(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6171129
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー
(51)【国際特許分類】
A01K 1/035 20060101AFI20170724BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
A01K1/035 Z
A45C11/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-517703(P2016-517703)
(86)(22)【出願日】2014年1月4日
(65)【公表番号】特表2016-533168(P2016-533168A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】IB2014058045
(87)【国際公開番号】WO2014195808
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2016年6月21日
(31)【優先権主張番号】1674/DEL/2013
(32)【優先日】2013年6月4日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】14/019,690
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515321050
【氏名又は名称】レギンハルト、フランク
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】レギンハルト、フランク
【審査官】
大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−067213(JP,A)
【文献】
米国特許第06155206(US,A)
【文献】
米国特許第08056511(US,B1)
【文献】
米国特許第02897781(US,A)
【文献】
米国特許第06250529(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0126775(US,A1)
【文献】
特開2013−094159(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0005466(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0223463(US,A1)
【文献】
特開平10−315866(JP,A)
【文献】
米国特許第05871318(US,A)
【文献】
特開平08−004395(JP,A)
【文献】
米国特許第05499850(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00−3/00,31/00−31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送機器で動物を輸送するための動物輸送用キャリー (100)であって、
(i) 少なくとも3つの側壁(102)、屋根(112)および床(114)を含み、動物の入った1つ以上のケージが密閉構造の本体の内部に挿入されている前記密閉構造の本体と、
(ii) 本体に接続され、輸送機器内で動物輸送用キャリーの取り外しが可能な取付ができるよう設計された取付手段(200)と、
さらに、異なる寸法のケージを固定するための調整可能なメカニズムを備えた1つ以上のテンションバー(120) とを含み、前記テンションバーは、前記密閉構造の本体の内部に位置しており、前記密閉構造の本体の内部で前記ケージが動くこと/スライドすることを防止するものであることを特徴とする動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項2】
換気システムをさらに備え、換気システムは、前記動物輸送用キャリーの前記本体の全面にある通気口(118)とメッシュ構造(116)が、前記動物輸送用キャリーの前記本体の内部または外部の複数の換気扇の同時作動に助けられ、前記動物輸送用キャリー内の空気の循環を可能にし、前記動物輸送用キャリー(100)の換気システムは、前記輸送機器の給気システムに取付が可能である請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項3】
ウィンドウ(110)をさらに備え、前記ウィンドウは、少なくとも3つの側壁(102)のうちの1つ以上に配置され、前記動物輸送用キャリー外の人間から内部の動物を見ることができ、動物からは外が見えないように着色されている請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項4】
