(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
織機の前後方向に並設された複数のメインノズルと、前記メインノズルの下流側に設けられスレイに立設された変形筬と、前記変形筬の前面に凹設された緯入れ通路と、前記緯入れ通路に沿って所定間隔で配列された複数のサブノズルと、を備えているエアジェット織機における緯入れ制御方法であって、
前記複数のメインノズルのうち少なくとも最も織前側に位置する織前側メインノズルによる緯入れのとき、前記複数のサブノズルのうち最も前記メインノズルに近い第1サブノズルの噴射圧を前記複数のサブノズルのうち前記第1サブノズルを除く第2サブノズルの噴射圧よりも低くすることを特徴とするエアジェット織機における緯入れ制御方法。
織機の前後方向に並設された複数のメインノズルと、前記メインノズルの下流側に設けられスレイに立設された変形筬と、前記変形筬の前面に凹設された緯入れ通路と、前記緯入れ通路に沿って所定間隔で配列された複数のサブノズルと、を備えたエアジェット織機における緯入れ装置であって、
前記複数のサブノズルのうち最も前記メインノズルに近い第1サブノズルが、第1サブバルブと連結され、
前記複数のサブノズルのうち前記第1サブノズルを除く第2サブノズルが、緯入れ方向に複数のサブノズル群に分割され、前記サブノズル群毎に対応して複数の第2サブバルブが設けられ、
前記サブノズル群に備えられる複数のサブノズルが、前記第2サブバルブを介して第1サブタンクに連結され、
前記第1サブバルブ及び前記第2サブバルブを作動制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記複数のメインノズルのうち織前側に位置する織前側メインノズルによる緯入れのとき、前記第1サブノズルの噴射圧を前記第2サブノズルの噴射圧よりも低くするように前記第1サブバルブを作動制御することを特徴とするエアジェット織機における緯入れ装置。
前記第1サブバルブと前記第2サブバルブは同一の型式であり、前記第1サブノズルのすぐ緯入れ方向下流において前記第2サブバルブに接続される前記第2サブノズルの本数が、さらに緯入れ方向下流において前記第2サブバルブに接続される前記第2サブノズルの本数から1本減じた本数に等しいことを特徴とする請求項3に記載のエアジェット織機における緯入れ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で開示された従来技術では、第1の緯入れ用補助ノズルに近接して別の緯入れ用補助ノズルを配置して緯糸牽引力を高めるとあるが、複数のメインノズルを備えた多色用メインノズルにおいては、メインノズルの配設位置により緯糸の緯入れ通路からの飛び出しが発生する恐れがある。特に、変形筬から離れた織前側にあるメインノズルでは、緯入れ通路からの緯糸の飛び出しが発生し易い。これは、緯入れ通路の奥壁面に対して傾斜角度の大きい織前側にあるメインノズルから噴射されるエアと、第1の緯入れ用補助ノズルから噴射されるエアとが合流した場合には、緯入れされた緯糸を緯入れ通路の開口側(織前側)に案内するエア流れが発生するためと考えられる。このため、緯入れされた緯糸は緯入れ通路から飛び出し易い。
【0006】
本発明は、緯糸の緯入れ通路からの飛び出しを防止することが可能なエアジェット織機における緯入れ制御方法及びエアジェット織機における緯入れ装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、織機の前後方向に並設された複数のメインノズルと、前記メインノズルの下流側に設けられスレイに立設された変形筬と、前記変形筬の前面に凹設された緯入れ通路と、前記緯入れ通路に沿って所定間隔で配列された複数のサブノズルと、を備えているエアジェット織機における緯入れ制御方法であって、前記複数のメインノズルのうち少なくとも最も織前側に位置する織前側メインノズルによる緯入れのとき、前記複数のサブノズルのうち最も前記メインノズルに近い第1サブノズルの噴射圧を前記複数のサブノズルのうち前記第1サブノズルを除く第2サブノズルの噴射圧よりも低くすることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、織前側メインノズルは緯入れ通路の奥壁面に対して傾斜角度が大きく、織前側メインノズルから噴射されるエアと、第1サブノズルから噴射されるエアとが合流すると、緯入れされた緯糸が緯入れ通路から飛び出し易いエア流れが発生する。