特許第6173240号(P6173240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173240
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20170724BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   G07G1/06 B
   G07G1/12 341A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-44192(P2014-44192)
(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公開番号】特開2015-170103(P2015-170103A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 晃宏
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−220167(JP,A)
【文献】 特開平07−014073(JP,A)
【文献】 特開2007−249391(JP,A)
【文献】 特開2004−005073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/12
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
完了した取引の記録に記された領収額の入力を受け付ける領収額取得部と、
前記記録に記された領収額以外の1または複数種類の除外額の入力を受け付ける除外額取得部と、
前記領収額取得部が受け付けた領収額から前記除外額取得部が受け付けた除外額を除いた金額を用いて、前記領収額取得部が受け付けた領収額を基に発行する領収書が収入印紙の貼付対象であるか判定する印紙貼付判定部と、
前記印紙貼付判定部が、領収書は収入印紙の貼付対象であると判定した場合、収入印紙を貼り付けるための所定の領域を付け加えた領収書を発行する領収書発行部と、
を備え
前記除外額取得部は、クレジット支払額および消費税額の入力を受け付け、
前記印紙貼付判定部は、前記クレジット支払額および前記消費税額のうち多いほうを、前記領収額取得部が受け付けた領収額から除く
ことを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
前記除外額取得部は、非課税商品の金額の入力を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記除外額取得部は、前記種類ごとに設けられた入力欄によって、除外額の入力を受け付ける
ことを特徴とする請求項1または2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記印紙貼付判定部が、領収書は収入印紙の貼付対象であると判定した場合、オペレータに、領収書が収入印紙貼付を要する旨を知らせる報知部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
販売データ処理装置が備えるコンピュータを、
完了した取引の記録に記された領収額の入力を受け付ける領収額取得手段と、
前記記録に記された領収額以外の1または複数種類の除外額の入力を受け付ける除外額取得手段と、
前記領収額取得手段が受け付けた領収額から前記除外額取得手段が受け付けた除外額を除いた金額を用いて、前記領収額取得手段が受け付けた領収額を基に発行する領収書が収入印紙の貼付対象であるか判定する印紙貼付判定手段と、
前記印紙貼付判定手段が、領収書は収入印紙の貼付対象であると判定した場合、収入印紙を貼り付けるための所定の領域を付け加えた領収書を発行する領収書発行手段と、
して機能させるためのプログラムであって、
前記除外額取得手段が、クレジット支払額および消費税額の入力を受け付け、
前記印紙貼付判定手段が、前記クレジット支払額および前記消費税額のうち多いほうを、前記領収額取得手段が受け付けた領収額から除く
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの店舗では、商品販売後、販売した商品の明細が記されたレシートを客に渡すが、時に、客から、購入合計金額や購入者名を記載した領収書の発行を求められることがある。このような求めに対して、従来、店員の手書きにて領収書を発行していたが、近年のPOS(Point Of Sale)端末装置には、領収書を発行する機能を備えるものもある。
【0003】
