特許第6171870号(P6171870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6171870ダイヤフラム式アクチュエータ及び過給機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6171870
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】ダイヤフラム式アクチュエータ及び過給機
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/18 20060101AFI20170724BHJP
【FI】
   F02B37/18
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-234042(P2013-234042)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2015-94283(P2015-94283A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】橋本 孝治
(72)【発明者】
【氏名】村山 友一
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−516046(JP,A)
【文献】 実開昭63−166704(JP,U)
【文献】 特開2014−052066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンハウジング又は前記タービンハウジングに連通した状態で接続した接続体の内部に、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を可変とするためのガス流量可変通路が形成された過給機に用いられ、
前記タービンハウジング又は前記接続体の外壁に貫通形成した支持穴に正逆方向へ回転可能に設けられたステムと、基端部が前記ステムに一体的に連結された取付部材と、前記取付部材の先端部に設けられかつ前記ガス流量可変通路の開口部側のバルブシートに当接離隔可能なバルブと、基端部が前記ステムの基端部に一体的に連結されたリンク部材とを備え、前記ガス流量可変通路の開口部を開閉する流量可変バルブ機構を作動させるためのダイヤフラム式アクチュエータにおいて、
内側に圧力源から正圧又は負圧を印加可能な圧力室と大気に連通した大気室とを有した筒状のアクチュエータ本体と、
前記アクチュエータ本体内に前記圧力室と前記大気室に区画するように設けられ、中央部がアクチュエータ軸方向へ変位可能なダイヤフラムと、
前記アクチュエータ本体内に設けられ、前記圧力室に印加される正圧又は負圧に抗する方向へ前記ダイヤフラムを付勢する復帰スプリングと、
基端部が前記ダイヤフラムの中央部に一体的に連結され、先端部が前記リンク部材の先端部に回転可能に連結された作動ロッドと、
前記アクチュエータ本体に設けられ、前記作動ロッドの先端部側へ延びたステーと、
前記作動ロッドを前記ステーに対してアクチュエータ軸方向の一方側へ付勢する第1ダンパと、
前記作動ロッドを前記ステーに対してアクチュエータ軸方向の他方側へ付勢する第2ダンパと、を具備したことを特徴とするダイヤフラム式アクチュエータ。
【請求項2】
前記ステーは、アクチュエータ軸方向に対向しかつ前記作動ロッドを挿通させるための挿通穴が貫通形成された一対の取付片を備え、
前記作動ロッドにおける一対の前記取付片との間にダンパ受け部材が一体的に設けられ、
前記第1ダンパは、前記作動ロッドにおける前記ダンパ受け部材と片方の前記取付片との間に設けられた第1ダンパスプリングであって、前記第2ダンパは、前記作動ロッドにおける前記ダンパ受け部材ともう片方の前記取付片との間に設けられた第2ダンパスプリングであることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム式アクチュエータ。
【請求項3】
前記ステーは、前記作動ロッドを挿通させるための挿通穴が貫通形成された取付片を備え、
前記作動ロッドにおける前記取付片の両側にダンパ受け部材がそれぞれ一体的に設けられ、
前記第1ダンパは、前記作動ロッドにおける前記取付片と片方の前記ダンパ受け部材との間に設けられた第1ダンパスプリングであって、前記第2ダンパは、前記作動ロッドにおける前記取付片ともう片方の前記ダンパ受け部材との間に設けられた第2ダンパスプリングであることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム式アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1ダンパスプリングは、第1皿バネ又は第1波ワッシャであって、第2ダンパスプリングは、第2皿バネ又は第2波ワッシャであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のダイヤフラム式アクチュエータ。
【請求項5】
エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して、前記エンジンに供給される空気を過給する過給機において、
