(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記参照元文書特定手段は、前記作業者により指定された前記文書に関する前記参照元文書を前記参照情報に基づいて特定し、当該参照元文書についての前記対応状況を当該作業者に提示する対応状況提示手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の文書管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムのハードウェア構成の概要について説明するための図である。
図1に示すように、文書管理システム2は、ネットワーク4(例えば、インターネット)を介して接続されたサーバ6及び端末8を有する。なお、
図1においては、文書管理システム2は、1つの端末8のみを有しているが、その他複数の端末8を有してもよい。
【0020】
サーバ6は制御部10、記憶部12、通信部14を含む。制御部10は例えばCPU等であって、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。記憶部12は例えば、ハードディスクやROMやRAM等の情報記録媒体で構成され、制御部10によって実行されるプログラムを保持する情報記録媒体である。また、記憶部12は制御部10のワークメモリとしても動作する。
【0021】
通信部14はネットワークインターフェースであって、制御部10からの指示に応じて、ネットワーク4を介して、情報を送受信する。なお、制御部10、記憶部12、通信部14はそれぞれバス16を介して接続される。
【0022】
また、端末8は制御部20、記憶部22、通信部24、表示部26、操作部28を含む。同様に、各部20,22,24,26,28はバス30を介して接続される。上述したサーバ6と同様に、制御部20は例えばCPUであって、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作する。記憶部22は例えば、ハードディスクやROMやRAM等の情報記録媒体で構成され、制御部20によって実行されるプログラムを保持する情報記録媒体である。また、記憶部22は制御部20のワークメモリとしても動作する。
【0023】
操作部28は例えば、キーボード、マウス、ボタン等のインターフェースで構成され、文書管理システム2のユーザの指示操作に応じて、当該指示操作の内容を制御部20に出力する。表示部26は例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、または有機ELディスプレイ等であって、制御部20からの指示に従い情報を表示する。
【0024】
なお、上記制御部10及び20で処理されるプログラムは、例えば、ネットワークを介して、ダウンロードされて提供されてもよいし、または、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。なお、上記サーバ6や端末8の構成は一例であってこれに限定されるものではない。
【0025】
図2は、
図1に示したサーバの機能的構成の一例について説明するための図である。
図2に示すように、サーバ6は、参照情報入力部50、文書登録部52、更新履歴収集/入力部54、対応状況入力部56、対応状況確認部58、参照情報格納部60、文書格納部62、更新履歴格納部64、対応状況格納部66を含む。ここで
図1に示すサーバ6の構成のうち、制御部10が参照情報入力部50、文書登録部52、更新履歴収集/入力部54、対応状況入力部56及び対応状況確認部58として機能し、記憶部12が参照情報格納部60、文書格納部62、更新履歴格納部64、対応状況格納部66として機能する。また、参照情報入力部50、文書登録部52、対応状況入力部56、対応状況確認部58は
図1に示した通信部14、ネットワーク4を介して端末8(8A及び8B)と通信可能に接続される。なお、
図2における端末8A,8Bとサーバ6との関係に関し、端末8Aではユーザが例えば、文書を新規登録したり、文書の参照関係を定義したりし、一方、端末8Bではユーザが例えば、更新された文書の参照元文書に関し更新への対応作業を行うことを想定している。
【0026】
参照情報入力部50は、例えばユーザにより入力される、文書間の参照関係を表す参照情報を受け付けて、参照情報格納部60に登録する。例えば、端末8Aにてユーザは文書の登録/更新を行った際に、当該文書の参照先を参照情報入力部50に入力する。
【0027】
文書登録部52は、例えばユーザにより入力される文書データを受け付けて、文書格納部62に格納する。例えば、端末8Aにてユーザは文書の登録/更新を行った際に、当該文書を文書登録部52に入力し、端末8Bにてユーザは参照先文書の更新への対応として参照元文書を修正した際に、修正後の参照元文書を文書登録部52に入力する。
【0028】
