【文献】
ZTE,Aperiodic CSI feedback modes for CoMP,3GPP TSG-RAN WG1#70 R1-123381,2012年 8月17日
【文献】
Huawei, HiSilicon, Ericsson, ST-Ericsson,Way Forward on higher-layer signaling for PDSCH mapping and quasi co-location,3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124642,2012年10月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一つ以上のZP CSI−RSリソース設定の和集合にIMR(Interference Measurement Resource)が存在する、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。
【0028】
本明細書において、本発明の実施例を、基地局と端末間のデータ送信及び受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と通信を直接行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を持つ。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
【0029】
すなわち、基地局を含めた複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、RN(Relay Node)、RS(Relay Station)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0030】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0031】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素については同一の図面符号を付して説明する。
【0032】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、並びに3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0033】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(longterm evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部で、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(Wireless MAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(Wireless MAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0034】
図1を参照して下りリンク無線フレームの構造について説明する。
【0035】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0036】
図1は、タイプ1無線フレーム構造を示す図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロットで構成される。1個のサブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってもよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)は、リソース割当単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0037】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合には、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
【0038】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0039】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0040】
図2は、1下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。これは、OFDMシンボルが一般CPで構成された場合である。
図2を参照すると、下りリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロックを含む。ここで、1下りリンクスロットは7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロックは12個の副搬送波を含むとしたが、これに制限されない。リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(RE)と呼ぶ。例えば、リソース要素a(k,l)は、k番目の副搬送波とl番目のOFDMシンボルに位置しているリソース要素となる。一般CPの場合、1つのリソースブロックは12×7リソース要素を含む(拡張CPの場合は、12×6リソース要素を含む)。各副搬送波の間隔は15kHzであるから、1リソースブロックは周波数領域で約180kHzを含む。N
DLは、下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。N
DLの値は、基地局のスケジューリングによって設定される下りリンク送信帯域幅(bandwidth)によって決定できる。
【0041】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第一のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。送信の基本単位は、1サブフレームとなる。すなわち、2個のスロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタすることもできる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0042】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0043】
(多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング)
MIMO((Multiple Input Multiple Output)システムは、多重送信アンテナと多重受信アンテナを用いてデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術は、全体メッセージを受信する際に、単一アンテナ経路に依存せず、複数個のアンテナから受信される複数個のデータ断片を組み合わせて全体データを受信することができる。
【0044】
MIMO技術には、空間ダイバーシティ(Spatial diversity)技法と空間多重化(Spatial multiplexing)技法などがある。空間ダイバーシティ技法は、ダイバーシティ利得(gain)によって送信信頼度(reliability)を上げたりセル半径を広めたりすることができ、高速で移動する端末に対するデータ送信に適している。空間多重化技法は、互いに異なるデータを同時に送信することによって、システムの帯域幅を増加させることなくデータ送信率を増大させることができる。
【0045】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図5(a)に示すように、送信アンテナの数をN
T個、受信アンテナの数をN
R個と増やすと、送信機又は受信機のいずれか一方のみで複数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することから、伝送レートを、理論的に、単一アンテナ利用時の最大伝送レート(R
o)にレート増加率(R
i)を掛けた分だけ増加させることができる。