しかし、少なくとも最も織前側に位置する織前側メインノズルで緯入れするときには、第1サブノズルの噴射圧を第2サブノズルの噴射圧よりも低くするので、緯糸が緯入れ通路から飛び出しにくく、緯入れミスを防止することが可能である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、織機の前後方向に並設された複数のメインノズルと、前記メインノズルの下流側に設けられスレイに立設された変形筬と、前記変形筬の前面に凹設された緯入れ通路と、前記緯入れ通路に沿って所定間隔で配列された複数のサブノズルと、を備えたエアジェット織機における緯入れ装置であって、前記複数のサブノズルのうち最も前記メインノズルに近い第1サブノズルが、第1サブバルブと連結され、前記複数のサブノズルのうち前記第1サブノズルを除く第2サブノズルが、緯入れ方向に複数のサブノズル群に分割され、前記サブノズル群毎に対応して複数の第2サブバルブが設けられ、前記サブノズル群に備えられる複数のサブノズルが、前記第2サブバルブを介して第1サブタンクに連結され、前記第1サブバルブ及び前記第2サブバルブを作動制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記複数のメインノズルのうち織前側に位置する織前側メインノズルによる緯入れのとき、前記第1サブノズルの噴射圧を前記第2サブノズルの噴射圧よりも低くするように前記第1サブバルブを作動制御することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同等の作用効果を得ることが可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエアジェット織機における緯入れ装置において、前記第1サブノズルは、前記第1サブバルブを介して前記第1サブタンクに連結されており、前記制御装置は、前記織前側メインノズルによる緯入れのときは、前記第1サブノズルの位置に緯糸が到達するタイミングであっても前記第1サブバルブを閉弁制御のままとすることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、織前側メインノズルによる緯入れのときは、第1サブノズルの位置に緯糸が到達するタイミングであっても第1サブバルブを閉弁制御のままとされ、第1サブノズルより噴射しないように制御されている。このとき、第1サブノズルの噴射圧はゼロであり第2サブノズルの噴射圧よりも低い。よって、第1サブバルブを圧力調整弁としたり、異なる圧力のエアタンクを複数用意する構成に比べて、簡素な構成で確実に緯糸の緯入れ通路からの飛び出しを防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエアジェット織機における緯入れ装置において、前記第1サブバルブと前記第2サブバルブは同一の型式であり、前記第1サブノズルのすぐ緯入れ方向下流において前記第2サブバルブに接続される前記第2サブノズルの本数が、さらに緯入れ方向下流において前記第2サブバルブに接続される前記第2サブノズルの本数から1本減じた本数に等しいことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、第1サブバルブとして、従来使用していた型式のサブバルブを一つ追加し、最もメインノズル群に近い第1サブノズルを追加した第1サブバルブに接続するだけでよいので、緯入れ機構の改変が必要最小限で済む。また、第1サブノズルは1本のみで第1サブバルブに接続されており、かつそのすぐ緯入れ方向下流側の第2サブバルブに接続される第2サブノズルの本数が、さらに緯入れ方向下流側の第2サブバルブに接続される第2サブノズルの本数と比べて少なくなる。よって、第1サブノズル及びそのすぐ緯入れ方向下流側の第2サブノズルの噴射圧が高まり、その分だけ織前側メインノズル以外のメインノズルで緯入れする場合のメインノズルの噴射圧力を下げて、より省エネルギーを図ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のエアジェット織機における緯入れ装置において、前記第1サブバルブは、第1バルブと前記第1バルブに接続された第2バルブとを有する2段圧切換えバルブで構成され、前記第1サブノズルは、前記第1バルブを介して前記第1サブタンクに連結されると共に、前記第2バルブを介して前記第1サブタンクより低圧の第2サブタンクに連結されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第1サブノズルは、2段圧切換えバルブの第1バルブを介して第1サブタンクに連結されると共に、2段圧切換えバルブの第2バルブを介して第1サブタンクより低圧の第2サブタンクに連結されている。よって、織前側メインノズルで緯入れするときには、2段圧切換えバルブを作動制御し、第2バルブを介して第2サブタンクから低圧のエアが第1サブノズルに供給されるように制御できる。一方、織前側メインノズルを除くメインノズルで緯入れするときには、2段圧切換えバルブを作動制御し、第1バルブを介して第1サブタンクより通常圧のエアが第1サブノズルに供給されるように制御できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、緯糸の緯入れ通路からの飛び出しを防止することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るエアジェット織機の緯入れ装置を
図1〜
図5に基づいて説明する。
図1に示すように、エアジェット織機の緯入れ装置10は、複数のメインノズル11A〜11Fを有するメインノズル群11と、メインノズル群11を保持するノズル保持部12と、スレイ13に固定される主ブラケット14とを備えている。スレイ13は、エアジェット織機の幅方向に延設されている。スレイ13上には変形筬15が保持されている。なお、本明細書においては、
