【文献】
International Immunology, 2004, Vol. 16, No. 2, pp. 365-375
【文献】
SHIMON SAKAGUCHI,NATURE REVIEWS. IMMUNOLOGY,英国,NATURE PUBLISHING GROUP,2010年 7月 1日,V10 N7,P490-500
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記免疫抑制性調節性T細胞の集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、前記免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
前記免疫に基づく障害が、自己免疫性の状態、障害もしくは疾患、移植片拒絶反応、移植片対宿主病、または細菌、ウイルス、真菌、もしくは寄生生物由来の感染性非自己抗原に対する持続性かつ進行性の免疫反応である、請求項5に記載の使用のためのCD4+CD25+CD6low/−発現パターンを含むT細胞の単離された亜集団。
前記免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの前記1つまたは複数を刺激性組成物と接触させ、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書は、CD6が試料中の免疫抑制性調節性T細胞の同定において特に有用なバイオマーカーであるという発見に関する。本明細書には、ヒトT細胞の表面膜におけるCD6の低発現または陰性の発現の検出により、天然に存在する調節性T細胞の定義が改善されることが開示されている。このCD6
low/−の検出により、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、濃縮し、かつ/または増大させるための改善された方法を開発することが可能になる。さらに、CD6
low/−免疫抑制性調節性T細胞を単離し、濃縮し、かつ/または増大させることができることにより、免疫に基づく障害の治療において有用な細胞療法を開発することが可能になる。
【0031】
本明細書の複数の態様には、一部において、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法が開示されている。一実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0032】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップとを含み、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0033】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0034】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップとを含み、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0035】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0036】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップとを含み、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0037】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0038】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップとを含み、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0039】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0040】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングしてCD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含み、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「試料」または「生物学的試料」という用語は、哺乳動物、好ましくはヒトから取り出された、調節性T細胞を含有する組織または体液を指す。試料は、末梢血単核細胞(PBMC)試料または血液のような末梢血試料、骨髄細胞試料を含めた血液および/または血液画分であってよい。試料とは、これだけに限定することなく、リンパ、胸腺、膵臓、眼、心臓、肝臓、神経、腸、皮膚、筋肉、軟骨、靭帯、滑液、および/または関節を含めた対象の任意の特定の組織/器官試料も包含してよい。試料は、健康な個体または望ましくない免疫応答が罹患した細胞、組織、および/もしくは器官を有する個体を含めた任意の個体から取得することができる。例えば、試料は、アレルギー、移植片対宿主病、細胞もしくは器官の移植、または自己免疫性の疾患もしくは障害を有する個体から取得することができる。そのような試料を得るための方法は、免疫学および医薬の当業者には周知である。それらの方法は、血液および血液構成成分を常套的な手順を用いて抜き取り、処理すること、または、生検材料を骨髄もしくは他の組織もしくは器官から標準の医学的技法を用いて得ることを伴う。
【0042】
本明細書で使用される場合、「バイオマーカー」という用語は、リンパ球で発現される、またはリンパ球の異なるサブセットで示差的に発現されるエピトープ、抗原または受容体を指す。いくつかのバイオマーカーの発現は特定のB細胞系列またはT細胞系列または成熟経路の細胞に対して特異的であり、他のバイオマーカーの発現は同じ細胞の活性化の状態、位置、または分化に応じて変動する。バイオマーカーは、細胞表面バイオマーカーであっても細胞内バイオマーカーであってもよい。一実施形態では、本明細書に開示されている方法において使用されるバイオマーカーは全て細胞表面バイオマーカーである。別の実施形態では、本明細書に開示されている方法において使用されるバイオマーカーは全て細胞内バイオマーカーである。さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法において使用されるバイオマーカーは、細胞表面バイオマーカーと細胞内バイオマーカーの両方を含む。例示的なバイオマーカーとしては、限定することなく、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、およびCD8バイオマーカーが挙げられる。本開示の方法を実施するため、および開示されているキットに含めるために有用な他のバイオマーカーは当技術分野で公知である。
【0043】
一実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態のある態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0044】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態のある態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0045】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態のある態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0046】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカー、ならびに以下の追加的なバイオマーカーのうちの1種または複数種:CD4バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0047】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカー、ならびに以下の追加的なバイオマーカーのうちの1種または複数種:CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0048】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカー、ならびに以下の追加的なバイオマーカーのうちの1種または複数種:CD4バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。
【0049】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも2種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態のある態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも2種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも2種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも2種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカーおよびCD25バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも2種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。
【0050】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも3種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態のある態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも3種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも3種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップを含む。ただし、試料をスクリーニングするために使用される少なくとも3種の異なるバイオマーカーは、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、またはFoxP3バイオマーカーとCTLA−4バイオマーカーの両方を含まない。
【0051】
本明細書で使用される場合、「バイオマーカーリガンド」という用語は、リンパ球で発現されるまたはリンパ球の異なるサブセットで示差的に発現されるエピトープ、抗原または受容体に特異的に結合することができる分子を指す。バイオマーカーリガンドとは抗体を包含する。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、特定の抗原に応答して成される免疫系により生成される、抗原に特異的に結合する分子を指し、天然に存在する抗体と天然に存在しない抗体の両方を包含する。例えば、抗体は、断片が所望の生物活性を示す限りは、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、二量体、多量体、多特異性抗体(multispecific antibody)、組換え抗体、ヒト化もしくは霊長類化(primatize)抗体、キメラ抗体、二機能性抗体(bi−functional antibody)、Ig受容体のような細胞関連抗体、直鎖状抗体(linear antibody)、ダイアボディ(diabody)、またはミニボディ(minibody)、およびその単鎖誘導体であってよい。抗体は、VHドメインおよびVLドメイン、ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む全長の免疫グロブリン分子であってもよく、全長の免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、例えば、Fab断片、F(ab’)2断片、Fc断片、Fd断片、Fv断片などであってよい。抗体は、任意の脊椎動物種(例えば、ヒト、ヤギ、ウマ、ロバ、マウス、ラット、ウサギ、またはニワトリ)に由来してよく、任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、およびIgA)、クラス(例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM)またはサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)であってもよい。天然に存在する抗体、天然に存在しない抗体、およびその抗原性化合物結合性断片の構造に関する一般的な開示については、例えば、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113巻、RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag、New York、269〜315頁(1994年);Borrabeck、Antibody Engineering、第2版(Oxford University Press 1995年)を参照されたい。
【0052】
例示的なバイオマーカーリガンドとしては、αCD4モノクローナル抗体、αCD25モノクローナル抗体、αCD6モノクローナル抗体、αCD127モノクローナル抗体、αCD49dモノクローナル抗体、αCD38モノクローナル抗体、αCD45RAモノクローナル抗体、αHLA−DRモノクローナル抗体、αFoxP3モノクローナル抗体、αCTLA−4モノクローナル抗体、αGITRモノクローナル抗体、αLAG−3モノクローナル抗体、αCD39モノクローナル抗体、αHeliosモノクローナル抗体、αFcRL3モノクローナル抗体、αCCR7モノクローナル抗体、αCCR4モノクローナル抗体、αCCR8モノクローナル抗体、αCD62Lモノクローナル抗体、αICOSモノクローナル抗体、αCD103モノクローナル抗体、αPD−1モノクローナル抗体、αCD134モノクローナル抗体、αGARPモノクローナル抗体、αCD45RBモノクローナル抗体、αCD45ROモノクローナル抗体、αCD95モノクローナル抗体、αCD122モノクローナル抗体、αCD147モノクローナル抗体およびαCD8モノクローナル抗体が挙げられる。そのようなモノクローナル抗体は市販されており、当業者に公知である。例えば、BD Biosciences(San Jose、CA)、eBiosciences(San Diego、CA)を参照されたい。
【0053】
別の実施形態では、CD6バイオマーカーリガンドは、CD166(ALCAM)リガンドまたは任意のCD6共刺激シグナルである。
【0054】
バイオマーカーリガンドは標識されていても標識されていなくてもよい。標識されている場合は、バイオマーカーには、フルオロフォア、量子ドット、リン光体、化学発光化合物、生物発光化合物、発色性化合物、ランタニドのような同位元素化合物、放射性同位元素、ビオチン分子、アビジン分子、またはバイオマーカーが結合した細胞を検出するために有用な任意の他の標識が共有結合または非共有結合によって付着していてよい。標識を抗体に付着させる方法は、当業者に周知である。特に好ましい標識は、容易に切断すること、または分離すること、または生理的条件下で所定の酵素と接触させることによって加水分解に供することができるリンカーによってバイオマーカーリガンドに付着した標識である。バイオマーカーリガンドは、試料と接触させる前もしくはその後に、またはバイオマーカーと接触させる前もしくはその後に標識することができる。バイオマーカーリガンドは、バイオマーカーリガンドに結合する標識された抗体と接触させることによって標識することもできる。バイオマーカーリガンドは、常磁性ナノ粒子(Miltenyi Biotec、Germany)などの磁気粒子とコンジュゲートすることもできる。
【0055】
本明細書に開示されているT細胞の集団を含む試料をバイオマーカーリガンドと接触させる。試料とバイオマーカーリガンドの接触は、バイオマーカーリガンドと、その同族のバイオマーカーの特異的な結合が促進されるように行う。一般には、これは生理的条件下で行う。例えば、バイオマーカーリガンドが抗体である場合、抗体と試料の接触は、抗体とその対応するバイオマーカーの結合がもたらされ、それにより、抗体/バイオマーカー複合体が生じる条件下で行う。
【0056】
本明細書に開示されているT細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出する。標識されたバイオマーカーは、蛍光、生物発光、化学発光、分光学、光化学、生化学、免疫化学、化学、磁気、または当業者に公知の他の物理的手段に基づく検出方法を用いてスクリーニングすることができる。標識されていないバイオマーカーは、サイズ、体積、密度、不透明度、または当業者に公知の他の物理的手段に基づく検出方法を用いてスクリーニングすることができる。
【0057】
ある実施形態では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、細胞選別機を使用して実現される。細胞選別機は、当業者に周知であり、一般には、細胞の複合混合物を単一の細胞型の画分に分離することができるものである。一般には、選別する細胞を、小さなノズルオリフィスから発せられる担体液体の薄いジェットとして導入する。ノズルから出た直後に、流体力学的に集束した流体の流れが1つまたは複数の密に集束した光のビーム、通常はレーザー光のくびれ部分を通過する。流れが光ビームを通過する点にいくつもの検出器が向けられており、その1つは光ビームと一列に並んでおり(前方散乱またはFSC)、いくつかは光ビームに対して垂直であり(側方散乱またはSSC)、また、1つまたは複数の蛍光検出器がある。ビームを通過する0.2μm〜150μmの懸濁粒子のそれぞれにより光線が散乱し、また、粒子中に見いだされるまたは粒子に付着した蛍光化学物質が励起されて、光源より長い波長で放出される光になり得る。この散乱光および蛍光の組み合わせが検出器により拾われ、各検出器(各蛍光放出ピークに1つ)における輝度のゆらぎを分析することによって、個々の粒子の物理的構造および化学的構造に関する種々の種類の情報を引き出すことが可能になる。フローサイトメーターによって生成されたデータは、ヒストグラムを作成するために一次元で、または2次元のドットプロットに、さらには三次元でプロットすることができる。これらのプロット上の領域を、「ゲート」と称される一連のサブセット抽出物を創出することによって蛍光強度に基づいて逐次的に分離することができる。市場に出ているいくつかのフローサイトメーターでは蛍光の必要性が排除されており、光散乱のみが測定に使用される。他のフローサイトメーターでは各細胞の蛍光、散乱光、および透過光の画像が形成される。
【0058】
この実施形態のある態様では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、蛍光標識したバイオマーカーリガンドを使用したフローサイトメーターによって実現される。フローサイトメトリーによる選別は、特殊化された種類のフローサイトメトリーである。これにより、生物学的な細胞の不均質な混合物について、各細胞に特異的な光散乱および蛍光の特性に基づいて、2つ以上の容器に、1つの細胞を一度に選別するための方法がもたらされる。これは、個々の細胞から、高速の客観的および定量的な蛍光シグナルの記録、ならびに特に興味深い細胞の物理的な分離をもたらすので、有用な科学的装置である。フローサイトメトリー選別機により、1秒当たり200,000事象を超えるスピードで細胞を容易に分析することができる。しかし、一般に、担体流体の物理的性質、および小滴間に細胞が分布している統計値により、選別速度が1秒当たり細胞約50,000個に限定される。このスピードと信頼できる分離の組み合わせにより、個々の細胞を他の使用のために単離または濃縮することが可能になる。
【0059】
別の実施形態では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、磁気的に標識されたバイオマーカーリガンドを使用した磁気活性化細胞選別(MACS)によって実現される。MACSにより、細胞を、特定のバイオマーカーに対するバイオマーカーリガンドでコーティングした磁気ナノ粒子と一緒にインキュベートすることによって分離することが可能になる。磁気ナノ粒子は、酸化鉄および多糖コーティングで構成される超常磁性ナノ粒子を含んでよい。磁気ナノ粒子は、細胞表面バイオマーカーへの迅速かつ効率的な結合が可能になるコロイド懸濁液のままであるために十分に小さいことが好ましい。この実施形態の複数の態様では、磁気ナノ粒子は直径約1nm〜直径約100nm、例えば、直径約25nm、直径50nm、直径75nm、または直径100nmなどである。この実施形態の他の態様では、磁気ナノ粒子の体積は、例えば、典型的な哺乳動物の細胞の体積の約100万分の1、典型的な哺乳動物の細胞の体積の約20万分の1、または典型的な哺乳動物の細胞の体積の約10万分の1である。磁気ナノ粒子は、フローサイトメトリーに干渉しないこと、生分解性であること、および細胞機能に対する影響を無視できることが好ましい。抗体と磁気ナノ粒子のカップリングは、直接的であっても、フルオロフォア、量子ドット、リン光体、化学発光化合物、生物発光化合物、発色性化合物、ランタニドのような同位元素化合物、放射性同位元素、酵素、ビオチン分子、アビジン分子、またはバイオマーカーが結合した細胞を検出するために有用な任意の他の標識などのリガンドに対する第2の抗体を介して間接的であってもよい。
【0060】
別の実施形態では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、固相付着によって実現される。ある態様では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、本明細書に開示されているバイオマーカーリガンドを使用したパニングまたは固相アフィニティークロマトグラフィーによって実現される。ある態様では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、本明細書に開示されている磁気的に標識されたバイオマーカーリガンドを使用した固相磁気ビーズによって実現される。例えば、その全体が参照によって組み込まれる米国特許出願公開第2005/0186207号を参照されたい。
【0061】
別の実施形態では、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップは、補体細胞溶解(complement cell lysis)によって実現される。補体細胞溶解は、抗体によって認識される望ましくない細胞集団を排除するために用いられ、特定の種類の抗体の、細胞表面上の「補体系」と称される酵素性分子のカスケードを固定し活性化する機能に基づく。最終的な反応により、膜内に物理的な穴が開き、浸透によって細胞溶解が生じる。一般には、細胞を、抗体と一緒に4℃で30分間インキュベートし、補体酵素の供給源を加え、37
oCでインキュベートする。最後に、細胞を等張性緩衝液で洗浄し、使用する準備ができる。
【0062】
免疫抑制性調節性T細胞の集団は、1種または複数種のバイオマーカーの特徴的な発現パターンに基づいて同定する。一般に、そのような細胞は、1種または複数種のバイオマーカーの発現レベルに応じて、当業者に公知の通り容易に識別可能な染色強度の差異に基づいて同定される。一般には、バイオマーカーの発現は、高い(バイオマーカー
hi)、+(バイオマーカー
+)、低い(バイオマーカー
low)および−(バイオマーカー
−)に分類される。
【0063】
バイオマーカーリガンドを使用してスクリーニングした際に強くまたは明るく染色される細胞はバイオマーカー
+と称され、これにより、高レベルのバイオマーカーの発現を示す細胞の指標となる。例えば、CD4
hi/+、CD25
hi/+、CD6
hi/+、CD127
hi/+、CD49d
hi/+、CD38
hi/+、CD45RA
hi/+、HLA−DR
hi/+、FoxP3
hi/+、CTLA−4
hi/+、GITR
hi/+、LAG−3
hi/+、CD39
hi/+、Helios
hi/+、FcRL3
hi/+、CCR7
hi/+、CCR4
hi/+、CCR8
hi/+、CD62L
hi/+、ICOS
hi/+、CD103
hi/+、PD−1
hi/+、CD134
hi/+、GARP
hi/+、CD45RB
hi/+、CD45RO
hi/+、CD95
hi/+、CD122
hi/+、CD147
hi/+およびCD8
hi/+とは、それぞれ、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカーに向けられた、標識されたバイオマーカーリガンドを使用してスクリーニングした際に強くまたは明るく染色される細胞を指す。
【0064】
バイオマーカーリガンドを使用してスクリーニングした際にわずかに染色される、ぼんやりと染色される、または全く染色されない細胞はバイオマーカー
low/−と称され、これにより、高レベルのバイオマーカーの発現を示す細胞の指標となる。例えば、CD4
low/−、CD25
low/−、CD6
low/−、CD127
low/−+、CD49d
low/−、CD38
low/−、CD45RA
low/−、HLA−DR
low/−、FoxP3
low/−、CTLA−4
low/−、GITR
low/−、LAG−3
low/−、CD39
low/−、Helios
low/−、FcRL3
low/−、CCR7
low/−、CCR4
low/−、CCR8
low/−、CD62L
low/−、ICOS
low/−、CD103
low/−、PD−1
low/−、CD134
low/−、GARP
low/−、CD45RB
low/−、CD45RO
low/−、CD95
low/−、CD122
low/−、CD147
low/−およびCD8
