特許第6173272号(P6173272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6173272拡張現実表示装置および拡張現実表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173272
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】拡張現実表示装置および拡張現実表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20170724BHJP
   G02B 27/22 20060101ALI20170724BHJP
   H04N 13/04 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   G02B27/01
   G02B27/22
   H04N13/04 430
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-156554(P2014-156554)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-184671(P2015-184671A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2014年7月31日
(31)【優先権主張番号】201410108202.8
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410108172.0
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420129461.4
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514194624
【氏名又は名称】トロンクシズ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】ゲー チャン
(72)【発明者】
【氏名】ソン レイ
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02508404(GB,A)
【文献】 国際公開第2008/030080(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/031819(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/045437(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02508933(EP,A1)
【文献】 実開昭60−090419(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/105847(WO,A1)
【文献】 特開2012−141502(JP,A)
【文献】 特開2011−085790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 − 27/02
G02B 27/22 − 27/26
H04N 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子表示機器を載置するための上支持体と、
下支持体と、
上記上支持体と上記下支持体との間に連結され、上記上支持体との間の夾角が90°未満であり、
上記電子表示機器の表示画像を拡張現実表示する透過反射部品と
を含む拡張現実表示装置において
下支持体の透過反射部品に対向する表面に設置された光吸収層を更に含み、
上記拡張現実表示装置は、視角調節機構をさらに含み、該視角調節機構は下支持体の底部に設置され、上支持体、透過反射部品及び下支持体を相対位置が固定された状態で当該視角調節機構に対して回転させることを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の拡張現実表示装置において、
上記透過反射部品は、第1面と上記第1面に対向する第2面とを含み、
上記拡張現実表示装置による表示時に、上記上支持体は、上記透過反射部品の第1面側に位置し、上記下支持体は、上記透過反射部品の第2面側に位置することを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の拡張現実表示装置において、
上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示し、
上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含むことを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の拡張現実表示装置において、
観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、
観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットと
をさらに含むことを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の拡張現実表示装置において、
上記電子表示機器による表示画像の制御情報を表示し、上記制御情報に対するフィードバックに基づいて、上記電子表示機器による表示内容を制御するための、上支持体または下支持体に設置される表示制御パネルをさらに含むことを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の拡張現実表示装置において、
上記夾角が30°〜60°であることを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の拡張現実表示装置において、
上記上支持体と上記透過反射部品とは固定連結であり、上記透過反射部品と上記下支持体とは固定連結であり、上記上支持体と上記下支持体とは平行に設置されることを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の拡張現実表示装置において、
上記上支持体と上記透過反射部品とは可動連結であることを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の拡張現実表示装置において、
上記透過反射部品と上記下支持体とは、可動連結または固定連結であることを特徴とする拡張現実表示装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載する拡張現実表示装置と電子表示機器を含み、
