【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ガス化処理において効率を損失せずに、または少なくとも従来のシャフトガス化器およびガス化方法における場合よりも少ない効率損失で、固体材料の改善された処理を達成できるシャフトガス化器およびガス化方法を提供することである。
【0006】
この目的は、本発明に従って、酸化ゾーンが熱分解ゾーンとシャフト壁の間に配置されている、冒頭に特定した種類のシャフトガス化器により達成される。
【0007】
本発明に係るシャフトガス化器を用いることにより、シャフトガス化器の中央に配置されている酸化チャンバーと、シャフトガス化器内側の酸化チャンバーのまわりに配置されている環状熱分解ゾーンとを有する従来の配置が逆になり、熱分解ゾーンが、シャフトガス化器に中央に配置され、酸化ゾーンが、前記熱分解ゾーンのまわりに配置されている。この逆の配置は、一見したところ、効率の理由から欠点があるようにみえる。なぜなら、酸化ゾーンから熱分解ゾーンにいく熱の所望の回収が、熱分解ゾーンによってあらゆる面で囲まれており中央に配置されている酸化ゾーンによってのみ確実にされるからであり、一方で、熱分解ゾーンのまわりに配置されている環状酸化ゾーンが、熱分解ゾーンを加熱するように用いられない大きい熱放射外表面を有するからである。しかしながら、
熱分解ゾーンとシャフト壁の間に酸化ゾーンを配置することにより、熱分解ゾーンの寸法を拡大することだけでなくシャフトガス化器
に複数の熱分解ゾーンを設けることによっても固体材料の
処理量を増加できるように
、シャフトガス化器を設計する
ことが可能
となることを、本
発明者らは見出した。熱分解ゾーンの数を増加することによって
、熱分解ゾーンの寸法を拡大することによってのみではなく、本発明の構成を拡大できる。これは、固体材料の
処理量の実質的な増加にもかかわらず、シャフトガス化器の理想的な操作点(動作点)に対する効率的な調整を維持し、従って、効率的なプロセス管理によって、増加した量の固体材料をガス化するのを可能にする。例えば、配管の形態をした2以上の熱分解ゾーンを、シャフトガス化器内で縦方向に
互いに間隔をおいて配置
し、固体材料を上からその中に満たして、そこから熱分解ガスを回収し、次いで、熱分解ガスが配管内の半径方向口を通過し、配管とシャフトガス化器壁の間におけるシャフトガス化器断面の残部によって形成されている酸化ゾーンに入ることが可能である。
【0008】
基本原理として、本発明に係るシャフトガス化器が、固体材料を供給および放出しガスを供給および放出する個々の口を有して構成され得るが、複数のこのような口を有することが、シャフトガス化器の内側において理想的な様式で材料を案内することを確実にすることが基本的な利点であるということを理解すべきである。基本原理として、処理ゾーン、すなわち、熱分解ゾーンおよび酸化ゾーンなどは、シャフトガス化器内側の壁によって互いに分離されてよいが、しかし、壁によって分割されない共通の空間に、例えば、固体材料を案内する路によりおよび重力の力によりまたは放出の様式によりガス空間と固体材料空間の間に作られる境界によって、形成され
てよく、結果として、機能的に異なるゾーンが形成されるということ
も理解すべきである。
【0009】
固体材料が、シャフトガス化器内側において重力の力で頂から底まで滑り、従って、ガス化に付されることによって、シャフトガス化器内側の固体材料の誘導および輸送が、能動的に操作される搬送手段なしに達成できるという基本的利点を、シャフトガス化器は有する。シャフトガス化器は、新鮮な空気を酸化ゾーン内に供給する適切な口を有することによって、周辺空気から酸素を伴って作動することができる。新鮮な空気の供給は、燃料ガスをシャフトガス化器から能動的に取り出すことによっておよびシャフトガス化器内側で生じる加圧によって強制され得る。
【0010】
