特許第6171712号(P6171712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6171712
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170724BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   G06F3/041 520
   G06F3/041 560
   G06F3/045 C
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-167117(P2013-167117)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-35192(P2015-35192A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 康治郎
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/161864(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/001775(WO,A1)
【文献】 特開2012−198596(JP,A)
【文献】 特開2012−128830(JP,A)
【文献】 特開2011−227671(JP,A)
【文献】 特開2013−134621(JP,A)
【文献】 特開平9−282077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧された位置を検出可能なタッチパネルを備えた情報処理装置において、
前記タッチパネルは、前記押圧された位置に応じた電圧値を出力し、
前記情報処理装置は、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が第1の閾値未満であるか否かを判定する電圧値判定手段と、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満であると判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの判定基準である第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が基準期間にわたって継続するか否かを判定し、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するまでは、前記タッチパネルへの押圧が終了していないと判定する終了判定手段と、を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記終了判定手段は、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満でないと判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの前記判定基準である前記第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するか否かの判定を行わず、前記タッチパネルへの押圧が終了していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
押圧された位置に応じた電圧値を出力するタッチパネルを備えるコンピュータを、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が第1の閾値未満であるか否かを判定する電圧値判定手段及び、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満であると判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの判定基準である第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が基準期間にわたって継続するか否かを判定し、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するまでは、前記タッチパネルへの押圧が終了していないと判定する終了判定手段
として機能させるプログラム。
【請求項4】
前記終了判定手段は、
前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満でないと判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの前記判定基準である前記第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するか否かの判定を行わず、前記タッチパネルへの押圧が終了していると判定する
請求項3に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、タッチパネルを備えた情報処理装置において、指の移動方向先方側にカーソルを表示することによって、正確な位置入力を行えるようにすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−76927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、それまでの移動方向とは逆に移動する検出位置が取得された場合に、移動方向に基づいて移動してなる位置を代替位置として当該検出位置の代わりに用いて処理を実行する情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、押圧された位置を検出可能なタッチパネルを備えた情報処理装置において、前記タッチパネルは、前記押圧された位置に応じた電圧値を出力し、前記情報処理装置は、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が第1の閾値未満であるか否かを判定する電圧値判定手段と、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満であると判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの判定基準である第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が基準期間にわたって継続するか否かを判定し、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