上記電子表示機器は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含むことを特徴とする拡張現実表示システム。
【請求項11】
請求項10に記載の拡張現実表示システムにおいて、
上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示し、
上記電子表示機器は、
観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、
観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットと
をさらに含むことを特徴とする拡張現実表示システム。
【請求項12】
請求項1または2に記載する拡張現実表示装置と電子表示機器を含み、
上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含むことを特徴とする拡張現実表示システム。
【請求項13】
請求項12に記載の拡張現実表示システムにおいて、
上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示し、
上記拡張現実表示装置は、
観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、
観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットと
をさらに含むことを特徴とする拡張現実表示システム。
【請求項14】
請求項3に記載する拡張現実表示装置と電子表示機器を含み、
上記電子表示機器は、
観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、
観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットと
をさらに含むことを特徴とする拡張現実表示システム。
【請求項15】
請求項1に記載の拡張現実表示システムにおいて、
上記透過反射部品は、
環境の光線に応じて透過反射率を調節可能な部品であることを特徴とする拡張現実表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に係り、特に拡張現実表示装置および拡張現実表示システムに係る。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展につれて、二次元表示装置において、高い解像度や色彩度が実現されている。二次元表示技術は、すでに成熟傾向になりつつある。一方、新興の三次元表示技術(立体表示技術または3D表示技術とも言う)は、ユーザに強烈な視覚的インパクトを与えることができ、将来の表示技術の発展における1つの重要な方向である。
【0003】
三次元表示技術は、主にホログラフィック技術、眼鏡式立体表示技術および裸眼立体表示技術を含む。そのうち、ホログラフィック技術は、コストが高く、技術が複雑であるため、商業化への期待が大きく制限される。現在、眼鏡式立体表示技術および裸眼立体表示技術のほうがより多く研究されている。そのうち、眼鏡式立体表示技術は、表示画面からの、視差のある二つの画像を示す光線を、かけてあるメガネレンズで分け、対応する目に入るが他方の目に入らないようにし、それから脳の合成によって立体的な視覚を形成する。裸眼式立体表示は、原理が類似するが、ただ、視差のある二つの画像を示す光線を、表示画面にある光学格子(よく見られるのは、視差障害、レンズアレイ、指向性光源などがある)で分け、対応する目に入るが他方の目に入らないようにし、それから脳の合成によって立体的な視覚を形成する。眼鏡式にしても裸眼式立体表示技術にしても、立体場面の表示効果が表示器画面の縁による制限を受けることが存在する。3D画像が一本の延々とする3D道を表現する場合、伝統的な3D表示装置で表示すると、路面が電子表示機器の表示縁から制限を受けて延伸できないという圧迫感および/またはめまいの感覚が生じてしまい、観察者の視覚疲労を引き起こすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の医療分野に応用される表示技術において、米国特許US2005/0285853A1では、三次元データによる病巣の検出、ユーザによる病理報告の編集や作製が可能な装置が開示されている。当該装置は、画像投射システム、ハーフミラー、および非透明画面によって三次元データを表示する。上記特許の明細書の図3に示すように、ハーフミラーとデスクの表面とは45度の夾角をなし、非透明画面がフックによって上部に設置される。発明者は、上記の設置方式の光路を分析した上で、ハーフミラー前の観察者がハーフミラー裏の画像を見るには、当該画像が実像でなければならないことが分かった。しかし、現在、立体実像を形成する技術、例えば上記のホログラフィック映像技術には、コストが高く、技術が複雑である欠点が存在することが多く、商業化が難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術問題を解決するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
電子表示機器を載置するための上支持体と、下支持体と、上記上支持体と上記下支持体との間に連結され、上記上支持体との間の夾角が90°未満であり、上記電子表示機器の表示画像を拡張現実表示する透過反射部品とを含む拡張現実表示装置。
【0006】
さらに、上記透過反射部品は、第1面と上記第1面に対向する第2面とを含み、上記拡張現実表示装置による表示時に、上記上支持体は、上記透過反射部品の第1面側に位置し、上記下支持体は、上記透過反射部品の第2面側に位置する。
【0007】
さらに、上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示し、上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含む。
【0008】
さらに、上記拡張現実表示装置は、観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットとをさらに含む。
【0009】
さらに、上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器による表示画像の制御情報を表示し、上記制御情報に対するフィードバックに基づいて、上記電子表示機器による表示内容を制御するための、上支持体または下支持体に設置される表示制御パネルをさらに含む。
【0010】
