(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記裏装体及び前記ベースのうちの一方が少なくとも1つの脚部を形成しており、前記裏装体及び前記ベースのうちの他方が前記脚部を受け入れるように構成される少なくとも1つの穴を形成している、請求項1に記載のシステム。
前記装飾アセンブリは、前記裏装体を前記ベースに対して取外し可能に接続する取外可能接続アセンブリを更に備え、更に前記取外可能接続アセンブリの割裂強度は、前記取外可能固定システムの割裂強度よりも小さく、前記取外可能接続アセンブリの引張強度は、前記取外可能固定システムの引張強度よりも小さい、請求項1に記載のシステム。
前記ベースは、前側と、後側と、前記前側に対する窪みとして形成される中央取付領域とを形成し、更に前記中央取付領域は、前記裏装体の外側フレームを受け入れるように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記第1固定要素及び前記第2固定要素のうちの一方は、裏装材から突出する茎部と、前記茎部のうち前記裏装材とは反対側の端にある円形ヘッドとを有するマッシュルーム形状である、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様は、任意でキット形式で提供可能な壁装飾システムと、当該システム及びキットを使用した方法に関する。
図1に示す、壁を装飾するためのキット30の一実施形態は、複数の装飾アセンブリ32を備える(
図1にはそのうちの1つの後面を示す)。各装飾アセンブリ32は、2部構造取外可能固定システム34(概略的に示す)の第1構成要素を担持し、キット30は更に、それぞれ取外可能固定システム34の第2構成要素を担持する複数の相補的固定構造36を備える。構成要素32〜38を保持するパッケージ(不図示)と任意の使用説明書(不図示)とともに、1つ以上のスペーサアセンブリ38が任意でキット30に含まれる。本開示のシステムは、少なくとも1つの装飾アセンブリ32と、少なくとも1つの相補的固定構造36と、更に任意で1つ以上のスペーサアセンブリ38を含むものと捉えることができる。様々な構成要素の詳細を以下に記載する。ただし、装飾アセンブリ32は通常、パッケージ内で相補的固定構造36とは離れて配置される。壁(不図示)を装飾しようとするユーザは、1つ(又は複数)の相補的固定構造36を壁面に貼り、貼り付けられた相補的固定構造36に所望の装飾アセンブリ32の1つを取外し可能に固定する。スペーサアセンブリ38のうち選択したものは、適宜装飾アセンブリ32と相補的固定構造36との間に任意で配置され、更に/或いは後述のように装飾アセンブリ32の構造に含まれる(例えば、一部の実施形態では、スペーサアセンブリ38を装飾アセンブリ32の構成要素又は下位構成要素として捉えることができる)。いずれの場合でも、取外可能固定システム34は装飾アセンブリ32と壁面との簡易、柔軟、又は再配置可能な取付けをしやすくし、更に装飾アセンブリ32を異なる外観を持つ別の装飾アセンブリ32とより交換しやすくするものである。
【0014】
装飾アセンブリ32
図2A及び
図2Bに示すように、装飾アセンブリ32は、多様な形態をとり得、一部の実施形態では概して装飾要素50と、パネル又はパネルアセンブリ52(概略的に図示する)と、取外可能固定構造54とを備える。装飾要素50と、取外可能固定構造54とがパネル52に取り付けられている。取外可能固定構造54は、相補的固定構造36(
図1)の対応する固定要素と取外し可能に結合する固定要素を提供し、後述のように取外可能固定システム34(
図1)の一部を成す。
【0015】
装飾要素50は、パネル又はパネルアセンブリ52と別に形成され、パネル又はパネルアセンブリ52に貼り付けられても、パネル52上又はパネル52と一体的に形成されてもよい。装飾要素50は永久的にパネル52に担持されても、取外し可能にパネル52に取り付けられてもよい(例えば、装飾要素50がパネル52に対して再配置可能となるよう、感圧接着剤を使用する)。一部の実施形態では、装飾要素50は対応するパネル52に応じたサイズと形状を有する。更に別の実施形態では、装飾要素50は対応するパネル52より若干大きく、パネル52の側部を包むようにしてパネル52に取り付けられている。いずれの場合でも、装飾要素50は装飾的視覚効果をもたらす。可能な装飾効果の例は無限に存在する。例えば、装飾要素50の装飾効果は、ファンシーな図柄や、物体、人、場所、動物又はそれらの組み合わせを表現したもの(写真又は芸術的描写)や、空想の物体又はキャラクター(例えば漫画のキャラクター)や、折り紙や、模造表面(例えば木目状)などの二次元的表現であってもよい。これに代えて又は加えて、装飾要素50は織物又はリボンなどによる、三次元的視覚効果を醸成する質感又はそれに類する要素のような変化する表面を含んでよい。更に別の実施形態では、装飾要素50は黒板及び/又は白板であるか、それを備えてもよい。したがって、装飾要素50は彫刻品のような三次元的物体であるか、その視覚効果を醸成するものであってもよい。
【0016】
一部の実施形態では、キット30(
図1)により、2つ以上の装飾アセンブリ32で、同様のテーマだが少なくとも細部が異なる装飾効果を提供してもよい。例えば、
図3A及び
図3Bは、本開示の壁装飾キット及びシステムで提供可能な非限定的な第1装飾要素50a及び第2装飾要素50bを示す。装飾要素50a、50bはそれぞれ、同様の線、形状、色のファンシーな装飾効果を表すものであるが、第1装飾要素50a内の具体的線(及び/又は色)配置は、第2装飾要素50bのものと異なる。このような構成により、キット30のユーザは、装飾アセンブリ50a、50bのうち最も好ましいものを選択したり、対応する各装飾アセンブリ32の両方を互いに近接して配置することで、装飾要素50a、50bが協同で視覚効果を醸成するよう任意に配置したりできる。別の実施形態では、キット30で提供される各装飾アセンブリ32が、同一の装飾要素50(したがって同一の装飾効果)を備え、並べて配置した際に連続的で一つながりの視覚効果が醸成されるようにしてもよい。
【0017】
上述の装飾効果は、本開示が想定するもののほんの一部であることが理解されよう。装飾要素50は実質的にあらゆる視覚効果を実現するものなのである。更に別の実施形態では、装飾要素50は音響制御に供されるものであり、これらと更に類する実施形態によると、装飾要素50は必ずしも明確又は顕著な視覚効果を醸成しなくてもよい。
【0018】
一部の実施形態では、装飾要素50は壁装飾システムの製造業者により製造され、最終品としてエンドユーザに提供される。別の実施形態では、本開示の壁装飾システムは、エンドユーザが所望の装飾要素50を作成可能とする。これら実施形態では、ユーザは所望の絵(例えば写真)又は所望形態(例えば紙、繊維など)のデザインを生成し、生成された絵又はデザインを装飾要素50又はその一部として使用する(例えば写真又はその他画像をパネル52に貼り付けることによる)。言い換えると、本開示の一部の壁装飾システムでは、通常紙又は写真用紙に印刷されるユーザ作成の装飾要素50(その例は後述する)を取付け可能な1つ以上のパネル又はパネルアセンブリ52がユーザに提供される。このように構成されたパネル52は、ユーザ作成の装飾要素50及び/又はその他特徴的要素(例えばユーザがユーザ作成の装飾要素50をパネル52にホッチキスで留められるようにする木製細長片、クリップなど)を提供可能である。関連するその他実施形態では、ユーザが壁装飾システム30の製造業者に1つ以上の所望の装飾題材を電子的に提供し(例えばeメール、ウェブサイトダウンロードなどによる)、製造業者が提供された題材に沿って装飾要素50を作成するようにしてもよい。例えば、ユーザは製造業者に1つ以上のデジタル写真又はその他デジタル形式のデザインを提供してもよい。製造業者はその題材を検討し、パネル52のサイズやその他パラメータに応じて設計し直して(例えばトリミング又はその他調整)、適切に設計された装飾要素50をユーザに送り、ユーザが適切に処理するようにしてもよい(例えば、ユーザは装飾要素50をパネル52の1つに固定してもよい)。更に別の実施形態では、ユーザが提供した題材に沿った装飾要素50を使用した、完成品の装飾アセンブリ32を製造業者がユーザに提供してもよい。更に、製造業者及び/又はエンドユーザは、対象となるデジタル保存された題材を、2つ以上の区画に分割し、各区画が装飾要素50の1つとなるようにしてもよい。
【0019】
再び
図2A及び
図2Bを参照に、一部の実施形態では、パネル又はパネルアセンブリ52は互いに反対側の第1主面60及び第2主面62を形成する軽量構造である。パネル52の軽量性は、材料密度により定義することができる。一部の実施形態では、パネル52材料の密度は、5g/cm
3未満、或いは3g/cm
3未満、或いは約1g/cm
3である。一部の実施形態では、任意でパネル52を例えば厚み約0.120インチのように比較的薄く設定してもよい。主面60、62のうちの一方又は両方は、実質的に平坦又は平面的(例えば、完全な平面の10%以内)であってもよく、一体均一構造のパネル52を使用した一部の実施形態では、パネル52は使用中に、想定された力をユーザがかけても曲がらないほど、比較的剛質である。例えば、一部の実施形態では、取外可能固定システム34の係合を解除するため、ユーザが約
2,721グラム(6lbs
)/インチ幅以下の割裂力をパネル52にかけることを想定し、パネル52がそのような力がかかった状態でも永久変形しないほど剛質となっている。パネル52が軽量且つ頑丈な構成であることで、装飾要素50を十分支持しながら、取外可能固定システム34(
図1)に必要な保持力を下げるという特性が得られる。即ち、装飾アセンブリ32の質量の大部分を担うパネル52が軽量であることで、従来のパッケージ化された面ファスナー細長片に使用された場合と比較して、取外可能固定システム34の保持力を低く設定できる。
【0020】
一部の実施形態では、パネル52は一体均一部材で、第1主面60及び第2主面62が連続した表面となる基板又は積層体として提供される。例えば、パネル52は、マイクロフルート段ボール、段ボール、発泡コア又は同様の発泡板、板紙、成型繊維板、木板、プラスチック段ボール、ポリマー発泡剤、又は同様の性質又は同様の特徴を有する材料、及びこれらの組合せ等の様々な材料で形成できる。少なくとも第1主面60が連続した表面となるパネル52を使用する実施形態によると、装飾要素50を任意でパネル52上又はパネル52により直接形成できる(例えば、所望の図柄を第1主面60上に直接印刷できる)。別の実施形態では、装飾要素50を別体として形成し、後に第1主面60に貼り付けてもよい(例えば接着剤による接着による)。別の実施形態では、パネル52は主面60、62のうちの一方又は両方を不連続的な表面として形成してもよい(例えばパネル52はハチの巣形態であってもよい)。
【0021】
再び
図2A及び
図2Bを参照に、正確な形状を問わず、キット30(
図1)で提供される各装飾アセンブリ32は、一部の実施形態では同一の形状及び/又はサイズとなるような、同一に設計されたパネル又はパネルアセンブリ52を備えてもよい。例えば、一部の実施形態では、各装飾アセンブリ32(及び/又はそれに担持又は形成される装飾要素50)の外周が平行四辺形(正方形、長方形など)を形成し、16インチ以下の長さ及び幅を有する。一部の実施形態では、各パネル52のサイズは12インチ×12インチである。また、その他形状や最大寸法も想定される。更に別の実施形態では、キット30で提供される2つ(又はそれ以上)の装飾アセンブリ32のパネル52は、互いに少なくとも形状及び/又は形状が異なっていてもよい。
【0022】
以下に、取外可能固定構造54の特徴を、取外可能固定システム34とともにより詳細に説明する。装飾アセンブリ32の構造に関して、取外可能固定構造54は任意に、例えば永久接着剤によりパネル52に接着するといったように、パネル又はパネルアセンブリ52の第2主面62に対して永久的に固定される。例えば熱融解、縫い付け等その他技術で取外可能固定構造54を第2主面62に永久的に取り付けてもよい。ユーザに提供される本開示の壁装飾キット及びシステムでは、2部構造取外可能固定システム34の第1構成要素は任意で、装飾アセンブリ32の一部として装飾要素50に予め組み付けられる(永久的に組み付けられたままにしておく)。更に別の実施形態では、取外可能固定構造54はパネル又はパネルアセンブリ52に(例えば感圧接着剤で)取外し可能に接続されている。
図4に示すよう、正確な形状は問わず、取外可能固定構造54は任意で、第2主面62の表面積のある程度を覆う。例えば、一部の実施形態では、取外可能固定構造54は第2主面62の少なくとも20%を覆う又は被覆する(例えば、第2主面62の外寸が12インチ×12インチ又は利用可能表面積が144平方インチであって、取外可能固定構造は利用可能面積の少なくとも20%(例えば少なくとも28.8平方インチ)を被覆する)。別の実施形態では、取外可能固定構造54は第2主面62の少なくとも半分以上(例えば50%超)或いは少なくとも60%を覆い、別の実施形態では少なくとも75%を覆うようなサイズ、形状を有する。更に別の実施形態では、取外可能固定構造54は第2主面62の利用可能表面積の全体又はほぼ全体(例えば少なくとも95%)を覆う。これらの構造、更に同様の構造によると、小さな細長片部材のみが利用可能な従来のパッケージ化された後面接着取外可能固定システムと異なり、取外可能固定構造54の表面積の大部分に、後述するように装飾アセンブリ32が取付け可能である。
