)の図中に示す二点鎖線ように耳当部(8)が上下反転される。その眼鏡を反転させて、耳に耳当部(8)を掛けると、(b)の状態となる。この時、上記レンズAの時と同じようにレンズBの中心が目の高さと合致するので、物を見る時に正視できるため、目の疲れが激減出来るものとなる
【0019】
このように上下反転して使用すれば良い、この時、レンズAとして凹レンズを使用し、レンズBとして凸レンズを使用すれば、従来の問題点が、素早く解決できるものとなる。つまり、1)運転席のカーナビやオーディオ機器等を操作した後、直ぐに前方を見ても、焦点が合わず前方がボケたり或いは距離感に異常を生じることが防止可能となる。2)コンピューターの前で、データーや文字を確認した後、画面を見ると細かな文字が見えにくく、且つ、眩しく感じたりすることがなくなり、目の疲れが減少し、頭痛や肩こり等が減少するものとなる。3)階段を下がる時に足元がボケ、歩きにくくなることが防止でき、階段を踏み外す事故も防止出来るものとなる。4)テレビジョンを見ながら新聞や雑誌を見てもピンボケが減少する。5)岩場で釣りをする場合、針に餌を付けた後にすぐに岩場を歩いても岩につまずくことが殆どなくなる。
【0020】
又、レンズAとしてサングラスを使用し、レンズBとして凸レンズを使用すると、特に運転席のカーナビやオーディオ機器等を操作した後、直ぐに前方をサングラスに変えて見れば、ボケたり或いは距離感に異常を生じることが防止可能となると共に眩しさに対応できるものとなる。更に、レンズAとしてウェアラブル端末グラスを使用し、レンズBとして凸レンズを使用すると、眼鏡としてレンズBを使用しながら、一々眼鏡を外さなくてもウェアラブル端末が使用できるものとなるのである。
【0021】
このように、本発明品を用いれば、別々に眼鏡を掛け変えなくても簡単に2種類のレンズがそれぞれ単独状態で使用できるものとなるのである。
【符号の説明】
【0022】
1 レンズ保持枠
2 ブリッジ
3 取付部
4 ツル
5 鼻当部
6 段差部
7 上下反転手段
71 本体
72 球体
73 蓋体
74 締結材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9