従来のPOS端末装置は、直前の数取引のデータを記憶領域に残しているので、記憶されている取引であれば、データに基づいて領収書を発行することができる。記憶領域からデータを消去済みの取引について領収書を求められた場合には、上述のような領収書発行は行えないので、店員は、客からレシートを受け取り、レシートに記された領収額(客が支払った合計金額)をPOS端末装置に手打ち入力して、領収書を発行させる。
【0004】
ところで、領収書の発行に際しては、印紙税法により、額面に応じた納税が義務付けられているため、額面によっては、収入印紙の貼付を要する。ここで、領収書に、消費税額や非課税商品の金額が明示されている場合には、それらを領収額から除いた金額によって、印紙貼付の要否を判定することができる。しかし、消費税額や非課税商品の金額の明示がない場合には、例え購入物に非課税商品が含まれていても、領収額そのものによって印紙貼付要否判定を行わなければならない。これにより、除外できる金額を明示すれば印紙貼付が不要となるにもかかわらず明示しないばかりに印紙貼付を要する領収書となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、より正確な印紙貼付要否判定を支援する販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ処理装置は、領収額取得部と、除外額取得部と、印紙貼付判定部と、領収書発行部と、を備える。領収額取得部は、完了した取引の記録に記された領収額の入力を受け付ける。除外額取得部は、前記記録に記された領収額以外の1または複数種類の除外額の入力を受け付ける。印紙貼付判定部は、前記領収額取得部が受け付けた領収額から前記除外額取得部が受け付けた除外額を除いた金額を用いて、前記領収額取得部が受け付けた領収額を基に発行する領収書が収入印紙の貼付対象であるか判定する。領収書発行部は、前記印紙貼付判定部が、領収書は収入印紙の貼付対象であると判定した場合、収入印紙を貼り付けるための所定の領域を付け加えた領収書を発行する。さらに、前記除外額取得部は、クレジット支払額および消費税額の入力を受け付け、前記印紙貼付判定部は、前記クレジット支払額および前記消費税額のうち多いほうを、前記領収額取得部が受け付けた領収額から除く。
【0007】
また、実施形態のプログラムは、販売データ処理装置が備えるコンピュータを、領収額取得手段と、除外額取得手段と、印紙貼付判定手段と、領収書発行手段と、して機能させる。領収額取得手段は、完了した取引の記録に記された領収額の入力を受け付ける。除外額取得手段は、前記記録に記された領収額以外の1または複数種類の除外額の入力を受け付ける。印紙貼付判定手段は、前記領収額取得手段が受け付けた領収額から前記除外額取得手段が受け付けた除外額を除いた金額を用いて、前記領収額取得手段が受け付けた領収額を基に発行する領収書が収入印紙の貼付対象であるか判定する。領収書発行手段は、前記印紙貼付判定手段が、領収書は収入印紙の貼付対象であると判定した場合、収入印紙を貼り付けるための所定の領域を付け加えた領収書を発行する。さらに、前記除外額取得部は、クレジット支払額および消費税額の入力を受け付け、前記印紙貼付判定部は、前記クレジット支払額および前記消費税額のうち多いほうを、前記領収額取得部が受け付けた領収額から除く。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の販売データ処理装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の販売データ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態のレシートの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態の登録画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態の領収書発行画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態の金額入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態の金額入力画面における入力例を示す図である。
図8図8は、実施形態の印紙貼付報知画面を示す図である。
図9図9は、実施形態の領収書の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態の領収書の他の例を示す図である。
