(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、複合機、ファクシミリ等の画像形成装置では、品質の安定した画像形成を実現するために、多種の技術が存在する。
【0003】
例えば、特開平8−185024号公報(特許文献1)には、像担持体にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備えた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、前記像担持体へのバイアス電圧供給を遮断し、前記像担持体へ充電された電荷を抵抗を経由して接地に放電する。これにより、精度のよい経時的にも安定した電位校正及び制御が行なえ品質の安定した画像を提供することができるとしている。
【0004】
又、特開2003−287942号公報(特許文献2)には、静電潜像が形成された像担持体と現像領域において所要間隔を介して対向するようにトナー担持体を設け、このトナー担持体と像担持体との間に直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアス電圧を印加させて、トナー担持体に保持されたトナーを像担持体に供給して静電潜像を現像する現像装置が開示されている。この現像装置では、上記の像担持体とトナー担持体との間に印加させるリーク検知電圧を変化させて像担持体とトナー担持体との間にリークを発生させるリーク発生手段と、像担持体とトナー担持体との間に流れる電流に基づいてリークを検知するリーク検知手段とを設けている。これにより、リークを検知するために、従来のように高価な濃度センサーを用いる必要がなく、コストが低減されると共に、どのような位置でリークが発生しても、リークの発生が確実に検知されるようになるとしている。
【0005】
又、特開2006−126878号公報(特許文献3)には、表面に有機光導電材料からなる薄膜層を有する像担持体を露光することにより静電潜像を形成した後、静電潜像に現像剤を付着させて顕像化し、記録用紙上に画像を形成する画像形成動作に用いる現像装置であって、前記像担持体に供給するための現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記現像剤担持体に電圧を印加して前記現像剤担持体から前記像担持体に対して現像剤を供給する現像装置が開示されている。この現像装置では、現像剤が一成分現像剤であり、画像形成動作に先立って前記現像剤担持体及び前記薄膜層間でリークが生じる際の前記電圧を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記リークが生じない前記電圧の範囲を設定する設定手段とを設けている。これにより、現像剤担持体及び像担持体間の離間距離が装置毎に異なったりまたは変動等が生じても、現像用バイアス電圧の設定の際の許容範囲が広く確保されるとともに、現像剤担持体と像担持体との間でのリークの発生が確実に防止されるとしている。又、リークの発生を防止して、常に良好な画像が形成されるとしている。
【0006】
又、特開2008−185976号公報(特許文献4)には、静電潜像を担持する感光体と、前記感光体の軸方向と平行な方向に延びる帯電ワイヤを有し、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記帯電器のリーク電流を検出する検出手段と、前記検出手段によりリーク電流が検出された場合に前記帯電ワイヤを清掃する清掃手段、及び前記検出手段によりリーク電流が検出された場合に前記帯電ワイヤを交換する交換手段のうち少なくともいずれか一方の手段とを備えた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、前記帯電器は、前記帯電器のリークを促進する促進手段を有し、前記促進手段は、前記静電潜像が形成される画像形成領域に対向する位置以外に設けられている。これにより、促進手段でリーク電流が発生したときに、帯電ワイヤが少なくとも清掃又は交換されるので、ワイヤ太りが進行することを未然に防止でき、感光体に形成される静電潜像に悪影響を与えるリークを抑制することが可能となるとしている。又、促進手段は、静電潜像が形成される画像形成領域に対向する位置以外に設けられているので、促進手段で発生したリーク電流が静電潜像に悪影響を与えてしまうことを抑制することができるとしている。
【0007】
又、特開2010−113127号公報(特許文献5)には、回転可能に支持され、駆動源からの駆動力を受けて回転する感光体ドラムと、帯電するトナーを担持するとともに、交流電圧を出力する第1電圧印加部が接続され、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラと、トナーを前記現像ローラに供給し、前記現像ローラを前記感光体ドラムに対しギャップを設けつつ対向させて支持する現像装置と、前記感光体ドラムに当接して残留トナーを除去する当接部材と、を含む画像形成部と、前記現像ローラと前記感光体ドラム間の放電発生を検出するための検出部と、を備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、前記感光体ドラムが回転し、前記第1電圧印加部が、前記現像ローラに印加する交流電圧のピーク間電圧の段階的な変更を行って、前記感光体ドラムと前記現像ローラ間で放電が発生する電圧の検出を行う放電検出時、前記現像装置は、予め定められたタイミングで、予め定められた時間だけ、前記現像ローラにトナーを供給する。