(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本実施形態に係る着色粉体は、結着樹脂、及び着色剤を含む着色樹脂粒子を有する。
そして、本実施形態に係る着色粉体は、せん断応力を測定したとき、せん断速度5(1/s)以上50(1/s)以下の間で最も高いせん断応力P1とせん断速度200(1/s)でのせん断応力P2とのせん断応力差△Dが、10Pa以上50Pa以下である。
【0016】
ここで、例えば、凹部及び凸部を有する付着面の双方に対して、粉体塗料、トナー等に代表される着色粉体を付着させようとすると、付着面の凹部及び凸部の一方に着色粉体が偏在して付着する現象が生じることがある。具体的には、着色粉体の流動性が高すぎると、付着面の凸部に着色粉体が留まり難くなる一方で、付着面の凹部に着色粉体が流動し易くなり、付着面の凹部に着色粉体が偏在して付着することがある。また、着色粉体の摩擦性が高すぎると、付着面の凸部に着色粉体が留まり易くなる一方で、凹部に着色粉体が流動し難くなり、付着面の凸部に着色粉体が偏在して付着することがある。
このため、付着面の凹部及び凸部の双方に対する着色粉体の均一付着性を高めるためには、着色粉体の流動性及び摩擦性の両立を図ることが重要である。
【0017】
そこで、検討したところ、上記着色粉体のせん断応力差△Dを10Pa以上50Pa以下の範囲に制御すると、着色粉体の流動性及び摩擦性の両立が図れ、付着面の凹部及び凸部の双方に対する着色粉体の均一付着性が高まることを見出した。これにより、本実施形態に係る着色粉体は、付着面の凹部及び凸部の双方に対して均一に近い状態での付着を実現し、色ムラ、濃度ムラ等が改善される。
【0018】
特に、着色粉体の着色樹脂粒子の粒径が小さくなる程、着色粉体の流動性及び摩擦性の両立が難しい。これに対して、着色粉体における着色樹脂粒子の体積平均粒径が例えば2μm以上10μm以下(特に2μm以上5μm以下)の範囲といった小径の場合であっても、着色粉体のせん断応力差△Dを上記範囲内とすることにより、付着面の凹部及び凸部の双方に対する着色粉体の均一付着性が高まることを見出した。これにより、本実施形態に係る着色粉体は、その着色樹脂粒子の体積平均粒径が小径の場合であっても、付着面の凹部及び凸部の双方に対して均一に近い状態での付着を実現し、色ムラ、濃度ムラ等が改善される。
【0019】
ここで、着色樹脂粒子の体積平均粒径を10μm以下(好ましくは5μm以下)にすると、着色粉体の流動性を確保しつつ、付着面の凹部に着色樹脂粒子が入り込み易くなり、付着面の凹部及び凸部の双方に対する着色粉体の均一付着性が高まり易くなる。
【0020】
本実施形態に係る着色粉体において、せん断応力差△D(P1−P2)が、10Pa以上50Pa以下であり、付着面の凹部及び凸部の双方に対する付着性を高める点から、10Pa以上40Pa以下が好ましく、10Pa以上30Pa以下がより好ましい。
せん断応力差△Dを10Pas以上にすると、着色粉体の過剰な流動性を抑えられ、付着面の凹部に着色粉体が過剰に蓄積し難くなり、付着面の凸部への付着が増加し易くなる。一方、せん断応力差△Dを50Pas以下にすると、着色粉体の過剰な摩擦性を抑えられ、付着面の凹部に着色粉体が蓄積し易くなり、付着面の凸部への過剰な付着が低減され易くなる。
【0021】
ここで、せん断応力P1は、付着面の凹部及び凸部の双方に対する付着性を高める点から、30Pa以上70Pa以下がよく、30Pa以上60Pa以下が好ましく、30Pa以上50Pa以下がより好ましい。
一方、せん断応力P1は、付着面の凹部及び凸部の双方に対する付着性を高める点から、10Pa以上30Pa以下がよく、10Pa以上25Pa以下が好ましく、15Pa以上25Pa以下がより好ましい。
【0022】
せん断応力は、次に示す測定方法により測定された値である。
22℃55RH%の条件下で、R/Sプラスレオメーター(ブルックフィールド社製)を用い、着色粉体1gに対して、せん断速度0.5(1/s)以上200(1/s)以下の範囲で、せん断速度をD1としたとき毎秒0.488exp(0.061D1)(1/s)を上昇させて、3秒おきにせん断応力の測定を行う。そして、せん断速度5(1/s)以上50(1/s)以下の間で最も高いせん断応力P1、せん断速度200(1/s)でのせん断応力P2を各々求め、その差(P1−P2)を算出する。この測定及び算出を3回行い、その平均値をせん断応力差△Dとする。
なお、R/Sプラスレオメーターの装置条件は以下の通りである。
・スピンドル: CP−75−1
・測定温度:25℃
【0023】
本実施形態に係る着色粉体が上記せん断応力差△Dの範囲を満たすためには、以下に示す態様又は手法を適用することがよい。
・着色樹脂粒子の体積平均粒度分布指標(GSDv)を1.10以上1.30以下(好ましくは1.15以上1.28以下、より好ましくは1.15以上1.25以下)とすること。
・着色樹脂粒子の個数平均粒度分布指標(GSDp)を1.10以上1.30以下(好ましくは1.10以上1.27以下、より好ましくは1.15以上1.27以下)とすること。
・着色樹脂粒子の形状係数SF1を110以上140以下(好ましくは115以上135以下、より好ましくは120以上130以下)とすること。
・着色樹脂粒子の形状分布(SD値)を0.015以上0.040以下(好ましくは0.015以上0.035以下、より好ましくは0.020以上0.030以下)とすること。
・着色樹脂粒子の表面に付着した無機粒子(好ましくはシリカ粒子、及びチタニア粒子からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子)を有すること。
・着色樹脂粒子の表面に付着した無機粒子の体積平均粒径を40nm以上200nm以下(好ましくは40nm以上150nm以下とすること。
以上の態様又は手法を適用した着色樹脂粒子及び無機粒子を、適当な混合手段により適宜混合(詳細は後述)することで、本実施形態に係る着色粉体が得られる。
【0024】
ここで、着色樹脂粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)
1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)
1/2として算出される。
【0025】
着色樹脂粒子の形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML
2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLは着色樹脂粒子の絶対最大長、Aは着色樹脂粒子の投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置により解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の着色樹脂粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
【0026】
