(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面に蛍光塗料で識別用コードを印刷あるいは記入した透明、半透明、白色または乳白色のゴミ袋と、ゴミ袋を照らす紫外線探傷灯(以下、ブラックライト)からなる照明と、前記ブラックライトが照射されたゴミ袋を撮影するカメラと、撮影したカメラの画像データを処理して蛍光部分を抽出する処理手段とからなるゴミ袋識別装置。
上記ゴミ袋を投入するゴミ収集車の投入口に枠状の識別ゲートを設け、その投入口に設けた識別ゲートにブラックライトからなる照明とカメラあるいは識別ユニットを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のゴミ袋識別装置。
上記ゴミ袋が識別ゲートのカメラを通過する前後の位置に、前記ゴミ袋の通過を検出して識別ゲートのブラックライトとカメラの制御を行う通過センサを設けたことを特徴とする請求項3に記載のゴミ袋識別装置。
ゴミ袋の表面に蛍光塗料で識別用コードを印刷または記入し、その識別用コードを印刷または記入したゴミ袋にブラックライトを照射してカメラで撮影し、撮影した画像データを処理して蛍光部分を抽出し、その抽出した識別用コードに基づいてゴミ袋を管理することを特徴とするゴミ袋識別システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の方法では、ゴミ袋全体に色模様のパターンを施す必要があるため、透明、半透明、白色または乳白色などのゴミ袋に対して使用できない問題がある。これは、分別収集、資源化可能物の混入防止、収集時の安全確保などの理由から、自治体で指定されるゴミ袋に、内容物の確認ができる「透明」、「半透明」、「白色」または「乳白色」のものが採用されているからである。
また、識別用のパターンをゴミ袋の表面の一部に設ける構成としても、ゴミ袋は乱雑に扱われるため、いつも同じ姿勢で撮影されることはない。その結果、ゴミ袋が透明、半透明、白色や乳白色であると、透けて見える袋の中身も表面の一部に設けたパターンと同時に撮影されてしまう。そうすると、撮影された画像から画像処理で両者を簡単に判別することが難しくなる問題も発生する。
【0005】
そこで、この発明の課題は、透明、半透明、白色または乳白色などのゴミ袋の容量、分別内容の識別をできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、この発明では、表面に蛍光塗料で識別用コードを印刷あるいは記入した透明、半透明、白色または乳白色のゴミ袋と、ゴミ袋を照らす紫外線探傷灯(以下、ブラックライト)からなる照明と、前記ブラックライトが照射されたゴミ袋を撮影するカメラと、撮影したカメラの画像データを処理して発光部分を抽出する処理手段とからなる構成を採用したのである。
【0007】
このような構成を採用することにより、蛍光塗料で識別用コードを印刷あるいは記入した透明、半透明、白色または乳白色のゴミ袋にブラックライトを照射すると、照射された紫外線に反応して識別コードが蛍光を発する。そのため、この発光した識別コードをカメラで撮影し、撮影したカメラの画像データを処理して発光部分を抽出する。このとき、透明、半透明、白色または乳白色のゴミ袋の素地や内容物と、発光した識別コードとのコントラストの比は大きくなることから、識別コードの抽出は容易にできる。このように、発光を利用して識別コードを簡単に抽出できるので、画像処理による識別も容易である。
【0008】
また、このとき、上記ブラックライトからなる照明とカメラを一体にしてケースに収容して識別ユニットとした構成を採用することができる。
【0009】
このような構成を採用することにより、照明とカメラを一体化したことにより、予め、照明のエリアに合わせてカメラの撮影位置を決めて一体化したものを設置すれば、照明エリアと撮影エリアの齟齬を回避して認識エラーを少なくできる。しかも、照明とカメラの取り扱いを簡単にできる。
【0010】