low/−とは、それぞれ、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカーに向けられた、標識されたバイオマーカーリガンドを使用してスクリーニングした際に、わずかに染色される、ぼんやりと染色される、または全く染色されない細胞を指す。
【0065】
細胞がバイオマーカー
hi細胞であると示すためのカットオフは、全ての細胞について観察される蛍光強度分布に関して設定することができ、蛍光強度の上位2%、3%、5%、7%または10%に入る細胞がバイオマーカー
hi細胞と称される。この実施形態の複数の態様では、CD4
hi細胞、CD25
hi細胞、CD6
hi細胞、CD127
hi細胞、CD49d
hi細胞、CD38
hi細胞、CD45RA
hi細胞、HLA−DR
hi細胞、FoxP3
hi細胞、CTLA−4
hi細胞、GITR
hi細胞、LAG−3
hi細胞、CD39
hi細胞、Helios
hi細胞、FcRL3
hi細胞、CCR7
hi+細胞、CCR4
hi細胞、CCR8
hi細胞、CD62L
v細胞、ICOS
hi細胞、CD103
hi細胞、PD−1
hi細胞、CD134
hi細胞、GARP
hi細胞、CD45RB
hi細胞、CD45RO
hi細胞、CD95
hi細胞、CD122
hi細胞、CD147
hi細胞、および/またはCD8
hi細胞は、スクリーニングされた全ての細胞について観察された蛍光強度と比較して90%もしくはそれより高い、93%もしくはそれより高い、95%もしくはそれより高い、97%もしくはそれより高い、または98%もしくはそれより高い蛍光強度を示す。
【0066】
細胞がバイオマーカー
+細胞であると示すためのカットオフは、全ての細胞について観察される蛍光強度分布に関して設定することができ、蛍光強度の上位10%、20%、30%、40%または50%に入る細胞がバイオマーカー
+細胞と称される。この実施形態の複数の態様では、CD4
+細胞、CD25
+細胞、CD6
+細胞、CD127
+細胞、CD49d
+細胞、CD38
+細胞、CD45RA
+細胞、HLA−DR
+細胞、FoxP3
+細胞、CTLA−4
+細胞、GITR
+細胞、LAG−3
+細胞、CD39
+細胞、Helios
+細胞、FcRL3
+細胞、CCR7
+細胞、CCR4
+細胞、CCR8
+細胞、CD62L
+細胞、ICOS
+細胞、CD103
+細胞、PD−1
+細胞、CD134
+細胞、GARP
+細胞、CD45RB
+細胞、CD45RO
+細胞、CD95
+細胞、CD122
+細胞、CD147
+細胞、および/またはCD8
+細胞は、スクリーニングされた全ての細胞について観察された蛍光強度と比較して10%もしくはそれより高い、20%もしくはそれより高い、30%もしくはそれより高い、40%もしくはそれより高い、または50%もしくはそれより高い蛍光強度を示す。
【0067】
細胞がバイオマーカー
low細胞であると示すためのカットオフは、全ての細胞について観察される蛍光強度分布に関して設定することができ、蛍光強度が50%、40%、30%、20%、または10%を下回る細胞が、バイオマーカー
low/−細胞と称される。この実施形態の複数の態様では、CD4
low細胞、CD25
low細胞、CD6
low細胞、CD127
low細胞、CD49d
low細胞、CD38
low細胞、CD45RA
low細胞、HLA−DR
low細胞、FoxP3
low細胞、CTLA−4
low細胞、GITR
low細胞、LAG−3
low細胞、CD39
low細胞、Helios
low細胞、FcRL3
low細胞、CCR7
low細胞、CCR4
low細胞、CCR8
low細胞、CD62L
low細胞、ICOS
low細胞、CD103
low細胞、PD−1
low細胞、CD134
low細胞、GARP
low細胞、CD45RBP
low細胞、CD45ROP
low細胞、CD95P
low細胞、CD122
low細胞、CD147
low細胞、および/またはCD8
low細胞は、スクリーニングされた全ての細胞について観察された蛍光強度と比較して50%もしくはそれより低い、40%もしくはそれより低い、30%もしくはそれより低い、20%もしくはそれより低い、または10%もしくはそれより低い蛍光強度を示す。
【0068】
細胞がバイオマーカー
−細胞であると示すためのカットオフは、全ての細胞について観察される蛍光強度分布に関して設定することができ、蛍光強度が10%、7%、5%、3%、または2%を下回る細胞がバイオマーカー
−細胞と称される。この実施形態の複数の態様では、CD4
−細胞、CD25
−細胞、CD6
−細胞、CD127
−細胞、CD49d
−細胞、CD38
−細胞、CD45RA
−細胞、HLA−DR
−細胞、FoxP3
−細胞、CTLA−4
−細胞、GITR
−細胞、LAG−3
−細胞、CD39
−細胞、Helios
−細胞、FcRL3
−細胞、CCR7
−細胞、CCR4
−細胞、CCR8
−細胞、CD62L
−細胞、ICOS
−細胞、CD103
−細胞、PD−1
−細胞、CD134
−細胞、GARP
−細胞、CD45RB
−細胞、CD45RO
−細胞、CD95
−細胞、CD122
−細胞、CD147
−細胞、および/またはCD8
−細胞は、スクリーニングされた全ての細胞について観察された蛍光強度と比較して10%もしくはそれより低い、7%もしくはそれより低い、5%もしくはそれより低い、3%もしくはそれより低い、または2%もしくはそれより低い蛍光強度を示す。
【0069】
細胞は、全ての細胞についてのバイオマーカー染色の度数分布を得、高染色集団および低染色集団に対する集団カーブフィッティングを生成することによっても区別することができる。次いで、個々の細胞を、それぞれの集団分布の統計分析に基づいて、それが属する可能性がある集団に割り当てる。一実施形態では、バイオマーカー
low/−細胞は、バイオマーカー
+細胞の1分の1以下、2分の1以下、または3分の1以下の蛍光強度を示す。この実施形態の複数の態様では、CD4
low/−細胞、CD25
low/−細胞、CD6
low/−細胞、CD127
low/−+細胞、CD49d
low/−細胞、CD38
low/−細胞、CD45RA
low/−、HLA−DR
low/−細胞、FoxP3
low/−細胞、CTLA−4
low/−細胞、GITR
low/−細胞、LAG−3
low/−細胞、CD39
low/−細胞、Helios
low/−細胞、FcRL3
low/−細胞、CCR7
low/−細胞、CCR4
low/−細胞、CCR8
low/−細胞、CD62L
low/−細胞、ICOS
low/−細胞、CD103
low/−細胞、PD−1
low/−細胞、CD134
low/−細胞、GARP
low/−細胞、CD45RB
low/−細胞、CD45RO
low/−細胞、CD95
low/−細胞、CD122
low/−細胞、CD147
low/−細胞、およびCD8
low/−細胞は、それぞれ、CD4
+細胞、CD25
+細胞、CD6
+細胞、CD127
+細胞、CD49d
+細胞、CD38
+細胞、CD45RA
+細胞、HLA−DR
+細胞、FoxP3
+細胞、CTLA−4
+細胞、GITR
+細胞、LAG−3
+細胞、CD39
+細胞、Helios
+細胞、FcRL3
+細胞、CCR7
+細胞、CCR4
+細胞、CCR8
+細胞、CD62L
+細胞、ICOS
+細胞、CD103
+細胞、PD−1
+細胞、CD134
+細胞、GARP
+細胞、CD45RB
+細胞、CD45RO
+細胞、CD95
+細胞、CD122
+細胞、CD147
+細胞、およびCD8
+細胞の1分の1以下、2分の1以下、または3分の1以下の蛍光強度を示す。
【0070】
一実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のある態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD49
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。
【0071】
この実施形態の別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−CD49
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。
【0072】
この実施形態の他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD49d
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD38
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
low/−発現パターン、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−発現パターン、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターン、またはCD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。
【0073】
この実施形態の他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−HLA−Dr
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−HLA−Dr
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FoxP3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FoxP3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CTLA−4
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CTLA−4
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GITR
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GITR
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−LAG−3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−LAG−3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD39
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD39
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−Helios
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−Helios
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FcRL3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FcRL3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR7
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR7
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR4
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR4
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR8
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR8
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD62L
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD62L
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−ICOS
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−ICOS
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD103
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD103
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−PD−1
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−PD−1
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD134
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD134
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GARP
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GARP
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RB
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RB
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RO
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RO
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD95
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD95
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD122
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD122
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD147
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD8
+発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−CD8
ow/−発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。
【0074】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−および以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD25
+発現パターン、CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて同定する。
【0075】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−および以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて同定する。
【0076】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−および以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD25
+発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて同定する。
【0077】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−および以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて同定する。
【0078】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0079】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0080】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0081】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0082】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0083】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0084】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0085】
別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0086】
さらに別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0087】
さらに別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0088】
別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0089】
さらに別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0090】
さらに別の実施形態では、2つまたはそれより多い別個の免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて同定する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターン FoxP3
+発現パターンまたはFoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターンまたはCTLA−4
low/−発現パターン、CD45RA
+発現パターンまたはCD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターンまたはHLA−Dr
low/−発現パターン、またはその任意の組み合わせ。
【0091】
本明細書の複数の態様には、一部において、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法が開示されている。一実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0092】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0093】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0094】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0095】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0096】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0097】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0098】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0099】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0100】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0101】
スクリーニングするステップおよび接触させるステップは本明細書に記載の通りである。
【0102】
免疫抑制性調節性T細胞の集団を、1種または複数種のバイオマーカーの特徴的な発現パターンに基づいて単離または濃縮する。本明細書に開示されているスクリーニングするステップに関しては、そのような細胞を、1種または複数種のバイオマーカーの発現レベルに応じて、当業者に公知の通り、容易に識別可能な染色強度の差異に基づいて単離または濃縮する。一般には、バイオマーカー発現パターンの発現は、高い(バイオマーカー
hi)、+(バイオマーカー
+)、低い(バイオマーカー
low)および−(バイオマーカー
−)に分類される。
【0103】
免疫抑制性調節性T細胞の集団は、所望のバイオマーカー発現パターンを含む細胞で実質的に構成されてよい。本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、所望のバイオマーカー発現パターンを含む細胞の集団に関して使用される場合、集団由来の細胞の総数の少なくとも80%が所望のバイオマーカー発現パターンを含む細胞の集団を指す。この実施形態の複数の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団は、例えば、集団由来の細胞の総数の少なくとも83%、少なくとも85%少なくとも88%、または少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%少なくとも98%、または少なくとも99%を構成する。この実施形態の他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団は、例えば、試料由来のT細胞の供給源集団と比較して少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍を構成する。
【0104】
免疫抑制性調節性T細胞の集団は、対象の細胞の正の選択または負の選択を用いて単離または濃縮することができる。さらに、免疫抑制性調節性T細胞の集団は、対象の細胞の正の選択と負の選択の両方を用いて単離または濃縮することができる。本明細書で使用される場合、「正の選択」という用語は、細胞の混合物または出発集団から、指定の細胞におけるバイオマーカーの高発現または陽性の発現に基づいて特定の細胞を選択することを指す。本明細書で使用される場合、「負の選択」という用語は、細胞の混合物または出発集団から、特定の細胞におけるバイオマーカーの低発現または陰性の発現に基づいて特定の細胞を選択することを指す。細胞の正の選択または負の選択のために使用するバイオマーカーは、例えば、フローサイトメトリー選別機、MACS、固相付着、パニング、およびクロマトグラフィーによって検出することができる。細胞における2種以上のバイオマーカーの免疫選択は1つまたは複数のステップで実施することができ、各ステップにおいて1種または複数種のバイオマーカーについて正または負に選択する。2種以上のバイオマーカーの免疫選択を、フローサイトメトリー選別機を使用して一ステップで実施する場合、2種以上の異なるバイオマーカーは異なるフルオロフォアで標識されていてよい。
【0105】
この実施形態の複数の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、細胞の供給源集団由来の細胞の総数と比較して、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%少なくとも50%、または少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%濃縮する。この実施形態の他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、細胞の供給源集団由来の細胞の総数と比較して、例えば、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍濃縮する。
【0106】
この実施形態の他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、例えば、試料中の細胞の総数の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%に濃縮する。この実施形態のさらに他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、例えば、試料中の細胞の総数の約80%〜約85%、約80%〜約90%、約80%〜約95%、約80%〜約98%、約80%〜約100%、約85%〜約90%、約85%〜約95%、約85%〜約98%、約85%〜約100%、約90%〜約95%、約90%〜約98%、または約90%〜約100%に濃縮する。
【0107】
この実施形態の他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の亜集団を、例えば、試料中の細胞の総数から、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%単離する。この実施形態のさらに他の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の亜集団を、例えば、試料中の細胞の総数から、約80%〜約85%、約80%〜約90%、約80%〜約95%、約80%〜約98%、約80%〜約100%、約85%〜約90%、約85%〜約95%、約85%〜約98%、約85%〜約100%、約90%〜約95%、約90%〜約98%、または約90%〜約100%単離する。
【0108】
別の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、試料中の細胞からCD6
+細胞を枯渇させる負の選択スキームによって単離する。さらに別の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、試料中の細胞からCD6