第1の好適な実施形態に従って、本発明に係るシャフトガス化器は、シャフトガス化器内側に配置されており固体材料供給口(該供給口は、部分的にガス化された固体炭素質材料を還元ゾーンに供給するように、熱分解ゾーンの固体材料放出口に接続されている)を有している還元ゾーン、ガス化された固体炭素質材料をシャフトガス化器から外に放出する固体材料放出口、部分的に酸化された熱分解ガスを酸化ゾーンから還元ゾーンに供給するために酸化ゾーンのガス放出口に接続されているガス供給口、および燃料ガスをシャフトガス化器から取り出すガス放出口によって実現する。
【0011】
この実施形態では、シャフトガス化器は、効率及び燃料ガスの品質に関して、まだ更に向上する。これは、部分的にガス化した固体を供給する還元ゾーンを有することによって行われ、好ましくは、固体物質が、酸化ゾーンを通過せずに重力の力のみによって熱分解ゾーンから還元ゾーンに移動するように、前記還元ゾーンが配置されている。部分的にガス化した固体材料を、流れ抵抗を生じさせるように還元ゾーンで格子上に支持することができる。還元ゾーンが、酸化ゾーンと直接的に流れ接続するように、還元ゾーンが配置されており、酸化ゾーンで部分的に酸化される燃料ガスが、直接的におよび熱分解ゾーンを迂回して還元ゾーンに到達できる。この部分的に酸化された熱分解ガスは、部分的にガス化された固体材料又は還元コークスとの化学反応によって還元ゾーンで還元される。このように、部分的に酸化された熱分解ガスは、その発熱量について向上し、また、清浄され、および次いで、不純物が大部分除去された高品質の燃料ガスとして、還元ゾーンから取り出すことができる。
【0012】
還元ゾーンは、シャフトガス化器におけるガス化処理の制御に重要な役割を果たしており、還元ゾーンにおける固体材料のコークスの高さ(還元ゾーンにおいて固体部分を通過する部分的に酸化された熱分解ガスの流路を決定する)、およびこの目的のために利用可能な流れ断面は、とりわけ2つの因子である。これに関して
、構造の実施形態を参照しながら以下にさらに詳細に記載されるように、還元ゾーンにおける固体材料の高さが、例えば、
投入(または充填)高さを変えることによって進行中のプロセスの間に制御できる場合に、または
、例えば、還元ゾーンの底末端におい
て振動する格子を作動させることによって
、振動する格子を作動させることによって、およびこの作
動の強さ
を周期的に変えることによって完全にガス化された固体材料の放出量を制御できる場合に、有利である
。
【0013】
還元ゾーンを有するシャフトガス化器において、重力下で熱分解ゾーンから還元ゾーンに固体材料を供給できるように、還元ゾーンを、
重力方向において熱分解ゾーンの下
に配置することが更に好ましい。
【0014】
この実施形態は、本発明に係るシャフトガス化器の堅牢で
あるが経済的な作動を可能にする。重力の影響下で又
は重力の力
のみによって材料を供給すること、若しくは物質輸送の類似した形態は、この明細書および特許請求の範囲の意味の範囲において、材料が、重力の影響下でまた
は重力の力
のみを受けて、1つのゾーンから他のゾーンに滑る、および材料がまた、重力の影響下で個々のゾーンの内側に移動するということを意味すると一般的に理解されるべきである。この搬送原理は、搬送器具の必要性を回避する。しかし、それは、重力の影響下で材料の流れ
が壁に付着するのを防止
し、その材料の流れを保持し且つ/又は支持するように、壁部分または固定具が個々のゾーンに移動するまたはその間に移動する、例えば、回転または振とうする可能性を排除しない。重力の影響下で搬送の邪魔になる搬送
される材料のクランプの影響、妨害または押込みを解放するように、搬送
される材料を均質
化するまたは混合するのに用いられる固定具は、同様に、この種類の材料流れから排除されない。
【0015】
別の好ましい実施形態によれば、2以上の熱分解ゾーンがシャフトガス化器内側で互いに距離を置いて配置されており、1以上の酸化ゾーンが、2以上の熱分解ゾーンの間におよび熱分解ゾーンとシャフト壁との間に配置されている。
【0016】
この実施形態に伴い、有利な選択肢の1つとして既に記載されているシャフトガス化器の特に有利な設計が提案されている。複数の熱分解ゾーンは、シャフトガス化器内側で互いに距離を置いて配置されており、