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項の請求項に記載のダイヤフラム式アクチュエータを具備したことを特徴とする過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を可変とするためのガス流量可変通路を備えた車両用過給機等の過給機に用いられ、ガス流量可変通路の開口部を開閉する流量可変バルブ機構を作動させるためのダイヤフラム式アクチュエータ等に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用過給機による過給圧の過度の上昇を防止する対策として、通常、車両用過給機におけるタービンハウジングの内部には、排気ガスの一部をタービンインペラをバイパスさせるためのバイパス通路が形成される。また、タービンハウジングの適宜位置には、バイパス通路の開口部を開閉するウェイストゲートバルブが設けられている。ここで、バイパス通路は、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を可変とするガス流量可変通路の1つであって、ウェイストゲートバルブは、ガス流路可変通路の開口部を開閉する流量可変バルブ機構の1つである。そして、流量可変バルブ機構の1つであるウェイストゲートバルブの構成は、次のようになる。
【0003】
即ち、タービンハウジングの外壁に貫通形成した支持穴には、ステム(回転軸)が正逆方向へ回転可能に設けられており、このステムの基端部は、タービンハウジングの外側へ突出してある。また、ステムの先端部には、取付部材の基端部が一体的に連結されており、この取付部材の先端部には、バイパス通路の開口部側のバルブシートに当接離隔可能なバルブが設けられている。更に、ステムの基端部には、リンク部材の基端部(一端部)が一体的に連結されている。ここで、リンク部材をステムの軸心周りに正逆方向へ揺動させることによって、バルブがステム及び取付部材を介して正逆方向(開閉方向)へ揺動するようになっている。
【0004】
コンプレッサハウジングの外壁には、ウェイストゲートバルブを作動させるためのダイヤフラム式アクチュエータが設けられている。そして、ダイヤフラム式アクチュエータの構成は、次のようになる。
【0005】
即ち、ダイヤフラム式アクチュエータは、筒状のアクチュエータ本体を備えており、このアクチュエータ本体は、内側(内部)に、圧力源としてのコンプレッサインペラの出口側から正圧を印加可能(供給可能)な圧力室と、大気に連通した大気室とを有している。また、アクチュエータ本体内には、ダイヤフラムが圧力室と大気室を区画するように設けられており、このダイヤフラムの中央部は、アクチュエータ軸方向へ変位可能である。そして、大気室内には、圧力室側へ付勢する復帰スプリングが設けられている。更に、ダイヤフラムの中央部には、作動ロッドの基端部が一体的に連結されており、作動ロッドの先端部は、リンク部材の先端部に回転可能に連結されている。なお、コンプレッサインペラの出口側とは、例えばコンプレッサハウジングの空気排出口又はコンプレッサスクロール流路側のことである。
【0006】
従って、車両用過給機の運転中に、過給圧(コンプレッサインペラの出口側の圧力)が設定圧に達して、圧力室に正圧が印加されると、ダイヤフラムの中央部が復帰スプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の一方側へ変位する。すると、作動ロッドがアクチュエータ軸方向の一方側へ移動して、リンク部材を正方向へ揺動させる。これにより、バルブがステム及び取付部材を介して正方向(開方向)へ揺動して、バイパス通路の開口部を開くことができ、排気ガスの一部をタービンインペラをバイパスさせて、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を減少させることができる。
【0007】
また、バイパス通路の開口部を開いた後に、過給圧が設定圧未満になって、コンプレッサインペラの出口側からの正圧の印加状態が解除されると、復帰スプリングの付勢力によってダイヤフラムの中央部がアクチュエータ軸方向の他方側へ変位する。すると、作動ロッドがアクチュエータ軸方向の他方側へ移動して、リンク部材を逆方向へ揺動させる。これにより、バルブがステム及び取付部材を介して逆方向(閉方向)へ揺動して、バイパス通路の開口部を閉じることができ、バイパス通路内の排気ガスの流れを遮断して、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を増加させることができる。
【0008】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−236088号公報
【特許文献2】特開2008−101589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、車両用過給機の運転中、圧力源側から印加される正圧が脈動成分を持つことがあり、このような場合には、作動ロッドが微小振動して、その振動がリンク部材等を介してバルブに伝達される。そのため、バルブがバイパス通路の開口部側のバルブシート又は取付部材に接触して、ウェイストゲートバルブからチャタリング音が発生して、ウェイストゲートバルブの静音性の低下を招くことが懸念される。