+細胞を枯渇させる負の選択スキームによって濃縮する。
【0109】
免疫抑制性調節性T細胞の集団を、1種または複数種のバイオマーカーの特徴的な発現パターンに基づいて得る。所望のバイオマーカー発現パターンを含む細胞は、蛍光、生物発光、化学発光、分光学、光化学、生化学、免疫化学、化学、磁気、サイズ、体積、密度、不透明度、または当業者に公知の他の物理的手段に基づく検出方法を用いて単離または濃縮することができる。
【0110】
ある実施形態では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップは、本明細書に開示されている通り、細胞選別機を使用して実現される。この実施形態のある態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップは、本明細書に開示されている通り、フローサイトメトリー選別機を使用して実現される。別の実施形態では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップは、本明細書に開示されている通り、MACSを使用して実現される。バイオマーカー発現パターンを、本明細書に開示されている通り、対象の細胞の正の選択または負の選択のために使用することができる。細胞の正の選択または負の選択のために使用するバイオマーカー発現パターンは、例えば、フローサイトメトリー選別機、MACS、パニング、およびクロマトグラフィーによって検出することができる。
【0111】
細胞がバイオマーカー
hi細胞、バイオマーカー
+細胞、バイオマーカー
low細胞、またはバイオマーカー
−細胞であることを示すためのカットオフ値は、本明細書に開示されている通りである。細胞は、本明細書に開示されている通り、全ての細胞についてのバイオマーカー染色の度数分布を得、高染色集団および低染色集団に対する集団カーブフィッティングを生成することによって区別することもできる。
【0112】
一実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のある態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD49
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0113】
この実施形態の別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0114】
この実施形態の他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD49d
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD38
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
low/−発現パターン、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−発現パターン、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターン、またはCD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−CD38
low/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0115】
この実施形態の他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−HLA−Dr
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−HLA−Dr
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FoxP3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FoxP3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CTLA−4
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CTLA−4
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GITR
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GITR
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−LAG−3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−LAG−3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD39
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD39
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−Helios
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−Helios
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FcRL3
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−FcRL3
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR7
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR7
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR4
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR4
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR8
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CCR8
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD62L
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD62L
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−ICOS
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−ICOS
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD103
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD103
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−PD−1
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−PD−1
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD134
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD134
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GARP
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−GARP
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RB
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RB
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RO
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RO
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD95
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD95
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD122
+発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD122
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD147
low/−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD8
+発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−CD8
ow/−発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0116】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンおよび以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD25
+発現パターン、CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0117】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0118】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD4
+発現パターン、CD25
+発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0119】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび以下の追加的なバイオマーカー発現パターン:CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
+発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、またはCD8
low/−発現パターンのうちの1種または複数種を含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。
【0120】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0121】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0122】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0123】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0124】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0125】
さらに別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD4
+CD25
+CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0126】
別の実施形態では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンおよび1種または複数種の追加的なバイオマーカー発現パターンを含むT細胞に基づいて単離または濃縮する。ただし、追加的なバイオマーカー発現パターンは、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせではない。
【0127】
本明細書の複数の態様には、一部において、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法が開示されている。一実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を増大させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0128】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0129】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0130】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0131】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0132】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0133】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー,およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0134】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0135】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0136】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップとを含む。
【0137】
スクリーニングするステップ、接触させるステップ、および単離するステップは本明細書に記載の通りである。
【0138】
所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の増大は、標準の細胞培養手順を用いて、T細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させることによって実現することができる。刺激性組成物は、T細胞受容体複合体に抗原特異的に結合し、それを活性化することによってT細胞の成長を促進する。刺激性組成物は、抗原特異的であるTCR/CD3活性化因子を有効量含む。刺激性組成物は、1種または複数種の追加的な作用物質、例えば、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、または一般にT細胞の生存および/または成長を促進する作用物質をさらに含んでよい。刺激性組成物は、溶液中にあっても懸濁液中にあってもよい。活性化および増大を促進するために、TCR/CD3活性化因子およびTCR共刺激物質を、一般には、三次元の固体表面、例えば、宿主細胞、ビーズ、または他の基材などの上に固定化することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるThomasら、Clin. Immunol. 105巻:259〜272頁(2002年)を参照されたい。基材として使用するために適した細胞としては、人工抗原提示細胞(aAPC)が挙げられる。例えば、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Kimら、Nat. Biotechnol. 22巻(4号):403〜410頁(2004年);およびThomasら、Clin. Immunol. 105巻(3号):259〜272頁(2002年)を参照されたい。ビーズは、一般には直径範囲が1μm〜20μmであるプラスチック、ガラス、または任意の他の適切な材料であってよい。一実施形態では、活性化因子を、細胞:ビーズ比2:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:3でもたらされる常磁性ビーズ上に固定化することができる。最適なビーズサイズは経験的に決定することができるが、一般には、サイズは直径1μm〜20μmの範囲内に入る。
【0139】
TCR/CD3活性化因子は、例えばαCD3抗体などの抗原非特異的活性化因子、および、例えば主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)ペプチド多量体などの抗原特異的活性化因子を含めた、TCR/CD3に対する多価の抗体またはリガンドである。例えば、そのそれぞれの全体が参照によって組み込まれる、Yeeら、Adoptive T cell therapy using antigen−specific CD8+ T cell clones for the treatment of patients with metastatic melanoma:In vivo persistence, migration, and antitumor effect of transferred T cells、Proc Natl. Acad. Sci. USA 99巻(25号):16168〜16173頁(2002年);Butterfieldら、T−Cell responses to HLA−A*0201 immunodominant peptides derived from .alpha.−fetoprotein in patients with hepatocellular cancer、Clin. Cancer Res. 9巻(16号):5902〜5908頁(2003年);およびYeeら、Isolation of high avidity melanoma−reactive CTL from heterogeneous populations using peptide−MHC tetramers、J. Immunol. 162巻:2227〜2230頁(1999年)を参照されたい。MHCペプチド多量体は、MHCクラスI/抗原性ペプチド複合体であってもMHCクラスII/抗原ペプチド複合体であってもよい。抗原ペプチドは、自己抗原性ペプチドまたは同種異系抗原ペプチドであってよい。抗原ペプチドは、一般には、自己免疫疾患関連ペプチド、個体に投与された場合に自己免疫反応の調整において有効なペプチド、または個体における望ましくない免疫応答を促す抗原である。例えば、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Bluestoneら、CD127 Expression Inversely Correlates wit FoxP3 and Suppressive Functions of CD4
+T
regs、米国特許出願公開第2008/0131445号を参照されたい。本明細書で使用される場合、「自己抗原ペプチド」または「自己抗原」という用語は、哺乳動物に対して生来のものであり、哺乳動物において病理学的に免疫原性である抗原またはエピトープを指す。
【0140】
自己抗原性ペプチドは、MHCクラスII分子と複合体形成することができるミモトープペプチドであってもよい。ミモトープペプチドは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Bluestoneら、CD127 Expression Inversely Correlates wit FoxP3 and Suppressive Functions of CD4
+T
regs、米国特許出願公開第2008/0131445号に記載されている。本明細書で使用される場合、「同種異系抗原ペプチド」という用語は、同じ種由来の別の個体に注射されると、それを排除することを目的とした免疫応答のトリガーとなる、生物体の自己認識系の一部である抗原またはエピトープを指す。例示的なMHCクラスII分子/ペプチド複合体は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Bluestoneら、CD127 Expression Inversely Correlates wit FoxP3 and Suppressive Functions of CD4
+T
regs、米国特許出願公開第2008/0131445号に記載されている。
【0141】
他の方法で従来のT細胞由来の調節性T細胞を増大させるためにTCR/CD3活性化因子を使用するためのプロトコールは、細胞表面の表現型とは関係なく個体由来の調節性T細胞を増大させるために、自己抗原特異的MHCペプチド四量体、ペプチドパルスしたDC(Yamazakiら、J. Exp. Med. 198巻:235〜247頁、2003年)または人工APC(Mausら、Nat. Biotechnol. 20巻:143〜148頁、2002年)を使用することを含む。さらに、in vitro手法およびin vivo手法の組み合わせにより、療法の効果を増強することができる。例えば、最近の試験により、自己抗原、変更されたペプチドリガンド、さらには非特異的な刺激、例えば、FcR非結合性αCD3モノクローナル抗体などを投与することにより、抗原特異的調節性T細胞の活性を促進することができることが示された。例えば、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Apostolouら、J. Exp. Med. 199巻:1401〜1408頁(2003年);Belghithら、Nat. Med. 9巻:1202〜1208頁(2003年)を参照されたい。したがって、調節性T細胞を誘導するためのin vivoにおける免疫化とex vivoにおける増大を組み合わせることまたはその逆が有利である可能性がある。
【0142】
ある実施形態では、刺激性組成物は、MHCクラスI/抗原性ペプチド複合体、特に、そのようなMHC/ペプチド複合体の凝集体を含む。この実施形態の複数の態様では、刺激性組成物は、MHCクラスI/同種異系抗原ペプチド複合体またはMHCクラスI/抗原性ペプチド複合体を含む。別の実施形態では、刺激性組成物は、MHCクラスII/抗原性ペプチド複合体、特に、そのようなMHC/ペプチド複合体の凝集体を含む。この実施形態の複数の態様では、刺激性組成物は、MHCクラスII/同種異系抗原ペプチド複合体またはMHCクラスII/抗原性ペプチド複合体を含む。機能的なMHCクラスI/ペプチド複合体およびMHCクラスII/ペプチド複合体を生成するための多数の適用可能な方法が当技術分野で公知である。
【0143】
TCR共刺激物質活性化因子は、TCR共刺激物質、例えば、CD28、GITR、B7−1/2、CD5、ICOS、OX40またはCD40などに特異的な多価の抗体またはリガンドである。例えば、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Shimizuら、Stimulation of CD25(+)CD4(+) regulatory T cells through GITR breaks immunological self−tolerance、Nat. Immunol. 3巻(2号):135〜142頁(2002年);Toneら、Mouse glucocorticoid−induced tumor necrosis factor receptor ligand is co−stimulatory for T cells、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 100巻(25号):15059〜15064頁(2003年)を参照されたい。共刺激性作用物質は、アゴニスト抗体、例えば、CD28、GITR、B7−1/2、CD5、ICOS、OX40またはCD40に結合するアゴニスト抗体などであってよい。
【0144】
第2の調節性T細胞刺激性作用物質は、サイトカイン、例えば、肝細胞増殖因子、顆粒球コロニー刺激因子、IL−2、IL−6、IL−7、IL−13、およびIL−15などのインターロイキンなどである。有効量は、一般には、約200〜約2500IU/mLである。
【0145】
ある実施形態では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の増大は、T細胞の亜集団を抗原と接触させることによって実現することができる。この実施形態のある態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団を、細胞の集団を抗原特異的調節性T細胞刺激性組成物と接触させることによって実現することができる。この実施形態の別の態様では、刺激性組成物は、MHCクラスII/自己抗原性ペプチド複合体を含む。この実施形態のさらに別の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団は、細胞の集団を抗原特異的調節性T細胞刺激性組成物および別の刺激性作用物質または第2の調節性T細胞刺激性作用物質と接触させることによって実現することができる。
【0146】
さらに別の実施形態では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の増大は、T細胞の亜集団をアゴニスト抗体と接触させることによって実現することができる。この実施形態のある態様では、アゴニスト抗体は、αCD3抗体またはαCD28抗体である。
【0147】
さらに別の実施形態では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の増大は、T細胞の亜集団をアゴニスト抗体および第2の刺激作用物質と接触させることによって実現することができる。この実施形態のある態様では、第2の刺激性作用物質はサイトカインである。この実施形態の複数の態様では、サイトカインは例えばIL−2などのインターロイキンである。この実施形態のある態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の増大は、T細胞の亜集団を、TGFβまたはラパマイシンの存在下でαCD3抗体またはαCD28抗体、およびIL−2と接触させることによって実現することができる。