【0047】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得することができる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0048】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が行われている。
【0049】
多重アンテナシステムにおける通信方法を数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。当該システムには、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとする。
【0050】
送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はN
T個である。送信情報を下記の数式2のように表現することができる。
【0054】
は、送信電力が異なってもよい。それぞれの送信電力を
【0056】
とすれば、送信電力の調整された送信情報は、次のように表現することができる。
【0062】
を用いて次のように表現することができる。
【0064】
送信電力の調整された情報ベクトル(information vector)
【0068】
が適用され、実際に送信されるN
T個の送信信号
【0070】
が構成される場合を考慮してみよう。重み行列
【0072】
は、送信情報を送信チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を持つ。
【0076】
を用いて次のように表現することができる。
【0080】
は、i番目の送信アンテナとj番目の情報間の重み値を意味する。
【0082】
は、プリコーディング行列と呼ぶこともできる。
【0083】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシティ及び空間多重化)によって異なる方法で考慮されてもよい。空間多重化の場合、異なった信号が多重化され、多重化された信号が受信側に送信されるため、情報ベクトルの要素(element)がそれぞれ異なる値を有する。一方、空間ダイバーシティの場合は、同一の信号が複数個のチャネル経路を通して反復的に送信されるため、情報ベクトルの要素が同一の値を有する。勿論、空間多重化及び空間ダイバーシティ技法の組合せも考慮することができる。すなわち、同一の信号が、例えば、3個の送信アンテナを通して空間ダイバーシティ技法によって送信され、残りの信号は空間多重化されて受信側に送信されてもよい。
【0084】
N
R個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号
【0086】
は、次のようなベクトルと表現することができる。
【0088】
多重アンテナ無線通信システムでチャネルをモデリングする場合、チャネルは、送受信アンテナインデックスによって区別できる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルを
【0092】
において、受信アンテナインデックスが前であり、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0093】
図5(b)に、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示している。これらのチャネルをまとめてベクトル及び行列の形態で表示することができる。
図5(b)で、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次のように表すことができる。
【0095】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、次のように表現することができる。
【0099】
を経た後に白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音
【0101】
は、次のように表現することができる。
【0103】
上述した数式モデリングによって受信信号を次のように表現することができる。
【0107】
の行と列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列
【0109】
で、行の数は受信アンテナの数N
Rと同一であり、列の数は送信アンテナの数N
Tと同一である。すなわち、チャネル行列
【0112】
行列のランク(rank)は、互いに独立している(independent)行又は列の個数のうちの最小の個数と定義される。そのため、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きいことがない。チャネル行列
【0118】
MIMO送信において、’ランク(Rank)’は、独立して信号を送信できる経路の数を表し、‘レイヤ(layer)の個数’は、各経路を通して送信される信号ストリームの個数を表す。送信端は、信号の送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤを送信するのが一般的であるため、特別な言及がない限り、ランクはレイヤ個数と同じ意味を有する。
【0119】
(参照信号(Reference Signal;RS))
無線通信システムでパケットを送信する際、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生しうる。歪まれた信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪みを補正しなければならない。チャネル情報を把握するために、送信側も受信側も知っている信号を送信し、該信号がチャネルを介して受信される際の歪み程度を用いてチャネル情報を得る方法を主に用いる。該信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0120】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合に、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル状況を知る必要がある。そのために、各送信アンテナ別に異なる参照信号が存在しなければならない。
【0121】
移動通信システムにおいて参照信号(RS)はその目的によって2種類に大別できる。その一つは、チャネル情報の取得のために用いられるRSであり、もう一つは、データ復調のために用いられるRSである。前者は、端末が下りチャネル情報を取得するためのRSであるため、広帯域に送信されなければならず、特定サブフレームで下りデータを受信しない端末であっても、当該RSを受信及び測定可能でなければならない。このようなRSは、ハンドオーバーなどのための測定などにも用いられる。後者は、基地局が下りデータを送る時、当該リソースで併せて送るRSであり、端末は当該RSを受信することによってチャネル推定ができ、データを復調することができる。このようなRSは、データの送信される領域で送信されなければならない。
【0122】
既存の3GPP LTE(例えば、3GPP LTEリリース−8)システムでは、ユニキャスト(unicast)サービスのために2種類の下りリンクRSを定義する。その一つは共用参照信号(Common RS;CRS)であり、もう一つは、専用参照信号(Dedicated RS;DRS)である。CRSは、チャネル状態に関する情報取得及びハンドオーバーなどのための測定などに用いられ、セル−特定(cell−specific)RSと呼ぶことができる。DRSは、データ復調のために用いられ、端末−特定(UE−specific)RSと呼ぶことができる。既存の3GPP LTEシステムで、DRSはデータ復調のみのために用いることができ、CRSは、チャネル情報取得のためにもデータ復調のためにも用いることができる。
【0123】
CRSは、セル−特定に送信されるRSであり、広帯域(wideband)に対して毎サブフレームごとに送信される。CRSは、基地局の送信アンテナ個数によって最大4個のアンテナポートに対して送信可能である。例えば、基地局の送信アンテナが2個である場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSを送信し、4個の場合は、0〜3番のアンテナポートに対するCRSをそれぞれ送信する。
