(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記方向検出部によって検出される前記表示部の方向が前記基準方向となった場合に、前記表示部での表示状態を、前記情報コードが連続的に表示された状態で固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯型情報コード表示装置。
前記表示制御部は、前記方向検出部によって検出される前記表示部の方向が前記基準方向となった場合に、前記表示部での表示状態を、前記情報コードが前記情報コード読取装置にて読取可能となる構成で表示された状態とし且つその表示状態を所定の解除条件が成立するまで維持し、
更に、前記所定の解除条件が成立した後、所定の省電力制御を行う省電力制御部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯型情報コード表示装置。
前記表示制御部は、前記方向検出部によって検出される前記表示部の方向の変化が、前記基準方向に近づく所定の変化状態となったことを認識した場合、前記表示部での表示状態を、前記情報コードが前記情報コード読取装置によって読取可能となる構成で表示された状態で維持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯型情報コード表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の表示装置のように、情報コードと他の画像とを切り替えて表示したり、情報コードを動画の一部として表示するように表示装置を構成した場合、当該表示装置を読取装置に翳して情報コードを読み取らせようとした時に、当該表示装置の表示画面が読み取りに適さない表示状態となっている場合がある。例えば、表示装置を読取装置に翳したタイミングでは、情報コードが表示されていなかったり、情報コードが読取不能な構成で表示されているような場合があり、この場合、翳した時点では情報コードが読み取られず、しばらく経って情報コードが読取可能な構成で表示されてから当該情報コードが読み取られることになる。しかしながら、このように表示装置を読取装置に向けたタイミングと実際に読み取られるタイミングとでズレが生じてしまうと、読取結果を得るまでに時間がかかってしまい、表示装置を読取装置に向けたタイミングからのタイムラグが大きくなるため、読取フィーリングの低下を招いてしまうことになる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コードを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示させ得る携帯型情報コード表示装置において、情報コードを読取装置に読み取らせるための翳し操作を行った時に、より迅速且つ確実に情報コードを読み取らせることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部において、情報コードを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示する表示制御部と、
前記表示部が向く方向を検出可能な方向検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記方向検出部によって検出される前記表示部の方向が所定の基準方向となった場合に、前記表示部での表示状態を、前記情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、情報コードを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示可能な構成を実現しつつ、読み取りの際には、情報コードを読取可能な表示状態で安定化させ、より確実に読み取らせることができる。
具体的には、方向検出部によって検出される表示部の方向が所定の基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とすることができる。この構成では、使用者が表示部を基準方向に向けたときにその表示部を読み取れるように読取装置が配置されていればよく、このような配置で用いれば、基準方向への翳し操作を行った際(即ち、情報コードを読取装置に読み取らせる際)には、情報コードを読取可能な表示状態で維持し、安定的に読み取らせることができる。
このような対策を講じない場合、例えば、表示部を情報コード読取装置に翳したタイミングで、情報コードが表示されていなかったり、情報コードが読取不能な表示状態となっていたりする可能性があり、この場合、情報コードが読取可能な表示状態になるまで読み取りが遅延してしまう懸念がある。これに対し、上記構成によれば、情報コードを情報コード読取装置に読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部を基準方向に向ける操作を行った際)に、情報コードが読取可能な表示状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードを読み取らせることが可能となる。従って、表示部を情報コード読取装置に向けたタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部を情報コード読取装置に向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0008】
請求項2の発明では、方向検出部は、表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態を検出可能とされている。そして、表示制御部は、方向検出部によって表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で表示された状態とする。
この構成では、情報コードを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示可能な構成を実現しつつ、表示部を下方又は斜め下方に向けて翳すように用いたい場合に有利になる。特に、このように表示部を下方又は斜め下方に翳す用い方をする場合、読み取らせる際に使用者が表示部を目視し難いため、読み取りの遅延や失敗が生じたとき、表示タイミングが合わずに遅延や失敗が生じたのか、それとも他の要因によるものかを特定し難いという問題があるが、本構成によれば、表示タイミングが合わないことによる遅延や失敗を格段に低減できるため、上記問題を確実に抑えることができる。
【0009】
請求項3の発明では、表示制御部は、方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが連続的に表示された状態で固定する構成となっている。
この構成では、表示部を基準方向に向けているときに情報コードの表示を固定できるため、情報コードを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示する一方で、読み取り時には、より一層安定したコード表示が可能となり、表示状態が変化することに起因する読み取りの遅延や失敗をより一層抑えることができる。
【0010】
請求項4の発明では、表示制御部は、方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置にて読取可能となる構成で表示された状態とし且つその表示状態を所定の解除条件が成立するまで維持する構成となっている。そして、所定の解除条件が成立した後に所定の省電力制御を行う構成の省電力制御部が設けられている。
