(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記溶着手段は、高周波、超音波、熱風、およびホットメルトのうち少なくとも2つを使って溶着することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の筒状体製造装置。
上記成形手段は、上記第1重ね合わせ部および上記第2重ね合わせ部を、封筒貼りまたは合掌貼りで形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の筒状体製造装置。
上記第1溶着手段および上記第2溶着手段を、それぞれ移動可能として第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の間の幅を変更できることを特徴とする請求項2または3に記載の筒状体製造装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来では、1つのフィルムを用いて形成した筒状体が一般的である。しかしながら、2つのフィルムを用いて形成した筒状体によれば、筒状体のデザイン性を高めたり、筒状体の易開封性を高めるために創意工夫したりできる等、筒状体の実施形態の幅がより広がる。しかしながら、筒状体を形成するために用いられていた従来の製造装置は、特許文献1に開示されている製造装置のように、1つのフィルムを用いて筒状体を形成するための装置であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、2つのフィルムからなる筒状体を製造するための筒状体製造装置および筒状体製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る筒状体製造装置は、上記の課題を解決するために、第1高分子フィルムおよび第2高分子フィルムを供給する供給手段と、上記第1高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部に重ね合わせた第1重ね合わせ部と、上記第1高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部に重ね合わせた第2重ね合わせ部とを形成して筒状に成形する成形手段と、上記第1重ね合わせ部と上記第2重ね合わせ部とを溶着する溶着手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、第1高分子フィルムと第2高分子フィルムとからなり、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部において溶着された筒状体が製造される。したがって、本発明の一態様に係る筒状体製造装置により、2つの高分子フィルムからなる筒状体が製造される。これにより、筒状体のデザイン性を高めたり、筒状体の易開封性を高めるために創意工夫したりできる等、筒状体の実施形態の幅がより広がる。
【0009】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造装置においては、上記成形手段は、上記第1重ね合わせ部と上記第2重ね合わせ部とを同時に形成して筒状に成形し、上記溶着手段は、上記第1重ね合わせ部を溶着する第1溶着手段と、上記第2重ね合わせ部を溶着する第2溶着手段と、を備え、上記第1溶着手段および上記第2溶着手段は、上記第1重ね合わせ部の溶着と上記第2重ね合わせ部の溶着とを同時に行う構成であってもよい。
【0010】
上記の構成によれば、本発明の一態様に係る筒状体製造装置では、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の溶着を同時に行っている。このように、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の溶着を同時に行うことにより、筒状体の製造工程を簡素化できると共に、製造に要する時間を短縮することができる。
【0011】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造装置においては、上記溶着手段は、上記第1重ね合わせ部を溶着する第1溶着手段と、上記第2重ね合わせ部を溶着する第2溶着手段と、を備え、上記成形手段は、上記第1重ね合わせ部を形成する第1成形手段と、上記第2重ね合わせ部を形成する第2成形手段とを、備え、上記第2成形手段は、上記第1溶着手段により上記第1重ね合わせ部が溶着された上記第1高分子フィルムおよび上記第2高分子フィルムにおいて、上記第2重ね合わせ部を形成して筒状に成形する構成であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、本発明の一態様に係る筒状体製造装置では、第1重ね合わせ部を溶着した後に、第2重ね合わせ部を溶着している。このように、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の溶着を同時に行わずに別々のタイミングで行っているため、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部それぞれを溶着する際の第1溶着手段および第2溶着手段の大きさの制約を少なくすることができる。
