(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音源制御回路は、前記タッチ操作に応答して、前記タッチ操作された鍵に対応する音高の楽音信号を、前記第1の信号として生成する請求項1または2に記載の楽音発生指示装置。
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵と、前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチと、音源制御回路と、を有する楽音発生指示装置に用いられる楽音発生指示方法であって、前記音源制御回路が、
前記複数のタッチスイッチのいずれかでタッチ操作が検出された場合、当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応する第1の信号を、ヘッドフォンを接続することが可能な出力端子に出力し、
前記複数の鍵のいずれかで押鍵操作が検出された場合、当該押鍵操作された鍵に対応する第2の信号をスピーカに出力する、楽音発生指示方法。
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵と、前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチと、音源制御回路と、を有する楽音発生指示装置に用いられる楽音発生指示方法であって、前記音源制御回路が、
前記複数のタッチスイッチのいずれかでタッチ操作が検出された場合、当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応する第1の信号を、予め用意された模範曲データの通りに正しく演奏できているかどうかを報知するための出力手段に出力し、
前記複数の鍵のいずれかで押鍵操作が検出された場合、当該押鍵操作された鍵に対応する第2の信号をスピーカに出力する、楽音発生指示方法。
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵と、前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチとを有する楽音発生指示装置として用いられるコンピュータに、
前記複数のタッチスイッチのいずれかでタッチ操作が検出された場合、当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応する第1の信号を、予め用意された模範曲データの通りに正しく演奏できているかどうかを報知するための出力手段に出力するステップと、
前記複数の鍵のいずれかで押鍵操作が検出された場合、当該押鍵操作された鍵に対応する第2の信号をスピーカに出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
第1図は、本発明の第1の実施形態における楽音発生指示装置としての電子鍵盤楽器のブロック図である。
操作部1は、鍵盤部10及びタッチ/近接センサー11からなる。このタッチ/近接センサー11は、鍵盤部10の鍵夫々に設けられる。
【0013】
図2(a)は、鍵盤部10にある複数の鍵の一部を表わし、
図2(b)は、これら鍵の中でEnで表わされた鍵の側面図である。
鍵Enの一端は、電子鍵盤楽器ケース内に設けられた鍵支持部材20に固定され、鍵Enを押鍵すると、この鍵Enは鍵支持部材20に固定された支点を中心に下に押し込まれる。
【0014】
そしてこの鍵Enの下部には、ゴムSW21が配置され、鍵Enが押鍵されると、内部に組み込まれた導体22(カーボン等)が、その下に配置されているPCB23上に配置された、櫛歯状の対電極24(カーボン等)と接触し、SW21がオン状態となる。これにより、鍵Enが押鍵されたと判断される。
さらにこの鍵Enの上部表面下に、タッチ/近接センサー11、たとえば静電容量センサー用のSENSING PLATE/PATTERNを配置する。
【0015】
再び
図1に戻って、鍵盤部10およびタッチ/近接センサー11の出力は、音源・制御LSI2に供給される。この音源・制御LSI2は、出力線3を介して操作部1に対して定期的に走査信号を供給し、これによって鍵盤部10の各鍵に設けられたゴムSW21及びタッチ/近接センサー11の状態を表わす信号を取り込んでいる。