上記ゴミ袋を投入するゴミ収集車の投入口に枠状の識別ゲートを設け、その枠状の識別ゲートにブラックライトからなる照明とカメラあるいは前記照明とカメラを一体にした識別ユニットを配置した構成を採用することができる。
【0011】
このような構成を採用することにより、ゴミ袋は識別ゲートを介してゴミ収集車に投入するだけで、識別コードを読み取らせるようにできる。
【0012】
上記ゴミ袋が識別ゲートのカメラを通過する前後の位置に、前記ゴミ袋の通過を検出して識別ゲートのブラックライトとカメラの制御を行う通過センサを設けた構成を採用することができる。
【0013】
このような構成を採用することにより、ゴミ袋を識別ゲートに投入すると、それを通過センサが検出し、照明とカメラを作動してゴミ袋の識別コードを認識することができる。一方、投入されたゴミ袋は識別ゲートを通過すると、それを通過センサが検出して照明とカメラを停止させる。このように、ゴミ袋が投入されたときにのみ認識するように制御することで、誤認識の軽減を図ることができる。
【0014】
また、このとき、上記ゴミ袋に袋を硬化させた識別コード印刷部を形成した構成を採用することができる。
【0015】
このような構成を採用することにより、印刷や記入に適した下地を形成したので、ゴミ袋への識別コードの印刷あるいは記入を容易にし、ゴミ袋にゴミを入れた場合でも印刷部の変形を抑制して認識率を向上できる。
【0016】
また、このとき、ゴミ袋の表面に蛍光塗料で識別用コードを印刷あるいは記入し、その識別用コードを印刷または記入したゴミ袋にブラックライトを照射してカメラで撮影し、撮影した画像データを処理して蛍光部分を抽出し、その抽出した識別コードに基づいてゴミ袋を管理するという方法を採用することができる。
【0017】
このような方法を採用することにより、発光した識別コードをカメラで撮影して、抽出すると識別コードを抽出して識別できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明は、上記のように構成したことにより、ゴミ袋を識別し管理できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本願のゴミ識別システムは、識別コード4を記載したゴミ袋1とゴミ袋識別装置2で構成されており、ゴミ袋識別装置2はゴミ収集車(パッカー車)3に設けられている。
なお、この形態では、ゴミ袋識別装置2は、ゴミ収集車3に設置したものについて述べたが、これに限定されるものではない。これ以外でも例えば、ゴミ焼却工場などの処理施設に設置することもできる。
【0021】
ゴミ袋1は、自治体で指定される透明、半透明、白色、乳白色のポリ袋で、その透明、半透明、白色、乳白色のゴミ袋1の表面に蛍光塗料で識別コード4を印刷したものである。
この識別コード4のゴミ袋1への印刷は、この形態では、ゴミ袋1の一部に硬化した印刷部5を形成することにより、容易に行えるようにしている。
印刷部5は、例えば、
図2(a)のように、ゴミ袋1の1/3程度の部分(斜線)に透明のシルク印刷で硬化塗料(インク)を塗布することで形成している。このようにシルク印刷を用いたのは、シルク印刷は印圧が少なくて済み、しかも、曲面でも印刷でき、インク量を多くできるため、下地を完全に覆うことができるという効果が期待できるからである。
なお、この形態では、印刷部5にシルク印刷を用いたが、これ以外の方法で印刷部5を形成しても良い。例えば、裏面に硬化用塗料(例えば、アクリル系)を塗布したり、これらの塗布に替えてフィルムを張り付けて(厚みを増して)硬化させたりしても良い。こうすることでゴミ袋1に張りを持たせて識別コード4の印刷をし易くする。そして、識別コード4の認識率の向上を図り、ゴミを入れた際のゴミ袋1の変形を防いで読み取り精度や識別精度の向上を図るのである。
蛍光塗料は、ここでは、乾燥の早い油性蛍光発光塗料を用いることにより、雨などで濡れた場合でも識別コードが影響(流れる、滲む)を受け難くしている。
識別コード4は、数字を組み合わせて、ゴミ袋1の容量またはゴミの種別を表すようにしたもので、ここでは、
図2(b)に示すように、二桁の数字を組み合わせたものを使用している。