別々の供給器具又は1つの共有供給器具から、固体材料
が別々に供給される。これらの熱分解ゾーンの周りにおいて、別個の熱分解ゾーンの間におよび熱分解ゾーンとシャフトガス化器壁との間に延在している酸化ゾーンが形成されている。この酸化ゾーンはまた、複数の酸化ゾーンに再分割することができ、この再分割は、適切な隔壁によって実際に構造的に行われてよく、または再分割は、任意の実際の構造上の隔壁を用いることなく制御工学系を用いて行われてよく、例えば、異なる酸化サブゾーンの温度を検出する複数の温度センサを酸化ゾーンに配置および分配することによって、および1以上の特定の熱分解ゾーンおよび/または1以上の酸化ゾーンの温度に影響を与えるパラメータを制御するように(しかし、全ての酸化サブゾーンおよび/または熱分解ゾーンで設定されるパラメータを制御するためではないが)これらのセンサからの信号を用いることによって、行われてよい。
【0017】
本発明に係るシャフトガス化器が、熱分解ガス導管によってさらに実現することができ、該導管が、熱分解ゾーンで生成した熱分解ガスを熱分解ゾーンの外側に、熱分解ゾーンから距離を置いて上方向に案内するように適合されており、重力方向に酸化ゾーンの上側に通じるように適合されている。
【0018】
本発明のこの
開発に伴い、熱分解ガスが、熱分解ゾーンからの距離に起因して、酸化ゾーンと熱分解ゾーンの間の熱的接触に対して不都合な影響を与えないように、熱分解ガスが案内され、その結果、シャフトガス化器では、熱が、酸化ゾーンから熱分解ゾーンにかなり効率的に伝えられる。熱分解ガス導管が、適切な様式で延在している1以上の配管または通路等によって実現されてもよい。本明細書において、基本原理として、熱分解ガスが、
重力の方向において熱分解ゾーンの下
に位置した領域内
において熱分解ゾーンから取り出され、
その後、重力の方向において頂から底に酸化ゾーンを通過するように、シャフトガス化器の内側で重力の方向に
逆らって上向きに案内される必要があるということを考えるべきである。代替的には、しかしながら、基本原理として、酸化ゾーン
を重力の方向に
逆らって通過
するように熱分解ガス導管が経由していてもよく、それは、酸化ゾーンを出ていくガスが、頂から底に下向きに案内され、存在する場合に還元ゾーンに放出されるということを意味する。この場合、熱分解ガスが、長い導管を必要とせずに熱分解ゾーンから取り出され、同じ高さで酸化ゾーンに放出されることが可能である。
【0019】
別の好ましい実施形態によれば、熱分解ゾーンの固体材料放出口を、シャフトガス化器内側において垂直方向に移動可能に案内でき、シャフトガス化器内側において異なる高さで少なくとも2つの位置に配置できる。
【0020】
この構造上の設計は、部分的にガス化した固体材料が熱分解ゾーンから離れ、その下に設けられてよい還元ゾーンに入る高さを変えるのを可能にする。このようにして、還元ゾーンにおける固体材料バルクの高さを制御でき、この高さは、還元ゾーンを通過する関連ガスルートおよび付随の流れ抵抗に起因して、本発明に係るシャフトガス化器の全体的なプロセス管理に影響を与える。例えば、この固体材料放出口が、配管またはシャフトの下側末端に形成され、この配管またはシャフトが、シャフトガス化器内側において垂直に移動可能に配置されるように、固体材料放出口の垂直移動性が実現され得る。
【0021】
シャフトガス化器内側で熱分解ゾーンの固体材料供給口が、移動可能に垂直に案内でき、シャフトガス化器内側において異なる高さで少なくとも2つの位置に配置できることがまだ更に好ましい。
【0022】
本発明のこの実現は、固体材料を異なる高さで熱分解ゾーンに供給できるようにし、従って、熱分解ゾーンにおける固体材料量および固体材料高さを制御できるようにする。次いで、これは、熱分解ゾーンにおける部分的なガス化処理、従ってシャフトガス化器の全体の効率を最適な方法で制御するように、シャフトガス化器内側における処理のための重要なパラメータに影響を与えることを可能にする。
【0023】