さらに、上記夾角が30°〜60°である。
【0011】
選択可能に、上記上支持体と上記透過反射部品とは固定連結であり、上記透過反射部品と上記下支持体とは固定連結であり、上記上支持体と上記下支持体とは平行に設置される。
【0012】
選択可能に、上記上支持体と上記透過反射部品とは可動連結である。
【0013】
さらに、上記透過反射部品と上記下支持体とは、可動連結または固定連結である。
【0014】
電子表示機器を載置するための支持体と、上記支持体と90°未満の夾角の連結を形成し、上記電子表示機器の表示画像を拡張現実表示する透過反射部品とを含む拡張現実表示装置。
【0015】
さらに、上記透過反射部品は、第1面と上記第1面に対向する第2面とを含み、上記拡張現実表示装置による表示時に、上記支持体は、上記透過反射部品の第1面側に位置する。
【0016】
さらに、上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示し、上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含む。
【0017】
さらに、上記拡張現実表示装置は、観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットとをさらに含む。
【0018】
さらに、上記拡張現実表示装置は、上記電子表示機器による表示画像の制御情報を表示し、上記制御情報に対するフィードバックに基づいて、上記電子表示機器による表示内容を制御するための、支持体に設置される表示制御パネルをさらに含む。
【0019】
さらに、上記夾角が30°〜60°である。
【0020】
さらに、上記支持体は、上記透過反射部品の下方向または上方向に設置される。
【0021】
さらに、上記支持体と上記透過反射部品とは可動連結または固定連結である。
【0022】
上記のいずれか1つの拡張現実表示装置と電子表示機器を含む拡張現実表示システムにおいて、上記電子表示機器は、上記電子表示機器の画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニットをさらに含む。
【0023】
さらに、上記電子表示機器は、観察者の位置情報を追跡するための追跡ユニットと、観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の画像配置処理を行うための第2画像処理ユニットとをさらに含む。
【0024】
さらに、上記電子表示機器は、裸眼立体画像または眼鏡式立体画像を表示する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による拡張現実表示装置およびシステムは、上支持体と90°未満の夾角である透過反射部品によって、上支持体に置かれた電子表示機器の画像を拡張現実表示する。透過反射部品の透過機能によって、透過反射部品の前にいる観察者が、縁の制限がなく周囲の環境に融合した実世界の表示画面を見ることができ、観察者に臨場感のある観察効果を創り出し、ユーザの観察体験を効果的に向上させる。また、透過反射部品に縁がなく、縁無しの透明表示パネルの効果を生み出すことができ、視覚の疲労になることが容易ではない。また、本発明の拡張現実表示装置は、製造の工程が簡単であり、コストが低く、製品化されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例1による拡張現実表示装置の一構造図である。
図2】本発明の実施例1による拡張現実表示装置の別構造図である。
図3】本発明の実施例1による拡張現実表示装置の別構造図である。
図4】本発明の実施例1による拡張現実表示装置が表示を行う光路図である。
図5】本発明の実施例2による拡張現実表示装置の構造図である。
図6】本発明の実施例3による拡張現実表示装置の一構造図である。
図7a】本発明の実施例3による拡張現実表示装置が表示を行う光路図である。
図7b】本発明の実施例3による拡張現実表示装置が表示を行う光路図である。
図8】本発明の実施例3による拡張現実表示装置の一構造図である。
図9】本発明の実施例4による拡張現実表示装置の構造図である。
図10a】本発明の実施例4の表示制御パネルで電子表示機器の音楽再生が表示されるときの制御情報である。
図10b】本発明の実施例4の表示制御パネルで電子表示機器の被コールが表示されるときの制御情報である。
図10c】本発明の実施例4の表示制御パネルで電子表示機器のウェブページ表示が表示されるときの制御情報である。
図11】本発明の実施例5による拡張現実表示装置が表示を行う光路図である。
図12a】本発明の実施例6による拡張現実表示装置の構造図である。
図12b】本発明の実施例6による拡張現実表示装置の構造図である。
図13】本発明の実施例7による拡張現実表示装置の構造図である。
図14】本発明の実施例8による拡張現実表示システムの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の上記目的、特徴および利点をより明確に理解可能にするために、以下、図面および具体的な実施形態と結び付けて、本発明についてさらに詳細に記載する。なお、抵触しない限り、本願の実施例および実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0028】
本発明を十分に理解するために、以下の記載では、具体的な細かな点が多く説明されている。しかし、本発明は、それら以外の、ここでの記載と異なる他の方式を用いて実施することもできる。したがって、本発明は、以下に開示する具体的な実施例により制限されない。
実施例1
【0029】
本発明が提供する拡張現実表示装置は、図1に示すように、上支持体11と、下支持体13と、上支持体11と下支持体13との間に連結される透過反射部品12とを含む。上支持体11には、電子表示機器が置かれる。上支持体11の具体的な構造は、電子表示機器の構造に応じて設計でき、電子表示機器を上支持体11の上に載置することのできる構造であればよく、ここで限定しない。例えば、電子表示機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、ゲーム機など、2Dまたは3D表示機能を持つ機器であり、対応する上支持体11は、その上に置かれる携帯電話などの機器と形状やサイズがマッチする支持台である。
【0030】
