(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弁体は、前記高圧側弁部が形成された第1弁体(52)と、前記低圧側弁部が形成された第2弁体(53)とに分割されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃料噴射弁として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された燃料噴射弁は、制御室の燃料圧力によりノズルニードルが閉弁向きに付勢され、制御室の圧力を制御してノズルニードルの開閉弁作動を制御するようになっている。
【0003】
より詳細には、制御室に常時連通する制御室連通路を設け、制御室の燃料を制御室連通路および排出通路を介して低圧部に排出して、制御室の燃料圧力を低下させることにより、ノズルニードルを開弁向きに移動させる。一方、高圧通路にて導かれる高圧燃料を制御室連通路を介して制御室に供給して、制御室の燃料圧力を上昇させることにより、ノズルニードルを閉弁向きに移動させるようになっている。
【0004】
制御室連通路と排出通路との間、および制御室連通路と高圧通路との間は、弁室に配置された弁体によって開閉される。この弁体は、弁体スプリングによって制御室連通路と排出通路との間が閉じられる向きに付勢され、ピエゾ素子を用いたアクチュエータによって制御室連通路と高圧通路との間が閉じられる向きに駆動される。
【0005】
ところで、噴射量の精度を維持するためにはニードル閉弁速度を高くすることが望ましい。そして、高圧通路の絞りの流路面積を拡大することにより、ニードル閉弁速度を高くすることができる。
【0006】
しかし、制御室連通路と高圧通路との間を閉じた状態のとき、すなわちニードル閉弁状態のときには、弁体は高圧燃料の圧力により制御室連通路と高圧通路との間が開かれる向きの力を受ける。このため、高圧通路の絞りの流路面積を拡大すると、制御室連通路と高圧通路との間を閉じた状態のときに弁体が高圧燃料の圧力を受ける面積も大きくなり、弁体によって制御室連通路と高圧通路との間を閉じた状態を維持するために要求されるアクチュエータの駆動力が大きくなり、アクチュエータの大型化を招いてしまう。
【0007】
そこで、特許文献1に記載された燃料噴射弁は、弁体によって制御室連通路と高圧通路との間を閉じたときに、弁室および制御室の圧力をアシスト圧として利用することにより、アクチュエータに対する要求駆動力を小さくするようにしている。これにより、アクチュエータの大型化を回避しつつ、ニードル閉弁速度を高くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態の燃料噴射弁は、コモンレール(図示せず)から供給される高圧燃料を、圧縮着火式内燃機関(以下、内燃機関という。図示せず)の燃焼室に噴射するものである。
【0019】
図1〜
図3に示すように、燃料噴射弁は、インジェクタボデー1、ノズル3、制御弁機構5、アクチュエータ7、第1中間ボデー8、第2中間ボデー9等を、主要構成要素として備えている。
【0020】
略有底円筒状のインジェクタボデー1には、コモンレールから供給される高圧燃料が流通する高圧燃料通路11、図示しない燃料タンクに接続されて常に低圧になっている低圧燃料通路12、アクチュエータ7が収納される収納室13が形成されている。収納室13は、低圧連通孔14を介して低圧燃料通路12に接続されている。なお、低圧燃料通路12は、本発明の低圧部に相当する。
【0021】
第1中間ボデー8は、インジェクタボデー1に隣接して配置されている。この第1中間ボデー8には、制御弁機構5が収容される第1中間室81および第2中間室82、さらには、高圧燃料通路11と連通する高圧燃料通路83が形成されている。また、第2中間室82は、排出通路84を介して低圧燃料通路12に接続されている。この排出通路84には、排出絞り85が形成されている。
【0022】
第1中間室81と第2中間室82は、いずれも円柱状の空間であり、インジェクタボデー1の軸線方向に沿って直列に配置されている。より詳細には、第1中間室81は、第1中間ボデー8における第2中間ボデー9側の端面に開口している。また、第2中間室82は、第1中間室81に対して第2中間ボデー9とは反対側(すなわち、インジェクタボデー1側)に位置している。
【0023】
ノズル3は、略有底円筒状のノズルボデー31、ノズルボデー31に摺動自在に挿入された略円柱状のノズルニードル32、ノズルニードル32を閉弁向きに付勢するノズルスプリング33、およびノズルシリンダ34を備えている。なお、インジェクタボデー1、第1中間ボデー8、第2中間ボデー9、およびノズルボデー31は、本発明のボデーを構成している。
【0024】
ノズルボデー31には、高圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴出させる噴孔311が形成され、ノズルニードル32の先端部(すなわち、噴孔側端部)がノズルボデー31に接離することにより噴孔311が開閉されるようになっている。
【0025】