従って、いずれかの鍵のゴムSW21がオンとなった場合、あるいはタッチ/近接センサー11がタッチを検出した場合は、当該鍵に対応する音高の楽音信号を生成する。この生成された楽音信号は、スピーカ用のSPアンプ4及びヘッドフォン用のHPアンプ5に供給される。
【0016】
このスピーカ用のSPアンプ4及びヘッドフォン用のHPアンプ5夫々には、音源・制御LSI2からのミュート信号MUTE1、MUTE2が供給されている。
このミュート信号MUTE1が「H」の場合はHPアンプ5はミュート(停止)、「L」の場合はアクティブ(動作)となる。同様に、信号MUTE2も、「H」の場合は、SPアンプ5はミュート(停止)、「L」の場合はアクティブ(動作)となる。
そして、このスピーカ用のSPアンプ4は、供給される楽音信号を増幅して、接続されているスピーカ6に供給する。一方、ヘッドフォン用のHPアンプ5も同様に、供給される楽音信号を増幅して、ヘッドフォン7のジャックが挿入される出力端子に供給する。
【0017】
この出力端子には、ヘッドフォン7のジャックが挿入されているか否かを検出するヘッドフォン挿入検出部8が設けられており、この検出信号は音源・制御LSI2に供給されている。そして音源・制御LSI2は、この検出信号がヘッドフォン7のジャックが挿入されていないことを表わしている場合は、ミュート信号MUTE1を「H」とし、HPアンプ5をミュート(停止)する。
また、音源・制御LSI2には、表示部9が接続されている。
【0018】
図3は、この音源・制御LSI2の処理動作を表わすフローチャートである。
ここで、初期状態では、出力端子にはヘッドフォン7のジャックが挿入されており、信号MUTE1及びMUTE2はともに「H」となっているとする。
【0019】
まず、鍵盤部10のいずれかの鍵に設けられたタッチ/近接センサー11がタッチ操作を検出したか否かを判別する(ステップS1)。ここでNOと判断されたなら、このステップS1の処理を繰り返す。
一方、ここでYESと判断されたなら、信号MUTE1を「L」とし、信号MUTE2を「H」とする(ステップS2)。そしてこの信号MUTE1が「L」となることにより、ヘッドフォン用のHPアンプ5はアクティブとなり、出力端子に挿入されたヘッドフォン7に楽音信号が供給される。
【0020】
一方、信号MUTE2が「H」となることにより、スピーカ用アンプ4はミュートされ、スピーカ6には生成された楽音信号は供給されなくなる。
このように、所望の鍵に対してタッチ操作が行われると、ヘッドフォン7からのみ楽音が生成可能となる。
【0021】
このステップS2に続いて、ステップS3に進み、今度は、いずれかの鍵が押鍵され、押鍵された鍵の下部にあるゴムSW21がオンになったか否か判別する。ここでNOと判別されたならステップS1の処理に戻る。
もし、YESと判別されたなら、信号MUTE2を「L」とし、SPスピーカ4をアクティブにし、ステップS3に戻る。
【0022】
この結果、鍵にタッチ操作した後、当該鍵に対して押鍵操作がなされると、生成された楽音はスピーカ6からも発音されるようになる。
このように本実施形態では、鍵を押鍵操作することなく、単に鍵をタッチ操作するだけで楽音信号が生成されるが、この生成された楽音信号はスピーカ6から発音されず、ヘッドフォン7のみから発音されることになる。
このため、例えば試し演奏なと、あまり人に聞かせたくない、あるいは周囲の人に迷惑をかけたくないと思う場合は、所望の鍵を軽くタッチ操作するだけでヘッドフォン7からのみ演奏が聞こえるようにすることができ、わずらわしいヘッドフォンジャックの抜き差しあるいは切替操作を行わなくとも済むようになる。
【0023】
[第2実施形態]
第1実施形態においては、いずれかの鍵がタッチ操作されると楽音信号が生成されてヘッドフォン7から発音していたが、第2の実施形態においては、ヘッドフォン7から発音される代わりに表示部9に対応する音符表示を行うものである。
図4は、第2の実施形態における音源・制御LSI2の処理を表わすフローチャートである。ここにおいて、前述の実施形態と同じ構成及び処理動作の部分についてはと同一番号を付して説明を省略する。
【0024】
ステップS1により、いずれかの鍵でタッチ操作が行われたことを検出すると、ステップS5に進み、この鍵に対応する音高の音符を表示部9に表示する。その後、ステップ3に進み、押鍵操作の有無を判別する。