【0023】
パネル又はパネルアセンブリ52は一体部材であると説明されたが、別の実施形態では、2つ(又はそれ以上)の構成要素又は部材を使用してもよい。例えば、
図5は装飾要素50(不図示。
図2Aの装飾要素50と同様)、裏装
材又は裏装体76、ベース78、任意の接続アセンブリ(
図5では視認不能。詳細を後述)を含む、本開示の原則に係る別実施形態の装飾アセンブリ32Bの複数の部位を示す。裏装体76とベース78は、装飾要素50に裏装体76を貼り、取外可能固定構造54(
図5では視認不能。例えば
図1に図示)をベース78が担持するように組み合わされて、上述のパネル52(
図2A)と同様となる。一方、
図5の実施形態によると、裏装体76(したがって裏装体76に担持された装飾要素50)は、ベース78に取外し可能に取り付けられ、そのベース78は壁面に(取外可能固定構造54を介して)取外し可能に取り付けられている。この構造によると、ベース78は壁面に沿った「公知の」取付領域を構成でき、これにより(異なる装飾要素50を持つ)異なる裏装体76のより確実な交換が可能となる。
【0024】
裏装体76は
図6A〜6Cにより詳細に示され、前面80とそれとは反対側の後面82を形成する。裏装体76内に、1つ以上の脚部84が後面82の平面からの突起として形成される。例えば裏装体76は、各脚部84が前面80では凹みとして、後面82ではそれに対応した突起として、比較的一定の壁厚を有してもよい。いずれの場合でも、脚部84以外では、面80、82は実質的に平坦である(例えば、完全平面又は平坦面の10%以内)。一部の実施形態では、それぞれが裏装体76の対応する角近傍に配置された4つの脚部84が提供される。その他の脚部84の数及び/又は位置を採用してもよい。いずれの場合でも、前面80には装飾要素50(
図2A)が取り付けられ(例えば、永久接着剤による接着、機械的固定などによる)、後述のように脚部84はベース78(
図5)との取外し可能な係合をしやすくするものである。裏装体76は、一部の実施形態では成型プラスチックであるように、様々な材料から形成可能である。
【0025】
図7A〜7Cは、互いに反対側の前側86及び裏側88が形成されたベース78をより詳細に示す。裏側88に沿った中央領域90は、接着剤又はその他接着技術により取外可能固定構造54(不図示)が取り付けられるように設計される。一部の実施形態では、ベース78は、中央領域90が前側86では凹み又は窪みとして、後側88ではそれに対応した突起として、比較的一定の壁厚を有する。プラットフォーム領域92は、中央領域90を囲繞する、ベース78の(前側86に向かう)隆起面である。即ち、プラットフォーム領域92は中央領域90に対し隆起しており、したがって中央領域90はプラットフォーム領域92に対し窪んでいる。いずれの場合でも、プラットフォーム領域92はベース78の先端又は前主平面を形成し、裏装体76(
図5)、特に後述のようにその後面82(
図6B)を支えるように設計される。これを念頭に、プラットフォーム領域92には、それぞれ対応する裏装体脚部84(
図6C)を受け入れるように構成された1つ以上の穴94が形成されている。このため、穴94のサイズ、形状、数、位置は脚部84と対応する。
図7Cに最も見やすく示すよう、穴94はプラットフォーム領域92の主平面から後側88に向かう凹みとして形成されるが、中央領域90の平面に達する必要はない。
【0026】
一部の実施形態では、ベース78は任意で、プラットフォーム領域92から経路96により離間した外周壁95を形成している。この構造により、ベース78の全体的剛性が向上する。或いは、プラットフォーム領域92はベース78の外周縁に連続してもよく、同一平面であってもよい。ベース78は、一部の実施形態では成型プラスチックであるように、様々な材料で形成できる。
【0027】
上述のように、裏装体76とベース78は互いに取外し可能に取り付けられるように構成されている。これに関して、更に
図8A〜8Cを参照に、脚部84を対応する穴94内に配置することで、裏装体76はベース78に対して中央配置関係となる。装飾アセンブリ32Bが直立に配置される際、各脚部84/穴94接触面により、完成したアセンブリの剪断強度が得られる。任意の固定部材を脚部84/穴94接触面に設けることで、より強く係合する。例えば、
図8Cは穴94に配置された、脚部84をより強固にベース78に接続するための接続用アセンブリ98を概略的に示す。接続用アセンブリ98は多様な形態を取り得る。例えば、接続用アセンブリ98は、フック(又はループ)固定部のパッチをその後面82の脚部84に貼り、補助ループ(又はフック)固定部をその前側86の穴94内に貼った面ファスナーであってもよい。接続用アセンブリは、脚部84及び穴94のうちの一方又は両方の接着剤(例えば感圧接着剤)のように他の形態であってもよい。別の実施形態では、接続用アセンブリ98は磁石型であってもよい。裏装体76及びベース78に対し、1つ以上の磁石又は相補的な磁石構造を様々に配置してもよい。例えば、
図8Dは接続用アセンブリ98が、裏装体76の脚部84に取り付けられた第1磁石99aと、ベース78の穴94内に取り付けられた第2磁石99bとを備える一実施形態を示す。第1磁石99a及び第2磁石99bは、ベース78の第2磁石99bが第1磁石99aを磁気吸着する(又はその逆)ように、相補的に配置され、脚部84が穴94に自動的に入り込み、接続状態が磁力により維持される。或いは、磁力結合を弱めたい場合、磁石99a、99bを裏装体76の前面80及び/又はベース78の後側88に配置してもよい。関連した実施形態では、磁石99a、99bのうちの一方は、必ずしも磁化されていないが、他方に磁力吸着される金属体(例えば鋼板)であってもよい。いずれの場合でも、接続用アセンブリ98の磁石型構造は、ベース78に対して裏装体76を迅速に中央係合しやすくするという利点がある。
【0028】
本開示の原則に従う別の関連した実施形態の装飾アセンブリ32Cは
図9に示され、裏装
材又は裏装体100と、ベース102と、任意の接続用アセンブリ(
図9では視認不能)と、装飾要素50と(概略的に示す)を備える。裏装体100及びベース102は、装飾要素50が裏装体100に貼られ、取外可能固定構造54(
図9では視認不能だが、例えば
図1に示す)がベース102に担持されるように組み合わされることで、上述のパネル52(
図2A)の一部の実施形態と同様となる。
図9に示す実施形態によると、裏装体100(したがって裏装体100に担持された装飾要素50)はベース102に着脱可能であり、ベース102は壁面に(取外可能固定構造54を介して)着脱可能である。この構造によると、ベース102は壁面に沿った「公知の」取付領域を構成でき、これにより(それぞれ異なる装飾要素50を持ち得る)異なる裏装体100のより確実な交換が可能となる。
【0029】
図10A〜10Cにより詳細に示す裏装体100は、互いに反対側の前面110(
図10A)と後面112(
図10B)を形成する。一部の実施形態では、裏装体100はボウル状であってもよく、フレーム114及びフランジ116を備える又は形成する。フレーム114は、底壁118及び側壁120a〜120d(
図10B及び
図10Cに概略的に示し、そのうち2つは
図9で視認及び確認可能である)を有する。底壁118は裏装体100の後面112を形成する。側壁120a〜120dは、底壁118から延び、前面110でフランジ116が側壁120a〜120dから横方向外側、即ち底壁118の反対側に突出している。
【0030】
裏装体100は更に、
図10A及び
図10Cに最もよく示されたポスト122を形成している又は備える。ポスト122は底壁118から前面110に向かう突起と定義され、任意の磁石126を受け入れ、保持するのに適したサイズ及び形状の通路124を形成している。一部の実施形態では、ポスト122は前面110に対して開口しており、これにより磁石126が挿入及び設置しやすくなっている。反対に、ポスト122は後面112に対しては閉じていてもよい。例えば、ポスト122はプラットフォーム128まで延在するものであってもよい。
図10B及び
図10Cに最もよく示すよう、穴130は後段で明示する理由により、後面112でポスト122の反対側に形成されている。穴130は磁石126に対して長手方向に整合され、プラットフォーム128まで延びる後面112の窪みと定義される。穴130の外周132(
図10B)は、ベース102(
図9)により提供される特徴的要素を受け入れるようなサイズ及び形状を有し、一部の実施形態では図示の通り正方形となる。
【0031】
裏装体100は、フランジ116に沿って設けられた、装飾要素50取付用の拡大表面領域により、前面110で装飾要素50(
図9)を受け入れ、保持する(例えば永久接着剤による接着、機械的固定などによる)。フランジ116は前面110を実質的に平坦に形成してもよい。
図9に最もよく示すよう、一部の実施形態では、フランジ116は装飾要素50よりも設置面積が小さい。或いは、裏装体100の設置面積は、装飾要素50の想定されるサイズにより近くてもよい。
【0032】
図10Bに最もよく示すよう、例えばフレーム114は図示のように、底壁118の4つの同一サイズの側縁134a〜134dによる四角形であってもよい。側縁134a〜134dは、角136a〜136dで交差し、一部の実施形態で示すよう、角136a〜136dは任意で丸角であってもよい。側壁120a〜120dはそれぞれ、対応する側縁134a〜134dから同形状で突出し、フレーム114の正方形状が維持される。
図10Dに更に示すよう、側壁120a〜120dは底壁118から延長するように平滑な曲線を描いてもよく、前面110から横方向外側へ傾斜していてもよい。言い換えると、側壁120a〜120dはフレーム114のサイズが、前面110から底壁118に向かって減少するように構成されてもよい。再び
図10A〜10Dを参照に、ポスト122及び穴130は底壁118の正方形状に対して中心に位置している。
【0033】
裏装体100は、一部の実施形態の追加、任意の特徴的要素を内蔵してもよい。例えば、裏装体100を補強するため、内壁138が互いに反対側の側壁120a、120c、互いに反対側の側壁120b、120d間に延在してもよい。別の構造では、内壁138を省略及び/又は裏装体100が前面110から後面112にかけてより堅固な構造を備えてもよい。裏装体100は、一部の実施形態では成型プラスチックであるように、様々な材料で形成されてもよい。
【0034】
ベース102は
図11A〜11Cにより詳細に示され、互いに反対側の前側140(
図11A)と、後側142(
図11B)とを形成する。中央取付領域144は、後側142に沿って取外可能固定構造54(不図示)を接着剤又はその他接着技術により受け入れるように設計される。一部の実施形態では、ベース102は、取付領域144を前側140では凹み又は窪みとして、後側142ではそれに対応した突起として、比較的一定の壁厚を有する。
【0035】
図11Aに最もよく示すよう、取付領域144は正方形外周を有し、取付領域144のサイズと形状は裏装体フレーム114(
図10B)のサイズと形状に対応している。例えば、取付領域144の深さ及び形状は底パネル146及び側方パネル148a〜148dにより生成される。底パネル146は裏装体底壁118(
図10B)に対応し、側方パネル148a〜148dは概して裏装
材側壁120a〜120d(
図10B)に対応する。より具体的には、側方パネル148a〜148dは、側壁120a〜120dに対応した横方向長さを有するが、後段で明示する理由により、側方パネル148a〜148dは任意で側壁120a〜120dよりも長手方向深さが浅くてもよい。側方パネル148a〜148dは丸角150a〜150dで交差する。したがって、取付領域144は裏装体フレーム114を入れ子状に受け入れるように構成される。更に、ベース102は取付領域144の中心に、裏装体穴130(
図10A)に対応したサイズ及び形状(例えば正方形状)の脚部152を形成している。
図11Cに最もよく示すよう、脚部152は前側140に延びる突起として形成され、任意の磁石156を任意で保持するように構成された収容部154を形成する。収容部154は前側140に対して閉じられてもよい。磁石156の収容部154内への取付けを以下により詳細に説明する。
【0036】
仕切り領域158は取付領域144を囲繞し、ベース102(前側140と後側142との間)の中間表面となる。即ち、仕切り領域158は取付領域144に対して隆起しており、したがって取付領域144は仕切り領域158に対して窪んでいる。
【0037】
一部の実施形態では、ベース102は更にリップ部162まで延びる外周壁160を有する又は形成する。後段でより詳細に説明するよう、外周壁160の高さ、位置、したがって底パネル146に対するリップ部162の空間的配置は裏装体100(
図9)の幾何学形状に対応する。より具体的には、底パネル146はリップ部162に対して、装飾要素50が裏装