そして、この識別コード4をゴミ袋1の印刷部5に等間隔でゴミ袋1の全周に亘って印刷している。この印刷は例えば、蛍光塗料をプリンタなどで事前に印刷したものを準備しておいても良いし、印刷したものが無くなった場合は、手書きで記入することもできる。
【0022】
ゴミ袋識別装置2は、
図3に示すように、識別ゲート10、コントロールボックス11、操作ボックス12、車載用管理端末13で構成されており、識別ゲート10、操作ボックス12、車載用管理端末13は、ケーブルでコントロールボックス11に接続されている。
【0023】
識別ゲート10は、
図4に示すように、枠体14とその枠体14に取り付けられる識別ユニット15a,b及び通過センサ16a,b、17a,bで構成されている。枠体14は、例えば、軽量形鋼を成形した直方体の枠で、この形態では、2つの長方形の枠を前方側の枠10aと後方側の枠10bとし、間隔を置いて並列に配置して四隅を枠材で接続した構成としている。そして、その枠体14の後方側の長方形の枠10bをゴミ収集車3のゴミ投入口6aに臨むようにして取り付けている。また、ここでは、枠体14の長方形の枠の中央に分割用の枠10cを設けて右と左の2つの識別エリアに分ける構成としてある。
さらに、この形態では、後述のように通過センサ16a,bと17a,bを取り付けるため、枠体14の前後の長方形の枠の両端に凹部を設ける構成になっている。すなわち、長方形の枠の幅方向の両端の垂直な枠に凹部を設ける構成としてある。こうすることで、後述するように、識別ユニット15a、15bのカメラ21a,bの前後を通過するゴミ袋1を検出するようにしてある。
【0024】
識別ユニット15a,bは、
図5に示すように、照明20と2台のカメラ21a,bで構成されている。照明20は、紫外線探傷灯(以下、ブラックライト)と言われるもので、ここでは、波長375nmの複数個の紫外線LEDを
図5に示すように、同心円状に配置して半値角30度程度の指向性を有するようにしてある。
カメラ21a,bは、CCDカラービデオカメラで、紫外線撮影用ではなく、可視光撮影用のものである。また、カメラ21a,bは、画角が広く、焦点距離の短い広角(魚眼)レンズを装着した構成となっている。
このブラックライト20と2台のカメラ21a,bは、ブラックライト20を中央にして、その両側にカメラ21a,bを配置したもので、カメラ21a,bは、それぞれ、
図6(b)に示すように、少し内側に臨むように角度をつけてケースに一体に収容されている。
また、このカメラ21a,bとブラックライト20を収容したケースは、カメラ20a,bを上下(垂直)にして枠体14の両サイドに1ユニット15a,bずつ取り付けられる。
そして、このように識別ユニット15a,bを配置することにより、枠体14の形状に合わせて
図6(a)、(b)のような撮影(認識)エリアを形成する。
このように、予め、ブラックライト20の照明エリアに合わせてカメラ21a,bの位置を決めて一体化して取り付けるようにしたので、照明エリアと撮影(認識)エリアの齟齬を無くすことができる。そのため、取り付けミスによる認識エラーを回避でき、しかも、取扱いも簡便にできる。
【0025】
通過センサ16a,b、17a,bは、
図7(a)、(b)に示すように、棒状のケースに光センサ18a,bを配置したもので、棒状ケースは上述した識別ゲート10の枠体14の両端の凹部に嵌る形状に形成されている。また、ここでは、光センサ18a,bに反射型のフォトインタラプタを使用しており、棒状のケースの長手側の上下二か所に配置している。
そして、識別ゲート10には、この棒状のケースが枠体14に取り付けられた際に、前記ケースのフォトインタラプタと対向する中央の分割枠10cに、
図4に示すように、反射器19a,bを設け、フォトインタラプタからの検出光を反射させることで、識別ゲート10に投入されたゴミ袋1を検出できるようにしてある。
【0026】
コントロールボックス11と操作ボックス12は、
図1に示すように、パッカー車3のホッパーカバー6の側部に取り付けられている。
コントロールボックス11は、