図1におけるスレイ13の延設方向を左右方向とし、スレイ13の延設方向に対して直角方向を前後方向とする。そして、スレイ13に対して手前側を織布巻取り側であるエアジェット織機の前方、スレイ13に対して奥側を経糸送り出し側であるエアジェット織機の後方として説明する。
【0020】
メインノズル群11は、スレイ13の左方端部に配置されている。メインノズル11A〜11Fには、それぞれ1本の緯糸が供給され、メインノズル群11として6本の緯糸を緯入れする。6本のうち3本のメインノズル11A〜11Cは、エアジェット織機の前後方向に並設されており、メインノズル11Aが最も後方に位置し、前方に向けてメインノズル11B、11Cの順に配設されている。メインノズル11Cは、メインノズル11A〜11Cのうちで最もエアジェット織機の前方の織前側に位置しており織前側メインノズルに相当する。メインノズル11A〜11Cの先端は集合するように配置され、
図2に示すように、緯入れ通路21を指向する。6本のうち他の3本のメインノズル11D〜11Fは、メインノズル11A〜11Cの下方に重ねて配設されており、エアジェット織機の前後方向に並設され、メインノズル11Dが最も後方に位置し、前方に向けてメインノズル11E、11Fの順に配設されている。メインノズル11Fは、メインノズル11D〜11Fのうちで最もエアジェット織機の前方の織前側に位置しており織前側メインノズルに相当する。メインノズル11D〜11Fの先端は集合するように配置され、緯入れ通路21を指向する。
【0021】
主ブラケット14は、メインノズル11A〜11Fの基端部分を保持するノズル保持部12と、ノズル保持部12からスレイ13の長尺方向(左右方向)に沿って延設された取付部16を有している。ノズル保持部12と取付部16とは一体形成されている。取付部16は、スレイ13に形成された取付溝13Aに嵌め込まれ、図示しないボルトによりスレイ13に固定されている。
【0022】
ノズル保持部12は、直方体形状を有し、右側面からは、メインノズル11A〜11Fが右方に向かって突出している。
図2に示すように、ノズル保持部12の左側面には、メインノズル11A〜11Fと連通され緯糸Yを案内する6個の案内口17が設けられている。図示しない給糸体より案内口17を介してメインノズル11A〜11Fのそれぞれに緯糸Yが供給される。ノズル保持部12の左方端部には、メインノズル11A〜11Fと連通されメインノズル11A〜11Fに圧縮エアを供給する配管29が設けられている。配管29を介してメインノズル11A〜11Fに圧縮エアが供給される。各案内口17より供給された緯糸Yは、各配管29からの圧縮エアによりメインノズル11A〜11F内を右方に向かって飛走する。
【0023】
メインノズル11A〜11Fの右方のスレイ13上には、変形筬15が立設されている。変形筬15は、左右方向に配列された複数の筬羽15Aにより構成され、筬羽15Aの前面には前方に開口する凹部15Bが形成されている。この凹部15Bの列により緯糸Yを案内する緯入れ通路21が形成されている。緯入れ通路21は左右方向に貫通形成されている。凹部15Bの底側の壁面を奥壁面20とすると、メインノズル11A〜11Fは、緯入れ通路21の奥壁面20を指向するよう配置されている。変形筬15は、スレイ13の取付溝13Aに嵌め込まれ、楔19によりスレイ13に固定されている。
【0024】
図2に示す噴射軸線P1、Q1、R1は上段のメインノズル11A、11B、11Cのそれぞれの噴射方向を示す軸線である。噴射軸線P1、Q1、R1の奥壁面20に対する傾斜角度θ1、θ2、θ3は互いに異なるように設定されている。θ1が最も小さく、θ3が最も大きく、θ2はθ1とθ3の間の角度に設定されている(θ1<θ2<θ3)。下段のメインノズル11D〜11Fは、上段のメインノズル11A、11B、11Cと上下方向で重なるように設置されており、下段のメインノズル11D〜11Fの噴射軸線は上段のメインノズル11A、11B、11Cの噴射軸線P1、Q1、R1に上下方向で一致する。変形筬15から離れた織前側メインノズル11C(11F)ほど、傾斜角度θ3が大きくなっている。
【0025】
図2及び
図3に示すように、スレイ13の前面には、複数のサブノズル25A〜25Gからなるサブノズル群25が装着されている。サブノズル25A〜25Gは、緯入れ通路21に沿って所定間隔で配列されている。
図1に示すように、サブノズル25A〜25Gは、ノズルの先端を緯入れ通路21側に指向させて、根元部を支持ブロック22に保持されている。支持ブロック22は、スレイ13の前面に形成されたガイド溝23にボルト24及びナット(図示せず)により止着されている。
【0026】
次に、
図3のブロック図を使用してエアジェット織機の緯入れ装置10のエア配管の経路の説明を行う。
エア供給源26は、配管27を介して開閉弁28に接続されている。開閉弁28は、圧縮エアの供給、停止を行なう。開閉弁28は、エアジェット織機側の配管29によりフィルタ30に接続され、さらに圧力計31に接続されている。圧力計31は、エア供給源26から供給される圧縮エアの圧力を計測する。圧力計31は、配管29によりメインレギュレータ32を介してメインタンク33に接続されている。メインレギュレータ32は、エア供給源26から供給された圧縮エアの圧力を緯入れに適したメインエア圧力に調整するために設けられ、メインタンク33には、メインエア圧力に低下された圧縮エアが貯留される。メインタンク33は、配管29によりメインバルブ34を介してメインノズル群11に接続されている。なお、図示しないが、6本のメインノズル11A〜11Fは配管29により6個のメインバルブ34にそれぞれ接続されている。