【0013】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造装置においては、上記溶着手段は、高周波、超音波、熱風、およびホットメルトのうち少なくとも1つを使って溶着する構成であってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、溶着手段は1種類の溶着方法だけでなく、複数の溶着方法を用いて溶着を行うことができる。また、第1重ね合わせ部と第2重ね合わせ部とで、異なる溶着方法を組み合わせることもできる。
【0015】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造装置においては、上記成形手段は、上記第1重ね合わせ部および上記第2重ね合わせ部それぞれを、封筒貼りまたは合掌貼りで形成する構成であってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部における第1高分子フィルムおよび第2高分子フィルムを、種々の貼り合わせ方法で貼り合わせることができる。
【0017】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造装置においては、上記第1溶着手段および上記第2溶着手段を、それぞれ移動可能として第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の間の幅を変更できる構成であってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、筒状体を構成する第1高分子フィルムおよび第2高分子フィルムの幅に応じて第1溶着手段および第2溶着手段を移動することができるので、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の間の幅(溶着幅)を変更できる。
【0019】
さらに、本発明の一態様に係る筒状体製造方法は、上記の課題を解決するために、第1高分子フィルムおよび第2高分子フィルムを供給する供給工程と、上記第1高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部に重ね合わせた第1重ね合わせ部と、上記第1高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部に重ね合わせた第2重ね合わせ部とを形成して筒状に成形する成形工程と、上記第1重ね合わせ部と上記第2重ね合わせ部とを溶着する溶着工程と、を含むことを特徴としている。
【0020】
上記の方法によれば、上記筒状体製造装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、第1高分子フィルムと第2高分子フィルムとからなり、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部において溶着された筒状体が製造される。したがって、本発明の一態様に係る筒状体製造装置により、2つの高分子フィルムからなる筒状体が製造される。これにより、筒状体のデザイン性を高めたり、筒状体の易開封性を高めるために創意工夫したり等、筒状体の実施形態の幅がより広がる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面に基づいて、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明において、「溶着」とは単にフィルム同士を溶かして着けることをいい、「シール」とは筒状体(あるいは包装体)内の内容物を密封する目的でフィルムおよび/またはテープを溶着することをいうものとする。通常は溶着してもシールされるとは限らないが、シールした場合には溶着を伴う。
【0024】
〔第1の実施形態〕
(筒状体製造部分の構成)
図1は、本実施形態に係る包装体製造装置1の構成図である。包装体製造装置1は、ソーセージやスティックチーズ等の内容物が充填された包装体を製造する装置である。
図1の構成図を参照して、本実施形態に係る包装体製造装置1について説明する。
【0025】
図1の紙面上の上下は実際の鉛直方向の上下に対応し、後述の筒状体FT1は図中において上から下に流れるように走行する。すなわち、図中の上が充填包装作業における筒状体FT1の走行方向の上流側に相当し、図中の下が走行方向の下流側に相当する。
【0026】