図8に示すように、DSP30、I/Oインターフェース31、CPU(ワンチップCPU)32で構成されており、CPU32は、DSP30とI/Oインターフェース31を介して識別ユニット15a,b、通過センサ16a,b、17a,b、車載用管理端末13及び操作ボックス12に接続されている。
DSP(デジタルシグナルプロセッサ)30は、画像処理用に設けられたプロセッサで、識別ユニット15a,bのカメラ21a,bに接続されている。
I/Oインターフェース31は、センサ用インターフェース33、ライト点灯用インターフェース34、外部通信用インターフェース35及び入出力インターフェース36で構成されている。
センサ用インターフェース33は、通過センサ16a,b、17a,bとCPU32を接続し、通過センサ16a,b、17a,bの出力をCPU32へ入力する。
ライト点灯用インターフェース34は、識別ユニット15a,bのブラックライト20とCPU32を接続するためのもので、CPU32の出力でもってブラックライト20の点灯と消灯を行う。
外部通信用インターフェース35は、CPU32と車載用管理端末13とを接続するためのインターフェース(例えば、RS232C/USB変換)で、CPU32と車載用管理端末13の間のデータの伝送を担う。
入出力インターフェース36は、CPU32と操作ボックス12を接続し、操作ボックス12の操作をCPU32へ入力し、CPU32からの表示(点灯)出力を操作ボックス12へ入力する。
【0027】
操作ボックス12は、
図3に示すように、収集車3のパッカー(積み込み油圧装置)の運転を制御するための運転スイッチ37bと、その運転を緊急停止するための異常停止スイッチ37a及びゲートに投入されたゴミ袋を認識したことを知らせる認識表示灯38を備えている。
【0028】
車載用管理端末13は、車載用パソコン39と表示装置(ディスプレイ)40で構成されており、表示装置40は前記パソコン39と接続されて運転席に設置されている。
車載用パソコン39は、先述のように、コントロールボックス11を介して識別ゲート10の識別ユニット15a,bと通過センサ16a,b、17a,bに接続されている。この識別ユニット15a,bと通過センサ16a,b、17a,bは、コントロールボックス11を介して車載用パソコン39とデータを遣り取りする。
また、車載用パソコン39は、ゴミ袋収集管理用のアプリケーションを備えていて、ゴミ袋1の回収履歴や回収データをコントロールボックス11からのデータに基づいて記録し、記録したデータを表示装置40に表示する。さらに、車載用パソコン39は、ナビゲーションアプリと地図データを有しており、GPS受信機を備えることで当日のゴミ収集コースを案内できるようになっている。この形態の場合、表示装置40はタッチパネルとなっていて入力操作ができる構成となっている。
なお、ここでは、外部機器との接続に上記のようなI/Oインターフェース31を用いたが、これ以外にもLANを用いる構成としても良いことは当然である。
【0029】
この形態は、上記のように構成されており、ゴミの収集先には、油性蛍光発光塗料で「容量」または「ゴミの種別」のコード情報を印刷したゴミ袋1を事前に準備または配布する。そして、ゴミの収集先では、ゴミ袋1に印刷された識別コード4の種別に基づいてゴミを分別して袋に入れ、指定日に指定のゴミ置き場に出す。
一方、ゴミ収集車3は、例えば、
図9(a)のように、運転席の表示装置40に表示されるメニュー画面50の「ナビ画面」ボタンにタッチして、
図9(b)のように、収集ナビ画面51に切り換える。すると、今日のスケジュールに該当する収集場所を明示した地図が表示されるため、そのナビ画面51に従うことで、ゴミの収集業務を行うことができる。
【0030】
そして、ゴミ置き場へ到着すると、ナビ画面51をメニュー画面50に切り換えて「回収作業開始」ボタンにタッチする。すると、ゴミ袋識別装置2が起動してゴミ袋1の識別がスタンバイとなり、ゴミ袋1の収集を開始することができる。この収集は、従来と同様に、作業員が操作ボックス12の運転スイッチ37bを操作したのち、ゴミ袋1をゴミ収集車3のゴミ投入口6aへ投入するのであるが、その際、識別ゲート10を介して投入する。