透過反射部品12は、上支持体11と等幅の平面ハーフミラーを採用する。透過反射部品12は、平面、曲面およびその他の縁なしの幾何面であり、第1面と第2面とを含む。透過反射部品12は、透過反射比率が調整可能であり、サイズが視聴画面の大きさに応じて決まる。透過反射部品12は、反射と透過機能を同時に持つ材料、または、反射と透過機能を同時に持つ材料が塗布されたガラス、プラスチック、アクリル板などの材料を採用して製作され、さらに電子制御液晶パネルのような電子制御透過反射パネルであってもいい。さらに、透過反射部品12の透過反射効果が光照射状況から大きく影響されるため、例えば室外の比較的強烈な日光の下で見る場合、画像のコントラストが明らかに劣化すると感じることがある。本実施例では、透過反射部品12を製作するガラスに調光材料層を塗布し、または、透過反射部品12を製作するガラスに調光材料を添加してもいい。ここで、調光材料は、2種類の異なる分子または電子構造状態があり、可視光領域で2種類の異なる吸収係数を有し、光の作用によって、一種の構造から別種類の構造に変化できる。調光材料は、光の作用を受けて透過率が変更可能である。紫外線が強烈な日光照射の下で、このような調光材料添加ガラスの透過率が低下し、画像のコントラストが保証される。室内環境では、当該透過率が上昇し、仮想画像と実世界の融合度が復元する。ここで、調光材料は、ハロゲン化銀である。
【0031】
下支持体13は、上支持体11と透過反射部品12を支持するためのものであり、水平に置かれるか、上支持体11と平行な支持面、支持台などである。ここで、上支持体11と下支持体13は、図1に示すように、透過反射部品12の異なる側に位置するが、図2に示すように、透過反射部品12の同一側に位置してもいい。
【0032】
上支持体11と透過反射部品12との間は、90°未満の夾角をなす。30〜60度が好ましく、図1および図2では45度の夾角になっている。上支持体11と透過反射部品12とは、係止ケースなどの固定連結によって固定角度で連結してもいいし、可動連結を採用してもよく、ユーザによる必要な視聴角度調整に便利である。ここで、可動連結は、上支持体11に設置される連結位置決め軸と、透過反射部品12に設置される連結位置決め軸カバーによって実現される。具体的に、連結位置決め軸には、位置決め突起が設置されており、連結位置決め軸カバーの内側面には、位置決め突起に対応して位置決め溝が設置されている。連結位置決め軸が連結位置決め軸カバーに挿通するように設置され、かつ位置決め突起が位置決め溝に係合する。もちろん、連結位置決め軸を透過反射部品12に、連結位置決め軸カバーを上支持体11に設置してもいい。また、可動連結は、その他の既有の様々な回転可能に位置決める構造、例えばヒンジ構造であってもいいが、ここでその他の実施状況を贅言しない。透過反射部品12と下支持体13も、上記の固定連結または可動連結で接続してもいい。
【0033】
上記2箇所の連結は、同時に固定連結であってもいいし、一箇所で可動連結であり他方で固定連結であってもいい。例えば図3のように、下支持体13と透過反射部品12とを固定連結し、上支持体11と透過反射部品12とを可動連結することで、ユーザは、上支持体11と透過反射部品12との間の夾角を調整して観察角度を調整可能できる。逆に、下支持体13と透過反射部品12とを可動連結し、上支持体11と透過反射部品12とを固定連結してもよく、ここでは贅言しない。また、上記2箇所の連結を同時に可動連結にしてもいい。ユーザが観察角度を自由に調整できるし、非使用時、ユーザがそれを折畳むことで、収納と携帯に便利である。上記拡張現実表示装置による表示時に、上記上支持体11は、上記透過反射部品12の第1面側に位置し、上記下支持体13は、上記透過反射部品12の第2面側に位置する。上記設定によって、透過反射部品12の上支持体11と異なる側に、電子表示機器による表示画像の虚像が形成され、透過反射部品12によって電子表示機器の画像を拡張現実表示する。
【0034】
さらに、下支持体13の透過反射部品12に対向する表面131に光吸収層を設置してもいい。上記光吸収層は、画像表示中に透過反射部品12から透過した光線を吸収するためのものであり、当該部分の透過光線が再び反射されることによって虚像のコントラストと明るさに影響を与え、視覚の体験効果に影響を与えることを避ける。
【0035】
以下、本実施例の拡張現実表示の原理を図4によって説明する。
【0036】
図4は、本発明によって2D表示画面の拡張現実表示を実現する光路図である。電子表示機器は、2D画面を表示可能な携帯電話、パソコン、ゲーム機などである。図4に示すように、101は、上支持体11が位置する平面であり、102は、透過反射部品12が位置する平面であり、103は、下支持体13が位置する平面である。ユーザが携帯電話を上支持体11に置いたとき、すなわち携帯電話の画面が101平面に位置し、携帯電話の画面上の任意のポイントAからの当該ポイントにおける信号強度を示す光が102平面にある透過反射部品12の反射によって観察者の目に入った後、上支持体11と透過反射部品12との間に90度未満の夾角をなしたため、観察者が透過反射部品12の裏のポイントBにおいてポイントAの像を見ることができ、また透過反射部品12に透過力を持つため、反射部品12の裏の実物と場面も観察者に見られ、仮想画像と実世界が一体に融合した表示効果を形成する。
実施例2
【0037】
拡張現実表示装置は、図5に示すように、上支持体11と、下支持体13と、第1連結構造(図示せず)と、可動連結構造と、透過反射部品12とを含む。上支持体11は、電子表示機器を収容するためのものであり、連結端21aと、当該連結端21aに対向する自由端21bとを含む。透過反射部品12は、第1端51と、当該端に対向する第2端52とを含み、しかも、上記上支持体11に向かう第1面53と、当該第1面に対向し、下支持体13に向かう第2面54とを含む。透過反射部品12は、第1端51が上記第1連結構造を介して第1収納構造の連結端21aに連結し、第2端52が可動連結構造を介して下支持体13に可動連結する。拡張現実表示装置による表示時に、透過反射部品12の第2面54側において、電子表示機器による表示画像の虚像が形成される。
【0038】
本実施例の上支持体11は、中空な長方形の枠体を呈し、中空部分で電子表示機器を収容する収容空間を形成する。収容空間は、電子表示機器の形状やサイズにマッチする。電子表示機器を上支持体11に載置することができる。明らかに、上支持体11は、本実施例による形状に限定されず、電子表示機器を収容可能であり、中空な枠体で電子表示機器の表示面を露出させ、表示時に画像光線が透過反射部品12を経て上記透過反射部品12の第2面54で上記画像の虚像が形成されればいい。本実施例の下支持体13は、四方形の中空な箱体であり、電子表示機器の部品の収納に用いられる。
【0039】
本実施例の下支持体13は、光吸収層(図示せず)も含む。上記光吸収層は、透過反射部品12の第2面54側の下支持体13の表面221に設置され、画像表示中に透過反射部品12から透過した光線を吸収するためのものであり、当該部分の透過光線が再び反射されることによって虚像のコントラストと明るさに影響を与え、視覚の体験効果に影響を与えることを避ける。