【0124】
図6は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムで一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でCRS及びDRSのパターンを示す図である。
図6で、’R0’、’R1’、’R2’及び’R3’と表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を表す。一方、
図6で’D’と表示されたリソース要素は、LTEシステムで定義されるDRSの位置を表す。
【0125】
LTEシステムの進展した形態のLTE−Aシステムでは、下りリンクで最大8個の送信アンテナを支援することができる。そのため、最大8個の送信アンテナに対するRSも支援されなければならない。LTEシステムにおける下りリンクRSは最大4個のアンテナポートのみに対して定義されているため、LTE−Aシステムにおいて基地局が4個以上8個以下の下りリンク送信アンテナを有する場合、それらのアンテナポートに対するRSがさらに定義されなければならない。最大8個の送信アンテナポートに対するRSとして、チャネル測定のためのRS、データ復調のためのRSの両方とも考慮されなければならない。
【0126】
LTE−Aシステムを設計する上で重要な考慮事項の一つは逆方向互換性(backward compatibility)である。逆方向互換性とは、既存のLTE端末がLTE−Aシステムでも正しく動作するように支援することを意味する。RS送信観点からは、LTE標準で定義されているCRSが全帯域で毎サブフレームごとに送信される時間−周波数領域に最大8個の送信アンテナポートに対するRSを追加すると、RSオーバーヘッドが過度に大きくなる。そのため、最大8個のアンテナポートに対するRSを新しく設計するに当たり、RSオーバーヘッドを減らすことを考慮しなければならない。
【0127】
LTE−Aシステムで新しく導入されるRSは、大きく、2種類に分類できる。その一つは、送信ランク、変調及びコーディング技法(Modulation and Coding Scheme;MCS)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI)などの選択のためのチャネル測定目的のRSであるチャネル状態情報−参照信号(Channel State Information RS;CSI−RS)であり、もう一つは、最大8個の送信アンテナを通して送信されるデータを復調するための目的のRSである復調−参照信号(DeModulation RS;DM RS)である。
【0128】
チャネル測定目的のCSI−RSは、既存のLTEシステムにおけるCRSがチャネル測定、ハンドオーバーなどの測定などの目的と同時にデータ復調のために用いられるのとは違い、チャネル測定中心の目的のために設計されることに特徴がある。勿論、CSI−RSは、ハンドオーバーなどの測定などの目的に用いられてもよい。CSI−RSがチャネル状態に関する情報を得る目的のみに送信されるため、既存のLTEシステムにおけるCRSとは違い、毎サブフレームごとに送信されなくてもよい。したがって、CSI−RSのオーバーヘッドを減らすために、CSI−RSは時間軸上で間欠的に(例えば、周期的に)送信されるように設計されてもよい。
【0129】
仮に、ある下りリンクサブフレーム上でデータが送信される場合には、データ送信がスケジューリングされた端末に専用で(dedicated)DM RSが送信される。特定端末専用のDM RSは、当該端末がスケジューリングされたリソース領域、すなわち、当該端末に対するデータが送信される時間−周波数領域でのみ送信されるように設計することができる。
【0130】
図7は、LTE−Aシステムで定義されるDM RSパターンの一例を示す図である。
図7では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でDM RSが送信されるリソース要素の位置を示している。DM RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される4個のアンテナポート(アンテナポートインデックス7、8、9及び10)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、異なる周波数リソース(副搬送波)及び/又は異る時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図7の例示で、DM RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)にはアンテナポート7及び8に対するDM RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。同様に、
図7の例示で、DM RSグループ2と表示されたリソース要素にはアンテナポート9及び10に対するDM RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
【0131】
図8は、LTE−Aシステムで定義されるCSI−RSパターンの例示を示す図である。
図8では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でCSI−RSが送信されるリソース要素の位置を示している。ある下りリンクサブフレームで、
図8(a)乃至8(e)のいずれか一つのCSI−RSパターンを用いることができる。CSI−RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される8個のアンテナポート(アンテナポートインデックス15、16、17、18、19、20、21及び22)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、異なった周波数リソース(副搬送波)及び/又は異なった時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)にはアンテナポート15及び16に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ2と表示されたリソース要素にはアンテナポート17及び18に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示でCSI−RS CDMグループ3と表示されたリソース要素にはアンテナポート19及び20に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ4と表示されたリソース要素にはアンテナポート21及び22に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)を基準にして説明した同一原理を、
図8(b)乃至8(e)に適用することもできる。
【0132】
図9は、LTE−Aシステムにおいて定義されるZP(Zero Power) CSI−RSパターンの例示を示す図である。ZP CSI−RSの用途は2種類に大別される。その第一は、CSI−RS性能改善のための用途である。すなわち、一つのネットワークは、他のネットワークのCSI−RS測定性能を改善するために、他のネットワークのCSI−RS REにミューティング(muting)をし、自身のUEが正しくレートマッチング(rate matching)を行えるように、ミューティングされたREをZP CSI−RSと設定して知らせることができる。その第二は、CoMP CQI計算のための干渉測定の用途である。すなわち、ZP CSI−RS REに一部のネットワークがミューティングを行い、UEは、このZP CSI−RSから干渉を測定し、CoMP CQIを計算することができる。
【0133】
図6乃至
図9のRSパターンは単に例示的なものであり、本発明の様々な実施例を適用するにあって特定RSパターンに限定されるものではない。すなわち、
図6乃至
図9と異なるRSパターンが定義及び使用される場合にも、本発明の様々な実施例を同様に適用することができる。
【0134】
(協調的送信(CoMP)システムにおけるチャネル状態情報(CSI)フィードバック)
以下では、CoMP(Cooperative Multipoint Transmission/Reception)について説明する。