監視システムをさらに備え、前記監視システムは、前記動物輸送用キャリー内の空気の循環、温度および湿度を監視する1つ以上のセンサーを含む請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項5】
前記監視システムは、視覚および/または音声アラーム付き動物輸送用キャリーの最適な作動を継続的に監視するため、センサーデータを表示する表示画面を備える請求項4に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項6】
前記動物輸送用キャリーに電力を供給する電力供給システムをさらに備え、前記電力供給システムは、前記輸送機器の電源システムに接続されているか、または携帯用電源のいずれかである請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項7】
少なくとも3つの側壁(102)、屋根(112)および床(114)に消音素材が含まれている結果、前記動物輸送用キャリーは、半防音となっている請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項8】
前記密閉構造の本体は、1つ以上のコンパートメントを含み、前記1つ以上のコンパートメントは、前記ケージを互いに積み重ねるために一列に並んで互いの上に積み重なっている請求項1に記載の動物を 輸送機器で輸送するための動物輸送用キ
ャリー。
【請求項9】
前記密閉構造の本体の内部を照射するよう設定された内部のライトと、状態監視のために前記密閉構造の本体に取り付けられたカメラをさらに備える請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項10】
前記動物輸送用キャリーを前記輸送機器のシートレール(202) に取り付けることができる前記取付手段(200)を備え、前記シートレールとは座席を取り外し可能な形で取り付けることのできる、前記輸送機器内の取付構造であり、前記取付手段(200)には、前記シートレール(202)の受け部材にスライドしてはまる、前記動物輸送用キャリーの延長部分としての形態を取るスライド可能なオス部(204)が含まれる請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【請求項11】
ウィンドウ(110)をさらに備え、前記ウィンドウは、少なくとも3つの側壁(102)のうちの1つ以上に配置され、前記ウィンドウは、透明である請求項1に記載の動物を輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物輸送用キャリー、特に輸送機器で輸送するための動物輸送用キャリーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケージ、その他のハウスが猫、犬等のペット動物の輸送に広く使用されている。ケージはペット・動物の所有者自身が運ぶことも、また、輸送機器内の別のセクションで運ばれることもある。例えば、列車、航空機、バスによる長い移動では、動物は貨物の中に配置される。
【0003】
多くの場合、動物・ペットは輸送機器内のあるセクションに置かれ、一方、ペット・動物の所有者は別のセクションに座席を取る。所有者は自分で動物・ペットの状態を監視することができず、ペット・動物の所有者には大きな不安が生じる。監視や目視による検査の欠如が動物の死につながることさえあるが、これはペット・動物の所有者が自分の動物・ペットの監視を行えば回避できる。これは特に、ペット・動物が移動中、貨物に配置されている場合に言えることである。温度、圧力の調整が適正に行われなかった場合、動物・ペットの死につながる可能性がある。また輸送中に輸送機器の急な揺れや振動が起きることがあり、ケージが輸送機器のプラットフォームを横切って端までスライドし、動物やペットが恐怖にさらされたり、怪我につながったりする場合も多い。
【0004】
乗客が小型の動物を帯同することが許可される場合もある。しかしこのような状況では、動物・ペットのみならず、その所有者および近くにいる旅行者も問題や不安に直面する。例えば航空業界では、動物・ペットを機内に帯同する場合、動物・ペットの所有者は前の座席の下に動物を置かなければならない。これは、動物の所有者/乗客にとっては足を置くスペースが減ることになり、隣の乗客にも迷惑となる。動物が立てる騒音も、乗客の苛立ちの原因となる。
【0005】
だが現時点では、動物の快適性・安全性を確保し、動物・ペットの所有者または動物の飼育者が継続的に監視でき、かつ小型および大型の動物を収容できる別個の設備は輸送機器内に用意できていない。
【0006】
したがって上記の説明に鑑みて、異なる大きさの動物のための、輸送機器内の適切な収容場所の準備を促し、また、乗客の不快感を引き起こすことなく、動物の安全と保護を保証するための十分な設備を備えた動物輸送用キャリーが必要とされている。
【0007】
