(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ぱちんこ機やスロット機などの遊技機を遊技できる遊技場は、複数の遊技機が群をなした遊技機群(いわゆる、遊技機島)を備え、その遊技機島が複数設置された構成とされている。そして、各遊技機島は、複数の遊技機が列状に並設された構造となっている。
具体的には、遊技機島は、並設された遊技機の他、その遊技機同士の間(所謂台間)に、遊技媒体を貸し出す貸出機やその他の機器等(総称して台間装置という)が配されて形成されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、この種の遊技機島において、各遊技機に対する遊技スペースは、遊技する遊技機とそれに対応する台間装置とによって決まる。
【0003】
ところで、一般的に、都市郊外に建設された遊技場(以下、郊外型遊技場ともいう)では、遊技機1台当たりに用意された遊技スペースが、通常の遊技スペースよりも比較的広めに設定されている。
すなわち、郊外型遊技場は、遊技機の台間に前記した台間装置が設置されている上、さらに、台間を広く確保するために台間拡張部が設けられている場合がある。
この台間拡張部は、前記した台間装置が設置されておらず、単に化粧板(以下、台間化粧板という)が設置されている部分であり、台間化粧板の裏側、すなわち、当該台間化粧板で覆う遊技機島の内側部分は、通常、空洞の状態となっている。
【0004】
また、この台間化粧板は、遊技機や台間装置等の設置を容易にする観点から、台間方向(遊技機の並設方向)に沿った長さが、台間拡張部を完全に閉塞する長さに設定されていない。つまり、台間化粧板の台間方向長さは、台間拡張部の台間方向長さよりも若干短い。
そのため、台間拡張部に設置した台間化粧板の台間方向端部には、幾分かの隙間が形成される。
このように、郊外型遊技場のような台間拡張部を備えた遊技機島においては、遊技機に近接した位置に隙間が形成されており、近年、この隙間を利用したゴト行為が問題となっている。また、この隙間を利用して、ゴミ等が遊技機島の内部に捨てられる問題も露呈している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在、一般的な遊技機島において、この台間拡張部に設けられた隙間を介した不適切な行為の具体的な対策は講じられていない。
そこで、この種の不適切行為を防止するべく、台間拡張部に隙間を作らない方策が勘案される。
例えば、台間化粧板の台間方向長さと、台間拡張部の台間方向長さを同一にする方策である。
しかしながら、台間化粧板と台間拡張部の長さを同一にすると、台間化粧板が取り外しにくく、遊技機や台間装置等の設置作業に相当の手間が掛かるため、できれば回避したいという現状がある。また、遊技場によって、台間拡張部の長さが異なる場合が多く、それぞれの遊技場に対応した台間化粧板を形成しなければならないため、汎用性が低い。このように台間化粧板の台間方向長さと、台間拡張部の台間方向長さを同一にする方策は、現実的には難しい。
【0007】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、遊技機と化粧板の隙間を維持した状態で、ゴト行為やゴミの投げ入れ等の不適切行為を防止することができる遊技場用設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の遊技機が所定の間隔を空けて並設された遊技機群に設置可能な遊技場用設備において、壁面形成部と、隙間閉塞部を有し、前記壁面形成部は、前記間隔を覆うように設置されるものであり、前記隙間閉塞部は、体積膨張が可能な弾性体であ
って、内部に空間を有した袋状体であり、遊技機群に設置した状態において、壁面形成部と遊技機との間には、隙間が形成されており、
前記壁面形成部は、前記空間内に空気又は窒素を導入して前記隙間閉塞部の体積膨張を誘因する誘因部を有しており、前記隙間閉塞部は、当該隙間を閉塞するものであって、かつ、前記隙間を閉塞する際には、
前記誘因部によって体積膨張した状態となっていることを特徴とする遊技場用設備である。