これにより、放電検出時、現像ローラに常時トナーを担持させず、放電の発生する電圧の安定化を図るので、放電発生開始電圧を正確、高精度に測定でき、更に、一定のタイミングで現像ローラ、感光体ドラムにトナーを供給するので、当接部材部分のトナーの電位の過上昇を防ぎ、感光体ドラムの損傷を防ぐことができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さて、トナー及びキャリアを含有する二成分の現像剤を担持する磁気ローラ(マグローラ)からトナーのみを転移させることにより現像スリーブローラ(スリーブローラ)上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体(感光体ドラム)の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像するタッチダウン現像方式では、
図8(A)に示すように、現像バイアスの印加形態として、磁気ローラとスリーブローラとに直流電圧と交流電圧とを重畳させた現像バイアス電圧を印加させている。具体的には、
図8(A)に示すように、磁気ローラには、交流電圧と直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧が印加されるとともに、スリーブローラには、交流電圧と直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧であって、前記磁気ローラ電圧のパルスの凸部分に対応する凹部分と当該磁気ローラ電圧のパルスの凹部分に対応する凸部分とを有するスリーブローラ電圧が印加される。そして、前記磁気ローラ電圧と前記スリーブローラ電圧とが重畳することで、当該磁気ローラと当該スリーブローラとの間に一定の現像バイアス電圧が表面電位(表面電圧)として印加された状態となる。これを用いて、磁気ローラからトナーをスリーブローラへ飛翔させる。
【0010】
ここで、上述した磁気ローラ電圧とスリーブローラ電圧とを発生させるために、画像形成装置(現像装置)の内部の電圧電源構成では、
図8(B)に示すように、所定の交流高圧電源と、磁気ローラへ電圧を印加する磁気ローラ電圧線及びスリーブローラへ電圧を印加するスリーブローラ電圧線との間に、交流用トランス(変圧器)を設け、前記交流高圧電源の電圧を、前記磁気ローラ電圧線の電圧と、前記スリーブローラ電圧線の電圧とに分配する。そして、前記磁気ローラ電圧線には、所定の直流電圧を印加するとともに、前記スリーブローラ電圧線にも、所定の直流電圧を印加することで、当該磁気ローラ電圧線と当該スリーブローラ電圧線とからそれぞれ(交流電圧と直流電圧とを重畳させた)パルス状の電圧が出力されることになる。この出力される電圧を用いることで、上述した現像バイアス電圧を実現する。
【0011】
このような内部の電圧電源構成において、例えば、現像効率を高めるために、前記交流電圧電源の交流電圧を高くする方法が採用されるが、この方法を採用すると、スリーブローラ電圧も高くなることから、当該スリーブローラと感光体との間に放電が生じて、異常画像が発生するという問題がある。
【0012】
そのため、従来技術において、前記交流電圧電源の交流電圧の振幅を徐々に増加させて、前記放電が生じ得ない交流電圧電源の交流電圧の放電開始電圧を測定する方法が採用されている。この放電開始電圧を測定する場合、磁気ローラからスリーブローラへトナーが飛翔しないような構成を採用しているが、どのような構成であっても、前記放電開始電圧を適切に測定出来ないという問題がある。
【0013】
例えば、磁気ローラに設けられる所定の穂切り部に所定の磁界を与え、当該磁気ローラに供給されるトナーを遮断する構成では、トナーの遮断を実現できても、当該磁気ローラには交流電圧が印加されるため、結局、磁気ローラとスリーブローラとの間にリークが生じるという問題がある。
【0014】
又、磁気ローラとスリーブローラとの間にシャッターを設ける構成では、当該磁気ローラと当該スリーブローラとの間の距離が300μmと非常に微小であるため、現実的でないという問題がある。
【0015】
このように、通常、磁気ローラとスリーブローラとの間にリークが発生すると、前記放電開始電圧を適切に測定することが出来ないため、適切な現像バイアス電圧を供給することが出来ず、結局、画質を悪化させるという問題がある。このような問題に対して、上述した特許文献1−5に記載の技術では解決することが出来ない。
【0016】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、磁気ローラへの電圧電流配線を変更することで、適切な放電開始電圧を測定することが可能な画像形成装置及び放電開始電圧測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、
現像容器から磁気ローラに転移された2成分現像剤を、現像バイアス電圧に基づいて前記磁気ローラからスリーブローラにトナーのみを転移させ、当該トナーを感光体の潜像に対応して飛翔させる現像装置と、所定の交流電圧を第一の交流電圧と第二の交流電圧とに分配する交流用トランスを備え