【0040】
本実施例の第1連結構造は、固定連結構造であり、すなわち上支持体11の連結端21aが固定連結構造によって透過反射部品12に固定連結し、且つ当該上支持体11に収容される電子表示機器の表示面が透過反射部品12の第1面53と一定の角度をなし、具体的に鋭角であり、30度〜60度が好ましく、45度が最適である。上記固定連結構造は、係合固定構造などの様々な固定構造である。
【0041】
本実施例の可動連結構造は、透過反射部品12の第2端52の縁に設置される連結位置決め軸と、下支持体13に設置される連結位置決め軸カバーとを含む。連結位置決め軸には、位置決め突起が設置されており、連結位置決め軸カバーの内側面には、位置決め突起に対応して位置決め溝が設置される。連結位置決め軸が連結位置決め軸カバーに挿通するように設置され、かつ位置決め突起が位置決め溝に係合する。もちろん、上記連結位置決め軸を下支持体13に、対応する上記連結位置決め軸カバーを透過反射部品12の第2面54に設置してもいい。また、位置決め突起を連結位置決め軸カバー内に、対応する位置決め溝を連結位置決め軸に設置してもいい。また、可動連結構造は、本発明の実施例による構造に限定されず、その他の既有の様々な回転可能に位置決める構造、例えばヒンジ構造であってもいいが、当該回転可能に位置決める構造が良く見られるものであるため、ここでその他の実施状況を贅言しない。
【0042】
本実施例の透過反射部品12は、表面に塗布層を持ち、環境の光線に応じて透過反射率を調節可能な部品である。もちろん、電源の供給を有する場合、透過反射部品12は、液晶ガラス部品(電子制御液晶ガラスともいう)を採用してもいい。通電状態において、電圧を調節することによって透過率を調節して、変化する光線環境に適応する。
【0043】
次ぎ、本実施例の拡張現実表示装置がどのように未表示状態から表示状態に変化するかを詳細に説明する。
【0044】
上支持体11は、外力を受けて、透過反射部品12を下支持体13に対して回転させる。すなわち、透過反射部品12は、第1連結機構を介して下支持体13に対して回転する。それによって、上支持体11と透過反射部品12の第1面53との間に一定の空間が形成され、下支持体13と透過反射部品12の第2面54との間に一定の空間が形成される。その中に収納した電子表示機器の表示面が透過反射部品12の第1面53と45度の鋭角をなし、かつ透過反射部品12の第2面54と第2面54側の下支持体13の表面と45度の鋭角をなしたとき、形成された虚像の大きさや比例は、表示部品による表示画像の大きさや比例と一致し、表示効果が最適となる。本実施例では、上支持体11は、長方体であり、下支持体13は、三角錐である。本実施例では、表示時に、電子表示機器が収納された上支持体11は、下支持体13より上方向にある。このような構造の設計によって、電子表示機器からの画像光線が観察者の虚像画面の観察体験に影響を与えず、すなわち電子表示機器からの光線が観察者による虚像の観察に干渉する(虚像画面のコントラストと明るさに影響を与える)ことはなく、かつ拡張現実表示装置全体の配置がより安定的であり且つ見た目がいい。
【0045】
また、本実施例の拡張現実表示装置は、視角調節機構をさらに含んでもいい。視角調節機構は、可動連結構造によって実現され、透過反射部品12を下支持体13に対して回転させることによって視角を調節可能となる。また、直接下支持体13の底部に視角調節機構を設置することも考えられ、上支持体11、透過反射部品12および下支持体13を全体的に当該視角調節機構に対して回転させ、かつ上支持体11、透過反射部品12および下支持体13の相対位置を固定にすることによって、視角調節機能を実現すると同時に、虚像形成空間の大きさに影響を与えない。
【0046】
本実施例による拡張現実表示装置は、実施例1の拡張現実表示を実現すると同時に、非表示時に、上支持体11で電子表示機器を、下支持体13で電子表示機器の部品を収納することによって、電子表示機器の収納、包装機能を果たし、携帯により便利である。
実施例3
【0047】
拡張現実表示装置であって、図6に示すように、実施例1と実施例2との相違点として、電子表示機器が裸眼立体画面を表示可能である。上記拡張現実表示装置は、電子表示機器による表示画像を水平の中軸線に沿って鏡像処理するための第1画像処理ユニット20をさらに含む。具体的に、電子表示機器の表示画面で各画像の水平方向の画素数をWとすると、各画像における任意の画素点A(Xa、Ya)の画素値と画素点B(W−Xa、Ya)の画素値を互いに交換する。図6の光路図より、透過反射ミラー105の画像形成作用によって、透過反射ミラー105が置かれていない画像点E、Fと、透過反射ミラーを置いた後の画像点E´、F´の位置が水平方向で交換したことが分かる。上記第1画像処理ユニット20による処理後、画像は、水平方向上の交換が実現される。透過反射ミラー105による画像形成後、観察者が正確な表示画面を見ることを保証する。
【0048】
なお、本実施例では、画像の座標を1から示しており、処理中に各画像における任意の画素点A(Xa、Ya)の画素値と画素点B(W−Xa、Ya)の画素値を互いに交換する。通常な場合、画像の座標を0から示すため、処理中に各画像における任意の画素点A(Xa、Ya)の画素値と画素点B(W−1−Xa、Ya)の画素値を互いに交換する。
【0049】
以下、図7a〜図7bによって本実施例の拡張現実表示原理を説明する。
【0050】
図7a〜7bは、本発明によって3D表示画面の拡張現実表示を実現する光路図である。図7aは、透過反射ミラー105が置かれていない光路図であり、図7bは、透過反射ミラー105を置いた後の光路図である。電子表示機器は、3D画面を表示可能な携帯電話、パソコン、ゲーム機などである。図7aでは、平面104で電子表示機器の画面を示し、a、bは、実際の場面での同一ポイントの、視差を有する左側画面と右側画面での対応するポイントであり、c、dは、実際の場面での別のポイントの、視差を有する左側画面と右側画面での対応するポイントである。aポイント、bポイント、cポイント、dポイントからの光線がレンズアレイ、視差障害アレイなどいずれの光線を指向性を持って分光する部品を透過した後、それぞれ観察者の左眼と右眼に導かれて、脳の合成によってEとFの立体感のある二つのポイントを得る。図7bでは、反射部品12と上支持体11が平行することを例とし、図7aを基に、平面104の前に透過反射ミラー105を平行に設置した後、aポイントからの光線が透過反射ミラー105を経て形成する画像ポイントがa´であり、同様に、b´、c´、d´がそれぞれb、c、dの画像ポイントである。観察者が透過反射ミラー105を介して見た立体画像ポイントがE´、F´となり、立体感も形成したが、従来の立体表示効果に比較すると、図7bで観察者が見たE´、F´の位置は、図7aで観察者に見られたEとFを水平の中軸線に沿って鏡像処理して得た画像である。このような場合、ユーザは、電子表示機器の表示画像に逆さまな画像を見ることになる。