請求項2に記載の発明は、複数の遊技機が所定の間隔を空けて並設された遊技機群に設置可能な遊技場用設備において、壁面形成部と、隙間閉塞部を有し、前記壁面形成部は、前記間隔を覆うように設置されるものであり、前記隙間閉塞部は、体積膨張が可能な弾性体であって、内部に空間を有した袋状体であり、遊技機群に設置した状態において、壁面形成部と遊技機との間には、隙間が形成されており、前記壁面形成部は、隙間閉塞部が体積膨張する際に、当該空間と連通する連通孔を有しており、前記隙間閉塞部は、当該隙間を閉塞するものであって、かつ、前記隙間を閉塞する際には、前記連通孔から窒素又は空気が前記空間内に導入されて体積膨張した状態となっていることを特徴とする遊技場用設備である。
請求項3に記載の発明は、複数の遊技機が所定の間隔を空けて並設された遊技機群に設置可能な遊技場用設備において、壁面形成部と、隙間閉塞部を有し、前記壁面形成部は、前記間隔を覆うように設置されるものであり、前記隙間閉塞部は、体積膨張が可能な弾性体であり、遊技機群に設置した状態において、壁面形成部と遊技機との間には、隙間が形成されており、前記隙間閉塞部は、当該隙間を閉塞するものであって、かつ、前記隙間を閉塞する際には、体積膨張した状態となるものであり、前記壁面形成部は、内部に隙間閉塞部を収納可能な筐体であって、かつ、内外に貫通した貫通孔を有し、隙間閉塞部は、当該貫通孔を経由して、前記隙間を閉塞可能であることを特徴とする遊技場用設備である。
すなわち、これらの発明は、複数の遊技機が所定の間隔を空けて並設された遊技機群に設置可能な遊技場用設備において、壁面形成部と、隙間閉塞部を有し、前記壁面形成部は、前記間隔を覆うように設置されるものであり、前記隙間閉塞部は、体積膨張が可能な弾性体であり、遊技機群に設置した状態において、壁面形成部と遊技機との間には、隙間が形成されており、前記隙間閉塞部は、当該隙間を閉塞するものであって、かつ、前記隙間を閉塞する際には、体積膨張した状態となっている。
【0009】
本発明の構成によれば、壁面形成部を遊技機群に設置した状態において、壁面形成部と遊技機との間には、隙間が形成されている。すなわち、上記したように遊技機と壁面形成部との間の隙間によって、従来と同様、遊技機の交換を容易にしている。言い換えると、従来であれば、不適切行為が可能な状態下にある。
そこで、本発明の構成によれば、前記隙間閉塞部を有しており、前記隙間閉塞部は、当該隙間を閉塞するものであって、かつ、前記隙間を閉塞する際には、体積膨張した状態となっている。すなわち、隙間閉塞部は、体積の膨張・収縮が可能であり、体積膨張した状態となることによって、隙間を閉塞し、隙間を介して不適切行為が行われることを防止することができる。
また、本発明の構成によれば、隙間閉塞部は弾性体で形成されている。すなわち、隙間閉塞部は、体積膨張した状態から体積膨張した状態に比べて体積収縮した状態に状態変化できるので、例えば、遊技場用設備を遊技機群に取り付ける際に隙間閉塞部を体積収縮した状態にすることによって、隙間閉塞部が邪魔になりにくく、遊技場用設備を容易に設置することが可能である。
【0010】
請求項
1に記載の発明は、前記壁面形成部は、隙間閉塞部の体積膨張を誘因する誘因部を有してい
る。
【0011】
本発明の構成によれば、前記壁面形成部は、隙間閉塞部の体積膨張を誘因する誘因部を有している。すなわち、誘因部によって、隙間閉塞部の体積膨張を誘因して、隙間を閉塞する。そのため、遊技機群に遊技場用設備を取り付けた姿勢のまま、隙間閉塞部を体積膨張させることが可能である。
【0012】
請求項
2に記載の発明は、前記隙間閉塞部は、内部に空間を有した袋状体であり、前記壁面形成部は、隙間閉塞部が体積膨張する際に、当該空間と連通する連通孔を有してい
る。
【0013】
本発明の構成によれば、壁面形成部は、隙間閉塞部が体積膨張する際に、当該空間と連通する連通孔を有している。例えば、連通孔から気体を導入することによって、袋状体の内部の空間を膨張させて、隙間閉塞部の体積を膨張させることが可能である。また、例えば、連通孔から気体を排出させることによって、袋状体の内部の空間を減少させて、隙間閉塞部の体積を収縮させることも可能である。
【0014】
請求項
3に記載の発明は、前記壁面形成部は、内部に隙間閉塞部を収納可能な筐体であって、かつ、内外に貫通した貫通孔を有し、隙間閉塞部は、当該貫通孔を経由して、前記隙間を閉塞可能であ
る。
【0015】