この構成によれば、表示部を基準方向に向けて読み取らせる際には、解除条件が成立するまでの間、情報コードの表示を安定化させて読み取り易くすることができ、解除条件の成立後は、スムーズに省電力化を図ることができる。
【0011】
請求項5の発明では、表示制御部は、方向検出部によって検出される表示部の方向の変化が、基準方向に近づく所定の変化状態となったことを認識した場合、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する構成となっている。
この構成では、表示部が完全に基準方向に向く前に、基準方向へと変化する状態を先読みし、情報コードの表示を早めに読取可能な表示状態に移行させて安定化させることができる。従って、表示部が完全に基準方向に向く前に情報コードを読み取らせる準備を整え、より早期に情報コードの読み取りを完了させることができる。
【0012】
請求項6の発明では、表示制御部は、表示部での表示を、情報コード読取装置で読取可能な状態の情報コードが表示された状態と、情報コード読取装置で読取可能となる情報コードの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態とに変化可能に構成されている。そして、少なくとも方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する構成となっている。
この構成によれば、表示部の表示状態を、情報コードが表示された表示状態や、他の図又は他の情報が表示された表示状態などに変化させ得る構成を実現でき、情報コードを他の図又は他の情報と関連させて表示させ易くなる。そして、このような複数種類の表示を可能としつつ、読み取りの際(即ち、表示部を基準方向に向けた際)には、情報コードを安定的に表示し、当該情報コードをより迅速かつより確実に読み取らせることが可能となる。
【0013】
請求項7の発明では、表示制御部は、方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向でない場合に、表示部での表示状態を、連続的又は一時的に他の図又は他の情報が表示された状態とする。そして、方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する。
この構成では、表示部を基準方向に向けていないときに他の図又は他の情報が表示された状態とすることができるため、使用者が表示部を視認しやすいときに他の図又は他の情報が表示されやすくなり、使用者に他の図又は他の情報を認識させ易くなる。一方、使用者が表示部を視認しにくいとき(表示部を基準方向に向けているとき)には、情報コードが安定的に表示され易くなるため、情報コード、及び他の図又は他の情報を、それぞれの表示により適したタイミングでより効率的に表示することができる。
【0014】
請求項8の発明では、表示制御部は、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能な構成で表示された状態と、情報コードが情報コード読取装置によって読取不能な構成で表示された状態とに変化可能に構成されている。そして、少なくとも方向検出部によって検出される表示部の方向が基準方向となった場合に、表示部での表示状態を、情報コードが情報コード読取装置によって読取可能な構成で表示された状態とする。
この構成では、情報コードを、読取可能な表示状態と読取不能な表示状態とに変化させるような特徴のある斬新な表示方法で表示可能となる。一方、このような動的表示では、読取不能な表示状態のときに表示部が翳されてしまうと情報コードを全く読めなくなってしまうという問題があるが、本構成では、表示部を基準方向に向けて読み取りを行う際には、情報コードの表示を読取可能な表示状態で維持することができる。このため、情報コードを読取可能な表示状態と読取不能な表示状態とで大きく変化させるような斬新な表示を可能としつつ、情報コードをより確実に読み取らせることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯型情報コード表示装置)
携帯型情報コード表示装置10について説明する。
図1、
図4に示す携帯型情報コード表示装置(以下、単に表示装置ともいう)10は、ユーザによって把持されつつ使用される構成をなしている。この表示装置10は、例えば、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードCを生成して表示する機能を有している。なお、表示装置10は、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル端末などの表示器を有する携帯型の情報機器であればよく、表示機能以外の他の機能は特に限定されない。
【0017】
表示装置10は、例えば、樹脂材料や金属材料などからなる筐体によって外郭が形成されている。また、筐体には、各種情報を表示可能な表示器12や、外部からの情報入力操作を行うための操作部13などが組み付けられており、これらが一体化した機器構造となっている。
【0018】
図2に示すように、表示装置10は、主に、制御回路11、表示器12、操作部13、メモリ14、三軸センサ15、通信部16、時計部17等から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいは筐体内に内装されている。
【0019】
メモリ14は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ14のうちのRAMには、制御回路11が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域等が確保可能に構成されている。またROMには、後述する情報コードCの生成処理等を実行可能な所定プログラムやその他、表示器12、三軸センサ15等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0020】
制御回路11は、表示装置10を全体的に制御可能なマイコンなどによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路11には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、表示器12、操作部13、メモリ14、三軸センサ15、通信部16、時計部17等が接続されている。
【0021】
操作部13は、ファンクションキー、テンキーなどの操作スイッチ、或いはタッチパネル等により構成され、例えば、表示装置10のユーザが操作部13を操作したときに、制御回路11に対して操作内容に応じた操作信号を与える構成となっている。通信部16は、例えば公知の通信方式(無線LAN通信、赤外線通信、ブルートゥース通信など)によって外部装置と通信を行うように構成されている。時計部17は、公知の時計回路などによって構成され、制御回路11と通信可能に接続されている。そして、時計部17は、時刻や、所定の時点(例えば、操作部13を操作した時点)からの経過時間を計測するように機能する。
【0022】
三軸センサ15及び制御回路11は、「方向検出部」の一例に相当し、表示器12が向く方向を検出するように機能する。この三軸センサ15は、公知の加速度センサなどによって構成され、本構成では表示装置10において互いに直交する所定の三方向のそれぞれの加速度を測定する構成をなしている。なお、
