特許第6170995号(P6170995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170995
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】照明機器の電源回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170713BHJP
   H04B 3/54 20060101ALI20170713BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   H05B37/02 A
   H05B37/02 L
   H04B3/54
   H02J13/00 301B
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-254565(P2015-254565)
(22)【出願日】2015年12月25日
(62)【分割の表示】特願2014-259882(P2014-259882)の分割
【原出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-122652(P2016-122652A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】391006072
【氏名又は名称】トヨスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−082871(JP,A)
【文献】 特開2013−012455(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/118665(WO,A1)
【文献】 特開平06−098381(JP,A)
【文献】 特開2013−179715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H02J 13/00
H04B 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子に接続され、前記発光素子に電源を供給する照明機器の電源回路であって、
交流電源が供給される第1の配線と第2の配線が接続され、前記第1の配線に供給される前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記発光素子の光度を第1の状態に設定するための第1のコマンド信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記発光素子の光度を前記第1の状態と異なる第2の状態に設定するための第2のコマンド信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号と異なり、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号を供給していない通常時の第3のコマンド信号を受け、前記第1、第2、第3のコマンド信号を含む前記交流電源を直流電源に変換する変換回路と、
前記交流電源の電圧を検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記電圧に基づき前記第1のコマンド信号、前記第2のコマンド信号、及び前記第3のコマンド信号を判別し、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、パルス幅変調された第1又は第2の信号を生成する制御部と、
前記変換回路から出力される直流電源と、前記制御部から供給される前記第1又は第2の信号に基づき、前記発光素子を制御する電流制御回路と、
前記電源が切られる前の前記発光素子の明るさコードを記憶するメモリと、
を具備し、
前記制御部は、前記メモリに記憶された前記明るさコードを変更し、変更された明るさコードに従って、パルス幅変調された前記第1又は第2の信号を生成することを特徴とする照明機器の電源回路。
【請求項2】
前記発光素子は、第1の発光色を有する第1の発光素子と、第2の発光色を有する第2の発光素子とを含み、
前記変換回路は、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記第1乃至第3のコマンド信号と異なる第4のコマンド信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記第1乃至第4のコマンド信号と異なる第5のコマンド信号とを受け、前記第1乃至第5のコマンド信号を含む前記交流電源を直流電源に変換し、
前記電流制御回路は、前記第1の発光素子に対応した第1の定電流回路と、前記第2の発光素子に対応した第2の定電流回路を含み、
前記制御部は、前記第4のコマンド信号に対応して前記第1の定電流回路に現在のデューティ比より大きいパルス幅変調された第3の信号を供給し、前記第2の定電流回路に現在のデューティ比より小さいパルス幅変調された第4の信号を供給し、前記第5のコマンド信号に対応して前記第1の定電流回路に現在のデューティ比より小さいパルス幅変調された第5の信号を供給し、前記第2の定電流回路に現在のデューティ比より大きいパルス幅変調された第6の信号を供給し、
前記メモリは、前記電源が切られる前の前記第1の発光素子の第1の明るさコードと、前記第2の発光素子の第2の明るさコードを記憶し、
前記制御部は、前記第4のコマンド信号に対応して前記メモリに記憶された前記第1の明るさコード及び前記第2の明るさコードを変更し、変更された第1の明るさコード及び前記第2の明るさコードに従って、前記第1の定電流回路に現在のデューティ比より大きいパルス幅変調された前記第3の信号を供給し、前記第2の定電流回路に現在のデューティ比より小さいパルス幅変調された前記第4の信号を供給し、前記第5のコマンド信号に対応して前記メモリに記憶された前記第1の明るさコード及び前記第2の明るさコードを変更し、変更された前記第1の明るさコード及び前記第2の明るさコードに従って、前記第1の定電流回路に現在のデューティ比より小さいパルス幅変調された前記第5の信号を供給し、前記第2の定電流回路に現在のデューティ比より大きいパルス幅変調された前記第6の信号を供給することを特徴とする請求項1記載の照明機器の電源回路。