本発明の構成によれば、壁面形成部は、内部に隙間閉塞部を収納可能な筐体である。そのため、例えば、遊技場用設備を壁面形成部の内部に隙間閉塞部を収納した状態で遊技機群に取り付けることによって、壁面形成部の剛性により、形状を維持したまま、遊技機群に取り付けることが可能であり、取り付けやすい。また、壁面形成部の内部に隙間閉塞部を収納した状態において、遊技場用設備の露出部位の大部分又は全部が壁面形成部であるため、製品として意匠性が良い。
本発明の構成によれば、隙間閉塞部が体積膨張した状態において、壁面形成部の内部に収納された隙間閉塞部の一部又は全部が貫通孔から張り出し、前記隙間を閉塞可能となっている。そのため、容易に隙間を閉塞することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、壁面形成部と遊技機の間に形成された隙間を維持した状態で、ゴト行為やゴミの投げ入れ等の不適切行為を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右の位置関係は、通常の設置位置を基準に説明する。
【0019】
本実施形態の遊技場の構造は、
図1のように、主に複数の遊技機(ぱちんこ機やスロット機等)200を1つの群とした、いわゆる遊技機島201に適した構成であり、遊技場内においてはその遊技機島201が複数配されている。そこで、以下の説明においては、理解を容易にするために、1つの遊技機島201(遊技機群)に注目して説明する。
【0020】
遊技機島201は、
図1に示すように、所定台数分(
図1では6台分)の遊技機取付部202と、それに対応する台数分の台間取付部203が設けられている。そして、遊技機島201は、各遊技機取付部202に1台ずつ遊技機200が設置されており、各台間取付部203に1台ずつ台間装置205が設置されている。
台間装置205は、遊技機200間に設置される電子機器等を表し、遊技媒体を貸し出す貸出機やその他の機器等を総称して表している。
なお、遊技機島201の内部においては、柱や梁などの構造体の他、各遊技機200に遊技媒体(例えば、ぱちんこ球)を搬送する遊技媒体搬送装置(図示しない)、各遊技機200から回収された遊技媒体が一時的に貯留される貯留タンク(図示しない)、回収された遊技媒体の汚れを除去し磨く遊技媒体研磨装置(図示しない)等の遊技機200を動作させる際に関連する機器が配されているが、本発明においては特に関係がないため説明を省略する。
【0021】
ところで、本発明の遊技場用設備1は、郊外型の遊技場に設置される遊技機島201に好適に使用されるものである。すなわち、遊技機島201は、都市型の遊技場の遊技機島よりも広い遊技スペースを提供する場合に使用されるものであり、遊技機200と台間装置205との間に空間を設けて遊技スペースを拡張している。そして、本発明の遊技場用設備1は、この空間を形成する際に好適に使用されるものである。
【0022】
まず、本発明の第1実施形態の遊技場用設備1の説明に先立って、遊技機島201の各部位の位置関係について説明すると、遊技機島201は、
図1,
図2のように遊技機200の並設方向において、遊技機取付部202の隣に台間取付部203が備えられており、当該遊技機取付部202と台間取付部203と、当該遊技機取付部202と台間取付部203に隣接する遊技機取付部202と台間取付部203の間に遊技場用設備1を取付可能な空間形成部2が設けられている。
すなわち、空間形成部2は、遊技機取付部202の片側であって、隣接して並設された遊技機取付部202の間にそれぞれ設けられている。また、空間形成部2は、台間取付部203の片側(遊技機取付部202と反対側)であって、隣接して並設された台間取付部203の間にそれぞれ設けられているとも言える。
【0023】
空間形成部2は、その内部が空洞となっている。具体的には、空間形成部2は、少なくとも遊技機取付部202との境界を形成する遊技機側内壁部206と、台間取付部203との境界を形成する台間側内壁部207を有している。そして、これらの遊技機側内壁部206と台間側内壁部207は、台間方向(遊技機200の並設方向)に所定の間隔を空けて対面しており、その間に形成空間17が設けられている。言い換えると、隙間閉塞部5と空間形成部2の内壁の間には、形成空間17があり、本発明の遊技場用設備1は、空間形成部2の形成空間17内をスライド移動可能となっている。
