【実施例】
【0039】
次に具体的な数値実施例1−5を示す。諸収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB
はバックフォーカス、Lはレンズ全長、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、ν(d)はd線に対するアッベ数を示す。Fナンバー、焦点距離、半画角、像高、バックフォーカス、レンズ全長及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔dは、短焦点距離端−中間焦点距離−長焦点距離端の順に示している。長さの単位は[mm]である。全数値実施例1−5を通じて、非球面レンズは用いていない。
【0040】
[数値実施例1]
図1〜
図6と表1〜表3は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例1を示している。
図1は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図2はその諸収差図、
図3はその横収差図であり、
図4は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図5はその諸収差図、
図6はその横収差図である。表1は面データ、表2は各種データ、表3はレンズ群データである。
【0041】
本数値実施例1のズームレンズ系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とからなる。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に位置する絞りSは、第3レンズ群G3と一体に移動する。
【0042】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ11、両凹負レンズ12、及び物体側に凸の正メニスカスレンズ13からなる。
【0043】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群G2Aと、正の屈折力の第2Bレンズ群G2Bとからなる。第2Aレンズ群G2Aと第2Bレンズ群G2Bは空気間隔最大の箇所で切り分けられている。
第2Aレンズ群G2Aは、物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ21と両凸正レンズ22の接合レンズからなる。
第2Bレンズ群G2Bは、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ23、及び物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ24と物体側に凸の正メニスカスレンズ25の接合レンズからなる。
第2レンズ群G2において、負メニスカスレンズ21と両凸正レンズ22の接合レンズは「正の屈折力の前群」を構成し、正メニスカスレンズ23は「正の屈折力の中群」を構成し、負メニスカスレンズ24と正メニスカスレンズ25の接合レンズは「正または負の屈折力の後群」を構成する。
【0044】
第3レンズ群G3は、物体側から順に位置する像側に凸の正メニスカスレンズ31と両凹負レンズ32の接合レンズからなる。
【0045】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側から順に位置する像側に凸の正メニスカスレンズ41と像側に凸の負メニスカスレンズ42の接合レンズ、両凸正レンズ43、及び両凹負レンズ44からなる。
【0046】
(表1)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 123.871 2.80 1.83400 37.3
2 46.746 11.03
3 -137.638 2.40 1.59282 68.6
4 1603.639 0.49
5 72.222 5.70 1.84666 23.8
6 157.172 d6
7 208.465 1.96 1.80499 29.8
8 53.130 8.17 1.72916 54.7
9 -130.258 4.00
10 57.049 4.44 1.59282 68.6
11 133.935 2.06
12 38.920 2.15 1.69680 55.5
13 25.422 11.00 1.49700 81.6
14 42.909 d14
15絞 ∞ 2.00
16 -189.317 3.79 1.78472 25.7
17 -36.527 1.80 1.80400 46.6
18 86.588 d18
19 -416.328 9.00 1.49700 81.6
20 -25.445 2.00 1.80000 29.9
21 -39.061 0.10
22 61.085 9.52 1.62736 56.8
23 -54.838 4.75
24 -45.881 1.95 1.72916 54.7
25 94.199 -
(表2)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 82.40 105.00 155.95
W 23.2 18.2 12.3
Y 34.85 34.85 34.85
fB 74.55 80.64 93.26
L 253.96 235.00 219.32
d6 59.76 34.71 6.40
d14 3.81 9.90 22.52
d18 24.74 18.65 6.02
(表3)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -111.90
2 7 65.86
2A 7 125.79
2B 10 152.69
3 16 -70.98
4 19 95.78
【0047】
[数値実施例2]
図7〜
図12と表4〜表6は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例2を示している。
図7は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図8はその諸収差図、
図9はその横収差図であり、
図10は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図11はその諸収差図、
図12はその横収差図である。表4は面データ、表5は各種データ、表6はレンズ群データである。
【0048】