図11図11は、実施形態の領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、POS端末装置(販売データ処理装置)1の外観を示す斜視図である。図2は、POS端末装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
POS端末装置1は、販売データ処理に用いられる装置であって、制御部10、記憶部20、表示部30、操作部40、および印刷部50などを備えている。また、POS端末装置1は、簡単な音声を発するためのブザー(不図示)を備えている。
【0011】
表示部30は、店用表示パネル31および客用表示パネル32を備えている。各表示パネル31、32は、液晶ディスプレイなどにより実現される。店用表示パネル31は、店員への情報を表示する。客用表示パネル32は、客への情報を表示する。
【0012】
操作部40は、タッチパネル41、キーボード42、およびスキャナ43を備え、これらによりオペレータ(店員)による操作を受け付けて、操作内容を制御部10に伝達する。タッチパネル41は、店用表示パネル31に積層されて配され、店用表示パネル31が表示する画面に応じた操作を受け付ける。キーボード42は、POS端末装置1の筐体2の上面の手前側に配して設けられている。スキャナ43は、商品に付されたバーコードなどの符号を読み取る作業に用いられる。
【0013】
印刷部50は、レシートプリンタ51やジャーナルプリンタ(不図示)によって、レシートやジャーナル、領収書などの各種印刷物を印刷、発行する。
【0014】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成される。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。CPUは、ROMから読み出したプログラムをRAMに展開して実行することにより、POS端末装置1が備える上記各部(記憶部20、表示部30、操作部40、印刷部50)を統括制御する。
【0015】
そして、制御部10は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、領収額取得部11、除外額取得部12、印紙貼付判定部13、領収書発行部14、および報知部15として機能する。
【0016】
ここで、図3は、レシートRの一例を示す図である。レシートRは、完了した取引の記録であって、明細欄r1、合計額欄r2、支払区分欄r3、などを有している。明細欄r1は、購入商品の明細、つまり、購入した各商品の名称や価格などを表示する。合計額欄r2は、購入商品の価格の合計を表示する。
【0017】
支払区分欄r3は、支払った金額つまり合計額欄r2に表示した金額についての注記を表示する。例えば、支払区分欄r3は、クレジット等欄r31、非課税額欄r32、消費税等欄r33、などを有している。
【0018】
クレジット等欄r31は、合計額欄r2が表示する金額のうちクレジットカード等で決済された分の金額を表示する。非課税額欄r32は、購入商品のうち非課税の商品の価格の合計金額を表示する。消費税等欄r33は、合計額欄r2が表示する金額に含まれる消費税等の金額を表示する。
【0019】
このレシートRでは、クレジット等欄r31に表示の金額は、合計額欄r2に表示した金額よりも少ない。つまり、このレシートRの取引では、購入金額の一部がクレジット決済されている。また、このレシートRには、消費税等欄r33に、金額が表示されている。つまり、レシートRは、購入金額が消費税等を含んでいたことを示している。
【0020】
領収額取得部11は、完了した取引の記録、すなわちレシートR、に記された領収額に相当する金額の入力を受け付ける。
【0021】
除外額取得部12は、記録を基に発行する領収書が収入印紙の貼付対象か否かの判定に用いる金額から除く除外額として、記録に記された1または複数種類の金額の入力を受け付ける。また、除外額取得部12は、除外額として、非課税商品の金額、クレジット支払額、および消費税額、の複数種類の金額の入力を受け付ける。また、除外額取得部12は、種類ごとに設けられた入力欄を介して、除外額の入力を受け付ける。
【0022】
印紙貼付判定部13は、領収額取得部11が受け付けた金額(領収額)から除外額取得部12が受け付けた金額(除外額)を除いた金額を用いて、上述の判定(領収書が収入印紙貼付対象か)を行う。ただし、印紙貼付判定部13は、クレジット支払額および消費税額の両方が入力されている場合には、両者のうち少ないほうの金額を不問にし、多いほうの金額だけを、領収額取得部11が受け付けた金額から除く。
【0023】