【請求項3】
第1、第2の発光素子に接続され、交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去されたアドレス信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去された第1又は第2のコマンド信号と、前記アドレス信号、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号を生成していない通常時、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記アドレス信号、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号と異なるダミーデータとを受け、前記第1、第2の発光素子にそれぞれ電源を供給する第1、第2の電源回路を具備する照明機器の電源回路であって、
前記第1の電源回路は、
前記交流電源が供給される第1の配線と第2の配線が接続され、前記第1の配線に供給される前記アドレス信号、前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを含む前記交流電源を直流電源に変換する第1の変換回路と、
前記交流電源に含まれる前記アドレス信号、及び前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを判別し、前記アドレス信号が前記第1の電源回路に該当するとき、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、パルス幅変調された第1又は第2の信号を生成する第1の制御部と、
前記第1の変換回路から出力される直流電源と、前記第1の制御部から供給される前記第1又は第2の信号に基づき、前記第1の発光素子を制御する第1の電流制御回路と、
を含み、
前記第2の電源回路は、
前記交流電源が供給される前記第1の配線と前記第2の配線が接続され、前記第1の配線に供給される前記アドレス信号、前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを含む前記交流電源を直流電源に変換する第2の変換回路と、
前記交流電源に含まれる前記アドレス信号、及び前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを判別し、前記アドレス信号が前記第2の電源回路に該当するとき、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、パルス幅変調された第3又は第4の信号を生成する第2の制御部と、
前記第2の変換回路から出力される直流電源と、前記第2の制御部から供給される前記第3又は第4の信号に基づき、前記第2の発光素子を制御する第2の電流制御回路と、
を具備し、
前記第1の電源回路は、
前記電源が切られる前の前記第1の発光素子の第1の明るさコードを記憶する第1のメモリをさらに具備し、
前記第1の制御部は、前記交流電源に含まれる前記アドレス信号、及び前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを判別し、前記アドレス信号が前記第1の電源回路に該当するとき、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、前記第1のメモリに記憶された前記第1の明るさコードを変更し、変更された前記第1の明るさコードに従って、パルス幅変調された前記第1又は第2の信号を生成し、
前記第2の電源回路は、
前記電源が切られる前の前記第2の発光素子の第2の明るさコードを記憶する第2のメモリをさらに具備し、
前記第2の制御部は、前記交流電源に含まれる前記アドレス信号、及び前記第1又は第2のコマンド信号、及びダミーデータを判別し、前記アドレス信号が前記第2の電源回路に該当するとき、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、前記第2のメモリに記憶された前記第2の明るさコードを変更し、変更された前記第2の明るさコードに従って、パルス幅変調された前記第3又は第4の信号を生成することを特徴とする照明機器の電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばLED(発光ダイオード)を利用した照明機器の光度を調整することが可能な調光システムに適用される照明機器の電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明の調光器は、交流電源の導通角をスイッチング素子で変化させる所謂位相制御方式を用いて構成されている。(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
位相制御方式の調光器は、スイッチング素子がターンオンする時、電源周波数に依存したノイズを発生する。このため、ハイインピーダンス負荷としてのLED照明機器の電源回路と調光器をマッチングさせることが難しい。また、複数の調光器を使用した場合、電源配線を介して複数の調光器のノイズが相互に干渉し、調光性能を低下させることがある。このため、調光器内にノイズ防止回路が設けられている。
【0004】
しかし、調光器内のノイズ防止回路とインダクタンス成分を有する例えばIHヒータなどの家電製品に含まれるノイズ防止回路とが干渉し、干渉音が発生するという新たな問題も生じている。
【0005】
さらに、調光器自身が発生するEMI(Electro-Magnetic Interference)の低減が要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−118229号公報