た画像形成装置であって、以下の構成を採用する
【0018】
即ち、前記画像形成装置は、画像形成の際に、前記スリーブローラに、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧を印加させるとともに、前記磁気ローラに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させることで、当該磁気ローラに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧を印加させ
て前記現像バイアス電圧を得る現像バイアス印加手段と、放電開始電圧の測定の際に、前記磁気ローラへの第二の交流電圧の印加を停止させる交流電圧停止手段と、前記磁気ローラへの第二の交流電圧の印加が停止されると、前記交流用トランスの交流電圧を増加させて、前記スリーブローラと前記磁気ローラとの間に生じる放電開始電圧を測定する放電開始電圧測定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
又、前記磁気ローラへ第二の直流電圧を印加する直流電圧線と当該磁気ローラへ第二の交流電圧を印加する交流電圧線との間には、所定の絶縁材料が設けられる。
【0020】
又、本発明は、
現像容器から磁気ローラに転移された2成分現像剤を、現像バイアス電圧に基づいて前記磁気ローラからスリーブローラにトナーのみを転移させ、当該トナーを感光体の潜像に対応して飛翔させる現像装置と、所定の交流電圧を第一の交流電圧と第二の交流電圧とに分配する交流用トランスを備え
た画像形成装置の放電開始電圧測定方法として構成することが出来る。前記放電開始電圧測定方法では、画像形成の際に、前記スリーブローラに、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧を印加させるとともに、前記磁気ローラに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させることで、当該磁気ローラに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧を印加させ
て前記現像バイアス電圧を得るステップと、放電開始電圧の測定の際に、前記磁気ローラへの第二の交流電圧の印加を停止させるステップと、前記磁気ローラへの第二の交流電圧の印加が停止されると、前記交流用トランスの交流電圧を増加させて、前記スリーブローラと前記磁気ローラとの間に生じる放電開始電圧を測定するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成装置及び放電開始電圧測定方法によれば、磁気ローラへの電圧電流配線を変更することで、適切な放電開始電圧を測定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0025】
<画像形成装置>
以下、本発明に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成図である。
【0026】
画像形成装置1は、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部A1、用紙を収容する用紙収容部2、画像形成部A1で形成されたトナー画像を用紙上に転写する二次転写部3を備えている。又、転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部4、定着の完了した用紙を排紙する排紙装置5、及び、排紙された用紙を受ける排紙トレイ7を備えている。さらに、画像形成装置1は、用紙収容部2から排紙装置5まで用紙を搬送する用紙搬送部6を備えている。
【0027】
画像形成部A1は、中間転写ベルトB1(中間転写体)、中間転写ベルトB1のクリーニング部B2、並びに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBを備える。
【0028】
中間転写ベルトB1は、導電性を有する使用可能な用紙搬送方向に直角な方向の長さが最大の用紙より幅広であって、無端状、すなわちループ状のベルト状部材であり、
図1において時計回りに循環駆動される。
【0029】
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、中間転写ベルトB1に沿って、中間転写ベルトB1の移動方向において、中間転写ベルトB1のクリーニング部B2より下流かつ二次転写部3の上流に、この順に配される。なお、各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番はこの限りではないが、各色の混色による完成画像への影響を配慮すると、この配置が好ましい。画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置は、当該画像形成ユニット間の間隔が均等になるように配置される。
【0030】
次に、この画像形成装置1の画像形成動作を説明する。
図2は、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの1つの詳細図である。各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBはほぼ同等な構成となっている。