図1等に示す例では、表示装置10の所定の長手方向をY軸方向とし、表示装置10の厚さ方向(長手方向と直交する方向であり、表示器12側の表面とその反対の裏面とが対向する方向)をZ軸方向(図示略)とし、これらY軸方向及びZ軸方向と直交する幅方向をX軸方向としている。また、Z軸方向の一方側(表示器12によって表示する側)がZ軸正側であり、これと反対の他方側がZ軸負側である。具体的には、例えば表示器12を構成する各表示素子を覆う構成で透明板が配置され、その透明板の外面(表面)と直交する方向がZ軸方向となっている。そして、Z軸正側の方向が、「表示器12が向く方向」となっている。なお、三軸の加速度センサによって所定方向の加速度や鉛直方向を特定する技術は公知であるので詳細な省略するが、例えば、特開2003−302419号公報、特開2007−325722号公報などに示される方法のほか、公知の様々な方法を用いることができる。このような構成により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度がそれぞれどの程度であるかを測定することができ、表示装置10においてどの向きが鉛直方向であるかを特定できるようになっている。
【0023】
表示器12は、画像を表示する表示部の一例に相当し、液晶表示器や有機ELディスプレイなどの公知の表示装置によって構成され、制御回路11による情報処理結果や表示装置10の動作状態などの各種情報を表示し得る構成となっている。また、表示器12は、制御回路11によって生成された情報コードCを動画として、又は切り替わる静止画の一部として表示するように機能する。なお、表示器12に表示される情報コードCは、QRコード(登録商標)、データマトリックコード、マキシコード、その他の二次元コードなどであってもよく、バーコード等の一次元コードであってもよい。
【0024】
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置20について説明する。
図3、
図4に示す情報コード読取装置(以下、単に読取装置ともいう)20は、ハードウェア的には情報コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、ケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。そして、この読取装置20は、表示装置10に表示されるバーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る機能を有している。なお、
図4では、机などに載置して使用可能な据置型の情報コード読取装置20を例示しているが、携帯型の構成であってもよい。また、他の構造物(机、柱、壁など)に組み付けられて用いられる装置であってもよい。
【0025】
図3に示すように、読取装置20は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
【0026】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物R(例えば上述した表示装置10)に向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。
【0027】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードCからの光(例えば照明光Lfがこれらに照射されて反射した反射光Lr)を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光するように図略のプリント配線板に実装されている。
【0028】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードCのコード画像を結像するように機能する。
【0029】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0030】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力され、所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0031】
メモリ35は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0032】
制御回路40は、例えば、読取装置20を全体的に制御可能なマイコンによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、読取装置20の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
【0033】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。なお、
図3では、電池49からの電力供給を受ける構成を例示したが、据置型の構成であれば、外部の商用電源から電力供給を受ける構成となっていてもよい。
【0034】
(表示処理)
次に、表示装置10で行われる表示処理について、
図5に示すフローチャート等を用いて説明する。以下では、
図4に示すように、例えば、携帯型情報コード表示装置10を携帯するユーザが、当該表示装置10を情報コード読取装置20に翳して情報コードCを読み取らせる場合を例に挙げつつ説明する。また、表示装置10での表示例としては、
図1に示すように、情報コードCが切り替わる静止画の一部として表示される例を挙げて説明する。
【0035】
図5に示す表示処理は、例えば、表示装置10を所持するユーザが操作部13に対して所定操作を行うことで実行される。この表示処理では、まず、S1にて、表示器12での画像表示を開始する。S1で画像表示が開始すると、表示器12には、
図1の左図のように、複数の画像が順番に表示される。例えば、
図1の例では、情報コードCの画像P1と、航空会社名の文字を含んだ画像P2と、航空機の便名の文字を含んだ画像P3とが、表示器12に交互に切り替わって表示されるようになっている。具体的には、表示装置10の向きが所定の向きでない状態では、画像P1、画像P3、画像P2の順に、一定の時間間隔(例えば0.2秒間隔等)で切り替わるように設定されている。例えば、情報コードCの画像P1が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、情報コードCの画像P1が消え、航空会社名の文字を含んだ画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P2が消え、航空機の便名の文字を含んだ画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P3が消え、再び、画像P1が表示される。
【0036】
このように、S1で上述の画像表示が開始した後には、上述の切り替え表示(画像P1、P2、P3の各表示)が継続する。そして、表示装置10では、S1での表示開始後、その切替表示の継続中に、継続的に表示装置10の向きの検出を行い、表示器12の向く方向が所定の基準方向であるか否かを判断する(S2)。このS2の処理では、表示装置10は、三軸センサ15によって表示器12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されたか否か判断している。
【0037】
本構成では、