本実施形態に係る包装体製造装置1では、2つの帯状の二軸延伸性の高分子フィルムを用いて筒状体FT1を製造する。以下では、説明の便宜上、一方の高分子フィルムを帯状フィルムF(第1高分子フィルム)と称し、他方の高分子フィルムを帯状テープT(第2高分子フィルム)と称す。包装体製造装置1では、フィルム原反21、ガイドローラ22A、およびガイドローラ22Bにより、フィルム原反供給装置20A(供給手段)が構成されている。同様に、テープ原反101、ガイドローラ102A、およびガイドローラ102Bにより、テープ原反供給装置100A(供給手段)が構成されている。
【0027】
ロール状に巻かれた帯状フィルムFは、フィルム原反21として回転自在に支持されている。フィルム原反21から引き出された帯状フィルムFは、ガイドローラ22A,22Bに案内されて走行し、フォーミングプレート11(成形手段)に導かれる。同じく、ロール状に巻かれた帯状テープTは、テープ原反101として回転自在に支持されている。テープ原反101から引き出された帯状テープTは、ガイドローラ102A,102Bに案内されて走行し、フォーミングプレート11に導かれる。ここで、フォーミングプレート11の上流側において、帯状フィルムFと帯状テープTとが合わさって、フォーミングプレート11に導かれる。帯状フィルムFならびに帯状テープTの材質は、特に問わない。
【0028】
フォーミングプレート11は、上下に開口する円筒形状を有しており、周方向の一箇所において縦方向に延びる円周方向の隙間を有している。そして、フォーミングプレート11の上端縁は湾曲傾斜している。これにより、帯状フィルムFおよび帯状テープTは、フォーミングプレート11の内面に沿うように案内されることにより、長手方向に伸びる互いの側縁同士を重ね合わせた重ね合わせ部Fp1(第1重ね合わせ部)および重ね合わせ部Fp2(第2重ね合わせ部)を有する連続した筒状体FT1に形成される。
図2に、
図1における筒状体FT1のA1−A2矢視断面を示す断面図を示す。
図2に示すように、筒状体FT1は、帯状フィルムFの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部を、帯状テープTの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部に重ね合わせた重ね合わせ部Fp1と、帯状フィルムFの上記2つの側縁部の他方の側縁部を、帯状テープTの上記2つの側縁部の他方の側縁部に重ね合わせた重ね合わせ部Fp2とを形成して筒状に成型されている。
【0029】
フォーミングプレート11の下流側には、案内筒12が垂下げられ、筒状体FT1はその筒状の形を保ったまま案内筒12に走行案内される。案内筒12に案内された筒状体FT1の重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2は、縦接合装置13(溶着手段)により、同時に溶着される。なお、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2が溶着されるとは、重ね合わせ部において重なっている帯状フィルムFと帯状テープTとが溶着されるという意味である。縦接合装置13は、重ね合わせ部Fp1を溶着する第1溶着部(第1溶着手段)と、重ね合わせ部Fp2を溶着する第2溶着部(第2溶着手段)とを備えている。第1溶着部および第2溶着部が溶着を同時に行うことにより、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2が同時に溶着される。
【0030】
図1における縦接合装置13は、高周波誘電加熱によって溶着する装置であるが、縦接合装置13による溶着手段はそれに限らず、超音波溶着、抵抗加熱溶着、熱風加熱溶着、ホットメルト溶着、レーザー加熱溶着、あるいはその他の溶着手段を用いて溶着してもよい。また、
図2においては、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2はいわゆる封筒貼りで溶着されているが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の溶着は、いわゆる合掌貼りであってもよいし、いずれか一方が封筒貼りであり、他方が合掌貼りであってもよい。このように、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2それぞれを、種々の貼り合わせ方法で貼り合わせることができる。封筒貼りの場合、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2では、帯状テープTの端部が帯状フィルムFの端部の上に重ねられていてもよいし、下に重ねられていてもよい。縦接合装置13の詳細については、後述する。
【0031】
また、帯状テープTおよび帯状フィルムFそれぞれの長手方向に伸びる2つの側端部は、