遊技機側内壁部206と台間側内壁部207は、遊技機島201の内外方向(前後方向)であって、且つ天地方向に対して垂直方向となる方向に、伸びた壁部である。すなわち、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207は、遊技機200の側面に平行となる壁部である。
【0024】
続いて、本発明の特徴たる遊技場用設備1について説明する。
【0025】
遊技場用設備1は、上記したように空間形成部2に取り付けられて使用されるものであり、具体的には、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207に挟まれた状態で設置されるものである。
遊技場用設備1は、
図3,
図4のように壁面形成部3と、隙間閉塞部5と、栓部材6を有している。
【0026】
壁面形成部3は、
図4のように、直方体状の筐体であり、その内部に隙間閉塞部5を収納可能な収納空間30を有している。
壁面形成部3は、その長手方向が天地方向を向いた縦長の部材となっており、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207の間の形成空間17(
図2参照)を塞ぐことが可能となっている。
壁面形成部3は、遊技場用設備1を遊技機島201に取り付けた状態において、遊技者側に露出する表面部23と、遊技機島201の内側(遊技者側と反対側)に位置する裏面部24と、表面部23と裏面部24の接続し壁面形成部3の側面を形成する側面部25を有している。
【0027】
表面部23は、
図6のように、主に化粧板としての機能を有する部位であり、所望の模様や表面形状をしている。すなわち、表面部23の表面には、遊技場の雰囲気に合わせて文字や絵などの装飾がなされている。
表面部23は、遊技場用設備1を遊技機島201に取り付けた状態において、表面部23の台間方向の長さ(短辺)は、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207との間の距離よりも幅が若干短く、表面部23の長手方向の長さ(長辺)は、空間形成部2の上下方向の長さとほぼ等しい。
裏面部24は、表面部23とほぼ同様の形状であって、収納空間30を挟んで前後方向に表面部23と対面する部位である。
図4のように部材厚方向に貫通した挿通孔7(誘因部)を有している。挿通孔7は、空気導入手段8の導入部10(
図5(b)参照)を取り付け可能な孔である。
【0028】
側面部25は、
図3,
図4のように壁面形成部3の天面を形成する天面部26と、底面を形成する底面部27と、右側側面を形成する右側面部28と、左側側面を形成する左側面部29から形成されている。
天面部26と底面部27は、収納空間30を挟んで天地方向に対面しており、右側面部28と左側面部29は、収納空間30を挟んで台間方向に対面している。
右側面部28と左側面部29は、
図4のように、長手方向(上下方向)に沿って延伸した貫通孔20,21をそれぞれ有している。
貫通孔21は、右側面部28の部材厚方向に貫通した孔であり、貫通孔20は、左側面部29の部材厚方向に貫通した孔である。貫通孔20,21は、ともにスリット形状をしており、上記したように長手方向(上下方向)に沿って延伸している。貫通孔20,21は、互いに台間方向(左右方向)に対応する位置に設けられており、貫通孔20,21は、収納空間30を介して連通している。
【0029】
隙間閉塞部5は、体積膨張及び体積収縮が可能な部材であり、
図4のようにその内部に、内部空間15を有する袋状の弾性体である。具体的には、弾性変形可能なゴム製の袋である。
隙間閉塞部5は、
図4のように内部空間15と連通する開口11を有しており、当該開口11は、壁面形成部3の挿通孔7とほぼ同じ開口形状をしている。
【0030】
栓部材6は、
図4のように挿通孔7を閉塞する部材であり、隙間閉塞部5の内部空間15から気体(空気)が流出することを防止する部材である。
【0031】
空気導入手段8は、公知のポンプであり、
図5(b)のように挿通孔7へ空気を導入する導入部10を有している。
【0032】
続いて、本実施形態の遊技場用設備1の通常の使用状態(隙間閉塞部5が膨らんだ状態)における各部材の位置関係について説明する。
【0033】
壁面形成部3は、