【0027】
従って、メインタンク33の圧縮エアは、緯入れ時にメインバルブ34の作動によりメインノズル群11に供給され、緯糸Yの緯入れが行なわれる。また、圧力計31とメインレギュレータ32とを接続する配管29から分岐された配管35が絞弁36を介してメインバルブ34とメインノズル群11とを接続する配管29に接続され、微風回路を構成している。従って、絞弁36により調整された微量の圧縮エアがメインノズル群11に供給され、メインノズル群11は緯糸Y保持のため微風を噴射している。
【0028】
一方、圧力計31とメインレギュレータ32とを接続する配管29からさらに分岐された配管37は、サブレギュレータ38を介して第1サブタンク39に接続されている。サブレギュレータ38は、エア供給源26から供給された圧縮エアの圧力を緯入れに適したサブエア圧力M1に調整するために設けられ、第1サブタンク39には、サブエア圧力M1に低下された圧縮エアが貯留される。
サブノズル群25は、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25A、サブノズル25Aの緯入れ方向下流側に3本のサブノズル25B、サブノズル25Bの緯入れ方向下流側に各4本ずつのサブノズル25C、サブノズル25D、サブノズル25E、サブノズル25F、サブノズル25Gから構成されている。
サブノズル25Aは、第1サブバルブ40を介して第1サブタンク39に連結されている。サブノズル25Aは第1サブノズルに相当する。
サブノズル25B〜サブノズル25Gは、各ノズル毎に第2サブバルブ41が設けられている。サブノズル25B〜25Gは、各第2サブバルブ41を介して第1サブタンク39に連結されている。サブノズル25B〜25Gは、第2サブノズルに相当する。
【0029】
すなわち、サブノズル25Aは、配管37により第1サブバルブ40を介して第1サブタンク39に接続されている。サブノズル25B〜25Gはそれぞれ、配管37により第2サブバルブ41を介して第1サブタンク39に接続されている。合計24本のサブノズル25A〜25Gは、緯入れ通路21に沿って等間隔で配列されている。従って、サブノズル25Aには、緯入れ時に第1サブバルブ40の作動により第1サブタンク39からサブエア圧力M1を有する圧縮エアが供給される。サブノズル25B〜25Gには、緯入れ時に第2サブバルブ41の作動により第1サブタンク39からサブエア圧力M1を有する圧縮エアが供給される。なお、第1サブバルブ40及び第2サブバルブ41は同一の型式(仕様及び構成が同一)のものを使用している。サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流において第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25Bの本数は3本であり、さらに緯入れ方向下流において第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25C〜25Gの本数(4本)から1本減じた本数に等しい。
【0030】
圧力計31は、ファンクションパネル42を備えた制御装置43に電気的に接続され、計測した圧縮エアの圧力のデータを制御装置43に送信している。制御装置43には、圧力計31から送信される圧力のデータや設定値等を記憶する記憶部及び圧力のデータを基に各種計算を行なう演算部などが備えられている。また、制御装置43は、エアジェット織機を運転するために必要な各種プログラムを備え、図示していないが、緯入れ時にメインバルブ34、第1サブバルブ40及び第2サブバルブ41に信号を送信し、緯入れ動作の開始及び停止を制御する。
【0031】
次に、
図4に示すフローチャートに基づき、緯入れ時の制御フローにつき説明する。
まず、ステップS101で、緯入れがスタートすると、ステップS102で、メインバルブ34が作動するよう制御され、メインノズル群11(メインノズル11A〜11F)にメインタンク33より圧縮エアが供給される。
次に、ステップS103で、供給された圧縮エアにより緯糸Yがメインノズル11A〜11Fの管内を飛走し、射出口より噴射されるエアと共に緯入れ通路21に緯入れされる。なお、緯糸Yの緯入れは、予め定められたプログラムに基づき、6本のメインノズル11A〜11Fのうちいずれか1本を選択しつつ連続的に行なわれる。
【0032】
次に、ステップS104で、緯入れに使用されるのが織前側メインノズル(11C又は11F)であるか織前側メインノズルを除くメインノズル(11A、11B、11D、11E)であるかの判断が行なわれる。緯入れに使用されるのが織前側メインノズルであると判断された場合、すなわち、メインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れされる場合(YES)には、ステップS105に進み、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングであっても第1サブバルブ40の作動がOFF制御(閉弁制御)のままとされる。このため、サブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給されず、緯糸Yはメインノズル11C又はメインノズル11Fの噴流のみにより飛走を継続する。