前期開示の例示的な実施形態は、1つ以上の動物のケージを収納するための動物輸送用キャリーと、動物輸送用キャリーを輸送機器のシートレールに取り付けるための取付手段である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、動物をまずケージに入れ、動物を入れたケージを次に輸送機器の客室内に配置された動物輸送用キャリーに入れる形で、輸送機器、特に輸送機器内の客室で動物を輸送するための手順で提供することである。装置は輸送機器の客室内で使用することを意図しているが、その範囲のみに限定されるものではない。必要が生じた場合、貨物エリア等で使用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前期本発明の別の目的は、換気手段を含む動物輸送用キャリーを提供することである。換気手段にはさらに、通気口、換気扇、空気の循環を促進するための他の追加的手段を含む。
【0010】
本発明の別の目的は、1つ以上の側壁に取り付けられた着色済ウィンドウペインを含む動物輸送用キャリーを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、大きさのことなる1つ以上のケージを固定するための1つ以上のテンションバーを含む動物輸送用キャリーを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、動物輸送用キャリー内の空気の循環、湿度および温度条件を監視するための監視システムを含む動物輸送用キャリーを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、動物輸送用キャリーに電力を供給するための電力供給システムを含む動物輸送用キャリーを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、少なくとも20ポンドの体重の動物を含むケージを輸送するための動物輸送用キャリーを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、少なくとも2つのコンパートメントを含む動物輸送用キャリーを提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、輸送機器に搭載した動物の輸送の手順を提供することである。
本開示の他の実施形態および態様は、本明細書に詳細に記載され、特許請求される本発明の一部とみなされる。本開示とその利点および特徴をよりよく理解するため、説明および図面を参照。
【図面の簡単な説明】
【0017】
新規であると考えられる本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより理解することができる。これらの図面および関連する説明は、本開示のいくつかの実施形態を例示するために提供され、本開示の範囲を限定するものではない。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に従った、動物輸送用キャリーの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に従った、動物輸送用キャリー内の取付手段の明細図である。また
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に従った、輸送機器で動物を輸送する手順を示すフローチャートである。
【0018】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、動物の輸送機器による輸送に関連した装置の構成要素および手順のステップを用いていることを述べておくべきである。従って装置の構成要素は必要に応じて従来の記号によって表し、本発明の理解に関連のある詳細のみを示して、本明細書の説明を利用する、当技術分野で通常の技術を有する者には明らかな開示が細目で不明瞭になることのないようにしてある。
【0019】
明細書は、新規と見なされる本発明の特徴を規定する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、同様の参照番号が繰り越されている図面と併せ、以下の説明の考慮からより良く理解されるものと考えられる。
【0020】
必要に応じて本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示された実施形態は、様々な形態で実施することができる本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の構造および機能の詳細は、限定的に解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、また、当分野の技術者に教示し、技術者が本発明を適切な詳細を有するいかなる構造にも様々に活用するための代表的な基礎として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用する用語および語句は、限定を意図するものではなく、本発明の理解しやすい説明の提供を意図している。