【特許文献2】特開2012−14953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本実施形態は、ノイズの発生を抑制して確実な調光が可能な照明機器の電源回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の照明機器の電源回路は、発光素子に接続され、前記発光素子に電源を供給する照明機器の電源回路であって、交流電源が供給される第1の配線と第2の配線が接続され、前記第1の配線に供給される前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記発光素子の光度を第1の状態に設定するための第1のコマンド信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記発光素子の光度を前記第1の状態と異なる第2の状態に設定するための第2のコマンド信号と、前記交流電源の複数の半サイクルが前記交流電源のゼロクロス点に対応して除去され、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号と異なり、前記第1のコマンド信号及び前記第2のコマンド信号を供給していない通常時の第3のコマンド信号を受け、前記第1、第2、第3のコマンド信号を含む前記交流電源を直流電源に変換する変換回路と、前記交流電源の電圧を検出する検出回路と、前記検出回路により検出された前記電圧に基づき前記第1のコマンド信号、前記第2のコマンド信号、及び前記第3のコマンド信号を判別し、前記第1のコマンド信号又は前記第2のコマンド信号に基づき、パルス幅変調された第1又は第2の信号を生成する制御部と、前記変換回路から出力される直流電源と、前記制御部から供給される前記第1又は第2の信号に基づき、前記発光素子を制御する電流制御回路と、前記電源が切られる前の前記発光素子の明るさコードを記憶するメモリと、を具備し、前記制御部は、前記メモリに記憶された前記明るさコードを変更し、変更された明るさコードに従って、パルス幅変調された前記第1又は第2の信号を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る調光システムの一例を概略的に示す構成図。
図2図1に示す第1の制御回路の動作を説明するために示すフローチャート。
図3図1の各部の動作を示す波形図。
図4図1に示す第2の制御回路の動作を説明するために示すフローチャート。
図5】第2の実施形態に係る調光調色システムの一例を概略的に示す構成図。
図6】第3の実施形態に係る調光調色システムの一例を概略的に示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
(概要)
前述した位相制御方式の調光器は、正弦波交流波形の半サイクル(180°)内において、スイッチング素子の導通角を変化させることによりLED照明機器の光度(明るさ)を調整している。
【0012】
これに対して、本実施形態に係る調光システムは、正弦波交流波形の半サイクルの導通角を変化させるのではなく、調光器からLED照明機器の電源回路に光度の増減を指示するためのコマンド信号を送信する。このコマンド信号は、交流波形の数サイクルのうち、幾つかのサイクルの半サイクルを除去することにより生成される。すなわち、交流波形の半サイクルの波形が無い場合(半サイクルの電圧がゼロレベルの場合)データ“0”、交流波形の半サイクルの波形が有る場合(半サイクルの電圧が有る場合)データ“1”という規則に基づき、光度を増加させるための第1のコマンド信号、又は光度を減少させるための第2のコマンド信号が生成される。これら第1、第2のコマンド信号がLED照明機器の電源回路に供給される。LED照明機器の電源回路は、第1、第2のコマンド信号に基づき、パルス幅変調(PWM)信号を生成し、LED照明機器の光度を調整する。
【0013】
(構成)
図1は、第1の実施形態に係り、例えば2線式の調光システム10を概略的に示している。この調光システム10は、調光器11と、LED照明機器20とにより構成されている。LED照明機器20は、電源回路31とLED21を含んでいる場合を示しているが、これに限定されるものではなく、電源回路31とLED21とを別体構成とすることも可能である。
【0014】
調光器11は、交流電源12の一端に接続された配線13に挿入接続され、LED照明機器20の電源回路31は、交流電源12の一端に接続された配線13と、交流電源12の他端に接続された配線14に接続されている。調光器11は、電源回路31と後述する通信フォーマットに従った第1、第2、第3のコマンドを通信し、LED照明機器20の光度を調整する。
【0015】
調光器11において、双方向のスイッチング素子、例えばトライアック15が配線13に挿入接続されている。トライアック15の両端には、電源生成回路16が接続されている。この電源生成回路16は、整流回路16aとレギュレータ回路16bとにより構成され、トライアック15のオフ期間に直流電源を生成する。整流回路16aは、例えば全波整流回路により構成されている。レギュレータ回路16bは、例えばトランジスタ、ツェナーダイオード、複数のコンデンサ、複数の抵抗、及び周知の3端子レギュレータにより構成される。電源生成回路16の構成は、これに限定されるものではない。
【0016】
レギュレータ回路16bから出力される直流電圧は、第1の制御回路17及びゼロクロス検出回路18に電源として供給される。また、整流回路16aの出力電圧は、ゼロクロス検出回路18に供給される。
【0017】
ゼロクロス検出回路18は、整流回路16aから供給される電圧のレベルに基づき、電源電圧のゼロクロス点を検出する。ゼロクロス検出回路18は、例えば例えばトランジスタにより構成されている。このトランジスタの電流通路の一端は、レギュレータ回路16bに接続され、このレギュレータ回路16bから電源が供給される。また、トランジスタの電流通路の他端は接地されている。このトランジスタのゲートに全波整流出力が供給される。トランジスタは、全波整流出力がある場合、オンし、電流通路の一端はローレベルとなる。また、全波整流出力がゼロ電位となると、トランジスタがオフし、電流通路の一端はハイレベルとなる。このハイレベルの信号がゼロクロス点を示す信号として第1の制御回路17に供給される。
【0018】
ゼロクロス検出回路18は、これに限定されるものではなく、例えば整流回路16aの出力電圧と一定の閾値電圧を比較器により比較する構成とすることも可能である。
【0019】