【0031】
画像形成ユニットFYは、感光体ドラム(像担持体)10、帯電器11、LED露光装置12、黄色用の現像装置HY、一次転写ローラ(電圧印加部)20、感光体ドラム10のクリーニングブレード35、除電装置13、キャリア除去ローラ(キャリア除去部材)30を備える。
【0032】
尚、他の画像形成ユニットFM、FC、FBはそれぞれの色に対応した現像装置HM、HC、HBを備える。又、画像形成ユニットのうち、中間転写ベルトB1の移動方向の最下流側に位置する画像形成ユニットFBには、その下流に画像形成部が位置しないためキャリア除去ローラ30が設けられていないが、その他の構成は同一である。
【0033】
感光体ドラム10は、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナーを含むトナー像を担持することができるようになっていればよい。
【0034】
本実施形態において、感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の移動方向に垂直かつ中間転写ベルトB1の面方向に平行な回転軸を中心に回転可能に配される略円筒状の部材とする。又、感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の表面に、所定の一次転写位置10Sにて接するようになっている。そして、感光体ドラム10は、一次転写位置10Sでの移動方向が中間転写ベルトB1の移動方向と同方向になるように、つまり
図2においては反時計回りに回転可能である。
【0035】
クリーニングブレード35、除電装置13、帯電器11、露光装置12、黄色用の現像装置HYは、感光体ドラム10の回りに、上述の回転方向に沿って、一次転写位置から見てこの順に配される。
【0036】
帯電器11は、感光体ドラム10表面を一様に帯電させることができる。露光装置12は、LED等の光源を有し、パーソナルコンピュータ(PC)等の上位装置からの画像データに応じて、帯電した感光体ドラム10表面を画像データに応じた光で照射し、感光体ドラム10表面に静電潜像を形成可能である。
【0037】
黄色用の現像装置HYは、黄色のトナー及びキャリアを含む現像剤を前記静電潜像に対向するように保持することで、静電潜像にトナーを付与し、静電潜像をトナー像として現像することができる。このトナー像は一次転写ローラ20によって中間転写ベルトB1に一次転写される。一次転写ローラ20の詳細については後述する。
【0038】
クリーニングブレード35は、感光体ドラム10に接するように配されたブレード状の部材である。クリーニングブレード35は一次転写後、感光体ドラム10の表面に残留した現像剤を除去する。
【0039】
除電装置13は光源を備え、クリーニングブレード35による現像剤除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電し、次の画像形成に備える。
【0040】
一次転写ローラ20は、中間転写ベルトB1の裏面に、中間転写ベルトB1の移動方向において前記一次転写位置10Sより下流の電圧印加位置20Sで接するように配される。一次転写ローラ20には、図示しない電源からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加されるようになっている。つまり、一次転写ローラ20は、電圧印加位置20Sにて、中間転写ベルトB1にトナーと逆極性の電圧を印加することができる。中間転写ベルトB1は導電性を有するので、この印加電圧によって、電圧印加位置20Sの中間転写ベルトB1の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。
【0041】
そこで、本実施形態では、前記一次転写位置10Sを、この印加電圧によってトナーが中間転写ベルトB1側に引き付けられる範囲内に配する。その結果、感光体ドラム10から中間転写ベルトB1の表面へトナーが移動し、一次転写が行われる。
【0042】
このように一次転写が可能であれば、一次転写ローラ20の具体的な構成は特に限定されず、具体的な構成は適宜変更可能である。本実施形態においては、一次転写ローラ20は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と逆方向に回転可能な、つまり電荷印加位置20Sでの移動方向が中間転写ベルトB1と同方向になるように回転可能な、略円柱状の部材とする。
【0043】
本実施形態では、キャリア除去ローラ30は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と同方向に回転可能な略円柱状の部材であるとするが、これに限定されるものではなく、中間転写ベルトB1の移動方向において電荷印加位置20Sよりも下流、二次転写位置よりも上流で中間転写ベルトB1表面からキャリアを除くことができればよい。具体的には、キャリア除去ローラ30は、中間転写ベルトB1の表面に接することによって、中間転写ベルトB1表面のキャリアを自身の表面に移動させることができるようになっていればよい。
【0044】
一次転写時には、トナーと共にキャリアも感光体ドラム10から中間転写ベルトB1へと少量転移することがある。このキャリアの転移は、下流側の画像形成部における一次転写を妨げて画像のぼけ及びにじみ等の画像の不具合を引き起こす場合がある。キャリア除去ローラ30を設けることによって、このような画像の不具合を防ぐことができる。