【0021】
本明細書で使用される用語「A」「AN」は、1または複数として定義される。本明細書で使用される用語「別の」は、少なくとも2番目以下と定義される。本明細書中で使用される「含む」および/または「有する」という用語は、備えた(すなわち、指定されない変換)として定義される。本明細書中で使用する用語「輸送機器」は、バス、自動車、列車、航空機、ヘリコプター、ホバークラフト、シャトル、船舶または他の輸送機器を含むが、これに限定されるものではない。
【0022】
図1は、本開示の実施形態に従った、動物輸送用キャリー100の斜視図を示す。図は、動物を入れた1つ以上のケージを収納できるよう設計された動物輸送用キャリー100の三次元モデルを表す。図では、動物輸送用キャリー100は、4つの側壁102、屋根112、床114で構成される本体を含むよう示されている。しかし、動物輸送用キャリー100が1つのコンパートメントのみ有する場合もあることを認識すべきである。
【0023】
4つの側壁102は、1つ以上のケージを収納することが可能な密閉構造を形成するように設計されている。4つの側壁102が動物輸送用キャリー100の寸法を決定する。動物輸送用キャリー100の寸法は、用途およびそれを使用する輸送機器の種類に応じて調整することができる。また、動物輸送用キャリー100の寸法は、輸送される必要のある動物のサイズに応じて調整することができる。
【0024】
動物を輸送するケージは、収容する動物の大きさや使用する輸送機器に合わせて設計することができる。航空機で動物を輸送するためにケージを使用することができる実施形態では、ケージはしかるべき連邦当局、例えば米国ではFAA(連邦航空局)、インドではDGCA(民間航空総局)で事前に承認を得ることもできる。
【0025】
実施形態では、動物輸送用キャリー100の寸法は、(50-65)”x(50-65)”x(50-65)”を範囲とすることができる。また、図に示された4つの側壁102は、本発明の例示的な表現であることを理解しなければならない。側壁102の数は、本開示の範囲から逸脱することなく、3つ以上でもよい。
【0026】
さらに、側壁102は、アルミニウム、計量合金、複合材料等、複数の軽量素材で製造されていることもある。
【0027】
また、側壁102は、半防音で消音材を含んでいることもある。消音材の使用により、動物輸送用キャリー100内で動物が聞く音の量が低減する。輸送機器の騒音は動物を怖がらせることがあり、動物輸送用キャリー100は、列車や航空機などの輸送機器内に配置しているときに特に便利である。また、動物輸送用キャリー内部の動物が騒音を出す場合もあり、同乗の乗客を苛立たせることもありうる。
【0028】
消音材はまた、動物輸送用キャリー100から発生する音の強さを低減するため、輸送機器で移動中の乗客の不快感を防ぐ。半防音側壁を使用する別の利点は、音の強さが低減しても、動物が不快感を感じている場合、それを外部の人々に知らせるほどの音量はあるということである。
【0029】
続いて、4つの側壁102の少なくとも1つはドア104を含み、ヒンジ106を使用してヒンジ結合し、ラッチ108を使用してかんぬきをかけてある。ドア104の存在で、動物輸送用キャリー100への動物のケージの挿入が容易になる。
【0030】
別の実施形態では、2つの向かい合う側壁がそれぞれヒンジ付きドア104を含むこともある。ドア104で、動物を入れたケージを動物輸送用キャリー100の両側から収容することが容易になる。
【0031】
さらに、側壁102の少なくとも1つにウィンドウペイン110が取り付けられていることもある。ウィンドウペイン110により、動物輸送用キャリー100の内部に配置された動物を目で見て監視することができる。ウィンドウペイン110は複数の素材から成っていることもある。例えば、様々な形態をとるガラスおよび様々な種類のプラスチックなどである。
35.実施形態でウィンドウペインが炭素繊維ガラスで造られている場合もある。別の実施形態では、航空機で使用される場合は特に、FAAが承認した素材でウィンドウペインが作られていることもある。
【0032】
続いて、窓ガラスが着色ガラスである実施形態もある。さらに、ガラスは片側のみ着色されている場合があり、動物から動物輸送用キャリー100の外が見えないようになっているが、外の人間からはケージ内の動物が見える。これは、動物が動物輸送用キャリー100の外側で発生する出来事や騒ぎにおびえたり、苛立ったりすることがないようにするのに役立つ。
【0033】
屋根112と床114が動物輸送用キャリー100の本体の輪郭をさらに明確に定義づける。実施形態では、床114はメッシュ構造116にすることができ、効果的な空気の循環を可能にする。図で示されていないが、屋根112もまた、床114と同様のメッシュ構造を含んでいることがあると認識すべきである。