材100に最終的に組み付けられた際にリップ部162が装飾要素50(
図9)に整合されるような距離だけ、後側142に向かって窪んでいる。
【0038】
ベース102は任意で、1つ以上の追加の特徴的要素を備えてもよい。例えば、ベース102は気泡水準器166を保持するようなサイズと形状を有するポケット164を形成してもよい。ベース102は、一部の実施形態では成型プラスチックであるように、様々な材料で形成できる。
【0039】
上述のように、裏装体100とベース102は互いに取外し可能に取り付けられるように構成される。これに関して、第1に
図12Aを参照に、穴130を概して脚部152近傍に配置し、底壁118を概して取付領域144に整合させることで裏装体100が自らベース102に対して中心配置関係となる。互いに比較的近く配置されると、磁石126、156は互いに磁力吸着され、穴130が脚部152に被されるようにしてフレーム114が取付領域144内に導かれる。これについて、
図12Bと
図12Cとの比較で示すように、フレーム114と取付領域144は相補的な正方形状を有しており、磁石126、156間の磁力吸着により側壁120a〜120d(そのうち2つが
図12B及び
図12Cで視認可能)の湾曲部が対応する側方パネル148a〜148d(そのうち2つが
図12B及び
図12Cで視認可能)に沿って取付領域144内へと摺動することで、裏装体100のベース102に対する自己整合がなされる。完全に挿入された裏装体側壁120a〜120dは対応するベース側方パネル148a〜148dに対し入れ子状態となる。フレーム114に関連した丸角と取付領域144は、整合及び完全な挿入をしやすくする。
図12Cに、磁石126、156による、組み付けられた裏装体100、ベース102間の磁力係合を示す。別の実施形態では、上述のようにその他設計の接続アセンブリを磁石126、156の代わりに使用してもよい。
【0040】
裏装体フレーム114及び取付領域144の対応する対称形状により、より確実に裏装体100のベース102に対するあらゆる回転ずれが自己修正される。例えば、
図13は取付領域144に対して回転して傾斜又はずれた裏装体底壁118を示す(例えば、底壁118の側縁134a〜134dが取付領域144の側方パネル148a〜148dに整合していない)。しかし、底壁118を底パネル146に引き寄せる磁力(上述)は、側縁134a〜134dを側方パネル148a〜148dに沿って移動でき、これにより底壁118の取付領域144に対する自己整合がなされ、フレーム114(
図10C)が取付領域144に完全に入れ子状態で係合される。
【0041】
図14は、取外可能固定構造54(及び相補的固定構造36)を介した壁面170に対する装飾アセンブリ32Cの取付けを示す。参照として、
図14は一部の実施形態では磁石156が取外可能固定構造54により収容部154内に組み付け、嵌合可能であることを示す。
【0042】
必要あれば、裏装体100/装飾要素50は、単純に装飾要素50の1つ以上の縁に対して磁石126、156間の磁力吸着を十分に上回る牽引力をかけることで適宜取り外すことができる。特に、磁石126、156を引き離すために必要な力は、後述するように、取外可能固定構造54を相補的固定構造36(即ち壁面170)から分離するために必要となり得る力よりも小さい。したがって、裏装体100/装飾要素50の取外し又は再配置のため、ベース102を壁面170に沿った好ましい位置から動かす必要がない。新たな組み合わせの裏装体100/装飾要素50を(壁面170に取り付けたままの)ベース102に組み付けてもよい。これで、新たな裏装体100/装飾要素50の上述したようなベース102に対する自動的な自己整合がなされる。したがって、装飾アセンブリ32Cの磁石型構造は、ベース102に対して裏装体100を迅速に中央係合しやすくするという利点がある。
【0043】
図15A及び
図15Bは本開示の原則に従う別の実施形態の装飾アセンブリ32Dを示す。装飾アセンブリ32Dは、裏装体又は裏装
材200と、取付ポッド又はベース202と、装飾要素50(概略的に示す)と、取外可能固定構造54(
図15Bでは省略されているが、例えば
図1には示されている)とを備える。裏装体200及び取付ポッド202は組み合わされて、上述の別の実施形態のパネル又はパネルアセンブリを形成する。裏装体200は上述の裏装体100(
図9)と類似しており、取付ポッド202はベース102(
図9)と類似している。したがって、裏装体200は概して装飾要素50を保持し、取付ポッド202に取外し可能に取り付けられるように構成され、一方取付ポッド202は(取付ポッド202に担持された取外可能固定構造54を介して)壁面に着脱可能である。ただし、装飾アセンブリ32Dによると、取付ポッド202は(ベース102のサイズと比較して)サイズが小さいため、後述するように、取付ポッド202に取外し可能に取り付けられる構造の種類や形態の自由度が増す。
【0044】
裏装体200は、パネル210と、中央部分212と、リム214とを備え、又は形成してもよい。パネル210は、非常に剛質且つ非常に平面状な部材であってもよく、取付面216(
図15Aで視認可能)を形成する。取付面216は、装飾要素50を(例えば接着剤、機械的固定など)を取り付けるため、非常に平坦であってもよい。図示の通り、取付面216の設置面積は装飾要素50の想定されるサイズ及び形状に近似する。或いは、取付面216は装飾要素50の想定されるサイズ及び形状より大きく又はより小さくてもよい。一部の実施形態では、裏装体200の全体重量と材料費を減ずるため、パネル210を厚さ方向に貫通する開口218が形成されてもよい。
【0045】
中央部分212はパネル210と一体形成され、上述の裏装体100(
図10A〜10C)に非常に類似していてもよい。上述の裏装
材100についての説明は全て、同様に中央部分212にも該当する。通常、中央部分212は、パネル210平面から後方にパネル210の反対側の底壁222まで突出する4つの側壁220a〜220dを有する。底壁222は図示の通り、底壁222の延長としてパネル210まで横方向外側に傾斜した側壁220a〜220dを有する正方形状を有してもよい。
【0046】
中央部分212は更に、
図15Aに最もよく示すポスト224を形成する又は備える。ポスト224は、底壁222からパネル210に向かう突起として定義され、磁石(不図示)を受け入れ、保持するようなサイズ及び形状を有する経路226を形成する。
図15Bに最もよく示すよう、穴228が底壁222でポスト224の反対側に形成される。穴228はポスト224に整合される。
【0047】
リム214は、パネル210を囲繞し、パネル210外周から後方に突出する。リム214は、湾曲又は傾斜した角を有してもよい。開放領域860(
図15Bに概略的に示す)がリム214と、パネル210「裏」の中央部分212との間に形成される。後段でより詳細に説明するように、装飾アセンブリ32Dとともに任意で提供されるその他部品(例えば照明)を設置するために開放領域230を使用してもよい。
【0048】
取付ポッド202は、上述のベース102(
図11A〜11C)の取付領域144(
図11A〜11C)に非常に類似してもよい。上述の取付領域144についての説明は全て、同様に取付ポッド202にも該当する。通常、取付ポッド202は裏装体中央部分212(例えば正方形外周)に対応したサイズと形状を有する。取付ポッド202の深さと形状は底パネル232と側方パネル234a〜234bにより定義される。底パネル252は裏装体底壁222に対応し、側方パネル234a〜234dは概して裏装体側壁220a〜220dに対応する。したがって、取付ポッド202は裏装体中央部分212を受け入れるように構成される。さらに、取付ポッド202は、底パネル232の中央に位置し、前方に突出する脚部236を形成している。脚部236は、裏装体穴228に応じたサイズと形状(例えば正方形)を有する。
図15Bに最もよく示すよう、脚部236は任意の磁石(不図示)を任意で保持するように構成された収容部238を形成する。収容部238は脚部236の前側240(
図15A)に対して閉じられていてもよい。
【0049】
上述の通り、裏装体200と取付ポッド202は互いに取外し可能に取り付けられるように構成される。例えば、
図16Aは取付ポッド202に結合された裏装体200(更に裏装体200に取り付けられた装飾要素50)を示す。裏装体中央部分212は、底パネル232が底壁222に当接して取付ポッド202内に入れ子状に収まっている。
図16Aには示していないが、上述の装飾アセンブリ32C(
図12A〜12C)の説明同様、裏装体200と取付ポッド202が補助磁石(不図示)により磁力結合して、取付ポッド脚部236(
図15A)が裏装体ポスト穴2238(
図15B)内に受け入れられる。別実施形態の補助磁石の代わりに上述の別の接続アセンブリ形態を利用してもよい。
【0050】
図16Bは、取外可能固定構造54と相補的固定構造36を介した壁面170に対する装飾アセンブリの取付けを示す。裏装体200/装飾要素50は、単純に裏装体200の1つ以上の縁に対して裏装体200で提供される磁石(不図示)と取付ポッド202間の磁力吸着を十分に上回る牽引力をかけることで取付ポッド202から適宜取り外すことができる。ここでも、磁石を引き離すために必要な力は、取外可能固定構造54を相補的固定構造36から(したがって、後述するように、壁面170から)分離するために必要となり得る力よりも小さい。したがって、裏装体200/装飾要素50の取外し又は再配置のため、取付ポッド202を壁面170に沿った好ましい位置から動かす必要がない。更に、取付ポッド202は(裏装体200と比較して)比較的小さな設置面積を持つため、開放領域230の大部分を照明、スピーカ、その他電子部品などのような任意の補助物品の取付け、保持に利用できる。
【0051】
図17Aは、上述の装飾アセンブリ32Dに類似した別実施形態の装飾アセンブリ32Eを示す。装飾アセンブリ32Eは装飾要素280と、裏装体又は裏装
材282と、取付ポッド又はベース202と、取外可能固定構造54(
図17Aでは視認不能だが、例えば
図1に示す)とを備える。前述の実施形態同様、装飾要素280は裏装体282に取り付けられている(例えば永久的に又は取外し可能に取り付けられている)。裏装体282及び取付ポッド202は、壁面に(取付ポッド202に担持された取外可能固定構造54を介して)着脱可能な取付ポッド202に対する裏装体282の選択的結合をしやすくする相補的特徴的要素(例えば磁石)を備える。
【0052】
装飾要素280は様々な外観を有する多様な形態を取り得る。
図17Aに示す実施形態によると、装飾要素280は奥行きを提供する、又は三次元的外観特性を示すような形状を有する。例えば、装飾要素280は様々な凹部が形成可能な前面284を有する。更に、リム286は前面284を囲繞し、前面284から後方に突出する。リム286は後述のように、裏装体282への取付けをしやすくする1つ以上の特徴的要素(不図示)を備えてもよい。
【0053】
裏装体282は上述の裏装体202(
図15A及び
図15B)に類似してもよく、パネル290と中央部分292を備える。パネル290は、例えばリム286に対して相補的な形状及びサイズを持つ外周縁294を形成することで、装飾要素280を取り付け、支持するよう構成される。更に、縁294は1つ以上の補助的結合用特徴的要素を収容又は形成してもよい(例えば、縁294はリム286に沿って形成されたスロット(不図示)に摩擦をかけて受け入れるように構成されるリップ部(不図示)を形成してもよい)。取外し可能又は永久的に関わらず、あらゆるその他取付技術を使用してもよい(例えば、装飾要素280はパネル290に接着してもよい)。いずれの場合でも、中央部分292は上述の説明に対応する取付ポッド202との取外し可能な結合のために構成され、取付ポッド202に担持された磁石(不図示)に磁力吸着される磁石(不図示)を保持するポスト296を備えてもよい。
【0054】
図17Bは、取外可能固定構造54及び相補的固定構造36を介した壁面170への装飾アセンブリ32Eの取付けを示す。装飾要素280は裏装体282に組み付けられる。裏装体282/装飾要素280は上述のように取付ポッド202に取外し可能に結合される(例えば磁力吸着される)。裏装体282/装飾要素280は、単純に装飾要素280の1つ以上の縁に対して裏装体282で提供される磁石(不図示)と取付ポッド202間の磁力吸着を十分に上回る牽引力をかけることで取付ポッド202から適宜取り外すことができる。ここでも、磁石を引き離すために必要な力は、後述するように、取外可能固定構造54を相補的固定構造36から(したがって、壁面170から)分離するために必要となり得る力よりも小さい。したがって、裏装体282/装飾要素280の取外し又は再配置のため、取付ポッド202を壁面170に沿った所望の位置から動かす必要がない。更に、取付ポッド202は(裏装体282と比較して)比較的小さな設置面積を持つため、装飾要素280内にある開放領域298の大部分を照明、スピーカ、その他電子部品などのような任意の補助物品の取付け、保持に利用できる。
【0055】