【0148】
刺激性組成物の各構成成分の最適な濃度、培養条件および持続時間は、常套的な実験を用いて経験的に決定することができる。最大の増大は経験的に決定され、これは、例えば、細胞型、インキュベーション条件によって変動する。この実施形態の複数の態様では、所望のバイオマーカー発現パターンを含むT細胞の亜集団の最大の増大は、例えば、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも500倍または少なくとも800倍であってよい。
【0149】
本明細書の複数の態様には、一部において、個体における免疫に基づく障害を治療する方法が開示されている。一実施形態では、本明細書に開示されている方法は、養子細胞免疫療法である。
【0150】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0151】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0152】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0153】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0154】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0155】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーおよびCD127バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0156】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0157】
別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0158】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0159】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、およびCD127バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップとを含む。この実施形態のある態様では、該方法は、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を、亜集団T細胞を個体に投与する前に増大させるステップをさらに含む。
【0160】
スクリーニングするステップ、接触させるステップ、単離するステップ、および増大させるステップは本明細書に記載の通りである。得られた生物学的試料は個体適合性T細胞の集団を含む。本明細書で使用される場合、「個体適合性T細胞」という用語は、被験体に、場合によって免疫抑制療法と併せて、広範囲にわたる慢性移植片対宿主病(GvHD)をもたらすことなく導入することができる細胞を指す。得られた個体適合性T細胞の集団は、抗原または自己抗原に特異的な調節性T細胞を含んでよく、また、抗原または自己抗原に特異的な調節性T細胞が存在する任意の供給源、例えば、末梢血、臍帯血、胸腺、リンパ節、脾臓、および骨髄などから得ることができる。生物学的試料は、健康な個体、または、本明細書に記載の療法に適した、本明細書に開示されている免疫に基づく障害に罹患しているもしくは寛解の状態にある個体から得ることができる。
【0161】
ある実施形態では、個体適合性細胞の集団を含む生物学的試料は、個体、すなわち、自己細胞から得られる。別の実施形態では、個体適合性細胞の集団を含む生物学的試料は、個体とは別個のドナーから得られる。ドナーは、同系であることが好ましいが、得られる細胞が、被験体に、場合によって免疫抑制療法と併せて、広範囲にわたる慢性移植片対宿主病(GvHD)をもたらすことなく導入することができるという点で個体適合性であれば、同種異系、さらには異種であってもよい。同種異系のドナー細胞は、ヒト白血球抗原(HLA)適合性であることが好ましく、一般には、免疫抑制療法と併せて投与される。被験体適合性にするために、異種の細胞をガンマ線照射またはPEN10処理に供することができる。ある特定の実施形態では、調節性T細胞の供給源は死体組織由来であってよい。
【0162】
所望のバイオマーカー発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与する。個体は、免疫反応の調整が望まれる任意の哺乳動物であってよい。個体はヒトを包含し、ヒトは患者であってよい。一般には、免疫に基づく障害に対する従来の治療の候補である個体はいずれも、本明細書に開示されている免疫に基づく障害の治療の候補である。手術前評価は、一般には、手順に関連するリスクおよび利益の全てを開示した徹底的なインフォームドコンセントに加えて、常套的な病歴および身体検査を含む。
【0163】
所望のバイオマーカー発現パターンを有する亜集団T細胞は、調節性T細胞の集団である。この実施形態のある態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−発現パターンを含む。
【0164】
この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD38
low/−発現パターンを含む。この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD49
low/−発現パターンを含む。
【0165】
この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−発現パターンを含む。この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターンを含む。
【0166】
この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD49d
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD38
low/−発現パターンを含む。この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−発現パターンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−CD38
low/−発現パターンを含む。この実施形態の別の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−CD127
low/−CD49d
low/−CD38
low/−発現パターンを含む。
【0167】
この実施形態の他の態様では、調節性T細胞の集団は、CD6
low/−発現パターン、CD25
+CD6
low/−発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンのいずれかを含み、CD127
low/−発現パターン、CD49d
low/−発現パターン、CD38
low/−発現パターン、CD45RA
low/−発現パターン、HLA−Dr
+発現パターン、HLA−Dr
low/−発現パターン、FoxP3
+発現パターン、FoxP3
low/−発現パターン、CTLA−4
+発現パターン、CTLA−4
low/−発現パターン、GITR
+発現パターン、GITR
low/−発現パターン、LAG−3
+発現パターン、LAG−3
low/−発現パターン、CD39
+発現パターン、CD39
low/−発現パターン、Helios
+発現パターン、Helios
low/−発現パターン、FcRL3
+発現パターン、FcRL3
low/−発現パターン、CCR7
+発現パターン、CCR7
low/−発現パターン、CCR4
+発現パターン、CCR4
low/−発現パターン、CCR8
+発現パターン、CCR8
low/−発現パターン、CD62L
+発現パターン、CD62L
low/−発現パターン、ICOS
+発現パターン、ICOS
low/−発現パターン、CD103
+発現パターン、CD103
low/−発現パターン、PD−1
+発現パターン、PD−1
low/−発現パターン、CD134
+発現パターン、CD134
low/−発現パターン、GARP
+発現パターン、GARP
low/−発現パターン、CD45RB
+発現パターン、CD45RB
low/−発現パターン、CD45RO
+発現パターン、CD45RO
low/−発現パターン、CD95
+発現パターン、CD95
low/−発現パターン、CD122
+発現パターン、CD122
low/−発現パターン、CD147
low/−発現パターン、CD8
+発現パターン、CD8
low/−発現パターン、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
【0168】
個体に投与される、所望のバイオマーカー発現パターンを有する調節性T細胞は、一般には、所定の抗原または自己抗原に特異的な調節性T細胞を含む組成物である。そのような所定の抗原または自己抗原に特異的な調節性T細胞は、本明細書に開示されている方法を用いて、好ましくは標的とされるアレルギー反応または自己免疫反応に関連する所定の抗原または自己抗原に特異的な細胞から得られ、増大される。個体に投与される調節性T細胞は、抑制因子または他の生物学的因子、例えば、IL−4、幹細胞増殖因子、血管新生調節因子、または遺伝的欠損などを炎症の部位に送達するための「トロイの木馬」としての機能を果たすことができる。
【0169】
個体を免疫に基づく障害について治療する。本明細書で使用される場合、「免疫に基づく障害」という用語は、異常な免疫応答が個体における免疫に基づく障害の病原に寄与する状態、障害、または疾患を指す。異常な免疫応答とは、望ましくない免疫または自己免疫応答と特徴付けられる、個体における任意の免疫反応である。開示されている治療方法は、宿主における異常な免疫応答の調整が望まれる種々の異なる免疫に基づく障害の治療において有用である。免疫に基づく障害としては、これだけに限定することなく、自己免疫性の状態、障害または疾患、移植片拒絶反応、移植片対宿主病、癌、免疫に基づく炎症性疾患、ならびに、哺乳動物およびヒトに浸潤し、存続する細菌、ウイルス、真菌、もしくは寄生生物由来の感染性非自己抗原に対する持続性かつ進行性の免疫反応が挙げられる。そのような状態および障害としては、アレルギーおよび/または喘息が挙げられる。アレルギーおよび喘息は、花粉、動物の鱗屑および食物タンパク質として外来抗原または非自己抗原に感作されることに起因し得る。外来抗原を惹起する供給源は、植物、真菌、カビ、または他の環境汚染物質であり得る。例えば、免疫に基づく障害は自己免疫応答であってよく、抗原は自己抗原であり、移植片対宿主免疫応答および抗原は自己抗原、アレルギー、喘息、組織もしくは器官移植の拒絶反応、または移植片対宿主免疫応答であり、抗原は、有害な免疫応答を惹起する精製されたもしくは精製されていないアレルゲンの構成成分または移植された組織もしくは器官である。
【0170】
自己免疫は、哺乳動物およびヒトに浸潤し、存続する細菌、ウイルス、真菌、もしくは寄生生物由来の感染性非自己抗原とは別個の非感染性自己抗原に対する持続性かつ進行性の免疫反応と定義される。自己免疫応答は、個体の免疫系が自己抗原を外来と認識し、それにより自己反応性エフェクター免疫細胞が産生された場合に起こる。自己反応性エフェクター免疫細胞とは、これだけに限定されないが、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、およびB細胞を含めた種々の系列由来の細胞を含む。正確な機構は異なるが、自己免疫疾患に罹患している個体に自己反応性エフェクター免疫細胞が存在していることにより、個体の組織および細胞が破壊され、その結果、病理症状が生じる。自己免疫疾患の個体は、当業者に公知の通り診断することができる。そのような個体は、症候的に、および/または試料を個体から得、自己反応性T細胞を単離し、個体における自己反応性T細胞のレベルを対照と比較することによって同定することができる。例えば、米国特許出願公開第2006/0105336号を参照されたい。個体におけるそのような細胞の存在、したがって、個体における抗原特異的自己免疫疾患などの自己免疫疾患の存在を決定するための多数のアッセイは当業者に公知であり、開示されている方法において容易に用いることができる。対象のアッセイとしては、これだけに限定されないが、例えば、Autoimmunity 36巻(6〜7号):361〜366頁(2003年);J. Pediatr. Hematol. Oncol. 25巻(補遺1):S57〜S61頁(2003年);Proteomics 3巻(11号):2077〜2084頁(2003年);Autoimmun. Rev. 2巻(1号):43〜49頁(2003年)に記載のアッセイが挙げられる。
【0171】
自己免疫性の状態、障害または疾患は、各疾患の主要な臨床病理学的特徴に応じて、全身性の自己免疫性の状態、障害または疾患および器官特異的な自己免疫性の状態、障害または疾患に大まかに分けられる。全身性自己免疫性の状態、障害または疾患としては、限定することなく、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、関節リウマチおよび多発性筋炎が挙げられる。器官特異的な自己免疫性の状態、障害または疾患は、内分泌性(1型糖尿病、橋本甲状腺炎、アジソン病など)、皮膚性(尋常性天疱瘡、乾癬、強皮症)、血液性(自己免疫性溶血性貧血)、神経性(多発性硬化症)であってもよく、体組織の実質的にあらゆる限局性腫瘤も伴ってもよい。自己免疫性の状態、障害または疾患としては、限定することなく、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、アレルギーまたは感受性、αリン脂質抗体症候群(APS)、関節炎、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性胃炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性多腺性内分泌障害症候群、自己免疫性ぶどう膜網膜炎、水疱性類天疱瘡、セリアック病、シャガス病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、大腸炎、クローン病、1型糖尿病(IDDM)、子宮内膜症、線維筋痛症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、ループス(円板状エリテマトーデス、薬剤誘発性エリテマトーデス、ループス腎炎、新生児エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデスおよび全身性エリテマトーデスを含む)、斑状強皮症、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、ミオパチー、ナルコレプシー、神経性筋強直症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、原発性胆汁性肝硬変、再発性播種性脳脊髄炎(多相性播種性脳脊髄炎)、リウマチ熱、統合失調症、強皮症、シェーグレン症候群、腱滑膜炎、甲状腺炎、血管炎、および白斑が挙げられる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Pamela D. Van Schaack&Kenneth L. Tong、Treatment of Autoimmune Disorder with a Neurotoxin、米国特許出願公開第2006/138059号を参照されたい。多発性硬化症(EAE:実験的自己免疫性脳脊髄炎)、重症筋無力症(EMG:実験的重症筋無力症)および神経炎(EAN:実験的自己免疫性神経炎)を含めた、自己抗原のT細胞エピトープを使用して耐性を誘導するための確立された動物モデルが多数存在する。
【0172】
本発明の態様は、一部において、移植片拒絶反応を提供する。移植片拒絶反応は、移植された器官または組織がレシピエントの免疫系に攻撃されることが原因で移植された器官または組織が移植レシピエントの身体に許容されない場合に起こる。適応免疫応答、移植片拒絶反応は、T細胞媒介性機構および体液性免疫(抗体)機構の両方に媒介される。一致しない対立遺伝子の数により、拒絶応答のスピードおよび規模が決定される。異なる機構が異なる移植片に対して作用する傾向がある。
【0173】
移植片拒絶反応は、超急性拒絶反応、急性拒絶反応、または慢性拒絶反応に分類することができる。超急性拒絶反応は、レシピエントにおける、ドナーに対する既存の抗体(例えば、ABO血液型抗体)に対する補体媒介性応答である。超急性拒絶反応は、移植後数分以内に起こり、重度の全身性炎症反応を予防するためにはすぐに除去しなければならない。急速な血液の凝集が起こる。
【0174】
急性拒絶反応は、早ければ移植の1週間後に始まる可能性がある(即時の超急性拒絶反応とは対照的に)。急性拒絶反応のリスクは、移植後の最初の3カ月において最も高い。しかし、急性拒絶反応は、移植の数カ月〜数年後に起こる可能性もある。急性拒絶反応が通常移植の1週間後に始まるのは、T細胞が拒絶反応機構に関与するからである。これらのT細胞は、拒絶反応が始まる前に分化しなければならない。T細胞は、移植された組織内の細胞を溶解させる、または移植された組織の壊死を引き起こすサイトカインを産生する。急性拒絶反応の単一のエピソードは、即座に認識され、治療されれば懸念の原因にはならず、器官不全症に至ることはめったにない。免疫抑制薬の使用によって免疫応答が変更されていなければ、急性拒絶反応は移植の全て(一卵性双生児間の移植以外)でいくらかの程度で起こる。急性拒絶反応は、身体の全ての細胞に存在するHLAの不一致によって引き起こされる。各HLAには多数の異なる対立遺伝子が存在し、したがって、ドナー組織およびレシピエントの身体における全てのHLAが完全に一致することは非常にまれである。
【0175】
移植された器官または組織の慢性拒絶反応とは、十分に解明されていない移植された組織に対する慢性の炎症性免疫応答に起因する拒絶反応である。肺移植後の慢性拒絶反応は、肺移植患者における長期罹患率および死亡率の主な原因である。
【0176】
「移植片拒絶反応」という用語には、移植片対宿主病(GVHD)も包含される。GVHDは、移植された骨髄における機能的な免疫細胞がレシピエントを「外来」と認識し、免疫学的攻撃を開始する、同種異系の骨髄移植の一般的な合併症である。GVHDは、ある特定の状況下の輸血においても起こる。GVHDは、急性型および慢性型に分けられる。この疾患の急性型または劇症型(aGVHD)は、通常、移植後の最初の100日以内に観察され、付随する罹患率および死亡率が原因で移植の主要な難題になっている。移植片対宿主病の慢性型(cGVHD)は、通常、100日後に起こる。cGVHDの中程度〜重度の症例の出現は、長期生存に不利に影響する。急性GVHDおよび慢性GVHDには異なる免疫細胞サブセット、異なるサイトカインプロファイル、いくらか異なる宿主標的が関与し、治療に対する応答が異なると思われる。
【0177】
急性GVHDは、肝臓、皮膚および粘膜、胃腸管、免疫系(造血系、例えば、骨髄および胸腺)自体に対する、ならびに特発性肺臓炎の形態で肺に対する選択的な損傷を特徴とする。胃腸管の急性GVHDにより、重度の腸の炎症、粘膜の脱落、重度の下痢、腹痛、悪心、および嘔吐がもたらされる可能性がある。これは、一般には、腸の生検によって診断される。肝臓GVHDは、急性患者におけるビリルビンレベルによって測定される。皮膚GVHDにより、びまん性斑状丘疹状皮疹が、時にはレース状型で生じる。急性GVHDは以下の通り病期分類される:各器官を低い、1から高い、4まで個別に病期分類したものを伴う全体的なグレード(皮膚−肝臓−消化管)。グレードIV GVHDの患者は通常予後不良を有する。GVHDが重度であり、制御下に置くためにステロイドおよび追加的な作用物質を伴う厳しい免疫抑制を必要とする場合、患者は、免疫抑制の結果として重度の感染症を発生する可能性があり、感染症により死亡する恐れがある。慢性GVHDでも上記の器官が攻撃されるが、その長期経過では、結合組織および外分泌腺の損傷も引き起こされる可能性がある。
【0178】
本明細書に開示されている抗原特異的調節性T細胞は、病原性が、病原体の細胞変性効果の結果ではなく、感染性因子に対する免疫性炎症応答によって引き起こされる損傷である感染症を治療するために使用することもできる。例えば、本明細書に開示されている発現されたウイルス抗原を標的とする調節性T細胞を使用して、感染によって引き起こされる局所的な組織傷害を抑制すること、および自己免疫疾患の発生を先導する炎症を軽減することができるので、これらのT細胞により、ウイルス誘導性免疫性炎症疾患を治療することができる。ウイルス誘導性免疫性炎症疾患の非限定的な例としては、C型肝炎、HSV誘導性角膜炎症、コクサッキー誘導性膵炎、およびコクサッキー誘導性1型糖尿病が挙げられる。
【0179】
本明細書で使用される場合、「治療(treating)」という用語は、個体における免疫に基づく障害の臨床症状を軽減すること、緩和すること、もしくは排除すること、または、個体における免疫に基づく障害の臨床症状の発症を遅延させることまたは予防することを指す。例えば、「治療(treating)」という用語は、免疫に基づく障害を特徴とする状態の症状を、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも100%軽減することを意味する場合がある。免疫に基づく障害の症状としては、限定することなく、浮腫、充血、紅斑、挫傷、圧痛、凝り、膨張、発熱、悪寒、鼻づまり、頭が重い感じ(stuffy head)、呼吸困難、体液貯留、血餅、食欲の喪失、心拍数の増加、肉芽腫の形成、線維素性、膿、非粘性漿液、潰瘍、自己反応性エフェクター免疫細胞の産生の増大、炎症、および疼痛が挙げられる。免疫に基づく障害に伴う実際の症状は周知であり、当業者が、これだけに限定することなく、免疫に基づく障害の場所、免疫に基づく障害の原因、免疫に基づく障害の重症度、免疫に基づく障害の影響を受ける組織または器官を含めた因子を考慮に入れることによって決定することができる。
【0180】
本発明の態様は、一部において、自己免疫障害または移植片拒絶反応に伴う症状の軽減を提供する。この実施形態のある態様では、軽減される症状は、炎症、疲労、めまい感、倦怠感、熱の上昇および高体温、手および足における低温に対する極度の感受性、筋肉および関節の衰弱および凝り、体重変化、消化または胃腸の問題、低血圧または高血圧、被刺激性、不安、または抑うつ、不妊症または性衝動の減少(低リビドー)、血糖の変化、および自己免疫疾患の種類に応じて、器官または組織のサイズの増大、または器官または組織の破壊である。
【0181】
本発明の態様は、一部において、炎症に伴う症状の軽減を提供する。この実施形態のある態様では、軽減される症状は、浮腫、充血、紅斑、挫傷、圧痛、凝り、膨張、発熱、悪寒、鼻および気管支を含めた気道の鬱血、洞の鬱血、呼吸の問題、体液貯留、血餅、食欲の喪失、心拍数の増加、肉芽腫の形成、線維素性、膿、または非粘性漿液、潰瘍の形成、または疼痛である。
【0182】
本明細書に開示されている治療方法と一緒に用いる本明細書に開示されている調節性T細胞の量は、一般には、治療有効量になる。本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、「治療有効用量」と同義であり、それを必要とする個体において実施者により求められている生物学的応答または臨床応答が引き出される調節性T細胞の量を指す。非限定的な例として、有効量は、浮腫、充血、紅斑、挫傷、圧痛、凝り、膨張、発熱、悪寒、鼻づまり、頭が重いこと、呼吸困難、体液貯留、血餅、食欲の喪失、心拍数の増加、肉芽腫の形成、線維素性、膿、非粘性漿液、潰瘍、自己反応性エフェクター免疫細胞の産生の増大、炎症、または疼痛のような免疫に基づく障害の症状を軽減するために十分な量である。
【0183】
開示されている方法の特定の適用のために投与されるべき適切な有効量は、当業者が、本明細書において提供される手引きを用いて決定することができる。例えば、免疫に基づく障害を特徴とする状態の症状の治療における本明細書に開示されている調節性T細胞の有効性は、その状態に付随する1つまたは複数の臨床症状、および/または生理的指標を観察することによって決定することができる。免疫に基づく障害を有する個体の治療に対する応答は、その個体の症状の重症度を決定することによって、または免疫に基づく障害を有する個体由来の試料中の自己反応性T細胞の発生頻度を決定することによってモニターすることができる。免疫に基づく障害の症状の重症度は、自己反応性T細胞の数と相関し得る。例えば、米国特許出願公開第2006/0105336号を参照されたい。さらに、試料中の自己反応性T細胞の数の増加を、症状の重症度を最小限にすることおよび/または症状が現れる前に免疫に基づく障害を治療することを目的とした治療を適用するための指標として用いることができる。別の例として、免疫に基づく障害を特徴とする状態の症状の治療における本明細書に開示されている調節性T細胞の有効性は、現存するT細胞注入療法を用いた臨床経験に依拠することによって決定することができる。免疫に基づく障害の改善は、併用療法の必要性が減少することによっても示される場合がある。当業者には、特定の免疫に基づく障害に付随する適切な症状または指標が分かり、また、個体が本明細書に開示されている治療の候補であるかどうかをどのように決定するかが分かるであろう。個体の状態を療法の過程全体を通してモニターすることができること、および、投与する本明細書に開示されている化合物または組成物の有効量をそれに応じて加減することができることは当業者には理解されよう。
【0184】
