特許第6173472号(P6173472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173472
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】ソフトバックアップピンの状態確認装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20170724BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   H05K13/04 P
   H05K13/08 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-537537(P2015-537537)
(86)(22)【出願日】2013年9月23日
(86)【国際出願番号】JP2013075600
(87)【国際公開番号】WO2015040755
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2016年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】川合 英俊
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−335973(JP,A)
【文献】 特許第4014270(JP,B2)
【文献】 特開2006−93243(JP,A)
【文献】 特開2002−319800(JP,A)
【文献】 特開2011−233736(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/136212(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装機の部品実装ステーションで部品を実装する回路基板を下方から支える軟質弾性材料製のソフトバックアップピンの状態を確認するソフトバックアップピンの状態確認装置において、
前記ソフトバックアップピンを含む領域を上方から撮像するカメラと、
前記カメラの撮像画像を処理する画像処理手段とを備え、
前記ソフトバックアップピンの外周囲には、前記画像処理手段により該ソフトバックアップピンと区別して認識可能な背景部が設けられ、
前記画像処理手段は、前記カメラの撮像画像を処理して前記ソフトバックアップピンの外周囲の前記背景部を認識することで該背景部の内周縁を該ソフトバックアップピンの外周縁として認識することを特徴とするソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、認識した前記背景部の内周縁の位置を前記ソフトバックアップピンの位置として計測することを特徴とする請求項1に記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、認識した前記背景部の内側領域の画像処理結果に基づいて前記ソフトバックアップピンへの付着物の有無を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、認識した前記背景部の内周縁の形状に変形した部分が存在するときに前記ソフトバックアップピンが変形していると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項5】
前記背景部は円環状に形成され、
前記画像処理手段は、前記ソフトバックアップピンが変形していると判定したときに、前記背景部の外周縁を認識して該ソフトバックアップピンの位置を確認することを特徴とする請求項4に記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項6】
前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときにそれを表示及び/又は音声で作業者に警告する警告手段を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項7】
前記部品実装機には、前記ソフトバックアップピンを自動交換する機能が搭載され、
前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときに前記部品実装機は前記ソフトバックアップピンを自動交換することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項8】
前記ソフトバックアップピンは、下部側のホルダ部と、該ホルダ部に交換可能に保持される上部側のソフトピン部とから構成され、
前記ホルダ部のうちの前記ソフトピン部の外周囲にはみ出した部分に前記背景部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項9】
前記ソフトバックアップピンは、ブロック板上に複数形成され、
前記ブロック板上に重ね合わせるカバープレートを備え、
前記カバープレートは、前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンと区別して認識されるように形成され、