【0135】
LTE−A以降のシステムは、複数のセル間の協調を可能にし、システムの性能を向上させる方式の導入を試みている。このような方式を協調多重ポイント送信/受信(Cooperative Multipoint Transmission/Reception: CoMP)という。CoMPとは、特定端末と、基地局、アクセス(Access)ポイント或いはセル(Cell)との通信をより円滑にするために、2つ以上の基地局、アクセスポイント或いはセルが互いに協調して端末と通信する方式のことを指す。本発明で、基地局、アクセス(Access)或いはセルはいずれも同じ意味で使われてもよい。
【0136】
一般に、周波数再使用因子(frequency reuse factor)が1である多重セル環境で、セル−間干渉(Inter−Cell Interference; ICI)によって、セル−境界に位置している端末の性能と平均セクター収率が減少することがある。このようなICIを低減するために、既存のLTEシステムでは、端末特定電力制御を用いた部分周波数再使用(fractional frequency reuse; FFR)のような単なる受動的な技法を用いて、干渉によって制限を受けた環境でセル−境界に位置している端末が適度の収率性能を有するようにする方法を適用した。しかし、セル当たり周波数リソース使用を減らすよりは、ICIを低減したり、ICIを端末の所望する信号として再使用することが一層好ましいだろう。このような目的を達成するために、CoMP送信技法を適用することができる。
【0137】
図10には、CoMPを行う一例を示す。
図10を参照すると、無線通信システムは、CoMPを行う複数の基地局(BS1、BS2及びBS3)と端末を含む。CoMPを行う複数の基地局(BS1、BS2及びBS3)は互いに協調して端末にデータを效率的に送信することができる。
【0138】
CoMP送信方式は、データ共有を用いた協調的MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP− Joint Processing、CoMP−JP)及び協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP− Coordinated Scheduling/beamforming、CoMP−CS/CB)方式とに区別できる。
【0139】
下りリンクにおいて、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式では、端末は、CoMP送信方式を行う複数の基地局からデータを同時に受信することができ、各基地局から受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる(Joint Transmission、JT)。また、CoMP送信方式を行う基地局のいずれか一つが特定時点に端末にデータを送信する方法も考慮することができる(Dynamic Point Selection,DPS)。協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では、端末はビームフォーミングによってデータを瞬間的に一つの基地局、すなわち、サービング基地局から受信することができる。
【0140】
上りリンクでジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式が適用される場合、複数の基地局が端末からPUSCH信号を同時に受信することができる(Joint Reception、JR)。これと違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)の場合、1つの基地局のみがPUSCHを受信することができる。協調スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いることは、協調セル(或いは、基地局)で決定することができる。
【0141】
CoMP送信方式を用いる端末、すなわち、CoMP UEは、CoMP送信方式を行う複数の基地局に対してチャネル情報をフィードバック(feedback、以下、CSIフィードバック)することができる。ネットワークスケジューラ(Network Scheduler)は、CSIフィードバックに基づいて、CoMP−JP、CoMP−CS/CB及びDPS方式の中から、送信率を高め得るような適切なCoMP送信方式を選択することができる。そのために、CoMP UEが、CoMP送信方式を行う複数個の基地局内でCSIフィードバックを設定する(configure)方法として、PUCCHを用いた周期的なフィードバック送信方式に従うことができる。この場合、それぞれの基地局に対するフィードバック構成(feedback configuration)は互いに独立したものであってもよい。そのため、以下、本発明の一実施例に係る明細書では、このような独立したフィードバック構成をもってチャネル情報をフィードバックする動作のそれぞれを、CSIプロセス(CSI process)と呼ぶ。このようなCSIプロセスは、1つのサービングセルに1つ又はそれ以上存在可能である。
【0142】
図11には、下りリンクCoMP動作を行う場合を示す。
【0143】
図11で、UEは、eNB1とeNB2との間に位置しており、両eNB(すなわち、eNB1、eNB2)は、UEへの干渉問題を解決するために、JT、DCS、CS/CBのような適切なCoMP動作を行う。UEは、基地局のCoMP動作を助けるために、CSIフィードバック(CSI feedback)を行う。CSIフィードバックによって送信される情報は、各eNBのPMI情報及びCQI情報を含み、さらに、JTのための両eNB間のチャネル情報(例えば、両eNBチャネル間の位相オフセット(phase offset)情報)を含んでもよい。
【0144】
図11で、UEは、自身のサービングセル(serving cell)であるeNB1にCSIフィードバック信号を送信しているが、状況によって、eNB2にCSIフィードバック信号を送信してもよく、両eNBにCSIフィードバック信号を送信してもよい。また、
図11では、CoMPに参加する基本単位をeNBとして説明しているが、eNBの他、eNBによって制御される送信ポイント(transmission point)をCoMPに参加する基本単位にしてもよい。
【0145】
ネットワークでCoMPスケジューリングをするには、UEはサービングeNBの下りリンクCSI情報だけでなく、CoMPに参加する隣接eNBの下りリンクCSI情報も併せてフィードバックしなければならない。そのために、UEは、様々なデータ送信eNBと様々な干渉環境を反映する複数のCSIプロセスをフィードバックする。
【0146】
したがって、LTEシステムでCoMP CSI計算時に干渉測定のためにIMR(Interference Measurement Resource)が用いられる。1つのUEは、複数個のIMRが設定され(configure)、これら複数個のIMRのそれぞれに対して独立した設定(configuration)を有する。すなわち、それぞれのIMRは、周期、オフセット(offset)及びリソース設定(resource configuration)が独立して設定され、基地局はRRC(Radio Resource Control)シグナリングなどの上位層シグナリング(RRCなど)を用いてUEにシグナリングすることができる。
【0147】
また、LTEシステムでCoMP CSI計算時に要求される(desired)チャネル測定のためにCSI−RSが用いられる。1つのUEには複数個のCSI−RSが設定され、このとき、CSI−RSはそれぞれ独立した設定を有する。すなわち、各CSI−RSは、周期、オフセット、リソース割当、電力制御(power control、Pc)、アンテナポート(antenna port)数が独立して設定される。CSI−RSに関する情報は、上位層シグナリング(RRCなど)を用いて基地局からUEに送信することができる。
【0148】
UEに設定された複数個のCSI−RSと複数個のIMRのうち、信号測定のための一つのCSI−RSリソースと干渉測定のための一つのIMRとを関連付けて(associate)一つのCSIプロセスを定義することができる。UEは、異なったCSIプロセスから誘導されたCSI情報は、独立した周期とサブフレームオフセット(subframe offset)でフィードバックする。