【0033】
次に、ステップS106で、各サブノズル25B〜25Gの位置に緯糸Yが到達するタイミングで各第2サブバルブ41の作動が上流側より順次ON制御(開弁制御)され、サブノズル25B〜25Gに、第1サブタンク39より順次圧縮エアが供給される。このため、サブノズル25B〜25Gは順次噴射を行なう。
【0034】
次に、ステップS107で、緯入れ通路21に緯入れされた緯糸Yは、サブノズル25B〜25Gの順次噴射に伴い、緯入れ通路21を右方(下流側)に向かってリレー搬送され、ステップS108で、緯糸Yがメインノズル群11と反対側の織端外方に達した時点で緯入れが終了する。
【0035】
なお、ステップS104で、緯入れに使用されるのが織前側メインノズルを除くメインノズルであると判断された場合、すなわち、メインノズル11A、11B、11D、11Eのいずれかで緯入れされる場合(NO)には、ステップS109に進み、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングで第1サブバルブ40の作動がON制御(開弁制御)される。このため、サブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給され、サブノズル25Aは噴射する。
次に、ステップS110で、各第2サブバルブ41の作動が上流側より順次ON制御(開弁制御)され、サブノズル25B〜25Gに、第1サブタンク39より順次圧縮エアが供給される。このため、サブノズル25B〜25Gは順次噴射を行なう。
【0036】
次に、ステップS111で、緯入れ通路21に緯入れされた緯糸Yは、サブノズル25B〜25Gの順次噴射に伴い、緯入れ通路21を右方(下流側)に向かってリレー搬送され、ステップS108で、緯糸Yがメインノズル群11と反対側の織端外方に達した時点で緯入れが終了する。
【0037】
以上の構成を有する第1の実施形態におけるエアジェット織機の緯入れ装置10につき、作用説明を行う。
緯入れがスタートすると、メインバルブ34が作動するよう制御され、メインノズル群11(メインノズル11A〜11F)にメインタンク33より圧縮エアが供給される。メインノズル11A〜11Fから噴射されたエアは、緯入れ通路21を右方(下流側)に向かって流れる。
図2に示すように、メインノズル11A〜11Fから噴射されたエアは、凹部15Bの奥壁面20に衝突し、奥壁面20で反射する。例えば、メインノズル11Aから噴射軸線P1に沿って噴射されたエアは、点K1で奥壁面20に衝突し、矢印P2方向に反射する反射流P2となる。また、メインノズル11Bから噴射軸線Q1に沿って噴射されたエアは、点K2で奥壁面20に衝突し、矢印Q2方向に反射する反射流Q2となる。また、メインノズル11Cから噴射軸線R1に沿って噴射されたエアは、点K3で奥壁面20に衝突し、矢印R2方向に反射する反射流R2となる。なお、点K1〜K3は、噴射されたエアの反射点を表している。
【0038】
ところで、メインノズル11A〜11Fから噴射されたエアは、奥壁面20で反射する前にサブノズル25Aから噴射されたエアFと合流する。サブノズル25Aから噴射されたエアFの奥壁面20に対する入射角はメインノズル11A〜11Fから噴射されたエアの入射角(θ1、θ2、θ3)より大きい。よって、合流後のエアの反射流をそれぞれ反射流P3、Q3、R3とすると、反射流P3、Q3、R3は合流前の反射流P2、Q2、R2よりも反射角が大きくなる。すなわち、メインノズル11Aから噴射されたエアがサブノズル25Aから噴射されたエアFと合流することにより、合流後の反射流P3は合流前の反射流P2の反射角より大きくなる。また、メインノズル11Bから噴射されたエアがサブノズル25Aから噴射されたエアFと合流することにより、合流後の反射流Q3は合流前の反射流Q2の反射角より大きくなる。また、メインノズル11Cから噴射されたエアがサブノズル25Aから噴射されたエアFと合流することにより、合流後の反射流R3は合流前の反射流R2の反射角より大きくなる。
さらに、θ1<θ2<θ3となるように設定されているので、合流後の反射流P3、Q3、R3については、反射流R3の反射角が最も大きく、反射流P3の反射角が最も小さく、反射流Q3の反射角は反射流R3と反射流P3の間の反射角となっている。
【0039】
図2に示すように、織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されるエアと、サブノズル25Aから噴射されるエアとが合流すると、合流後のエアは奥壁面20で反射した後、反射流R3となる。反射流R3の反射角は最も大きく、反射流R3はサブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流する前に緯入れ通路21外へ(凹部15Bの開口側へ)流出する流れとなるおそれがある。