着色樹脂粒子の形状分布は、次に示す方法により測定した値である。着色樹脂粒子の形状分布は、簡便に測定可能であるシスメックス(株)製のFPIA−3000を用いて円形度を測定する。FPIA−3000は、4,000個程度の粒子像を光学的に測定し、粒子1個ずつの投影画像を画像解析する。具体的には、まず、粒子1個の投影画像から周囲長を算出する(粒子像の周囲長)。次に、その投影画像の面積を算出し、その面積と同面積を持つ円を仮定し、その円の円周を算出する(つまり円相当径から求めた円の円周長を算出する)。次に、粒子の円形度を式:円形度=円相当径から求めた円の円周長/粒子像の周囲長いより算出する、この円形度の数値が1.0に近いほど球形を表す。
そして、すべての粒子の円形度の標準偏差を粒子の形状分布SD値として測定する。SD値が大きいほど分布が広く、SD値が小さいほど形状分布が狭いことを示す。
【0027】
無機粒子の体積平均粒径、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、次に示す方法により測定した値である。走査型電子顕微鏡(例えば日立株式会社製:S−4100など)を用い、着色樹脂粒子の表面に付着させた状態の無機粒子を観察して画像を撮影する。この画像を画像解析装置(例えばLUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み100個の各々の無機粒子の最長径、及び最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を無機粒子の体積平均粒径とする。
また、得られた球相当径の累積頻度における16%径(D16v)、84%径(D84v)から、(D84v/D16v)
1/2により算出され値を無機粒子の体積平均粒度分布指標(GSDv)とする。
【0028】
以下、本実施形態に係る着色粉体の構成について詳細に説明する。
【0029】
本実施形態に係る着色粉体は、着色樹脂粒子を有する、着色粉体は、着色粉体の表面に付着する無機粒子を有することがよい。
【0030】
(着色樹脂粒子)
着色樹脂粒子は、結着樹脂、及び着色剤を含む。着色樹脂粒子は、離型剤、その他添加剤を含んでもよい。
【0031】
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
結着樹脂の含有量としては、例えば,着色樹脂粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
【0033】
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0035】
着色剤の含有量としては、例えば、着色樹脂粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0036】
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0037】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0038】
離型剤の含有量としては、例えば、着色樹脂粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0039】
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤として着色樹脂粒子に含まれる。
【0040】
−着色樹脂粒子の特性等−
着色樹脂粒子は、単層構造の着色樹脂粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造の着色樹脂粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造の着色樹脂粒子は、例えば、結着樹脂と着色剤と必要に応じて離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
【0041】
(無機粒子)
無機粒子としては、SiO
2、TiO
2、Al
2O
3、CuO、ZnO、SnO
2、CeO
2、Fe
2O
3、MgO、BaO、CaO、K
2O、Na
2O、ZrO
2、CaO・SiO
2、K
2O・(TiO
2)n、Al
2O
3・2SiO
2、CaCO
3、MgCO
3、BaSO
4、MgSO
4等の粒子が挙げられる。
これらの中でも、付着面の凹部及び凸部の双方に対する付着性を高める点から、無機粒子は、シリカ粒子(SiO
2の粒子)、及びチタニア粒子(TiO
2の粒子)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがよい。
【0042】
無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
【0043】
無機粒子の付着量としては、付着面の凹部及び凸部の双方に対する付着性を高める点から、例えば、着色樹脂粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0044】
なお、着色樹脂粒子は、無機粒子以外にも、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も付着していてもよい。
【0045】
(着色粉体の製造方法)
次に、本実施形態に係る着色粉体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る着色粉体は、着色樹脂粒子を製造後、必要に応じて、着色樹脂粒子に対して、無機粒子を付着(外添)することで得られる。
【0046】
着色樹脂粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。着色樹脂粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、着色樹脂粒子を得ることがよい。
【0047】
具体的には、例えば、着色樹脂粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、着色樹脂粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、着色樹脂粒子を製造する。
【0048】
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含む着色樹脂粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
【0049】
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
【0050】
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
【0051】
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0052】
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
【0054】
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μmがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