【0149】
すなわち、それぞれのCSIプロセスは、独立したCSIフィードバック設定を有する。このようなCSI−RSリソースとIMRリソースとの関連付け(association)情報、及びCSIフィードバック設定などは、CSIプロセス別にRRCなどの上位層シグナリングを用いて基地局がUEに知らせることができる。例えば、UEには表1のような3つのCSIプロセスが設定されると仮定する。
【0151】
表1で、CSI−RS0とCSI−RS1はそれぞれ、UEのサービングeNBであるeNB1から受信するCSI−RSと、協調に参加する隣接eNBであるeNB2から受信するCSI−RSを表す。もし、表1のそれぞれのCSIプロセスに対して設定されたIMRについて表2のように設定されたと仮定すれば、
【0153】
IMR0で、eNB1はmutingを、eNB2はデータ送信を行い、UEは、IMR0から、eNB1を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。同様に、IMR1で、eNB2はmutingを、eNB1はデータ送信を行い、UEは、IMR1から、eNB2を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。また、IMR2ではeNB1、eNB2の両方ともmutingを行い、UEは、IMR2から、eNB1及びeNB2を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。
【0154】
したがって、表1及び表2に示す通り、CSIプロセス0のCSI情報は、eNB1からデータを受信する場合、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。CSIプロセス1のCSI情報は、eNB2からデータを受信する場合に、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。CSIプロセス2のCSI情報は、eNB1からデータを受信し、eNB2から干渉を全く受けない場合に、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。
【0155】
1つのUEに設定された全てのIMRを、ZP(zero power) CSI−RSと示す(indicate)ことができる。すなわち、UEは、データ受信時に、設定されたIMRで自身のデータがマッピングされないと仮定してPDSCHレートマッチングを行う。
【0156】
ここで、全てのIMRをZP CSI−RSと示す理由は、CoMP UEがどのeNBから実際にデータを受信するかを知らないためである。例えば、
図10で、DPS CoMPを行うとき、UEは、別のシグナリングがない限り、eNB1及びeNB2のいずれのeNBが実際にデータを送信するかを知らずにデータを受信する。
【0157】
もし、eNB1がデータを送信し、その事実をUEが知ると、IMR1を、干渉測定だけでなく、データ受信の用途にも用いることができる。逆に、eNB2がデータを送信し、その事実をUEが知ると、IMR0を、干渉測定だけでなく、データ受信の用途にも用いることができる。しかし、データを送信するeNBをUEが知っていない場合には、IMR0及びIMR1に対してミューティング(muting)を仮定してPDSCHレートマッチングを行うことが、デコーディング誤りを減らす上で効果的である。
【0158】
上記の全てのIMRをZP CSI−RSと示す方式において、UEは、設定された全てのIMRに対してデータを受信できず、PDSCHリソースを浪費する問題点がある。UEが、設定された全てのIMRでデータが送信されないと仮定してPDSCHレートマッチングを行うわけである。
【0159】
(第1実施例)
以下では、UEが、設定されたIMRでもデータを受信し、PDSCHリソースをより效率的に用いる本発明の一実施例を説明する。そのために、UEは、eNB別ミューティング(muting)を行うZP CSI−RS情報、及びデータを実際に送信するeNBを示す送信eNB情報を受信する。
【0160】
eNB別ミューティングを行うZP CSI−RSの情報は、RRCシグナリングなどの上位層シグナリングを用いてUEに送信することができる。例えば、
図11で、eNB1がIMR0及びIMR2でミューティングを行うため、UEは、IMR0及びIMR2を含むeNB1のZP CSI−RS情報を受信する。一方、eNB2は、IMR1及びIMR2でミューティングを行うため、UEは、IMR1及びIMR2を含むeNB2のZP CSI−RS情報を受信する。
【0161】
各eNBのZP CSI−RS情報は、ZP CSI−RSの周期、サブフレームオフセット(subframe offset)及びリソース設定(resource configuration)を含む。これらの値は、各eNBのZP CSI−RS別に独立して設定されてもよいが、レガシー(Legacy)UEへの影響(impact)を最小化するために、各eNBのZP CSI−RSは同一の周期とサブフレームオフセットを有するように制限されてもよい。このような制限により、ZP CSI−RSが設定されないサブフレーム数を増やすことができ、基地局は、レガシーUEをこのサブフレームにスケジューリングし、データマッピングの不一致(mismatch)によるデータデコーディング誤りを最小化することができる。
【0162】
データを実際に送信するeNBを示す情報である送信eNB情報は、PDCCH内のDCIを用いてeNBからUEに動的に(dynamic)送信することができる。例えば、
図11でDPSを行う場合、UEはeNB1又はeNB2からデータを受信する。このとき、UEは送信eNB情報をDCIフィールドを用いて受信する。
図11の実施例ではeNBを2個としたが、現在LTEシステムでは1つのUE当たり最大3つのeNBが協調通信を行うことができることから、DCIに2ビットフィールドを追加して送信eNB情報を送信することもできる。また、協調通信を行うeNBが増加する場合、それに対応する長さのフィールドをDCIに追加して送信eNB情報を送信してもよい。
【0163】
表3は、上述した2ビットフィールドの例である。2ビットフィールドは、CSIプロセスインデックスと定義されたり、CSI−RSインデックスと定義される。例えば、上記の2ビットフィールドが‘00’と設定された場合、UEは、CSI−RS0で測定された下りリンクチャネルを介してデータが受信されるという事実がわかる。
【0165】
上述した送信eNB情報は、DCIに新しいフィールドを追加して伝送してもよく、既存のDCIで定義されたフィールドのうち、使用用途が定義されていない保留された(reserved)ビットを用いて送信してもよい。例えば、CAのために定義された3ビットCIFフィールドにおいて保留された一部の状態(state)を、表3のようにCSIプロセスインデックス又はCSI−RSインデックスと定義して用いることができる。
【0166】
UEは、eNB別ZP CSI−RS情報及び送信eNB情報に基づいて、データを実際に送信するeNBのZP CSI−RS情報を把握し、当該ZP CSI−RSリソース要素(RE)ではデータがマッピングされないと仮定してデータ復調(demodulation)を行う。
【0167】
上記の方式でUEがデータレートマッチングを行う場合、UEは、設定されたIMRのうち、データを送信するeNBのZP CSI−RSリソース要素の外部に存在するIMRではデータがマッピングされると仮定してデータ復調を行う。すなわち、データを実際に送信するeNBのZP CSI−RSリソース要素に含まれるIMRリソースについては、UEは当該IMRにデータがマッピングされないと仮定してデータ復調を行う。一方、データを実際に送信するeNBのZP CSI−RSリソース要素に含まれないIMRリソースについては、UEは当該IMRにデータがマッピングされると仮定してデータ復調を行う。
【0168】
例えば、
図11で送信eNB情報がeNB1を示す場合、UEはIMR0とIMR2に対してデータがマッピングされないと仮定してデータ復調を行う。そして、UEは、IMR1に対してデータがマッピングされると仮定してデータ復調を行う。一方、送信eNB情報がeNB2を示す場合、UEはIMR1とIMR2に対してデータがマッピングされないと仮定してデータ復調を行う。そして、UEは、IMR0に対してデータがマッピングされると仮定してデータ復調を行う。