しかし、メインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れされる場合には、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングでも第1サブバルブ40の作動がOFF制御(閉弁制御)されて、サブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給されず、サブノズル25Aは噴射しない。よって、織前側メインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れするときには、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングに奥壁面20で反射するのはメインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されるエアのみとなり、その反射流は
図2に示す反射流R2となる。反射流R2の反射角は織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されたエアとサブノズル25Aから噴射されたエアFとが合流したときの反射流R3の反射角より小さく、反射流R2は緯入れ通路21外へ流出する前に、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流する。従って、緯入れ通路21外へ流出する流れは発生しないので、緯糸Yが緯入れ通路21から飛び出しにくく、緯入れミスを防止することが可能である。
【0040】
一方、織前側以外にあるメインノズル11A、11B、11D、11Eのいずれかで緯入れされる場合には第1サブバルブ40の作動がON制御(開弁制御)されて、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給され、サブノズル25Aは噴射する。よって、織前側以外にあるメインノズル11A、11B、11D、11Eで緯入れするときには、織前側以外にあるメインノズル11A、11B、11D、11Eから噴射されるエアと、サブノズル25Aから噴射されるエアとが合流し、奥壁面20で反射した後、反射流P3又は反射流Q3となる。反射流P3又は反射流Q3の反射角は反射流R3の反射角より小さく、反射流P3又は反射流Q3は緯入れ通路21外へ流出する前に、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流する。よって、緯入れ通路21外へ流出する流れは発生しない。
【0041】
図5に示すグラフは、サブノズル25Aから噴射されるエアの時間と噴射圧力の関係を示す特性曲線である。G特性は、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aを第1サブバルブ40で作動噴射させた場合の特性を表している。H特性は、最もメインノズル11に近い位置にあるサブノズル25Aを3本のサブノズル25Bと接続された第2サブバルブ41で共通化(サブノズル25A及び3本のサブノズル25Bを単一の第2サブバルブ41に接続)して作動噴射させた場合の特性を表している。G特性のピーク圧力をG1とし、H特性のピーク圧力をH1とすると、G1のほうがH1より大きい(G1>H1)。このように、サブノズル25Aを第1サブバルブ40で作動噴射させた場合には、ピーク圧力G1がピーク圧力H1より高くなり、サブノズル25Aを噴射させて使用する織前側のメインノズル11C、11Fを除くメインノズル11A、11B、11D、11Eの噴射圧力を下げることが可能である。また、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流側において第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25Bの本数が、さらに緯入れ方向下流側において第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25C〜25Gの本数と比べて少なくなるため、サブノズル25Bの噴射圧力もサブノズル25C〜25Gと比べて高まり、その分も織前側メインノズル以外のメインノズル(11A、11B、11D、11E)で緯入れする場合のメインノズルの噴射圧力を下げることができる。
【0042】
第1の実施形態に係るエアジェット織機の緯入れ装置10によれば以下の効果を奏する。
(1)織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fは緯入れ通路21の奥壁面20に対して傾斜角度θ3が大きく、メインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されるエアと、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aから噴射されるエアとが合流すると、合流後の反射流R3はサブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流する前に緯入れ通路21外へ流出する流れとなり、緯糸Yが緯入れ通路21外へ飛び出すおそれがある。