【0045】
本実施形態では、キャリア除去ローラ30が、中間転写ベルトB1の移動方向において前記電荷印加位置20Sよりも下流で中間転写ベルトB1の表面に接するように配置される。前記キャリア除去ローラ30は、上述のクリーニングブレード35と共に、クリーニングユニット31に組み込まれている。クリーニングユニット31は、画像形成ユニットFY内に設けられており、クリーニングブレード35及びキャリア除去ローラ30の他に、キャリア除去ローラ30の表面に接することでキャリア除去ローラ30表面に付着したキャリアを除去するキャリア除去ブレード31bと、キャリア除去ローラ30から除去されたキャリア、及び感光体ドラム10表面からクリーニングブレード35によって除去された現像剤(トナー及びキャリアを含む)とを、クリーニングユニット31の外部に搬送する搬送部材31cを備える。画像形成ユニットFYはさらに、搬送部材31cによって搬送されたキャリア及びトナーを再利用するため、キャリアとトナーとを分離する分離部等を備えてもよい。
【0046】
次に、現像装置HYの構成について説明する。各色の現像装置HY、HM、HC、HBの構成は同等である。
【0047】
現像装置HYは、現像容器40、現像ローラ(スリーブローラ)40a、磁気ローラ(マグローラ)40b、汲み上げローラ40c、撹拌スパイラル40d及び40e、クリーニングブレード40f、並びに磁気ローラドクターブレード40gを備える。
【0048】
現像容器40は、内部に黄色のトナー(トナー粒子)とキャリアからなる現像剤を貯留する。撹拌スパイラル40d及び40eは、現像容器40の現像剤に全体が浸るように設けられ、現像剤を撹拌する。撹拌スパイラル40dと40eの回転によってトナーがキャリアに均一に分散される。
【0049】
汲み上げローラ40cは現像容器の現像剤にその一部が浸るように配置され、現像剤をその表面に付着させて汲み上げる。この汲み上げローラ40cに接するようにして磁気ローラ40bが配置され、汲み上げローラ40cから現像剤の供給を受ける。磁気ローラ40bの回転方向の汲み上げローラ40cと接する位置の下流側に、磁気ローラ40bの表面の現像剤の層厚を規制する磁気ローラドクターブレード40gが設けられる。磁気ローラドクターブレード40gは、磁気ローラ40bの表面の現像剤層厚を所定量になるように規制する。磁気ローラ40bと接するように現像ローラ40a(現像器ともいう)が配置され、その表面に磁気ローラ40bから現像剤が付与される。磁気ローラ40bの現像剤の層厚が所定値に規制されているので現像ローラ40aの表面に形成される現像剤の層厚も所定値に保たれる。この現像ローラ40aは感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ40aに印加される現像バイアス値の電位差によって上位装置から形成指示された画像に応じたトナー像が感光体ドラム10表面に形成される(現像動作)。
【0050】
本発明の画像形成装置では、前記現像ローラ40aに印加される現像バイアス値(電圧値、単にバイアス値とする)を調整することで、トナー像の画像濃度補正を行うことを特徴としている。
【0051】
感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ40aの表面の現像剤は現像クリーニングブレード40fによって除去され、クリーニングブレード40fの表面に沿って流下し図示しない流路を通って現像容器40に貯留されている現像剤と混合される。
【0052】
又、現像容器にはトナー濃度センサ40hが配置され、現像容器40内の現像剤のトナー濃度を検出する。トナー濃度が所定値より低いことが検出された場合には、図示しないトナーカートリッジからトナー(所定値よりトナー濃度が高い現像剤)が現像容器40に供給され、トナー濃度が所定値より高い場合には図示しないキャリアカートリッジからキャリアがトナー容器40に供給される。
【0053】
このような構成の下、パーソナルコンピュータ(PC)等の上位装置から画像形成の指示を受けた画像形成装置1は、指示を受けた画像データに対応した各色のトナー像を画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを用いて形成する。各画像形成部で形成されたトナー像は中間転写ベルトB1に転写されて、中間転写ベルトB1上で重ね合わされてカラートナー像となる。
【0054】
このカラートナー像の形成と同期して用紙収容部2に収容されている用紙が図示しない給紙装置で用紙収容部2から一枚ずつ取り出されて、用紙搬送部6上を搬送される。そして、用紙は中間転写ベルトB1への一次転写とタイミングを合わせて二次転写部3に送り込まれ、二次転写部3で中間転写ベルトB1上のカラートナー像が用紙に二次転写される。カラートナー像が転写された用紙はさらに定着部4に搬送されて熱と圧力によりカラートナー像が用紙に定着される。さらに用紙は排紙装置5によって画像形成装置1の外周に設けられた排紙トレイ部7に排紙される。二次転写後、中間転写ベルトB1に残留したトナーは、中間転写ベルトB1のクリーニング部B2によって中間転写ベルトB1から除去される。
【0055】
図3は、本実施形態における画像形成装置1の制御関連の概略構成図である。