【0051】
本発明では、上支持体11と透過反射部品12とは90°未満の夾角をなし、すなわち平面104と105とは一定の夾角をなして設置され、その表示原理が上記と同一である。したがって、本実施例では、拡張現実表示装置に第1画像処理ユニット20を設置することによって、電子表示機器による表示画像を水平中軸線に沿って鏡像処理する。観察者が正確な表示画面を見れるように保証する。透過反射ミラー105が反射機能のみならず、透過機能も有するため、観察者は、携帯電話で表示する仮想3D画面のほか、透過反射ミラー105を介して実場面の内容も見ることができ、仮想3D画面と周囲の実世界の場面と融合した表示画面が形成され、観察者に臨場感のある観察効果を与え、ユーザの観察体験を効果的に向上させる。
【0052】
さらに、図6に示すように、上記拡張現実表示装置は、追跡ユニット21と第2画像処理ユニット22とをさらに含む。追跡ユニット21は、観察者の位置を追跡するためのものである。具体的に、拡張現実表示装置の任意の位置(例えば上支持体11の上で観察者に向かう)に設置されたカメラであってもよく、ユーザの顔特徴情報を採集することによってユーザの目の位置を追跡して特定する。カメラが接続線を介してと第2画像処理ユニット22に接続され、観察者の位置情報を第2画像処理ユニット22に送信する。第2画像処理ユニット22は、観察者の位置情報に基づいて、電子表示機器に表示される画像情報の図面配置処理を行う。それによって、大視角の拡張現実表示効果を実現する。追跡ユニット21と第2画像処理ユニット22の具体的な実施形態は、中国特許CN201010594324.4を参考していい。
【0053】
なお、上記特許の発明と異なるのは、図8に示すように、本発明による拡張現実表示装置の観察距離Dは、観察者からカメラまでの距離dと、電子表示機器の表示領域の幅wとの和であり、したがって、D=d+wである。その他について、贅言しない。
実施例4
【0054】
拡張現実表示装置であって、図9に示すように、上支持体11または下支持体13に設置される電源23と通信ユニット24を実施例1乃至3のいずれか一つの拡張現実表示装置にさらに含む。透過反射部品12が電子制御透過反射パネルなど、電源によって表示を実現する部品を採用する場合、電源23は、回線を介して電子制御透過反射パネルに電気を供給する。また、電源23は、回線を介して通信ユニット24と接続してもいい。通信ユニット24は、拡張現実表示装置と電子表示機器の電気接続を実現できるが、電源23は、通信ユニット24を介して、拡張現実表示装置に接続する電子表示機器に充電できる。また、通信ユニット24は、拡張現実表示装置と電子表示機器とのデータ伝送も実現できる。具体的に、通信ユニット24は、上支持体11または下支持体13に設置されるUSBユニットである。USBユニットは、USB制御ユニットとUSBインタフェースを含む。USB制御ユニットは、USBユニットを制御する。USBインタフェースは、電子表示機器のUSBインタフェースに接続し、データ伝送を実現する。電源23は、USBインタフェースを介して電子表示機器に充電可能である。拡張現実表示装置は、USBインタフェースを介して電子表示機器とファイルのダウンロード、コピーなどの情報伝送を実現可能である。また、通信ユニット24は、WIFIユニット、NFC通信ユニット、RFID通信ユニット、ブルートゥースユニット、圧迫式センサなど一種または多種類の部品の組み合わせでデータ伝送を実現することもできる。
【0055】
さらに、通信ユニット24は、回線を介して追跡ユニット21、例えばカメラに接続していい。第2画像処理ユニット22は、電子表示機器内に設置していい。カメラは、USBインタフェースを介して電子表示機器と通信接続を実現し、ユーザの位置情報を第2画像処理ユニット22に伝送する。
【0056】
さらに、図9に示すように、拡張現実表示装置は、下支持体13に設置され、ユーザに向かう表示制御パネル25をさらに含んでいい。表示制御パネル25は、回線を介して電源23と接続して電源供給を実現し、回線を介して通信ユニット24と接続して電子表示機器とのデータ伝送および双方向制御を実現する。表示制御パネルは、電子表示機器による表示画像の制御情報を表示する。具体的に、当該制御情報は、制御ボタンであっていい。例えば電子表示機器の再生中の映像や音楽などの早送りまたはバックボタンであり、または、電子表示機器の表示中ウェブページのページめくりボタン、URLリンク、または、電子表示機器がオンにされるオンボタンである。携帯電話を例とする場合、それがオンとなることは、電源のスイッチオンであってもいいし、被コールであってもいい。ユーザは、表示制御パネル25での操作によって、電子表示機器に表示される内容を制御でき、すなわち、上記映像や音楽の早送りまたはバック、ウェブページのページめくり、リンク先URLへのリンク、または電子表示機器のオンを対応的に制御する。
【0057】
上記表示制御パネル25による電子表示機器の表示内容制御の応用例は、図10a、図10b、図10cを参考する。表示制御パネル25は、タッチ表示パネルであってもいいし、物理ボタンを含む表示パネルであってもいい。本実施例では、タッチ表示パネルを例として説明する。図10aは、本発明の表示制御パネル25が電子表示機器の音楽再生を表示するときの制御情報である。図10bは、本発明の表示制御パネル25が電子表示機器の被コールを表示するときの制御情報である。図10cは、本発明の表示制御パネル25が電子表示機器のウェブページ表示を表示するときの制御情報である。
【0058】
図10aに示すように、電子表示機器による音楽再生中に、電子表示機器は、音楽再生を制御する情報を拡張現実表示装置に送信する。拡張現実表示装置は、音楽再生を制御する情報を受信して、対応する音楽再生制御アイコンを生成し、アイコンをタッチ表示パネル25に表示する。当該表示パネルがタッチ表示パネルであることが好ましい。図10aでは、符号91は、音楽の再生/一時停止を制御する仮想ボタンであり、符号92は、次の曲に切り替える早送り仮想ボタンである。ユーザは、音楽の再生を一時停止させたい場合、仮想ボタン91をタッチ制御する。拡張現実表示装置は、ユーザから入力した制御情報を受信して、対応する制御指令を通信ユニット24を介して送信し、電子表示機器の音楽再生が一時停止するように制御する。ユーザは、次の曲を聞きたい場合、同様に、仮想ボタン92をタッチ制御する。タッチ表示パネルが当該ユーザの指令を検出すると、対応する制御指令を送信して、音楽を次の曲に切り替えるように電子表示機器を制御する。