この理由について、さらに詳細に説明する。まず、クレジット決済による支払額は、領収書への明記があれば、領収額から除外できる。よって、全額クレジット支払のレシートを基に発行する領収書には、印紙貼付は無用である。
【0024】
一部クレジット決済の場合、消費税額が明らかであっても、この消費税がクレジット決済されたのか現金決済されたのかは、レシートRの記載からは判断できない。このため、領収書が印紙貼付対象かを判断するにあたり、不当に多くの金額を除くことがないよう、消費税額を優先してクレジット支払扱いとする。印紙貼付判定は、下記の3パターンとなる。
【0025】
1)クレジット支払額が消費税額よりも大きい(クレジット支払額>消費税額)とき
領収額からクレジット支払額を除いた金額により、印紙貼付判定を行う。
2)クレジット支払額が消費税額と等しい(クレジット支払額=消費税額)とき
領収額から消費税額(=クレジット支払額)を除いた金額により、印紙貼付判定を行う。
3)クレジット支払額が消費税よりも小さい(クレジット支払額<消費税)とき
領収額から消費税額を除いた金額により、印紙貼付判定を行う。
【0026】
領収書発行部14は、印紙貼付判定部13が「この領収書は収入印紙貼付対象である」と判定した場合、収入印紙を貼り付けるための所定の領域(印紙貼付領域)を付け加えた領収書を、印刷部50により発行する。また、領収書発行部14は、印紙貼付判定部13が「この領収書は印紙貼付対象でない」と判定した場合、印紙貼付領域がない領収書を、印刷部50により発行する。
【0027】
報知部15は、印紙貼付判定部13が「この領収書は収入貼付対象である」とした場合、オペレータに、領収書が収入印紙貼付を要する旨を知らせる。具体的には、店用表示パネル31にアラート画面をポップアップ表示させ、ブザーによりビープ音を鳴動させる。
【0028】
図4は、登録画面Sc1の一例を示す図である。登録画面Sc1は、POS端末装置1がスキャナ43によるコード読み取りなどの各種操作を待機する状態であるときに、店用表示パネル31に表示される画面である。当該登録画面Sc1の表示中に店員が所定の操作を行うことにより、店用表示パネル31が、登録画面Sc1に重ねて領収書発行画面Sc2を表示する。図5は、領収書発行画面Sc2の一例を示す図である。上記所定の操作としては、例えば、登録画面Sc1に表示された領収書ボタンB11を操作する、キーボード42が備える領収書キー(不図示)を押下する、などがある。
【0029】
領収書発行画面Sc2は、ポップアップ画面であって、店用表示パネル31が表示する画面である。領収書発行画面Sc2は、直前ボタンB21、二人前ボタンB22、三人前ボタンB23、金額入力ボタンB24などを有している。
【0030】
ここで、POS端末装置1は、直前の3取引のデータを記憶部20に残している。よって、記憶部20が記憶している取引であれば、データに基づいて領収書を発行することができる。ボタンB21〜B23は、POS端末装置1に記録が残っている直前3取引の領収書を発行するための操作を受け付ける。
【0031】
金額入力ボタンB24は、記憶部20からデータを消去済みの取引の領収書を求められた場合に、金額入力画面Sc3を表示させるための操作を受け付ける。図6は、金額入力画面Sc3の一例を示す図である。図7は、金額入力画面Sc3における入力例を示す図である。
【0032】
金額入力画面Sc3は、ポップアップ画面であって、領収書に記すべき金額の入力を受け付けるにあたって、店用表示パネル31が表示する画面である。金額入力画面Sc3は、領収書金額欄61、クレジット等欄62、非課税額欄63、消費税等欄64、などを有している。また、金額入力画面Sc3は、領収書金額ボタンB31、クレジット等ボタンB32、非課税額ボタンB33、消費税等ボタンB34、置数キーB35、登録ボタンB36、クリアボタンB37、入力中止ボタンB38、などを有している。さらに、金額入力画面Sc3は、領収書金額欄61に金額入力が行われると現れる確定ボタンB39(図7参照)を有している。
【0033】
領収書金額欄61は、レシートRの合計額欄r2に記載の金額が転記されるべき欄である。クレジット等欄62は、レシートRのクレジット等欄r31に記載の金額が転記されるべき欄である。非課税額欄63は、レシートRの非課税額欄r32に記載の金額が転記されるべき欄である。消費税等欄64は、レシートRの消費税等欄r33に記載の金額が転記されるべき欄である。
【0034】
上記各ボタンB31〜B34は、上記各欄61〜64の入力後に操作可能状態となり、上記各欄61〜64の金額の訂正を受け付ける。
【0035】
置数キーB35は、1〜9、0、および00の数の入力を受け付ける。