【0011】
なお、前述の問題は、圧力源から正圧の代わりに負圧が印加されるタイプのウェイストゲートバルブ、ウェイストゲートバルブ以外の流量可変バルブ機構においても同様に生じるものである。
【0012】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成のダイヤフラム式アクチュエータ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴は、タービンハウジング又は前記タービンハウジングに連通した状態で接続した接続体の内部に、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を可変とするためのガス流量可変通路が形成された過給機に用いられ、前記タービンハウジング又は前記接続体の外壁に貫通形成した支持穴に正逆方向へ回転可能に設けられたステム(回転軸)と、基端部が前記ステムに一体的に連結された取付部材と、前記取付部材の先端部に設けられかつ前記ガス流量可変通路の開口部側のバルブシート(周縁部)に当接離隔可能なバルブと、基端部(一端部)が前記ステムの基端部に一体的に連結されたリンク部材とを備え、前記ガス流量可変通路の開口部を開閉する流量可変バルブ機構を作動させるためのダイヤフラム式アクチュエータにおいて、内側(内部)に圧力源から正圧又は負圧を印加可能(供給可能)な圧力室と大気に連通した大気室とを有した筒状のアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体内に前記圧力室と前記大気室に区画するように設けられ、中央部がアクチュエータ軸方向へ変位可能なダイヤフラムと、前記アクチュエータ本体内に設けられ、前記圧力室に印加される正圧又は負圧に抗する方向へ前記ダイヤフラムを付勢する復帰スプリングと、基端部が前記ダイヤフラムの中央部に一体的に連結され、先端部が前記リンク部材の先端部に回転可能(揺動可能)に連結された作動ロッドと、前記アクチュエータ本体に設けられ、前記作動ロッドの先端部側へ延びたステーと、前記作動ロッドを前記ステーに対してアクチュエータ軸方向の一方側へ付勢する第1ダンパと、前記作動ロッドを前記ステーに対してアクチュエータ軸方向の他方側へ付勢する第2ダンパと、を具備したことを要旨とする。
【0014】
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「タービンハウジングに連通した状態で接続した接続体」とは、タービンハウジングのガス導入口又はガス排出口に連通した状態で接続した配管、マニホールド、ケーシング等を含む意である。また、「ガス流量可変通路」とは、排気ガスの一部をタービンインペラをバイパスさせるためのバイパス通路を含む意であって、「流量可変バルブ機構」とは、バイパス通路の開口部を開閉するウェイストゲートバルブを含む意である。更に、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、別部材を介して間接的に設けられたことを含む意であって、「連結され」とは、直接的に連結されたことの他に、別部材を介して間接的に連結されたことを含む意である。そして、「アクチュエータ軸方向」とは、アクチュエータ本体の軸方向のことをいい、「タンク軸方向」とは、タンク本体の軸方向のことをいう。また、「第1ダンパ」とは、第1ダンパスプリング及び第1ダンパゴムを含む意であって、「第2ダンパ」とは、第2ダンパスプリング及び第2ダンパゴムを含む意である。なお、「一体的に設けられ」とは、一体形成されていることを含む意である。
【0015】
本発明の第1の特徴によると、前記過給機の運転中に、前記圧力源が正圧の圧力源の場合には、前記圧力源から前記圧力室に正圧が印加されると、前記ダイヤフラムの中央部が前記復帰スプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の一方側へ変位する。又は、前記圧力源が負圧の圧力源の場合には、前記圧力源からの負圧の印加状態が解除されると、前記復帰スプリングの付勢力によって前記ダイヤフラムの中央部がアクチュエータ軸方向の一方側へ変位する。すると、前記作動ロッドが前記第2ダンパの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の一方側へ移動して、前記リンク部材を正方向へ揺動させる。これにより、前記バルブが前記ステム及び前記取付部材を介して正方向へ揺動して、前記ガス流量可変通路の開口部を開くことができる。なお、前記ガス流量可変通路の開口部を開くことによって、前記タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を減少させる場合と増加させる場合がある。
【0016】