ノズルボデー31内には、コモンレールから高圧燃料が常時供給される燃料溜まり室35が形成され、コモンレールからの高圧燃料は燃料溜まり室35を介して噴孔311に向かって流れるようになっている。
【0026】
円筒状のノズルシリンダ34は、ノズルスプリング33によって第2中間ボデー9に押し付けられ、ノズルニードル32の後端部(すなわち、反噴孔側端部)がノズルシリンダ34に摺動自在に挿入されている。
【0027】
このノズルシリンダ34内には、内部の燃料圧力が高圧と低圧に切り替えられる制御室36が形成されている。そして、ノズルニードル32は、制御室36内の燃料圧力により閉弁向きに付勢されるとともに、燃料溜まり室35の燃料圧力により開弁向きに付勢される。
【0028】
第2中間ボデー9は、第1中間ボデー8とノズルボデー31との間に配置されている。この第2中間ボデー9には、高圧燃料通路83と燃料溜まり室35とを接続する高圧燃料通路90、第1中間室81と制御室36とを連通させる制御室連通路91、および第1中間室81と燃料溜まり室35とを連通させる高圧通路92が形成されている。この高圧通路92には、第1中間室81側の開口端部に流入絞り93が形成されている。
【0029】
制御弁機構5は、バルブシリンダ51、第1弁体52、第2弁体53、弁体スプリング54、およびシリンダ保持スプリング55を備え、第1中間ボデー8に形成された第1中間室81と第2中間室82に収容されている。
【0030】
バルブシリンダ51は、円筒状に形成され、第1中間室81と第2中間室82を隔てている。より詳細には、第1中間室81は、バルブシリンダ51と第1中間ボデー8と第2中間ボデー9とによって区画形成され、第2中間室82は、バルブシリンダ51と第1中間ボデー8とによって区画形成されている。
【0031】
バルブシリンダ51の径方向中心部には、第1弁体52が摺動自在に挿入されるシリンダ孔511が形成されている。
【0032】
バルブシリンダ51には、第2中間ボデー9とは反対側の端面の外周部に、環状のシリンダ突起部512が形成されている。そして、バルブシリンダ51と第2中間ボデー9との間に配置されたシリンダ保持スプリング55、および第1中間室81内の高圧燃料の圧力によって、シリンダ突起部512の先端が第1中間ボデー8に押し付けられ、これにより、第1中間室81と第2中間室82との間がシールされている。なお、シリンダ保持スプリング55は、例えば皿ばねを用いることができる。
【0033】
第1弁体52は、略円柱状に形成され、その中間部がシリンダ孔511に摺動自在に挿入されている。
【0034】
第1弁体52における第2中間ボデー9側の端面の外周部には、環状の突起部の高圧側弁部521が形成されている。また、第1弁体52における高圧側弁部521の内周側には、円柱状の空間である逃がし部522が形成されている。
【0035】
そして、第2中間ボデー9に形成された高圧シート面94に高圧側弁部521が接離して、制御室連通路91と高圧通路92との間が開閉される。より詳細には、高圧シート面94に高圧側弁部521が当接して制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断された状態では、制御室連通路91は逃がし部522と連通し、高圧通路92は逃がし部522に連通しないようになっている。
【0036】
第1弁体52の内部には、逃がし部522と第2中間室82とを連通させる弁体内通路523が形成されている。
【0037】
第2弁体53は、略円柱状に形成され、第2中間室82に配置されている。より詳細には、第2弁体53は、第1弁体52における第2中間ボデー9とは反対側の端面に当接し、第1弁体52と一体的に作動するようになっている。
【0038】
第2弁体53における第2中間ボデー9とは反対側の端部には、テーパ状または球面状の低圧側弁部531が形成されている。そして、第1中間ボデー8に形成された低圧シート面86に低圧側弁部531が接離して、排出通路84と第2中間室82との間が開閉される。なお、第1弁体52および第2弁体53は、本発明の弁体を構成している。
【0039】
弁体スプリング54は、バルブシリンダ51と第1弁体52とに挟持され、第1弁体52および第2弁体53を所定の向きに付勢している。具体的には、弁体スプリング54は、制御室連通路91と高圧通路92との間が開かれ、且つ、排出通路84と第2中間室82との間が閉じられる向きに、第1弁体52および第2弁体53を付勢している。
【0040】
なお、シリンダ保持スプリング55のセット荷重は、弁体スプリング54のセット荷重よりも大きく設定されている。これにより、シリンダ突起部512の先端が第1中間ボデー8に押し付けられた状態が維持される。
【0041】
アクチュエータ7は、ピエゾ素子が多数積層されて電荷の充放電により伸縮する円柱状のピエゾ素子積層体71と、ピエゾ素子積層体71の伸縮変位を制御弁機構5に伝達する伝達部とを備えている。
【0042】
伝達部は以下のように構成されている。すなわち、アクチュエータシリンダ72に第1ピストン73および第2ピストン74が摺動自在に且つ液密的に挿入されており、第1ピストン73と第2ピストン74との間には、燃料が充填された液室75が形成されている。
【0043】