図6のように、三軸センサ15により、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、所定の短時間毎に行われるS2の処理では、S2の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(上述した他の画像P2、P3の表示継続時間よりも短い時間であり、例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα(例えば20°)以下となったか否かを判断している。つまり、合成加速度αsの方向と、Z軸正方向とのなす角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合、重力加速度の向きとZ軸正方向の向きとが近い関係にあると推定され、表示器12が下向き又は斜め下向きになっている可能性が高いため、S2ではこのような状態を検出しているのである。なお、本構成では、合成加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θが「表示器12(表示部)が向く方向を示す値」であり、「角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合」が、「方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が所定の基準方向となった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となるときに表示器12が向く方向」が「所定の基準方向」である。
【0038】
そして、S2において表示器12の向く方向が所定の基準方向であることが検出された場合(即ち、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合)、表示器12での表示を上述の情報コードCの画像P1(
図1等)に切り替え、情報コードC(
図1の例ではQRコード(登録商標))の画像P1を表示した状態で表示を固定する(S3)。このように、本構成では、S1で表示を開始した後には、画像P1、P2、P3の表示を順次切り替える表示切替動作を行い、
図4のように、ユーザが表示装置10を読取装置20に翳すことによって表示器12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態となった場合には、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となるため、S2でYesに進み、表示切替動作を中断して情報コードCの画像P1のみを連続的に表示するのである。一方、S1での表示開始後、表示器12の向く方向が所定の基準方向であることが検出されない間(即ち、「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となる」といった条件が成立しない間)は、所定の短時間毎に行われるS2の処理においてNoに進み続けることになり、その間は、上述の表示切替動作が継続することになる。なお、上述した「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合」が、「表示器12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合」に相当する。
【0039】
本構成では、S2でYesに進む場合、S4にてYesに進むまでの一定時間の間、情報コードCの画像P1を連続的又は断続的に表示し、情報コードCを読取装置20で迅速に読み取ることができるようにする。そして、このように情報コードCの画像P1を表示し続けている間は、他の画像P2や画像P3の表示を行わないため、S2でYesで進んでからS4でYesに進むまでの間に表示器12を読取装置20に翳せば、表示器12に表示された情報コードCを読取装置20によってより確実に読み取ることができる。
【0040】
本構成では、表示器12に指令を与える制御回路11が、「表示制御部」の一例に相当し、表示器12(表示部)において、情報コードCを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示するように機能している。更に、「表示制御部」に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が所定の基準方向となった場合に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とし、このような表示状態を、所定の解除条件が成立するまで維持している。より具体的には、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、例えば、
図1の右図や
図4のような表示を一定時間維持しており、表示器12(表示部)での表示状態を、所定サイズの情報コードCの静止画像を連続的に表示した状態で一定時間固定している。
【0041】
なお、S3では、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態」としているが、この表示状態は、固定サイズの情報コードCの画像P1のみを静止画像として連続的に表示する例に限られず、例えば、画像P1を非常に短い時間間隔で点滅表示させるように断続的に表示させてもよい。また、情報コードCが読取可能な状態であれば動画として表示してもよく、例えば、画像P1の情報コードCが動いたり、情報コードCのサイズが変化するように表示されてもよい。また、情報コードCが解読できる構成であれば、情報コードCの周囲に絵柄や文字などが表示されていてもよい。また、誤り訂正によってデータが解読できる構成であれば、情報コードCのコード領域内に絵柄や文字などが表示されていてもよい。
【0042】
S3の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態」とした後、所定時間(例えば、5秒)が継続するまでは、その表示制御を継続する。一方、S3の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態」とした後、その表示状態で所定時間が経過した場合には、S4にてYesに進む。S4でYesに進む場合、画面の省電力制御を行う(S5)。このS5の制御は、S1やS3の表示状態のときより消費電力が抑えられる制御であればよく、例えば、表示器12での表示を完全に中止する動作であってもよく、表示器12での表示は維持しつつ、電力を抑える制御(例えば、バックライトを消灯する制御、バックライトの光量を抑える制御、黒色画面として表示する制御など)であってもよい。或いは、表示装置10に搭載されたCPUを間欠駆動したり、駆動クロックを抑えるようなスリープ制御などであってもよい。
【0043】
本構成では、制御回路11が「省電力制御部」の一例に相当し、所定の解除条件が成立した後、所定の省電力制御(S5で行われる上述の省電力制御)を行うように機能する。また、本構成では、例えば、S2でYesに進んだ後、一定時間が経過したこと(即ち、表示器12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されてから所定時間が経過したこと)が「所定の解除条件の成立」に相当する。
【0044】
なお、
図5の例では、S2でYesに進んだ後、所定時間が経過した場合にS4でYesに進み、S5で省電力制御を行っているが、S2でYesに進んだ後、操作部13に対して所定の解除操作が行われた場合にS4にてYesに進んでもよい。この場合、その解除操作が行われたことが「所定の解除条件の成立」に相当する。