第1の制御回路17には、第1、第2のスイッチUP、DNが接続されている。第1のスイッチUPは、例えば光度の増加を指示するためのスイッチであり、第2のスイッチDNは、例えば光度の減少を指示するためのスイッチである。第1、第2のスイッチUP、DNは、例えば押し釦スイッチにより構成されている。第1、第2のスイッチUP、DNは、図示せぬ釦を押して離すと1つのハイレベル信号を出力し、釦を押し続けると、押している間中、例えばハイレベルの信号を出力する。
【0020】
第1の制御回路17は、第1のスイッチUP、又は第2のスイッチDNから供給される信号、及びゼロクロス検出回路18の出力信号に基づきトライアック15を制御するための信号を生成する。第1の制御回路17は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。このマイクロコンピュータは、図示せぬ中央処理装置としてのCPU、ワークメモリとしての揮発性メモリ、及び不揮発性メモリにより構成されている。第1の制御回路17の動作は、不揮発性メモリに記憶されたプログラムにより制御される。
【0021】
前述したように、第1の実施形態の調光器11は、交流波形の半サイクルを単位として、半サイクルの波形が無い場合、データ“0”、有る場合、データ“1”という規則に従って、第1、第2のコマンド信号を生成する。すなわち、調光器11は、第1のスイッチUPの指示に基づき、光度を増加させるための第1のコマンド信号を生成し、第2のスイッチDNの指示に基づき、光度を減少させるための第2のコマンド信号を生成する。
【0022】
第1のコマンド信号は、交流波形の例えば2.5サイクルにより構成され、2.5サイクルのうち2つの半サイクルの波形が除去されている。このため、第1のコマンド信号は、例えば“11010”である。
【0023】
また、第2のコマンド信号は、交流波形の例えば3サイクルにより構成され、3サイクルのうち2つの半サイクルの波形が除去されている。このため、第2のコマンド信号は、例えば“110110”である。
【0024】
また、調光器11は、前述したように、トライアック15のオフ期間に第1の制御回路17の電源を生成する。このため、定期的に、交流波形の半サイクルが無いデータ“0”が必要である。このため、調光用の第1、第2のコマンド信号を電源回路31に送信していない通常時、トライアック15は、第3のコマンド信号を出力する。
【0025】
第3のコマンド信号は、交流波形の例えば1.5サイクルにより構成され、1.5サイクルのうち1つの半サイクルが除去されている。このため、第3のコマンド信号は、例えば“101”である。トライアック15は、通常時、第3のコマンド信号を繰り返し出力するように制御される。
【0026】
第1、第2、第3のコマンド信号のパターンは、これに限定されるものではなく、変形可能である。
【0027】
トライアック15は、電源回路31に調光を指示するため、上記第1、第2のコマンド信号、及び通常時の第3のコマンド信号を出力する。このため、第1の制御回路17は、第1、第2のスイッチUP、DN、及びゼロクロス検出回路18の出力信号に基づき、トラアック15を制御するための信号を生成する。
【0028】
具体的には、第1の制御回路17は、トライアック15を制御し、第1、第2のコマンド信号、及び通常時の第3のコマンド信号を生成させるための第1、第2、第3の制御信号を生成する。すなわち、第1の制御回路17は、第1のコマンド信号“11010”に対応して例えば第1の制御信号“11010”を生成し、第2のコマンド信号“110110”に対応して、例えば第2の制御信号“110110”を生成し、第3のコマンド信号“101”に対応して、例えば第3の制御信号“101”を生成する。第1、第2、第3の制御信号のパターンは、これに限定されるものではなく、変形可能である。
【0029】
トライアック15は、第1の制御回路17から供給される第1乃至第3の制御信号に従って制御され、第1、第2、第3のコマンド信号の何れかを出力する。
【0030】
一方、LED照明機器20の電源回路31は、AC/DC変換回路32、検出回路33、第2の制御回路34、定電流回路35により構成されている。
【0031】
AC/DC変換回路32は、交流電源12に接続された配線13、14に接続され、トライアック15から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。変換された直流電圧は定電流回路35に供給される。
【0032】
検出回路33は、AC/DC変換回路32を介して供給されるトライアック15から出力された第1、第2のコマンド信号及び通常時の第3のコマンド信号を含む交流電圧からデータ“0”又は“1”(電圧の有無)を検出する。すなわち、検出回路33は、トライアック15から出力された交流電圧の規定の時間における電圧を所定の閾値電圧に従って検出し、データ“0”又は“1”を検出する。規定の時間は、ゼロクロスから例えば1ms経過した時点であり、閾値電圧は、例えば0V近傍の電圧である。規定の時間と閾値電圧は、これに限定されるものではなく、交流電源の周波数変動や電圧変動を考慮して決定すればよい。
【0033】
第2の制御回路34は、第1の制御回路17と同様に例えばマイクロコンピュータ、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどを含んでいる。第2の制御回路34の動作は、図示せぬ不揮発性メモリに記憶されたプログラムにより制御される。
【0034】
さらに、第2の制御回路34は、例えばEPROMのような書き換え可能なメモリ34a、及び図示せぬPWM回路を有している。
【0035】
メモリ34aは、例えば明るさコードを記憶している。この明るさコードは、例えばPWM信号の1周期を10段階に分割、又は46段階に分割して得られた値をコード化したものである。
【0036】
具体的には、PWM信号の1周期の時間幅を10段階に分割した場合、各デューティ比におけるPWM信号のオン時間は、例えば次のようになる。50μs、150μs、250μs、350μs、450μs、550μs、…950μs。これらオン時間をコード化したものが明るさコードであり、このうち中間値としての例えば450μsに対応するコードが初期値としてメモリ34aに記憶される。
【0037】