また、前記ガス流量可変通路の開口部を開いた後に、前記圧力源が正圧の圧力源の場合には、前記圧力源からの正圧の印加状態が解除されると、前記復帰スプリングの付勢力によって前記ダイヤフラムの中央部がアクチュエータ軸方向の他方側へ変位する。又は、前記圧力源が負圧の圧力源の場合には、前記圧力源から前記圧力室に負圧が印加されると、前記ダイヤフラムの中央部が前記復帰スプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の他方側へ変位する。すると、前記作動ロッドが前記第1ダンパの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の他方側へ移動して、前記リンク部材を逆方向へ揺動させる。これにより、前記バルブが前記ステム及び前記取付部材を介して逆方向(閉方向)へ揺動して、前記ガス流量可変通路の開口部を閉じることができる。なお、前記ガス流量可変通路の開口部を閉じることによって、前記タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を増加させる場合と減少させる場合がある。
【0017】
そして、前記作動ロッドが前記第1ダンパによってアクチュエータ軸方向の一方側、前記第2ダンパによってアクチュエータ軸方向の他方側へそれぞれ付勢されるため、前記圧力源から印加される正圧又は負圧が脈動成分を持っている場合でも、前記第1ダンパ及び前記第2ダンパによってその脈動成分による前記作動ロッドの振動を十分に吸収することができる。これにより、前記過給機の運転中における前記バルブの振動を抑えることができる。
【0018】
本発明の第2の特徴は、エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して、前記エンジンに供給される空気を過給する過給機において、第1の特徴からなるダイヤフラム式アクチュエータを具備したことを要旨とする。
【0019】
本発明の第2の特徴によると、本発明の第1の特徴による作用と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前記圧力源から印加される正圧又は負圧が脈動成分を持っている場合でも、前記過給機の運転中における前記バルブの振動を抑えることができるため、前記流量可変バルブ機構からのチャタリング音を低減して、前記流量可変バルブ機構の静音性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態に係るダイヤフラム式アクチュエータの断面図である。
図2図2(a)は、図1における矢視部IIAの拡大図であって、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングとして第1皿バネ及び第2皿バネを用いた場合について説明する図、図2(b)は、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングとして第1波ワッシャ及び第2波ワッシャを用いた場合について説明する図である。
図3図3(a)は、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングとして第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングを用いた場合について説明する図、図3(b)は、ステーの取付片が単数の場合について説明する図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る車両用過給機の正面図である。
図5図5は、図4におけるV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る車両用過給機の右側面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る車両用過給機の正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図1から図7を参照して説明する。なお、図面に示すとおり、「L」は、左方向、「R」は、右方向である。
【0023】
図4及び図7に示すように、本発明の実施形態に係る車両用過給機(過給機の一例)1は、エンジン(図示省略)からの排気ガスのエネルギーを利用して、エンジンに供給される空気を過給(圧縮)するものである。そして、車両用過給機1の具体的な構成等は、以下のようになる。
【0024】
車両用過給機1は、ベアリングハウジング3を具備しており、ベアリングハウジング3内には、一対のラジアルベアリング5及び一対のスラストベアリング7が設けられている。また、複数のベアリング5,7には、左右方向へ延びたロータ軸(タービン軸)9が回転可能に設けられており、換言すれば、ベアリングハウジング3には、ロータ軸9が複数のベアリング5,7を介して回転可能に設けられている。
【0025】
ベアリングハウジング3の右側には、コンプレッサハウジング11が設けられている。また、コンプレッサハウジング11内には、遠心力を利用して空気を圧縮するコンプレッサインペラ13が回転可能に設けられており、このコンプレッサインペラ13は、ロータ軸9の右端部に同心上に一体的に連結されている。
【0026】
