(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173180
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】マイクロホン及びマイクロホン装置
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20170724BHJP
H04R 19/04 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
H04R3/00 320
H04R19/04
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-236616(P2013-236616)
(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公開番号】特開2015-97312(P2015-97312A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2016年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(72)【発明者】
【氏名】秋野 裕
【審査官】
渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−524332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00− 3/14
H04R 11/00−11/06
H04R 11/14
H04R 13/00−15/02
H04R 19/00−19/04
H04R 21/00−21/02
H04R 23/00−23/02
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンユニットと、
上記マイクロホンユニットから出力される信号を平衡出力するHOT端子とCOLD端子とを有して構成され、出力回路に対して上記信号を出力する出力端子と、
を有するマイクロホンであって、
上記マイクロホンユニットと上記HOT端子とが接続され、
上記マイクロホンユニットと上記COLD端子との間にのみローパスフィルタが配置され、
上記HOT端子は、上記マイクロホンユニットの出力信号を出力し、
上記COLD端子は、上記マイクロホンユニットの出力信号を、上記ローパスフィルタを通して出力する、
ことを特徴とするマイクロホン。
【請求項2】
上記マイクロホンユニットの後段にはインピーダンス変換器が配置されていて、
上記ローパスフィルタは、上記インピーダンス変換器と上記COLD端子との間に
配置されている、
請求項1記載のマイクロホン。
【請求項3】
上記インピーダンス変換器と上記HOT端子との間と、上記ローパスフィルタと上記COLD端子との間には、それぞれ出力アンプが配置されている、
請求項2記載のマイクロホン。
【請求項4】
マイクロホンと、マイクロホンから入力される信号を混合して出力するミキサ回路を備える出力回路と、を有してなるマイクロホン装置であって、
上記マイクロホンは、請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロホンであり、
上記ミキサ回路は、上記マイクロホンが備えるHOT端子の出力信号から、上記マイクロホンが備えるCOLD端子の出力信号を減算して出力する、
マイクロホン装置。
【請求項5】
マイクロホンと、マイクロホンから入力される信号を混合して出力するミキサ回路を備える出力回路と、を有してなるマイクロホン装置であって、
上記マイクロホンは、請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロホンであり、
上記ミキサ回路は、ローパスフィルタとCOLD端子との間に接続された位相反転回路を備え、上記マイクロホンが備えるHOT端子の出力信号と上記COLD端子の出力信号を加算して出力する、
マイクロホン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロホンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロホン(特に、コンデンサマイクロホン)の出力に含まれる風雑音や振動雑音を低減させるために、マイクロホンの出力回路の前段にはフィルタ回路が配置される。風雑音や振動雑音は、低い周波数成分(低域成分)が主であるから、ハイパスフィルタ(ローカットフィルタ)が用いられる。
【0003】
コンデンサマイクロホンユニットの出力インピーダンスは高いので、これを低くするために、コンデンサマイクロホンユニットの出力側にはインピーダンス変換器が配置される。このインピーダンス変換器には、主にFET(電界効果トランジスタ)が用いられる。低域減衰用のハイパスフィルタは、インピーダンス変換器の後段と出力回路との間に配置される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9は、従来のマイクロホンの構成例を示す回路図である。