分割の割合は、調光の精度に基づき設定することが可能である。例えば通常モードの場合、上記10段階に分割され、これより詳細な調光を行なう詳細モードの場合、例えば46段階に分割される。しかし、これに限定されるものではない。通常モードの場合、第1、第2のコマンド信号に従って、10段階に光度が調整され、詳細モードの場合、第1、第2のコマンド信号に従って、46段階に光度が調整される。
【0038】
第2の制御回路34は、検出回路33から供給されるデータ“0”又は“1”から第1、第2のコマンド信号及び通常時の第3のコマンド信号を検出し、検出した第1、第2のコマンド信号に従って明るさコードを例えば1段階ずつ変更し、変更された明るさコードに従ってPWM信号を生成する。第1、第2のコマンド信号の検出、明るさコードの変更、及びPWM信号の生成の具体的な動作については後述する。第2の制御回路34から出力されるPWM信号は、定電流回路35に供給される。
【0039】
定電流回路35は、例えばスイッチング電源により構成され、AC/DC変換回路32から供給される第1、第2のコマンド信号、又は通常時の第3のコマンド信号に従った直流電圧と、第2の制御回路34から供給されるPWM信号を受け、PWM信号のデューティ比に比例した電流により、LED21を一定の電圧で駆動する。したがって、LED21は、第1、第2のコマンド信号に基づき光度が制御される。
【0040】
(調光器11の動作)
図2は、第1の制御回路17の動作を示している。図2を参照して図1に示す調光システムの動作について説明する。
【0041】
第1の制御回路17は、レギュレータ回路16bから供給される電源により駆動され、初期状態において、ゼロクロス検出回路18から供給されるゼロクロス点を示す信号に同期して、第3の制御信号“101”を生成する(S11)。この制御信号は、トライアック15のゲート電極に供給される。このため、トライアック15は第3の制御信号に従って第3のコマンド信号101”を出力する。
【0042】
図3(a)は、トライアック15の一端に供給される交流電圧を示している。トライアック15のゲート電極に通常時の第3の制御信号“101”が供給されると、トライアック15は、制御信号が“1”のときターンオンし、“0”のときターンオフする。
【0043】
図3(b)は、第3の制御信号に従ったトライアック15の出力波形を示している。すなわち、トライアック15の他端からは、第3の制御信号“101”に従って、交流電圧の半サイクルが定期的に除去された第3のコマンド信号“101”が繰り返し出力される。
【0044】
この状態において、第1の制御回路17は、第1のスイッチUPが押されたかどうかを判別し(S12)、第1のスイッチUPが押されていない場合、第2のスイッチDNが押されたかを判別する(S13)。
【0045】
ステップS12において、第1のスイッチUPが押されたと判別された場合、第1の制御回路17は、第1の制御信号“11010”を生成する(S14)。すなわち、第1の制御回路17は、ゼロクロス検出回路18から供給されるゼロクロス点を示す信号に同期して、第1の制御信号“11010”を生成する。
【0046】
第1の制御回路17は、第1のスイッチUPが連続して押された場合、第1のスイッチUPが押されている間、第1の制御信号“11010”と第3の制御信号“101”を繰り返し生成する。第1の制御信号と第3の制御信号を繰り返し生成する理由は、後述するように、“1”が3個連続しないとコマンドを識別できないためである。
【0047】
トライアック15は、第1の制御回路17から供給される第1の制御信号に従って、ターンオン、又はターンオフが制御され、第1の制御信号に対応する第1のコマンド信号“11010”を出力する。
【0048】
図3(c)は、通常時において、第1のスイッチUPが1回押された場合におけるトライアック15の出力波形を示している。図3(c)に示すように、通常時の第3のコマンド信号“101”に続いて、第1のコマンド信号“11010”が出力され、さらに、通常時の第3のコマンド信号“101”が出力されている様子を示している。すなわち、通常時において、第1のスイッチUPが1回押された場合におけるトライアック15の出力波形の信号パターンは、例えば“…10111010101…”となる。
【0049】
一方、ステップS13において、第2のスイッチDNが押されたと判別された場合、第1の制御回路17は、第2の制御信号“110110”を生成する(S15)。すなわち、第1の制御回路17は、ゼロクロス検出回路18から供給されるゼロクロス点を示す信号に同期して、第2の制御信号“110110”を生成する。
【0050】
第1の制御回路17は、第2のスイッチDNが連続して押された場合、第2のスイッチDNが押されている間、第2の制御信号“110110”と第3の制御信号“101”を繰り返し生成する。
【0051】
トライアック15は、第1の制御回路17から供給される第2の制御信号に従って、ターンオン、ターンオフが制御され、第2の制御信号に対応する第2のコマンド信号“110110”を出力する。このため、通常時において、第2のスイッチDNが1回押された場合におけるトライアック15の出力波形の信号パターンは、例えば“…101110110101…”となる。
【0052】
(電源回路31の動作)
電源回路31において、AC/DC変換回路32は、トライアック15から供給される交流電源を直流電源に変換する。また、検出回路33は、AC/DC変換回路32を介して供給されるトライアック15からの交流電圧と閾値電圧とを比較し、データ“0”又は“1”を検出する。この検出回路33により検出されたデータ“0”又は“1”は、第2の制御回路34に供給される。
【0053】
第2の制御回路34は、検出回路33から供給されるデータ“0”又は“1”に基づき、第1、第2のコマンド信号の何れであるかを判別し、判別した信号に対応してPWM信号を生成する。
【0054】
図4は、第2の制御回路34の動作の一例を示している。
【0055】
第2の制御回路34は、起動時、メモリ34aに記憶されている明るさコードを読み出す(S21)。この明るさコードは、電源が切られる前にメモリ34aに記憶された明るさコードである。
【0056】