するまでは、前記タッチパネルへの押圧が終了していないと判定する終了判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記終了判定手段は、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満でないと判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの前記判定基準である前記第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するか否かの判定を行わず、前記タッチパネルへの押圧が終了していると判定することを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、押圧された位置に応じた電圧値を出力するタッチパネルを備えるコンピュータを、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が第1の閾値未満であるか否かを判定する電圧値判定手段及び、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満であると判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの判定基準である第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が基準期間にわたって継続するか否かを判定し、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するまでは、前記タッチパネルへの押圧が終了していないと判定する終了判定手段として機能させるプログラムである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、前記終了判定手段は、前記タッチパネルへの押圧が検出されている場合における前記タッチパネルの出力電圧値が前記第1の閾値未満でないと判定された場合、前記タッチパネルへの押圧が終了したか否かの前記判定基準である前記第2の閾値よりも、前記タッチパネルの出力電圧値が低い状態が前記基準期間にわたって継続するか否かの判定を行わず、前記タッチパネルへの押圧が終了していると判定するプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
発明によれば、それまでの移動方向とは逆に移動する検出位置が取得された場合に、移動方向に基づいて移動してなる位置を代替位置として当該検出位置の代わりに用いて処理を実行できる。また、タッチペンでタッチパネルを押圧する場合に、タッチパネルへの押圧が終了したと判定されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】画面の一例を示す図である。
図3】タッチパネルの位置検出について説明するための図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図5】移動方向取得部、代替位置取得部、及び処理実行部の動作の一例を説明するための図である。
図6】代替位置取得部の動作の他の一例を説明するための図である。
図7】第1実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の他の一例を示す図である。
図9】タッチパネルの位置検出について説明するための図である。
図10】タッチパネルの位置検出について説明するための図である。
図11】第2実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
図13】タッチパネルから出力される電圧値に関する閾値について説明するための図である。
図14】第3実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図15】第3実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
図16】第3実施形態に係る情報処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す。図1に示すように、第1実施形態に係る情報処理装置10は制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14、及び操作部15を含む。
【0019】
制御部11は例えば1又は複数のマイクロプロセッサ等を含み、記憶部12に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。記憶部12は主記憶部(例えばRAM)及び補助記憶部(例えばROM、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ)を含む。なお例えば、プログラムは情報記憶媒体を介して記憶部12に供給される。または、プログラムは通信ネットワークを介して記憶部12に供給される。
【0020】
通信部13はネットワークを介して通信を行うためのインタフェースである。表示部14は例えば液晶表示パネル又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11の指示に従って画面を表示する。
【0021】
操作部15はユーザが操作を行うためのものである。操作部15は、押圧された位置を検出可能なタッチパネル16を含む。タッチパネル16は表示部14の上に重ねて設けられる。例えば、タッチパネル16は抵抗膜方式のタッチパネルであり、押圧された位置に応じた電圧を出力する。情報処理装置10ではタッチパネル16を用いて各種操作が行われる。
【0022】
図2は表示部14に表示される画面の一例を示す。図2に示す画面20にはオブジェクト22が表示されている。ユーザがタッチパネル16に接触させた指又はタッチペンをタッチパネル16上で移動させると、オブジェクト22が指又はタッチペンの移動方向に移動する。
【0023】
ところで、ユーザがタッチパネル16上で指を移動させる場合、タッチパネル16の検出位置が実際の指の移動方向とは逆の方向に移動してしまう場合がある。例えば、図3に示す例では、ユーザがタッチパネル16上で指Fを移動させている間に指Fを無意識に傾けてしまったことによって、検出位置P1の次の検出位置P2として、実際の指Fの移動方向Mとは逆方向の位置が検出されている。
【0024】
このような場合、検出位置の移動方向(P1からP2への方向)にオブジェクト22が移動してしまうと、オブジェクト22が指Fの移動方向Mとは逆方向に移動してしまう。