図9に示すように、マイクロホン100は、コンデンサマイクロホンユニットであるマイクロホンユニット1と、インピーダンス変換器2と、ハイパスフィルタ30と、出力アンプ4と、を有してなる。
【0005】
マイクロホン100の出力は、平衡出力(バランス出力)であって、その出力端子は、HOT端子5と、コールド端子6と、接地端子7と、を有する3ピン構成である。HOT端子5からはマイクロホンユニット1の正相出力が出力され、COLD端子6からはマイクロホンユニット1の逆相出力が出力される。
【0006】
インピーダンス変換器2からハイパスフィルタ30を見たとき、ハイパスフィルタ30はインピーダンス変換器2に対する負荷になる。そこで、インピーダンス変換器2により低くなったマイクロホンユニット1の出力インピーダンスに合わせてハイパスフィルタ30の入力インピーダンスを低く設計することが考えられる。ところが、ハイパスフィルタ30の入力インピーダンスを低く設計すると、インピーダンス変換器2から出力される信号が歪む要因になる。
【0007】
また、ハイパスフィルタ30の出力インピーダンスは高くなるので、ハイパスフィルタ30の後段に配置される出力アンプ4には、トランジスタを用いたエミッタフォロワ回路による緩衝増幅器が用いられる。しかし、この出力アンプ4において、ハイパスフィルタ30の出力インピーダンスが高いことに起因する雑音レベルが上昇する。特に、ハイパスフィルタ30の遮断周波数以下の出力インピーダンスは高くなるから、遮断周波数以下における雑音レベルが高くなる。
【0008】
ハイパスフィルタ30は、マイクロホンユニット1の出力に直列するコンデンサC30と、マイクロホンユニット1の出力に並列する抵抗R30とによって構成される。マイクロホンユニット1から出力される信号の周波数が低いときは、コンデンサC30によるインピーダンスが高くなり、出力アンプ4側に信号は出力されない。
【0009】
一方、マイクロホンユニット1から出力される信号の周波数が高くなると、コンデンサC30のインピーダンスは低くなり、出力アンプ4側に信号が出力される。このように、ハイパスフィルタ30によって出力アンプ4側に信号が出力されない又は出力される境界となる周波数が、遮断周波数である。
【0010】
したがって、マイクロホンユニット1から出力される信号の周波数が遮断周波数よりも高いときは、コンデンサC30によるインピーダンスは無視できる程度に小さくなり、抵抗R30によるインピーダンスが、出力アンプ4から見たマイクロホンユニット1側の出力インピーダンスになる。ここで、抵抗R30によるインピーダンスが高ければ高いほど、マイクロホンユニット1側からの雑音レベルが大きくなる。一般に、ハイパスフィルタ30の抵抗R30によるインピーダンスの方が、インピーダンス変換器2の出力インピーダンスよりも大きいので、出力アンプ4の前段にハイパスフィルタ30を配置すると、マイクロホンユニット1から出力される信号の周波数が高くなるにつれて、出力アンプ4から出力される雑音のレベルが高くなる。
【0011】
また、出力アンプ4の出力インピーダンスは、出力アンプ4をエミッタフォロワによって構成するときに用いるトランジスタの電流増幅率(h
FE)の逆数を掛けた値になる。したがって、マイクロホンユニット1の出力インピーダンスが仮に10Ωであって、トランジスタのh
FEが100であれば、出力アンプ4の出力インピーダンスは、1/10Ωになる。上記にて説明したように、マイクロホンユニット1の出力信号の周波数が、遮断周波数よりも高くなると、出力アンプ4から見たマイクロホンユニット1側のインピーダンスは、ハイパスフィルタ30を構成する抵抗R30の値になる。抵抗R30が仮に10kΩであるとすると、出力アンプ4の出力インピーダンスは、1kΩになる。
【0012】
出力インピーダンスが1kΩだとすると、50Hz程度の外来雑音がマイクロホンコード(不図示)に静電結合して雑音が出力され易くなる。
【0013】
以上にて説明した課題を解決するには、インピーダンス変換器2の後段に接続される回路のインピーダンスを低くしても出力が歪むことなく、また、フィルタ回路のインピーダンスに起因する雑音も発生しないマイクロホンが望ましい。また、フィルタ回路の遮断周波数以下の帯域においても出力インピーダンスを低くすることができるマイクロホンが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2001−238287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで本発明は、低域成分を低減させつつ、出力信号の周波数により出力インピーダンスが大きくならず、かつ、高いダイナミックレンジを得ることができるマイクロホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明
に係るマイクロホンは、マイクロホンユニットと、上記マイクロホンユニットから出力される信号を平衡出力するHOT端子とCOLD端子とを有して構成され、出力回路に対して上記信号を出力する出力端子とを有