この実施形態の複数の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量により、免疫に基づく障害に伴う症状が、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも100%軽減される。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量により、免疫に基づく障害に伴う症状が、例えば、最大で10%、最大で20%、最大で30%、最大で40%、最大で50%、最大で60%、最大で70%、最大で80%、最大で90%または最大で100%軽減される。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量により、免疫に基づく障害に伴う症状が、例えば、約10%〜約100%、約10%〜約90%、約10%〜約80%、約10%〜約70%、約10%〜約60%、約10%〜約50%、約10%〜約40%、約20%〜約100%、約20%〜約90%、約20%〜約80%、約20%〜約20%、約20%〜約60%、約20%〜約50%、約20%〜約40%、約30%〜約100%、約30%〜約90%、約30%〜約80%、約30%〜約70%、約30%〜約60%、または約30%〜約50%軽減される。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量は、免疫に基づく障害に伴う症状を、例えば、少なくとも1週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、または少なくとも12カ月にわたって軽減するために十分な投与量である。
【0185】
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量は、例えば、細胞約1×10
7個、細胞約1×10
8個、細胞約1×10
9個、細胞約1×10
10個、または細胞約1×10
11個である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量は、例えば、少なくとも細胞1×10
7個、少なくとも細胞1×10
8個、少なくとも細胞1×10
9個、少なくとも細胞1×10
10個、または少なくとも細胞1×10
11個である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示されている調節性T細胞の治療有効量は、例えば、細胞約1×10
7個〜細胞約1×10
11個、細胞約1×10
8個〜細胞約1×10
11個、細胞約1×10
9個〜細胞約1×10
11個、細胞約1×10
10個〜細胞約1×10
11個、細胞約1×10
7個〜細胞約1×10
10個、細胞約1×10
8個〜細胞約1×10
10個、細胞約1×10
9個〜細胞約1×10
10個、または細胞約1×10
8個〜細胞約1×10
9個である。
【0186】
本明細書に開示されている調節性T細胞は、さまざまなやり方で投与することができる。非限定的な例として、細胞は、静脈内に、もしくは抑制されるべき免疫応答の場所に近接する体腔内、例えば、腹腔内腔などに送達すること、または、免疫反応の部位内もしくはその近くに直接注射することができる。静脈内投与は、例えば、多くのそのような状態の治療において有利である。
【0187】
本明細書に開示されている調節性T細胞は、注射によって投与するために、従来の薬学的に許容される非経口用ビヒクルを使用して医薬品および医薬組成物に製剤化することができる。これらのビヒクルは、非毒性かつ治療的であってよく、いくつもの製剤が、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。賦形剤の非限定的な例は、生理食塩水、リンゲル液、生理食塩水−ブドウ糖溶液、およびハンクス平衡塩類溶液である。医薬組成物は、少量の添加物、例えば、等張性、生理的なpH、および安定性を維持する物質なども含有してよい。本明細書に開示されている調節性T細胞を含む医薬品および組成物は、単位用量の形式であってよい。一般に、単位用量は治療有効量の調節性T細胞を含有する。量は、一般に、患者の年齢、サイズ、性別、治療される状態およびその重症度、細胞の状態、ならびに試料のドナーから得られたそれらの元の特性に左右される。投与量の力価を決定して、治療的に有効な投与量を同定する方法は当業者に公知である。一般に、治療有効量の調節性T細胞は、約1×10
7〜約1×10
11であってよい。
【0188】
本明細書の複数の態様には、一部において、本明細書に開示されている方法のいずれかを実施することにおいて有用な構成成分を含むキットが開示されている。
【0189】
一実施形態では、キットは、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するために必要な構成成分を含む。この実施形態のある態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、かつ/または単離するためのキットは、CD6バイオマーカーリガンドを含む。
【0190】
この実施形態の別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドを含む。
【0191】
この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドを含む。
【0192】
一実施形態では、キットは、全血を使用し、3種の異なる細胞表面バイオマーカーリガンドを使用した一ステップの染色プロトコールとして設計される。この実施形態のある態様では、キットは、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む。この実施形態の別の態様では、キットは、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む。この実施形態のさらに別の態様では、キットは、CD6バイオマーカーリガンド、CD127バイオマーカーリガンド、およびCD49dバイオマーカーリガンドを含む。この実施形態のさらに別の態様では、キットは、CD6バイオマーカーリガンド、CD127バイオマーカーリガンド、およびCD38バイオマーカーリガンドを含む。この実施形態の別の態様では、キットは、CD6バイオマーカーリガンド、CD49dバイオマーカーリガンド、およびCD38バイオマーカーリガンドを含む。この実施形態のさらに別の態様では、キットは、FOXPSバイオマーカーリガンドを陽性対照として含む。
【0193】
この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドを含む。
【0194】
この実施形態のさらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドを含む。
【0195】
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、CD49dバイオマーカーリガンド、CD38バイオマーカーリガンド、CD45RAバイオマーカーリガンド、HLA−DRバイオマーカーリガンド、FoxP3バイオマーカーリガンド、CTLA−4バイオマーカーリガンド、GITRバイオマーカーリガンド、LAG−3バイオマーカーリガンド、CD39バイオマーカーリガンド、Heliosバイオマーカーリガンド、FcRL3バイオマーカーリガンド、CCR7バイオマーカーリガンド、CCR4バイオマーカーリガンド、CCR8バイオマーカーリガンド、CD62Lバイオマーカーリガンド、ICOSバイオマーカーリガンド、CD103バイオマーカーリガンド、PD−1バイオマーカーリガンド、CD134バイオマーカーリガンド、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカーリガンド、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含んでよい。この実施形態のさらに他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、陽性対照および/もしくは陰性対照、ならびに/または、キットの内容物を使用することによって免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するための説明書をさらに含んでよい。この実施形態の別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットは、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるために必要な構成成分をさらに含んでよい。
【0196】
別の実施形態では、キットは、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるために必要な構成成分を含む。この実施形態のある態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットは、刺激性組成物を含む。この実施形態の複数の態様では、刺激性組成物は、有効量の抗原または同種異系抗原を含む。この実施形態の他の態様では、刺激性組成物は、有効量のTCR/CD3活性化因子を含む。この実施形態のさらに他の態様では、刺激性組成物は、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、一般にT細胞の生存および/または成長を促進する作用物質、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。この実施形態の別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットは、αCD3抗体、αCD28抗体、IL−2またはIL−15、およびTGFβまたはラパマイシンを含めた刺激性組成物を含む。この実施形態のさらに他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットは、陽性対照および/もしくは陰性対照、ならびに/または、キットの内容物を使用することによって免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるための説明書をさらに含んでよい。この実施形態のさらに他の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットは、ディッシュまたはフラスコのような培養容器、培養培地、または、任意の必要な、細胞の成長を促進するために有用な緩衝液、因子をさらに含んでよい。さらに別の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットは、CD6バイオマーカーリガンド、少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンド、または本明細書に開示されている少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドをさらに含んでよい。
【0197】
開示されているバイオマーカーリガンドは、抗体であってもリガンドであってもよく、標識されていても標識されていなくてもよい。標識されている場合は、バイオマーカーには、フルオロフォア、量子ドット、リン光体、化学発光化合物、生物発光化合物、発色性化合物、ランタニドのような同位元素化合物、放射性同位元素、酵素、ビオチン分子、アビジン分子、またはバイオマーカーが結合した細胞を検出するために有用な任意の他の標識が共有結合または非共有結合によって付着していてよい。標識されていない場合は、キットは、バイオマーカーリガンドを標識するために有用な標識および他の試薬をさらに含んでよい。標識を抗体に付着させる方法は、当業者に周知である。特に好ましい標識は、容易に切断すること、または分離すること、または生理的条件下で所定の酵素と接触させることによって加水分解に供することができるリンカーによってバイオマーカーリガンドに付着した標識である。この実施形態のある態様では、CD4バイオマーカーリガンドは蛍光標識された抗CD4モノクローナル抗体であり、CD25バイオマーカーリガンドは蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドは蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体であり、CD127バイオマーカーリガンドは蛍光標識された抗CD127モノクローナル抗体である。
【0198】
開示されている刺激性組成物は、抗原特異的であるTCR/CD3活性化因子を有効量で含んでよい。刺激性組成物は、1種または複数種の追加的な作用物質、例えば、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、または一般にT細胞の生存および/または成長を促進する作用物質をさらに含んでよい。刺激性組成物は、溶液中に存在しても懸濁液中に存在してもよく、固体表面、例えば、宿主細胞、ビーズ、または他の基材などに固定化されていてもよい。基材として使用するために適した細胞としては、人工抗原提示細胞(aAPC)が挙げられる。ビーズは、一般には、直径範囲が1μm〜20μmであるプラスチック、ガラス、磁気、または任意の他の適切な材料であってよい。刺激性組成物、TCR/CD3活性化因子、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、および生存および/または成長促進因子は本明細書に記載の通りである。
【0199】
本明細書に開示されている説明書は、対象キット内に種々の形態で存在してよく、その1つまたは複数がキット内に存在してよい。これらの説明書が存在してよい1つの形態は、例えば、キットの包装内の、添付文書内の、情報が印刷された1枚または複数枚の紙などの適切な媒体または基材に印刷された情報である。さらに別の手段は、情報が記録されたコンピュータ可読の媒体、例えば、ディスケット、テープ、またはCDである。存在してよいさらに別の手段は、離れた場所で情報にアクセスするためにインターネットを介して使用することができるウェブサイトアドレスである。任意の都合のよい手段がキット内に存在してよい。
【0200】
本明細書の複数の態様には、一部において、本明細書に開示されている方法に従って得られる免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物が開示されている。ある実施形態では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物は、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法に従って作製される。別の実施形態では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物は、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させる方法に従って作製される。これらの実施形態の複数の態様では、免疫抑制性調節性T細胞の集団は、CD6
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞、CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞を含む。
【0201】
別の実施形態では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物は医薬組成物である。医薬組成物は、治療有効量の本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞を、従来の許容される医薬賦形剤と組み合わせることによって調製することができる。治療有効量の調節性T細胞は、一般には、本明細書に開示されている通りであり、一般には、細胞約1×10
7個〜細胞約1×10
11個である。医薬組成物は、個体に投与された際に有害な、アレルギー性の、または他の不都合なもしくは望ましくない反応が生じないことが好ましい。本明細書に開示されている医薬組成物は、医学的適用および獣医学的適用のために有用である。医薬組成物は、個体に単独で、または他の補充的な活性化合物、作用物質、薬物またはホルモンと組み合わせて投与することができる。医薬組成物は、これだけに限定することなく、従来の混合、溶解、造粒、糖剤作製、研和(levigating)、乳化、被包、封入(entrapping)、および凍結乾燥を含めた種々のプロセスのいずれを用いても製造することができる。医薬組成物は、これだけに限定することなく、投与するために適した、滅菌された液剤、懸濁剤、または任意の他の剤形を含めた種々の形態のいずれをとってもよい。
【0202】
別の実施形態では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物を、本明細書に開示されている個体における免疫に基づく障害を治療する方法において使用する。さらに別の実施形態では、本明細書に開示されている免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物を、本明細書に開示されている免疫に基づく障害を治療するための医薬品を製造するために使用する。
【0203】
本明細書の複数の態様には、一部において、個体における免疫抑制性調節性T細胞を濃縮する方法が開示されている。一態様では、開示されている方法は、αCD6抗体を個体に投与するステップを含み、投与することにより、CD6
hi/+発現パターンを含むT細胞が動作不能になるが、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞は動作不能にならず、それにより、個体における免疫抑制性調節性T細胞の集団が濃縮される。
【0204】
開示されている方法を実施するために有用な抗CD6抗体は、例えば、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Starlingら、Monoclonal Antibodies to Human CD6、US6,372,215;およびCasimiroら、Anti−CD6 Monoclonal Antibodies and Their Uses、U.S. 6,572,857に記載されている。αCD6抗体は、本明細書に開示されている任意の種類の抗体であってよい。
【0205】
αCD6抗体は、任意の適切な投与製剤および投与経路を用いて投与することができる。例えば、αCD6抗体を含む組成物は、注射によって投与することができる。
【0206】
本明細書に開示されている個体における免疫抑制性調節性T細胞を濃縮する方法と一緒に使用する本明細書に開示されているαCD6抗体の量は、一般には、治療有効量になる。免疫抑制性調節性T細胞を濃縮するために個体に投与されるαCD6抗体に関して、治療有効量とは、それを必要とする個体において実施者により求められている生物学的応答または臨床応答が引き出されるαCD6抗体の量を指す。非限定的な例として、有効量のαCD6抗体は、個体における免疫抑制性調節性T細胞を濃縮するために十分な量である。
【0207】
この実施形態の複数の態様では、αCD6抗体の治療有効量は、個体において、CD6
hi/+発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンを含む細胞の数と比較して、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%少なくとも50%、または少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%動作不能にする量である。この実施形態の他の態様では、αCD6抗体の治療有効量は、個体において、CD6
hi/+発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
low/−発現パターンを含む細胞の数と比較して、例えば、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍動作不能にする量である。
【0208】
この実施形態の複数の態様では、αCD6抗体の治療有効量は、個体において、CD6
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
hi/+発現パターンを含む細胞の数と比較して、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%少なくとも50%、または少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%濃縮する量である。この実施形態の他の態様では、αCD6抗体の治療有効量は、個体において、CD6
low/−発現パターンを含む免疫抑制性調節性T細胞の集団を、CD6
hi/+発現パターンを含む細胞の数と比較して、例えば、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍濃縮する量である。
【0209】
本明細書の複数の態様は、以下の通り説明することもできる:
1.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップ
を含み、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0210】
2.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと
を含み、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0211】
3.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップ
を含み、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0212】
4.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと
を含み、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0213】
5.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップ
を含み、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0214】
6.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと
を含み、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、方法。
【0215】
7.免疫抑制性調節性T細胞の集団を単離または濃縮するステップをさらに含む、実施形態1から6に記載の方法。
【0216】
8.免疫抑制性調節性T細胞の集団を、刺激性組成物を用いて増大させるステップをさらに含む、実施形態7に記載の方法。
【0217】
9.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0218】
10.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0219】
11.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0220】
12.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0221】
13.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0222】
14.免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離し、それにより、免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0223】
15.免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるステップをさらに含む、実施形態9から14に記載の方法。
【0224】
16.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0225】
17.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0226】
18.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0227】
19.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0228】
20.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0229】
21.増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得る方法であって、
T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を刺激性組成物と接触させ、それにより、増大した免疫抑制性調節性T細胞の集団を得るステップと
を含む、方法。
【0230】
22.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0231】
23.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料をCD6バイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD6バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0232】
24.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0233】
25.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料を、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD25バイオマーカーおよびCD6バイオマーカーを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0234】
26.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0235】
27.個体における免疫に基づく障害を治療する方法であって、