更新履歴収集/入力部54は、文書の更新情報である更新履歴情報を取得し、更新履歴格納部64に格納する。例えば、文書の作成/更新者が更新履歴をその文書に添付する履歴ファイルや文書本体内に記録する場合には、更新履歴収集/入力部54はその記録から更新履歴情報を抽出する。また文書作成ソフトウェアには更新履歴を記録する機能を備えたものもあり、更新履歴収集/入力部54はその記録データから更新履歴情報を抽出してもよい。本実施形態では更新履歴収集/入力部54は1つの修正項目に対し1つの更新履歴情報を記録する。
【0029】
また、更新履歴収集/入力部54は文書について更新がなされたことを更新履歴情報によって検出すると、その更新された文書を参照する文書(参照元文書)を参照情報格納部60に登録されている参照情報に基づいて特定し、当該参照元文書について、検出した更新への対応状況を示すエントリを生成し対応状況格納部66に登録する。具体的には、更新履歴収集/入力部54は当該対応状況の初期状態として、検出した更新へ未対応であることを示す内容を登録する。例えば、本実施形態では当該初期状態として、ユーザの注意を喚起する状態「要確認」を設定する。
【0030】
対応状況入力部56は、例えばユーザから、更新された文書の参照元文書についての対応状況を入力され、対応状況格納部66に格納する。例えば、端末8Bにてユーザは参照先文書の更新への対応として参照元文書の修正を行った際に、対応状況として「修正完了」を対応状況入力部56に入力する。ユーザは更新履歴格納部64を参照し、参照先文書の更新に対し参照元文書での対応が不要である判断した場合には、対応状況として例えば「修正不要」を対応状況入力部56に入力する。
【0031】
対応状況確認部58は、例えばユーザの要求に応じて、対応状況格納部66から対応状況を読み出し、ユーザに提示する。
【0032】
また、対応状況確認部58は、ユーザにより指定された参照元文書について対応状況格納部66から対応状況を読み出し、当該対応状況が初期状態「要確認」である更新について、対応する更新情報を更新履歴格納部64から取り出して当該ユーザに提示する。
【0033】
参照情報格納部60は、ユーザが入力する文書間の参照情報を格納する。
図3、
図4は参照情報の一例を説明する模式図である。
図3は文書「仕様書A」、「仕様書B」、「仕様書X」、「マニュアルA」、「マニュアルB」間の参照関係をそれら文書間の矢印で表しており、矢印の始点側が参照元文書(参照文書)であり、終点側が参照先文書(被参照文書)である。
【0034】
参照情報格納部60は
図3に示す参照関係を例えば
図4に示す参照情報テーブルの形式で格納する。
図4に示す例では、被参照文書ごとにエントリが作成され、当該各エントリには被参照文書を直接に参照する全ての参照文書が示される。ちなみに、
図4の例ではエントリは直接の参照関係ごとに作成されるので、例えば、仕様書AとマニュアルBとの間の仕様書Bを介した間接の参照関係は2つのエントリに分けて定義される。
【0035】
文書格納部62は、ユーザが登録する文書を格納する。なお、本実施形態では当該文書に更新履歴情報が付随しており、上述したようにこれを更新履歴収集/入力部54が抽出し更新履歴格納部64に格納する。
【0036】
更新履歴格納部64は更新履歴情報を例えば
図11に示す更新履歴テーブル70cの形式で格納する。本実施形態では1つの修正項目に対し1つの更新履歴情報のエントリが記録される。
図11に示す例では、各エントリは更新された文書を示す情報、更新日時、更新内容を含み、履歴IDを付される。
【0037】
対応状況格納部66は、更新された文書の参照元文書についての対応状況を格納する。対応状況格納部66は対応状況を例えば
図11に示す対応状況テーブル72cの形式で格納する。
【0038】
図11に示す例では、対応状況テーブルの各エントリは参照先履歴ID、参照元文書を示す情報、対応状況を含む。参照先履歴IDは更新履歴テーブルの履歴IDを指しており、これにより対応状況テーブルの各エントリにおける更新された文書及び更新内容は上述の更新履歴テーブルのエントリと対応付けられる。例えば、参照先履歴IDが“01”であるエントリは、仕様書Aにおける更新内容「AAAをBBBに修正」についての対応状況を表す。
【0039】
図11に示す対応状況テーブルのエントリは、更新された文書を直接に参照する参照元文書と、間接に参照する参照元文書との両方について作成される。例えば、
図11の対応状況テーブル72cの1行目のエントリの文書欄の値「マニュアルA」は仕様書Aを直接に参照するマニュアルAを表している。一方、3行目のエントリの文書欄の値「仕様書B−マニュアルB」は仕様書Bを介して仕様書Aを間接に参照するマニュアルBを表している。
【0040】
また、
図11の対応状況テーブルには対応状況の例として「要確認」、「修正不要」、「修正完了」が示されている。
【0041】
次に処理フロー図及び具体例を用いて文書管理システム2の動作例を説明する。