この原理の一つの構造上の実施において、固体材料が、その底末端における固体材料を熱分解ゾーンに供給する配管又は通路を経由して熱分解ゾーンに送られ、前記配管又は通路が、シャフトガス化器に垂直に移動可能に配置されている。
【0024】
また、上述した2つの好適な実施形態の組み合わせに伴い、熱分解ゾーンの固体材料供給口が、熱分解配管内側に配置されている固体材料供給配管の軸口を有する場合
が特に好ましく、および熱分解ゾーンの固体材料放出口が、熱分解
配管の軸口を有することが特に好ましい。この構成では、配管または通路の設計は、固体材料供給および熱分解ゾーンのために選択され、底に軸口を有する固体材料供給配管が、熱分解配管内側で案内され、前記熱分解配管が、下側軸口を有しており、前記下側軸口が、重力の方向において、固体材料供給配管内の口の下に位置する。このようにして、熱分解ゾーンが、固体材料供給配管の下側末端と熱分解配管の下側末端の間の熱分解配管に形成されている。固体材料供給配管を垂直に移動させることにより、前記熱分解ゾーンの高さを変えることができ、従って、固体材料供給配管を持ち上げることによって、熱分解ゾーンの高さを増加させることが可能である。熱分解配管と固体材料供給配管を一体に垂直方向に移動させることによって、熱分解ゾーンの高さを一定に保ちながら、部分的にガス化した固体材料が熱分解ゾーンから放出される高さを変え、従って、熱分解ゾーンの下に配置された還元ゾーンにおける固体材料バルクの高さを変えることができる。また、静止した固体材料供給配管の状態で、熱分解ゾーン及び還元ゾーンの高さを互いに逆に変えることも可能であり、その結果として、ガス化処理を、熱分解ゾーンから還元ゾーンに適切な比率でシフトでき、およびその逆も同様であり、異なる固体の特定のガス化挙動にこのようにして応じることができる。
【0025】
本発明によって取り組まれる課題を解決するように、本発明に係るシャフトガス化器または冒頭に特定された種類のシャフトガス化器が、酸化ゾーン内の温度を検出する温度センサ、酸化ゾーンに供給される酸素含有ガス量を増加および/または減少させる空気供給器具、および温度センサおよび空気供給器具と信号連絡する調節器具であって、調節器具の電子記憶器に格納される割当に基づ
いて温度センサからの信号に従って空気供給器具を作動させることによって、酸化ゾーン内で低化学量論的燃焼を調節するように適合されている調節器具を有することによって更に開発することができる。
【0026】
温度センサ
および制御可能な空気供給器具と共にこのような調節器
具を用いることによって、本発明に係るシャフトガス化器は、熱分解ゾーン、酸化ゾーン、および存在する任意の還元ゾーン
の大きな寸法を伴って理想的な操作(動作)点で操作でき、従って、その寸法がかなり大きい場合でさえシャフトガス化器の効率を維持する。空気供給量を管理することにより、直接的な影響が、酸化ゾーンにおける熱分解ガスの燃焼に与えられる。ここで低化学量論的燃焼が生じる場合、より多いまたはより少ない酸素の提供が、より強い燃焼またはここで生じる抑制(またはチョーク)された燃焼をもたらすので
、空気の供給を
それぞれ増加または減少させることによって温度を上昇または低下させることができる。酸化ゾーンへの空気供給通路を開く又は閉じる1以上の制御弁を設けることによって、最も簡単な場合には、堅牢な実施および信頼性の高い機能を可能にする適切なスライド弁またはフラップ弁を設けることによって、空気供給器具を用いることができる。基本原理として、1以上の温度センサを提供することがまた、シャフトガス化器におけるプロセスをより正確に監視できるようにするということを理解すべきである。温度センサは、
酸化ゾーン内の温度を検出するように、主に酸化ゾーン
自体に配置することができる。他の実施形態では、
内部の温度を測定して酸化ゾーンの温度についての結論を推測するのを可能にするように、1以上の温度センサが、シャフトガス化器の他の領域に、例えば、熱分解ゾーン又は還元ゾーンに、交互にまたは累積的に設けられてよい。このような実施形態はまた、酸化ゾーン内の温度を検出する温度センサとして、本発明の意味の範囲内において理解されるべきである。
【0027】