図2に示すように溶着させなくてもよい。例えば、筒状体FT1の開封時等に、溶着されていない側端部を手指で掴む掴み代として利用することができる。なお、この掴み代の長さは適宜変更可能であるし、必ずしも設けなくてもよい。
【0032】
なお、上述した帯状フィルムFを供給するフィルム原反供給装置20A、帯状テープTを供給するテープ原反供給装置100A、フォーミングプレート11、および縦接合装置13を有する装置が、筒状体FT1を製造する筒状体製造装置に相当する。
【0033】
(包装体製造部分の構成)
フォーミングプレート11の上流側には、形成された筒状体FT1に内容物Cを充填するポンプ31とノズル32とを備える充填装置30が設けられている。ノズル32は、フォーミングプレート11の上流側に設置されたポンプ31に接続され、先端が案内筒12内へ導入されている。ノズル32の先端は、縦接合装置13より下流側で開口している。
【0034】
案内筒12およびノズル32の下流側に、送り装置である一対の送りローラ14が設けられている。送りローラ14は、形成された筒状体FT1内に内容物Cが充填された筒状体FT1を、内容物Cを押圧した状態で下流側へ連続して狭圧搬送する。
【0035】
送りローラ14の下流側には、しごきローラ41を有するしごき装置40が設けられている。しごき装置40のしごきローラ41は、腕体42により支持されており、
図1において紙面に対して垂直方向に伸びる筒形状を有している。
【0036】
しごきローラ41は、筒状体FT1を部分的に扁平にする。この際、筒状体FT1を扁平にすることによって形成される扁平面(不在部15b)の片面に重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2が収まるように扁平される。一対の横部材43が互いに近接する方向に移動すると、一対のしごきローラ41により筒状体FT1は狭圧される。横部材43が互いに離間する方向へ後退すると、しごきローラ41は筒状体FT1を狭圧することはなくなる。この結果、走行する筒状体FT1に、走行方向において所定の距離だけ内容物Cが存在しない不在部15bが形成される。この不在部15bを封止したり結紮したりして閉じ、カッター等で切断することにより、包装体に個片化される。
【0037】
(縦接合装置13の構成)
以下では、縦接合装置13について詳細に説明する。
図3は、
図1における縦接合装置13が重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図である。上述したように、縦接合装置13は高周波誘電加熱によって溶着する装置である。したがって、
図3に示すように、縦接合装置13は、第1溶着部および第2溶着部として高周波誘電加熱によって溶着する高周波誘電加熱溶着部16,17を有している。そして、高周波誘電加熱溶着部16による重ね合わせ部Fp1の溶着と、高周波誘電加熱溶着部17による重ね合わせ部Fp2の溶着とが、同時に行われる。
【0038】
上述したように、縦接合装置13に高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いてもよい。
図4は、高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いて溶着する様子を示す図であり、(a)は、超音波溶着によって溶着する縦接合装置13aが重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図であり、(b)は、超音波溶着および高周波誘電加熱によって溶着する縦接合装置13bが重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図であり、(c)は熱風加熱によって溶着する縦接合装置13cが重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図である。
【0039】
図4(a)に示すように、縦接合装置13aは超音波溶着によって溶着する装置なので、縦接合装置13aは、第1溶着手段および第2溶着手段として超音波溶着によって溶着する超音波溶着部16a,17aを有している。そして、
図3と同様、超音波溶着部16aによる重ね合わせ部Fp1の溶着と、超音波溶着部17aによる重ね合わせ部Fp2の溶着とが、同時に行われる。
【0040】
また、重ね合わせ部Fp1の溶着および重ね合わせ部Fp2の溶着は、同じ溶着手段による溶着に限られない。例えば、
図4(b)に示すように、第1溶着手段として超音波溶着によって溶着する超音波溶着部16bと、第2溶着手段として高周波誘電加熱によって溶着する高周波誘電加熱溶着部17bとを有する縦接合装置13bを用いて溶着してもよい。その場合は、超音波溶着部16bによる重ね合わせ部Fp1の溶着と、高周波誘電加熱溶着部17bによる重ね合わせ部Fp2の溶着とが、同時に行われる。なお、
図4(b)では、超音波溶着と高周波誘導加熱溶着とを組み合わせる構成を例に挙げたが、この組み合わせに限定されるわけではない。