【0034】
また、動物輸送用キャリー100は、空気の循環を可能にする換気システムを含む。換気を促進するため、通気口118が動物輸送用キャリー100本体全面に配置されていることが示されている。実施形態では、換気システムは、空気の流れを促進するための少なくとも1つの換気扇を含むことができる。少なくとも1つの換気扇を、動物輸送用キャリー100本体の外または動物輸送用キャリー100本体内部のどこにでも配置することができる。例えば、少なくとも1つの換気扇を、屋根112の上、または床114もしくは側壁102に配置することができる。換気扇の1つが故障した場合、他の換気扇が作動して動物輸送用キャリー100内の換気が滞らないようにするため、少なくとも1つの換気扇は同時に作動するよう設計することができる。実施形態では、動物輸送用キャリー100内の換気扇の数は4つである。
【0035】
さらなる実施形態では、動物輸送用キャリー100の換気システムは、輸送機器の給気システムに取り付けることができる。これは、航空機の場合に特に関係がある。航空機は客室内の機室圧力が低下した際に作動する独立した非常用酸素システムを備えており、動物輸送用キャリー100の換気システムはこれに直接アクセスしている。
【0036】
動物輸送用キャリー100内部には、動物輸送用キャリー100内に入れたケージを固定するためのメカニズムも設けられている。ケージの固定は複数の方法で行うことができるが、これにはベルト、ナット、ボルト、ケーブルタイ、フック、クランプ等が含まれる。実施形態では、ケージの固定はテンションバー120を使用して行うことができる。動物輸送用キャリー100内には複数のテンションバー120があり、テンションバー120には異なる寸法のケージの固定が可能な調整機構がある。
【0037】
動物輸送用キャリー100はまた、動物を監視するための監視システムを含む。監視システムは、動物輸送用キャリー100内の状態を監視するため、複数のセンサーからの複数のデータポイントが表示可能な表示画面を含む。複数のセンサーを動物輸送100の筐体内に配置することができる。複数のセンサーは動物輸送用キャリー100内の空気の循環と換気の監視を作動させることができる。動物輸送用キャリー100内の温度と湿度を監視するために、追加のセンサーが設けられていることもある。表示画面は複数のセンサーに接続され、複数のセンサーが捉えた測定値を表示する。監視システムはまた、動物輸送用キャリー100の何らかの誤動作を検出した場合、警告アラームを生成するよう設定されている。実施形態では、警告アラームは、音声アラーム、映像アラームのいずれか一つ、または両方の組み合わせにすることができる。
【0038】
また、電力を供給するため、動物輸送用キャリー100内に電力供給システムを置くことができる。電力供給システムは、動物輸送用キャリー100内の換気システム、監視システム、および他の装置を稼働させるための十分な電力を供給する。実施形態では、動物輸送用キャリー100の電力供給システムは、輸送機器の電源システムに接続することができる。別の実施形態では、電力供給システムが電池等の携帯用電源であることもある。
【0039】
続いて、動物輸送用キャリー100は、2つ以上のコンパートメントを含み、それらが一列に並んで互いの上に積み重なっているように示されている。コンパートメントは、互いの上に積み重ね、固定手段を使用して固定することができる。コンパートメントを互いの上に積み重ねることにより、省スペースを可能にし、また、電力使用量も減らすことができる。実施形態では、2つのコンパートメントは、他のコンパートメントの上に一列に積み重ねることができる。輸送する動物のサイズに従い、動物輸送用キャリーはコンパートメントを1つだけ、または、2つ以上含むこともあると認識すべきである。
【0040】
動物輸送用キャリー100のサイズは、それが据え付けられる輸送機器、または輸送する動物の大きさによって変えることができる。小型動物および大型動物の両方を動物輸送用キャリー100で輸送できるようにするためである。実施形態では、動物輸送用キャリー100はまた、20ポンドを超える体重の大型動物を収容したケージを運ぶよう設計されている。
【0041】
実施形態では、動物輸送用キャリー100は、動物輸送用キャリー100内部を照射するよう設定された内部のライトを含むことがある。これは、特に長い移動の間、暗闇の状態が長時間継続して動物の不安の原因となり、不快感を引き起こす可能性がある場合、非常に有用である。
【0042】
実施形態では、動物輸送用キャリー100は、密閉構造の本体の上に設置されたカメラを含むこともある。カメラは、ペットの状態を監視し、輸送機器内のディスプレイ装置上に表示することができる。カメラからの画像はまた、動物の所有者または飼育者のコンピュータなど、輸送機器の外部にあるデバイスに表示させることができる。
【0043】