これに関して、信号が
所定の設定値温度を下回る温度を示す場合に空気供給を増加させるようにおよび信号が
所定の設定
値温度を上回る温度を示す場合に空気供給を減少するように、格納された割当に基づいて、空気供給器具を作動させるように、調節器具が適合されることが、更に好ましい。
【0028】
調節器具がこの制御応答を表示する場合に、酸化ゾーンでの燃焼が、温度に基づいて、
所定の低化学量論的燃焼比に調整することができる。より多くの空気が供給される場合に温度の上昇が低化学量論的燃焼条件下で達成できるという原理を、調節器具と
それに格納された割当は利用する。なぜなら、その場合の燃焼が化学量論的に理想的な比率に近づくからであり、および逆に、温度は、空気供給を抑制するときに低下でき、その結果、燃料ガスの残りに起因して、少ない燃焼が発生する。
【0029】
本発明に係る調節器具を備えた別の好ましい実施形態では、調節器具が、規則的な間隔を置いて設定値温度を
所定の量で変え、変えた設定値温度に到達するための制御応答に基づいて、低化学量論的燃焼と過化学量論的燃焼のどちらが酸化ゾーンで生じるかを確認し、および改めて空気供給を設定し、とりわけ、低化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、設定値温度を、変化前における設定値温度に
所定の量で戻すことによって、または過化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、変更された設定値に到達するまで空気供給を減少することによって、低化学量論的燃焼の調整を行うように構成されている。
【0030】
特定の課題、すなわち、酸化ゾーンでの燃焼が、低化学量論的燃焼である場合だけでなく、過化学量論的燃焼である場合にも特定の温度が生じ得るという課題を、この構成は解決する。両方の場合において、温度は、化学量論的燃焼の場合に達成される燃焼温度より低い。しかしながら、一方の場合において温度は、曲線の最大値の左側に位置し、他方の場合において温度は、右側に位置し、温度は、燃焼比を用いて設定され、最大値は、化学量論的燃焼により達成される。本発明に従って設定値温度を変えることによって、調節器具は、特定の周期的な調節を行うことを強制される。設定値温度の変更は、例えば、低化学量論的燃焼の範囲内で予想される制御応答に基づく制御処理をもたらす。例えば、設定値温度を下げ、高すぎる温度が測定された場合に、温度を設定値温度に調整するために空気供給が減少される。次いで、調節器具は、調節プロセスに対する温度応答に基づいて酸化ゾーンで低化学量論的燃焼か過化学量論的燃焼のどちらが発生するか確認できる。空気供給を抑制するのに応じて温度が低下した場合、燃焼が低化学量論的である。対照的に、空気供給を抑制するのに応じて温度が上昇した場合、燃焼が過化学量論的であり、燃焼条件が化学量論的燃焼に近づく。
【0031】
個々の調査に応じて、この調節器具は、低化学量論的燃焼を維持または調整する
補正措置を開始することができる。前者の場合に必要な
全てのことは、目的としている理想的な低化学量論的燃焼条件を達成するように、変更前に適用している元の設定値まで温度をリセットすることである。後者の場合には、温度最大値が交差して(または、横切って)設定値温度に到達するまで空気供給を連続的に減少する場合に、
「左への」調
節が必要である。設定値温度に達するまでは、空気供給の増加および抑制を伴う標準的な制御応答を再び設定することができず、その後に、設定値温度が、変化前に適用されている元の値にリセットされる。
【0032】
この前述の調節器具の別の好ましい実施形態では、調節器具が、規則的な間隔を置いて設定値温度を
所定の量で
低下させ、空気供給を増加するときに実際の温度が上昇すると、酸化ゾーンにおける低化学量論的燃焼を確認するように、または空気供給を増加するときに実際の温度が低下すると、酸化ゾーンにおける過化学量論的燃焼を確認するように、適合されており、次いで、調節器具が、このような確認の結果に応じて、改めて空気供給を設定し、低化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、