【0169】
上記の方法により、UEは、IMRにおいてデータがマッピングされるリソース要素を用いて干渉測定を行うことができる。すなわち、UEは、IMRと設定されたリソースがさらにZP CSI−RSと設定されないと、当該リソースにPDSCHがマッピングされたと判断する。UEは、ZP CSI−RSと設定されないIMRのリソースを用いてPDSCHを受信する場合、当該IMRから干渉測定の目的に受信されるPDSCHを含めた全ての受信信号を干渉信号として考慮する。また、UEは、当該IMRでPDSCHの受信を目的とするUEのための信号が存在すると判断する。
【0170】
一方、CoMP測定集合(measurement set)内で少なくとも一つのeNBはミューティングを行うため、IMRはeNBのそれぞれのZP CSI−RSリソース要素の和集合内に存在しなければならない。すなわち、端末は、ZP CSI−RSリソース要素のいずれか一つがIMRに完全にオーバーラッピング(over lapping)されないように設定されることを期待しない。例えば、2個のeNBがCoMP動作を行う場合、端末は、2個のZP CSI−RSが設定される。このとき、IMRは、2個のZP CSI−RSリソース要素の和集合内に存在する。
【0171】
上述したIMR適用方法は、説明の便宜のためにネックワークの観点で記述された。すなわち、CoMPに参加するそれぞれのeNBにZP CSI−RSを設定し、eNBのうち、実際にデータを送信するeNBを知らせると述べた。
【0172】
UEの観点で説明すると、UEは、設定されたCSI−RSを基準に、CoMPに参加する各eNBを区別する。例えば、
図11で、UEは、自身に設定された2つのCSI−RS(すなわち、CSI−RS0とCSI−RS1)から、eNB1とeNB2を区別する。そのため、eNB別にZP CSI−RSを設定する動作は、UEの観点ではCSI−RS別にZP CSI−RSを設定する動作を意味する。そして、実際にデータを送信するeNBを知らせる動作は、UEの観点で、どのCSI−RSの下りリンクチャネルで実際にデータが送信されるかを示す動作を意味する。したがって、UEには、ネットワークからCSI−RS別にZP CSI−RS情報がそれぞれ設定され、どのCSI−RSの下りリンクチャネルで実際にデータが送信されるかが指定される。これらの両情報に基づき、UEは、データを実際に送信するeNBのZP CSI−RSを把握し、当該ZP CSI−RSリソース要素でデータがマッピングされないと仮定してデータ復調を行う。
【0173】
また、UEは、複数のCSI−RS設定を受信し、それぞれのCSI−RS別にZP CSI−RS設定を受信する。すなわち、一つのCSI−RSと一つのZP CSI−RSリソースは一対一で連結されている。これに加えて、UEには複数のIMRが割り当てられる。
【0174】
UEが送信eNB情報を含むDCIによって割り当てられたPDSCHを介してデータを受信する場合、UEは、指定された複数のCSI−RSリソースの全てにデータがマッピングされないと仮定するが、ZP CSI−RSリソースについては、送信eNB情報によって指定されたCSI−RSと対応するZP CSI−RSリソースにのみデータがマッピングされないと仮定する。すなわち、IMRのうち、送信eNB情報によって指定されたCSI−RSと対応するZP CSI−RSリソースに含まれないリソースは、データがマッピングされると仮定する。
【0175】
一方、UEが送信eNB指示情報を含まないDCI(例えば、送信eNB情報を含まないDCIフォーマット1A)によって割り当てられたPDSCHを介してデータを受信する場合に、UEは、複数のCSI−RSリソースにはいずれもデータがマッピングされないと仮定するが、ZP CSI−RSリソースについては、特定リソース、代表として最初(インデックスが最も低い)ZP CSI−RSリソースのみにデータがマッピングされないと仮定する。すなわち、IMRのうち、インデックスが最も低いZP CSI−RSリソースに含まれないリソースは、データがマッピングされると仮定する。
【0176】
他の方法として、UEは、送信eNB情報を含まないDCI、すなわち、DCI 1Aによって割り当てられたPDSCHを介してデータを受信する場合、指定された複数のCSI−RSリソース及びZP CSI−RSリソースのいずれにもデータがマッピングされないと仮定してもよい。そして、IMRについては、ZP CSI−RSリソースに含まれないリソースは、データがマッピングされると仮定する。
【0177】
一方、CSI−RSは、送信パワーが乗せられて実際に送信がなされるRSであることから、NZP(Non−Zero Power) CSI−RSと呼ぶこともできる。
【0178】
図12は、本発明の第1実施例に係るデータ受信方法を示すフローチャートである。
【0179】
まず、端末は、協調的送信に参加する複数の基地局のうち、データを実際に送信する送信基地局を示す情報を含まない下りリンク制御情報を受信する(S1210)。上述した通り、送信eNB情報を含まない下りリンク制御情報(DCI)の例には、DCIフォーマット1Aを挙げることができる。
【0180】
また、端末は、eNB別にミューティング(muting)を行うZP CSI−RSの情報を受信する(S1230)。端末がZP CSI−RSの情報を受信する方法に関する詳細な説明は上述した通りであり、その詳細は省略する。
【0181】
次に、端末は、最小のインデックスを有するZP CSI−RSのリソース要素にデータがマッピングされないと仮定してPDSCHチャネルでデータを受信する(S1250)。上述した通り、IMRのうち、インデックスが最も低いZP CSI−RSリソースに含まれないリソースにはデータがマッピングされると仮定してデータを受信する。
【0182】
(第2実施例)
上述した第1実施例はPDSCHデータマッピングに関するが、UEがEPDCCH(Enhanced PDCCH)を受信する場合、EPDCCHのDCI to REマッピング(mapping)にも同一の方式を拡張して適用することができる。
【0183】
LTEシステムにおいてPDSCH領域の一部をEPDCCHと指定し、当該リソースを制御情報の送信のために用いることができる。EPDCCHは、
図13のように、既存のPDCCHに代えてPDSCH領域で送信される制御チャネルである、改良された(enhanced)PDCCHのことを指す。
図13で、EPDCCHのために用いられる周波数リソースは連続しているとしたが、これは一実施例に過ぎず、周波数ダイバーシティを得るために、EPDCCHは、互いに離隔した周波数リソースを用いて送信されてもよい。
【0184】
基地局は、一つのUEに複数のEPDCCHセット(EPDCCH set)を指定することができる。ここで、EPDCCHセットとは、一連のEPDCCHブラインドデコーディング(blind decoding)候補(candidate)が存在するPRBのセットを意味する。EPDCCHセットを構成するPRBは、RRCシグナリングなどの上位層シグナリングを通じて与えることができる。端末は、特定のブラインドデコーディング候補の検出を試みる際に、各候補が当該候補の属するEPDCCHセットのリソースを用いると仮定する。さらに、基地局は、EPDCCHセットごとに様々な固有の特徴を設定することができる。例えば、EPDCCH候補が局部(localized)送信を用いるか分散(distributed)送信を用いるか、及び各EPDCCHセットに属する候補が下りリンク割当(assignment)に用いられたとき、HARQ ACKのために用いるパラメータ(parameter)などが設定されてもよい。
【0185】
UEは、基地局から多重(multiple)EPDCCHセットをRRCで指定された場合、EPDCCHセットを、DCIをデコーディングするための探索領域(search space、SS)と設定し、様々な集成(aggregation)レベルに対してブラインドデコーディングを試みる。各セットは、多重PRBと指定されてもよく、他のセットと一部のPRBが重なってもよい。
【0186】