コンプレッサハウジング11におけるコンプレッサインペラ13の入口側(空気の流れ方向の上流側)には、空気を導入するための空気導入口(空気導入通路)15が形成されており、この空気導入口15は、空気を浄化するエアクリーナー(図示省略)に接続可能である。また、ベアリングハウジング3とコンプレッサハウジング11との間におけるコンプレッサインペラ13の出口側(空気の流れ方向の下流側)には、圧縮された空気を昇圧する環状のディフューザ流路17が形成されている。更に、コンプレッサハウジング11の内部には、渦巻き状のコンプレッサスクロール流路19がコンプレッサインペラ13を囲むように形成されており、このコンプレッサスクロール流路19は、ディフューザ流路17に連通してある。そして、コンプレッサハウジング11の外壁の適宜位置には、圧縮された空気を排出するための空気排出口(空気排出通路)21が形成されており、この空気排出口21は、コンプレッサスクロール流路19に連通しており、エンジンの給気マニホールド(図示省略)に接続可能である。
【0027】
ベアリングハウジング3の左側には、タービンハウジング23が設けられている。また、タービンハウジング23内には、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力(回転トルク)を発生させるタービンインペラ25が回転可能に設けられており、このタービンインペラ25は、ロータ軸9の左端部に同心上に一体的に連結されている。
【0028】
図4図5、及び図7に示すように、タービンハウジング23の外壁の適宜位置には、排気ガスを導入するためのガス導入口(ガス導入通路)27が形成されており、このガス導入口27は、エンジンの排気マニホールド(図示省略)に接続可能である。また、タービンハウジング23の内部におけるタービンインペラ25の入口側(排気ガスの流れ方向の上流側)には、渦巻き状のタービンスクロール流路29が形成されている。そして、タービンハウジング23におけるタービンインペラ25の出口側(排気ガスの流れ方向の下流側)には、排気ガスを排出するためのガス排出口(ガス排出通路)31が形成されており、このガス排出口31は、排気ガスを浄化する触媒(図示省略)に接続管(図示省略)を介して接続可能である。
【0029】
図4及び図5に示すように、タービンハウジング23の内部には、ガス導入口27から導入した排気ガスの一部をタービンインペラ25をバイパスさせてガス排出口31側へ導出するためバイパス通路33が形成されている。ここで、バイパス通路33は、タービンインペラ25側へ供給される排気ガスの流量を可変とするためのガス流量可変通路の1つであって、特開2013−185552号公報に示す公知のバイパス通路と同様の構成を有している。
【0030】
タービンハウジング23の適宜位置には、バイパス通路33の開口部を開閉する流量可変バルブ機構の1つとしてのウェイストゲートバルブ35が設けられている。そして、ウェイストゲートバルブ35の具体的な構成は、次のようになる。
【0031】
即ち、タービンハウジング23の外壁に貫通形成した支持穴37には、ステム(回転軸)39がブッシュ41を介して正逆方向へ回転可能に設けられており、このステム39の基端部(一端部)は、タービンハウジング23の外側へ突出してある。また、ステム39の先端部(他端部)には、取付部材(取付板)43の基端部が隅肉溶接によって一体的に連結されており、この取付部材43の先端部には、二面幅形状又は円形状の取付穴(図示省略)が貫通形成されている。なお、取付部材43の基端部が隅肉溶接の代わりにTIG溶接、レーザビーム溶接、又はかしめ等によってステム39の先端部に一体的に連結されても構わない。
【0032】
取付部材43の取付穴には、バルブ45が嵌合して設けられており、このバルブ45は、取付部材43に対するガタ(傾動及び微動含む)が許容されている。また、バルブ45は、バイパス通路33の開口部側のバルブシート(周縁部)に当接離隔可能なバルブ本体47、及びバルブ本体47の中央部に一体形成されかつ取付部材43の取付穴に嵌合したバルブ軸49を備えている。ここで、取付部材43に対するバルブ45のガタが許容されることによって、バイパス通路33の開口部側のバルブシートに対するバルブ本体47の追従性(密着性)を確保している。更に、バルブ軸49の先端部には、環状の止め金(座金)51が隅肉溶接によって一体的に設けられている。なお、止め金51が隅肉溶接の代わりにTIG溶接、レーザビーム溶接、又はかしめ等によってバルブ軸49の先端部に一体的に連結されても構わない。
【0033】
によって一体的に設けられ
ここで、バルブ軸49がバルブ本体47の中央部に一体形成されかつ止め金51がバルブ軸49の先端部に隅肉溶接等によって一体的に設けられる代わりに、バルブ軸49がバルブ本体47の中央部にかしめによって一体的に設けられかつ止め金51がバルブ軸49の先端部に一体形成されても構わない。なお、バルブ軸49がかしめの代わりに隅肉溶接、TIG溶接、又はレーザビーム溶接によってバルブ本体47の中央部に一体的に設けられても構わない。
【0034】
ステム39の基端部には、リンク部材(リンク板)53の基端部(一端部)が隅肉溶接によって一体的に連結されている。ここで、リンク部材53をステム39の軸心周りに正逆方向へ揺動させることによって、バルブ45がステム39及び取付部材43を介して正逆方向(開閉方向)へ揺動するようになっている。なお、リンク部材53の基端部が隅肉溶接の代わりにTIG溶接、レーザビーム溶接、又はかしめ等によってステム39の基端部に一体的に連結されても構わない。
【0035】
図1図4、及び図6に示すように、コンプレッサハウジング11の外壁には、ウェイストゲートバルブ35を作動させるためのダイヤフラム式アクチュエータ55が設けられている。そして、ダイヤフラム式アクチュエータ55の具体的な構成は、以下のようになる。