【0056】
画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び前記印刷における各駆動部307に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305とデータや命令を授受することにより前記
図1に示した各駆動部の動作を制御する。又、前記駆動部以外の後述する各手段(
図4に示す)についても、CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
【0057】
<本発明の実施形態>
次に、
図4、
図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。
図4は、本発明の画像形成装置の機能ブロック図である。又、
図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0058】
先ず、ユーザが、画像形成装置1の電源を投入すると、当該画像形成装置1の画像形成手段401が、画像形成可能な状態へ移行させる。この前記画像形成可能な状態への移行処理には、例えば、設定条件の初期化、キャリブレーションの実行等がなされる。
【0059】
前記画像形成装置1が画像形成可能な状態へ移行すると、ユーザが、PC等の上位装置(端末装置)から所定の画像データと画像形成の指示とを当該画像形成装置1に送信すると、前記画像形成装置1の画像形成手段401が、当該画像データに基づいて画像形成を実行する。
【0060】
ここで、画像形成手段401が画像形成を実行する際に、その旨を現像バイアス印加手段402に通知し、当該通知を受けた現像バイアス印加手段402は、スリーブローラ40aに、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧を印加させるとともに、磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させることで、当該磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧を印加させる。
【0061】
尚、前記磁気ローラ電圧は、前記スリーブローラ電圧のパルスの凸部分に対応する凹部分と当該スリーブローラ電圧のパルスの凹部分に対応する凸部分とを有する電圧となり、前記スリーブローラ電圧と前記磁気ローラ電圧とにより、前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間には、一定の現像バイアス電圧が表面電位として印加された状態となる。
【0062】
ここで、前記現像バイアス印加手段402が、前記スリーブローラ40aにスリーブローラ電圧を印加させるとともに、前記磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させる方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下のようになされる。
【0063】
例えば、画像形成装置1の内部の交流電圧直流電圧電源構成を、
図6に示すように構成する。先ず、所定の交流高圧電源に交流用トランスを設けて、当該交流電圧電源の交流電圧を、前記スリーブローラ40aへ電圧を供給するスリーブローラ電圧線601と、前記磁気ローラ40bへ交流電圧を供給する磁気ローラ交流電圧線602とに分配する構成とする。尚、前記磁気ローラ交流電圧線602の入力端子は接地される。
【0064】
次に、所定の直流電圧電源に直流用トランスを設けて、当該直流電圧電源の直流電圧を、一つの直流電圧線603に供給し、当該直流電圧線603から二つの直流電圧線604、605に分岐する。尚、前記一つの直流電圧線603の入力端子は接地される。
【0065】
そして、一方の直流電圧線604は、前記スリーブローラ40a用の直流電圧を制御する第一の制御部606を通じて、前記スリーブローラ電圧線601の入力端子601a(交流用トランスに入力する前の入力端子)に電気的に接続される。
【0066】
これにより、一方の直流電圧線604からの直流電圧が前記スリーブローラ電圧線601に印加されるとともに、当該スリーブローラ電圧線601は、交流用トランスにより、所定の交流電圧(第一の交流電圧)が印加されるから、当該スリーブローラ電圧線601の出力端子601bには、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧が出力されることになる。前記スリーブローラ電圧線601の出力端子601bがスリーブローラ40aに電気的に接続されることで、当該スリーブローラ40aに、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧が印加される。
【0067】
一方、他方の直流電圧線605は、前記磁気ローラ40b用の直流電圧を制御する第二の制御部607を通じて、前記磁気ローラ40bに電気的に接続される出力端子605aを有し、更に、前記磁気ローラ交流電圧線602は、前記他方の直流電圧線605と電気的に接続すること無く、前記磁気ローラ40bに電気的に接続される出力端子602aを有する。前記他方の直流電圧線605の出力端子605aと、前記磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aとがそれぞれ磁気ローラ40bに電気的に接続されることで、前記磁気ローラ40bに、前記磁気ローラ交流電圧線602の交流電圧(第二の交流電圧)と前記他方の直流電圧線605の直流電圧(第二の直流電圧)とが別個に印加されて、当該磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧が印加されることになる。