前記カバープレートに形成した挿通孔を前記ソフトバックアップピンに挿通して該カバープレートを前記ブロック板上に重ね合わせて該ブロック板の上面を該カバープレートで覆うことで、該カバープレートを前記背景部として使用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【請求項10】
前記ソフトバックアップピンは、ブロック板上に複数形成され、
前記ブロック板の上面は、前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンと区別して認識されるように着色されて前記背景部として使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のソフトバックアップピンの状態確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機の部品実装ステーションで部品を実装する回路基板を下方から支える軟質弾性材料製のソフトバックアップピンの状態を確認するソフトバックアップピンの状態確認装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年の部品実装基板は薄型化が進み、曲りやすくなっているため、部品実装機で回路基板に部品を実装する場合は、回路基板を下方からバックアップピンで支えて回路基板の曲りを防ぐようにしている。また、近年の高密度実装化・小型化の要求を満たすために、回路基板の両面に部品を実装した両面実装基板の需要も多い。この両面実装基板を部品実装機で生産する場合は、まず基板の片面に部品を実装した後、当該基板を裏返して部品実装機に再投入して基板の残りの片面に部品を実装するようにしている。
【0003】
基板の残りの片面に部品を実装する際に、基板を下方から支えるバックアップピンが基板下面の先付け部品に当たると、その先付け部品が損傷したり、基板が押し上げられる可能性があるため、特許文献1(特開2004−335973号公報)に記載されているように、バックアップピンをウレタン等の軟質弾性材料で形成して、ピン先端部が先付け部品に当たったときに、弾性変形して先付け部品の損傷や基板の押し上げを防ぐようにしている。一般に、このような弾性変形可能なバックアップピンは、「ソフトバックアップピン」と呼ばれている。
【0004】
ソフトバックアップピンを使用して両面実装基板を生産する場合は、ブロック板上に多数のソフトバックアップピンがマトリックス状に一体に形成されたピンブロックを使用し、生産する基板種毎に先付け部品の配置に応じて作業者がピンブロックから不要なソフトバックアップピンをちぎり取るようにしたものがある。或は、特許文献1に記載されているように、バックアッププレート(ピン支持板)に多数の取付孔をマトリックス状に形成すると共に、ソフトバックアップピンの下端に取付孔に嵌合する嵌合凸部を形成し、生産する基板種毎に先付け部品の配置に応じて作業者がソフトバックアップピン下端の嵌合凸部を嵌合する取付孔を選択してソフトバックアップピンをバックアッププレートに取り付けるようにしたものがある。
【0005】
一般に、部品実装機では、カメラで回路基板の基準マークを撮像して、その画像を処理して基準マークを認識し、該基準マークの位置を基準にして回路基板上の部品実装位置を決めるようにしている。そこで、特許文献2(特許第4014270号公報)に記載されているように、上記回路基板の基準位置検出技術をバックアップピンの位置検出技術に適用して、バックアップピンの上端面に基準マークを設け、カメラでバックアップピンの上端面の基準マークを撮像して、その画像を処理して基準マークを認識することで、バックアップピンの位置を検出するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−335973号公報
【特許文献2】特許第4014270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ソフトバックアップピンはスポンジの成形品であるため、形状が不安定であり、また、図10に示すように、複数のソフトバックアップピン(61)をブロック板(62)上に一体成形したブロック成形品では、ソフトバックアップピンの上端とブロック板の色が同一で両者のコントラストの差が小さいため、ソフトバックアップピンの上端を画像処理で正確に認識することは困難である。このため、上述した特許文献2の回路基板の基準位置検出技術をソフトバックアップピンの位置検出技術に適用して、ソフトバックアップピンの上端面に基準マークを設けて、カメラでソフトバックアップピンの上端面の基準マークを撮像して、その画像を処理して基準マークを認識することで、ソフトバックアップピンの位置を検出することが考えられる。
【0008】
しかし、ソフトバックアップピンは、曲り等の変形が発生しやすいため、曲り等の変形によってソフトバックアップピンの上端の基準マークの位置がずれることがある。このため、ソフトバックアップピンの上端の基準マークを画像処理で認識する方法では、ソフトバックアップピン全体の位置ずれと曲り等の変形による基準マークの位置ずれとを区別できない。また、ソフトバックアップピンに曲り等の変形が発生すると、回路基板を正しい位置で安定して受け支えることができないため、ソフトバックアップピンの曲り等の変形を早期に検出する技術を開発する必要がある。