第2の制御回路34は、メモリ34aから読み出された明るさコードに基づきデューティ比を計算し、このデューティ比に基づきPWM信号を生成する(S22)。この生成されたPWM信号は、定電流回路35に供給される。定電流回路35は、PWM信号のデューティ比に比例した電流により、LED21を一定の電圧で駆動する。したがって、LED21は、消灯直前の光度で点灯される。
【0057】
この後、第2の制御回路34は、検出回路33から供給されるデータに基づき、コマンド識別部(S23)を検出する。すなわち、交流電圧に含まれるデータ“0”又は“1”がコマンド信号であるかどうかは、コマンド識別部に基づき判断される。コマンド識別部は、データ“111”である。データ“111”を含む以降のデータがコマンド信号である。このため、第2の制御回路34は、検出回路33の出力がデータ“111”であるかどうかを判別する。
【0058】
データ“111”が判別された場合、第2の制御回路34は、送られて来たコマンドが第1のコマンド信号であるか、第2のコマンド信号であるかを判断する(S24、S25)。すなわち、データ“111”の3つの“1”のうち、2番目の“1”以降のデータがコマンドであり、このデータが第1のコマンド信号であるか、第2のコマンド信号であるかが判断される。
【0059】
具体的には、図3(c)に示すように、検出回路33からのデータが“…10111010101…”である場合、コマンド識別部“111”のうち、2番目の“1”以降のデータ“11010”がコマンドである。すなわち、このデータの場合、第1のコマンド信号であると判断される。
【0060】
ステップS24において、データが第1のコマンド信号であると判別された場合、前述した現在の明るさコードが“+1”される(S26)。すなわち、10段階の明るさコードが1段階アップされる。
【0061】
また、ステップS25において、データが第2のコマンド信号であると判別された場合、明るさコードが“−1”される(S27)。すなわち、10段階の明るさコードが1段階ダウンされる。ステップS26、S27において変更された明るさコードは、メモリ34aに記憶される(S28)。
【0062】
この後、制御がステップS22に移行され、変更された明るさコードに従ってデューティ比が計算され、このデューティ比に基づきPWM信号が生成される。このPWM信号は定電流回路35に供給される。
【0063】
定電流回路35は、PWM信号に従って、LED21を制御する。このため、LED21は、第1のコマンド信号、又は第2のコマンド信号に従って、光度が調整される。
【0064】
尚、第2の制御回路34は、第1のコマンド信号と第3のコマンド信号が連続して供給された場合、明るさコードを“+1”以上に変更し、第2のコマンド信号と第3のコマンド信号が連続して供給された場合、明るさコードを“−1”以上に変更する。このため、LED21は、より大きく光度が調整される。
【0065】
上記状態において、電源がオフとされた場合、メモリ34aには、現在の明るさコードが記憶されている。このため、次に、電源がオンとされた場合、消灯前の明るさを再現することができる。
【0066】
尚、明るさコードをメモリ34aに記憶するタイミングは、上記例に限定されるものではなく、例えばデューティ比を計算し、PWM信号を出力した後でもよい。
【0067】
(第1の実施形態の効果)
上記第1の実施形態によれば、第1の制御回路は、第1、第2のスイッチUP、DNの指示に従って、交流波形の半サイクルの有無を制御して光度を増加させるための第1の制御信号、光度を減少させるための第2の制御信号、及び調光器の電源を生成するための第3の制御信号を生成し、トライアック15を制御している。トライアック15は、第1、第2、第3の制御信号に従って、交流波形の半サイクル毎に電圧がゼロとなるゼロクロス点でターンオン、ターンオフが制御され、交流波形の半サイクルの途中で制御されない。このため、ノイズの発生を抑制することが可能である。
【0068】
また、本実施形態の調光システムは、ノイズの発生を抑制することが可能であるため、インダクタンス成分を含むノイズ防止回路を必要としない。このため、IHヒータなどの電気製品との干渉音の発生を防止することが可能である。しかも、インダクタンス成分を含むノイズ防止回路を必要としないため、損失が少なく、発熱量を抑制することが可能である。したがって、調光器11の最大負荷容量を向上させることが可能である。
【0069】
さらに、トライアック15は、ゼロクロスのタイミングで制御されるため、繰り返し突入電流が発生しない。このため、例えば同一電源に複数の調光器が接続されていても、他の調光器との干渉を防止でき、適切な調光を行うことが可能である。しかも、突入電流が発生しないため、トライアックの破壊を防止することが可能である。
【0070】
また、トライアック15は、通常時、第3のコマンド信号“101”を出力するよう制御されている。このため、2線式の調光システムにおいて、第1の制御回路17を駆動するための電源を生成することが可能である。
【0071】
さらに、トライアック15は、第1、第2、第3の制御信号に従って第1、第2、第3のコマンド信号を生成し、第1、第2、第3のコマンド信号をLED照明機器20の電源回路31に供給している。このため、交流電圧を用いて、低ノイズの電力線搬送が可能である。しかも、コマンド信号は、交流波形の半周期の有無により構成されているため、制御が容易である。
【0072】
また、電源回路31の第2の制御回路34は、第1、第2のコマンド信号に従って、明るさコードを変化させ、この明るさコードに対応するPWM信号を生成して定電流回路35に供給している。この変化された明るさコードはメモリ34aに記憶されている。このため、消灯後、再点灯した際に、消灯前の光度を再現することが可能である。
【0073】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態は、調光システムについて説明した。しかし、第1の実施形態をLED照明機器の発光色を調整する調色に適用することも可能である。すなわち、調色が可能なLED照明機器は、例えば発光色が異なる2つのLEDを有し、これらLEDの光度を調整することにより、LED照明機器の発光色を制御する。つまり、調色は、調光の応用であるため、第1の実施形態に係る調光の技術を用いて調色が可能である。