図2のように空間形成部2を覆うように配されている。具体的には、壁面形成部3の表面部23は、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207との間であって、かつ遊技機側内壁部206と台間側内壁部207のそれぞれに対して交差する方向を向いている。また、壁面形成部3は、図示しない締結要素によって、遊技機島201に固定されている。
隙間閉塞部5の大部分は、
図4のように壁面形成部3の収納空間30に収納されており、貫通孔20,21を経由して、隙間閉塞部5の一部が張り出している。すなわち、隙間閉塞部5は、天地方向に延びた突条状に貫通孔20,21から張り出しており、
図5(c)のように遊技機側内壁部206と台間側内壁部207に向かって突出している。
図4のように隙間閉塞部5の開口11と壁面形成部3の挿通孔7は連通して一つの貫通孔を形成しており、当該貫通孔に栓部材6が挿入されている。言い換えると、開口11は、壁面形成部3の挿通孔7と連通した状態で固定されており、その内部に栓部材6が嵌挿している。すなわち、栓部材6は、隙間閉塞部5の内部空間15と外部とを遮断している。
【0034】
栓部材6は、図示しない固定手段によって、挿通孔7の開口を塞ぐように固定されており、特殊な機具を使用しないと栓部材6は取り外し不能となっている。
ここでいう「特殊な機具」とは、通常の遊技には使用しない機具であり、例えば、鍵やハサミなどである。
【0035】
上記したように壁面形成部3は、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207との間の距離よりも幅が若干狭いため、
図5,
図6のように遊技機側内壁部206と壁面形成部3の左側面部29との間及び壁面形成部3の右側面部28と台間側内壁部207との間にそれぞれ隙間12,13が形成されている。言い換えると、遊技機200の並列方向(台間方向)の壁面形成部3の両側には、隙間12,13が形成されている。
具体的には、
図6に示される隙間12,13の幅W(隙間12は図示せず)は、それぞれ0mmより大きく、3mm以下となっている。
隙間12,13が3mmより大きくなると、隙間閉塞部5の外部への露出面積が大きくなりすぎて、遊技者は隙間閉塞部5に対して違和感を生じる可能性がある。
【0036】
続いて、本実施形態の遊技場用設備1の機能について説明する。
遊技場用設備1は、隙間閉塞部5の体積変化によって、遊技機200と壁面形成部3の隙間12及び台間装置205と壁面形成部3の隙間13を閉塞する機能を有している。この機能について、隙間閉塞部5の状態の変化に則して説明する。
【0037】
まず、遊技場用設備1を空間形成部2に取り付けた状態では、
図5(a)のように隙間閉塞部5は、しぼんだ状態となっている。
このとき、隙間閉塞部5は、内部空間15の空気が適度に入っており、体積膨張した状態に比べて体積収縮した状態となっている。また、隙間閉塞部5は、すべて収納空間30内に収納されている。すなわち、隙間閉塞部5は、貫通孔20,21から張り出しておらず、遊技機側内壁部206と台間側内壁部207の間の長さよりも、隙間閉塞部5の幅は小さくなっている。
そのため、遊技場用設備1を空間形成部2に取り付ける際に、隙間閉塞部5が移動の妨げにならない。また、壁面形成部3によって、遊技場用設備1全体の剛性が維持されているため、遊技場用設備1を取り付ける際に変形しにくく、容易に遊技場用設備1を取り付けることが可能となっている。
また、壁面形成部3の表面部23と遊技機200の外枠は、
図6のように面一となっている。壁面形成部3の表面部23と台間装置205は面一となっている。すなわち、壁面形成部3の表面部23は遊技機200及び台間装置205よりも張り出していない。そのため、遊技者の指等が引っ掛かりにくく、遊技場用設備1を外しにくいので、ゴト行為を抑制することが可能である。
【0038】
図5(b)のように、空気導入手段8の導入部10を挿通孔7に取り付けて空気を導入する。すなわち、空気導入手段8によって隙間閉塞部5を膨らます。
このとき、隙間閉塞部5が膨張するにつれて、壁面形成部3の収納空間30を隙間閉塞部5が占有していく。そして、隙間閉塞部5の内部空間15の容積が所定の容積以上に膨張すると、隙間閉塞部5が壁面形成部3の貫通孔20,21を介して隙間12,13を閉塞し、空間形成部2の内外を遮断することとなる。
【0039】