このとき、サービング(Serving)eNBだけでなく、他の隣接eNBもUEにEPDCCH送信を行うことができる。例えば、次のように様々な場合を考慮することができる。第一に、各EPDCCHセットの送信が、互いに異なるeNBから行われることがある。第二に、各EPDCCH SS内のPRBにおいてEPDCCH送信が互いに異なるeNBから行われることがある。第三に、各EPDCCH DM RSポートにおいてEPDCCH送信が互いに異なるeNBから行われることがある。以下、各場合について詳しく説明し、EPDCCHのDCI to REマッピング方式を提案する。
【0187】
第一に、各EPDCCHセットの送信が互いに異なるeNBから行われることがある。このとき、基地局はUEにRRCなどの上位層シグナリングを用いて各セットのEPDCCH送信eNB情報を知らせることができる。このEPDCCH送信eNB情報は、EPDCCH送信eNBのCSI−RSインデックスである。UEは、当該情報から各セットのDCIをブラインドデコーディングするとき、該当セットのEPDCCH送信eNBのZP CSI−RSリソース要素でDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。すなわち、当該セットのCSI−RSに一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。これらのZP CSI−RS外に存在するIMRに対してはDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0188】
例えば、
図11で、UEに2個のEPDCCHセット、すなわち、set0とset1が設定され、set0ではeNB1が制御情報を送信し、set1ではeNB2が制御情報を送信する。UEには基地局からRRCを通じてset0に対してCSI−RS0を、set1に対してCSI−RS1が設定される。UEはset0に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS0に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。一方、UEは、set1に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS1に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。UEは、当該ZP CSI−RS外に存在するIMRに対してはDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0189】
各EPDCCHセットと連結されるCSI−RSのインデックスは、EPDCCHセット設定メッセージ(configuration message)内のフィールドで直接指示することができる。
【0190】
直接指示の場合、1つのEPDCCHセットが2つ以上のCSI−RSと連結されてもよい。この場合は、2つ以上のeNBで同一のEPDCCHを同時に送信する動作に有用である。
【0191】
直接指示の他の例として、基地局が、UEがEPDCCHに対するチャネル推定をより容易に具現できるように、ドップラー拡散(Doppler spread)や周波数オフセット(frequency offset)のようなチャネルの長期間(long term)特徴(characteristic)がEPDCCH DM RSと同じCSI−RSを、RRCのような上位層信号で指定することもできる。上記CSI−RSは同一位置で送信されるという仮定を適用できるQC(quasi−colocated)CSI−RSを挙げることができる。このとき、このような上位層信号をDCIマッピングにも再使用して、特定EPDCCHとQC CSI−RS及びそれに伴うZP CSI−RSに対してはDCIマッピングがなされないとして動作できる。
【0192】
又は、各EPDCCHセットに連結されるCSI−RSのインデックスは、間接指示されてもよい。例えば、EPDCCHセット0は自動でCSI−RS0に、EPDCCHセット1は自動でCSI−RS1に連結されるとして動作することもできる。
【0193】
第二に、EPDCCH SS内の各PRBでEPDCCH送信が互いに異なるeNBから行われることがある。このとき、基地局はUEにRRCなどの上位層シグナリングを用いて各PRBのEPDCCH送信eNB情報を知らせることができる。当該EPDCCH送信eNB情報は、EPDCCH送信eNBのCSI−RSインデックスである。UEは、当該情報から各PRBをブラインドデコーディングするとき、該当PRBのEPDCCH送信eNBのZP CSI−RS REでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。すなわち、当該PRBのCSI−RSに一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。当該ZP CSI−RS外に存在するIMRに対してはDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0194】
例えば、
図11で、UEにEPDCCH SS内に2個のPRB、すなわち、PRB0とPRB1を設定し、PRB0ではeNB1が制御情報を送信し、PRB1ではeNB2が制御情報を送信する。UEは、基地局からRRCを通じて、PRB0に対してCSI−RS0が、PRB1に対してCSI−RS1が設定される。UEは、PRB0に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS0に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。一方、UEは、PRB1に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS1に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。UEは、当該ZP CSI−RS外に存在するIMRに対してはDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0195】
さらに、EPDCCH SS内の各PRBでEPDCCH送信が互いに異なるeNBから行われる場合、次のような方式でDCI to REマッピングを行うことができる。UEは、各PRBでブラインドデコーディングを行う際、設定された多重CSI−RSの中から、当該PRBに割り当てられたDM RSのスクランブリング識別子(scrambling id)と同じCSI−RSスクランブリング識別子を有するCSI−RSを探す。その後、上記CSI−RSに一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0196】
また、基地局とUEは、事前に定義されたDM RSのスクランブリング識別子とCSI−RSスクランブリング識別子間のマッピングテーブル(mapping table)を用いてCSI−RSを探すこともできる。該マッピングテーブルはRRCを通じて基地局がUEに知らせることができる。その後、当該CSI−RSに一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0197】
第三に、各EPDCCH DM RSポート(port)でEPDCCH送信が互いに異なるeNBから行われることがある。このとき、基地局はUEにRRCなどの上位層シグナリングを用いて各DM RSポートのEPDCCH送信eNB情報を知らせる。このEPDCCH送信eNB情報はEPDCCH送信eNBのCSI−RSインデックスである。UEは、当該情報から各DM RSポートに対するブラインドデコーディングを行う際、当該DM RSポートのEPDCCH送信eNBのZP CSI−RS REでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。すなわち、当該DM RSポートのCSI−RSに一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。当該ZP CSI−RS外に存在するIMRに対してはDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0198】
例えば、