【0055】
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0056】
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
【0057】
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とする着色樹脂粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
【0058】
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
【0059】
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
【0060】
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
【0061】
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、着色樹脂粒子を形成する。
【0062】
以上の工程を経て、着色樹脂粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造の着色樹脂粒子を形成する工程と、を経て、着色樹脂粒子を製造してもよい。
【0063】
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成された着色樹脂粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態の着色樹脂粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
【0064】
そして、本実施形態に係る着色粉体は、例えば、得られた乾燥状態の着色樹脂粒子に、無機粒子を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使って着色粉体の粗大粒子を取り除いてもよい。なお、混合手段や混合条件(回転数、時間等)は適宜調整することが必要である。なぜなら、同じ着色樹脂粒子と無機粒子を用いても、調整次第で本実施形態に係る着色粉体及び本実施形態に係らない着色粉体のどちらでも得られるからである。
【0065】
−着色粉体の用途−
本実施形態に係る着色粉体は、粉体塗料、トナー、電気泳動表示装置用の電気泳動粒子、艶消し剤、化粧品等に利用される。
【0066】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーとして本実施形態に係る着色粉体を少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0067】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
【0068】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
【0069】
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0070】
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
【0071】
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
【0072】
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0073】
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
【0074】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
【0075】
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0076】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0077】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0078】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0079】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
【0080】
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0081】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
【0082】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10
−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0083】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
【0084】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0085】
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0086】
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0087】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0088】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0089】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0090】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0091】
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0092】
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0093】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0094】
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、
図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
【0095】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0096】
なお、
図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0097】
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