しかし、メインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れされる場合には、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングに第1サブバルブ40の作動がOFF制御(閉弁制御)されて、サブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給されず、サブノズル25Aは噴射しない。よって、奥壁面20で反射するのはメインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されるエアのみによる反射流R2となり、この反射流R2は緯入れ通路21外へ流出する前に、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流する。従って、緯入れ通路21外へ流出する流れは発生せず、緯糸Yの緯入れ通路21からの飛び出しを防止することが可能である。
(2)織前側以外にあるメインノズル11A、11B、11D、11Eのいずれかで緯入れされる場合には、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングに第1サブバルブ40の作動がON制御(開弁制御)されて、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給され、サブノズル25Aは噴射する。しかし、織前側メインノズルを除くメインノズル11A、11B、11D、11Eから噴射されるエアと、サブノズル25Aから噴射されるエアとが合流すると、合流後の反射流P3、Q3は緯入れ通路21外へ流出する前に、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流し、緯入れ通路21外へ流出する流れは発生しない。よって、織前側以外にあるメインノズル11A、11B、11D、11Eのいずれかで緯入れされる場合には、サブノズル25Aを閉弁制御せずとも緯糸Yの緯入れ通路21からの飛び出しが発生することはない。
(3)最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aは第1サブバルブ40を介して第1サブタンク39に連結されており、織前側のメインノズル11C、11Fによる緯入れのときは、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングであっても第1サブバルブ40を閉弁制御のままとされている。よって、第1サブバルブを圧力調整弁としたり、異なる圧力のエアタンクを複数用意する構成に比べて、簡素な構成で確実に緯糸Yの緯入れ通路21からの飛び出しを防止することができる。
(4)第1サブバルブ40として、従来使用していた型式のサブバルブ(第2サブバルブ41と同じ型式)を一つ追加し、最もメインノズル群11に近いサブノズル25Aを追加した第1サブバルブ40に接続するだけでよいので、緯入れ機構の改変が必要最小限で済む。また、サブノズル25Aは1本のみで第1サブバルブ40に接続されており、かつそのすぐ緯入れ方向下流側の第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25Bの本数が、さらに緯入れ方向下流側の第2サブバルブ41に接続されるサブノズル25C〜25Gの本数と比べて少なくなる。よって、サブノズル25A及びそのすぐ緯入れ方向下流側のサブノズル25Bの噴射圧が高まり、その分だけ織前側メインノズル以外のメインノズル11A、11B、11D、11Eで緯入れする場合のメインノズルの噴射圧力を下げて、より省エネルギーを図ることができる。
(5)最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aを第1サブバルブ40で作動噴射させた場合には、サブノズル25Aをサブノズル25Bと接続された第2サブバルブ41で共通化した場合と比較して、織前側のメインノズル11C、11Fを除くメインノズル11A、11B、11D、11Eの噴射圧力を下げることが可能である。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を
図6に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態における第1サブバルブの構成を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
【0044】
図6のブロック図を使用してエアジェット織機の緯入れ装置50のエア配管の経路の説明を行う。
最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aが、切換えバルブ51と連結されている。切換えバルブ51は、2段圧切換えバルブであり、第1バルブ51Aと、第2バルブ51Bと、第1バルブ51A及び第2バルブ51B間に介在される逆止弁51Cとを備え一体化されている。なお、切換えバルブ51は第1サブバルブに相当する。最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aは、配管37により第1バルブ51Aを介して第1サブタンク39に接続されている。また、サブノズル25Aは、配管52により第2バルブ51Bを介して第2サブタンク53に接続されている。なお、第2サブタンク53内の圧縮エアの圧力をサブエア圧力M2とすると、サブエア圧力M2はサブエア圧力M1より小さい。すなわち、第2サブタンク53には第1サブタンク39より低圧の圧縮エアが貯留されている。