上述のように、一部の実施形態では本開示の装飾アセンブリを、ユーザが所望する写真やその他芸術作品を取り付けるように設計してもよい。これを念頭に、
図18は本開示の原則に従う別の実施形態の装飾アセンブリ32Fを示す。装飾アセンブリ32Fは、裏装体100と、ベース102(又は対応する上述のその他構成要素)と、上述の取外可能固定構造54(
図18では視認不能だが、例えば
図1に示す)とを備える。更に、裏装
材302及びカバー304を備える装飾要素300が設けられる。裏当て302及びカバー304は、合わせて写真306(又はその他物品)を取外し可能に受け入れ、保持するサイズを有するポケットを形成するように構成される。
【0056】
裏装
材又はフォトブランク302は、裏装体100をその前面110に取り付ける(例えば永久接着剤による接着、機械的固定など)ように構成された比較的剛質の材料(例えばプラスチックシート)でできた薄く、柔軟なシートである。裏当て302は一部の実施形態では、裏装体100又はベース102に対応するサイズと形状を有してもよい。何れの場合でも、裏当て302は任意で縁310aに凹み又はカップ308を形成している。凹み308は裏当て302のその他部分により形成された表面からの突起を示す。後述するように、凹み308は写真306を設置/取り外す際のユーザの指又は親指を置けるようなサイズに設定されている。
図18には凹み308が1つのみ示されているが、別の実施形態では裏当て302のその他縁310b〜310dにさらなる凹みが形成されてもよい。更に別の実施形態では、凹み308を省略してもよい。
【0057】
カバー又はフォトフレーム前面304は、縁部分312及びウィンドウ314を形成又は画定する、薄くて比較的剛質のシートである。一部の実施形態では、カバー304は(例えばアクリル製の)透明又は半透明材料のベース層を備える。第2不透明材料をベース層に印刷又は貼着することで、縁部分312が生成される。いずれの場合でも、ウィンドウ314は透明又は半透明で、縁部分312が額縁の外観を示す状態でカバー304「奥」の物品(例えば、写真306)をユーザが「視認」可能とする。カバー304は、裏当て302のサイズと形状に対応したサイズと形状を有し、裏装
材縁310a〜310dにそれぞれ対応する縁316a〜316dを形成可能である。ただし、一部の実施形態ではカバー304が凹み308と対になるものを形成するのではなく、対応する縁316aが直線又は線形であってもよい。
【0058】
カバー304は、ポケットが形成される様々な方法で裏当て302に接続可能である。一部の実施形態では、裏当て302及びカバー304はヒンジ状に係合され、裏当て302の一部はカバー304の反対方向(又はその逆)に枢動可能となる。例えば、一実施形態では、カバー304が互いに対応する縁310a〜310dと縁316a〜316dが整合した状態で裏当て302に配置され、接着(不図示)細長片が底縁310c、316c全体に塗布される。この配置により、接着細長片は、裏当て302を接続底縁310c、316cでカバー304に対して枢動することで、裏当て302の上縁310aをカバー304の上縁316aから離すことを可能としながら、裏当て302とカバー304との間の接続を維持する。その他接続技術も想定される。
【0059】
図19Aは装飾アセンブリ32Fの最終構造を示す。裏当て302は裏装体100に結合され、裏装体100はベース102に結合される(例えば、上述のように磁石による)。図示簡略化のため、取外可能固定構造54(
図1)は
図19Aでは省略されているが、取外可能固定構造54は壁面に装飾アセンブリ32Fを固定する際に、相補的固定構造36(
図1)対して取外し可能に整合するように構成された、本明細書で記載されたあらゆる形態を想定し得ることが理解されよう(例えば、例示的に
図16Bに示す)。カバー304は例えば対応する底縁310c、316cで裏当て302に接続されている。ポケット318(概略的に示す)は裏当て302とカバー304の間に設けられる。裏当て302をカバー304から離間するよう枢動する(又はその逆)ことでポケット318に進入可能である。これに関して、凹み308は裏当て302をカバー304から離間するようユーザの指を挿入する好適な領域を提供する。
【0060】
図19Bに示すよう、写真306をポケット318(概略的に示す)に挿入可能である。挿入された写真306は、概してウィンドウ314(
図20Bに概略的に示すが、
図18により明確に示される)と整合されて、裏当て302とカバー304との間に(例えば静電気で)保持される。したがって、写真306は装飾アセンブリ32Fの観者には視認可能である。所望に応じて、写真306をポケット318から取り出し、新しい写真又はユーザ希望の物品と交換できる。参照として、装飾要素300は本開示の任意のその他装飾アセンブリとともに使用可能である。
【0061】
装飾要素300として、写真306(又はその他物品)のポケットに対する挿入、取出しに供される多数のその他形態をとり得る。例えば、
図20は装飾アセンブリ32F(又は本開示の任意のその他装飾アセンブリ)との使用に有用な別の装飾要素320を示す。装飾要素320は装飾要素300(
図18)に類似し、裏装
材又はフォトブランク322とカバー324とを備える。通常、裏装
材322及びカバー324は、写真306(
図18)又はその他物品を取外し可能に受け入れ、保持するサイズのポケットを形成するように組み合わさる。
【0062】
更に
図21を参照に、裏装
材322は裏当て302(
図18)に非常に類似してもよく、上述の(任意の凹み308を含む)あらゆる特性を備えてもよい。更に、裏装
材322は互いに対抗し、底縁328に対向するコーナータブ326a、326bを形成又は画定する。コーナータブ326a、326bは、後述するカバー324の構成要素に合わせたサイズと形状を有する。
【0063】
図20及び
図22を参照に、カバー又はフォトフレーム前面324はカバー304(
図18)に非常に類似してもよく、上述のあらゆる特性(縁部分312とウィンドウ314を含む)を有してもよい。更に、カバー324は互いに反対側の、底縁332に対向する接続部330a、330bを備える、又は接続部330a、330bが取り付けられる。接続部330a、330bは同一形状であってもよく、対応するコーナータブ326a、326bのうちの一方を選択的に受け入れ、保持するようなサイズと形状を有する。例えば、各接続部330a、330bの一部はカバー324の裏主面334から突出し、コーナータブ326a、326bのうちの一方を挿入し、一時的に保持可能な開放通路336(第1接続部330aのものを
図20に概略的に示す)を形成してもよい。
【0064】
カバー324は、上述のようにポケットが形成されるように、様々な方法で裏装
材322に接続可能である。例えば、対応する底縁328、332で、裏装
材322及びカバー324がヒンジ状に係合される。いずれの場合でも、裏装
材底縁328に対するコーナータブ326a、326bの空間的位置及び配置は、カバー底縁332に対する接続部330a、330bの空間的位置及び配置に対応する。底縁328、332が概して互いに整合され、固定される(ポケットが裏装
材322及びカバー324との間に概して定義された)最終組み付けに際して、
図23に示すように、各コーナータブ326a、326bは対応する接続部330a、330bの通路336(
図20)に容易に挿入、保持でき、裏装
材322をカバー324に対して位置決めする。ユーザがポケットに操作(例えば写真又はその他物体を挿入又は抜き出し)しようとする際、コーナータブ326a、326bを対応する接続部330a、330bから摺動により容易に分離し、上述のように裏装
材322を操作又はカバー324(例えば凹み308で)から離間するように枢動できる。
【0065】
スペーサアセンブリ38
再び
図1を参照に、装飾アセンブリ32は壁面に密着して直接取り付けられる。任意で、本開示のシステム及びキットは、本明細書で説明されたあらゆる装飾アセンブリと壁面との間にさらなる奥行きを設けることができる、1つ以上の上述のスペーサアセンブリ38を備える。(1つ又は複数の)スペーサアセンブリ38は多様な形態を想定可能である。通常、
図24Aを参照に、スペーサアセンブリ38の非限定的な例は、前主面352及び後主面354を形成するスペーサ構造350を備える。スペーサ構造350は、互いに相対移動可能又は不能な1つ、2つ、又はそれ以上の部材からなるものであってもよい。いずれにせよ、複数の第1固定要素356が前主面352上に配置又は形成され(例えば、第1固定要素356が前主面352に対し露出)、複数の第2固定要素358が後主面354上に配置又は形成される(例えば、第2固定要素358が後主面354に対して露出している)。後述のように、第1固定要素356及び第2固定要素358は、取外可能固定システム34(
図1)の構成要素との接合に適した形態をとり得、様々な方法でスペーサ構造350に接続可能である(例えば、第1固定要素356及び第2固定要素358は、それぞれ対応する主面352、354に接着又は貼着される材料又は複合構造により形成又は担持可能である)。
【0066】
使用中、
図24Bに示すように、スペーサアセンブリ38は装飾アセンブリ32と相補的固定構造36の間に介在可能である。具体的に、他部で説明したように、相補的固定構造36は壁面170に接着される。スペーサアセンブリ38は、(スペーサ構造350の後主面354に沿った)スペーサアセンブリ38の第2固定要素358と、相補的固定構造36の相補的固定要素360との係合(例えば、後述のような面ファスナー)により、相補的固定構造36に取り付けられる。同様に、装飾アセンブリ32は、装飾アセンブリ32の固定要素362と、(スペーサ構造350の前主面352に沿った)スペーサアセンブリ38の第1固定要素356との係合により、スペーサアセンブリ38に取り付けられる。このように、スペーサ構造200は壁面170から離して装飾アセンブリ32を保持し、視覚的奥行きを生成する。
【0067】
上記のスペーサアセンブリ38の全体的概念によると、スペーサ構造200の様々な異なる形態が想定できる。スペーサ構造200は、摺動又は回転盤や、伸縮又は蛇腹構造であってもよい、又はそれを備えてもよい。更に、本開示のスペーサアセンブリ38は、照明(例えば、LED)及び電源のような必ずしも図示しない1つ以上の追加の特徴的要素を含み得る。
【0068】
本開示のスペーサアセンブリは、対応する装飾アセンブリにより提供される特徴的要素に対応する1つ以上の追加の特徴的要素を含んでもよい。これに関して、スペーサアセンブリは任意で装飾アセンブリの下位構成要素と捉える事ができる。これを念頭に、
図25A及び
図25Bは、別実施形態のスペーサアセンブリ又は増強構造400を備える、本開示の原則に従う別実施形態の装飾アセンブリ32Gを示す。装飾アセンブリ32Gは上述の装飾アセンブリ32C(
図9)と類似してもよく、例えば上述の裏装体100と、ベース102と、装飾要素50(概略的に示す)とを備える。ここでも、装飾要素50は、例えば
図25Bに示す接着細長片402(例えば、感圧接着細長片)を使用するように、裏装体100に様々な方法で組み付けられる。接着剤細長片402は裏装体100に永久的に接着され、(装飾要素50が裏装体100に対して取外し可能になるよう)装飾要素50に対する取外し可能な接着接続を提供、或いは装飾要素50に永久的に接着され、(装飾要素50/接着剤細長片402の組み合わせが別の装飾要素50/接着剤細長片402の組み合わせと交換可能となるよう)裏装体100に対する取外し可能な接着接続を提供できる。別の実施形態では、上述のように装飾要素50はより永久的に裏装体100に取り付けられてもよい。更に、
図25Bはベース102に更に取付け可能な取外可能固定構造54を示す。
【0069】
裏装体100とベース102に加え、装飾アセンブリ32Gはスペーサ又はスペーサアセンブリ400を備える。通常、スペーサアセンブリ400は裏装体100を取外し可能に受け入れ、保持し、ベース102を取外し可能に受け入れ、保持するように、壁面に対して着脱可能に構成される。この構成によると、ユーザは対象の壁面に対して多数の異なる装飾効果を提供可能となる。例えば、スペーサアセンブリ400を壁面に取付け可能である。その後、裏装体100/装飾要素50をスペーサアセンブリ400に対して直接取外し可能に取り付けてもよく、ベース102をスペーサアセンブリ400に対して取外し可能に取り付けてもよく、或いは裏装体100/装飾要素50をベース102に対して取外し可能に取り付けてもよい。或いは、スペーサアセンブリ400を使用せずに、上述の説明の通りに(裏装体100/装飾要素50を取外し可能に裏装体ベース102に取り付けて)ベース102を取外し可能に壁面に取り付けてもよい。
【0070】
更に
図26を参照に、一部の実施形態では、スペーサアセンブリ400はスペーサ404と、1つ以上の磁石400と、取外可能固定構造408とを備える。スペーサ404は、ヘッド410及びネック412を形成又は画定する。ヘッド410は結合領域414を形成する。結合領域414はカップ状で、スペーサ404の前面418で開放している。結合領域414の奥行き、サイズ、形状は、底パネル420及び連続的な側方パネル422(概略的に示す)により定義され、裏装体100のフレーム114のサイズ及び形状と、ベース102の取付領域144の外形のサイズ及び形状に対応する。したがって、スペーサ404の結合領域414は、裏装体フレーム114を入れ子状に受け入れ、ベース取付領域144を入れ子状に受け入れるように構成される。