【0025】
第1実施形態に係る情報処理装置10では、以上のような場合においても、オブジェクト22が指Fの移動方向Mに移動するような構成を備えている。以下、このような構成について説明する。
【0026】
図4は、第1実施形態に係る情報処理装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、情報処理装置10は移動方向取得部30、代替位置取得部32、及び処理実行部34を含む。これらの機能ブロックは制御部11によって実現される。すなわち、制御部11がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11がこれらの機能ブロックとして機能するようになる。
【0027】
図5は、移動方向取得部30、代替位置取得部32、及び処理実行部34の動作の一例を説明するための図である。なお図5において、「M」、「P1」、及び「P2」は図3と同様である。
【0028】
移動方向取得部30はタッチパネル16の検出位置の移動方向Mを取得する。
【0029】
代替位置取得部32は、移動方向取得部30によって移動方向Mが取得された後に検出された第2の検出位置P2から、第2の検出位置P2の前に検出された第1の検出位置P1への方向と、移動方向取得部30によって取得された移動方向Mと、の差が基準差以内である場合に、第2の検出位置P2の代わりとして用いる代替位置P2aを取得する。
【0030】
ここで、「基準差」とは、第2の検出位置P2から第1の検出位置P1への方向と、移動方向取得部30によって取得された移動方向Mと、の差が小さいか否かを判定するためのである。
【0031】
また、第2の検出位置P2から第1の検出位置P1への方向は、現在位置から過去位置への方向である。このため、この方向と、移動方向取得部30によって取得された移動方向Mと、の差が小さい場合とは、検出位置が移動方向Mとは逆方向に移動している場合である。
【0032】
このような場合、代替位置取得部32は、第2の検出位置P2の代わりとして用いる代替位置P2aを取得する。例えば、代替位置取得部32は、移動方向取得部30によって取得された移動方向Mに基づいて第1の検出位置P1から移動してなる位置を、代替位置P2aとして取得する。
【0033】
例えば、代替位置取得部32は、第1の検出位置P1と第2の検出位置P2との間の距離Dを取得する。そして、代替位置取得部32は、移動方向Mと距離Dとに基づいて第1の検出位置P1から移動してなる位置を代替位置P2aとして取得する。例えば、代替位置取得部32は、第1の検出位置P1から、移動方向Mに基づく方向に、距離Dに基づく距離だけ移動した位置を代替位置P2aとして取得する。例えば、代替位置取得部32は、第1の検出位置P1から移動方向Mに距離Dだけ移動した位置を代替位置P2aとして取得する。
【0034】
処理実行部34は、第2の検出位置P2の代わりに代替位置P2aを用いて処理を実行する。例えば図2に示す例の場合であれば、処理実行部34は、第2の検出位置P2の代わりに代替位置P2aを用いて、オブジェクト22の移動処理を実行する。すなわち、処理実行部34は、第1の検出位置P1から代替位置P2aへの方向にオブジェクト22を移動させる。
【0035】
なお、上記の代替位置P2aを用いて処理を実行した場合には下記に説明するような事態が生じる場合がある。すなわち、例えば図6に示すように、代替位置P2aから、第2の検出位置P2の後に検出された第3の検出位置P3への方向が移動方向Mと逆方向になってしまう場合がある。
【0036】
このため、第3の検出位置P3から代替位置P2aへの方向と、移動方向Mと、の差が基準差以内である場合、代替位置取得部32は、移動方向Mに基づいて代替位置P2aから移動してなる位置を、第3の検出位置P3の代わりとして用いる代替位置P3aとして取得するようにしてもよい。そして、処理実行部34は第3の検出位置P3の代わりに代替位置P3aを用いて処理を実行するようにしてもよい。
【0037】
なお、第3の検出位置P3の代替位置P3aの取得方法は、第2の検出位置P2の代替位置P2aの取得方法と同様である。例えば図6に示すように、代替位置取得部32は、代替位置P2aと第3の検出位置P3との間の距離Dを算出する。そして例えば、代替位置取得部32は、代替位置P2aから移動方向Mに距離Dだけ移動した位置を、第3の検出位置P3の代替位置P3aとして取得する。
【0038】
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10で実行される処理について説明する。
【0039】
図7は検出位置の移動方向を取得するための処理の一例を示すフロー図である。制御部11がプログラムに従って図7に示す処理を実行することによって、制御部11が移動方向取得部30として機能するようになる。
【0040】
図7に示すように、まず制御部11は直近の三つの検出位置PA,PB,PCを取得する(S101)。情報処理装置10では、タッチパネル16の検出位置の履歴が記憶部12に記憶されるようになっている。このため、制御部11は直近の三つの検出位置PA,PB,PCを記憶部12から読み出す。なお、三つの検出位置PA,PB,PCのうちで「PA」が最も新しい検出位置であり、「PC」が最も古い検出位置であることとする。
【0041】
その後、制御部11は、検出位置PCから検出位置PBへの方向と、検出位置PBから検出位置PAへの方向とのずれが閾値未満であるか否かを判定する(S102)。
【0042】
上記ずれが閾値未満である場合、制御部11は検出位置の移動方向を取得する(S103)。例えば、制御部11は、検出位置PCから検出位置PBへの方向、又は検出位置PBから検出位置PAへの方向を検出位置の移動方向として取得する。あるいは、制御部11は検出位置PCから検出位置PAへの方向を検出位置の移動方向として取得するようにしてもよい。
【0043】
一方、上記ずれが閾値未満でない場合、制御部11は本処理を終了する。この場合、タッチパネル16によって新たな検出位置が取得された場合に制御部11は本処理を再実行する。
【0044】
図8は代替位置を取得するための処理の一例を示すフロー図である。図8に示す処理は予め定められた時間ごとに繰り返し実行される。制御部11がプログラムに従って図8に示す処理を実行することによって、制御部11が代替位置取得部32及び処理実行部34として機能するようになる。
【0045】
なお、情報処理装置10の記憶部12には前回の検出位置及び前回の代替位置が記憶されている。なお、代替位置については、前回処理時に取得された場合にのみ記憶されている。