【0045】
圧力計31とメインレギュレータ32とを接続する配管29から分岐された配管37は、サブレギュレータ38に接続されているが、配管37は途中で分岐されサブレギュレータ54を介して第2サブタンク53に接続されている。サブレギュレータ54は、エア供給源26から供給された圧縮エアの圧力を緯入れに適したサブエア圧力M2に調整するために設けられ、第2サブタンク53には、サブエア圧力M2に低下された圧縮エアが貯留される。
【0046】
次に、緯入れ時の制御につき説明する。織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れするときには切換えバルブ51の切換え制御により、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングで第2バルブ51BがON制御(開弁制御)される。このため、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aには、第2サブタンク53より低圧の圧縮エアが供給され、サブノズル25Aは噴射する。このとき、第1バルブ51AはOFF制御(閉弁制御)されている。
【0047】
一方、織前側のメインノズル11C、11Fを除くメインノズル11A、11B、11D、11Eのいずれかで緯入れするときには切換えバルブ51の切換え制御により、サブノズル25Aの位置に緯糸Yが到達するタイミングで第1バルブ51AがON制御(開弁制御)される。このため、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aには、第1サブタンク39より圧縮エアが供給され、サブノズル25Aは噴射する。このとき、第2バルブ51BはOFF制御(閉弁制御)されていると共に、第1バルブ51A及び第2バルブ51B間には逆止弁51Cが介在されていることにより、第1サブタンク39内の圧縮エア(サブエア圧力M1)が第2バルブ51Bを通って第2サブタンク53へ逆流することが防止されている。
【0048】
このように、織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fで緯入れするときには切換えバルブ51の切換え制御により、第2バルブ51BがON制御(開弁制御)されて、最もメインノズル群11に近い位置にあるサブノズル25Aには、第2サブタンク53より低圧の圧縮エアが供給される。織前側のメインノズル11C又はメインノズル11Fから噴射されるエアと、サブノズル25Aから噴射される低圧のエアとが合流すると、合流後の反射流は緯入れ通路21外へ流出する前に、サブノズル25Aのすぐ緯入れ方向下流に設けられたサブノズル25Bから噴射されたエアFと合流し、緯入れ通路21外へ流出する流れは発生しない。従って、緯糸Yが緯入れ通路21から飛び出しにくく、緯入れミスを防止することが可能である。
【0049】
本発明は、上記の各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
○ 第1の実施形態及び第2の実施形態では、サブノズル25Bは3本のサブノズルを備え、サブノズル25C〜25Gは、それぞれ4本のサブノズルを備えているとして説明したが、サブノズル25Bは1本のサブノズルを備え、サブノズル25C〜25Gは、それぞれ2本のサブノズルを備えていても良い。この場合には、圧縮エアを滑らかに噴射することが可能である。
○ 第1の実施形態及び第2の実施形態では、サブノズル25Bは3本のサブノズルを備え、サブノズル25C〜25Gは、それぞれ4本のサブノズルを備え、サブノズル25A〜サブノズル25Gが等間隔で配列されているとして説明したが、サブノズル群はサブノズルの配列ピッチの異なる2つの領域を有していても良い。すなわち、緯入れ通路に沿って上流側の領域では、それぞれ2本のサブノズルを備え、緯入れ通路に沿って下流側の領域では、それぞれ3本のサブノズルを備えている。上流側の領域におけるサブノズルの配列ピッチは、下流側の領域におけるサブノズルの配列ピッチよりも小さく形成されている。この場合には、下流側の領域ではサブノズルの配列ピッチが拡がっているので、圧縮エアの噴射量を低減することが可能である。
○ 上記実施形態において、緯入れ通路に沿って上流側の領域では、それぞれ4本のサブノズルを備え、緯入れ通路に沿って下流側の領域では、それぞれ3本のサブノズルを備えていても良い。また、上流側の領域におけるサブノズルの配列ピッチは、下流側の領域におけるサブノズルの配列ピッチよりも小さく形成されている。この場合には、上記実施形態と同様に、下流側の領域ではサブノズルの配列ピッチが拡がっているので、圧縮エアの噴射量を低減することが可能である。
○ 第1サブバルブとして圧力調整弁を用い、織前側のメインノズル11C、11Fで緯入れするときに、サブノズル25Aへ供給するエアの圧力を低下させるようにしても良い。
○ 最も織前側のメインノズルの緯入れ時のみでなく、緯糸Yの飛び出し状況に応じて、第1サブノズルの噴射圧を第2サブノズルの噴射圧よりも低くする制御を他のメインノズルの緯入れ時に行なっても良い。