【0071】
ネック412は、ヘッド410から前面418の反対方向に突出する。
図26に最もよく示すよう、ネック412の外周サイズは、外側フレーム424により画定され、(ヘッド410から延在するネック412によりスペーサ404の奥行きを増加した上で)ヘッド410よりも小さくてもよい。ネック412は、1つ以上の磁石406を保持するように構成される収容部426を形成している。収容部426(及び保持される(1つ以上の)磁石406)は、底パネル420に直接隣接し形成され、結合領域414の形状に対して中心に配置される。後段で明示する理由により、この位置は裏装体100及びベース102に設けられた(1つ以上の)磁石の空間的位置に対応する。最終的に、ネック412は後面428まで延びる内部フレーム426を備えてもよい。後面428は取外可能固定構造408を受け入れるように構成される。これに関して、内部フレーム426の深さは外側フレーム424の深さに対して、取外可能固定構造408の厚さに対応する距離の分だけ僅かに少なくてもよい。取外可能固定構造408が後面428に固定されると、取外可能固定構造408の厚さが外側フレーム424の後端430に概して整合される(例えば、任意で、最終的に組み立てられると取外可能固定構造408が外側フレーム424の後端430から突出しない)。
【0072】
(1つ以上の)磁石406は、上述のあらゆる形態をとり得る。図示の例示的実施形態によると、スペーサアセンブリ400は2つの磁石406を備え、それにより強い磁力又は磁場を生成する。磁石の数は、より多く又はより少なくてもよい。いずれにせよ、後述のように、結合領域414における又は結合領域414に対向する(1つ以上の)磁石406の極性(N極又はS極)が、(1つ以上の)磁石406に対向して結合領域414内に配置されると裏装体100及びベース102に関連付けられる(1つ以上の)磁石の極性と逆になるように、(1つ以上の)磁石406がスペーサ404に対して配置される。
【0073】
取外可能固定構造408としては、取外可能固定構造54について本開示の他部で説明されたあらゆる形態をとり得る。一部の実施形態では、取外可能固定構造408が比較的大きな表面積を持つよう、取外可能固定構造408のサイズと形状は後面428のものに対応する。いずれの場合も、取外可能固定構造408は、永久接着剤による接着など様々な方法で後面428に取付け可能である。
【0074】
上述のように、装飾アセンブリ32Gは、多数の異なる方法で壁面に取付け可能である。例えば、
図27Aはスペーサアセンブリ400(
図25A)が除外された、又は使用されていない第1配置を示す。ベース102は、相補的固定構造36と取外可能固定構造54を介して壁面170に取外し可能に直接取り付けられる(例えば、相補的固定構造36が壁面170に取り付けられ、(ベース102にも取付可能な)取外可能固定構造54が相補的固定構造36に取外し可能に接続されている)。上述のように、(装飾要素50が取付け可能でもある)裏装体100は、ベース102の取付領域144に入れ子になっている裏装体フレーム114を備えるベース102に取外し可能に取り付けられる。裏装体100に設けられた磁石126と、ベース102に設けられた磁石156による磁力吸着により、強固な取付け又は係合が実現される。これに関して、裏装体磁石126の後端側磁極440の極性が、ベース磁石156の先端側磁極442の極性と逆となるように(
図27Aの裏装体100/ベース102配置では、裏装体磁石126とベース磁石156が互いに磁力吸着されるように)、裏装体磁石126が裏装体100に対して配置され、ベース磁石156がベース102に対して配置される。一部の実施形態では、ベース磁石156は、ベース磁石156の後端側磁極444の極性が、先端側磁極442と逆になるように、互いに反対側の両面を介して軸方向に磁化されたディスク型磁石である。言い換えると、ベース磁石156の後端側磁極444の極性と裏装体磁石126の後端側磁極440の極性を同一として、先端側磁極442及び後端側磁極444の極性が逆となるように、ベース102に設けられる磁石156(又は複数の磁石)は配置される。
【0075】
図27Bは、装飾アセンブリ32Gにより可能となる別の配置を示す。スペーサアセンブリ400は、壁面170に直接取り付けられる(例えば、相補的固定構造36は壁面170に取り付けられ、(スペーサ404にも取付け可能な)取外可能固定構造408は相補的固定構造36に取外し可能に接続されている)。上述のように、裏装体100/装飾要素50はベース102に取外し可能に取り付けられる。最後に、ベース102がスペーサ404に取外し可能に取り付けられる。より具体的には、ベース102の取付領域144は、ベース取付領域144の壁又はパネルがスペーサ404の側方パネル422内で又は側方パネル422に対して入れ子状になるように、スペーサ404の結合領域414内に収容される。図示のように、結合領域414は、(ベース102が取外可能固定構造54を担持する実施形態において)、取外可能固定構造54が底パネル420に対して担持される、又は入れ子状になって、取外可能固定構造54を収容するように構成される。ベース102に設けられた磁石156と、スペーサ404に設けられた(1つ以上の)磁石406との間の磁力吸着により、強固な取付け又は係合が実現される。これに関して、(1つ以上の)スペーサ磁石406の先端側磁極446の極性が、ベース磁石156の後端側磁極444の極性と逆となるように(
図27Bのベース102/スペーサ404配置では、ベース磁石156と(1つ以上の)スペーサ磁石406が互いに磁力吸着されるように)、(1つ以上の)スペーサ磁石406がスペーサ404に対して配置される。
【0076】
図27Cは、ベース102(
図25A)が除外された、又は使用されていない装飾アセンブリ32Gにより実現可能な別の配置を示す。上述のように、スペーサ下位アセンブリ400が壁面170に取外し可能に取り付けられる(例えば、スペーサ下位アセンブリ400の取外可能固定構造408が、壁面170にも適応される相補的固定構造36に取外し可能に固定される)。裏装体100/装飾要素50は、スペーサ404に取外し可能に取り付けられる(
図27Cはスペーサ404に完全に係合する処理の途中の裏装体100を示すことが理解されよう)。具体的には、裏装体フレーム114の壁又はパネルが底パネル420及び/又はスペーサ404の側方パネル422に対して入れ子状になった状態で、裏装体100のフレーム114がスペーサ404の結合領域414内に収容される。裏装体100に設けられた磁石126と、スペーサ404に設けられた(1つ以上の)磁石406との間の磁力吸着により、強固な取付け又は係合が実現される。これに関して、(1つ以上の)スペーサ磁石406の先端側磁極446の極性が、裏装体磁石126の後端側磁極440の極性と逆となる(
図27Cの裏装体100/スペーサ404配置では、裏装体磁石126と(1つ以上の)スペーサ磁石406が互いに磁力吸着される)。
【0077】
図27A〜27Cに示すいずれかの配置では、裏装体100/装飾要素50は、装飾要素50の1つ以上の縁に対して、対応する磁石間の磁力吸着を上回るに十分な引張力を掛けるだけで適宜取り外すことができる(例えば、
図27A及び
図27Bに示す磁石126、156、又は
図27Cに示す磁石126、406)。更に、ベース102及びスペーサアセンブリ400の両方を用いた配置では、ベース102は、ベース102の1つ以上の縁に対して、磁石156、406間の磁力吸着を上回るに十分な引張力を掛けるだけでスペーサ404から適宜取り外すことができる(
図27C)。したがって、裏装体100/装飾要素50の取外し又は取換えのため、壁面に他の方法で直接取り付けられた構成要素(例えば、
図27Aのベース102又は、
図27B及び
図27Cのスペーサアセンブリ400)を除去する必要がない。新たな組み合わせの裏装体100/装飾要素50をベース102(
図27A及び
図27Bの配置)又はスペーサアセンブリ400(
図27Cの配置)に組み付けてもよい。これに関して、新たな裏装体100/装飾要素50の上述したようなベース102又はスペーサ404に対する自動的な自己整合がなされる。更に、ユーザは、(ベース102及びスペーサアセンブリ400のうちの一方のみ又は両方を使用して)壁面170に対する装飾要素50の奥行きを選択可能となる。装飾アセンブリ32Gの磁石型構造は、壁面170に他の方法で取り付けられる構成要素に対して裏装体100を迅速に中央係合しやすくするという利点がある。
【0078】
図28A及び
図28Bは、別実施形態の装飾アセンブリ32Hを示す。装飾アセンブリ32Hは装飾アセンブリ32D(
図15A及び
図15B)に類似したものであってもよく、上述の装飾要素50と、裏装体200と取付ポッド又はベース202とを備える。更に、装飾アセンブリ32Hはスペーサアセンブリ又は増強構造470を備える。或いは、増強構造470を装飾アセンブリ32Dとは別の構成要素と捉えてもよい。
【0079】
増強構造470は、互いに反対側の先端部位472及び後端部位474(概略的に示す)を形成している又は備える。先端部位472は裏装体中央部分212を取外し可能に受け入れ、保持するように構成され、任意で上述の取付ポッド202と同一の外周サイズ及び形状を有する。更に、先端部位472は、裏装体200に設けられた磁石(不図示)に相補的に配置された磁石(不図示)を担持する。したがって、先端部位472は上述のように裏装体200を受け入れ、保持する。後端部位474は取付ポッド202を受け入れ、保持するように構成され、任意で上述のように裏装体中央部分212(
図15A及び
図15B)と同一の外周サイズ及び形状を有する。更に、後端部位474は、取付ポッド202に設けられた磁石(不図示)に相補的に配置された磁石(不図示)を担持する。したがって、取付ポッド202は上述のように後端部位474を受け入れ、保持する。最終的に組み立てられると、増強構造470は裏装体200と取付ポッド202の間に介在し、裏装体200(したがって、担持される装飾要素50)が確実に取付ポッド202に接続されるようにし、装飾要素50と壁面(不図示)との間にさらなる奥行きを設ける。
【0080】
取外可能固定システム34
上記説明から明らかなように、本開示の装飾アセンブリの構成要素は様々な形態をとり得る。以下の説明では、「装飾アセンブリ32」についての記載は、本開示のすべての実施形態の装飾アセンブリを含む。
図1に示し、上述したように、取外可能固定システム34は、取外可能固定構造54(本開示中で説明された任意の装飾アセンブリの実施形態に設けられる)と、相補的固定構造36とによる2部構造システムである。取外可能固定システム34については様々な形態を想定でき、通常は(装飾アセンブリ32の)取外可能固定構造54に設けられる複数の第1固定要素500と、相補的固定構造36に設けられる複数の第2固定要素502とを備える。第1固定要素500及び第2固定要素502は、互いに取外し可能、即ち非永久的な接合がなされる相補的構造を備える。例えば、第1固定要素500及び第2固定要素502は、面ファスナーシステムのようなものであってもよい。第1固定要素500がフックを担い、第2固定要素502がループを担ってもよく、或いはその逆であってもよい。
【0081】
後述のように、一部の実施形態では、第1固定要素500及び第2固定要素502は低背で、少なくとも
4,535グラム(10lbs
)の全方向の動的剪断強度、幅
2,721グラム(6lbs
)/インチ以下の割裂強度、及び
2,948グラム(6.5lbs
)/インチ
2以下の引張力によって特徴付けられる接合保持力を有する。取外可能固定システム34の保持力は、任意で従来のパッケージ化された面ファスナー細長片よりも小さくてもよく、固定要素500、502を互いに引きはがすためのユーザの力が少なくても済むことが望ましい。本開示の特徴である低い保持力は、上述のように装飾アセンブリ32が軽量構造であることから実現される。
【0082】
取外可能固定システム34が2部構造面ファスナー型形態を持つ実施形態によると、フック部(例えば、取外可能固定構造54又は相補的固定構造36)について
図29に示したものと類似した形態が想定される。特に、本開示に有用なフック固定構造510は、裏装
材512と、マッシュルーム形状突起又はフック514列とを備える。参照として、マッシュルーム形状突起又はフック514は、第1固定要素500及び第2固定要素502(
図1)のうちの一方となる。各フック514は、分子配向茎部516と、裏装
材512の反対側の茎部516の端に、茎部516から径方向に突出又は張り出している概して円盤状のキャップ又はヘッド518とを備える。任意で、キャップ518は概して平坦で若干窪んだ外面520と、裏装
材512の主面に対して隣接し、並行な概して平坦な径方向に延びる内面522とを形成する。一部の実施形態では、ヘッド518は、直径と厚さの比が1.5:1を超えるような直径を有する(即ち、ヘッド518の直径が、ヘッド518及び茎部516で径方向に測定された平均最大径となり、ヘッド518の厚さが、外面520及び内面522間で測定された平均最大厚さとなる)。茎部516はまた、そのベース周りに隅肉524を備えてもよい。