【0009】
また、回路基板のスルーホールから漏れた半田がソフトバックアップピンの上端に付着することがあるが、ソフトバックアップピンの上端に半田が付着したまま生産を続けると、回路基板の下面側に半田が付着して回路基板をショートさせてしまう可能性があるため、ソフトバックアップピンの上端への半田等の付着物を早期に検出する技術を開発する必要がある。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ソフトバックアップピンの状態(外周縁の形状、位置、曲り等の変形、半田等の付着物の少なくとも1つ)を精度良く認識できるソフトバックアップピンの状態確認装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、部品実装機の部品実装ステーションで部品を実装する回路基板を下方から支える軟質弾性材料製のソフトバックアップピンの状態を確認するソフトバックアップピンの状態確認装置において、前記ソフトバックアップピンを含む領域を上方から撮像するカメラと、前記カメラの撮像画像を処理する画像処理手段とを備え、前記ソフトバックアップピンの外周囲には、前記画像処理手段により該ソフトバックアップピンと区別して認識可能な背景部を設け、前記画像処理手段によって前記カメラの撮像画像を処理して前記ソフトバックアップピンの外周囲の前記背景部を認識することで、該背景部の内周縁を該ソフトバックアップピンの外周縁として認識することを特徴とするものである。このようにすれば、ソフトバックアップピンの上端部を画像処理で正確に認識することが困難であるという事情があっても、ソフトバックアップピンの外周囲に画像処理で認識可能な背景部を設けることで、画像処理で認識した背景部の内周縁をソフトバックアップピンの外周縁として認識することができ、ソフトバックアップピンの外周縁の形状を精度良く認識できる。
【0012】
従って、前記画像処理手段によって認識した背景部の内周縁の位置をソフトバックアップピンの位置として計測すれば良い。これにより、ソフトバックアップピンの位置を精度良く検出できる。
【0013】
また、前記画像処理手段によって認識した背景部の内側領域の画像処理結果に基づいてソフトバックアップピンへの半田等の付着物の有無を判定するようにすると良い。例えば、ソフトバックアップピンの上端に半田が付着していると、カメラで撮像した画像には、半田の付着部分が光って写るため、背景部の内側のソフトバックアップピンの存在領域に光って写った部分が存在すれば、その部分を半田付着部分と判定することができる。
【0014】
また、前記画像処理手段によって認識した背景部の内周縁の形状に変形した部分が存在するときにソフトバックアップピンが変形していると判定するようにすると良い。ソフトバックアップピンに曲り等の変形が発生すると、ソフトバックアップピンの上端の位置がずれるため、カメラで撮像した背景部の画像は、ソフトバックアップピンの上端が背景部にはみ出して、背景部の内周縁の形状が部分的に変形した画像となる。従って、画像処理で認識した背景部の内周縁の形状に変形した部分が存在するか否かを判定することで、ソフトバックアップピンの曲り等の変形を精度良く認識できる。
【0015】
この場合、背景部を円環状に形成して、ソフトバックアップピンが変形していると判定された場合に、前記背景部の外周縁(外周円)を認識して該ソフトバックアップピンの位置を確認するようにしても良い。このようにすれば、曲り等の変形が生じたソフトバックアップピンを別のソフトバックアップピンと自動交換することが可能となり、部品実装機を停止させることなく生産を継続できる。
【0016】
また、前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときにそれを表示及び/又は音声で作業者に警告する警告手段を設けるようにすると良い。このようにすれば、ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときに、作業者にソフトバックアップピンを取り替えるように促すことができる。
【0017】
また、部品実装機に、ソフトバックアップピンを自動交換する機能が搭載されている場合には、前記画像処理手段により前記ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときに前記部品実装機は前記ソフトバックアップピンを自動交換するようにすれば良い。このようにすれば、ソフトバックアップピンへの付着物又は前記ソフトバックアップピンの変形が認識されたときに、そのソフトバックアップピンを自動交換することができる。
【0018】
本発明を実施する場合、前記ソフトバックアップピンは、下部側のホルダ部と、該ホルダ部に交換可能に保持される上部側のソフトピン部とから構成され、前記ホルダ部のうちの前記ソフトピン部の外周囲にはみ出した部分に前記背景部が設けられた構成としても良い。このようにすれば、材質や形状の異なる複数種類のバックアップピンの間でホルダ部と背景部を共通化することができる。