【0036】
即ち、ダイヤフラム式アクチュエータ55は、コンプレッサハウジング11の外壁に設けられた筒状のアクチュエータ本体57を備えており、このアクチュエータ本体57は、内側(内部)に、圧力源としての空気排出口21から正圧を印加可能(供給可能)な圧力室59と、大気に連通した大気室61とをアクチュエータ軸方向(アクチュエータ本体57の軸方向)に沿って有している。また、アクチュエータ本体57の左側面には、ダイヤフラム式アクチュエータ55(アクチュエータ本体57)をコンプレッサハウジング11の外壁に取付けるためのブラケット63が設けられている。なお、アクチュエータ本体57がコンプレッサハウジング11の外壁に設けられる代わりに、ベアリングハウジング3又はタービンハウジング23の外壁等の車両用過給機1の適宜箇所に設けられても構わない。
【0037】
図1及び図4に示すように、アクチュエータ本体57内には、ダイヤフラム65が圧力室59と大気室61を区画するように設けられており、このダイヤフラム65の中央部は、アクチュエータ軸方向へ変位可能(移動可能)になっている。そして、ダイヤフラム65の圧力室59側の面には、第1リテーナプレート67が設けられており、ダイヤフラム65の大気室61側の面には、第2リテーナプレート69が設けられている。また、大気室61内には、ダイヤフラム65を圧力室59側(換言すれば、圧力室59に印加される正圧に抗する方向)へ付勢する復帰スプリング(コイルスプリング)71が設けられている。
【0038】
アクチュエータ本体57には、作動ロッド73がブッシュ75を介してアクチュエータ軸方向へ移動可能に設けられており、この作動ロッド73は、アクチュエータ本体57から外側へ突出してある。また、作動ロッド73の基端部は、ダイヤフラム65の中央部に一体的に連結されており、作動ロッド73の先端部は、リンク部材53の先端部に連結ピン77を介して回転可能(揺動可能)に連結されている。
【0039】
ブラケット63には、作動ロッド73の中間部(基端部と先端部の間の部分)をアクチュエータ軸方向(アクチュエータ本体57の軸方向、左右方向)へ移動可能に支持するステー79が設けられており、換言すれば、アクチュエータ本体57には、ステー79がブラケット63を介して設けられている。また、ステー79は、作動ロッド73の先端部側へ延びてあって、アクチュエータ軸方向に対向した一対の取付片81,83を備えている。更に、各取付片81,83には、作動ロッド73を支持した状態で挿通させるための挿通穴81h,83hが貫通形成されている。なお、ステー79がアクチュエータ本体57に設けられる代わりに、ベアリングハウジング3又はコンプレッサハウジング11の外壁に設けられても構わない。また、各取付片81,83の挿通穴81h,83hが作動ロッド73を支持しなくても構わない。
【0040】
作動ロッド73における一対の取付片81,83の間には、ダンパ受け部材85が一体的に設けられている。そして、作動ロッド73におけるダンパ受け部材85と片方の取付片81との間には、作動ロッド73をステー79に対してアクチュエータ軸方向の一方側(左方向)へ付勢する第1ダンパスプリングとしての第1皿バネ87が設けられている。また、作動ロッド73におけるダンパ受け部材85ともう片方の取付片83との間には、作動ロッド73をステー79に対してアクチュエータ軸方向の他方側(右方向)へ付勢する第2ダンパスプリングとしての第2皿バネ89が設けられている。
【0041】
第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングとして第1皿バネ87及び第2皿バネ89を用いる代わりに、図2(b)に示すように、第1波ワッシャ91及び第2波ワッシャ93を用いたり、図3(a)に示すように、第1コイルスプリング95及び第2コイルスプリング97を用いたりしても構わない。また、後者の場合には、第1コイルスプリング95の両端部は、取付片81の左側面に形成した凹部81aの底面81auと、ダンパ受け部材85の右側面に形成した凹部85aの底面85auにそれぞれ圧接することになる。同様に、第2コイルスプリング97の両端部は、取付片83の右側面に形成した凹部83aの底面83auと、ダンパ受け部材85の左側面に形成した凹部85bの底面85buにそれぞれ圧接することになる。
【0042】
ステー79が一対の取付片81,83を備える代わりに、図3(b)に示すように、単数の取付片99を備えても構わない。この場合には、取付片99に作動ロッド73を挿通支持するための挿通穴99hが貫通形成されており、作動ロッド73における取付片99の両側にダンパ受け部材101,103がそれぞれ一体的に設けられることになる。また、作動ロッド73における取付片99と片方のダンパ受け部材101との間に第1ダンパスプリング(第1皿バネ87のみ図示)が設けられ、作動ロッド73における取付片99ともう片方のダンパ受け部材103との間に第2ダンパスプリング(第2皿バネ89のみ図示)が設けられることなる。
【0043】