【0083】
フック固定構造510の任意の特徴は、例えば、米国特許第5,077,870号及び第5,845,375号に記載されており、これらの明細書の教示は、この参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、フック514は高さ約0.10〜1.27mm又は高さ0.18〜0.51mmで均一な高さを有し、裏装
材112での密度が、1平方センチメートルあたり60〜1,550個或いは1平方センチメートルあたり125〜690個となり、茎部直径がヘッド518近傍で0.076〜0.635mm或いは0.127〜0.305mmとなり、ヘッド518が対応する茎部516の各側に平均で約0.013〜0.254mm或いは平均で約0.025〜0.127mm突出し、ヘッド518は(茎部516の軸と並行の方向に測定された)外面520及び内面522間の平均厚さが約0.013〜0.254mm或いは約0.025〜0.127mmとなり、ヘッド518は平均ヘッド直径(ヘッド518と茎部516の軸を径方向に測定された)とヘッド厚さの比が1.5:1〜12:1或いは2.5:1〜6:1となる。
【0084】
一部の実施形態では、フック固定構造510はポリプロピレン又はポリプロピレンとポリエチレンの共重合体などのような重合体により一体的に形成される。実質的にいかなる種類の配向性の熱可塑性樹脂で代用することもでき、その例として、ポリ(エチレンテレフタレート)等のポリエステルや、ナイロン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)等のポリアミドや、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、可塑化ポリ塩化ビニルが挙げられる。
【0085】
上述のマッシュルーム形状フックを内蔵するフック固定構造510の例示的形態の1つは、取引上の指定表記「3M(商標)CHK02854」が3M Company(ミネソタ州St.Paul)から入手可能である。フック固定構造510の別の非限定的な例として、取引上の指定表記「3M(商標)CHK00752」及び「3M(商標)KN3457」が3M Company(ミネソタ州St.Paul)から入手可能である。
【0086】
フック514(第1固定要素500又は第2固定要素502(
図1)にも使用可能)は、マッシュルーム形状(したがって、偏りがない)で、低背であると説明したが、その他形状及び/又は特性を有してもよい。フック514は、湾曲しているか(例えば、J字型のように)方向偏りを示してもよく、共通の茎部から延びる複数のヘッド又は突起を備えてもよく、その他特性を有してもよい。
【0087】
取外可能固定システム34(
図1)が2部構造面ファスナー形態を含む実施形態によると、ループ部(例えば、取外可能固定構造54(
図1)又は相補的固定構造36(
図1))は
図30に示すものと類似した形態を想定可能である。特に、本開示で有用なループ固定構造又はループ複合体530は、不織ループ層532と、その下の裏装
材層534とを備える。一部の実施形態では、裏装
材層534は前面536及び後面538を有する熱可塑性フィルムである。不織ループ層532は、裏装
材層534の接着箇所542に自己接着される固定部540を備える。接着箇所542は前面536に沿い、不織ループ層532の弓状部544が裏装
材層534の接着箇所542間で前面536から突出している。接着箇所542はループ複合体530を横切って延びる連続的な列であってもよい。しかし、接着箇所542は例えば点線状、六角形、菱形、四角形、ランダムな結合点、パターン化された結合点、網目状の線、その他任意の規則的又は不規則な幾何学パターン等のいかなるパターンで配置されていてもよい。
【0088】
ループ複合体530の任意の特徴は、例えば、米国特許第5,256,231号、第5,616,394号、及び第7,303,805号に記載されており、これらの明細書の教示は、この参照によって本明細書に組み込まれる。通常、不織ループ層532は10〜100g/m
2或いは15〜50g/m
2の坪量を有する。通常、裏装
材層534は前面536に沿って測定して、10〜100g/m
2或いは20〜50g/m
2の範囲の坪量を有する。ループ複合体530全体として30〜200g/m
2或いは40〜100g/m
2の坪量を有する。
【0089】
不織ループ層532は、少なくとも10%接着可能な熱可塑性繊維或いは20〜100%接着可能な熱可塑性繊維のような、少なくとも部分的に接着に適した熱可塑性繊維を有する。弓状部544は、裏装
材層534からの最大高さが略一定であり、3.0mm未満又は0〜1mmである。接着箇所540間の距離は4mm〜1000mm、或いは5mm〜500mmである。弓状部544は、概してループ複合体510全体の断面に対して20〜99%、或いは50〜95%を占める。
【0090】
不織ループ層532の形成に適した繊維としては、繊維を形成すると知られている多様な熱可塑性ポリマーにより製造できる。適した熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、アクリルモノマーを含む共重合体、その混合物及び共重合体から選択される。適したポリオレフィンの例として、鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び中密度ポリエチレン等のポリエチレンや、イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、これらの混合物、イソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混合物等のポリプロピレンや、ポリ(1−ブテン)、ポリ(2−ブテン)等のポリブチレンや、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ(2−ペンテン)等のポリペンテンや、これらの混合物及び共重合体が挙げられる。適したポリアミドの例として、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン10、ナイロン4/6、ナイロン10/10、ナイロン12、ナイロン6/12、ナイロン12/12や、カプロラクタムの共重合体等の親水性ポリアミド共重合体や、エチレンオキシド等のアルキレンオキシドや、ヘキサメチレンアジパミドとアルキレンオキシドの共重合体や、これらの混合物及び共重合体が挙げられる。適したポリエステルの例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、及びこれらの混合物及び共重合体が挙げられる。アクリル系共重合体の例として、エチレンアクリル酸、エチレンメタクリル酸、エチレンアクリル酸メチル、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸ブチル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
上述の、低背ループ又は弓状部544を含むループ固定構造530の例示的一形態として、取引上の指定表記「3M(商標)KN5059 EBL Light」が3M Company(ミネソタ州St.Paul)から入手可能である。
【0092】
再び
図1を参照に、上述の低背取外可能固定システム34(例えば、フック固定構造510(
図29)及びループ固定構造530(
図30))が、本開示が想定する固定システムの数例を表す。別の実施形態では、2部固定システム34の構成要素のうちの一方又は両方は、低背でなくてもよく、更に/或いはより高い保持力を誇ってもよい。例えば、3M(商標)Scotchmate(商標)SJ3506後面接着フック材料及び3M(商標)Scotchmate(商標)SJ3507後面接着ループ材料に使用される種類のフック及びループ材料を使用してもよいが、上述のパラメータ外の割裂強度となり得るため、本開示の一部の実施形態の使用には適さない可能性がある。面ファスナーシステムは、本開示の取外可能固定システムのとして有用な機械的連動コネクタシステムの一種類である。機械的連動とは、固定要素の少なくとも1つがマクロ的に変形(例えば、塑性変形)し、その結果複数の要素間で機械的界面が生じるようなファスナーを意味する。周知の例として、3M Company(ミネソタ州St.Paul)から取引上の指定表記「3M Scotchmate」工業用ファスナーで一般に入手可能なフック及びループ製品や、取引上の指定表記「Velcro」(登録商標)で一般に入手可能なフック及びループ製品が挙げられる。一部材の実質的平坦層から延びる要素が、別の実質的平坦層から延びる類似の又は非類似の対応又は協同要素に接合されるような、その他多数のコネクタシステム及びファスナーが知られている。そのような取外可能固定システムの協同層の間で必要な力及びその分離方法に基づき、相互係合要素の数多くの異なる変形例が設計されている。
【0093】
別の実施形態では、取外可能固定システム34は類似した相互噛合第1接続用要素及び第2接続用要素を(固定要素500、502として)備える。第1接続用要素及び第2接続用要素は、それぞれ複製された(例えば、ミクロに複製された)面構造を備えてもよく、同一であってもよい。この種の取外し可能固定システムは、マクロ的変形及び干渉を要素間に生じさせないような接続用要素500、502を形成する材料及び構造の摩擦特性に依存する。この種の相互噛合可能な接続用構造(類似及び非類似の接続用要素を含む)は、例えば、Appeldornによる米国特許第4,875,259号、Appeldornによる第5,360,270号、及びRouserらによる第5,201,101号に記載されており、これらの明細書の開示は、この参照によって本明細書に組み込まれる。システムが離脱可能で、任意で再利用可能である限り、本開示の原則に従う取外可能固定システム34とともに、別の機械的固定要素を使用してもよい。他の非限定的な例として、スナップ(プラスチック又は金属製)、取引上の指定表記「Ziplok」で一般に入手可能な封止物等の変形可能な封止システム、ピン及びソケットを備える変形可能な固定システム等が挙げられる。
【0094】
本開示の原則に従う取外可能固定システム34の更に想定された形態として、相補的固定要素500、502として磁性材料を提供することを含む。一部の実施形態では、磁性材料は、従来から公知の、柔軟性磁性材料細長片である。
【0095】
想定されるさらなる実施形態として、前記第1固定要素500及び第2固定要素502の少なくとも一方が離脱及び再配置を可能とする弱接着部材を含んでもよい。固定要素500、502のうちの他方は、そのような弱接着部材に対して容易に離脱及び再接続可能な部材を含んでもよい。或いは、構成要素500、502の両方は、互いに適切に離脱できれば、同じ又は異なる弱接着部材を含んでよい。
【0096】
上記取外可能固定システム34の例として、本開示から想定される他の取外可能固定(又は接続)システムに加えて、例えば、Briesらによる米国特許第6,972,141号に記載されており、これらの明細書の教示は、この参照によって本明細書に組み込まれる。
【0097】
相補的固定構造36
本開示のキット又はシステム30で提供される相補的固定構造36は、同一形状であってもよく、概してそれぞれ複数の第2固定要素502を担持する材料のパッチを備える。例えば、
図31はベース550と、第2固定要素502(概略的に図示する)と、感圧接着剤552とを有するような相補的固定構造36の1つの一部を示す。上述のように、相補的固定構造36は2部構造取外可能固定システム34(
図1)の一構成要素であり、第2固定要素502は全てフック又はループである。ベース550は、選択された形態の第2固定要素502を支持する。例えば、第2固定要素502が低背ループである一部の実施形態によると、ベース550及び第2固定要素502は、
図30のループ複合体530に対して、上述のあらゆる形態を想定可能である(例えば、
図31のベース550は裏装
材層534(
図30)に類似する)。ベース550はその他の構造(例えば、フィルム)であってもよい。
【0098】
感圧接着剤552は、ベース550の第2固定要素502の反対側の面に塗布される(例えば、コーティングされる)。感圧接着剤552は概して、アクリル、シリコーン、ゴム/樹脂等の利用可能な再剥離性接着剤の種類から選択された再剥離性接着剤である。取外可能固定システム34(
図1)を介して装飾アセンブリ32(
図1)を取り付けるための表面積の量により、感圧接着剤552は強い剪断強度特性を持つ必要がない。上述の取外可能固定システム34の任意の低い保持力により、接着力をより低く設定可能となる(例えば、取外可能固定システム34はユーザに固定要素500、502を比較的小さい力をかけて引き離すことができるようにするため、感圧接着剤552は使用中に強い剪断力にさらされることがないのである)。例えば、感圧接着剤552の剪断強度は約
23グラム(0.05lb