【0019】
また、複数のソフトバックアップピンがブロック板上に形成されたピンブロックを使用する場合は、ブロック板上に重ね合わせるカバープレートを、画像処理手段によりソフトバックアップピンと区別して認識できるように形成し、該カバープレートに形成した挿通孔を前記ソフトバックアップピンに挿通して該カバープレートを前記ブロック板上に重ね合わせて該ブロック板の上面を該カバープレートで覆うことで、該カバープレートを前記背景部として使用するようにしても良い。このようにすれば、複数のソフトバックアップピンがブロック板上に形成されたピンブロックを使用する場合でも、カバープレートをブロック板上に重ね合わせるだけで、本発明を実施することができる。
【0020】
或は、カバープレートに代えて、ブロック板の上面を、画像処理手段によりソフトバックアップピンと区別して認識できるように着色して前記背景部として使用するようにしても良い。このようにすれば、ピンブロックを使用する場合でも、ブロック板の上面を前記背景部として使用できるように着色するだけで、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は本発明の実施例1におけるソフトバックアップピンとそれを撮像するカメラを示す斜視図である。
図2図2(a)〜(d)は実施例1のソフトバックアップピンの組み立てを説明する図である。
図3図3はハードバックアップピンを示す斜視図である。
図4図4(a)、(b)はハードバックアップピンの組み立てを説明する図である。
図5図5は部品実装機の部品実装ステーションを示す斜視図である。
図6図6(a)は基板アンクランプ時の状態を示すストッカーの周辺部分の縦断面図、同図(b)は基板クランプ時の状態を示すストッカーの周辺部分の縦断面図である。
図7図7はソフトバックアップピンが曲った状態を示す正面図である。
図8図8(a)は正常なソフトバックアップピンをカメラで撮像した画像を示す図、同図(b)は曲ったソフトバックアップピンをカメラで撮像した画像を示す図である。
図9図9は部品実装機の制御系の構成を示すブロック図である。
図10図10は本発明の実施例2のソフトバックアップピンのブロックからカバープレートを取り外した状態を示す斜視図である。
図11図11はソフトバックアップピンのブロックにカバープレートを重ね合わせてソフトバックアップピンの外周囲に背景部を形成した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1を図1乃至図9に基づいて説明する。
まず、図1及び図2に基づいてソフトバックアップピン11の構成を説明する。
【0024】
ソフトバックアップピン11は、下部側のホルダ部12と、該ホルダ部12に交換可能に保持される上部側のソフトピン部13とから構成されている。ソフトピン部13は、ウレタン、ゴム等の軟質弾性材料で弾性変形可能に形成され、その下部には、円柱形状を保持する円筒状のサポート金具14が装着、固定されている。
【0025】
一方、ホルダ部12は、ホルダ本体15とプラグ部16とからなる2ピース構造であり、プラグ部16の上部側に円筒状の嵌合部17が上向きに形成され、この嵌合部17にソフトピン部13のサポート金具14の部分が着脱可能に嵌合されている。プラグ部16には、ねじ孔18(図1参照)が嵌合部17内に貫通するように形成され、このねじ孔18に固定ねじ19を締め込んで、該固定ねじ19の先端をソフトピン部13のサポート金具14に圧接させることで、ソフトピン部13をプラグ部16に固定するようにしている。ここで、ソフトピン部13をプラグ部16に固定する理由は、ソフトピン部13の上端部が回路基板35に粘着してソフトピン部13がプラグ部16から抜けることを防止するためである。プラグ部16の下部側には、突起部20が下向きに形成され、この突起部20がホルダ本体15の上部側に形成された嵌合穴(図示せず)に着脱可能に嵌合されるようになっている。
【0026】
ソフトピン部13が半田等で汚れたり、傷んだりした場合には、固定ねじ19を緩めてプラグ部16の嵌合部17からソフトピン部13を取り外し可能な状態にして、ソフトピン部13のみを交換すれば良い。
【0027】
一方、ソフトバックアップピン11のホルダ本体15は、図3及び図4に示すハードバックアップピン25のホルダ本体15としても使用される。ハードバックアップピン25は、ハードピン部26とホルダ本体15とから構成されている。ハードピン部26は、金属、プラスチック等の硬質材料で形成され、その下部側には、突起部27が下向きに形成され、この突起部27がホルダ本体15の上部側に形成された嵌合穴(図示せず)に着脱可能に嵌合されるようになっている。ハードピン部26の上端面には、画像処理で認識可能な円形の認識マーク30が設けられている。ソフトピン部13とハードピン部26は、それぞれ、交換時に形状や材質の異なる複数種類のピン部の中から選択できるようにしても良い。
【0028】
ホルダ本体15の下部側には、後述するバックアッププレート40上に該ホルダ本体15を磁力により保持する磁石28が設けられている。
【0029】