【0046】
図8に示すように、まず制御部11は、タッチパネル16の最新の検出位置PAを取得する(S201)。次に、制御部11は前回の代替位置PBaが記憶部12に記憶されているか否かを確認する(S202)。前回の代替位置PBaが記憶部12に記憶されていない場合、制御部11は、今回の検出位置PAから前回の検出位置PBへの方向と、移動方向Mと、の差が基準差以内であるか否かを判定する(S203)。
【0047】
上記差が基準差以内である場合、制御部11は、今回の検出位置PAと前回の検出位置PBとの間の距離Dを取得する(S204)。そして、制御部11は代替位置PAaを取得する(S205)。例えば、制御部11は、前回の検出位置PBから移動方向Mに距離Dだけ移動した位置を代替位置PAaとして取得する。この場合、制御部11は代替位置PAaを用いてオブジェクト22の移動処理を実行する(S209)。
【0048】
一方、上記差が基準差以内でない場合、制御部11は代替位置PAaを取得することなく、ステップS209を実行する。すなわち、制御部11は検出位置PAを用いてオブジェクト22の移動処理を実行する(S209)。
【0049】
なお、ステップS202で前回の代替位置PBaが記憶部12に登録されていると判定された場合、制御部11は、今回の検出位置PAから前回の代替位置PBaへの方向と、移動方向Mと、の差が基準差以内であるか否かを判定する(S206)。
【0050】
上記差が基準差以内である場合、制御部11は、今回の検出位置PAと前回の代替位置PBaとの間の距離Dを取得する(S207)。そして、制御部11は代替位置PAaを取得する(S208)。例えば、制御部11は、前回の代替位置PBaから移動方向Mに距離Dだけ移動した位置を代替位置PAaとして取得する。この場合、制御部11は代替位置PAaを用いてオブジェクト22の移動処理を実行する(S209)。
【0051】
一方、上記差が基準差以内でない場合、制御部11は代替位置PAaを取得することなく、ステップS209を実行する。すなわち、制御部11は検出位置PAを用いてオブジェクト22の移動処理を実行する(S209)。
【0052】
以上説明した第1実施形態に係る情報処理装置10では、タッチパネル16の検出位置がそれまでの移動方向とは逆の方向に移動した場合、それまでの移動方向に基づいて移動した位置を当該検出位置の代替位置として用いて処理が実行される。
【0053】
[第2実施形態]本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様である(図1参照)。また、第2実施形態においても、例えば図2に示すような画面20が表示部14に表示される。
【0054】
例えば図9に示すように、ユーザがタッチパネル16上に指Fを接触させた場合、実際に指Fが動いていない場合であっても、検出位置(P1,P2,P3)が変化してしまう場合がある。このような場合、検出位置の変化に応じてオブジェクト22が移動してしまうと、例えば図10に示すように、ユーザの指Fは動いていないにもかかわらず、オブジェクト22が揺れ動いてしまう。
【0055】
この点、第2実施形態に係る情報処理装置10では、以上のようなオブジェクト22の揺れ動きを制限する構成を備えている。以下、このような構成について説明する。
【0056】
図11は、第2実施形態に係る情報処理装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図11に示すように、情報処理装置10は処理実行部40及び制限部42を含む。この機能ブロックは制御部11によって実現される。すなわち、制御部11がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11がこの機能ブロックとして機能するようになる。
【0057】
処理実行部40は、タッチパネル16の検出位置の変化に応じた処理を実行する。例えば図2に示す例の場合であれば、処理実行部40は、タッチパネル16の検出位置の変化に応じてオブジェクト22を移動させる。
【0058】
制限部42は、タッチパネル16の前回の検出位置から今回の検出位置までの距離が基準距離未満である場合、又は、前回の検出位置が検出されてからの経過時間が基準時間以内である場合に、タッチパネル16の検出位置の変化に応じた処理の実行を制限(例えば禁止)する。
【0059】
言い換えれば、タッチパネル16の前回の検出位置から今回の検出位置までの距離が基準距離以上であり、かつ、前回の検出位置が検出されてからの経過時間が基準時間以上である場合に、制限部42は、タッチパネル16の検出位置の変化に応じた処理の実行を許容する。
【0060】
次に、第2実施形態に係る情報処理装置10で実行される処理について説明する。図12は、第2実施形態に係る情報処理装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。図12に示す処理は、タッチパネル16への押圧が開始された場合に予め定められた時間ごとに繰り返し実行される。制御部11がプログラムに従って図12に示す処理を実行することによって、制御部11が処理実行部40及び制限部42として機能するようになる。
【0061】
図12に示すように、まず制御部11は、前回の検出位置と最新の検出位置との間の距離が基準距離(例えば5mm)以上であるか否かを判定する(S301)。上記距離が基準距離以上でない場合、制御部11は本処理を終了する。
【0062】
一方、上記距離が基準距離以上である場合、制御部11は、前回の検出位置が検出されてからの経過時間が基準時間(例えば20msec)以上であるか否かを判定する(S302)。上記経過時間が基準時間以上でない場合、制御部11は本処理を終了する。
【0063】
一方、上記経過時間が基準時間以上である場合、制御部11はオブジェクト22の移動処理の実行を開始する(S303)。
【0064】
以上説明した第2実施形態に係る情報処理装置10では、タッチパネル16の検出位置の細かい変化に応じて処理が実行されることが制限される。
【0065】
[第3実施形態]本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様である(図1参照)。また、第3実施形態においても、例えば図2に示すような画面20が表示部14に表示される。
【0066】
タッチペンでタッチパネル16を押圧する場合には、指でタッチパネル16を押圧する場合に比べて、タッチパネル16から出力される電圧値が低くなる傾向がある。このため、タッチペンでタッチパネル16を押圧する場合には、指でタッチパネル16を押圧する場合に比べて、タッチパネル16への押圧が終了したと判定されやすくなる。