【0098】
<実施例1>
(樹脂粒子分散液の調製)
−油層−
・スチレン: : 30質量部
・n−ブチルアクリレート: 10質量部
・β−カルボエチルアクリレート: 1.5質量部
・アクリル酸: 0.3質量部
・ドデカンチオール: 0.2質量部
−水層1−
・イオン交換水: 17.0質量部
・アニオン性界面活性剤: 0.4質量部
−水層2−
・イオン交換水: 40.0質量部
・アニオン性界面活性剤: 0.08質量部
・過硫酸カリウム: 0.30質量部
・過硫酸アンモニウム: 0.10質量部
【0099】
上記油層成分と上記水層1の成分とをフラスコ中に入れて撹拌混合し、単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で充分に置換し、撹拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後、さらに75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させた。
得られた樹脂粒子は、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の個数平均粒子径D50pを測定したところ、200nmであり、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移温度を測定したところ、51.5℃であり、GPCを用い、重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)を測定したところ、30000であった。これにより樹脂粒子分散液(固形分量42質量%)を得た。
【0100】
(着色剤粒子分散液の調製)
・シアン顔料: 45質量部
(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))
・イオン性界面活性剤: 5質量部
(ネオゲンRK、第一工業製薬製)
・イオン交換水: 200質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザ(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、体積平均粒径170nm、固形分24.5質量%の着色剤粒子分散液を得た。
【0101】
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス: 45質量部
(融解温度86℃、「FNP0085(日本精蝋社製)」)
・イオン性界面活性剤: 5質量部
(ネオゲンRK、第一工業製薬製)
・イオン交換水: 200質量部
上記成分を90℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分24.3質量%の離型剤粒子分散液を得た。
【0102】
(着色樹脂粒子の作製)
・樹脂粒子分散液: 147.6質量部
・着色剤粒子分散液: 18質量部
・離型剤粒子分散液: 18質量部
上記成分に固形分量16質量%となるようにイオン交換水を添加し、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これがポリ塩化アルミニウム0.5質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら53℃まで加熱した。53℃で粒径を成長させ2時間保持した後、粒径を測定したところ、平均体積粒子径で9.4μであることを確認した。ここに樹脂粒子分散液を緩やかに69.0質量部追加した。その後、エチレンジアミンジコハク酸分散液10質量部を添加後、0.55mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら96℃まで加熱し、3.5時間保持した。
次に、反応終了後、冷却し、ろ過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが7.0、電気伝導度9.7μS/cm、表面張力が71.2Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続し、着色樹脂粒子を得た。
【0103】
この時の着色樹脂粒子の粒径を測定したところ、体積平均粒径は10.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.30、数平均粒度分布指標GSDpは1.29であった。また着色樹脂粒子の形状係数SF1は134であった。また、着色樹脂粒子がエチレンジアミンジコハク酸を含有していることを、HPLC及びNMRにより確認した。示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)を用いて10℃/minでの離型剤ピーク温度を測定したところ、86℃であった。
【0104】
(着色粉体の作製)
作製した着色樹脂粒子:100質量部に対して、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(RX50、日本アエロジル社製、体積平均粒径=45nm)、及び、2.0質量部の疎水性シリカ粒子(RX200、日本アエロジル社製、体積平均粒径=140nm)を添加し、粉体処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)でクリアランス3mm、周速1500rpmで15分間混合を行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、10.5μmであった。
【0105】
<実施例2>
実施例1において、着色樹脂粒子を作製するとき、フラスコを撹拌しながら53℃で粒径を成長させ、2.0時間保持するところを1.5時間保持に変更した。1.5時間保持後に、平均体積粒径8.2μmであることを確認した。それ以外は、実施例1と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、9.7μmであった。
【0106】
<実施例3>
実施例1において、着色樹脂粒子を作製するとき、フラスコを撹拌しながら53℃まで加熱するところを48℃に変更した。2時間保持後の平均体積粒径は4.6μmであった。それ以外は、実施例1と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、5.3μmであった。
【0107】
<実施例4>
実施例3において、着色樹脂粒子を作製するとき、フラスコを撹拌しながら48℃まで加熱し2時間保持するところを、1.5時間保持に変更した。1.5時間保持後に平均体積粒径4.0μmであることを確認した。それ以外は、実施例3と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、4.8μmであった。
【0108】
<実施例5>
実施例1において、着色樹脂粒子を作製するとき、フラスコを撹拌しながら53℃まで加熱するところを44℃に変更した。2時間保持後の平均体積粒径は2.4μmであった。それ以外は、実施例1と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、2.8μmであった。