【0045】
(本構成の主な効果)
本構成によれば、情報コードCを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示可能な構成を実現しつつ、読み取りの際には、情報コードCを読取可能な表示状態で安定化させ、より確実に読み取らせることができる。
具体的には、三軸センサ15及び制御回路11(方向検出部)によって検出される表示器12(表示部)の方向が所定の基準方向となった場合に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とすることができる。この構成では、例えば
図4のように、使用者が表示器12(表示部)を基準方向(
図4の例では、鉛直下方向又は斜め下方向)に向けたときにその表示器12(表示部)を読み取れるように読取装置20が配置されていればよく、このような配置で用いれば、基準方向への翳し操作を行った際(即ち、情報コードCを読取装置20に読み取らせる際)には、情報コードCを読取可能な表示状態で維持し、安定的に読み取らせることができる。
このような対策を講じない場合、例えば、表示器12(表示部)を情報コード読取装置20に翳したタイミングで、情報コードCが表示されていなかったり、情報コードCが読取不能な表示状態となっていたりする可能性があり、この場合、情報コードCが読取可能な表示状態になるまで読み取りが遅延してしまう懸念がある。これに対し、上記構成によれば、
図4のように、情報コードCを情報コード読取装置20に読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示器12(表示部)を基準方向に向ける操作を行った際)に、情報コードCが読取可能な表示状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードCを読み取らせることが可能となる。従って、表示器12(表示部)を情報コード読取装置20に向けたタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示器12(表示部)を情報コード読取装置20に向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0046】
また、本構成では、三軸センサ15及び制御回路11(方向検出部)は、表示器12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態を検出可能とされている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって表示器12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態とする。
この構成では、情報コードCを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示可能な構成を実現しつつ、表示器12(表示部)を下方又は斜め下方に向けて翳すように用いたい場合に有利になる。特に、このように表示器12(表示部)を下方又は斜め下方に翳す用い方をする場合、読み取らせる際に使用者が表示器12(表示部)での表示内容を目視し難いため、読み取りの遅延や失敗が生じたとき、表示タイミングが合わずに遅延や失敗が生じたのか、それとも他の要因によるものかを特定し難いという問題があるが、本構成によれば、表示タイミングが合わないことによる遅延や失敗を格段に低減できるため、上記問題を確実に抑えることができる。
【0047】
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、例えば、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが連続的に表示された状態で固定する構成となっている。
この構成では、表示器12(表示部)を基準方向に向けているときに情報コードCの表示を固定できるため、情報コードCを動画の一部として又は切り替わる静止画の一部として表示する一方で、読み取り時には、より一層安定したコード表示が可能となり、表示状態が変化することに起因する読み取りの遅延や失敗をより一層抑えることができる。
【0048】
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20にて読取可能となる構成で表示された状態とし且つその表示状態を所定の解除条件が成立するまで維持する構成となっている。そして、所定の解除条件が成立した後には、
図5のS5のように、省電力制御部によって所定の省電力制御を行う構成となっている。
この構成によれば、表示器12(表示部)を基準方向に向けて読み取らせる際には、解除条件が成立するまでの間、情報コードCの表示を安定化させて読み取り易くすることができ、解除条件の成立後は、スムーズに省電力化を図ることができる。
【0049】
また、表示制御部に相当する制御回路11は、
図1で示したように、表示器12(表示部)での表示を、情報コード読取装置20で読取可能な状態の情報コードCが表示された状態(例えば、画像P1が表示された状態)と、情報コード読取装置20で読取可能となる情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態(例えば、画像P2や画像P3が表示された状態)とに変化可能に構成されている。そして、少なくとも方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、例えば、画像P1のみを継続的に表示し、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態で維持している。
この構成によれば、
図1左図で概念的に示すように、表示器12(表示部)の表示状態を、情報コードCが表示された表示状態や、他の図又は他の情報が表示された表示状態などに変化させ得る構成を実現でき、情報コードCを他の図又は他の情報と関連させて表示させ易くなる。そして、このような複数種類の表示を可能としつつ、読み取りの際(即ち、表示器12(表示部)を基準方向に向けた際)には、情報コードCを安定的に表示し、当該情報コードCをより迅速かつより確実に読み取らせることが可能となる。
【0050】
図1の例では、情報コードCの画像P1として、搭乗券と紐付けされたQRコード(登録商標)の画像を例示し、このQRコードに記録される情報(搭乗券に関する情報)に関連する画像として、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の航空会社を特定する画像P2と、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の便名を特定する画像P3とを切り替えて表示するようになっている。このようにすることで、通常時(表示器12が基準方向を向いていないとき)には、情報コードC1がどのような種類のものであるかを他の画像P2,P3を目視することで把握することができ、情報コードC1を適正に読み取らせることができるようになる。
【0051】
[第2実施形態]
以下、本発明を具現化した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、
図5のS2で用いる閾値θαのみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。よって、閾値θα以外は第1実施形態と同一であるとして詳細な説明は省略し、適宜