図5は新規の文書又は更新した文書の登録、及び参照情報の記録に関する概略の処理を示すフロー図である。まず、制御部10は例えば、端末8からユーザにより指示される文書登録種別に応じて処理を選択する(S100)。本実施形態では当該種別として、文書格納部62に未登録の新規の文書を登録する「新規登録」、文書格納部62に既登録の文書を更新する「更新」、及び文書登録はせず文書格納部62に既登録の文書間に参照関係を定義する「文書登録なし」が設けられている。
【0042】
処理S100にて「新規登録」の場合、文書登録部52が文書識別子を発行し(S102)、ユーザが端末8から新規文書登録を行う(S104)。一方、処理S100にて「更新」の場合はユーザが端末8から更新文書の文書識別子を指定し(S110)、更新文書登録を行う(S112)。処理S104,S112で登録される文書は文書格納部62に格納される。なお、次に行う参照情報の記録の処理では、これら文書は参照元文書として扱われる。処理S100にて「文書登録なし」の場合はユーザが端末8から参照元文書の識別子を指定する(S120)。
【0043】
この段階で「新規登録」、「更新」、「文書登録なし」のいずれの場合についても参照元文書の識別子が特定されている。この状態にて、さらにユーザが参照先文書の識別子を指定すると(S130)、参照関係が定義される。ここで、処理S104,S112で登録された文書は参照元文書とみなしているが、実際には参照先文書が存在しない場合がある。その場合には処理S130にてユーザは識別子を入力せず、参照関係は定義されない。
【0044】
参照情報入力部50は参照関係が定義された場合には、当該参照関係を表す参照情報が参照情報格納部60に格納済みであるか調べ(S132)、格納済みでなければ当該参照情報を参照情報格納部60に登録する(S134)。一方、格納済みであれば処理S134をスキップする。ちなみに、「新規登録」の場合には、処理S102で発行された文書識別子に係る参照情報は参照情報格納部60には格納されていないので、処理S134は基本的に実行される。
【0045】
図6は履歴情報の抽出及び対応状況の初期状態の設定に関する概略の処理を示すフロー図である。
図6の処理は
図5の処理で「新規登録」、「更新」であった場合に行われる。
【0046】
上述したように本実施形態では処理S104,S112で登録された文書に付随して更新履歴も文書格納部62に登録される。例えば、ユーザは新規登録文書、更新文書について更新履歴を格納した履歴ファイルを作成して文書格納部62に登録する(S200)。そして、更新履歴収集/入力部54は文書格納部62から更新履歴情報を収集して(S202)、更新履歴格納部64に登録する(S204)。
【0047】
次に、更新履歴収集/入力部54は対応状況の初期状態の設定を行う。更新履歴収集/入力部54は参照情報格納部60に格納された参照情報に基づいて、新規登録文書、更新文書を参照先文書とする参照元文書の文書識別子を取得する(S206)。そして、新規登録文書及び更新文書について処理S204で登録した各更新履歴情報に対する各参照元文書の対応状況を「要確認」としたエントリを生成して対応状況格納部66に登録する(S208)。
【0048】
図7、
図8は
図3、
図4に示す参照情報の例に対応して、
図6を用いて説明した履歴情報の抽出及び対応状況の初期状態の設定の処理例を示す図である。
図7は履歴情報の抽出及び対応状況の初期状態の設定の処理前における更新履歴格納部64及び対応状況格納部66の登録内容を示しており、
図8は仕様書Aが更新された場合における当該処理後の更新履歴格納部64及び対応状況格納部66の登録内容を示している。
【0049】
仕様書Aの更新前においては
図7に示すように、更新履歴格納部64に格納される更新履歴テーブル70aには更新履歴のエントリはなにも登録されておらず、それに伴い、対応状況格納部66に格納される対応状況テーブル72aにもエントリは登録されていない。
【0050】
この状態で、仕様書Aに関し「AAAをBBBに修正」する更新が記録された履歴ファイルが文書格納部62に登録されると(S200)、更新履歴収集/入力部54は更新履歴を抽出し(S202)、
図8に示すように当該更新を表し履歴ID“01”を付したエントリを更新履歴格納部64に登録する(S204)。
【0051】
次に、更新履歴収集/入力部54は参照情報格納部60の参照情報テーブルを参照して、それぞれ仕様書Aを直接参照するマニュアルA及び仕様書Bと、仕様書Aを間接に参照するマニュアルBとについてそれぞれ、対応状況として初期状態である「要確認」が設定されたエントリを生成し対応状況テーブル72bに登録する。
【0052】
図9は対応状況の確認及び入力に関する概略の処理を示すフロー図である。例えば、ユーザは端末8からサーバ6にアクセスして対応状況確認部58により、対応状況が「要確認」の文書があるかどうかを調べる。対応状況確認部58は対応状況テーブルの中に、対応状況が「要確認」であるもの(要確認項目)があるかを調べ(S300)、要確認項目が存在する場合には、対応状況確認部58は要確認項目の参照先履歴IDをキーにして更新履歴テーブルを検索し、対応する更新履歴情報をユーザに提示する(S302)。