【0059】
同様に、図10bに示すように、電子表示機器が移動通信端末である場合、当該移動通信端末がコールされると、当該移動通信端末は、コールに関する制御情報を拡張現実表示装置に送信する。拡張現実表示装置は、コールに関する制御情報を受信して、関連する仮想ボタン93、94をタッチ制御表示パネルに形成する。仮想ボタン93は、電話に出るボタンであり、94は電話を切るボタンである。ユーザは、自身の需要に応じて対応する仮想ボタンをタッチ制御できる。拡張現実表示装置は、対応する制御情報を電子表示機器に送信し、電話に出るか切るかを実現する。また、さらに、上記仮想ボタン93、94のほか、電子表示機器は、コール側の連絡者基本情報、例えば連絡者の氏名、電話番号などを拡張現実表示装置に送信できる。拡張現実表示装置は、受信してから、上記連絡者の基本情報をタッチ制御表示パネルに表示する。このように、ユーザは、拡張現実表示装置上の電子表示機器による表示画像を観賞する時、慌てて電子表示機器を持ち上げて操作する必要はなく、ユーザの利便性が増す。
【0060】
同様に、図10cに示すように、ユーザが電子表示機器を介してネットワークに接続してニュースを閲覧するときに、拡張現実表示装置では、電子表示機器の中のウェブページを表示する。電子表示機器がウェブページの制御情報を拡張現実表示装置に送信する。拡張現実表示装置は、ウェブページの制御情報を受信してから、対応する仮想ボタン95、96、97、98をタッチ制御表示パネルに表示する。95は、バックボタンであり、96は上方シフトボタンであり、97は下方シフトボタンであり、98は進むボタンである。上記仮想ボタン95、96、97、98によって、ユーザがウェブページ閲覧のときにウェブページ内容の自由閲覧を実現する。さらに、上記仮想ボタン95、96、97、98のほかに、ウェブページ表示であれば、電子表示機器は、URL情報なども拡張現実表示装置に送信できる。拡張現実表示装置は、URL情報を受信してから、タッチ制御表示パネルに表示する。URL情報は、URLとサイト名称などを含む。ユーザは、拡張現実表示装置のタッチ制御表示パネルにURL情報などを入力することによって、電子表示機器を持ちながら入力する効果を実現する。簡単に言うと、タッチ制御表示パネルにはURL入力欄が表示され、ユーザが入力欄を選択すると、仮想キーボードが浮かび上がりユーザからの入力を受ける。上記のウェブページへの制御方法によって、ユーザの使用体験を向上させる。
【0061】
上記電源23、追跡機器21、通信ユニット24および表示制御パネル25は、拡張現実表示装置の上支持体11と下支持体13の縁に設置していい。接続線は、上支持体11、透過反射部品12および下支持体13の縁に沿って少なくとも両者を接続する。
【0062】
具体的には、電源23を下支持体13の縁に設置し、表示制御パネル25を下支持体13のユーザに向かう表面に設置する。接続線は、下支持体13の縁、透過反射部品12の縁、および上支持体11の縁に沿って、上支持体11の縁に設置されたUSBインタフェースおよびカメラに接続する。使用時に、ユーザが電子表示機器を上支持体11に置き、USBインタフェースを介して電子表示機器とカメラおよび電源23との接続を実現する。
【0063】
なお、上記第1画像処理ユニット20、第2画像処理ユニット22は、ハードウェアとしてチップに設置することができ、本発明における対応する機能を実現する。
実施例5
【0064】
拡張現実表示装置であって、実施例3と実施例4との相違点として、電子表示機器が眼鏡式立体画像を表示する。すなわち、ユーザが立体メガネをかけて見れる立体画像を表示する。観察者は、立体メガネをかけると、透過反射部品の裏の立体画面を見ることができる。
【0065】
図11に示すように、ユーザは、メガネ106を介して、電子表示機器の表示画面の位置する平面101上の視差のある二つのポイントa、bの、透過反射ミラー103裏の画像ポイントa´、b´が見える。ポイントaからの光線が右のメガネレンズを介して右目に入り、ポイントbからの光線が左のメガネレンズを介して左眼に入ると、平面101と透過反射ミラー102との間の夾角を設置することによって、a、bからの光線が透過反射ミラー102による反射後にユーザの目に入り、ユーザは、立体メガネをかけて、透過反射ミラー102を介して、ミラーの裏のa´、b´に形成する立体画像ポイントEを見ることができる。
【0066】
本実施例の電子表示機器は、眼鏡式立体画像を表示し、その表示パネルが開閉式メガネに対応する高刷新頻度の液晶表示パネルであってもいいし、または偏光式メガネに対応する奇数偶数行または奇数偶数列の偏光状態が異なる液晶表示パネルであってもいい。
実施例6
【0067】
拡張現実表示装置は、図12aに示すように、電子表示機器を載置するための支持体81と透過反射部品82とを含む。支持体81と透過反射部品82とは、90°未満の夾角の連結を形成する。透過反射部品82は、上記電子表示機器の画像を拡張現実表示する。上記拡張現実表示装置は、表示時に、支持体81が透過反射部品82の第1面側に位置する。
【0068】
支持体81は、図12aのように透過反射部品82の下方向に設置され、電子表示機器が置かれるとともに、透過反射部品82も支持可能である。ユーザが電子表示機器を支持体81に置いたとき、透過反射部品の裏の画像を見ることができる。支持体81は、図12bのように透過反射部品82の上方向に設置されてもよく、電子表示機器が置かれる。使用時に、外部の支持枠、係止溝などによって拡張現実表示装置を支持する。ユーザが電子表示機器を支持体81に置いたとき、透過反射部品の裏の画像を見ることができる。
【0069】
本実施例における支持体81および透過反射部品82の具体的な構造および連結関係は、実施例1における上支持体11および透過反射部品12の具体的な構造および連結関係と同一であっても良く、ここでは贅言しない。
実施例7
【0070】
拡張現実表示装置は、図13に示すように、支持体11と、透過反射部品12と、可動連結構造(図示せず)とを含む。支持体11は、収納構造41と支持構造42とを含む。収納構造41は電子表示機器を収容するためのものであり、透過反射部品12は、連結端31と、当該連結端31に対向する自由端32とを含み、さらに、透過反射部品12は、第1面35と、当該第1面に対向する第2面(図示せず)とを含む。第2面は、収納構造41に向かい、透過反射部品12の連結端31は可動連結構造を介して支持構造42に可動連結する。拡張現実表示装置による表示時に、上記電子表示機器の表示する画像が透過反射部品12を経て上記透過反射部品12の第2面側において虚像を形成する。