【0074】
図5は、第2の実施形態に係り、2線式の調光調色システム10を示している。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0075】
図5に示すように、LED照明機器40は、第1の発光色、例えば昼光色の第1のLED21aと、第2の発光色、例えば電球色の第2のLED21bを有している。
【0076】
また、電源回路31は、第1のLED21aに対応する第1の定電流回路35aと、第2の21bに対応する第2の定電流回路35bを具備している。
【0077】
一方、第1の制御回路17には、第1、第2のスイッチUP、DNの他に、調色を指示するための第3、第4のスイッチCLa、CLbが設けられる。第1の制御回路17は、第3、第4のスイッチCLa、CLbの操作に従って発光色を制御するための第4、第5の制御信号を生成する。第4、第5の制御信号は、第1、第2、第3の制御信号と同様に、交流電源のゼロクロス点に基づき、交流波形の半サイクルを複数個除去することにより生成される。
【0078】
トライアック15は、第4、第5の制御信号に従って、第4、第5のコマンド信号を生成する。第4、第5のコマンド信号は、第1、第2、第3のコマンド信号と異なる信号であればよい。具体的には、第4のコマンド信号は、例えば“11011010”であり、第5のコマンド信号は、例えば“110110110”である。
【0079】
電源回路31において、検出回路33は、AC/DC変換回路32を介して供給されるトライアック15からの交流電圧のデータ“0”又は“1”を検出する。
【0080】
第2の制御回路34は、メモリ34aに第1、第2の明るさコードを記憶している。第1、第2の明るさコードは、第1の実施形態と同様のコードである。第1の明るさコードは、第1のLED21a用であり、第2の明るさコードは、第2のLED21b用である。さらに、第2の制御回路34は、図示せぬ第1、第2のPWM回路を含んでいる。第1のPWM回路は、第1のLED21a用であり、第2のPWM回路は、第2のLED21b用である。
【0081】
第2の制御回路34は、検出回路33から供給されるデータ“0”又は“1”に基づき、第1、第2のコマンド信号であるか、第4、第5のコマンド信号であるかを判別する。判別方法は、第1の実施形態と同様である。
【0082】
第2の制御回路34は、コマンド信号が第1のコマンド信号であると判別した場合、第1、第2の明るさコードを共に“+1”し、第2のコマンド信号であると判別した場合、第1、第2の明るさコードを共に“−1”し、第4のコマンド信号であると判別した場合、第1の明るさコードを“+1”し、第2の明るさコードを“−1”し、第5のコマンド信号であると判別した場合、第1の明るさコードを“−1”し、第2の明るさコードを“+1”する。
【0083】
第2の制御回路34は、第1の明るさコードから第1のデューティ比を計算し、第1のPWM回路は、第1のデューティ比に基づき第1のPWM信号を生成する。また、第2の制御回路34は、第2の明るさコードから第2のデューティ比を計算し、第2のPWM回路は、第2のデューティ比に基づき第2のPWM信号を生成する。
【0084】
第1、第2の定電流回路35a、35bは、第1、第2のPWM信号に基づき、第1、第2のLED21a、21bの発光量を調整する。これにより、LED照明機器20の発光色が第4、第5のコマンド信号に従って調整され、光度が第1、第2のコマンド信号に従って調整される。
【0085】
具体的には、コマンド信号が第1のコマンド信号であると判別された場合、第2の制御回路34は、第1、第2の明るさコードに従って、現在のデューティ比より共に1段階アップした第1、第2のデューティ比を計算し、第1、第2のPWM回路は、第1、第2のデューティ比に基づき第1、第2のPWM信号を生成する。このため、第1、第2の定電流回路35a、35bは、第1、第2のPWM信号に基づき、第1、第2のLED21a、21bの光度を共に1段階増加させる。
【0086】
また、コマンド信号が第2のコマンド信号であると判別された場合、第2の制御回路34は、第1、第2の明るさコードに従って、現在のデューティ比より共に1段階ダウンした第1、第2のデューティ比を計算し、第1、第2のPWM回路は、第1、第2のデューティ比に基づき第1、第2のPWM信号を生成する。このため、第1、第2の定電流回路35a、35bは、第1、第2のPWM信号に基づき、第1、第2のLED21a、21bの光度を共に1段階減少させる。
【0087】
また、コマンド信号が第4のコマンド信号であると判別された場合、第2の制御回路34は、第1の明るさコードに従って、現在のデューティ比より1段階アップした第1のデューティ比を計算し、第2の明るさコードに従って、現在のデューティ比より1段階ダウンした第2のデューティ比を計算する。第1、第2のPWM回路は、第1、第2のデューティ比に基づき第1、第2のPWM信号を生成する。このため、第1の定電流回路35aは、第1のPWM信号に基づき、第1のLED21aの光度を1段階増加させ、第2の定電流回路35bは、第2のPWM信号に基づき、第2のLED21bの光度を1段階減少させる。
【0088】
また、コマンド信号が第5のコマンド信号であると判別された場合、第2の制御回路34は、第1の明るさコードに従って、現在のデューティ比より1段階ダウンした第1のデューティ比を計算し、第2の明るさコードに従って、現在のデューティ比より1段階アップした第2のデューティ比を計算する。第1、第2のPWM回路は、第1、第2のデューティ比に基づき第1、第2のPWM信号を生成する。このため、第1の定電流回路35aは、第1のPWM信号に基づき、第1のLED21aの光度を1段階減少させ、第2の定電流回路35bは、第2のPWM信号に基づき、第2のLED21bの光度を1段階増加させる。
【0089】