図1〜
図6を参照することとする。なお、
図1〜
図6で示される内容は第1実施形態と同一である。
【0052】
本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向の変化が、基準方向に近づく所定の変化状態となったことを認識した場合、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する構成となっている。
【0053】
この構成でも、S1での表示開始後、
図6のように、三軸センサ15により、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、この構成でも、所定の短時間毎に行われるS2の処理では、S2の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(上述した他の画像P2、P3の表示継続時間よりも短い時間であり、例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα以下となったか否かを判断している。但し、このθαを例えば90°としており、角度θが一定時間の間90°以下になった場合にS2にてYesに進むようにしている。つまり、この構成では、例えば、鉛直下方向又は鉛直下方向とのなす角度が一定角度以内の方向(例えば、10°以内の方向)が「基準方向」であり、上記角度θが90°以下となる状態が一定時間継続した状態が「方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向の変化が、基準方向に近づく所定の変化状態」に相当する。
【0054】
このように、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向の変化が、基準方向に近づく所定の変化状態となったことを認識した場合、S2にてYesに進み、この場合、第1実施形態と同様、S3において表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する構成となっている。
この構成では、表示器12(表示部)が完全に基準方向に向く前に、基準方向へと変化する状態を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な表示状態に移行させて安定化させることができる。従って、表示器12(表示部)が完全に基準方向に向く前に情報コードCを読み取らせる準備を整え、より早期に情報コードの読み取りを完了させることができる。
【0055】
[第2実施形態の変更例]
例えば、第1実施形態の構成を全て含み、更に、
図5におけるS2の判断処理において、Yesに進む条件を付加してもよい。具体的には、第1実施形態のS2においてYesに進む条件に加え、「所定の短時間における角度θの減少量Δθが一定値以上の場合」にも、S2にてYesに進むようにしてもよい。つまり、本構成では、表示器12が完全に鉛直下向きの状態で静止している場合、上記角度θは0となるため、角度θが急激に減少して0に近づいている場合、表示器12を下向きにする操作が行われている可能性が高い。そこで、S1以降において所定の短時間毎(例えば、数ms毎、数十ms毎)に、角度θの減少量Δθを求め、減少量Δθが一定値以上(例えば40°以上)の場合に、S2にてYesに進むようにする。このような構成でも、表示器12(表示部)が完全に基準方向に向く前に、基準方向へと変化する状態を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な表示状態に移行させて安定化させることができる。従って、表示器12(表示部)が完全に基準方向に向く前に情報コードCを読み取らせる準備を整え、より早期に情報コードの読み取りを完了させることができる。なお、この構成でも、第1実施形態と同様「角度θが0°以上閾値θα以下となるときに表示器12が向く方向」が「基準方向」である。
【0056】
[第3実施形態]
以下、本発明を具現化した第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、
図5のS1の表示処理の具体例のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。従って、
図1〜
図6の内容は第1実施形態と同様であるため、以下では適宜
図1〜
図6を参照することとする。具体的には、第1実施形態のS1の処理では、画像P1,P2、P3を順番に切り替えて表示していたが、第3実施形態では、S1の処理のときに画像P2、又は画像P3、若しくはこれらの両方を表示しており、画像P1を表示しないようになっている。このようにS1での表示方法のみが第1実施形態と異なっており、それ以外は第1実施形態と同一となっている。
【0057】
本構成では、S1の処理開始の後、S2にてYesに進むまでの間(即ち、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向でない場合)に、情報コードCの画像P1以外の他の図又は他の情報が連続的又は一時的に表示された状態とする。例えば
図7の例では、情報コードCの画像P1以外の他の図又は他の情報として、画像P2,P3が例示されており、S2にてYesに進むまでの間は、画像P2,P3のいずれか又は両方を表示する(
図7下図右側参照)。このときの画像P2,P3の表示方法は様々であり、例えば、S2にてYesに進むまで、画像P2のみを連続的に表示してもよく、S2にてYesに進むまで、画像P3のみを連続的に表示してもよい(
図7下図右側はこの例を示す)。或いは、S2にてYesに進むまで、画像P2と画像P3を、一定時間毎に切り替えて表示してもよい。このようにすることで、表示器12(表示部)の方向が基準方向となっていない間は、情報コードCの画像以外を表示することができ、基準方向以外のとき(例えば表示器12が上向きで目視容易なとき)に、情報コード以外の図形や情報をより使用者に認識させやすくすることができる。一方、第1実施形態と同様の方法でS2の判断処理が行われ、S2にてYesに進む場合、第1実施形態と同様の方法でS3の処理を行えばよく、これにより、表示器12が基準方向を向いている場合には、
図7下図左側のように、表示器12にて情報コードCが読取可能な状態で表示されることになり、読取装置20などで読み取りやすくなる。
【0058】
本構成でも、表示制御部に相当する制御回路11は、表示器12(表示部)での表示を、情報コード読取装置20で読取可能な状態の情報コードCが表示された状態(例えば、画像P1が表示された状態)と、情報コード読取装置20で読取可能となる情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態(例えば、画像P2や画像P3が表示された状態)とに変化可能に構成されている。そして、少なくとも方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、例えば、画像P1のみを継続的に表示し、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態で維持している。
この構成によれば、
図7上図で概念的に示すように、表示器12(表示部)の表示状態を、情報コードCが表示された表示状態や、他の図又は他の情報が表示された表示状態などに変化させ得る構成を実現でき、情報コードCを他の図又は他の情報と関連させて表示させ易くなる。そして、このような複数種類の表示を可能としつつ、読み取りの際(即ち、表示器12(表示部)を基準方向に向けた際)には、情報コードCを安定的に表示し、当該情報コードCをより迅速かつより確実に読み取らせることが可能となる。