更に、ソフトバックアップピン11のホルダ部12のうちのソフトピン部13の外周囲にはみ出した部分である円筒状の嵌合部17の上端面には、後述する画像処理で該ソフトピン部13と区別して認識可能な円環状の背景部29が設けられ、この円環状の背景部29がソフトバックアップピン11の認識マークとしても機能する。このソフトバックアップピン11の認識マークである円環状の背景部29の形状がハードバックアップピン25の認識マーク30の形状と異なるため、画像処理でマーク形状を認識することで、ソフトバックアップピン11とハードバックアップピン25とを判別できるようになっている。
【0030】
次に、図5及び図6を用いて部品実装機の部品実装ステーション32の構成を説明する。部品実装ステーション32は、コンベア33,34で搬入されてきた回路基板35に部品実装機の実装ヘッド(図示せず)で部品を実装する場所である。コンベア33,34は、回路基板35の左右両辺部を載せて搬送するように該回路基板35の搬送方向と平行に配置され、右側のコンベア33を保持するレール37は、位置が固定された基準レールであり、左側のコンベア34を保持するレール38は、回路基板35の幅に応じてその幅方向に移動する可動レールとなっている。
【0031】
部品実装ステーション32には、ソフトバックアップピン11又はハードバックアップピン25を載せるバックアッププレート40が水平に設けられている。このバックアッププレート40は、鉄等の磁性材料で形成され、各バックアップピン11,25がそのホルダ本体15の磁石28によりバックアッププレート40上に吸着保持されるようになっている。図6に示すように、バックアッププレート40は、昇降機構41によって昇降するように構成され、下降動作時の下限位置が図6(a)に示す基板アンクランプ位置となり、上昇動作時の上限位置が図6(b)に示す基板クランプ位置となる。
【0032】
図6(a)に示すように、バックアッププレート40が基板アンクランプ位置に下降した状態では、バックアッププレート40上の各バックアップピン11,25の上端がコンベア33,34上の回路基板35の下面よりも低い位置にあり、且つ、コンベア33,34上の回路基板35の下面に先付け部品42が実装されている場合は、バックアッププレート40上のソフトバックアップピン11の上端が該回路基板35の下面の先付け部品42の下端よりも低くなるように設定されている。
【0033】
一方、図6(b)に示すように、バックアッププレート40が基板クランプ位置に上昇した状態では、バックアッププレート40上の各バックアップピン11,25の上端がコンベア33,34上の回路基板35の下面に当接して該回路基板35を下方から支えて該回路基板35の曲りを防止する。バックアッププレート40が基板クランプ位置に上昇する際に、コンベア33,34の内側に位置するクランプ部材43が上昇して、各レール37,38の上端内側に設けられたフランジ部37a,38aとクランプ部材43との間に回路基板35の左右両辺部を挟み込んでクランプするようになっている。
【0034】
図5及び図6に示すように、バックアッププレート40の側縁部のうちの基準レール37の内側近傍には、切欠部40aが形成され、該切欠部40aの縁部に複数本のバックアップピン11,25を収納するストッカー44が取付具45(図6参照)を介して取り付けられている。ストッカー44は、基準レール37の内側に沿って複数本のバックアップピン11,25を一列に並べて載置できるように形成されている。ストッカー44の上面には、複数本のバックアップピン11,12のホルダ部13を1個ずつ嵌合して収納する複数の収納凹部46(図6参照)が一列に形成され、各収納凹部46に収納したバックアップピン11,25がバックアッププレート40の切欠部40aから上方に露出するようになっている。
【0035】
本実施例1では、基準レール37の内側近傍の2箇所にストッカー44が設けられ、一方のストッカー44にソフトバックアップピン11が収納され、他方のストッカー44にハードバックアップピン25が収納される。尚、ハードバックアップピン25のみを使用する片面実装基板の生産では、2箇所のストッカー44にハードバックアップピン25のみを収納し、ソフトバックアップピン11のみを使用する両面実装基板の生産では、2箇所のストッカー44にソフトバックアップピン11のみを収納するようにすれば良い。
【0036】
次に、部品実装機の実装ヘッドに保持されたチャック(図示せず)を用いて、バックアッププレート40上のバックアップピン11又は25を載せ替える動作を説明する。
【0037】
実装ヘッドの移動動作とチャックの開閉動作は、部品実装機の制御装置51(図9参照)によって制御される。バックアッププレート40上の各バックアップピン11又は25を載せ替える動作は、バックアッププレート40の上方に回路基板35が存在しない状態で行われる。この際、バックアッププレート40を基板クランプ位置へ上昇させても良いし、上昇させずに基板アンクランプ位置で各バックアップピン11又は25を載せ替える動作を行うようにしても良い。
【0038】