登録ボタンB36は、上記各欄61〜64に入力された数の登録を受け付ける。クリアボタンB37は、入力中の数の消去操作を受け付ける。入力中止ボタンB38は、金額入力画面Sc3における入力を中止し、金額入力画面Sc3を閉じる操作を受け付ける。
【0036】
確定ボタンB39は、全ての欄61〜64の入力状態を確定し、金額入力画面Sc3を閉じる操作を受け付ける。該確定ボタンB39への操作をもって、領収書発行部14は、印刷部50により、領収書を発行する。
【0037】
図8は、印紙貼付報知画面Sc4を示す図である。印紙貼付報知画面Sc4は、報知部15によるアラート画面の一例であり、収入印紙貼付対象の領収書を発行するに際して店用表示パネル31が表示する画面である。この印紙貼付報知画面Sc4は、ポップアップ画面であって、金額入力画面Sc3に代えて、登録画面Sc1の上に表示する。この印紙貼付報知画面Sc4の表示に伴って、報知部15は、ブザーによりビープ音を鳴動させる。印紙貼付報知画面Sc4は、音停止ボタンB41を有する。音停止ボタンB41は、印紙貼付報知画面Sc4表示とともに鳴動開始するビープ音を停止させるための操作を受け付ける。
【0038】
図9は、領収書R2の一例を示す図である。領収書R2は、領収額a1が収入印紙貼付対象でない場合のものである。図10は、領収書R3の他の例を示す図である。領収書R3は、領収額a2が収入印紙貼付対象である場合のものであって、印紙貼付欄r4を有する。なお、両領収書R2,R3とも、クレジット等欄r5、非課税額欄r6、消費税等欄r7を有している。つまり、両領収書R2,R3とも、領収額a1,a2の一部がクレジット決済され、且つ、領収額a1,a2が非課税商品の購入金額および消費税額を含んでいる場合の例である。
【0039】
図11は、領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。まず、本処理は、登録画面Sc1の表示中、領収書ボタンB11が操作されることを待機する(ステップS1のNo)。
【0040】
店用表示パネル31が登録画面Sc1を表示しているとき、店員が領収書ボタンB11を操作すると、タッチパネル41が領収書ボタンB11が操作されたことを示す信号を出力する(ステップS1のYes)。該出力を受けて、制御部10は、店用表示パネル31に、領収書発行画面Sc2を表示させる(ステップS2)。
【0041】
客から受け取ったレシートRが四人前以前のものであった場合、店員は、金額入力ボタンB24を操作する。すると、タッチパネル41が、金額入力ボタンB24が操作されたことを示す信号を出力する(ステップS3のYes)。該出力を受けて、制御部10は、店用表示パネル31に、金額入力画面Sc3を表示させ、金額の入力を受け付ける(ステップS4)。
【0042】
ステップS4において、店員が、領収書金額欄61に数を入力し、登録ボタンB36を操作すると、タッチパネル41の出力を受けて、領収額取得部11が、入力値を領収額として受け付ける。
【0043】
また、店員が、クレジット等欄62、非課税額欄63、消費税等欄64の各々を選択し(ステップS5のYes)、各々に数を入力して登録ボタンB36を操作すると、タッチパネル41の出力を受けて、除外額取得部12が、各欄62〜64の入力値を、除外額として受け付ける(ステップS6)。
【0044】
そして、店員が、確定ボタンB39を操作すると、タッチパネル41の出力を受けて、印紙貼付判定部13が、これから印刷する領収書R2(またはR3)が、収入印紙貼付対象であるか否かを判定する(ステップS7)。
【0045】
ステップS7において、印紙貼付判定部13が、「これから印刷する領収書R3は収入印紙貼付対象である」と判定した場合(ステップS7のYes)、報知部15は、印紙貼付報知画面Sc4をポップアップ表示する(ステップS8)。これに伴い、領収書発行部14が、印刷部50により、領収書R3を印刷、発行する(ステップS9)。
【0046】
最後に、制御部10は、店用表示パネル31の表示を初めの登録画面Sc1に戻して(ステップS10)、本処理を終える。
【0047】
ステップS3において、客から受け取ったレシートRが三人前以前のものであった場合、店員は、直前ボタンB21、二人前ボタンB22、三人前ボタンB23、のいずれかを操作する。すると、タッチパネル41が、ボタンB21〜B23のいずれかが操作されたことを示す信号を出力する(ステップS3のNo)。該出力を受けた制御部10は、処理をステップS7へ進める。つまり、制御部10は、直前か、二人前か、三人前の取引データとして記憶部20が残している記録を用いて、以降の処理を行う。
【0048】