【0041】
また、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2は、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2に接触しない溶着手段によって溶着してもよい。例えば、
図4(c)に示すように、第1溶着手段および第2溶着手段として熱風加熱によって溶着する熱風加熱溶着部16c,17cを有する縦接合装置13cを用いて溶着してもよい。この場合は、熱風加熱溶着部16cによる重ね合わせ部Fp1の溶着と、熱風加熱溶着部17cによる重ね合わせ部Fp2の溶着とが、同時に行われる。
【0042】
ここで、縦接合装置13の第1溶着部と第2溶着部とは、それぞれ移動可能に構成されていることが好ましい。これは、帯状フィルムFおよび帯状テープTの幅に応じて重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の位置が変わるためである。第1溶着部および第2溶着部を重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の位置に応じて移動することにより、帯状フィルムFおよび帯状テープの幅に変動が生じても対応が可能となり、溶着幅(重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の間の幅)を変更することができる。
【0043】
包装体製造装置1では、帯状フィルムFと帯状テープTとからなり、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2において溶着された筒状体FT1が製造される。したがって、包装体製造装置1により、2つの高分子フィルムからなる筒状体FT1が製造される。これにより、筒状体FT1のデザイン性を高めたり、筒状体FT1の易開封性を高めるために創意工夫したり等、筒状体FT1の実施形態の幅がより広がる。
【0044】
さらに、包装体製造装置1では、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の溶着を同時に行っている。このように、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の溶着を同時に行うことにより、筒状体FT1の製造工程を簡素化できると共に、製造に要する時間を短縮することができる。
【0045】
(包装体80の構成)
図5は、本実施形態に係る包装体製造装置1が製造する包装体80の図である。以上で説明した包装体製造装置1によって、
図5に示す包装体80が製造される。上述したように、包装体80は、筒状体FT1を用いて製造されるため、筒状体1と同様、2つの高分子フィルムを用いて形成されている。これにより、包装体80に関しても、そのデザイン性を高めたり、その易開封性を高めるために創意工夫したり等、包装体80の実施形態の幅がより広がる。
【0046】
〔第2の実施形態〕
(包装体製造装置1Aの構成)
図6は、本実施形態に係る包装体製造装置1Aの構成図である。包装体製造装置1Aは、第1の実施形態の包装体製造装置1と同様、ソーセージやスティックチーズ等の内容物が充填された包装体を製造する装置である。
図6の構成図を参照して、本実施形態に係る包装体製造装置1Aについて説明する。なお、以下の説明においては、上述した第1の実施形態と同一の機能および作用を示す部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0047】
本実施形態に係る包装体製造装置1Aにおいても、帯状フィルムFおよび帯状テープTを用いて筒状体FT1を製造する。包装体製造装置1Aでは、フィルム原反21、テープ原反101、およびガイドローラ22Aにより、フィルム原反供給装置20B(供給手段)が構成されている。
【0048】
ロール状に巻かれた帯状のフィルムFは、フィルム原反21として回転自在に支持されている。フィルム原反21から引き出された帯状フィルムFは、ガイドローラ22Aに案内され、フォーミングプレート11(第2成形手段)の上流において、縦接合装置13A(第1成形手段,第1溶着手段)に導かれる。同じく、ロール状に巻かれた帯状テープTは、テープ原反101として回転自在に支持されている。テープ原反101から引き出された帯状テープTは、帯状フィルムFと同様にガイドローラ22Aに案内され、フォーミングプレート11の上流において、縦接合装置13Aに導かれる。
図6における縦接合装置13Aは、高周波誘電加熱によって溶着する装置であるが、第1の実施形態1の縦接合装置13と同様、溶着手段はそれに限らない。
【0049】
縦接合装置13Aは、帯状フィルムFおよび帯状テープTの長手方向に伸びる互いの側縁部の一方の側縁部同士を重ね合わせた重ね合わせ部Fp1を有する帯状体FT0を形成する。
図7に、