個体適合性T細胞の集団を含む生物学的試料を得るステップと、
T細胞の集団を含む試料を、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドと接触させるステップと、
T細胞の集団をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、およびCD6バイオマーカーを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むT細胞の亜集団を単離するステップと、
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与し、それにより、個体における免疫に基づく障害を治療するステップと
を含む、方法。
【0236】
28.CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与する前に、CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を、刺激性組成物を用いて増大させるステップをさらに含む、実施形態22および23に記載の方法。
【0237】
29.CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与する前に、CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を、刺激性組成物を用いて増大させるステップをさらに含む、実施形態24および25に記載の方法。
【0238】
30.CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を個体に投与する前に、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを有する亜集団T細胞を、刺激性組成物を用いて増大させるステップをさらに含む、実施形態26および27に記載の方法。
【0239】
31.刺激性組成物が、抗原特異的であるTCR/CD3活性化因子を含む、実施形態8、16から21、および28から30に記載の方法。
【0240】
32.刺激性組成物が、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、またはT細胞の生存または成長作用物質をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
【0241】
33.刺激性組成物が、αCD3抗体、αCD28抗体、IL−2またはIL−15、およびTGFβまたはラパマイシンを含む、実施形態32に記載の方法。
【0242】
34.試料がPBMC試料である、実施形態1から33に記載の方法。
【0243】
35.試料が血液試料、リンパ組織試料、胸腺試料、膵臓試料、眼試料、心臓試料、肝臓試料、神経試料、腸試料、皮膚試料、筋肉試料、軟骨試料、または靭帯試料である、実施形態1から33に記載の方法。
【0244】
36.CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態1、2、7、8、15から17、22、23、28、および31から35に記載の方法。
【0245】
37.CD25バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態3、4、7、8、15、18、19、24、25、29、および31から35に記載の方法。
【0246】
38.CD4バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD4モノクローナル抗体であり、CD25バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態5から8、15、20、21、26、27、および30から35に記載の方法。
【0247】
39.CD127バイオマーカーリガンド、CD49dバイオマーカーリガンド、CD38バイオマーカーリガンド、CD45RAバイオマーカーリガンド、HLA−DRバイオマーカーリガンド、FoxP3バイオマーカーリガンド、CTLA−4バイオマーカーリガンド、GITRバイオマーカーリガンド、LAG−3バイオマーカーリガンド、CD39バイオマーカーリガンド、Heliosバイオマーカーリガンド、FcRL3バイオマーカーリガンド、CCR7バイオマーカーリガンド、CCR4バイオマーカーリガンド、CCR8バイオマーカーリガンド、CD62Lバイオマーカーリガンド、ICOSバイオマーカーリガンド、CD103バイオマーカーリガンド、PD−1バイオマーカーリガンド、CD134バイオマーカーリガンド、GARPバイオマーカーリガンド、CD45RBバイオマーカーリガンド、CD45ROバイオマーカーリガンド、CD95バイオマーカーリガンド、CD122バイオマーカーリガンド、CD147バイオマーカーリガンド、CD8バイオマーカーリガンド、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、実施形態1から38に記載の方法。
【0248】
40.CD127バイオマーカー、CD49dバイオマーカー、CD38バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、HLA−DRバイオマーカー、FoxP3バイオマーカー、CTLA−4バイオマーカー、GITRバイオマーカー、LAG−3バイオマーカー、CD39バイオマーカー、Heliosバイオマーカー、FcRL3バイオマーカー、CCR7バイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CCR8バイオマーカー、CD62Lバイオマーカー、ICOSバイオマーカー、CD103バイオマーカー、PD−1バイオマーカー、CD134バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD45RBバイオマーカー、CD45ROバイオマーカー、CD95バイオマーカー、CD122バイオマーカー、CD147バイオマーカー、CD8バイオマーカー、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、実施形態1から39に記載の方法。
【0249】
41.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD127バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD127
low/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から40に記載の方法。
【0250】
42.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD49dバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD49d
low/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から41に記載の方法。
【0251】
43.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD38バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD38
low/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から42に記載の方法。
【0252】
44.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD45RAバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD45RA
low/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から43に記載の方法。
【0253】
45.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてHLA−Drバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、HLA−Dr
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から44に記載の方法。
【0254】
46.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてFoxP3バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、FoxP3
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から45に記載の方法。
【0255】
47.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCTLA−4バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CTLA−4
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から46に記載の方法。
【0256】
48.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてGITRバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、GITR
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から47に記載の方法。
【0257】
49.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてLAG−3バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、LAG−3
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から48に記載の方法。
【0258】
50.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD39バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD39
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から49に記載の方法。
【0259】
51.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてHeliosバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、Helios
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から50に記載の方法。
【0260】
52.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてFcRL3バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、FcRL3
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から51に記載の方法。
【0261】
53.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCCR7バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CCR7
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から52に記載の方法。
【0262】
54.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCCR4バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CCR4
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から53に記載の方法。
【0263】
55.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCCR8バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CCR8
+またはow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から54に記載の方法。
【0264】
56.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD62Lバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD62L
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から55に記載の方法。
【0265】
57.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてICOSバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、ICOS
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から56に記載の方法。
【0266】
58.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD103バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD103
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から57に記載の方法。
【0267】
59.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてPD−1バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、PD−1
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から58に記載の方法。
【0268】
60.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD134バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD134
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から59に記載の方法。
【0269】
61.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてGARPバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、GARP
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から60に記載の方法。
【0270】
62.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD45RBバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD45RB
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から61に記載の方法。
【0271】
63.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD45ROバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD45RO
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から62に記載の方法。
【0272】
64.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD95バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD95
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から63に記載の方法。
【0273】
65.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD122バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD122
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から64に記載の方法。
【0274】
66.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD147バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD147
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から65に記載の方法。
【0275】
67.スクリーニングするステップが、T細胞の集団を含む試料をスクリーニングしてCD8バイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップをさらに含み、CD8
+またはlow/−発現パターンをさらに含むT細胞の亜集団が検出されることにより、試料中の免疫抑制性調節性T細胞の集団が同定される、実施形態1から66に記載の方法。
【0276】
68.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットであって、CD6バイオマーカーリガンドを含む、キット。
【0277】
69.CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態68に記載のキット。
【0278】
70.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットであって、CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドを含む、キット。
【0279】
71.CD25バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態70に記載のキット。
【0280】
72.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットであって、CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも2種の異なるバイオマーカーリガンドを含む、キット。
【0281】
73.CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体であり、CD127バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD127モノクローナル抗体である、実施形態72に記載のキット。
【0282】
74.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットであって、CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドを含む、キット。
【0283】
75.CD4バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD4モノクローナル抗体であり、CD25バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体である、実施形態74に記載のキット。
【0284】
76.免疫抑制性調節性T細胞の集団を同定し、単離し、かつ/または濃縮するためのキットであって、CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドを含む少なくとも3種の異なるバイオマーカーリガンドを含む、キット。
【0285】
77.CD25バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD25モノクローナル抗体であり、CD6バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD6モノクローナル抗体であり、CD127バイオマーカーリガンドが蛍光標識された抗CD127モノクローナル抗体である、実施形態76に記載のキット。
【0286】
78.CD49dバイオマーカーリガンド、CD38バイオマーカーリガンド、CD45RAバイオマーカーリガンド、HLA−DRバイオマーカーリガンド、FoxP3バイオマーカーリガンド、CTLA−4バイオマーカーリガンド、GITRバイオマーカーリガンド、LAG−3バイオマーカーリガンド、CD39バイオマーカーリガンド、Heliosバイオマーカーリガンド、FcRL3バイオマーカーリガンド、CCR7バイオマーカーリガンド、CCR4バイオマーカーリガンド、CCR8バイオマーカーリガンド、CD62Lバイオマーカーリガンド、ICOSバイオマーカーリガンド、CD103バイオマーカーリガンド、PD−1バイオマーカーリガンド、CD134バイオマーカーリガンド、GARPバイオマーカーリガンド、CD45RBバイオマーカーリガンド、CD45ROバイオマーカーリガンド、CD95バイオマーカーリガンド、CD122バイオマーカーリガンド、CD147バイオマーカーリガンド、CD8バイオマーカーリガンド、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、実施形態68から77に記載のキット。
【0287】
79.免疫抑制性調節性T細胞の集団を増大させるためのキットであって、刺激性組成物を含む、キット。
【0288】
80.刺激性組成物が抗原特異的であるTCR/CD3活性化因子を含む、実施形態79に記載のキット。
【0289】
81.刺激性組成物が、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、またはT細胞の生存または成長作用物質をさらに含む、実施形態79および80に記載のキット。
【0290】
82.刺激性組成物が、αCD3抗体、αCD28抗体、IL−2またはIL−15、およびTGFβまたはラパマイシンを含む、実施形態79に記載のキット。
【0291】
83.CD6バイオマーカーリガンドまたは実施形態68から79に記載のキットのいずれか1つをさらに含む実施形態79から82に記載のキット。
【0292】
84.CD25バイオマーカーリガンドおよびCD6バイオマーカーリガンドまたは実施形態68から79に記載のキットのいずれか1つをさらに含む実施形態79から81に記載のキット。
【0293】
85.CD6バイオマーカーリガンドおよびCD127バイオマーカーリガンドまたは実施形態68から79に記載のキットのいずれか1つをさらに含む実施形態79から81に記載のキット。
【0294】
86.CD4バイオマーカーリガンド、CD25バイオマーカーリガンド、およびCD6バイオマーカーリガンドまたは実施形態68から79に記載のキットのいずれか1つをさらに含む実施形態79から81に記載のキット。
【0295】
87.CD25バイオマーカーリガンド、CD6バイオマーカーリガンド、およびCD127バイオマーカーリガンドまたは実施形態68から79に記載のキットのいずれか1つをさらに含む実施形態79から81に記載のキット。
【0296】
88.実施形態7から22または31から67に記載の方法に従って得られる免疫抑制性調節性T細胞の集団を含む組成物。
【0297】
89.医薬組成物である、実施形態88に記載の組成物。
【0298】
90.個体における免疫抑制性調節性T細胞を濃縮する方法であって、αCD6抗体を個体に投与するステップを含み、投与することにより、CD6
hi/+発現パターンを含むT細胞が動作不能になるが、CD6
low/−発現パターンを含むT細胞は動作不能にならず、それにより、個体における免疫抑制性調節性T細胞の集団が濃縮される、方法。
【0299】
91.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットを同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD6バイオマーカー、ならびに、FoxP3バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CD39バイオマーカー、またはHLA−Drバイオマーカーである1種の追加的なバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップ
を含み、免疫抑制性調節性T細胞の4つの別個の成熟サブセットの検出が、i)CCR4
low発現パターン、CD39
low発現パターン、またはHLA−Dr
low発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+発現パターン;ii)CCR4
−発現パターン、CD39
−発現パターン、またはHLA−Dr
−発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+発現パターン;iii)CCR4
hi/+発現パターン、CD45RA
−発現パターン、CD39
hi/+発現パターン、またはHLA−Dr
low/−発現パターンと併せてCD4
+CD25
hi/+CD6
low/−発現パターン;およびiv)CR4
hi/+発現パターン、CD45RA
−発現パターン、CD39
low/−発現パターン、またはHLA−Dr
low/−発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD6
+発現パターンに基づく、方法。
【0300】