【0059】
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向でない場合(即ち、S1が開始してからS2にてYesに進むまでの間)に、表示器12(表示部)での表示状態を、連続的又は一時的に他の図又は他の情報が表示された状態とする。そして、方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合(即ち、S2にてYesに進む場合)に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で表示された状態で維持する。
この構成では、表示器12(表示部)を基準方向に向けていないときに他の図又は他の情報が表示された状態とすることができるため、使用者が表示器12(表示部)を視認しやすいときに他の図又は他の情報が表示されやすくなり、使用者に他の図又は他の情報を認識させ易くなる。一方、使用者が表示器12(表示部)を視認しにくいとき(表示部を基準方向に向けているとき)には、情報コードCが安定的に表示され易くなるため、情報コードC、及び他の図又は他の情報を、それぞれの表示により適したタイミングでより効率的に表示することができる。
【0060】
[第4実施形態]
以下、本発明を具現化した第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、
図5のS1の表示処理の具体例、及びS3での表示処理の具体例のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。例えば、
図2、
図3、
図4などのハードウェア構成は第1実施形態と同一であり、
図5の表示処理の流れも、
図6の考え方も第1実施形態と同一である。従って、適宜、
図2〜
図6を参照して説明する。
【0061】
上記実施形態では、携帯型情報コード表示装置10の構成において、表示器12に情報コードCを切り替わる静止画の一部として表示する構成を例示したが、本構成では、情報コードCを動画の一部として表示しており、この動画の流れを
図8の(A)〜(F)で例示している。この例では、
図8(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)の順に画面が変化するようになっており、情報コードCのコード領域内の図柄が次第に変化するように表示がなされる。具体的には、
図8(A)の画像P21ようにコード領域の左側から入り込んだボールが
図8(B)、(C)の画像P22,P23のように移動するように動画表示がなされ、
図8(D)〜(F)の画像P24,P25,P26のように、縦長に立った状態で止まるように動画表示がなされている。また、コード領域内の明色セル及び暗色セルは、3つの位置検出パターンの付近を除き、明色セルの濃度が次第に変化するようになっており、
図8(A)の画像P21では、明色セルの位置が黒色で表され、その位置の濃度が次第に減少して
図8(B)の画像P22のように明色セルが現れるようになっている。更に、
図8(C)の画像P23のように、次第に明色セルの濃度が増大し、その後
図8(D)の画像P24のように明色セルの位置が黒色で表されるように動画表示がなされる。その後、次第に明色セルの濃度が低下して、
図8(E)の画像P25のように明色セルが浮かび上がり、その後、更に明色セルの濃度が次第に低下して、
図8(F)の画像P26のように、明色セルが白色で表わされるように変化する。
【0062】
このように動画表示がなされるため、
図5のS1の処理開始後、S2でYesに進むまでの間は、情報コードCが読取可能な状態(
図8(B)(C)(E)(F)の状態)と、読取不能な状態(
図8(A)(D)の状態)とに変化するように表示がなされる。なお、
図8(B)(C)(E)(F)の状態では、ラグビーボールの位置については、公知の誤り訂正方法で誤り訂正が可能となっており、明色セル及び暗色セルによってコード領域内に記録されたデータを支障なく解読することができるようになっている。
【0063】
そして、このような動画表示が行われている最中に、S2では、第1実施形態と同様の判断処理が行われ、表示器12が上述の基準方向を向いたと判断される場合には、S2でYesに進むことになる。このようにS2でYesに進む場合、S3にて第1実施形態と同様の表示処理を行い、表示器12において情報コードCを読取装置20によって読み取り可能となるように表示する。このときの表示は、例えば、
図8(B)(C)(E)(F)のようにボールと重ねられて表示される情報コードCのみを抽出した、情報コードCのみの画像を連続的な静止画像として固定表示してもよく、
図8(B)(C)(E)(F)のいずれかの画像(ボールの部分を誤り訂正によって訂正してデータを解読できる画像)を静止画像として連続的に固定表示してもよい。このように、S3において、情報コードCのみの画像、或いはコード領域内の一部が絵柄や記号などによって誤り訂正可能な形で表された情報コードCの画像を一定時間表示すれば、その一定時間の間に、このような表示画面の表示器12が読取装置20に向かって翳されている場合、読取装置20が情報コードCを確実に読み取ることができる。
【0064】
本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能な構成で表示された状態(例えば、
図8(B)のような状態)と、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取不能な構成で表示された状態(例えば
図8(A)のような状態)とに変化可能に構成されている。そして、少なくとも方向検出部によって検出される表示器12(表示部)の方向が基準方向となった場合に、表示器12(表示部)での表示状態を、情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能な構成で表示された状態(例えば、
図8(B)のような状態、或いは情報コードCのみの状態など)とする。
この構成では、情報コードCを、読取可能な表示状態と読取不能な表示状態とに変化させるような特徴のある斬新な表示方法で表示可能となる。一方、このような動的表示では、読取不能な表示状態のときに表示器12(表示部)が翳されてしまうと情報コードCを全く読めなくなってしまうという問題があるが、本構成では、表示器12(表示部)を基準方向に向けて読み取りを行う際には、情報コードCの表示を読取可能な表示状態で維持することができる。このため、情報コードCを読取可能な表示状態と読取不能な表示状態とで大きく変化させるような斬新な表示を可能としつつ、情報コードCをより確実に読み取らせることが可能となる。
【0065】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0066】
第1〜第3実施形態では、情報コードCの画像P1と、情報コードCに関連する他の図又は他の情報の画像(画像P2,P3)を切り替えて表示する一例を示したが、この例に限定されるものではない。例えば、情報コードCに、商品名や、商品提供主体(商品提供企業など)の名称、或いは商品提供主体が運営するサイトのアドレスなどが記録されている場合、情報コードCの画像と、情報コードCに記録されたデータによって特定される商品の情報や図形(その商品そのものの画像や、その商品の商品名情報、その商品の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。或いは、情報コードCに記録されたデータによって特定される主体(会社や個人など)と、その主体を特定する情報や図形(その主体そのものの画像や、その主体の主体名情報(会社名や個人名など)、その主体の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。