図6における帯状体FT0のC1−C2矢視断面を示す断面図を示す。
図7に示すように、帯状体FT0は、帯状フィルムFの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部を、帯状テープTの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部に重ね合わせた重ね合わせ部Fp1を形成する。そして、縦接合装置13Aが、重ね合わせ部Fp1を溶着することによって、帯状体FT0が形成される。
【0050】
重ね合わせ部Fp1が溶着された帯状体FT0は、ガイドローラ22Bにより、フォーミングプレート11に導かれる。帯状体FT0は、フォーミングプレート11の内面に沿うように案内されることにより、帯状フィルムFおよび帯状テープTそれぞれにおいて長手方向に伸びる側縁部のうち、溶着されていない側縁部同士を重ね合わせた重ね合わせ部Fp2を有する連続した筒状体FT1に形成される。なお、筒状体FT1のB1−B2矢視断面を示す断面図は、第1の実施形態の筒状体FT1の断面図である
図2と同じため、ここでは図示を省略する。
【0051】
フォーミングプレート11の下流側には、案内筒12が垂下げられ、筒状体FT1はその筒状の形を保ったまま案内筒12に走行案内される。案内筒12に案内された筒状体FT1の重ね合わせ部Fp2は、縦接合装置13B(第2溶着手段)により、溶着される。
図6における縦接合装置13Aは、高周波誘電加熱によって溶着する装置であるが、第1の実施形態の縦接合装置13と同様、溶着手段はそれに限らない。また、
図7においては、帯状体FT0の重ね合わせ部Fp1は封筒貼りで溶着されているが、第1実施形態1と同様、合掌貼りで溶着されていてもよい。筒状体FT1の重ね合わせ部Fp2についても同様である。
【0052】
なお、筒状体FT1を形成した後、包装体80を形成するまでの包装体製造装置1Aの構成は、第1の実施形態の包装体製造装置1と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0053】
(縦接合装置13Aの構成)
以下では、縦接合装置13Aについて詳細に説明する。
図8(a)は、
図6における縦接合装置13Aが帯状体FT0の重ね合わせ部Fp1を溶着する様子を示す図である。上述したように、縦接合装置13Aは高周波誘電加熱によって溶着する装置である。したがって、
図8(a)に示すように、縦接合装置13Aは高周波誘電加熱溶着部16Aを有している。そして、高周波誘電加熱溶着部16Aは、重ね合わせ部Fp1のみを溶着する。
【0054】
上述したように、縦接合装置13Aに高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いてもよい。
図8(b)および(c)は、高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いて溶着する様子を示す図であり、(b)は、超音波溶着によって溶着する縦接合装置13Aaが重ね合わせ部Fp1を溶着する様子を示す図であり、(c)は、熱風加熱によって溶着する縦接合装置13Abが重ね合わせ部Fp1を溶着する様子を示す図である。
【0055】
図8(b)に示すように、縦接合装置13Aaは超音波溶着によって溶着する装置なので、縦接合装置13Aaは、超音波溶着部16Aaを有している。そして、
図8(a)と同様、超音波溶着部16Aaは、重ね合わせ部Fp1のみを溶着する。
【0056】
また、重ね合わせ部Fp1は、第1の実施形態と同様、重ね合わせ部Fp1に接触しない溶着手段によって溶着してもよい。例えば、
図8(c)に示すように、熱風加熱によって溶着する熱風加熱溶着部16Abを有する縦接合装置13Abを用いて溶着してもよい。この場合も、
図8(a)および(b)と同様、熱風加熱溶着部16Abは、重ね合わせ部Fp1のみを溶着する。
【0057】
(縦接合装置13Bの構成)
続いて、縦接合装置13Bについて詳細に説明する。
図9(a)は、
図6における縦接合装置13Bが筒状体FT1の重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図である。上述したように、縦接合装置13Bは高周波誘電加熱によって溶着する装置である。したがって、
図9(a)に示すように、縦接合装置13Bは高周波誘電加熱溶着部17Bを有している。そして、高周波誘電加熱溶着部17Bは、重ね合わせ部Fp2のみを溶着する。
【0058】
上述したように、縦接合装置13Bに高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いてもよい。
図9(b)および(c)は、高周波誘電加熱以外の溶着手段を用いて溶着する様子を示す図であり、(b)は、超音波溶着によって溶着する縦接合装置13Baが重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図であり、(c)は、熱風加熱によって溶着する縦接合装置13Bbが重ね合わせ部Fp2を溶着する様子を示す図である。