上記第2の実施形態によれば、第1の制御回路17は、第3、第4のスイッチCLa、CLbに従って第4、第5の制御信号を生成し、トライアック15は、第4、第5の制御信号に従って、交流信号のゼロクロス点に基づき交流波形の複数の半サイクルを除去することにより、第4、第5のコマンド信号を生成する。また、電源回路31の第2の制御回路34は、第4、第5のコマンド信号に基づき、互いにデューティ比が異なる第1、第2のPWM信号を生成し、第1、第2の定電流回路35a、35bは、AC/DC変換回路32の出力電圧と第1、第2のPWM信号に従って、第1、第2のLED21a、21bの出力を制御する。このため、第1の実施形態と同様に、ノイズの発生を抑制してLED照明機器20の調色を行なうことが可能である。
【0090】
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態は、1つの調光器により1つのLED照明機器を制御した。これに対して、第3の実施形態は、1つの調光器により複数のLED照明機器を制御する場合について説明する。
【0091】
1つの調光器により複数のLED照明機器を制御する場合、複数のLED照明機器を識別するため、アドレス信号が用いられる。
【0092】
図6は、第3の実施形態を示している。図6において、図1と同一部分には同一符号に添え字を付して示している。
【0093】
調光器11には、第1、第2のLED照明機器20−1、20−2が接続されている。第1、第2のLED照明機器20−1、20−2の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。LED照明機器の数は、2つに限定されるものではない。
【0094】
調光器11は、第1、第2のLED照明機器20−1、20−2のアドレスを指示するための第5のスイッチADを有している。この第5のスイッチADは、第1の制御回路17に接続されている。第5のスイッチADは、例えばデジタルスイッチにより構成され、第1のLED照明機器20−1を指定する場合、例えば“1”に設定され、第2のLED照明機器20−2を指定する場合、例えば“2”に設定される。
【0095】
調光器11から出力されるコマンド信号とアドレス信号を含む通信フォーマットは、例えば次の通りである。
【0096】
“1101xxxx10xx”
ここで、
“11”は、コマンド識別部、
“01”は、ダミーデータ、
“xxxx”は、アドレス部、
“10”は、ダミーデータ、
“xx”は、コマンド部である。
【0097】
コマンド識別部は、前述したように、コマンド信号を他のデータから区別するためのデータである。
【0098】
ダミーデータは、調光器11の電源を生成するために必要なデータである。
【0099】
コマンド部は、光度を1段階増加する(明るくする)場合、例えば“10”、1段階減少する(暗くする)場合、例えば“110”が設定される。
【0100】
アドレス部は、第1、第2のLED照明機器20−1、20−2のうちの1つを指定するためのアドレスが設定される。アドレス部は、コマンド識別部と区別するため“1”が2つ以上連続しないデータであればよく、調光器11の電源が生成できれば“0”が連続していてもよい。
【0101】
第1の制御回路17は、第1、第2、第5のスイッチUP、DN、ADの操作に従って、第1乃至第3の制御信号とアドレス制御信号を含み上記通信フォーマットに従った制御信号を生成する。この生成された制御信号は、トライアック15に供給される。トライアック15は、制御信号に従ってターンオン、ターンオフが制御され、アドレス信号とコマンド信号を含む交流電圧を第1、第2のLED照明機器20−1、20−2に供給する。
【0102】
第1、第2のLED照明機器20−1、20−2の第2の制御部34−1、34−2は、対応する検出回路33−1、33−2から供給されるデータからアドレス信号を判別する。この結果、自分のアドレスであることが判別された場合、コマンド信号が判別され、このコマンド信号のデータに従って定電流回路35−1、又は35−2が制御される。すなわち、アドレスが第1のLED照明機器20−1を指示する場合、第2の制御回路34−1により定電流回路35−1が制御され、LED21−1が調光される。また、アドレスが第2のLED照明機器20−2を指示する場合、第2の制御回路34−2により定電流回路35−2が制御され、LED21−2が調光される。
【0103】
上記第3の実施形態によれば、調光器11において、アドレス制御信号と第1乃至第3の制御信号に従って交流電圧の波形の半サイクルを制御してアドレス信号とコマンド信号を生成し、第1、第2のLED照明機器20−1、20−2の第2の制御部34−1、34−2は、対応する検出回路33−1、33−2から供給されるデータからアドレス信号を判別し、自分のアドレスであることが判別された場合、コマンド信号を判別し、判別されたコマンド信号に従って定電流回路を制御している。したがって、低ノイズにより、複数のLED照明機器を調光することが可能である。
【0104】
(第4の実施形態)
上記第1乃至第3の実施形態は、何れも2線式の調光システム、又は調光調色システムについて説明した。しかし、これに限定されるものではなく、第1乃至第3の実施形態を4線式の調光システム、又は調光調色システムに適用することも可能である。
【0105】
4線式の調光システム、又は調光調色システムの場合、第1の制御回路17の電源を生成するために、第3の制御信号、及び第3のコマンド信号を生成する必要がない。したがって、通常時のデータは“1”であり、正弦波そのものである。また、第1のコマンド信号は、例えば“010”、第2のコマンド信号は、例えば“0110”とすることにより、上記と同様の動作により調光が可能である。また、第4、第5のコマンドを設定することにより、調色も可能である。
【0106】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10…調光システム、11…調光器、12…交流電源、15…トライアック、16…電源生成回路、17…第1の制御回路、18…ゼロクロス検出回路、UP…第1のスイッチ、DN…第2のスイッチ、20、20−1、20−2…LED照明機器、21…LED、21a…第1のLED、21b…第2のLED、31…電源回路、32…AC/DC変換回路、33…検出回路、34…第2の制御回路、35…定電流回路、35a…第1の定電流回路、35b…第2の定電流回路、CLa、CLb…第3、第4のスイッチ、AD…第5のスイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6