このように、何らかの曲に合わせて対応する鍵をタッチ操作することにより、当該操作に基づいた音符が順次表示部9に表示される。この結果、演奏者は全く音を出さずに自分の演奏が正しく行われているかを確認することが可能となり、周囲に迷惑をかけずに演奏の練習が可能となる。
【0025】
[第3実施形態]
第3実施形態では、予め用意された模範曲データのとおりに正しく演奏できているかどうかを所望の鍵をタッチ操作することで確認することができるようにしたものである。
【0026】
図5は、第3の実施形態における電子鍵盤楽器のブロック図である。
第3の実施形態においては、
図1に示された構成に加えて、各鍵に対応して設けられたLED30及びこれらを駆動させるLEDコントロールドライバ31と、さらに模範曲に対応するガイドデータを記憶するガイドデータメモリ32とが付加されている。
【0027】
図6は、第3実施形態における鍵Enで表わされる鍵の側面図である。
ここにおいて特徴的なところは、各鍵が導光率の高い素材で形成され、さらのその下部にはLED30が設けられていることである。これによりLED30が点灯することにより、鍵全体を光らせることが可能となっている。
なお、
図5においては、ゴムSW21の部分は記載を省略している。
【0028】
図7は、第3の実施形態における音源・制御LSI2の処理を表わすフローチャートである。
まず、ガイドデータメモリ32から次に操作すべき鍵を表わす次回データを読み出す(ステップS40)。続いて既に点灯しているLED30を消灯する(ステップS41)。
【0029】
この後、いずれかの鍵がタッチ操作されているか否かを判別する(ステップS42)。ここでNOという判断であれば、ステップS41の処理にもどる。一方、YESという判断であれば、ステップS43に進み、先に読み出された次回データが示す鍵と、タッチ操作の検出された鍵とが一致しているか否か判別する。
ここでもし一致していなければ、次回データが示す鍵に対応するLED30を点灯させ(ステップS44)、その後再びステップS42の処理に戻る。
【0030】
一方、一致していれば、点灯しているLED30を消灯し(ステップS45)、ステップS46に進む。ここでいずれかの鍵が押鍵操作されているが、つまり鍵の下部にあるゴムSW21のいずれかがオン状態になっているかを判別する。
ここでもしYES、つまり押鍵操作がなされているなら、押鍵操作されている鍵に対応する楽音信号を生成し、この生成した楽音信号を、SPアンプ4を介してスピーカ6に供給する(ステップS47)。そして、再びS40の処理に戻る。
一方、押鍵操作がなされていないなら、そのままS41の処理まで戻る。
【0031】
このように、予め用意された模範曲を演奏練習する際、模範曲に合わない、誤った鍵をタッチ操作すると、正しい鍵を点灯させて誤操作が生じたことを知らせることができる。このため演奏練習を、音をたてずに行うことが可能となり、周囲の人に迷惑をかけずに練習をすることが可能となる。
本実施形態においては、次回データが示す鍵のほうを点灯・消灯していが、タッチ操作された鍵のほうを点灯・消灯するようにしてもよい。
【0032】
[第4実施形態]
第3実施形態においては、模範演奏曲が示す鍵とタッチ操作された鍵とが不一致である場合に、対応する鍵を点灯させていたが、第4実施形態においては、対応する鍵を点灯する代わりに振動させることを特徴とする。
【0033】
図8は、第4の実施形態における電子鍵盤楽器のブロック図である。
第4の実施形態においては、
図5に示された構成に加えて、モータ等の振動素子40が付加されている。
【0034】
図9は、第4実施形態における鍵Enで表わされる鍵の側面図である。
第3の実施形態を表わす
図6と比較して、各鍵の支点上に振動素子40が設けられている点が異なる。この振動素子40の振動によって鍵自体も振動し、演奏者の指にこの振動を伝えることになる。
図10は、第4の実施形態における音源・制御LSI2の処理を表わすフローチャートである。
【0035】
図10に示すフローチャートは基本的に、
図7に示される第3の実施形態のフローチャートと同じ処理を行うものである。ただし、
図7のステップS41及びS45では、点灯しているLED30を消灯する処理を行っているが、