第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングのバネ定数は、第1皿バネ87等の第1ダンパスプリングのバネ定数の0.8〜1.2倍(具体的には、1.0倍)に設定されている。また、第1皿バネ87等の第1ダンパスプリング及び第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングのバネ定数は、復帰スプリング71のバネ定数よりも小さい値(具体的には、復帰スプリング71のバネ定数の0.1〜0.5倍)に設定されている。
【0044】
なお、第1皿バネ87等の第1ダンパスプリング及び第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングの材質には、例えば、Ni基合金、Ni−Co系合金、ステンレス鋼等の耐熱性のある金属が用いられる。また、第1皿バネ87等の第1ダンパスプリングの表面及び第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングの表面にそれぞれ耐熱コーティングを施しても構わない。
【0045】
図1及び図6に示すように、圧力源としての空気排出口21と圧力室59との間には、配管経路(経路)105が連絡するように設けられている。また、配管経路105の途中には、圧力制御弁の1つとしてデューティ制御可能なデューティソレノイドバルブ107が配設されており、このデューティソレノイドバルブ107と空気導入口15との間には、逃がし用の配管経路(逃がし用の経路)109が連絡するように設けられている。
【0046】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0047】
ガス導入口27から導入した排気ガスがタービンスクロール流路29を経由してタービンインペラ25の入口側から出口側へ流通することにより、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力(回転トルク)を発生させて、ロータ軸9及びコンプレッサインペラ13をタービンインペラ25と一体的に回転させることができる。これにより、空気導入口15から導入した空気を圧縮して、ディフューザ流路17及びコンプレッサスクロール流路19を経由して空気排出口21から排出することができ、エンジンに供給される空気を過給することができる。
【0048】
車両用過給機1の運転中に、過給圧(空気排出口21の圧力)が設定圧に達して、圧力源としての空気排出口21から圧力室59に正圧が印加されると、ダイヤフラム65の中央部がアクチュエータ軸方向の一方側(左方向)へ変位する。すると、作動ロッド73が第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の一方側へ移動して、リンク部材53を正方向(図4において時計回り方向)へ揺動させることができる。これにより、バルブ45がステム39及び取付部材43を介して正方向(開方向)へ揺動して、バイパス通路33の開口部を開くことができる。これにより、ガス導入口27から導入した排気ガスの一部をタービンインペラ25をバイパスさせて、タービンインペラ25側へ供給される排気ガスの流量を減少させることができる。
【0049】
また、バイパス通路33の開口部を開いた後に、過給圧が設定圧未満になって、空気排出口21からの正圧の印加状態が解除されると、復帰スプリング71の付勢力によってダイヤフラム65の中央部がアクチュエータ軸方向の他方側(右方向)へ変位する。すると、作動ロッド73が第1皿バネ87等の第1ダンパスプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向の他方側へ移動して、リンク部材53を逆方向(図4において反時計回り方向)へ揺動させる。これにより、バルブ45がステム39及び取付部材43を介して逆方向(閉方向)へ揺動して、バイパス通路33の開口部を閉じることができる。これにより、バイパス通路33内の排気ガスの流れを遮断して、タービンインペラ25側へ供給される排気ガスの流量を増加させることができる。
【0050】
更に、過給圧が設定圧未満である場合に、デューティソレノイドバルブ107の励磁と消磁をデューティ制御して圧力室59に印加する正圧を調節することにより、ダイヤフラム65の中央部がアクチュエータ軸方向へ適宜に変位する。すると、作動ロッド73が第1皿バネ87等の第1ダンパスプリング又は第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングの付勢力に抗してアクチュエータ軸方向へ移動して、リンク部材53を正逆方向へ適宜に揺動させることができる。これにより、バルブ45の開度を連続的又は断続的に調節することができ、エンジンの運転状況に応じて、タービンインペラ25側へ供給される排気ガスの流量を可変(調節)することができる。
【0051】
そして、作動ロッド73が第1皿バネ87等の第1ダンパスプリングによってアクチュエータ軸方向の一方側、第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングによってアクチュエータ軸方向の他方側へそれぞれ付勢されるため、空気排出口21側から印加される正圧が脈動成分を持っている場合でも、第1皿バネ87等の第1ダンパスプリング及び第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングによってその脈動成分による作動ロッド73の振動を十分に吸収することができる。これにより、車両用過給機1の運転中におけるバルブ45の振動を抑えることができる。