図11で、UEは、DM RSポート7とDM RSポート9を介してEPDCCHを受信することができる。このとき、eNB1がDM RSポート7を介して制御情報を送信し、eNB2がDM RSポート9を介して制御情報を送信する。UEは、基地局からRRCを通じて、DM RSポート7に対してCSI−RS0が、DM RSポート9に対してCSI−RS1が設定される。UEは、DM RSポート7に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS0に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。一方、UEは、DM RSポート9に対してブラインドデコーディングを行う際、CSI−RS1に一対一で連結されたZP CSI−RSでDCIマッピングがされていないと仮定してブラインドデコーディングを行う。UEは、当該ZP CSI−RS外に存在するIMRに対してDCIマッピングがされていると仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0199】
上述した通り、複数のeNBがUEにEPDCCHを送信する3つの場合についてそれぞれ、EPDCCHのDCI to RE mapping方法を説明した。さらに簡単にいうと、UEにEPDCCH送信が可能な全てのeNBに対して各eNBのZP CSI−RSの結合(union)でDCI to REマッピングを決定することができる。すなわち、UEはネットワークから上記eNBのZP CSI−RSの結合情報を受信し、EPDCCHのブラインドデコーディングを行う際、設定されたZP CSI−RSの全てに対してDCIマッピングがされていないと仮定する。
【0200】
(第3実施例)
上述した方法で、IMRでデータのマッピングされたか否か、又はIMRでDCIのマッピングされたか否かを決定するために、各eNB別ZP CSI−RS情報と送信eNB情報を送信した。これにより、UEは、IMRでデータ/DCIのマッピングされたか否かをデータ送信eNBのZP CSI−RS情報から間接的に把握することができる。その他の方式として、IMRでデータのマッピングされたか否か、又はIMRでDCIのマッピングされたか否かを、次のようにDCIを用いて直接受信することもできる。
【0201】
一例として、表4のように、DCIに3ビットフィールドを追加し、データのマッピングされたか否かをUEに知らせることができる。UEは、DCIを用いて表4の情報を受信し、ミューティングと設定されたIMRでデータマッピングがされていないと仮定する。データ送信と設定されたIMRではデータマッピングされたと仮定する。
【0203】
例えば、
図11で、UEがeNB1からデータを受信する場合、UEは基地局から上記DCIフィールドで‘010’を受信する。UEはIMR1に対してデータマッピングを仮定し、IMR0,IMR2に対してデータマッピングを仮定せずにデータ復調を行う。一方、UEがeNB2からデータを受信する場合、UEは基地局から上記DCIフィールドで‘011’を受信する。UEは、IMR0に対してデータマッピングを仮定し、IMR1及びIMR2に対してデータマッピングを仮定せずにデータ復調を行う。
【0204】
又は、表4のように新しいフィールドを追加するのではなく、DCI内にあるDM RSシーケンス(sequence)の初期値(initial value)情報を用いて、IMRでデータマッピングがされたか否かを決定してもよい。例えば、上記初期値を0、1に設定可能であり、UEに0が指定された場合、UEは、設定されたIMRのうち、IMR0のみにデータマッピングされていると仮定する。UEに1が指定された場合、UEは、設定されたIMRのうち、IMR1のみにデータマッピングされていると仮定する。上記の例では初期値を1ビットに制限して説明したが、可能なビット数によって、より多いデータマッピングIMRをUEに設定することもできる。
【0205】
上記の通り、UEがIMRでデータマッピングされているか否か又はDCIマッピングされているか否かをDCIを用いて直接受信する場合、UEは、基地局から一つのZP CSI−RS情報を受信し、IMRを除くリソースに対してデータ/DCIのマッピングされたか否かを決定する。上記の一つのZP CSI−RS情報は、各eNB別ZP CSI−RSの結合(union)を表す。例えば、
図11で、eNB1のZP CSI−RSがリソース1,2,3に、そしてeNB2のZP CSI−RSがリソース3,4,5に割り当てられた場合、UEは、上記の一つのZP CSI−RS情報から、ZP CSI−RSがリソース1,2,3,4,5に割り当てられたことを把握し、当該リソースでデータ/DCIマッピングがないと仮定する。
【0206】
図14に、本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0207】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクで通信は基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクで通信はリレーと端末間に行われる。したがって、図面に例示した基地局又は端末は、状況によってリレーに置き換えてもよい。
【0208】
図14を参照すると、無線通信システムは、基地局1410及び端末1420を含む。基地局1410は、プロセッサ1413、メモリー1414、及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット1411,1412を含む。プロセッサ1413は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリー1414はプロセッサ1413と接続され、プロセッサ1413の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット1411,1412は、プロセッサ1413と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末1420は、プロセッサ1423、メモリー1424及びRFユニット1421,1422を含む。プロセッサ1423は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリー1424は、プロセッサ1423と接続され、プロセッサ1423の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット1421,1422は、プロセッサ1423と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局1410及び/又は端末1420は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は、変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換わってもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよいことは明らかである。
【0209】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。
【0210】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0211】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに記憶させ、プロセッサによって駆動することができる。
【0212】
メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられて、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0213】
以上開示した本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0214】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化できる。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。ここに開示されている実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。