バックアッププレート40上のバックアップピン11又は25を取り外してストッカー44に収納する場合は、バックアッププレート40上の取り外しの対象となるバックアップピン11又は25の上方へ実装ヘッドを実装ヘッド移動装置52(図9参照)によって移動させて、当該バックアップピン11又は25のホルダ本体15を当該実装ヘッドのチャックで掴んで、当該バックアップピン11又は25をバックアッププレート40から引き剥がした後、当該バックアップピン11又は25をストッカー44の空いている収納凹部46の上方へ移動させて、当該収納凹部46内に収納する。
【0039】
尚、バックアッププレート40上に載せたバックアップピン11又は25の位置を、当該バックアッププレート40上の別の位置に移し替える場合は、移し替えの対象となるバックアップピン11又は25のホルダ本体15をチャックで掴んで、当該バックアップピン11又は25をバックアッププレート40から引き剥がした後、当該バックアップピン11又は25をバックアッププレート40の目標とする載せ替え位置の上方へ移動させて、当該バックアップピン11又は25を下降してバックアッププレート40上に載せる。これにより、バックアップピン11又は25は、そのホルダ本体15の磁石28の磁力によりバックアッププレート40上の目標とする載せ替え位置に吸着保持される。
【0040】
一方、ストッカー44に収納したバックアップピン11又は25をバックアッププレート40上の目標とするピン載置位置に載せる場合は、ストッカー44に収納した複数本のバックアップピン11又は25の中から、バックアッププレート40上に載せるバックアップピン11又は25を選択して、当該バックアップピン11又は25のホルダ本体15をチャックで掴んでストッカー44から引き上げた後、当該バックアップピン11又は25をバックアッププレート40の目標とするピン載置位置の上方へ移動させて、当該バックアップピン11又は25を下降してバックアッププレート40上に載せる。これにより、バックアップピン11又は25は、そのホルダ本体15の磁石28の磁力によりバックアッププレート40上の目標とするピン載置位置に吸着保持される。
【0041】
部品実装機には、実装ヘッドの吸着ノズルに吸着した部品をその下面側から撮像する部品撮像用のカメラ53(図9参照)と、回路基板35の基準位置マーク(図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラ54(図9参照)とが設けられている。マーク撮像用のカメラ54は、実装ヘッド移動装置52(図9参照)によって実装ヘッドと一体的に移動し、バックアッププレート40上のソフトバックアップピン11とその外周囲の背景部29を含む領域を上方から撮像するカメラとしても用いられる。
【0042】
尚、バックアッププレート40上にハードバックアップピン25が載置されている場合は、カメラ54でハードバックアップピン25を撮像して、その撮像画像からハードバックアップピン25の上端の認識マーク30を認識する。また、ソフトバックアップピン11とハードバックアップピン25とでは、認識マーク(背景部)29,30の形状が異なるため、撮像画像から認識マーク29,30の形状を認識することで、ソフトバックアップピン11とハードバックアップピン25との判別が可能である。
【0043】
図9に示すように、部品実装機の制御装置51には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置55と、LCD、EL、CRT等の表示装置56等が接続されている。更に、制御装置51には、部品撮像用のカメラ53やマーク撮像用のカメラ54で撮像した画像を処理する画像処理ユニット57(画像処理手段)が内蔵されている。制御装置51は、バックアッププレート40上のソフトバックアップピン11の状態を確認する際に、図1に示すように、実装ヘッド移動装置52によってカメラ54をバックアッププレート40上のソフトバックアップピン11の上方へ移動させて、ソフトバックアップピン11のソフトピン部13とその外周囲の背景部29をカメラ54の視野に収めて該カメラ54で撮像し、該カメラ54の撮像画像を画像処理ユニット57で処理してソフトバックアップピン11のソフトピン部13の外周囲の背景部29を認識することで、該背景部29の内周縁を該ソフトバックアップピン11のソフトピン部13の外周縁として認識する。
【0044】
この際、ソフトバックアップピン11のソフトピン部13に曲り等の変形が無く、ソフトピン部13が真っ直ぐに立っている場合(つまり正常なソフトバックアップピン11の場合)は、図8(a)に示すように、カメラ54で撮像した画像には、背景部29の内周縁が完全な円となって写る。
【0045】