【0053】
ユーザは対応状況テーブルに対応状況として「要確認」が登録されている文書について、参照先文書の更新に未対応であることを把握する。そして、参照先文書の更新に対応した修正を行ったり、修正が不要であることを確認した場合にはユーザは例えば端末8から対応状況を入力する(S304)。対応状況入力部56は、更新された文書の参照元文書についてユーザから入力された対応状況を対応状況テーブル72に反映し対応状況格納部66に格納する(S306)。
【0054】
なお、対応状況テーブルの中に対応状況が「要確認」であるものがあるかを調べた結果(S300)、それが存在しなかった場合には処理S302〜S306は省略される。
【0055】
対応状況確認部58はユーザが関心を有する文書の対応状況を検索し提示する構成としてもよい。
図10は当該構成における対応状況確認部58の対応状況の確認に関する概略の処理を示すフロー図である。ユーザは端末8から対応状況確認部58に例えば、自分が担当する文書の文書識別子を指定した要求を送り対応状況の確認を求める(S400)。対応状況確認部58は対応状況テーブルの中に、ユーザにより指定された文書を参照元文書とし対応状況が「要確認」であるもの(要確認項目)があるかを調べる(S402)。要確認項目が存在する場合には、対応状況確認部58は要確認項目の参照先履歴IDをキーにして更新履歴テーブルを検索し、要確認項目の更新履歴(要確認更新履歴)を取得し(S404)、取得した要確認更新履歴をユーザに提示する(S406)。提示を受けたユーザは
図9に示す場合と同様、対応状況の入力を行い、対応状況格納部66に対応状況を反映させる(S304,S306)。
【0056】
一方、処理S402にてユーザが指定する文書について要確認項目が存在しない場合は、対応状況確認部58は例えば、対応済みである旨をユーザに示す(S408)。
【0057】
図11、
図12は
図8に示す更新履歴テーブル及び対応状況テーブルの状態に対するユーザの対応例を示す図である。
図11は
図8の状態への対応後における更新履歴格納部64及び対応状況格納部66の登録内容を示しており、
図12は
図11の状態への対応後における更新履歴格納部64及び対応状況格納部66の登録内容を示している。これらの図を用いてユーザによる対応とその際の文書管理システム2の動作を説明する。
【0058】
図8の状態にてユーザが対応状況を確認すると、サーバ6は「マニュアルA」、「仕様書B」、「マニュアルB」の対応状況が「要確認」であること、及びそれに対応する「仕様書A」の更新履歴情報をユーザに提示する(S302)。
【0059】
これに対して、ユーザは「マニュアルA」と「マニュアルB」とについては修正が不要であることを確認した。一方、「仕様書B」については必要な修正を完了し、修正後の「仕様書B」及び更新履歴ファイルを文書格納部62に登録した(S200)。ユーザはこれらの対応状況として、「マニュアルA」、「マニュアルB」については「修正不要」、また「仕様書B」については「修正完了」をサーバ6に入力し(S304)、対応状況入力部56は
図8の対応状況テーブル72bにて対応状況を「要確認」に初期設定した項目について、ユーザが入力した対応状況を反映する(S306)。
図11の対応状況テーブル72cの1〜3行目のエントリはその反映後の状態を示している。
【0060】
ここで、「仕様書B」が更新されたため、更新履歴収集/入力部54は「仕様書B」の更新履歴ファイルから「XXXをYYYに修正」を更新内容とする更新履歴情報を抽出して更新履歴テーブル70cに登録する(S202,S204)。
図11の更新履歴テーブル70cの2行目のエントリは「仕様書B」の更新に対応して追加されたものである。
【0061】
更新履歴収集/入力部54は更新履歴テーブル70cにエントリを追加すると共に、「仕様書B」を参照先文書とする「マニュアルB」について対応状況を「要確認」としたエントリを生成して対応状況テーブル72cに登録する(S206,S208)。
図11の対応状況テーブル72cの4行目のエントリがその追加されたものである。
【0062】
この状態にてユーザが対応状況を確認すると、「マニュアルB」の対応状況が「要確認」であること、及びそれに対応する「仕様書B」の更新履歴情報がユーザに提示される(S302)。これに対して、ユーザは「マニュアルB」を修正し、修正後の「マニュアルB」及び更新履歴ファイルを文書格納部62に登録すると共に(S200)、対応状況として「修正完了」をサーバ6に入力する(S304)。対応状況入力部56は「マニュアルB」の対応状況にユーザの入力内容を反映する(S306)。