【0067】
上記実施形態では、
図5に示すフローチャートにおけるS3の表示処理において、表示器12での表示状態を、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示された状態で固定する処理を行う構成を例示した。しかし、いずれの実施形態でも、S3の表示処理では、表示器12での表示状態を、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とする構成であれば、その他の表示処理を行ってもよい。例えば、S3で表示が開始した後、S4でYesに進むまでの間、
図9(A)に示すように、読取装置20によって読取可能となる状態(
図9(A)では、情報コードCを構成する各明色セル及び各暗色セルが全て表示された状態)で、暗色セルの濃度が濃い表示状態の情報コードC1と暗色セルの濃度がそれより薄い状態の情報コードC2とで一定時間毎に切り替わるように表示されてもよい。或いは、
図9(A)左側のような情報コードCが点滅するように断続的に表示される構成であってもよい。この場合、点滅表示中、情報コードCが消える期間は非常に短い時間とすることが望ましい。或いは、
図9(B)に示すように、読取装置20によって読取可能となる状態(
図9(B)では、情報コードCを構成する各明色セル及び各暗色セルが全て表示された状態)で、情報コードC3とサイズが情報コードC3よりも小さい状態の情報コードC2とで切り替わるように、情報コードCのサイズが変化しながら連続的又は断続的に表示される構成であってもよい。
【0068】
上記実施形態では、
図5に示すフローチャートにおいて、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で表示されてから(即ち、S3の表示がなされてから)、S4において、所定の時間が経過したか否かを判断していたが、このS4の判断処理に代えて、他の判断処理を行ってもよい。例えば、S2において表示器12が基準方向(例えば、鉛直下方又は鉛直斜め下方)を向いた状態が検出され、S2でYesに進んだ場合、表示器12が基準方向以外の方向を向いたことが検出された場合に、S4にてYesに進むようにしてもよい。この場合、S2でYesに進んだ後、S4の処理を所定の短時間毎に定期的に行い、表示器12が基準方向を向いた状態のままであればNoに進み、表示器12が基準方向以外の方向を向いた状態となれば(例えば、上記角度θが、所定時間(例えば、1秒)以上、閾値θαを超えたことが検出された場合)、S4でYesに進むことになる。この例では、表示器12が基準方向以外の方向を向いた状態が検出されることが「所定の解除条件の成立」に相当する。また、「所定の解除条件の成立」は、これらの例に限られるものではなく、例えば、「操作部13に対して所定操作が行われたこと」などであってもよい。この場合、S4の判断処理に代えて、「操作部13に対して所定操作が行われたか否かを判断する処理」を行えばよく、操作部13に対して所定操作が行われた場合にはS4にてYesに進み、そうでない場合にはNoに進むようにすればよい。
【0069】
上記実施形態では、
図5の処理においてS4でYesに進んだ後(即ち、所定の解除条件が成立した後)、S5で省電力制御を行い、例えば表示器12の表示状態を終了させて表示器12の表示を消去していたが、この例に限られず、いずれの実施形態でも、S4でYesに進んだ後(所定の解除条件が成立した後)、表示器12に情報コードC以外の静止画又は動画を表示するように切り替わる構成としてもよい。例えば、いずれの実施形態でも、S4でYesに進む場合、再び、S1に戻るようにして、情報コードCを含む、又は含まない静止画又は動画に切り替わる構成としてもよい。
【0070】
上記実施形態では、単に、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となった場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出していたが、この例に限られない。例えば、いずれの実施形態でも、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となっている状態で、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間(例えば1秒、或いは0.1秒)の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出してもよい。この場合、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合」が、「方向検出部によって検出される表示器12の方向が所定の基準方向となった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合のときに、表示器12が向く方向」が「所定の基準方向」である。
【0071】
上記実施形態では、三軸センサ15によって表示器12(表示部)の向きを検出する例を示したが、この例に限られない。例えば、
図4のように、上向きに照明光を発するような読取装置20に対し、下向きに表示器12を翳して表示器12に表示された情報コードCを読み取らせる場合、表示器12付近に光量センサを配置しておき、光量センサによって検出される光量が一定値以上となった場合に、S2にてYesに進むようにしてもよい。この場合、光量センサによって検出される光量が一定値未満の間はS2にてNoに進み続けることになる。この場合、「光量センサによって検出される光量が一定値以上となる方向」が基準方向に相当する。
【0072】
上記実施形態では、表示装置10を基準とした鉛直方向の向きを加速度センサによって検出する方法を例示したが、いずれの実施形態でも、鉛直方向が検出できる方法であれば、公知の様々な方法を用いることができる。例えば、加速度センサと地磁気センサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよく、加速度センサとジャイロセンサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよい。いずれの方法でも、鉛直方向が特定できれば、その鉛直方向とZ軸正方向とのなす角度θが特定できる。
【0073】
上記実施形態では、使用者による操作位置よりも下位置に読取装置20が配置され、読取装置20が上方に翳された情報コードを読み取る構成を例示したが、この例に限られない。例えば、読取装置20が壁などに取り付けられ、横向き(水平向き)に受光センサ23の視野範囲が設定されるような場合、S5のS2では、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下の状態となったか否かを判断し、該当する場合にはS2にてYesに進み、該当しない場合にはNoに進むようにしてもよい。この場合、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下となるときの表示器12の方向が基準方向に相当する。