【0052】
特に、第2皿バネ89等の第2ダンパスプリングのバネ定数が第1皿バネ87等の第1ダンパスプリングのバネ定数の0.8〜1.2倍に設定され、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングのバネ定数が復帰スプリング71のバネ定数よりも小さい値に設定されているため、作動ロッド73のアクチュエータ軸方向の移動を安定させることができる。これにより、車両用過給機1の運転中におけるバルブ45の振動を十分に抑えることができる。
【0053】
第1ダンパスプリングとして第1皿バネ87又は第1波ワッシャ91、第2ダンパスプリングとして第2皿バネ89又は第2波ワッシャ93をそれぞれ用いたた場合には、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングのアクチュエータ軸方向の長さの拡大を抑えつつ、第1ダンパスプリング及び第2ダンパスプリングのバネ定数を容易に大きくすることができる。これにより、空気排出口21側から印加される正圧の脈動成分による作動ロッド73の振動を十分かつ効果的に吸収することができる。よって、車両用過給機1の運転中におけるバルブ45の振動をより十分に抑えることができる。
【0054】
従って、本発明の実施形態によれば、空気排出口21側から印加される正圧が脈動成分を持っている場合でも、車両用過給機1の運転中におけるバルブ45の振動を十分に抑えることができるため、ウェイストゲートバルブ35からのチャタリング音を低減して、ウェイストゲートバルブ35の静音性を向上させることができる。
【0055】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、次のように種々の態様で実施可能である。
【0056】
即ち、例えば、タービンハウジング23の適宜位置にバイパス通路33を開閉するウェイストゲートバルブ35が設けられる代わりに、タービンハウジング23のガス導入口27に連通した状態で接続した排気マニホールド(図示省略)の適宜位置に、排気マニホールドに形成したバイパス通路(図示省略)の開口部を開閉するウェイストゲートバルブ(図示省略)が設けられても構わない。また、圧力室59を空気排出口21から正圧を印加可能とする代わりに、エンジン側の別の圧力源(図示省略)から負圧を印加可能としても構わなく、この場合には、復帰スプリング71が圧力室59に設けられることになる。更に、アクチュエータ本体57が内側に大気室61の代わりに、負圧ポンプ等の別の圧力源(図示省略)から負圧を印加可能な別の圧力室(図示省略)を有しても構わない。
【0057】
そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。
【0058】
即ち、本願の流量可変バルブ機構は、前述のウェイストゲートバルブ35に限定されるものでなく、例えば、実開昭61−33923号公報及び特開2001−263078号公報等に示すように、タービンハウジング(図示省略)内に形成された複数のタービンスクロール流路(図示省略)のうちのいずれかのタービンスクロール流路に対して排気ガスの供給状態と供給停止状態とを切り替える切替バルブ機構(図示省略)にも適用可能である。また、本願の流量可変バルブ機構は、例えば、特開2010−209688号公報、特開2011−106358号公報等に示すように、複数段のタービンハウジング(図示省略)のうちいずれかの段のタービンハウジングに対して排気ガスの供給状態と供給停止状態とを切り替える切替バルブ機構(図示省略)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:車両用過給機、3:ベアリングハウジング、5:ラジアルベアリング、9:ロータ軸、11:コンプレッサハウジング、13:コンプレッサインペラ、15:空気導入口、19:コンプレッサスクロール流路、21:空気排出口(圧力源)、23:タービンハウジング、25:タービンインペラ、27:ガス導入口、29:タービンスクロール流路、31:ガス排出口、33:バイパス通路(ガス流量可変通路)、35:ウェイストゲートバルブ(流量可変バルブ機構)、37:支持穴、39:ステム、41:ブッシュ、43:取付部材、45:バルブ、53:リンク部材、55:ダイヤフラム式アクチュエータ、57:アクチュエータ本体、59:圧力室、61:大気室、63:ブラケット、65:ダイヤフラム、71:復帰スプリング、73:作動ロッド、79:ステー、81:取付片、81h:挿通穴、83:取付片、83h:挿通穴、85:ダンパ受け部材、87:第1皿バネ(第1ダンパスプリング)、89:第2皿バネ(第2ダンパスプリング)、91:第1波ワッシャ(第1ダンパスプリング)、93:第2波ワッシャ(第2ダンパスプリング)、95:第1コイルスプリング(第1ダンパスプリング)、97:第2コイルスプリング(第2ダンパスプリング)、99:取付片、99h:挿通穴、101:ダンパ受け部材、103:ダンパ受け部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7