【0059】
図9(b)に示すように、縦接合装置13Baは超音波溶着によって溶着する装置なので、縦接合装置13Baは、超音波溶着部17Baを有している。そして、
図9(a)と同様、超音波溶着部16Aaは、重ね合わせ部Fp2のみを溶着する。
【0060】
また、重ね合わせ部Fp2は、第1の実施形態と同様、重ね合わせ部Fp2に接触しない溶着手段によって溶着してもよい。例えば、
図9(c)に示すように、熱風加熱によって溶着する熱風加熱溶着部17Bbを有する縦接合装置13Bbを用いて溶着してもよい。この場合も、
図9(a)および(b)と同様、熱風加熱溶着部17Bbは、重ね合わせ部Fp2のみを溶着する。
【0061】
なお、第1の実施形態と同様に、重ね合わせ部Fp1の溶着および重ね合わせ部Fp2の溶着は、同じ溶着手段による溶着に限られない。したがって、縦接合装置13Aと縦接合装置13Bとでは、互いに異なる溶着手段を用いて溶着を行ってもよい。
【0062】
ここで、縦接合装置13Aと縦接合装置13Bとは、それぞれ移動可能に構成されていることが好ましい。これは、帯状フィルムFおよび帯状テープTの幅に応じて重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の位置が変わるためである。縦接合装置13Aおよび縦接合装置13Bを重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の位置に応じて移動することにより、帯状フィルムFおよび帯状テープの幅に変動が生じても対応が可能となり、溶着幅を変更することができる。
【0063】
包装体製造装置1Aでは、帯状フィルムFと帯状テープTとからなり、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2において溶着された筒状体FT1が製造される。したがって、包装体製造装置1により、2つの高分子フィルムからなる筒状体FT1が製造される。これにより、筒状体FT1のデザイン性を高めたり、筒状体FT1の易開封性を高めるために創意工夫したり等、筒状体FT1の実施形態の幅がより広がる。包装体80についても同様である。
【0064】
さらに、包装体製造装置1Aでは、重ね合わせ部Fp1を溶着した後に、重ね合わせ部Fp2を溶着している。このように、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2の溶着を同時に行わずに別々のタイミングで行っているため、重ね合わせ部Fp1および重ね合わせ部Fp2それぞれを溶着する際の縦接合装置13A,13Bの大きさの制約を少なくすることができる。
【0065】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0066】
例えば、以上では本発明に係る筒状体製造装置の実施形態を説明するために、包装体製造装置の詳細な実施形態を2つ挙げたが、これらの実施形態はあくまで一例である。したがって、本発明に係る筒状体製造装置は、第1高分子フィルムおよび第2高分子フィルムを供給する供給手段と、上記第1高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの長手方向に伸びる2つの側縁部の一方の側縁部に重ね合わせた第1重ね合わせ部と、上記第1高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部を、上記第2高分子フィルムの上記2つの側縁部の他方の側縁部に重ね合わせた第2重ね合わせ部とを形成して筒状に成形する成形手段と、上記第1重ね合わせ部と上記第2重ね合わせ部とを溶着する溶着手段と、を備えていればよい。
【0067】
ここで、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部の溶着は、溶着回数に差があってもよい。例えば、第1重ね合わせ部は高周波誘導加熱によって1回溶着し、第2重ね合わせ部は超音波溶着によって2回溶着し、2つの溶着線が形成されてもよい。こうすることにより、第1重ね合わせ部および第2重ね合わせ部のシール強度に差をつけることができる。この場合、第1の実施形態に係る縦接合装置13に3つの溶着部を設けて、3つの溶着線を同時に形成してもよいし、第2の実施形態に係る縦接合装置13A,13Bの他に1つの溶着部を持つ縦接合装置を用いて、3つの溶着線を別々に形成してもよい。あるいは、第1実施形態の縦接合装置13と第2実施形態の縦接合装置13Aまたは縦接合装置13Bとを用いて、3つの溶着線のうち2つの溶着線を同時に形成し、残りの1つの溶着線を後から形成してもよく、3つの溶着線を形成するタイミングならびに順序に特に限定はない。また、形成される溶着線は2つに限定されず、複数(2つ以上)であってもよい。