【0071】
上記支持構造42は、中空の箱体であり、上記支持構造42には、少なくとも一面が開放された収容溝が設置され、上記収納構造41が当該支持構造42に設置された少なくとも一面が開放された収容溝である。よって、電子表示機器の表示面からの画像光線が透過反射部品12までに射出できる。支持構造42は、第1滑動端22Aと、当該第1滑動端22Aに対向する第2滑動端22Bとを含み、透過反射部品12の連結端31は可動連結端を介して支持構造42の第1滑動端22Aに連結され、透過反射部品12は、支持構造42に覆い合われる時、電子表示機器を収納構造41内に収容する。
【0072】
本実施例の透過反射部品12は、表面に塗布層を持ち、環境の光線に応じて透過反射率を調節可能な部品である。もちろん、電源の供給を有する場合、透過反射部品12は、液晶ガラス部品(電子制御液晶ガラスともいう)を採用しても良い。通電状態において、電圧を調節することによって透過率を調節して、変化する光線環境に適応する。
【0073】
本実施例の可動連結構造は、透過反射部品12の連結端31に設置される連結位置決め軸と、支持構造42に設置される連結位置決め軸カバーとを含む。連結位置決め軸には、位置決め突起が設置されており、連結位置決め軸カバーの内側面には、位置決め突起に対応して位置決め溝が設置される。連結位置決め軸が連結位置決め軸カバーに挿通するように設置され、かつ位置決め突起が位置決め溝に係合する。もちろん、上記連結位置決め軸を支持構造42に、対応する上記連結位置決め軸カバーを透過反射部品12の連結端31に設置してもいい。また、位置決め突起を連結位置決め軸カバー内に、対応する位置決め溝を連結位置決め軸に設置してもいい。また、可動連結構造は、本発明の実施例による構造に限定されず、その他の既有の様々な回転可能に位置決める構造、例えばヒンジ構造であってもいいが、当該回転可能に位置決める構造が良く見られるものであるため、ここでその他の実施状況を贅言しない。
【0074】
次に、本実施例の拡張現実表示装置がどのように未表示状態から表示状態に変化するかを詳細に説明する。
【0075】
透過反射部品12は、外力を受けて、支持機構42に対して回転する。よって、上記収納構造41内に収納された電子表示機器の表示面が透過反射部品12の第1面と所定の角度をなし、透過反射部品12の第2面側において電子表示機器による表示画像の虚像が形成される。本実施例において、上記所定の角度は45度である。表示したい場合、上記透過反射部品12は上記収納構造41に覆い合われる。
【0076】
また、本実施例の拡張現実表示装置は、視角調節機構をさらに含んでもいい。視角調節機構は、支持機構42の第1滑動端22Aと、第2滑動端22Bとによって実現され、透過反射部品12と収納構造41は、支持構造42の第1滑動端22Aに対する位置を保持し、第1滑動端22Aが第2滑動端22Bに対する滑動によって、透過反射部品12を第2滑動端22Bに対して回転させることによって視角を調節可能となる。また、直接支持機構42の底部に視角調節機構を設置することも考えられ、収納構造41、支持構造42、及び透過反射部品12を全体的に当該視角調節機構に対して回転させ、かつ収納構造41、支持構造42及び透過反射部品12の相対位置を固定する。視角調節機能を操作して、支持構造42の第1滑動端22A、透過反射部品12及びその収納機構41を支持構造42の第2滑動端22Bに対して回転させ、支持構造42の第1滑動端22A、透過反射部品12及びその収納機構41間の位置は相対に固定され、虚像形成空間の大きさに影響を与えないと同時に、視角調節機能を実現する。
【0077】
本実施例による拡張現実表示装置は、実施例1の拡張現実表示を実現すると同時に、非表示時に、収納機構41で電子表示機器を収納することによって、電子表示機器の収納、包装機能を果たし、携帯により便利である。
実施例8
【0078】
拡張現実表示装置であって、実施例6と実施例7との相違点として、電子表示機器が裸眼立体画像を表示できるし、眼鏡式立体画像も表示できることである。上記拡張現実表示装置は、実施例6と実施例7の構造を基に、実施例3、実施例4および実施例5の第1画像処理ユニット、追跡ユニット、第2画像処理ユニット、電源、通信ユニットおよびタッチパネルのうちの少なくとも一種の構造をさらに含み、その具体的な構造について実施例3ないし実施例5の記載を参照し、ここでは贅言しない。
実施例9
【0079】
拡張現実表示ステムであって、図14に示すように、上記拡張現実表示システム60は、実施例1乃至実施例7のいずれか一つに記載した拡張現実表示装置61と電子表示機器62とを含む。
【0080】
拡張現実表示システム60は、第1画像処理ユニット20と、追跡ユニット21と、第2画像処理ユニット22の全部または一部を含むことができる。第1画像処理ユニット20と、追跡ユニット21と、第2画像処理ユニット22は、全て拡張現実表示装置61に設置されてもいいし、全て電子表示機器62に設置されてもいい。さらに、一部が拡張現実表示装置61に設置され、他の部分が電子表示機器62に設置されてもいい。例えば、第1画像処理ユニット20と追跡ユニット21を拡張現実表示装置61に、第2画像処理ユニット22を電子表示機器62に設置し、または、第1画像処理ユニット20を拡張現実表示装置61に、第2画像処理ユニット22と追跡ユニット21を電子表示機器62に設置し、または、第2画像処理ユニット22と追跡ユニット21を拡張現実表示装置61に、第1画像処理ユニット20を電子表示機器62に設置する。その他の場合は、ここで枚挙しない。
【0081】
本実施例による拡張現実表示システムにおいて、拡張現実表示装置は、上支持体と90°未満の夾角である透過反射部品によって、上支持体に置かれた電子表示機器の画像を拡張現実表示する。透過反射部品の透過機能によって、透過反射部品の前にいる観察者が、縁の制限がなく周囲の環境に融合した実世界の表示画面を見ることができ、観察者に臨場感のある観察効果を創り出し、ユーザの観察体験を効果的に向上させる。また、透過反射部品に縁がなく、縁無しの透明表示パネルの効果を生み出すことができ、視覚の疲労になることが容易ではない。また、本発明の拡張現実表示装置は、製造の工程が簡単であり、コストが低く、製品化されやすい。
【0082】
以上に記載したのは、単に本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本分野の技術者にとって、本発明には様々な変更と変化を有してもいい。本発明の精神と原則内に為したあらゆる修正、同等の差し替え、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12a
図12b
図13
図14