【0109】
<実施例6>
実施例4と同様に着色樹脂粒子を作製した。その後、作製した着色樹脂粒子:100質量部に対して、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(RX50、日本アエロジル社製、体積平均粒径=45nm)を、1.5質量部の疎水性チタニア粒子(T805、日本アエロジル社製、体積平均粒径=45nm)に変更した。それ以外は実施例4と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、4.8μmであった。
【0110】
<実施例7>
実施例4と同様に着色樹脂粒子を作製した。その後、作製した着色樹脂粒子:100質量部に対して、2.0質量部の疎水性シリカ粒子(RX200、日本アエロジル社製、体積平均粒径=140nm)を、2.0質量部の疎水性シリカ粒子(RX300、日本アエロジル社製、体積平均粒径=210nm)に変更した。それ以外は実施例4と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、4.8μmであった。
【0111】
<比較例1>
実施例4において、着色粉体を作製するとき、粉体処理装置として「ノビルタNOB130」から「ヘンシェルミル」に変更し、混合条件を2500rpm、10分間に変更した。それ以外は、実施例4と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、4.8μmであった。
【0112】
<比較例2>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂: 40質量部
・3,3−4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物: 2.9質量部
・2−フェニルイミダゾール: 0.1質量部
・炭酸カルシウム: 57質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより20分間混合して、原材料混合物を調製した。これをエクストルーダーにより混錬後、粉砕装置にて粉砕して得た体積平均粒子径35μmの着色樹脂粒子を得た。
次に、得られた着色樹脂粒子用いて、実施例1と同様にして着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、35μmであった。
【0113】
<比較例3>
実施例4において、着色粉体を作製するとき、作製した着色樹脂粒子:100質量部に対して、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(RX50、日本アエロジル社製、体積平均粒径=45nm)、2.0質量部の疎水性シリカ粒子(RX200、信日本アエロジル社製、体積平均粒径=140nm)を添加するところ、着色樹脂粒子:100質量部に対して、5.0質量部の疎水性シリカ粒子(RX50)に変更した。それ以外は、実施例4と同様にして、着色粉体を得た。得られた着色粉体の平均体積粒径は、4.8μmであった。
【0114】
<測定及び評価>
各例で得られた着色粉体について、以下の測定及び評価を行った。
【0115】
(せん断応力の測定)
各例で得られた着色粉体のせん断応力P1、せん断応力P2、せん断応力差△Dについて、既述の方法に従って測定した。
【0116】
(画質評価1)
各例で得られた着色粉体を粉体塗料として利用した。そして、この粉体塗料を用いて、摩擦帯電式で粉体塗装を実施した。
摩擦帯電式の粉体塗装は、摩擦帯電式静電塗装機(商品名「MTR−100」;旭サナック株式会社製)を用いて塗料フィード速度47g/min、搬送エア流量70L/min、加速エア圧0.3MPa、ハンドガンタイプのトリボガン(商品名「T−2m」;旭サナック株式会社製;ノズル:シャワー)にて手吹きで行った。なお、縦100mm×横100mmのサイズのC2紙、レザック66(凹凸を有するエンボス紙)(特種東海製紙製)でそれぞれ行った。焼き付けは、いずれの場合も180℃で10分間行うことにより作製した。下記評価方法により画像の濃度ムラについて評価を行った。
【0117】
−塗装面の色ムラの評価−
塗装面の色ムラの評価は、目視にて塗装面を観察し、以下の基準で評価した。
A:C2、レザック66どちらにおいても色ムラのない塗装が可能。
B:レザック66において、やや色ムラがあるが、C2紙においては色ムラのない塗装が可能
C:C2紙においてやや色ムラがあるが、実使用上許容レベル。
D:C2紙においても色ムラがあり、実使用上許容ができない。
【0118】
(画質評価2)
各例で得られた着色粉体をトナーとして利用した。そして、スチレン−メチルメタアクリレート樹脂(綜研化学社製)を1質量%被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度5質量%になるようにトナーを秤量し、キャリアとトナーとをボールミルで5分間撹拌及び混合して、現像剤を得た。
得られた現像剤を用いて、Docu Centre f235G(富士ゼロックス社製)の改造機によりプリントテストを行った。
プリントテストは、高温高湿(28℃、85%RH)下、エリアカバレッジ(画像1枚当たりの画像存在率)50%で150000枚をプリントすることにより行い、10枚プリント後(初期)および150000枚プリント後に、レザック66(凹凸を有するエンボス紙)(特種東海製紙製)に、10cm×5cmのハーフトーン画像を出力し、下記評価方法により画像の濃度ムラについて評価を行った。
【0119】
−画像の濃度ムラ評価−
出力した10cm×5cmのハーフトーン画像に対して、X−rite404により画像濃度を測定した。画像濃度はランダムに10点測定し、最大値と最小値の差を求めた。濃度ムラの評価基準は以下の通りであり、A、Bを実用可能なレベルとした。
A:最大値と最小値との差が0.03以下である。
B:最大値と最小値との差が0.03を超え0.05以下である。
C:最大値と最小値との差が0.05を超え0.10以下である。
D:最大値と最小値との差が0.10を超える
【0120】
−画質評価の総合判断−
塗装面の色ムラの評価及び画像の濃度ムラ評価の各結果について、評価Aを4ポイント、評価Bを3ポイント、評価Cを2ポイント、評価Dを1ポイントとして合計し、総合ポイントを計算した。総合ポイントは6ポイント以上を合格とした。
【0121】
各例の詳細と評価結果について、表1に一覧にして示す。
【0122】
【表1】
【0123】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画質評価1及び2について共に良好な結果が得られたことがわかる。
つまり、本実施例の着色粉体は、粉体塗料として利用し、凹凸のあるエンボス紙に対して塗装しても、塗装面の色ムラが抑制されることがわかる。また、本実施例の着色粉体は、トナーとして利用し、凹凸のあるエンボス紙に対して画像を形成しても、画像濃度の色ムラが抑制されることがわかる。
これにより、本実施例の着色粉体は、付着面の凹部及び凸部の双方に対する均一付着性に優れることがわかる。