ステップS5において、除外額がない場合(ステップS5のNo)、すなわち、店員が、クレジット等欄62、非課税額欄63、消費税等欄64のいずれも選択しなかった場合、制御部10は、処理をステップS7へ進める。
【0049】
また、ステップS7において、印紙貼付判定部13が、「これから印刷する領収書R2は収入印紙貼付対象でない」と判定した場合(ステップS7のNo)、制御部10は、処理をステップS9へ進める。
【0050】
このように、本実施形態によれば、記憶部20からデータが消去された取引のレシートRを基に領収書R2,R3を発行する場合であっても、領収額から除外額を除いた金額によって、領収書が収入印紙の貼付対象であるか否かを判定することができる。これにより、本実施形態のPOS端末装置1は、従来に比べて、より正確な収入印紙貼付要否判定を支援することができる。
【0051】
従来のPOS端末装置は、本実施形態のような除外額の入力を受け付けず、結果、領収書に、本実施形態のような除外額が明記されなかったので、領収額そのものによって、収入印紙貼付要否判定を行っていた。これに対して、本実施形態のPOS端末装置1によれば、除外額の入力を受け付け、除外額を明記した領収書を発行するようにした。つまり、従来のような、除外額があるにもかかわらず除外額を適用しないことによる不利益の発生を、本実施形態のPOS端末装置1は、防ぐことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、除外額を、消費税等、非課税商品の金額、クレジット決済額の複数種類として説明したが、実施にあたっては、これら全てを除外額として取り扱わなくともよく、例えば、非課税商品の金額のみの1種類を除外額としてもよい。
【0053】
また、レシートRをスキャナ43で読み取ってデータを取得するようにしてもよい。その場合、レシートに、各種金額を記録した二次元コードなどの符号を併せて印刷するようにしておけば、当該符号を用いることにより、より正確なデータ取得をより簡便に行うことができる。
【0054】
本実施形態のPOS端末装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0055】
本実施形態のPOS端末装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。
また、本実施形態のPOS端末装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0056】
本実施形態のPOS端末装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(領収額取得部11、除外額取得部12、印紙貼付判定部13、領収書発行部14、および報知部15)を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を記憶装置上にロードする。これにより、領収額取得部11、除外額取得部12、印紙貼付判定部13、領収書発行部14、および報知部15が記憶装置上に生成される。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…POS端末装置、2…筐体、
10…制御部、
11…領収額取得部、12…除外額取得部、13…印紙貼付判定部、
14…領収書発行部、15…報知部、
20…記憶部、
30…表示部、31…店用表示パネル、32…客用表示パネル、
40…操作部、41…タッチパネル、42…キーボード、43…スキャナ、
50…印刷部、51…レシートプリンタ、
R…レシート、r1…明細欄、r2…合計額欄、r3…支払区分欄、
r31…クレジット等欄、r32…非課税額欄、r33…消費税等欄、
Sc1…登録画面、B11…領収書ボタン、
Sc2…領収書発行画面、
B21…直前ボタン、B22…二人前ボタン、B23…三人前ボタン、
B24…金額入力ボタン、
Sc3…金額入力画面、
61…領収書金額欄、62…クレジット等欄、63…非課税額欄、64…消費税等欄、
B31…領収書金額ボタン、
B32…クレジット等ボタン、B33…非課税額ボタン、B34…消費税等ボタン、
B35…置数キー、B36…登録ボタン、B37…クリアボタン、
B38…入力中止ボタン、B39…確定ボタン、
Sc4…印紙貼付報知画面、B41…音停止ボタン、
R2,R3…領収書、a1,a2…領収額、
r4…印紙貼付欄、r5…クレジット等欄、r6…非課税額欄、r7…消費税等欄。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2011−70292号公報
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