し、上記マイクロホンユニットと上記HOT端子とが接続され、上記マイクロホンユニットと上記COLD端子との間にのみローパスフィルタが配置され、上記HOT端子は、上記マイクロホンユニットの出力信号を出力し、上記COLD端子は、上記マイクロホンユニット
の出力信号を、上記ローパスフィルタ
を通して出力する、ことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低域成分を低減させつつ、出力信号の周波数により出力インピーダンスが大きくならず、かつ、高いダイナミックレンジを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るマイクロホンの実施形態を示す回路図である。
【
図2】上記マイクロホンにおける信号波形の例を示す図であって、(a)HOT端子から出力される信号、(b)COLD端子から出力される信号、(c)ミキサ回路の出力端子から出力される信号、の例である。
【
図3】上記マイクロホンの周波数応答を測定するための測定回路の例を示す回路図である。
【
図4】上記測定回路を用いて測定した周波数応答の例を示すグラフである。
【
図5】上記測定回路を用いて測定した全高調波歪率の測定例を示すグラフである。
【
図6】上記測定回路を用いて測定した雑音スペクトルの測定例を示すグラフである。
【
図7】従来のマイクロホンの周波数応答を測定するための測定回路の例を示す回路図である。
【
図8】上記測定回路を用いて測定した周波数応答の例を示すグラフである。
【
図9】従来のマイクロホンの構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るマイクロホンの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るマイクロホン10の構成の例を示す回路図である。
図1に示すように、マイクロホン10は、マイクロホンユニット1と、マイクロホンユニット1の後段に配置されるインピーダンス変換器2と、ローパスフィルタ3と、出力アンプ4−1及び出力アンプ4−2と、を有してなる。マイクロホンユニット1は、例えば、コンデンサマイクロホンユニットである。
【0020】
マイクロホン10は、平衡出力(バランス出力)である。したがって、出力端子は、HOT端子5と、COLD端子6と、接地端子7と、を含む3ピンから構成されている。マイクロホンユニット1の出力端とHOT端子5との間には、インピーダンス変換2と出力アンプ4−1が直列接続されていて、フィルタ回路は配置されていない。一方、マイクロホンユニット1の出力端とCOLD端子6との間には、インピーダンス変換器2、出力アンプ4−1、ローパスフィルタ3、出力アンプ4−2がこの順番に直列接続されている。すなわち、マイクロホンユニット1とCOLD端子6との間には、高域成分を低減させるフィルタ回路が配置されている。したがって、COLD端子6から出力される信号は、マイクロホンユニット1から出力される信号から高域成分がカットされている信号である。
【0021】
HOT端子5とCOLD端子6は、出力回路に備えられるミキサ回路20の入力端子に接続される。すなわち、マイクロホン10の各出力端子(HOT端子5とCOLD端子6)から出力される信号は、ミキサ回路20に入力される。ミキサ回路20は、入力された信号を混合して出力する。例えば、ミキサ回路20に入力された各信号(HOT端子5から出力された信号と、COLD端子6から出力された信号)は、減算されて出力端子8から出力される。
【0022】
図2は、マイクロホン10における信号波形の例を示す図である。
図2(a)は、マイクロホン10のHOT端子5から出力される信号波形の例を示している。
図2(b)は、マイクロホン10のCOLD端子6から出力される信号波形の例を示している。
図2(c)は、ミキサ回路20の出力端子8から出力される信号波形の例を示している。なお、
図2の各図における横軸は、信号の周波数を示し、縦軸は信号のレベルを示している。
【0023】
図2(a)に示すように、HOT端子5から出力される信号は、フィルタ回路を介するものではないから、周波数に対する信号レベルが一定である。一方、
図2(b)に示すように、COLD端子6から出力される信号は、ローパスフィルタ3を介する信号である。したがって、COLD端子6から出力される信号は、低域成分は出力されるが、周波数が高くなるにつれて出力レベルは減衰し、高域成分は出力されない。
【0024】
マイクロホン10の出力回路が備えるミキサ回路20は、例えば、HOT端子5から出力される信号からCOLD端子6から出力される信号を減算して出力する。したがって、ミキサ回路20からの出力信号が出力される出力端子8からは、低域成分は相殺されて出力されず、かつ、高域成分は相殺されずに出力される信号が出力される。この出力端子8から出力される信号は、
図2(c)に示すようになる。以上のように、マイクロホン10は、出力信号の低域成分がカットされて、雑音の成分は減衰される。
【0025】