【0067】
この点、第3実施形態に係る情報処理装置10では、タッチペンでタッチパネル16を押圧する場合に、タッチパネル16への押圧が終了したと判定されにくくする構成を備えている。以下、このような構成について説明する。
【0068】
第3実施形態に係る情報処理装置10では、タッチパネル16から出力される電圧値に関する閾値として2種類の閾値が設定される。
【0069】
図13はこれら2種類の閾値について説明するための図である。図13に示す例では2種類の閾値VTa,VTbが設定されている。
【0070】
閾値VTaは、タッチパネル16が押圧されているか否かを判定するための閾値である。タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTaよりも大きい場合には、タッチパネル16が押圧されていると判定される。一方、タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTaよりも小さい場合には、タッチパネル16が押圧されていないと判定される。
【0071】
閾値VTbは閾値VTaよりも高い閾値である。閾値VTbは、タッチパネル16が指又はタッチペンのいずれで押圧されているかを判定するための閾値である。タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTbよりも大きい場合には、タッチパネル16が指で押圧されていると判定される。一方、タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTbよりも小さい場合には、タッチパネル16がタッチペンで押圧されていると判定される。
【0072】
図14は、第3実施形態に係る情報処理装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図15に示すように、情報処理装置10は電圧値判定部50及び終了判定部52を含む。これらの機能ブロックは制御部11によって実現される。すなわち、制御部11がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11がこれらの機能ブロックとして機能するようになる。
【0073】
電圧値判定部50は、タッチパネル16への押圧が検出されている場合におけるタッチパネル16の出力電圧値が第1の閾値(VTb)未満であるか否かを判定する。
【0074】
終了判定部52は、タッチパネル16の出力電圧値が第2の閾値(VTa)未満であるか否かを判定することによって、タッチパネル16への押圧が終了したか否かを判定する。
【0075】
タッチパネル16への押圧が検出されている場合におけるタッチパネル16の出力電圧値が第1の閾値(VTb)未満であると判定された場合、終了判定部52は、タッチパネルの出力電圧値が第2の閾値(VTa)よりも低い状態が基準期間にわたって継続するまでは、タッチパネル16への押圧が終了していないと判定する。
【0076】
次に、第3実施形態に係る情報処理装置10で実行される処理について説明する。図15及び図16は、第3実施形態に係る情報処理装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。図15及び図16に示す処理は、タッチパネル16への押圧が開始された場合に予め定められた時間ごとに繰り返し実行される。制御部11がプログラムに従って図15及び図16に示す処理を実行することによって、制御部11が電圧値判定部50及び終了判定部52として機能するようになる。
【0077】
図15に示すように、まず制御部11はタッチパネル16の出力電圧値が閾値VTa未満であるか否かを判定する(S401)。タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTa以上である場合、制御部11は変数tを零に初期化する(S402)。なお、変数tは、タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTa未満である状態が継続した時間を計測するための変数である。
【0078】
その後、制御部11はタッチパネル16の出力電圧値が閾値VTb未満であるか否かを判定する(S403)。タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTb未満である場合、制御部11は動作モードを「タッチペンモード」に設定する(S404)。一方、タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTb以上である場合、制御部11は動作モードを「指モード」に設定する(S405)。
【0079】
ステップS401において、タッチパネル16の出力電圧値が閾値VTa未満であると判定された場合、図16に示すように、制御部11は動作モードが「タッチペンモード」であるか否かを判定する(S501)。
【0080】
動作モードが「タッチペンモード」でない場合、すなわち動作モードが「指モード」である場合、制御部11はタッチパネル16への押圧が終了したと判定する(S504)。
【0081】
一方、動作モードが「タッチペンモード」である場合、制御部11は、変数tの値に1を加算する(S502)。そして、制御部11は変数tの値が定数T以上であるか否かを判定する(S503)。変数tの値が定数T以上である場合、制御部11はタッチパネル16への押圧が終了したと判定する(S504)。一方、変数tの値が定数T以上でない場合、制御部11はタッチパネル16への押圧が終了していないと判定する。
【0082】
以上に説明した第3実施形態に係る情報処理装置10では、タッチペンでタッチパネル16を押圧する場合に、タッチパネル16への押圧が終了したと判定されにくくなる。
【0083】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0084】
例えば、第1実施形態〜第3実施形態のうちの複数の組み合わせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 情報処理装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 表示部、15 操作部、16 タッチパネル、20 画面、22 オブジェクト、30 移動方向取得部、32 代替位置取得部、34 処理実行部、40 処理実行部、42 制限部、50 電圧値判定部、52 終了判定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16