第1ピストン73は、第1アクチュエータスプリング76によりピエゾ素子積層体71側に向かって付勢されており、ピエゾ素子積層体71により直接駆動されるようになっている。そして、ピエゾ素子積層体71の伸長時には、第1ピストン73により液室75の圧力が高められるようになっている。
【0044】
第2ピストン74は、第2アクチュエータスプリング77により制御弁機構5側に向かって付勢されるとともに、液室75の圧力を受けて作動するようになっている。
【0045】
具体的には、第2ピストン74は、ピエゾ素子積層体71の伸長時には、高圧化された液室75の圧力を受けて作動して、第1弁体52および第2弁体53を第2中間ボデー9側に向かって駆動する。これにより、高圧側弁部521が高圧シート面94に当接して制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断され、低圧側弁部531が低圧シート面86から離れて排出通路84と第2中間室82とが連通する。
【0046】
一方、ピエゾ素子積層体71の収縮時、すなわち液室75の圧力が低いときには、第2ピストン74は、第2アクチュエータスプリング77に抗して弁体スプリング54により第1ピストン73側に押し戻される。
【0047】
次に、上記燃料噴射弁の作動を説明する。まず、
図1に示す噴孔311が閉じられたニードル閉弁状態のときに、ピエゾ素子積層体71に電荷を充電すると、ピエゾ素子積層体71が伸長して第1ピストン73が駆動され、第1ピストン73により液室75の圧力が高められる。高圧化された液室75の圧力により第2ピストン74が第1弁体52および第2弁体53側に向かって駆動される。
【0048】
そして、
図2および
図3に示すように、第2ピストン74にて第1弁体52および第2弁体53が駆動されることにより、高圧側弁部521が高圧シート面94に当接して制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断され、低圧側弁部531が低圧シート面86から離れて排出通路84と第2中間室82とが連通する。
【0049】
したがって、制御室36の燃料は、制御室連通路91、逃がし部522、および弁体内通路523を介して第2中間室82に流出し、さらに、排出絞り85、排出通路84、および低圧燃料通路12を介して燃料タンクへ戻される。
【0050】
その結果、制御室36の圧力が低下してノズルニードル32を閉弁向きに付勢する力が小さくなるため、ノズルニードル32が開弁向きに移動してニードル開弁状態になり、噴孔311から燃料が噴射される。
【0051】
このニードル開弁状態のとき、すなわち第1弁体52にて制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断された状態のときには、逃がし部522に作用する制御室36の圧力によって、第1弁体52は高圧シート面94から離れる向き、換言するとアクチュエータ7の駆動力に対抗する向きに付勢される。
【0052】
ここで、ニードル開弁状態のときには、制御室36の圧力は高圧燃料よりも低圧に制御されるため、制御室36の圧力にて第1弁体52が付勢される力、換言するとアクチュエータ7の駆動力に対抗する力は小さくなる。
【0053】
一方、
図2に示すニードル開弁状態のときに、ピエゾ素子積層体71の電荷を放電させると、ピエゾ素子積層体71が収縮する。そして、アクチュエータスプリング76により第1ピストン73がピエゾ素子積層体71側に戻されて液室75の圧力が低下し、弁体スプリング54により、第1弁体52、第2弁体53、および第2ピストン74が第1ピストン73側に戻される。
【0054】
これにより、高圧側弁部521が高圧シート面94から離れて制御室連通路91と高圧通路92との間が連通し、低圧側弁部531が低圧シート面86に当接して排出通路84と第2中間室82との間が遮断される。
【0055】
したがって、燃料溜まり室35の高圧の燃料が、高圧通路92、流入絞り93、第1中間室81、および制御室連通路91を介して、制御室36に流入する。
【0056】
その結果、制御室36の圧力が上昇してノズルニードル32を閉弁向きに付勢する力が大きくなるため、ノズルニードル32が閉弁向きに移動し、噴孔311が閉じられてニードル閉弁状態になり、燃料噴射が終了する。
【0057】
本実施形態によると、第1弁体52にて制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断された状態のときには、高圧燃料よりも低圧に制御された制御室36の圧力が逃がし部522に作用するため、逃がし部522に作用する制御室36の圧力によって第1弁体52がアクチュエータ7の駆動力に対抗する向きに付勢される力は小さくなる。したがって、アクチュエータ7に対する要求駆動力が小さくなり、アクチュエータ7を小型にすることができる。
【0058】
また、逃がし部522に作用する制御室36の圧力によって第1弁体52が付勢される力が小さくなるため、コモンレール圧を現状よりもさらに高くしたり、或いは、流入絞り93の流路面積をさらに拡大した場合でも、アクチュエータ7の大型化を回避することができる。
【0059】