なお、出力回路4−2の出力信号を反転する位相反転回路を出力回路4−2の後段に接続し、ミキサ回路20を加算器により構成してもよい。この場合、HOT端子5からはマイクロホンユニット1の正相成分が出力され、COLD端子6からはマイクロホンユニット1の逆相成分であり、かつ、高域成分がカットされた信号が出力される。
【0026】
したがって、ミキサ回路20によって加算合成されて出力される信号は、正相成分と逆相成分との差分となる。したがって、ミキサ回路20の出力端子8から出力される信号は、
図2(c)に示すように、HOT端子5から出力される信号とCOLD端子6から出力される信号を合成した信号になる。すなわち、低域成分は相殺されて出力されず、高域成分のみが出力される。
【0027】
次に、本実施形態に係るマイクロホン10の特性と、従来のマイクロホンの特性とを比較して説明する。以下に示す特性は、所定の同一条件下で測定した結果を例示したものである。
【0028】
図3は、マイクロホン10を用いた測定回路の例である。
図4は、
図3に示した測定回路を用いてマイクロホン10の周波数応答を測定した例を示すグラフである。また、
図7は、従来のマイクロホン100を用いた測定回路の例である。
図8は、
図7に示した測定回路を用いて従来のマイクロホン100の周波数応答を測定した例を示すグラフである。
図4及び
図8はいずれも、それぞれの測定回路に負荷抵抗として100kΩと600Ωを接続した場合の周波数応答であって、横軸は入力周波数、縦軸が出力信号のレベルを示している。
【0029】
図8に示すように、従来のマイクロホン100であれば、負荷抵抗の大きさにより出力信号のレベルが大きく変化している。この出力レベルの違いから、各周波数におけるマイクロホン100の出力インピーダンスを算出することができる。例えば、周波数が1kHzのときの出力インピーダンスは34Ωであるが、出力レベルが3dBほど減衰する周波数(
図8では概ね150Hz)における出力インピーダンスは56Ωである。また、周波数が50Hzのときの出力インピーダンスは121Ωである。このように、従来のマイクロホン100においては、フィルタ回路の遮断周波数を超えると出力インピーダンスが大きくなる傾向がある。
【0030】
これに対して、本実施形態に係るマイクロホン10の周波数応答は、
図4に示すように、負荷抵抗を100kΩとしても600Ωとしても、各周波数における出力レベルの差は小さい。これに基づいて、マイクロホン10の出力インピーダンスを算出すると、周波数が1kHzのときの出力インピーダンスは48Ωである。また、出力レベルが3dB減衰する周波数(
図4では概ね90Hz)における出力インピーダンスは35Ωである。また、周波数が50Hzのときの出力インピーダンスは36Ωである。
【0031】
すなわち、マイクロホン10では、ローパスフィルタ3を備えていても、その遮断周波数を超えた周波数において出力インピーダンスが大きく変化することはなく、周波数によらず、出力インピーダンスは一定である。しかも、マイクロホン10の出力インピーダンスは、低い値で保たれる。したがって、マイクロホン10によれば、出力信号の周波数により出力インピーダンスが大きくなることを抑制し、出力インピーダンスの大きさに起因する外来ノイズの影響を抑制することができる。
【0032】
また、正相出力であるHOT端子5の出力インピーダンスは十分に低く、ここからローパスフィルタ3に対してマイクロホンユニット1からの出力信号が入力されるから、ローパスフィルタ3のインピーダンスが低くても、信号に歪が生じない。
【0033】
次に、マイクロホン10の全高調波歪率(Total Harmonic Distortion:THD)について説明する。
図5は、
図3に示した測定回路を用いて測定したマイクロホン10の全高調波歪率の例を示すグラフである。全高調波歪率により、出力信号における歪率の許容値(1%歪)となる入力信号のレベルを判定することができる。
【0034】
図5に示すように、マイクロホン10において、1%の歪率が発生する入力レベルは、約+12dBであって、とても高い。
【0035】
また、マイクロホン10の雑音スペクトルについて説明する。
図6は、マイクロホン10の雑音スペクトルの測定例を示すグラフである。
図6に示すように、マイクロホン10の聴感補正(A−weight)の値は、−113dBである。
【0036】
ダイナミックレンジは、1%の歪率が発生する入力レベルと聴感補正の値の幅であるから、マイクロホン10のダイナミックレンジは、約125dB(=113+12)である。以上説明したように、マイクロホン10によれば、簡易な回路構成によって、出力信号の雑音成分を低く抑え、かつ、高いダイナミックレンジを得ることができる。
【0037】
以上、マイクロホン10によれば、低域成分を低減させつつ、出力信号の周波数により出力インピーダンスが大きくならず、かつ、高いダイナミックレンジを得ることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 マイクロホンユニット
2 インピーダンス変換器
3 ローパスフィルタ
4−1 出力アンプ
4−2 出力アンプ
5 HOT端子
6 COLD端子
7 接地端子
8 出力端子
10 マイクロホン
20 ミキサ回路