図12の対応状況テーブル72dのその反映後の状態を示している。また、更新履歴収集/入力部54は「マニュアルB」の更新履歴ファイルから「IIIをJJJに修正」を更新内容とする更新履歴情報を抽出して更新履歴テーブル70dに登録する(S202,S204)。
【0063】
上述の文書管理システム2では、或る文書を作成、更新した際に、ユーザがその作成・更新に際し参照した文書を参照先文書とする参照情報を参照情報格納部60に登録することで、文書間の参照関係を表す参照情報は参照情報格納部60に集積される。そして、更新履歴収集/入力部54が参照情報格納部60に格納された参照情報に基づいて、更新された文書を直接又は間接に参照する参照元文書を特定し、当該参照元文書について対応状況として未対応であることを示す初期状態を対応状況格納部66に登録する。
【0064】
ここで、
図3、
図4に示すような一元管理された参照情報がないとした場合、ユーザが或る文書を更新する際に、その更新が他のどの文書に影響を与えるか、つまり更新した文書を参照先文書とする参照元文書が何であるかを把握することは、ユーザが或る文書を作成、更新した際に、その作成・更新に際し参照した文書を参照先文書とする参照情報を定義すること程には容易ではなく、その把握には漏れが生じ易い。特にそのおそれは更新した文書を間接に参照する文書について大きい。この点、文書管理システム2では、文書の更新に際しユーザは更新する文書の参照元文書を意識する必要がない。
【0065】
また、参照先文書を更新したユーザが例えば、参照元文書の担当ユーザに更新を知らせるための対処をしなくても、対応状況格納部66の登録内容から参照元文書の担当ユーザは参照先文書での更新の発生を把握する。
【0066】
よって、文書管理システム2では更新への対応漏れが防止される。
【0067】
さらに、文書管理システム2では対応状況確認部58が、ユーザにより指定された参照元文書について対応状況格納部66から対応状況を読み出し、当該対応状況が初期状態「要確認」である更新について、対応する更新情報を更新履歴格納部64から取り出して当該ユーザに提示するので、ユーザが更新への対応を行うことが容易となる。
【0068】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る文書管理システム2Bは上述した第1の実施形態の文書管理システム2と類似点を有している。そこで、第2の実施形態の文書管理システムについて、第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態の説明を援用し、以下の説明では専ら第1の実施形態との相違点を説明する。
【0069】
図13は文書管理システム2Bのサーバ6の機能的構成の一例について説明するための図である。当該構成では、対応状況確認部58は、対応状況確認部58の機能に加え、参照情報格納部60に格納された参照情報を利用する機能を備えている。
【0070】
対応状況確認部58はユーザにより文書を指定され、当該文書に関する参照元文書を参照情報格納部60に格納された参照情報に基づいて特定し、当該参照元文書についての対応状況をユーザに提示する。
【0071】
この対応状況確認部58によれば、ユーザにより指定された文書の全更新履歴に対し、それに対応付けられた参照元文書の対応状況が確認される。対応状況が例えば、全て「修正不要」か「修正完了」であれば、ユーザ指定文書の修正が、それを参照する後工程の文書に反映されており対応漏れがないことが確認される。
【0072】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る文書管理システム2Cは上述した第1の実施形態の文書管理システム2と類似点を有している。そこで、第3の実施形態の文書管理システムについて、第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態の説明を援用し、以下の説明では専ら第1の実施形態との相違点を説明する。
【0073】
文書管理システム2Cは更新履歴をグルーピングして、グループごとに参照元文書の対応状況を管理する。そのために、文書管理システム2Cの更新履歴格納部64Cは更新履歴収集/入力部54により取得された更新履歴情報を予め定めた関係でまとめたグループ(更新群)として格納する。また、文書管理システム2Cの対応状況格納部66Cは、更新履歴情報に関係する更新された文書を直接又は間接に参照する参照元文書の対応状況として、当該更新情報が属する更新群が表す更新への当該参照元文書での前記対応を包括した状況を格納する。
【0074】
例えば、更新履歴収集/入力部54Cは、日付ごとに更新情報をまとめて更新群を定義し、更新履歴格納部64Cに格納する。ユーザは或る日付の更新群の全ての更新情報に対応したら、対応状況格納部66Cの対応状況を「要確認」から「修正完了」、「修正不要」といった状態に書き換える。この文書管理システム2Cによれば、ユーザ更新履歴を1件ずつ管理する構成に比較して、ユーザが対応状況を更新する手間が低減される。