【0031】
以下、認識処理を
図10、
図12のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、識別ゲート10の通過センサ16a,bは、
図10のフローチャートの処理100に示すように、ポーリングによる待ち受け状態となっている。そのため、ゴミ袋1が、識別ゲート10の前方側の枠10aに取り付けた通過センサ16a,bを遮ると、その信号は、センサ用インターフェース33を介してコントロールボックス12のCPU32へ送られる。すると、その信号を受けたCPU32は、識別ユニット15a,bを起動して認識処理を開始する。
【0032】
認識処理では、CPU32は、ライト点灯用インターフェース34を介して識別ユニット15a,bのブラックライト20を点灯するとともに、DSP30を作動してカメラ21a,bの画像データをキャプチャーする。
すなわち、処理200では、
図11に示すように、ブラックライト20を点灯(照射)して、ゴミ袋1をカメラ21a,bで撮影する。このようにすると、ゴミ袋1の周囲に形成された印刷部5の識別コード4が照射された紫外線に反応して蛍光を発する。そのため、この発光した識別コード4をカメラ21a,bで撮影し、撮影したカメラ21a,bの画像データを処理して発光部分を抽出する。特に、夜や明け方などゴミ収集時の暗闇の中では、例えば、ブラックライト20の照射された透明、半透明、白色または乳白色のゴミ袋1の素地は、バイオレットに発色する。これに対し、蛍光塗料で印刷された識別コード4は白色に発光し、そのコントラストの比は大きくなることから、識別コード4の抽出は容易に行える。このように、識別コード4を発光させてゴミ袋1の素地とのコントラスト比を大きくして認識するので、ゴミ袋1が透明、半透明、白色、乳白色に拘らず、しかも、ゴミ袋1の内容物に影響されることなく認識できる。
【0033】
このとき、識別コード4の抽出は、例えば、カメラ21a,bのキャプチャーした画像の識別コード4を一つの数字ごとに区切る。次に、その区切った数字を分割し、
図11のように、分割したブロックごとの線分の交点と端部の数を算出する。そして、その算出した交点及び端部の数と、予め数字ごとの交点と端部の数を算出したデータベースとを比べて数字を認識する。
また、この処理は、連続した複数枚のキャプチャー画像に対して行うことで、認識率の向上を図るようにしている。例えば、複数のキャプチャー画像の認識結果を算出して、その多数決からコードを決めるようにすれば、認識精度を向上できると考えられる。
その際、キャプチャー数は事前に決めておく方法と、ゴミ袋1が識別ゲート10の後方側の枠の通過センサ17a,bを通過するまで行う方法が考えられる。この形態では、
図10の処理200のように、事前にキャプチャー数を決めてその数に見合うレジスタ60を設けている。いずれの場合もゴミ袋1が前方側の枠10aの通過センサ16a,bを通過し、後方側の枠10bの通過センサ(出口側)17a,bを通過(遮蔽)したことが検出されると(処理250)、キャプチャーしたデータはパソコン39内の記憶手段に保存するとともに、認識結果を車載用管理端末13の表示装置40に表示し、かつ、操作ボックス12の認識表示灯38を点灯してブザーを鳴らし作業員に知らせる。また、認識結果は、例えば、パソコン39で処理し、一覧や集計した結果がデータとして取り出せるようになっている(処理300)。
【0034】
ところで、この認識システムでは、識別ゲート10に投げ入れられたゴミ袋1が識別ゲート10内に滞留した場合にも対処する。
例えば、処理400では、ゴミ袋1が識別ゲート10の前方側の枠10aの通過センサ16a,bで検出されると、内部タイマを作動して前記センサ16a,bが遮光されている時間を計る。こうすることで、遮光時間が規定値を超えると、ゴミ袋1は識別ゲート10の前方側の枠10aに引っ掛かっていると判定する。そのため、車載用管理端末13の表示装置40に「システム異常」と表示し、かつ、操作ボックス12の表示灯38を赤色で点滅させる。さらに、警報音のブザーを鳴らして作業員に知らせる。知らせを受けた作業員は、操作ボックス12の異常停止スイッチ37aを操作してパッカーを停止させたのち、ゴミ袋1を入れ直すことで、収集作業を継続できる。