また、弁体を第1弁体52と第2弁体53とに分割しているため、第2弁体53の低圧側弁部531が第1中間ボデー8の低圧シート面86に当接する際に自動的に調芯作用が行われて、低圧側弁部531と低圧シート面86との当接部は高いシール性が得られる。
【0060】
また、シリンダ保持スプリング55および第1中間室81内の高圧燃料の圧力によって、シリンダ突起部512を第1中間ボデー8に押し付けているため、シリンダ突起部512と第1中間ボデー8との当接部は高いシール性が得られる。
【0061】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0062】
図4および
図5に示すように、ノズルシリンダ34の内壁面には、ストッパ面341が形成されている。また、第2中間ボデー9における制御室36側の面には、制御室シート面95が形成されている。
【0063】
制御室36内には、円盤状の制御プレート56、および制御プレート56を制御室シート面95側に向かって付勢するプレートスプリング57が配置されている。そして、制御プレート56は、ストッパ面341と制御室シート面95との間で往復変位するようになっている。なお、制御プレート56およびプレートスプリング57は、制御弁機構5の一部をなしている。
【0064】
制御プレート56の径方向中心部には、制御プレート56の軸方向に貫通する排出絞り561が形成されている。そして、制御プレート56が制御室シート面95に当接した状態のときには、制御室36と制御室連通路91は排出絞り561を介して連通するようになっている。なお、制御プレート56に排出絞り561を設けたことに伴い、第1実施形態における排出通路84の排出絞り85は廃止されている。
【0065】
なお、制御プレート56がストッパ面341に当接した状態では、制御プレート56によって制御室36は2つの空間に分離される。具体的には、第2中間ボデー9側の空間である中間ボデー側制御室と、ノズルニードル2側の空間であるニードル側制御室とに分離される。以下、必要に応じて、制御室36と、中間ボデー側制御室と、ニードル側制御室を、使い分ける。
【0066】
次に、上記燃料噴射弁の作動を説明する。まず、噴孔311が閉じられたニードル閉弁状態のときに、ピエゾ素子積層体71に電荷を充電すると、第1実施形態と同様にして高圧側弁部521が高圧シート面94に当接して制御室連通路91と高圧通路92との間が遮断され、低圧側弁部531が低圧シート面86から離れて排出通路84と第2中間室82とが連通する。
【0067】
排出通路84と第2中間室82とが連通すると、制御室36の燃料は、排出絞り561、制御室連通路91、逃がし部522、および弁体内通路523を介して第2中間室82に流出し、さらに、排出通路84、および低圧燃料通路12を介して燃料タンクへ戻される。
【0068】
その結果、制御室36の圧力が低下してノズルニードル32を閉弁向きに付勢する力が小さくなるため、ノズルニードル32が開弁向きに移動してニードル開弁状態になり、噴孔311から燃料が噴射される。
【0069】
一方、
図4に示すニードル開弁状態のときに、ピエゾ素子積層体71の電荷を放電させると、第1実施形態と同様にして高圧側弁部521が高圧シート面94から離れて制御室連通路91と高圧通路92との間が連通し、低圧側弁部531が低圧シート面86に当接して排出通路84と第2中間室82との間が遮断される。
【0070】
制御室連通路91と高圧通路92との間が連通すると、燃料溜まり室35の高圧の燃料が、高圧通路92、流入絞り93、および第1中間室81を介して、制御室連通路91に流入する。
【0071】
そして、制御プレート56は、制御室連通路91に流入した燃料の圧力に付勢されて、制御室シート面95から離れる向きに移動する。これにより、制御室連通路91から中間ボデー側制御室に流入した高圧の燃料は、制御プレート56の外周面とノズルシリンダ34の内壁面との間を通って、ニードル側制御室に流入する。
【0072】
その結果、ニードル側制御室の圧力が上昇してノズルニードル32を閉弁向きに付勢する力が大きくなるため、ノズルニードル32が閉弁向きに移動し、噴孔311が閉じられてニードル閉弁状態になり、燃料噴射が終了する。
【0073】
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、アクチュエータ7を、ピエゾ素子積層体71と伝達部とで構成したが、アクチュエータ7は、電磁力にて第1弁体52および第2弁体53を駆動する形式のものでもよい。
【0075】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0076】
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0077】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0078】
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0079】
また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。