【0068】
尚、前記磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aと、前記磁気ローラ40bとの間には、所定の絶縁部608が設けられ、当該磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aと当該磁気ローラ40bとを電気的に接続したり遮断したり出来るようになっている。
【0069】
画像形成の際には、前記現像バイアス印加手段402が、
図7(A)に示すように、前記絶縁部608を取り外して、前記磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aと当該磁気ローラ40bとを電気的に接続することで、前記磁気ローラ40bに、第二の交流電圧を印加する。
【0070】
尚、
図7(A)に示すように、前記スリーブローラ電圧線601の出力端子601bは、巻きバネ609を介してスリーブローラ40aに電気的に接続され、前記他方の直流電圧線605の出力端子605a、前記磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aは、それぞれ別の巻きバネ609を介して磁気ローラ40bに電気的に接続されている。又、前記他方の直流電圧線605と、前記磁気ローラ交流電圧線602との間には、所定の絶縁材料610がシールドとして予め設けられ、当該他方の直流電圧線605と当該磁気ローラ交流電圧線602の電気的接続を確実に防止している。
【0071】
さて、前記現像バイアス印加手段402が、前記スリーブローラ40aにスリーブローラ電圧を印加させ、前記磁気ローラ40bに第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させると、前記画像形成手段401は、画像形成を実行する。
【0072】
ここで、前記画像形成手段401が画像形成の実行を完了すると、現像バイアス電圧の印加における放電開始電圧を測定するか否かを判定する(
図5:S101)。
【0073】
前記画像形成手段401が前記放電開始電圧を測定するか否かを判定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、前記現像装置のスリーブローラ40a、磁気ローラ40bの交換直後か否か、前記画像形成の実行による積算印刷枚数が予め設定された第一の閾値(例えば、100枚等)を超過したか否か、前記画像形成装置1の有する温度計の温度が予め設定された第二の閾値(例えば、30度)を超過したか否か、前記画像形成装置1の有する湿度計の湿度が予め設定された第三の閾値(例えば、60%)を超過したか否か等を挙げることが出来る。尚、前記放電開始電圧の測定は、上述した画像形成可能な状態に移行する際に実行しても良い。
【0074】
さて、前記判定の結果、前記放電開始電圧を測定しないと判定された場合(
図5:S101NO)、前記画像形成手段401は、ユーザの画像形成の指示に基づいて継続的に画像形成を実行する。
【0075】
一方、前記判定の結果、前記放電開始電圧を測定すると判定された場合(
図5:S101YES)、前記画像形成手段401は、その旨を交流電圧停止手段403に通知し、当該通知を受けた交流電圧停止手段403は、前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加(供給)を停止させる(
図5:S102)。
【0076】
前記交流電圧停止手段403が前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加を停止させる方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、
図7(B)に示すように、前記磁気ローラ40bと前記磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aとの間に設けられた絶縁部608を挿入させて(機能させて)、当該磁気ローラ交流電圧線602の出力端子602aと当該磁気ローラ40bとを電気的に遮断する方法を挙げることが出来る。
【0077】
これにより、前記磁気ローラ40bの磁気ローラ交流電圧線602に交流電圧を分配する交流用トランスを制御して、前記スリーブローラ交流電圧線601に印加される交流電圧の振幅を増大したとしても、当該スリーブローラ40aにのみ増大した交流電圧が印加され、前記磁気ローラ40bに交流電圧が印加されない状態となる。
【0078】
そして、前記交流電圧停止手段403が前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加を停止させると、その旨を放電開始電圧測定手段404に通知し、当該通知を受けた放電開始電圧測定手段404は、前記交流用トランスの交流電圧を増加させて、前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間に生じる放電開始電圧を測定する。