所定の量
で設定値温度を再び上昇
させることによって、または過化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、変更された設定値温度に到達するまで空気供給を減少することによって、低化学量論的燃焼の調整を行うように更に適合されている。
【0033】
本発明の実現に伴い、特定の低化学量論的条件が設定され、検査が規則的な間隔で行われ、設定値温度を所望の理想的な値に下げることによって、低化学量論的燃焼条件が維持されるかどうか決定する。必要に応じて、さらなる修正は、上記で説明した様式でなされる。
【0034】
本発明の別の態様は、固体炭素質材料から燃料ガスの製造方法に関し、前記方法が、固体炭素質材料を、シャフトガス化器内側に配置されている熱分解ゾーンに供給する工程、および熱分解ガスを、熱分解ゾーンから、シャフトガス化器内側に設置されている酸化ゾーンに、熱分解ゾーンから供給する工程を含んでおり、熱分解ガスが、熱分解ゾーンから半径方向に外側に出て酸化ゾーンに案内される。
【0035】
本発明に係る方法は、シャフトガス化器の内側でガスを導く好都合な方法により特徴付けられており、それにより、本願方法を多くの処理量に容易に規模拡大できる。当該方法は、好ましくは、上記の種類のシャフトガス化器を用いて行うことができる。
【0036】
当該方法は、部分的にガス化した固体炭素質材料を、熱分解ゾーンから、シャフトガス化器内側に配置されている還元ゾーンに、とりわけ
酸化ゾーンを迂回して供給する工程、部分的に酸化した熱分解ガスを、酸化ゾーンから還元ゾーンに供給する工程、および還元ゾーンから燃料ガスを取り出す工程により
開発できる。
【0037】
この好ましい実施形態は、燃料ガスの質的向上を達成すると同時に、固体材料を、部分的にガス化された固体材料に変えることにより発熱量を増加し、熱分解ガスが、そこから酸化ゾーンにおいて部分的に酸化される。
【0038】
本願方法の別の変形例は、温度センサを用いて酸化ゾーンの温度を検出する工程、空気供給器具を用いることによって、酸素含有ガスの酸化ゾーンへの供給を増加および/または減少する工程、および温度センサおよび空気供給器具と信号連絡している調節器具を用いて、調節器具の電子記憶器に格納される割当に基づいて温度センサからの信号に従って空気供給量を制御することによって、酸化ゾーンにおける低化学量論的燃焼を調整する工程を含む。
【0039】
本発明のこの
開発に伴い、大きな
処理量
であっても、シャフトガス化器内側の理想的な操作点を設定および維持でき
る特に効率的
な調節方法が提案されている。
【0040】
この点において、以下の工程が本発明に従って追加的に行われる場合にとりわけ好ましい:規則的な間隔を置いて設定値温度を
所定の量で変える工程、変えた設定値温度に到達するための制御応答に基づいて、低化学量論的燃焼と過化学量論的燃焼のどちらが酸化ゾーンで生じるかを確認する工程、および空気供給を設定して、とりわけ、低化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、設定値温度を、変化前における設定値温度に
所定の量で戻すことによって、または過化学量論的燃焼が制御応答に基づいて確認された場合に、変更された設定値に到達するまで空気供給を減少することによって、低化学量論的燃焼の調整を行う工程。
【0041】
本発明のこの
開発に伴い、特定の温度が、酸化ゾーンの燃焼が低化学量論的である場合に生じるだけでなく、酸化ゾーンでの過化学量論的燃焼である場合にも生じ
得ることを考慮に入れた方法が提案されており、その理由のために、低化学量論的燃焼条件が存在するかどうか決定するように、特に、設定値温度を下げることによって、設定値温度を変更することによって、規則的な間隔で検査する調節機構が提案されており、
上述の方法は、必要に応じて、上記に記載された様式で
補正処置を取る。
【0042】
本発明の好ましい実施形態について、添付の図面において、参照しながら説明する。