92.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+CCR4
−発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+CD39
−発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+HLA−Dr
−発現パターンを含むナイーブまたは休止免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態91に記載の方法。
【0301】
93.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+CCR4
low発現パターン、CD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+CD39
low発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD6
low/−CD45RA
+HLA−Dr
low発現パターンを含む未成熟またはメモリー免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態91または92に記載の方法。
【0302】
94.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CCR4
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CD39
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CCR4
hi/+CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CCR4
hi/+CD39
hi/+発現パターン、またはCD4
+CD25
hi/+CD6
low/−CCR4
hi/+HLA−DR
low発現パターンを含む成熟またはエフェクター免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態91から93に記載の方法。
【0303】
95.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CCR4
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CD39
low発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+HLA−Dr
low発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CCR4
hi/+CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CCR4
hi/+CD39
low発現パターン、またはCD4
+CD25
hi/+CD6
hi/+CCR4
hi/+HLA−DR
low発現パターンを含む最終分化免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態91から94に記載の方法。
【0304】
96.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットを同定する方法であって、
T細胞の集団を含む試料をスクリーニングして、CD4バイオマーカー、CD25バイオマーカー、CD127バイオマーカー、ならびに、FoxP3バイオマーカー、CD45RAバイオマーカー、CCR4バイオマーカー、CD39バイオマーカー、またはHLA−Drバイオマーカーである1種の追加的なバイオマーカーの細胞における発現のレベルを検出するステップ
を含み、免疫抑制性調節性T細胞の4つの別個の成熟サブセットの検出が、i)CCR4
low発現パターン、CD39
low発現パターン、またはHLA−Dr
low発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+発現パターン;ii)CCR4
−発現パターン、CD39
−発現パターン、またはHLA−Dr
−発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+発現パターン;iii)CCR4
hi/+発現パターン、CD45RA
−発現パターン、CD39
hi/+発現パターン、またはHLA−Dr
low/−発現パターンと併せてCD4
+CD25
hi/+CD127
low/−発現パターン;およびiv)CR4
hi/+発現パターン、CD45RA
−発現パターン、CD39
low/−発現パターン、またはHLA−Dr
low/−発現パターンと併せてCD4
+CD25
+CD127
+発現パターンに基づく、方法。
【0305】
97.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+CCR4
−発現パターン、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+CD39
−発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+HLA−Dr
−発現パターンを含むナイーブまたは休止免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態96に記載の方法。
【0306】
98.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+CCR4
low発現パターン、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+CD39
low発現パターン、またはCD4
+CD25
+CD127
low/−CD45RA
+HLA−Dr
low発現パターンを含む未成熟またはメモリー免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態96または97に記載の方法。
【0307】
99.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CCR4
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CD39
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CCR4
hi/+CD45RA
−発現パターン、またはCD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CCR4
hi/+CD39
hi/+発現パターン、またはCD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CCR4
hi/+HLA−DR
low発現パターンを含む成熟またはエフェクター免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態96から98に記載の方法。
【0308】
100.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つが、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+CCR4
hi/+発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+CD39
low発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+HLA−Dr
low発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+CCR4
hi/+CD45RA
−発現パターン、CD4
+CD25
hi/+CD127
hi/+CCR4
hi/+CD39
low発現パターン、またはCD4
+CD25
hi/+CD127
low/−CCR4
hi/+HLA−DR
low発現パターンを含む最終分化免疫抑制性調節性T細胞集団サブセットである、実施形態96から99に記載の方法。
【0309】
101.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つまたは複数を単離または濃縮するステップをさらに含む、実施形態91から100に記載の方法。
【0310】
102.免疫抑制性調節性T細胞集団の4つの別個の成熟サブセットのうちの1つまたは複数を、刺激性組成物を用いて増大させるステップをさらに含む、実施形態91から101に記載の方法。
【0311】
103.刺激性組成物が抗原特異的であるTCR/CD3活性化因子を含む、実施形態102に記載の方法。
【0312】
104.刺激性組成物が、共刺激性作用物質、第2の調節性T細胞刺激性作用物質、またはT細胞の生存または成長作用物質をさらに含む、実施形態102または103に記載の方法。
【0313】
105.刺激性組成物が、αCD3抗体、αCD28抗体、IL−2またはIL−15、およびTGFβまたはラパマイシンを含む、実施形態102に記載の方法。
【0314】
106.試料がPBMC試料である、実施形態91から105に記載の方法。
【0315】
107.試料が血液試料、リンパ組織試料、胸腺試料、膵臓試料、眼試料、心臓試料、肝臓試料、神経試料、腸試料、皮膚試料、筋肉試料、軟骨試料、または靭帯試料である、実施形態91から106に記載の方法。
【実施例】
【0316】
以下の非限定的な実施例は、現在意図されている代表的な実施形態の完全な理解を容易にするために例示する目的でのみ提供される。これらの実施例は、調節性T細胞を同定し、得、増大させる方法、本明細書に開示されている方法のいずれかの実施において有用な構成成分を含むキット、および調節性T細胞を含む組成物に関する実施形態を含めた本明細書に記載の実施形態のいかなるものも限定するものと解釈されるべきではない。
【0317】
(実施例1)
CD4
+FOXP3
+細胞集団およびCD25
+FOXP3
+細胞集団のCD6発現は低い
CD4
+FOXP3
+調節性T細胞、CD25
+FOXP3
+調節性T細胞およびCD4
+CD25
+FOXP3
+調節性T細胞におけるCD6の発現の分布を実証するために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、これらの細胞サブセットにおけるCD6発現パターンを決定した。
【0318】
回収した末梢血単核細胞(PBMCc)を、CD4、CD25、CD6の細胞表面発現について染色し、細胞内発現についてFOXP3で染色した。簡単に述べると、健康な対照由来のPBMCを、フィコール(Ficoll)勾配遠心分離によってヘパリン処理血液から単離した。1×PBS−2%ヒトAB血清(HABS)−1%パラホルムアルデヒド(PFA)100μL当たり約1〜2×10
6個の回収されたPBMCを、以下のモノクローナル抗体:αCD6−FITC、αCD4−PC7、およびαCD25−APCの細胞表面染色カクテルと一緒に4℃で20〜30分インキュベートした。インキュベートした細胞を、1×PBS−2%HABS−1%PFAで2回洗浄し、固定し、Perm/Fix Buffer(eBioscience)を用いて透過処理し、Perm/Wash Buffer(eBiocience)で2回洗浄し、次いで、ヒトIgGと一緒に、4℃で5分インキュベートした。αFOXP3−Pacific Blueクローン206D(BioLegend)モノクローナル抗体を含む細胞内染色カクテルをこれらの細胞に加え、暗所で室温で60分インキュベートし、Perm/Wash Bufferで洗浄し、その後、1×PBS−2%HABSで洗浄し、500μLの1×PBS−2%HABS−1%PFAに再懸濁させた。
【0319】
多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞を405nm、488nm、および633nmのレーザーを備えたフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。自己蛍光、アイソタイプおよびFMO対照を使用して、陰性および陽性の蛍光事象のヒストグラム位置を確立し、結果を、各モノクローナル抗体についての陰性領域を超える細胞の百分率として、かつ/または別個の集団の蛍光強度の平均(MFI)として表した。染色プロトコールにおいて使用した蛍光色素とコンジュゲートしたヒトリンパ球マーカーに対する抗体を用いた単一チューブ染色を用いて補償制御(compensation control)を実施した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照、アイソタイプ対照、および/または公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。結果は、2つの試料の評価を表す。収集したデータの分析を、Summit5.0またはKaluza1.1を使用して実施した。増殖アッセイにおいて前駆体発生頻度を分析するためにModFitソフトウェアを使用した。統計分析のために、Microsoft Office Excel2003およびGraphPad Prism5.01を使用した。
【0320】
結果は、CD4 FOXP3リンパ球集団では、表面CD6バイオマーカーの発現がCD4
+FOXP3
+発現パターンを含む細胞においてCD4
+FOXP3
−発現パターンを含む細胞と比較して約2分の1である(MFI 6.3対11.6)ことが示されていることを示している(
図1A)。同様に、CD25 FOXP3リンパ球集団の分析により、CD6バイオマーカーの発現はCD4
+CD25
+FOXP3
+発現パターンを含む細胞においてCD4
+CD25
+FOXP3
−発現パターンを含む細胞と比較して2分の1であり(MFI 6.2対12.5)、CD4
+CD25
−FOXP3
−発現パターンを含む細胞と比較して2分の1であった(MFI 6.2対11.4)(
図1B)ことが示されている。
【0321】
ヒトの天然に存在するT調節性(nT
reg)は、接触依存性in vitro抑制に関与する、CD4
+FOXP3
+細胞、CD4
+CD25
+細胞またはCD4
+CD25
+FOXP3
+細胞であると定義されている。この結果は、CD4
+CD25
+FOXP3
+nT
reg細胞および/またはCD4
+CD25
hiFOXP3
+nT
reg細胞が、より低いCD6バイオマーカーの発現を示すことを示している。CD6陰性T細胞は、アロ反応性応答を開始する能力を欠くことが示されており、アネルギー性細胞であると考えられている。nT
reg細胞においてCD6が発現されないことにより、何故これらの調節性細胞もアネルギー性細胞であるかの1つの機構が示唆された。
【0322】
(実施例2)
CD4
+CD25
+CD6
low/−細胞集団はFOXP3を発現する
CD4/CD25/CD6亜集団におけるFOXP3マーカーの発現を評価するために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、これらの調節性T細胞サブセットにおけるFOXP3発現パターンを決定した。
【0323】
実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。CD4
+リンパ球をドットプロットにおいてCD6/CD25の発現について分析した。3つのCD4
+細胞サブセット:CD25
+CD6
low/−、CD25
−CD6
low/−およびCD25
−CD6
+においてFOXP3の発現を分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照、アイソタイプ対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0324】
結果は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球の94.2%がFOXP3も発現することを示している(
図2B)。しかし、CD4
+CD25
−CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球ではほんの9.5%がFOXP3を発現し、CD4
+CD25
−CD6
+発現パターンを含むリンパ球ではほんの1.8%がFOXP3を発現する(
図2B)。これらの結果は、FOXP3
+細胞がCD25バイオマーカーの発現について不均一であることが確証されることを示しているが、CD6
low/−発現パターンを有する調節性T細胞によりFOXP3
+nT
reg細胞の大部分が同定されると思われることを示している。
【0325】
(実施例3)
CD25
+CD6
low/−細胞集団はFOXP3を発現する
リンパ球CD25
+CD6
low/−亜集団におけるFOXP3の発現を評価するために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、これらの調節性T細胞サブセットにおけるFOXP3発現パターンを決定した。
【0326】
実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球をドットプロットにおいてCD6/CD25の発現について分析した。3つの細胞サブセット:CD25
+CD6
low/−、CD25
−CD6
low/−およびCD25
−CD6
+においてFOXP3の発現を分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照、アイソタイプ対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0327】
結果は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球の89.2%がFOXP3も発現することを示している(
図3)。しかし、CD25
−CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球ではほんの9.0%がFOXP3を発現し、CD25
−CD6
+発現パターンを含むリンパ球ではほんの1.8%がFOXP3を発現する(
図3)。この分析は、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球が2つの集団サブセットを含み、大きな集団はFOXP3の発現が高レベルであり(89.2%)、小さな集団はFOXP3の発現が低い、またはそれを発現しない(10.7%)ことを示している(
図3)。さらに、これらの実験により、CD25
low/−CD6
+発現パターンを含む細胞はFOXP3を発現しなかったが、CD25
low/−CD6
low/−発現パターンを有する細胞はFOXP3も発現する細胞の小さなサブセット(9.0%)を含有したことが示された(
図3)。これらの結果は、FOXP3
+細胞はCD25バイオマーカーの発現について不均一であることを示しているが、CD6
low/−発現パターンを有する調節性T細胞によりFOXP3
+nT
reg細胞の大部分が同定されると思われることを示している。
【0328】
(実施例4)
CD6
low/−細胞集団はFOXP3を発現する
FOXP3
+細胞に対するCD6枯渇の効果を評価するために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、nCD6
+細胞サブセットおよびCD6
low/−細胞サブセットにおけるFOXP3発現パターンを決定した。
【0329】
実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球をドットプロットにおいてCD6/CD4の発現について分析した。2つの細胞サブセット:PBMC CD6
low/−およびPBMC CD6
+においてFOXP3の発現を分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照、アイソタイプ対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0330】
この分析により、PBMC CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球が、PBMC CD6
+発現パターンを含むリンパ球(8.3%)よりも高レベル(41.5%)のFOXP3の発現を示した(
図4A)ことも示された。これらの結果により、PBMCにおけるCD6枯渇により、FOXP3
+nT
reg細胞を有意に濃縮することができることが実証された。
【0331】
(実施例5)
CD4
+CD25
+CD6
low/−CD127
low/−細胞集団は、FOXP3
+発現の高濃縮を示す
FOXP3についてより均一のCD4
+CD25
+細胞集団を同定するために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、これらの調節性T細胞サブセットにおいてCD6およびCD127発現パターンを決定した。
【0332】
PBMCを4体の健康な個体から入手したことおよびαCD127−PEモノクローナル抗体を細胞表面染色カクテルに加えたこと以外は実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。CD4
+リンパ球をドットプロットにおいてCD4/CD25の発現、CD127/CD25の発現、およびCD6/CD25の発現について分析した。CD4
+CD25
+リンパ球をドットプロットにおいてCD127/CD6の発現について分析した。以下のCD4
+細胞サブセット:CD25
+、CD25
+CD127
low/−、CD25
+CD6
low/−、CD25
+CD6
low/−CD127
low/−およびCD25
+CD6
+CD127
+においてFOXP3の発現を分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照、アイソタイプ対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0333】
結果は、FOXP3の発現について、CD4
+CD25
hi細胞(85.1%FOXP3
+)、CD4
+CD6
low/−(87.9%FOXP3
+)およびCD4
+CD127
low/−細胞(88.0%FOXP3
+)の間に有意な差異は見いだされなかったことを示している(
図5A)。CD4
+CD25
hi細胞をCD6およびCD127の発現について分析したところ、この分析により、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD6
low/−発現パターンを含む細胞の94.9%がFOXP3を発現し(
図5B)、レベルは92.8%がFOXP3を発現したCD4
+CD25
+CD127
low/−細胞に匹敵することが明らかになったことが印象的である。逆に、CD4
+CD25
hiCD6
+CD127
+細胞サブセットは低FOXP3発現を示した(22.6%)(
図5B)。総合すると、CD4
+CD25
hi集団<CD4
+CD6
low/−集団=CD4
+CD127
low/−集団<CD4
+CD25
hiCD6
lo/−CD127
lo/−集団というFOXP3
+細胞の累進的な濃縮が存在した(
図5C)。したがって、CD6表面マーカーとCD127表面マーカーの組み合わせにより、FOXP3
+細胞について最も高く濃縮されたCD4
+CD25
hi集団が同定され、これらの結果は、均一なFOXP3
+細胞集団を、CD4
+CD25
+CD127
low/−CD6
low/−発現パターンに基づいて同定することができることを示している。
【0334】
(実施例6)
CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−細胞集団はT細胞活性化を抑制する
CD4
+CD25
hi/+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球の抑制機能を実証するために、選別された細胞を用いた抑制アッセイを実施して、カルボキシフルオセイン二酢酸スクシンイミジルエステル(CFSE)に基づく増殖アッセイを用いて、添加したCD4
+CD25
hi/+CD6
low/−細胞の、同種異系のCD8
+応答T細胞の増殖を抑制する能力を評価した。
【0335】
健康な対照由来のヒトPBMCを、ヘパリン処理血液からフィコール(Ficoll)勾配遠心分離によって単離した。完全細胞培養培地500μL当たり約20〜30×10
6個の回収されたPBMCを、以下のモノクローナル抗体:αCD6−APC、αCD4−PC7、およびαCD25−PEの細胞表面染色カクテルと一緒に4℃で30分インキュベートした。インキュベートした細胞を1×PBSで2回洗浄し、完全培地に再懸濁させて密度を約10×10
6細胞/mLにした。
【0336】
フローサイトメトリーを使用した細胞選別のために、逐次的なゲーティング定義に基づいて細胞選別機(MOFLO(登録商標)XDP Cell Sorter)を使用して約60,000〜100,000個の細胞を選別して完全培地に入れた。リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングし、ダブレットをSSC−H/SSC−WドットプロットおよびFSC−H/FSC−Wドットプロットによって排除した。CD4
+リンパ球をドットプロットにおいてCD25/CD6の発現について分析した。高速細胞選別のために2つのCD4
+サブセット:CD25
+CD6
low/−(FOXP3
+T
reg細胞)およびCD25
−CD6
+(FOXP3
−非T
reg細胞)を選択した。
【0337】
結果により、この選別スキームにより96%純粋であるCD4
+CD25
+CD6
low/−細胞集団の単離をもたらすことができることが実証された(
図6A)。
【0338】
T
reg抑制アッセイを行うために、0.6μMのCFSE、500μLを、単一の健康な個体から単離した、T応答(T