)/インチ以上であればよい。感圧接着剤552による接着力は、従来の室内壁から剥がれるのを防ぎつつ、当該壁を傷つけることなく、壁からの容易な取外しを可能とする程度のものである。一部の実施形態では、選択された感圧接着剤552は、約5〜45oz/インチの範囲の接着力を誇る(ステンレス鋼上で測定)。
【0099】
アクリル製接着剤は、低価格でありその接着能力(例えば、長期間(例えば、半年以上)が経過すると、容易に取外し可能となる)から、感圧接着剤552として有用となり得る。非限定的なアクリル製接着剤の種類としては、移動性を高めるための微小球を含むものが挙げられる。一部の実施形態では、感圧接着剤552は、3M Company(3M Commercial Graphics Division)から取引上の指定表記「T−15780」で入手可能な接着剤や、3M Companyから取引上の指定表記「R−22597」で入手可能な接着剤(3M(商標)Removable Poster Tape接着剤)であってもよい。或いは、より高い保持力を誇る接着剤を使用してもよい。
【0100】
感圧接着剤552の形態にかかわらず、一部の実施形態では、キット30内に提供される(したがって使用前の)相補的固定構造36は感圧接着剤552上に配置された剥離ライナー554を備える。剥離ライナー554は任意の従来形態をとり得、接着剤552から容易に剥離可能な部材から形成される。
【0101】
相補的固定構造36は多数の異なる形状及びサイズを有してもよい。一部の実施形態では、相補的固定構造36は、幅約1〜6インチ、長さ約2〜6インチの平行四辺形(例えば、長方形又は正方形)であってもよい。
【0102】
装飾アセンブリ32の壁面への直接的取付け
再び
図1を参照に、本開示の一部の実施形態の壁装飾キットはスペーサアセンブリ38を有さない。或いは、キットが1つ以上のスペーサアセンブリ38を備えていても、ユーザはそのスペーサアセンブリ38を使用しないと判断してもよい。いずれの場合でも、提供された1つ以上の装飾アセンブリ32を1つ(又は複数)の相補的固定構造36との直接係合により壁面に取り付けることができる。例えば、
図32Aは壁面170を概略的に示す。装飾アセンブリ32を取り付ける前に、ユーザは大抵取り付けられる装飾アセンブリ32(例えば、
図1の装飾アセンブリ32又は本開示の任意のその他実施形態の装飾アセンブリ)の希望の位置をある程度想像するものだが、その位置560を
図32Aに概略的に示す。相補的固定構造36はその後、
図32Bに示すように第2固定要素502が露出するように、対応する感圧接着剤552(視認不能)を介して希望位置560の領域で壁面170に貼り付けられる。本開示の例示的システム、キット、及び方法によると、ユーザは正確な測定をする必要がなく、相補的固定構造36を丁寧に希望位置560に位置付ける必要がなく、更に相補的固定構造36を特定の向きに空間的に配置する必要がない。
【0103】
選択された装飾アセンブリ32はその後、
図32C及び
図32Dに概略的に示すように、装飾アセンブリ32に担持された第1固定要素500を相補的固定構造36の第2固定要素502に係合させることで、相補的固定構造36に取り付けられる。ユーザが壁面170に対する装飾アセンブリ32の位置及び/又は装飾アセンブリ32の向きに不満があれば、装飾アセンブリ32は単純に相補的固定構造36から取り外され、所望の通りに再配置される。このことから、取外可能固定システム34と相補的固定構造36で提供される感圧接着剤552(
図31)は、(装飾アセンブリ32を壁面170から離間する方向に動かそうとするユーザによりかけられた)引張力及び/又は割裂力に応じて、相補的固定構造36が壁面170に接着されたままで、固定要素500、502が互いに引き離されるように、一対のものとして構成される。言い換えると、接着剤552による壁面170に対する保持強度は、取外可能固定システム34による割裂強度及び引張強度を上回る。
【0104】
図32E及び
図32Fは、装飾アセンブリ32の2つの可能な再配置を示す。
図32Eの再配置によると、一部の実施形態では装飾アセンブリ32の表面積の大部分が第1固定要素500(
図1)で覆われ、相補的固定構造36に十分係合したまま、装飾アセンブリ32を相補的固定構造36に対して(したがって壁面170に対して)妥当な距離移動が可能である。
図32Fの再配置によると、面ファスナーシステム34(
図1)の「偏りのない」形態から、相補的固定構造36と十分に係合しながら、装飾アセンブリ32はユーザ所望の任意の向きに空間的に回転可能である。従来の、物体(例えば絵画)が壁に対してわずかにしか移動(例えば、約1インチ)できず、多くの場合15度よりも回転することができないようなパッケージ化された面ファスナーシステムに可能な非常に限定的な再配置(細長片に関連付けられた比較的小さいサイズ又は表面積、方向偏り、又はその両者により構造的に限定されてしまう)に対し、本開示の壁装飾システム及び方法によると、ユーザは貼り付けられた相補的固定構造32を「露出」することなく装飾アセンブリ32を相補的固定構造36に対して大幅に移動でき(例えば、装飾アセンブリ32の対応する寸法の少なくとも約二分の一に当たる距離)、更に/それに代えて装飾アセンブリ32を望むだけ回転できる。したがって、本開示の壁装飾システム及び方法は経験の乏しいユーザにとって非常に便利である。ユーザは相補的固定構造36を貼り付けるおおよその領域を概略的に推定し、その後所望の通りに空間的に配置されるまで、必要な分だけ相補的固定構造36に対して装飾アセンブリ32を繰り返し(単純に)再配置すればよい。
【0105】
ユーザの希望する再配置として、装飾アセンブリ32を妥当な距離動かすこともあれば、ユーザが装飾アセンブリ32を完全に取り外すことを希望する場合もある。いずれの場合でも、ユーザは単純に装飾アセンブリ32を相補的固定構造36から取外し、壁面170を傷つけずに壁面170から取り外される(例えば、剥がされる)ように(例えば、選択された接着剤552(
図31)により)構成された相補的固定構造36を壁面170から剥がす。相補的固定構造36は、壁面170の別の領域に貼り直されたり、後の使用のために置いておいたり、破棄されてもよい。
【0106】
装飾アセンブリ32を壁面170に取り付ける別の技術は、1つ(又は複数)の相補的固定構造36を選択された装飾アセンブリ32に最初に係合することを含む。組み合わされた装飾アセンブリ32/相補的固定構造36が壁面170の希望位置162の概略的領域に感圧接着剤552(
図31)を介して取り付けられる。ここでも、ユーザが壁面170に対する装飾アセンブリ32の位置及び/又は装飾アセンブリ32の向きに不満があれば、装飾アセンブリ32は相補的固定構造36から取り外され、上述のように所望の通りに相補的固定構造36に再係合される。
【0107】
本開示の壁装飾キット及びシステムによると、壁面170の表面積の大部分を迅速且つ容易に装飾でき、所望通りに装飾し直すことができる。例えば、キット30(
図1)が非常に視覚的印象の強い装飾要素50(
図2A)を持つ装飾アセンブリ32を備える場合、貼り付けられている相補的固定構造36を介してユーザは貼り付けられた装飾アセンブリ32を、キット30の別の装飾要素50を持つ別の装飾アセンブリ32と交換すればよい。同様に、時間が経った後にユーザが取り付けられている装飾アセンブリ32のものとは異なる装飾テーマを実現することを望む場合、貼り付けられている相補的固定構造36を使用してその装飾アセンブリ32を「新しい」装飾アセンブリ32と交換してもよい。同様に、一連の装飾アセンブリ32を壁面170に貼り付け、所望の通りに再配置又は交換(個別に又は全体的に)してもよい。
【0108】
別の装飾アセンブリの壁面への直接的な取付け
装飾アセンブリ32B(
図5)、32C(
図9)、32D(
図15A)、32E(
図17A)、32F(
図18)、32G(
図25A)、
図32H(
図28A)(及び後述の別の装飾アセンブリ)の壁面170への直接的な取付けは、上述のものと類似した方法で実現でき、一部の実施形態のものは少なくとも部分的に上述されている。装飾アセンブリ32Bを更に説明するが、一実施形態では、
図33Aに示すように相補的固定構造36(
図1)を介して所望の位置で壁面170にベース78が取り付けられる(例えば、相補的固定構造36をあらかじめ壁面170に貼り付けておくか、相補的固定構造36を最初にベース78に取り付け、ベース78/相補的固定構造36をまとめて壁面170に取り付けてもよい)。
図33Bに示すように、裏装体76がベース78に取り付けられる。参照として、裏装体76は概略的に
図33Bに示され、装飾要素50を担持又は形成している。
図33Cに概略的に示すように、脚部84が対応する穴94に挿入されることで、裏装体76がベース78に対して容易に中心配置関係となるよう導かれる。脚部84/穴94接続が裏装体76の角に隣接して実現される実施形態によると、裏装体76(したがって担持された装飾要素50)はベース78と実質的面一に保持される。所望に応じて、ベース78(裏装体76を備える又は備えない)を上述のように壁面170に対して再配置できる。
【0109】
このように設けられた装飾要素50を異なる形態の装飾要素50と交換することを望むユーザは、
図33Dに示すように、取り付けられた裏装体76をベース78から単純に分離する。例えば、ユーザは裏装体76の互いに反対側の端を把持し、裏装体76を壁面170と実質的に直行する方向に、ベース78から引き離してもよい。或いは、又は更に、裏装体76を部分的又は完全に分離するため、ベース78に対して枢動させてもよい。言い換えると、選択された取外可能固定システム34(
図1)の引張強度及び/又は割裂強度は、裏装体76とベース78の組み合わせ間に生じるものよりも大きく、更に相補的固定構造36(即ち接着剤552(
図31))と壁面170との間に生じる保持強度又は保持力は、裏装体76とベース78の間の総引張強度及び割裂強度よりも大きい。いずれの場合でも、ベース78は壁面170に取り付けられたままとなる。裏装体76は、ベース78に対し回転、再接続可能で、或いは上述のように異なる装飾要素50を担持又は形成している新しい裏装体76をベース78に取り付けてもよい。壁面170への取付けの際、ベース78は常に取付面となり、裏装体76/装飾要素50が交換される際に、「新しい」裏装体76が壁面170に対して同一の位置に同じ向きで配置される。したがって、ユーザがベース78の空間的位置及び向きに満足すると、装飾交換が簡易且つ確実に完了する。
【0110】
保持強度関係
上述の説明に示すように、本開示の壁装飾システム、キット、及び方法は、様々な取外し可能な取付けと、取付特性を一意に複数の構成要素と結合領域に関連付ける。相補的固定構造36及び特に相補的固定構造36とともに使用される接着剤552(
図31)は、装飾アセンブリ32(例えば、本開示の任意の実施形態の装飾アセンブリ)と、装飾アセンブリとともに使用される任意のスペーサアセンブリとを、相補的固定構造36の取外しが望まれる場合にも壁面170を傷つけないように、壁面170に対して保持する。更に、相補的固定構造36は、(例えば、ユーザが相補的固定構造36から装飾アセンブリ32を取り外そうとする際)装飾アセンブリ32に牽引(又は引張)及び割裂力がかけられても、壁面170との係合を維持する。取外可能固定システム34は、第1固定要素500及び第2固定要素502との間の全配向又は方向で、壁面170に取り付けられた装飾アセンブリ32を(相補的固定構造36による接着剤取付けにより)を保持するように構成される。言い換えると、取外可能固定システム34は、相補的固定構造36(したがって担持された第2固定要素502)に対するパネル又はパネルアセンブリ52(
図2A)(又は第1固定要素500を担持する別の装飾アセンブリ構成要素)の全配向で十分な剪断強度を発揮する。更に、取外可能固定システム34により実現された引張及び割裂強度と、上述の相補的固定構造36の保持(例えば接着)強度は相互関連する(即ち、引張及び/又は割裂力がかかると、固定要素500、502は対応固定構造36が壁面170から剥がれることなく分離する)。
【0111】
上述のことを念頭に、一部の実施形態では、相補的固定構造36(具体的には接着剤552(
図31))と対構造となる取外可能固定システム34の構造は表1、2に示すパラメータを有する。
【0114】
本開示に係る、取外可能固定システム及び相補的固定構造のサンプルを以下の試験方法に従って、上述のパラメータそれぞれについて試験してもよい。
【0115】
割裂強度試験
本試験は、1インチ±1/16(25.4mm±1.6mm)×2.25インチ±1/16(57.2mm±1.6mm)寸法の取付面片に取り付けられた、1インチ±1/16(25.4mm±1.6mm)×2.25インチ±1/16(57.2mm±1.6mm)寸法の接合パッチの動的割裂力に対する割裂強度を判定するものである。2つの清潔な裸アルミ板が要される。明確性のため、
図34A及び
図34Bにアルミニウム試験板の構成を示す。両板は、2インチ(参照符号Mで示す)×3インチで、直径1/4インチで、板の幅2インチの中心に配置され、中心線から板端に向かって3/8インチ(参照符号Oで示す)に配置された単一の穴(参照符号Nで示す)と、板の端から9/16インチ(参照符号Qで示す)位置に45度(参照符号Pで示す)屈曲部を備える。
【0116】