別の実施形態では、動物輸送用キャリー100は、振動減衰システムを含むことができる。振動ダンパーは、ばね、ゴム製パッド等を含むが、これらに限定されない。振動ダンパーは、移動中、輸送機器内での急な揺れから動物を保護し、動物が快適に移動できるようにする。
【0044】
続いて
図2で、動物輸送用キャリー100本体を輸送機器に取り付けるのに使用される取付手段の実施形態を説明している。取付手段200は、動物輸送用キャリー100を、輸送機器の客室内に取り外し可能な形で取り付けるよう設定されている。
【0045】
実施形態では、取付手段200は、動物輸送用キャリー100を輸送機器のシートレール202への取付を可能にする。シートレール202とは座席を取り外し可能な力で取り付けることのできる、輸送機器内の取付構造である。
図1と併せるとより明確に理解することができる。
図2に明確に示されているとおり、取付手段には動物輸送用キャリー100の延長部分としての形態を取るスライド可能なオス部204が含まれる。このスライド可能なオス部204は、シートレール受け部材にスライドさせてはめるのに使用でき、これにより、動物輸送用キャリー100の輸送機器への取付が完了する。ネジ、ナット、または他の同様の固定手段を用いて、取付をさらに補強することもできる。
【0046】
他の様々な取付手段も、本開示の範囲から逸脱することなく、動物輸送用キャリー100の輸送機器への取付に使用できると認識すべきである。
【0047】
続いて、動物を輸送機器で輸送するための手順300を
図3のフロー図に示す。この説明書のために、手順300を動物輸送用キャリー100およびその様々な構成要素との関連で説明する。ただし当分野の技術者には、本発明の範囲から逸脱することなく、手順300を他の動物輸送用キャリーに適用することができるのは明らかであろう。また本開示は、手順300に示されているステップの順序に限定されるものではない。加えて、手順300は、
図3に示す数よりも多いステップまたは少ないステップも含むことがある。
【0048】
手順306は、ステップ302で開始される。ステップ304で、動物をケージに入れることができる。ケージの寸法は、動物の大きさに応じて変えることができる。実施形態では、輸送する動物の体重が20ポンドを超えてもよい。ケージは、動物を適宜、快適性をもって収容するのに十分な大きさで設計することができる。
【0049】
次にステップ306で、動物を収容したケージを、動物の輸送に使用する輸送機器に移動する。動物を収容したケージは、手作業、タクシーサービス、コンベヤーシステム等、多くの方法で輸送機器に移動することができる。動物を収容したケージは、手作業、タクシーサービス、コンベヤーシステム等、多くの方法で輸送機器に移動することができる。
【0050】
次にステップ308で、動物を収容したケージは、輸送機器の客室に積み込むことができる。このステップは、手作業で輸送機器にケージを積載する等、複数の方法で行うことができる。輸送機器が航空機の場合の手順300の別の実施形態では、動物を収容したケージは、空港の内外に位置する小規模ターミナル駅に到着することもある。前記小規模ターミナル駅ではまた、空調、セントラルヒーティング設備等、複数の方法で温度制御が行われていることもある。実施形態では、動物を収容したケージは、空港でのセキュリティチェックをクリアしなければならないこともある。
【0051】
続いてステップ310では、動物を収容したケージを、動物輸送用キャリー100と同様の動物輸送用キャリーに収納することができる。ステップ310は、手作業、ロボットアームの使用等、数々の方法で、動物を収容したケージを動物輸送用キャリーに収納することができる。実施形態では、動物を収容したケージは、動物輸送用キャリー100内に収納後、テンションバー120を用いて固定することができる。
【0052】
その後、手順300はステップ312で完了する。
【0053】
本手順の実施形態において、手順にはまた、動物の所有者への動物の状態に関する通知が含まれることがある。動物の所有者には、動物の状態について、SMS、電子メール、電話、ポケットベルのメッセージライブビデオ画像など数々の方法で通知することができる。
【0054】
本手順のさらなる実施形態では、手順には、動物を収容したケージを、手作業、ロボットアームの使用等、数々の方法で動物輸送用キャリー100から取り出すことも含まれることがある。動物を収容したケージを動物輸送用キャリー100から取り出した後、手作業、コンベヤ―システムの使用等、数々の方法で輸送機器から動物を収容したケージを降ろすことができる。その後、動物を収容したケージは目的地へ輸送されます。動物を収容したケージは、手作業での移動、タクシーサービス等、数々の方法で輸送機器に移すことができる。本発明を、詳しい解説が施された好ましい実施形態に関連して詳細に開示したが、これについての種々の変更および改良は、当分野の技術者には明らかであろう。従って、本発明の精神および範囲は、前述の例に限定されるものではなく、法律によって許される最も広い意味で理解されるべきである。