この数値実施例2のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第4レンズ群G4の正レンズ41が両凸正レンズである。
【0049】
(表4)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 89.376 3.00 1.83400 37.3
2 42.835 11.81
3 -147.674 2.50 1.59282 68.6
4 263.365 1.25
5 68.565 6.12 1.84666 23.8
6 149.958 d6
7 231.791 2.00 1.74950 35.3
8 36.192 11.07 1.72916 54.7
9 -129.445 5.00
10 44.483 4.98 1.61800 63.4
11 111.160 0.20
12 40.959 2.00 1.80420 46.5
13 24.535 11.06 1.49700 81.6
14 50.733 d14
15絞 ∞ 2.00
16 -127.995 4.43 1.84666 23.8
17 -29.619 2.00 1.83481 42.7
18 69.678 d18
19 297.544 9.34 1.49700 81.6
20 -27.316 2.00 1.71736 29.5
21 -44.497 0.10
22 69.216 9.42 1.51742 52.4
23 -54.786 8.63
24 -45.138 2.00 1.77250 49.6
25 260.167 -
(表5)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.90
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 81.90 104.96 155.81
W 23.3 18.3 12.3
Y 34.85 34.85 34.85
fB 68.85 73.96 84.38
L 255.84 236.65 219.28
d6 58.56 34.26 6.47
d14 4.38 9.49 19.90
d18 23.15 18.05 7.63
(表6)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -109.04
2 7 60.49
2A 7 122.11
2B 10 127.83
3 16 -54.17
4 19 81.77
【0050】
[数値実施例3]
図13〜
図18と表7〜表9は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例3を示している。
図13は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図14はその諸収差図、
図15はその横収差図であり、
図16は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図17はその諸収差図、
図18はその横収差図である。表7は面データ、表8は各種データ、表9はレンズ群データである。
【0051】
この数値実施例3のレンズ構成は、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
【0052】
(表7)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 132.516 3.00 1.83400 37.3
2 47.093 10.67
3 -145.842 2.50 1.59282 68.6
4 1309.010 0.53
5 71.552 6.12 1.84666 23.8
6 153.878 d6
7 226.288 2.00 1.80000 29.9
8 54.086 8.20 1.72916 54.7
9 -128.868 5.00
10 56.963 4.46 1.59282 68.6
11 174.261 1.10
12 35.580 2.00 1.71300 53.9
13 24.126 11.00 1.49700 81.6
14 36.418 d14
15絞 ∞ 2.00
16 -153.763 3.76 1.78472 25.7
17 -37.843 2.00 1.77250 49.6
18 81.567 d18
19 -568.533 9.22 1.49700 81.6
20 -25.197 2.00 1.80000 29.9
21 -38.132 0.10
22 60.712 9.30 1.56883 56.3
23 -50.128 3.81
24 -44.785 2.00 1.72916 54.7
25 109.986 -
(表8)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 82.40 105.00 155.87
W 23.2 18.2 12.3
Y 34.85 34.85 34.85
fB 75.74 81.65 93.99
L 255.60 235.99 219.33
d6 60.96 35.43 6.44
d14 3.32 9.23 21.57
d18 24.82 18.90 6.56
(表9)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -110.22
2 7 63.78
2A 7 128.10
2B 10 139.94
3 16 -69.44
4 19 99.83
【0053】
[数値実施例4]
図19〜
図24と表10〜表12は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例4を示している。
図19は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図20はその諸収差図、
図21はその横収差図であり、
図22は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図23はその諸収差図、
図24はその横収差図である。表10は面データ、表11は各種データ、表12はレンズ群データである。
【0054】
この数値実施例4のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第4レンズ群G4が、物体側から順に、像側に凸の正メニスカスレンズ41’、両凸正レンズ42’、及び像側に凸の負メニスカスレンズ43’からなる。