【0035】
また、処理500では、ゴミ袋1が識別ゲート10の後方側の枠10bの通過センサ17a,bで検出されると、内部タイマを作動して前記センサ17a,bが遮光されている時間を計る。こうすることで、遮光時間が規定値を超えると、ゴミ袋1は、識別ゲート10の後方側の枠10bに引っ掛かっていると判定する。そのため、車載用管理端末13の表示装置40に「システム異常」と表示して認識結果をリセットし、かつ、操作ボックス12の表示灯38を赤色で点滅させる。作業員は、操作ボックス12の異常停止スイッチ37aを操作してパッカーを停止させたのち、ゴミ袋1を入れ直すことで、収集作業を継続できる。
【0036】
また、処理600では、ゴミ袋1が識別ゲート10の前方側の枠10aの通過センサ16a,bを通過すると、タイマを作動し規定時間内に前方側の枠10aの通過センサ16a,bが遮光されるかどうかを検出する。このとき、通過センサ16a,bが遮光された場合は、ゴミ袋1が識別ゲート10内に在るので滞留していると判定する。そのため、車載用管理端末13の表示装置40に「システム異常」と表示して認識結果をリセットし、かつ、操作ボックス12の表示灯38を赤色で点滅させる。作業員は、操作ボックス12の異常停止スイッチ37aを操作してパッカーを停止させたのち、ゴミ袋1を入れ直すことで、収集作業を継続する。
【0037】
一方、処理700では、ゴミ袋1の跳ね返りによる誤認識にも対処する。
例えば、ゴミ袋1が識別ゲート10の後方側の枠10bの通過センサ17a,bを通過すると、タイマを作動し規定時間内に後方側の枠10bの通過センサ17a,bが遮光されるかどうかを検出する。このとき、通過センサ17a,bが一旦遮光されたのち規定時間内に遮光が解除された場合は、前方側の枠10aの通過センサ16a,bでゴミ袋1が検出されていなければ、
図12の符号(ii)〜(iv)のように、ゴミ袋1は跳ね返ってホッパー内に戻ってしまったと判定して収集作業を継続できるようにする。
このように、ゴミ袋1が投入されたときのみ、認識するように制御することで誤認識を軽減できる。
【0038】
さらに、この認識システムでは、ゴミ袋1を識別ユニット15a,bの上下に配置された2台のカメラ21a,bで撮影することにより、複数のゴミ袋1を識別ゲート10へ投入した場合でも対処できるようにしてある。
すなわち、識別ユニット15a,bの2台のカメラは、
図6(b)のように、レンズを中央のブラックライト20に向けて内側へ傾斜させて配置してある。そのため、2台のカメラ21a,bの撮影エリア(認識エリア)は、
図6(a)、(b)のように、水平方向は同じで垂直方向を少しずらしてある。
このようにしたのは、同時に投げ入れられる複数のゴミ袋1の高さが異なることに注目したからで、例えば、
図13(a)のように、投入された2個のゴミ袋1は、1台のカメラ21a画像からでは、ゴミ袋1の重なった向こう側のゴミ袋1の部分が見えないため、1つのゴミ袋1であると見なす可能性ある。そこで、
図13(b)のように、上下2台のカメラ21a,bでキャプチャーして、そのキャプチャーした画像を比較すると、例えば、キャプチャー画像の重なり部分の面積が異なり、向こう側にゴミ袋1があることが判る。したがって、識別コード4を認識すれば、手前のゴミ袋1に隠れた向こう側のゴミ袋1を認識できる。
このように、同じタイミングでキャプチャーした2つの画像を用いれば、重なったゴミ袋1も複数のゴミ袋1であると判別して識別できる。
【0039】
こうしてゴミ袋1の収集が完了すると、運転席の表示装置40の画面の「終了」ボタンにタッチして、パッカー装置を停止させる。また、「回収履歴」ボタンにタッチすると、
図14(a)、(b)のように、回収画面52,53に切り替わり、履歴の一覧が表示される。さらに、この一覧は、「回収データ保存」ボタンにタッチするとUSBポートに接続したメモリ手段に保存することもできる。
このように、ゴミ袋1を識別して管理できる。