図10のこれに対応するステップS50及びS51は、振動素子40の振動を停止させる処理を行う。また、
図7のステップS44では、消灯しているLED30を点灯する処理を行っているが、
図10のこれに対応するステップS52は、振動素子40の振動を開始させる処理を行う。
【0036】
このように第4実施形態においては、予め用意された模範曲を演奏練習する際、模範曲に合わない、誤った鍵をタッチ操作すると、押鍵した鍵を振動させて誤操作が生じたことを知らせることができる。このため演奏練習を、音をたてずに行うことが可能となり、周囲の人に迷惑をかけずに練習をすることが可能となる。
第4実施形態において、誤った鍵をタッチ操作した際、この操作した鍵を振動させるだけでなく、誤って操作した鍵あるいは正しい鍵を点灯させるようにしてもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0038】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵と、
前記複数の鍵のいずれかで押鍵操作が検出された場合、当該押鍵操作された鍵に対応する押鍵検出信号を出力する第1の出力端子と、
前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチと、
前記複数のタッチスイッチのいずれかでタッチ操作が検出された場合、当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応するタッチ検出信号を出力する第2の出力端子と、
を備えたことを特徴とする楽音発生指示装置。
[付記2]
前記第1の出力端子には、楽音生成手段が接続され、当該楽音生成手段は、前記押鍵検出信号の入力に応答して、前記押鍵操作された鍵に対応する音高の楽音信号を生成することを特徴とする付記1記載の楽音発生指示装置。
[付記3]
前記第2の出力端子に前記楽音生成手段が接続され、当該楽音生成手段は、前記タッチ検出信号の入力に応答して、前記タッチ操作された鍵に対応する音高の楽音信号を生成することを特徴とする付記1または2記載の楽音発生指示装置。
[付記4]
前記押鍵操作により生成された楽音信号は、接続されたスピーカに供給され、
前記タッチ操作により生成された楽音信号は、接続されたヘッドフォンに供給されることを特徴とする付記3記載の楽音発生指示装置。
[付記5]
前記第2の出力端子に表示手段が接続され、当該表示手段は、前記タッチ検出信号の入力に応答して、前記タッチ操作された鍵に対応する音高の音符を表示することを特徴とする付記1または2記載の楽音発生指示装置。
[付記6]
前記第2の出力端子は、夫々対応する鍵を点灯させる点灯手段が接続され、当該点灯手段は、前記タッチ検出信号の入力に応答して、前記タッチ操作された鍵を点灯させることを特徴とする付記1または2記載の楽音発生指示装置。
[付記7]
前記第2の出力端子は、夫々対応する鍵を振動する振動手段が接続され、当該振動手段は、前記タッチ検出信号の入力に応答して、前記タッチ操作された鍵を振動させることを特徴とする付記1または2記載の楽音発生指示装置。
[付記8]
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵のいずれかでの押鍵操作を検出し、
当該押鍵操作の検出された鍵に対応する押鍵検出信号を第1の出力端子出力し、
前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチのいずれかでのタッチ操作を検出し、
当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応するタッチ検出信号を第2の出力端子に出力する、
ことを特徴とする楽音発生指示方法。
[付記9]
コンピュータに、
発音すべき楽音の音高夫々に対応して設けられた複数の鍵のいずれかでの押鍵操作を検出するステップと、
当該押鍵操作の検出された鍵に対応する押鍵検出信号を第1の出力端子出力するステップと、
前記鍵夫々の上面に設けられ、当該鍵の上面に対するタッチ操作を検出する複数のタッチスイッチのいずれかでのタッチ操作を検出するステップと、
当該タッチ操作の検出されたタッチスイッチに対応するタッチ検出信号を第2の出力端子に出力するステップ、
と、を実行させることを特徴とするプログラム。