resp)細胞と称されるPBMC、100万〜2000万個を含む細胞懸濁液500μLに加えた。細胞懸濁混合物を約20℃で約5分インキュベートし、低温のHABS約1mLを加え、この混合物を約1分インキュベートした。インキュベートした後、1×PBS約10mLを加え、この混合物を約1500rpm、約20℃で約5分遠心分離した。細胞を完全細胞培養培地(RMPI1640、Glutamax−I、25mMのHepes、2.5%ヒトAB血清、ピルビン酸ナトリウム、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、それに加えて非必須アミノ酸および2−メルカプトエタノール)に再懸濁させて密度を1mL当たり細胞約1×10
6個にした。
【0339】
抑制アッセイは、T
reg細胞数の滴定に基づいた。細胞総数約30,000〜50,000個を、96ウェルプレートに、以下の選別されたCD4
+CD25
+CD6
low/−T
reg細胞とT
resp細胞の比:1:1、1:2、1:4、および1:8でプレーティングした。プレーティングした細胞を37
oC、5%CO
2雰囲気、および95%湿度の中で4日間インキュベートした。次いで、0.5μg/mLの可溶性αCD3モノクローナル抗体およびαCD28モノクローナル抗体を用いて細胞を刺激し、37℃、5%CO
2雰囲気、および95%湿度の中で4日間インキュベートした。回収するために、細胞を750rpm、約20℃で3分遠心分離し、培地を吸引し、新鮮な培養培地150μLを各ウェルに加えた。「染色していないPBMC」対照以外について、αCD8−APCモノクローナル抗体約4μLを各ウェルに加え、暗所で4℃で30分インキュベートした。1×PBS、10%HABS約200μLを各ウェルに加え、96ウェルプレートを750rpm、約20℃で3分遠心分離し、培地を吸引し、1×PBS、10%HABS約200μLを各ウェルに加えた。7AAD約5μLを各ウェルに加えて、生存細胞を同定した。T
reg細胞抑制を分析するために、フローサイトメトリーを使用して、細胞を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングし、次いで、7AAD
+発現パターンを含む細胞を排除し、CD8
+発現パターンを含む細胞をCFSE染色によって分析して、細胞増殖を評価した。CD4
+CD25
−CD6
+発現パターンを含む選別された非T
reg細胞集団を全ての実験において陰性対照として使用した。刺激していない応答細胞のCFSEヒストグラムにより親集団を定義し、活性化された応答物の増殖を、ModFit LT Software(Verity Software House、v3.0;Topsham ME)を使用して前駆体発生頻度(pf)を算出することによって決定した。3つの試料の代表的な結果を評価し、それが各T
reg:T
resp比の試料についてのpfの%抑制として表されている。
【0340】
結果は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む細胞が、αCD3モノクローナル抗体およびαCD28モノクローナル抗体を用いて刺激したCD8
+T細胞に対する用量反応抑制機能を有したことを示している(
図6B)。1:1のT
reg:T
resp比で最大の抑制(57%)が観察された。抑制活性は、アッセイの陽性対照として使用した、選別されたCD4
+CD25
hiCD127
lo/−細胞の抑制活性と同様であった(
図6B)。陰性対照として使用した、選別されたCD4
+CD25
−CD6
+非T
reg細胞またはCD4
+CD25
−CD127
+非T
reg細胞では抑制活性は示されなかった(データは示していない)。これらの結果は、CD4
+CD25
+CD6
low/−細胞集団が、抑制性の調節性を有することを示している。総合すると、FOXP3の高発現、T
reg関連抗原(CD4およびCD25)の特徴的な分布、およびin vitro機能アッセイにおける抑制因子活性により、天然の調節性T抑制因子細胞が細胞表面CD6の低/陰性発現を示し、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンにより、調節性T細胞抑制細胞が同定されたという結論が確立された。
【0341】
(実施例7)
CD25
+CD6
low/−細胞集団におけるT
reg関連マーカーの特徴付け
CD6
low/−発現パターンにより、均一な細胞集団または不均一な細胞集団が定義されるかどうかを決定するために、多色フローサイトメトリー分析を、CD25
+CD6
low調節性T細胞において異なるバイオマーカー発現パターンが観察されるかどうかを決定するために、種々のバイオマーカーを使用して実施した。
【0342】
αCD45RA−ECDモノクローナル抗体、およびαHLA−Dr−APCA750モノクローナル抗体を細胞表面染色カクテルに加え、αCTLA−4−PC5モノクローナル抗体を細胞内染色カクテルに加えたこと以外は実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングし、リンパ球をドットプロットにおいてCD6/FOXP3の発現について分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。多色フローサイトメトリー分析の第2ラウンドにおいて、500,000個超の細胞を分析した。リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングし、T
reg関連マーカーのCD45RA、HLA−DrおよびCTLA−4を用いて、CD45RA/FOXP3発現パターンに基づいて分析した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0343】
CD6およびFOXP3の発現の分析の結果により、調節性T細胞の3つの別個の集団を見分けることができることが示されている(
図7)。CD6
low/−細胞の約22.0%は、CD45RA
+FOXP3
low/−発現パターンをさらに含む細胞であり、CD6
low/−細胞の約37.1%は、CD45RA
−FOXP3
+発現パターンをさらに含む細胞であり、CD6
low/−細胞の約29.2%は、CD45RA
−FOXP3
low/−発現パターンをさらに含む細胞である。これらの3つのCD6
low/−細胞集団の、追加的なバイオマーカーを使用したさらなる分析が表1に示されている。
【0344】
【表1】
どちらもin vitroの抑制機能を伴うCD45RA
+FOXP3
low休止T
reg細胞およびCD45RA
−FOXP3
high活性化T
reg細胞、ならびにCD45RA
−FOXP3
lowサイトカイン分泌性非抑制性Treg細胞を含めた3つの表現型および機能的なT
reg細胞サブセットが最近提唱された。CD6バイオマーカーを使用した結果は、これらの3つのサブタイプを容易に同定し、単離することができることを示している。
【0345】
(実施例8)
CD4
+CD25
+CD6
low/−細胞集団におけるT
reg関連マーカーの特徴付け
CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球をより詳細に特徴付けるために、多色フローサイトメトリー分析を実施して、これらの調節性T細胞サブセットにおけるCD127発現パターン、CD45A発現パターン、HLA−Dr発現パターン、およびCLTA−4発現パターンを決定した。
【0346】
αCD127−PEモノクローナル抗体、αCD45RA−ECDモノクローナル抗体、およびαHLA−Dr−APCA750モノクローナル抗体を細胞表面染色カクテルに加え、αCTLA−4−PC5モノクローナル抗体を細胞内染色カクテルに加えた以外は実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、細胞0.5〜1.0×10
6個を、フローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。CD4
+リンパ球をドットプロットにおいてCD6/CD25の発現について分析した。CD25
+/CD6
low/−リンパ球をドットプロットにおいてFOXP3、CTLA−4、CD45RA、およびHLA−Drの発現について分析した。FOXP3染色に対する陰性対照を、1つの対照および公知の陰性細胞集団を引いた蛍光によって決定した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0347】
結果は、CD4
+CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む細胞が異なるレベルのCTLA−4、CD45RAおよびHLA−Drを発現したことを示している。CD25
+CD6
low/−発現パターンを含む細胞の大部分(84.5%)がFOXP3も発現した(
図8)。結果により、CD25
+CD6
low/−発現パターンを含むリンパ球の62.7%がCTLA−4も発現することも明らかになり(
図8)、これにより、CD25
+CD6
low/−調節性T細胞の2つの別個の集団が存在し、大きな集団(62.7%)はCTLA−4を発現し、小さな集団(37.3%)はこのバイオマーカーを発現しないことが示されている(
図8)。同様に、CD25
+CD6
low/−調節性T細胞の2つの別個の集団がCD45RAバイオマーカーおよびHLA−Drバイオマーカーに基づいて同定された。CD45RAについては、CD25
+CD6
low/−調節性T細胞の2つの別個の集団は、CD45RAを発現しなかった大きな集団(79.4%)と、このバイオマーカーを発現した小さな集団(20.6%)であった(
図8)。HLA−Drについては、CD25
+CD6
low/−調節性T細胞の2つの別個の集団は、HLA−Drを発現しなかった大きな集団(68.0%)と、このバイオマーカーを発現した小さな集団(32.0%)であった(
図8)。これらの結果は、追加的なバイオマーカーの使用は、CD4
+CD25
+CD6
low/−調節性T細胞またはCD25
+CD6
low/−調節性T細胞の別個のサブセット集団の同定において有用であることを示している。
【0348】
(実施例9)
CD4
+CD25
hiCD6
lo/−集団とCD4
+CD25
hiCD127
lo/−集団のバイオマーカーの発現の比較
CD4
+CD25
hiCD6
lo/−T
reg集団とCD4
+CD25
hiCD127
lo/−T
reg集団の間の差異を見分けるために、多色フローサイトメトリー分析を、これらの調節性T細胞サブセットが異なるバイオマーカー発現パターンを有するかどうかを決定するために種々のバイオマーカーを使用して実施した。
【0349】
PBMCを5体の健康な個体から入手し、細胞を、蛍光標識されたモノクローナル抗体の以下の3つのパネル:1)パネル8c(αCD4−PC7、αCD25−APC−AF647、αCD6−FITC、αCD127−PE、αCD45RA−ECD、αHLA−Dr−APC−AF750、αCTLA−4−PC5、αFOXP3−Pacific Blue);2)パネル10c−1(αCD4−Krome Orange、αCD25−PC7、αCD6−FITC、αCD127−APC−CF700、αCD45RA−APC−AF750、αCD62L−ECD、αCD39−APC−AF647、αCCR4−PE、αHLA−Dr−Pacific Blue、およびα7AAD;または3)パネル10c−2(αCD4−Krome Orange、αCD25−PC7、αCD6−FITC、αCD127−APC−CF700、αCD45RA−APC−AF750、αCD62L−ECD、αCD39−APC−AF647、αGARP−PE、αHLA−Dr−Pacific Blue、およびα7AAD)のうちの1つを使用して染色した以外は実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。CD4
+CD25
+リンパ球をCD127またはCD6の発現についてゲーティングし、次いで、ドットプロットにおいて他のバイオマーカーのうちの1つについて分析した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0350】
結果は、バイオマーカーCCR4、CD39、HLA−DR、CD45RA、GARP、およびCTLA−4の発現パターンに関して、CD4
+CD25
hiCD6
lo/−T
reg集団とCD4
+CD25
hiCD127
lo/−T
reg集団の間で有意差は確認されなかったことを示している(
図9A、B、&C)。しかし、驚いたことに、CD4
+CD25
hiCD6
lo/−T
reg集団およびCD4
+CD25
hiCD127
lo/−T
reg集団の中でHLA−Drバイオマーカー、CCR4バイオマーカー、GARPバイオマーカー、CD39バイオマーカーおよびCD45RAバイオマーカーの発現の分布の不均一性が観察され、これにより、nT
regsにおける、異なる段階の細胞成熟を示す可能性がある異なるサブセットの潜在性が示されている(
図9A&B)。
【0351】
(実施例10)
CD4
+CD25
hiCD6
lo/−CD127
lo/−細胞集団におけるT
reg関連マーカーの特徴付け
CD4
+CD25
hiCD6
lo/−CD127
lo/−発現パターンを含むリンパ球をより詳細に特徴付けるために、多色フローサイトメトリー分析を、nT
reg分化/成熟経路の異なる段階を区別することができるかどうかを決定するために種々のバイオマーカーを使用して実施した。
【0352】
細胞を、以下の蛍光標識されたモノクローナル抗体:αCD4−Krome Orange、αCD25−PC7、αCD6−FITC、αCD127−APC−CF700、αCD45RA−APC−AF750、αCD39−APC−AF647、αCCR4−PEまたはαGARP−PE、αHLA−Dr−Pacific BlueまたはαFOXP3−Pacific Blueを使用して染色した以外は実施例1に記載の通りヒトPBMCを単離し、回収し、細胞表面バイオマーカーの発現および細胞内バイオマーカーについて染色した。多色フローサイトメトリー分析のために、500,000個超の細胞をフローサイトメーター(GALLIOS(商標)Flow Cytometer)を使用して分析し、リンパ球を前方光散乱および側方光散乱に基づいてゲーティングした。CD4
+CD25
+リンパ球をCD127およびCD6の発現についてゲーティングし、次いで、ドットプロットにおいて他のバイオマーカーのうちの1つについて分析した。サンプルサイズおよびデータの分析は実施例1に記載の通りであった。
【0353】
最初に、CD4
+CD25
hi/+CD6
lo/−CD127
lo/−発現パターンを含む細胞を、メモリーT細胞段階とナイーブT細胞段階の間を識別するためにCD45RAの発現について、および、局所組織、特に皮膚への細胞輸送に必要な細胞ホーミングマーカーとしてCCR4の発現について検査した。結果により、3つの細胞集団:1)nT
regナイーブ/休止(N/R)サブセットと称されるCD45RA
+CCR4
−;2)未成熟/メモリー(I/Me)と称されるCD45RA
+CCR4
lo;および3)成熟/エフェクター(Ma/E)と称されるCD45RA
−CCR4
hiが同定された(
図10A)。これらのサブセットのそれぞれにおけるCD39の発現の分析では、成熟プロセスを通じてCD39の発現が累進的に増大し、N/Rサブセットにおいて7.9%のCD39の発現;I/Meサブセットにおいて31.3%のCD39の発現;およびMa/Eサブセットにおいて82.9%のCD39の発現が明らかになった。HLA−Drの発現の分析では、Ma/Eサブセットにおいて発現が検出された(35.8%)ことが示された。興味深いことに、HLA−DR陽性細胞のほとんど全てが、Ma/E段階でCD39を同時発現する(
図10B)。これらの結果は、HLA−DRの発現が、nT
reg成熟のCD39よりも後の段階で現れることを示唆している。
【0354】
CD4
+CD25
+CD6
+CD127
+発現パターンを含む細胞の分析をCD45RAおよびCCR4の発現について検査した。結果により、大多数の細胞(60%)が、CD39(11.5%)およびHLA−Dr(4.8%)の発現が低い(
図10D)CD45RA
−CCR4
hiである(
図10C)ことが明らかになった。この最後の集団により、最終分化(TD)nT
regサブセットを示すと思われるnT
reg分化/成熟経路における第4の細胞集団サブセットが明らかになった。CD45RA/CCR4サブセットにおいて各マーカーについてのMFIを分析することで同様の結果が得られた(
図10E)。興味深いことに、CD62Lマーカーは全CD45RA/CCR4区画において発現され、nT
reg−TDサブセットにおいてMFIの発現が高い(
図10E)。CD4
+CD25
+CD6
lo/−CD127
lo/−集団におけるT
reg関連マーカーの発現についてのバックゲーティングと3D分析の組み合わせを用いると、大多数のHLA−Dr
+細胞がCD39とCCR4を同時発現することが観察された(
図10F)。
【0355】
最後に、異なるnT
regサブセットにおいてFOXP3 MFIの発現を検査することにより、HLA
−Dr
+CD45RA
−サブセットはHLA
−Dr
−CD45RA
−細胞およびHLA−Dr−CD45RA
+細胞と比較して高いFOXP3の発現を示すことが実証されたが、2重の陰性HLA−Dr/CD45RAサブセットでは中間のFOXP3の発現が実証された(
図10G)。総合すると、この発現パターンの分析により、表2に示されているように、nT
reg分化/成熟経路の4つの細胞集団サブセットが同定された。
【0356】
【表2】
CD4
+CD25
hi/+CD6
lo/−CD127
lo/−T
reg集団もCD45RAおよびGARPの発現を用いて分析した。結果により、3つのCD4
+CD25
+CD6
lo/−CD127
lo/−細胞集団サブセット:1)CD45RA
+GARP
−(Pop1)細胞;2)CD45RA
−GARP
−(Pop2)細胞;および3)CD45RA
−GARP
+(Pop3)細胞が同定された(
図10H)。各CD45RA/GARPサブセットにおけるCD39およびHLA−Drの発現の分析により、Pop1からPop2へ、そしてPop3へのCD39の発現の増大が示された。しかし、GARPの発現とnT
reg細胞の活性化の状態の間の正の相関を示す以前の報告(Wangら、Expression of GARP Selectively Identifies Activated Human FOXP3
+ Regulatory T Cells、Proc Natl Acad Sci U S A 106巻:13439〜13444頁、2009年)とは異なり、HLA−DrはGARP
−(Pop2)亜集団とGARP
+(Pop3)亜集団のどちらでも発現された(
図10H)。さらに、GARPの発現はCD4
+CD25
+CD6
+CD127
+細胞においても検出された(
図10I)。
【0357】
最後に、本明細書の態様は特定の実施形態に関して強調されているが、当業者は、これらの開示されている実施形態は、単に、本明細書に開示されている主題の原理を例示するものであることが理解されるべきであることを容易に理解されよう。したがって、開示されている主題は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール、および/または試薬などに決して限定されないことが理解されるべきである。ゆえに、開示されている主題に対する種々の改変または変化または代替の形態を、本明細書における教示に従って、本明細書の主旨から逸脱することなく作製することができる。最後に、本明細書において使用される用語法は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、特許請求の範囲によって単独に定義されている本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本発明は、正確に、示され、説明されている通りであるとは限定されない。
【0358】
発明者らが知っている本発明を実行するための最良の形態を含めた本発明のある特定の実施形態が本明細書に記載されている。当然、前述の説明を読めば、これらの記載されている実施形態に対する変形が当業者には明らかになろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予想し、また、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されているものとは別のやり方で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって認められる添付の特許請求の範囲において列挙されている主題の改変および等価物の全てを包含する。さらに、本明細書において別段の指定がある場合、または文脈から明らかに矛盾する場合を除き、上記の実施形態の、可能性のあるその変形での任意の組み合わせが本発明に包含される。
【0359】
本発明の代替的な実施形態、要素、またはステップの群分けは限定とは解釈されない。各群のメンバーは、個々に、または本明細書に開示されている他の群のメンバーとの任意の組み合わせで参照することおよび特許請求することができる。群の1つまたは複数のメンバーを、利便性および/または特許性のためにその群に含めることまたはそれから削除することができることが予測される。任意のそのような包含または削除が生じた場合、本明細書は改変された群を含有し、したがって、添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュ群の記載を満たすものとみなされる。
【0360】
別段の指定のない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される特性、項目、数量、パラメータ、性質、期間などを表している数は全て、全ての場合に、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、そのように修飾された特性、項目、数量、パラメータ、性質、または期間が示されている特性、項目、数量、パラメータ、性質、または期間の値の+10パーセントまたはその−10%の範囲を包含することを意味する。したがって、それに反する指示がない限り、本明細書および添付されている特許請求の範囲に記載の数値パラメータは変動し得る近似である。最低限でも、また、特許請求の範囲に対する等価物の学説の適用を限定しようとするものではなく、各数値的な指標は、少なくとも、報告されている有意な桁の数に照らし、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。広範囲の本発明を示している数値範囲および値は近似であるが、特定の例に記載の数値範囲および値は可能な限り正確に報告されている。しかし、いかなる数値範囲または値も、本質的には、必ず、それらのそれぞれの試験測定値に見いだされる標準偏差によって生じる特定の誤差を含有する。本明細書における値の数値範囲の列挙は、ただ単に、その範囲内に入る個々の数値のそれぞれを個別に参照する簡潔な方法としての機能を果たすものとする。本明細書では、別段の指定のない限り、数値範囲の個々の値は、それが本明細書において個々に列挙されたのと同様に本明細書に組み込まれる。
【0361】
本発明の説明と関連して(特に以下の特許請求の範囲と関連して)使用される「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(その)」という用語および同様の指示対象は、本明細書において特に指定がある場合、または文脈から明らかに矛盾する場合を除き、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書に記載の方法は全て、本明細書において別段の指定がある場合、または文脈から明らかに矛盾する場合を除き、任意の適切な順番で実施することができる。本明細書において提供される任意のかつ全ての例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、ただ単に、本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、別のように特許請求された本発明の範囲に対する限定を提起するものではない。本明細書では、いかなる言葉も、本発明の実施に必須の任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0362】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、からなる(consisting of)、または、から本質的になる(consisting essentially of)という言葉を使用することによって特許請求の範囲においてさらに限定することができる。特許請求の範囲において使用される場合、出願されたままであっても修正の際に加えられたものであっても、「からなる(consisting of)」という移行用語(transition term)は、特許請求の範囲に明記されていないいかなる要素、ステップ、または成分も排除する。「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行用語により、特許請求の範囲は、明記された材料またはステップ、ならびに基本特性および新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップに限定される。そのように特許請求された本発明の実施形態は、本明細書において本質的にまたは明白に説明され、権限が与えられる。
【0363】
本明細書において参照され、識別されている全ての特許、特許公報、および他の刊行物は、例えば、本発明とともに用いることができる、そのような刊行物に記載の組成物および方法論を説明し開示する目的で、個別にかつ明白に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、単に、本出願の出願日より前のそれらの開示について提供されている。この点については何も、本発明者らが先行発明に基づいて、または任意の他の理由でそのような開示に先立つ権限がないことの容認と解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表示に関する記載は、出願人らが入手可能な情報に基づき、これらの文書の日付または内容の正確さに関してはいかなる容認もなさない。