【0055】
(表10)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 106.037 3.00 1.83400 37.3
2 46.772 9.67
3 -470.825 2.50 1.59282 68.6
4 140.141 3.96
5 67.510 6.12 1.84666 23.8
6 133.571 d6
7 658.785 2.00 1.80000 29.9
8 73.592 7.32 1.72916 54.7
9 -112.953 5.00
10 47.476 3.70 1.75500 52.3
11 75.878 0.20
12 46.450 2.00 1.67003 47.3
13 24.131 11.00 1.49700 81.6
14 66.149 d14
15絞 ∞ 2.00
16 -1754.018 4.27 1.78472 25.7
17 -47.093 2.00 1.80100 35.0
18 160.003 d18
19 -82.120 6.50 1.49700 81.6
20 -33.104 0.10
21 151.923 6.00 1.61800 63.4
22 -157.300 4.60
23 -34.797 2.00 1.80420 46.5
24 -131.985 -
(表11)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 82.40 104.98 155.85
W 22.6 17.9 12.3
Y 34.85 34.85 34.85
fB 68.46 76.50 94.24
L 259.32 237.08 219.05
d6 72.69 42.40 6.64
d14 3.00 11.04 28.78
d18 31.24 23.20 5.46
(表12)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -116.70
2 7 70.39
2A 7 149.41
2B 10 140.16
3 16 -172.14
4 19 466.87
【0056】
[数値実施例5]
図25〜
図30と表13〜表15は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例5を示している。
図25は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図26はその諸収差図、
図27はその横収差図であり、
図28は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図29はその諸収差図、
図30はその横収差図である。表13は面データ、表14は各種データ、表15はレンズ群データである。
【0057】
この数値実施例5のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例4のレンズ構成と同様である。
(1)第3レンズ群の正レンズ31が両凸正レンズである。
(2)第4レンズ群の正レンズ41’が両凸正レンズである。
【0058】
(表13)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 87.305 3.00 1.83400 37.3
2 43.681 10.80
3 -272.981 2.50 1.59282 68.6
4 138.103 3.61
5 66.447 6.12 1.84666 23.8
6 130.317 d6
7 1408.073 2.00 1.74950 35.0
8 49.335 9.39 1.72916 54.7
9 -109.472 5.00
10 66.262 3.36 1.77250 49.6
11 95.504 0.20
12 41.071 2.00 1.70154 41.2
13 25.827 11.06 1.49700 81.6
14 86.020 d14
15絞 ∞ 2.00
16 835.926 5.70 1.74950 35.0
17 -33.625 2.00 1.78800 47.5
18 96.974 d18
19 1666.278 6.75 1.49700 81.6
20 -38.973 4.99
21 135.548 3.99 1.61800 63.4
22 -397.619 4.73
23 -37.534 2.00 1.80420 46.5
24 -311.289 -
(表14)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 4.6 4.6 4.6
f 82.40 105.00 155.98
W 22.7 18.0 12.3
Y 34.85 34.85 34.85
fB 66.91 73.83 88.81
L 259.32 237.80 219.31
d6 68.64 40.19 6.72
d14 3.00 9.92 24.90
d18 29.58 22.66 7.68
(表15)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -109.78
2 7 67.20
2A 7 147.66
2B 10 126.04
3 16 -119.77
4 19 281.89
【0059】
各数値実施例の各条件式に対する値を表16に示す。
(表16)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) -1.70 -1.80 -1.73
条件式(2) 0.82 0.96 0.92
条件式(3) -5.57 -14.57 -5.96
条件式(4) -1.12 -1.12 -1.16
条件式(5) 1.58 2.01 1.59
実施例4 実施例5
条件式(1) -1.66 -1.63
条件式(2) 1.07 1.17
条件式(3) -6.95 -16.43
条件式(4) -1.28 -1.35
条件式(5) 0.68 0.92
【0060】
表16から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例5は、条件式(1)〜(5)を満足しており、諸収差図及び横収差図から明らかなように諸収差及び横収差は比較的よく補正されている。
【0061】
本発明の特許請求の範囲に含まれるズームレンズ系に、実質的なパワーを有さないレンズまたはレンズ群を追加したとしても、本発明の技術的範囲を回避したことにはならない。