接合パッチは、1つのアルミニウム試験板に貼り付けられ、取付面サンプルは別のアルミニウム試験板に貼り付けられる。接合パッチと面サンプルの両方は、端を各試験板の屈曲していない縁に合わせられ、試験板の幅2インチの中心に置かれ、屈曲部に向けて前方に延びている(参照符号Rで示す)ものとする。接地面試料は、接合パッチに重なり、各板の傾斜部が同じ端に来て試験試料が形成されるように、各板は、鏡合わせで重なった構成で載置されるべきである。接合パッチと、取付面サンプルは、互いに慎重に重ねて整合し、接合パッチを取付面サンプルにより強い指圧で押すことで係合される。取付面のフックと同一のフックを接合パッチが備える場合、可聴クリック音が聞こえ得る。その他すべてのフック及びループの組み合わせについて、1)まず、指圧で試料を軽く係合させ、ループ試料付きの板を各方向に約20度捩じってループをより深く係合させる。2)試料を、平らで剛質な面の端に設置し、底板の傾斜端が上を向いたようにし、試料の残りの部分を平らに寝かせる。
3,628グラム(8lb
)の鋼鉄棒を、試料の係合部分全体で偏りないように上板に乗せる。3)
2,041グラム(4.5lb
)の重りを、各方向に3度鋼鉄棒を2インチ間隔で転がす。ローラーの重量により板が揺れて固定部が外れないように、棒の一端が支持される。
【0117】
フックを試験板の1つの穴に滑り込ませ、フックを
102,038グラム(225lb
)のロードセルを持つ引張テスター(Instron Corporation(マサチューセッツ州Canton)製のINSTRON(商標)Model 5544など)の下方固定顎内に挟持する。試験中に、試験板がフック回りに回動自在となるよう、十分な間隔をあけるべきである。試験試料をほぼ水平、顎の挟持面に対して垂直に保持しながら、別のフックを残りの上方板の穴に通す。第2フックは、引張テスターの可動顎に挟持される。外部支持が外れた際に試料を略水平位置に保つように、十分に予め引張されるべきである。引張テスターは、クロスヘッド速度毎分12インチ(30.5センチメートル)で係合される。記録される割裂強度は、接合パッチを取付面片から取り外す為にかける最大動的力で示される。
【0118】
引張強度試験
試験室状態:73.4±3.6°F(23±2℃)、50%±5% R.H.全サンプルを、試験の少なくとも24時間前に、試験室の状態に合わせた。1平方インチの表面積のTブロックを使用した。フック及びループの試験サンプルは、1平方インチに切られ、それぞれ感圧接着剤で2つのTブロックに貼り付けられた。フックとループが接着剤で貼り付けられたTブロックは、軽く接合され、一方他方に約20度捻られた。その後、ブロックに5秒間1630グラム(3.6lbs)がかけられた。接合されたTブロックサンプルの把持部分は、
102,038グラム(225lb
)のロードセルを持つ引張テスターInstron Model 5544の上下顎部の間に挿入された。引張モードで、サンプルは毎分12インチの速度で引かれた。記録された引張強度は、引張モードで分離が生じる、サンプルにかかる最大力で示される。
【0119】
動的剪断強度試験
ASTM D5169−98(再承認2010)で使用された試験方法は、
4,535グラム(10lb
)のローラーを掲載された
4,989グラム(11lb
)ローラーの代わりに使用することを除いて「面ファスナー剪断強度の標準試験(動的方法)」である。
【0120】
剥離力試験
剥離力と剥離離脱は、73.4±3.6°F(23±2℃)及び相対湿度50%±5%で実行された。試験サンプルは、試験前少なくとも24時間、試験室で調整された。ASTM A−666に応じて、試験サンプルはステンレス鋼パネル(タイプ302又は304)に、最初にパネルを試験される接着剤の種類に適して溶液で洗浄されて、試験サンプルが載置された。試験サンプルがパネルに載置されると、手動4.5lb(2kg)ローラーを、毎分約12インチで各方向に一度(合計2回)転がした。その直後に、
11,338グラム(25lb
)のロードセルによるImass Model SP−2000テスターで試験サンプルの剥離粘着力を試験する。記録される剥離力又は剥離離脱強度は、試験期間5秒のパネルに対する平均粘着力で示される。
【0121】
180度剥離力試験が、毎分12インチの剥離速度で実行された。
【0122】
90度剥離力試験が毎分12インチの剥離速度で実行された。
【0123】
剥離離脱強度試験は、剥離角度180度、剥離速度毎分90インチで実行された。
【0124】
静的剪断強度試験
73.4±3.6°F(23±2℃)及び相対湿度50%±5%で静的剪断強度が評価された。試験サンプルは、試験前少なくとも24時間、試験室で調整された。静的剪断強度は、ガラスを試験パネルに使用して評価した。試験サンプルは、軽い親指圧力でガラスパネルに貼り付けられ、その後手動
2kg(4.5lb
)ローラーを各方向に2回(計4回)に転がした。一時間の滞留時間後、ガラス上の試験サンプルの静的剪断強度を500グラムの重りを試験サンプルからつりさげて評価した。記録された静的剪断強度は、故障が生じるまで(即ち、ガラスパネルから試験サンプルが落ちるまで)の分刻みの時間で示される。
【0125】
任意の整合クリップ
ユーザの装飾アセンブリ32の設置を補助するため、本開示の一部の実施形態は任意の整合クリップを備える。装飾アセンブリ32B(
図5)とともに使用して有用な一実施形態の整合クリップ600が
図35に示され、ヘッド602と、互いに反対側の指部604a、604bと、任意の水準器606とを備える。ヘッド602は、装飾アセンブリ32Bのベース78(
図5)に設けられる穴94(
図5)の幾何学的配置に合わせたサイズと形状を有し、一方指部604a、604bは対応する穴94に選択的に嵌るように構成される。一部の実施形態では、磁石構造(概略的に608で示す)が指部604a、604bのそれぞれに関連付けられてもよく、上述の穴94を持つ磁石構造も含むベース78の実施形態で有用である。水準器606は、従来技術で公知の種類であってもよく、水平方向に対するヘッド602の空間的配置を視覚的に示す。水準器606は指把持部材610の一部として設けられてもよい。
【0126】
図36A及び
図36Bは、2つのベース78a、78bを一意又は整合的に相互結合している、実現可能な整合クリップ600を示す。第1指部604aは、第1ベース78aの穴94(概略的に示される)内に嵌り、第2指部604bは、第2ベース78bの穴94に嵌る。磁石構造608(
図35)は、整合クリップ600とベース78a、78bの間の磁力「係止」成立を補助する。
図36Aに最もよく示すように、整合クリップ600は任意で、互いに反対側のポスト620a、620bを備え、壁95がポスト620a、620b間に嵌るように、ポスト620a、620bはベース78a、78bの外周壁95の把握された厚さに応じたサイズと形状を有する。いずれの場合も、整合クリップ600はベース78a、78bを互いに整合させる。更に、相互結合されたベース78a、78bを壁面に対してまとめて配置すると、水準器606が水平方向に対するアセンブリ78a、78bの水平度をユーザに視覚的に示す。
【0127】
図36Cに示すように、整合クリップ600は更に、ユーザが単一のベース78を水平方向に対して所望の通りに揃える際に有用である。図示の通り、整合クリップ600は穴94(概略的に示す)の2つに取り付けられている。ベース78が壁面に対して概略的に配置されると、水準器600(概略的に示す)がベース78の形状が水平配置にどれほど近いかを視覚的に示す。
【0128】
整合クリップ600の使用方法に関わらず、ユーザが壁面に対する(1つまたは複数の)ベース78の空間的配置に満足すると、(1つまたは複数の)ベース78は上述のように、対応する(1つまたは複数の)相補的固定構造36を介して、壁面に選択された向きで取り付けられる。取付け後、(1つまたは複数の)ベース78が(1つまたは複数の)相補的固定構造36により選択された向きに保持されるため、整合クリップ600を取外してもよい。
【0129】
任意の照明
上述のように、本開示の装飾アセンブリは、任意で例えば照明のような全体的な外観を見やすくする追加構成要素を備える。これを念頭に、本開示の原則に従う別の実施形態の装飾アセンブリ32Iは
図37A及び
図37Bに示され、装飾設備700と、上述の取付ポッド又はベース202の形態をとり得る壁取付構成要素を備える(及び取外可能固定構造54(不図示)を担持する)。装飾設備700は様々な形態をとり得、一部の実施形態では電池型照明設備702(概略的に示す)と裏装体704(
図37Bに最もよく示す)とを備える。裏装体704は照明設備702に対して一体的に形成されるか、永久的に組み付けられてもよく、さもなければ図で視認可能な照明設備702の内部構成要素(例えば、充電池、照明要素(例えば、LED)、電線、オン/オフスイッチなど)を囲う又は被覆する。更に、裏装体704は上述の裏装体中央部分212(
図15A及び
図15B)に非常に類似してもよい中央部分706を備える。したがって、中央部分706は取付ポッド202内に入れ子状になるよう構成され、装飾設備700が取付ポッド202に取外し可能に取り付けられるよう、取付ポッド202の対応する構成要素と接する様々な特徴的要素(例えば、磁石(不図示))を内蔵する。
【0130】
照明設備702は、照明要素(不図示)の動作状態をユーザが制御可能にする様々な電子部品を内蔵してもよい。例えば、照明設備702は遠隔地のユーザが照明要素を消したり付けたりできるようにする遠隔制御特性を有してもよい。照明設備702は、任意で照明要素に電力供給するため定期的に充電されるコンデンサを備える。照明設備702に設けられたオン/オフスイッチは、様々な形態をとり得、「プッシュ型」オン/オフ構造を含んでもよい。
【0131】
装飾設備700は、上述の任意の方法で取付ポッド202に取外し可能に取り付けてもよい。一部の実施形態では、装飾アセンブリ32Iは、更に
図38A及び
図38Bに(簡略的に)示す充電ドック710を更に備えるシステムの一部として設けられる。充電ドック710は、取付ポッド202(
図37A及び
図37B)と類似したサイズ及び形状を有し、照明設備中央部分706(
図37B)を選択的に受けるように構成される。更に、充電ドック710は、標準的な家庭用コンセントへの電気的接続と装飾設備700の再充電をするように構成される。本技術で周知のとおり、充電ドック710は必要な電気コネクタ(不図示)を備えることで、装飾設備700が充電ドック710に(
図37Bのように)取付られると、照明設備電池が再充電される。
【0132】
本開示は、装飾設備700を壁面にも取り付けられる取付ポッド202(
図37A)に取り付けること以外の、照明設備702のその他表示形態を想定する。例えば、
図39Aは卓上電気スタンド720の一部として提供される取付ポッド202を示す。卓上電気スタンド720は直接的に示されてもされなくてもよい多様な形態をとり得る。取付ポッド202は、卓上電気スタンド720に対して一体形成された構成要素であってもよく、或いは別体として設けられその後組み付けられるものであってもよい。いずれも場合でも、
図39B及び
図39Cに示すように、装飾設備700は、上述のように照明設備中央部分706と取付ポッド202の間の接合部分を介して卓上電気スタンド720に取外し可能に結合されてもよい。
【0133】
本開示が想定する直立電気スタンド730は、
図40Aに示され、取付ポッド202を備える、又は形成している。直立電気スタンド730は直接的に示されてもされなくてもよい様々な形態をとり得る。取付ポッド202は、直立電気スタンド730に対して、一体形成された構成要素であってもよく、或いは別体として設けられその後組み付けられるものであってもよい。いずれの場合も、
図40B及び
図40Cに示すように、上述の通り装飾設備700は照明設備中央部分(視認不能)と取付ポッド202の間の接合部分を介して直立電気スタンド730に取外し可能に結合可能である。
【0134】
上述の通り、取付ポッド202を備える実施形態は、多数の異なる装飾効果(照明を含む)を、対象となる室内でユーザにより実現可能とする。
図41は、本開示の一部の実施形態により可能な部屋の装飾の一例を示す。部屋の照明ともなる装飾設備700とともに、取付ポッド(視認不能)を使用して異なる装飾要素50が部屋の壁に取外し可能に取り付けられる。更に卓上電気スタンド720及び直立電気スタンド730に担持された装飾設備700によりさらなる照明が提供される。
【0135】
本開示の壁装飾システム、キット、及び方法は、従来の設計に対して著しい進歩をもたらす。柔軟な取付システムは、多数の貼付けが簡単な装飾要素を壁に取り付け、多数の装飾要素を簡単に移動及び/又は変更可能とし、最後に、耐用年数が切れた場合には壁に傷をつけずに壁から簡単に取外し可能となるように設けられる。一部の実施形態では、本開示のシステム、キット及び方法は、更に任意で三次元的視覚効果を醸成するよう、壁に対して装飾要素を異なる奥行きで取付け可能とする。
【0136】
好ましい実施形態を参照しながら本開示を説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で形態及び細部の変更を行えることは、当業者であれば理解できるであろう。