隙間閉塞部5が所定の体積以上まで膨らむと、空気導入手段8を挿通孔7から取り外し、
図5(c)のように当該挿通孔7を栓部材6によって、閉塞する。こうすることによって、上記した通常使用状態となる。
このとき、貫通孔20,21からの隙間閉塞部5の張り出し部位は、隙間12,13を埋めるように遊技機側内壁部206と台間側内壁部207とに接触している。すなわち、隙間12,13を隙間閉塞部5が塞いでおり、隙間12,13から空間形成部2内部の形成空間17にゴミ等の進入や形成空間17を利用したゴト行為を防止している。
【0040】
以上のように遊技場用設備1によれば、隙間12,13を隙間閉塞部5によって塞ぐことが可能であるため、遊技者によるゴト行為やゴミの投げ入れなどの不適切行為を防止することができる。
【0041】
続いて、第2実施形態の遊技場用設備50について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
【0042】
第2実施形態の遊技場用設備50の壁面形成部53は、第1実施形態の遊技場用設備1の壁面形成部3と形状が異なる。
具体的には、遊技場用設備50の壁面形成部53は、
図7のように略長方形状の板状の部材となっている。
壁面形成部53は、従来の化粧板に加工を施して形成される部位であり、所望の模様や表面形状をしている。
壁面形成部53は、
図8のように部材厚方向に貫通した挿通孔57を有している。
挿通孔57は、第1実施形態の挿通孔7と同様の孔であり、空気導入手段8の導入部10を取り付け可能な孔である。
挿通孔57は、
図7,
図8のように、遊技場用設備1を遊技機島201に取り付けた際に、遊技者の視界からずれた位置に設けられており、具体的には、遊技機200の上方又は下方から1/3までの領域に設けられている。そのため、挿通孔7が視界に入りにくく、意匠性を損ねることがない。
壁面形成部53と隙間閉塞部5は、公知の接着剤等の接着手段によって一体化されており、不可分一体となっている。壁面形成部53と隙間閉塞部5は面状に広がりをもって接着されている。
遊技場用設備50は、体積膨張した状態において、隙間閉塞部5が壁面形成部53の外側にまで膨らんで、隙間12,13を塞ぐこととなる。
【0043】
第2実施形態の遊技場用設備50であれば、従来の化粧板に挿通孔57を形成し、隙間閉塞部5を接着するだけで形成できるため、汎用性に優れている。
【0044】
上記した実施形態では、1つの隙間閉塞部5によって、隙間12,13を塞いだが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図9のように複数の隙間閉塞部55によって、隙間12,13を閉塞してもよい。
【0045】
上記した第2実施形態では、隙間閉塞部5が壁面形成部53全体に伸びて、隙間12,13を塞いだが、本発明はこれに限定されるものではなく、隙間閉塞部5の形状を隙間12,13に合わせた形状としてもよい。例えば、
図10のように隙間閉塞部5を環状として、隙間12,13に沿って隙間閉塞部5を設置することによって、少ない空気の導入量で同様の効果を得ることが可能である。
【0046】
上記した実施形態では、挿通孔7から空気導入手段8によって空気を導入して隙間閉塞部5を膨張させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、壁面形成部3と空気導入手段8が一体となっていてもよい。この場合、壁面形成部3に空気を導入するためのスイッチを設けて、自動で膨張させる構成とすることが好ましい。
【0047】
上記した実施形態では、空気導入手段8によって空気を導入したが、本発明はこれに限定されるものではなく、空気の代わりに窒素などの不活性ガスを導入してもよい。
【0048】
上記した実施形態では、空気の導入に起因する隙間閉塞部5の内部の内圧の増加によって、隙間閉塞部5を体積膨張させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、導入する物質の状態変化によって体積膨張をさせてもよい。
【0049】
上記した実施形態では、栓部材と板状部材が別体となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、接続部材を介して栓部材と板状部材が一体となっていてもよい。