【0079】
前記放電開始電圧測定手段404が前記放電開始電圧を測定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、前記交流用トランスの交流電圧の振幅を徐々に増加させるとともに(
図5:S103)、前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間に流れる電流(放電)の検知を開始する(
図5:S104)。
【0080】
前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間に流れる電流が検知されない場合には(
図5:S104NO)、S103へ戻り、前記放電開始電圧測定手段404は、前記交流用トランスの交流電圧の振幅の増加を継続する。
【0081】
ここで、上述のように、前記スリーブローラ交流電圧線601に印加される交流電圧の振幅を増加しても、前記磁気ローラ40bに交流電圧が印加されないため、当該磁気ローラ40bにトナーが供給されることを確実に防止し、前記磁気ローラ40bと前記スリーブローラ40aとの間にリークが生じることを確実に防止することが可能となる。又、前記磁気ローラ40bとスリーブローラ40aとの間にシャッター等を設ける必要もない。
【0082】
さて、前記交流用トランスの交流電圧が、例えば、1500V程度まで増加して、前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間に電流が流れると(
図5:S104YES)、前記放電開始電圧測定手段404が、当該電流(放電)を検知し、この検知時の前記交流用トランスの交流電圧を放電開始電圧として決定する(
図5:S105)。
【0083】
これにより、上述したリークが発生することなく、放電開始電圧を適正に測定することが可能となる。
【0084】
前記放電開始電圧測定手段404が放電開始電圧を決定すると、その旨を画像形成手段401に通知し、当該画像形成手段401は、これ以降に実施される画像形成の実行において、前記放電開始電圧を用いて現像バイアス電圧を生じさせることになる。その場合、適正な放電開始電圧であるため、適切な現像バイアス電圧を供給することが出来て、高品質な画像形成を提供することが可能となる。
【0085】
このように、本発明は、画像形成の際に、前記スリーブローラ40aに、第一の交流電圧と第一の直流電圧とを重畳させたパルス状のスリーブローラ電圧を印加させるとともに、前記磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを別個に印加させることで、当該磁気ローラ40bに、第二の交流電圧と第二の直流電圧とを重畳させたパルス状の磁気ローラ電圧を印加させる現像バイアス印加手段402と、放電開始電圧の測定の際に、前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加を停止させる交流電圧停止手段403と、前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加が停止されると、前記交流用トランスの交流電圧を増加させて、前記スリーブローラ40aと前記磁気ローラ40bとの間に生じる放電を検知して、放電開始電圧を測定する放電開始電圧測定手段404とを備えることを特徴とする。
【0086】
これにより、磁気ローラ40bへの電圧電流配線を変更することで、適切な放電開始電圧を測定することが可能となる。
【0087】
尚、本発明の実施形態では、前記交流電圧停止手段403が、前記絶縁部608を利用して前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加を停止させるよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記放電開始電圧の測定を、現像装置のスリーブローラ40a、磁気ローラ40bの交換時に実行する場合に、前記交流電圧停止手段403の代わりに、前記交換を行うサービスマンが、前記絶縁部608を操作(挿入)して、前記磁気ローラ40bへの第二の交流電圧の印加を停止させるよう構成しても良い。
【0088】
又、前記放電開始電圧の測定は、メンテナンスのみに実行される場合に、前記絶縁部608を取り外し可能に設置して、サービスマンがメンテナンスのみに、当該絶縁部608を挿入するよう構成しても構わない。
【0089】
又、本発明の実施形態では、前記現像バイアス印加手段402をハード的に構成したが、ソフト的に構成しても構わない。
【0090】
又、本発明は、タッチダウン現像方式を想定したが、二成分の現像剤を用いる現像装置の画像形成装置であれば、どのような画像形成装置でも構わない。
【0091】
又、本発明では、例えば、黒色(BK)の現像装置について説明したが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の他の色でも構わない。
【0092】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像形成装置1に読み出させ、当該画像形成装置1が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。