これに対して、図7に示すように、ソフトバックアップピン11のソフトピン部13に曲り等の変形が発生している場合は、ソフトピン部13の上端の位置がずれるため、図8(b)に示すように、カメラ54で撮像した背景部29の画像は、ソフトピン部13の上端が背景部29にはみ出して、背景部29の内周縁の形状が完全な円と認識できず、背景部29の内周縁の形状が部分的に変形した画像となる。この関係を利用して、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理で認識した背景部29の内周縁の形状に変形した部分が存在するか否か(完全な円と認識できないか否か)を判定し、認識した背景部29の内周縁の形状に変形した部分が存在した場合(完全な円と認識できない場合)には、ソフトバックアップピン11の曲り等の変形が生じていると判定する。この場合は、制御装置51は、ソフトピン部13の異常を作業者に表示や音声で警告すると共に、画像処理ユニット57の画像処理結果に基づいて背景部29の外周縁(外周円)を認識して、当該背景部29の内周側のソフトピン部13の位置を認識して、当該ソフトピン部13を自動交換する。これにより、曲り等の変形が生じたソフトバックアップピン11を別のソフトバックアップピンと自動交換することが可能となり、部品実装機を停止させることなく生産を継続できる。一方、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理で認識した背景部29の内周縁の形状に変形した部分が存在しないと判定すれば、曲り等の変形が無い正常なソフトバックアップピン11と判定する。
【0046】
また、ソフトバックアップピン11の上端に半田が付着していると、カメラ54で撮像した画像には、半田の付着部分が光って写る。そこで、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理で認識した円環状の背景部29の内側のソフトバックアップピン11の存在領域に光って写った部分(又は暗く写った部分)が存在するか否かを判定し、円環状の背景部29の内側のソフトバックアップピン11の存在領域に光って写った部分(又は暗く写った部分)が存在すれば、その部分を半田等の付着部分と判定し、光って写った部分(又は暗く写った部分)が存在しなければ、ソフトバックアップピン11に半田等の異物が付着していないと判定する。尚、半田を観察する際に、カメラ54のライティングパターンを回路基板35の基準位置マークの撮像時と変更しても良い。
【0047】
また、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理によりソフトバックアップピン11への半田等の付着物又はソフトバックアップピン11の変形が認識されたときに、それを表示装置56(警告手段)の表示や音声で作業者に警告する。このようにすれば、ソフトバックアップピン11への半田等の付着物又はソフトバックアップピン11の変形が認識されたときに、作業者にソフトバックアップピン11を取り替えるように促すことができる。ソフトバックアップピン11の取り替えは、ソフトバックアップピン11全体を取り替えても良いし、或は、固定ねじ19を緩めてプラグ部16の嵌合部17からソフトピン部13を取り外して、ソフトピン部13のみを交換するようにしても良い。
【0048】
また、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理によりソフトバックアップピン11への半田等の付着物又はソフトバックアップピン11の変形が認識されたときに、そのソフトバックアップピン11を前述したソフトバックアップピン11の自動交換動作により自動交換するようにしても良い。
【0049】
また、制御装置51は、画像処理ユニット57の画像処理によりソフトバックアップピン11の変形が認識されず、背景部29の内周縁の形状が完全な円形に認識された場合は、認識した背景部29の内周縁の中心位置のXY座標をソフトバックアップピン11の中心位置のXY座標として計測し、ソフトバックアップピン11の中心位置のXY座標が生産ジョブで指定されたピン位置のXY座標と許容誤差の範囲内で合致するか否かで、ソフトバックアップピン11が指定されたピン位置に配置されているか否かを判定する。その結果、ソフトバックアップピン11が指定された位置に配置されていないと判定されれば、前述したソフトバックアップピン11の自動移し替え動作により当該ソフトバックアップピン11を指定されたピン位置に写し替える。この後、再度、当該ソフトバックアップピン11の位置を画像処理により認識して、当該ソフトバックアップピン11が指定されたピン位置に移し替えられたことを確認する。これにより、生産ジョブに合わせてソフトバックアップピン11を自動的にバックアッププレート40上に配置することができる。
【0050】
以上説明した本実施例1によれば、バックアッププレート40上のソフトバックアップピン11とその外周囲の背景部29を部品実装機のカメラ54で撮像し、該カメラ54の撮像画像を画像処理ユニット57によって処理してソフトバックアップピン11の外周囲の円環状の背景部29を認識することで、該背景部29の内周縁を該ソフトバックアップピン11の外周縁として認識するようにしたので、ソフトバックアップピン11の上端部を画像処理で正確に認識することが困難であるという事情があっても、ソフトバックアップピン11の外周囲に画像処理で認識可能な背景部29を設けることで、画像処理で認識した背景部29の内周縁をソフトバックアップピン11の外周縁として認識することができ、ソフトバックアップピン11の外周縁の形状を精度良く認識できる。これにより、ソフトバックアップピン11の位置を精度良く検出でき、ソフトバックアップピン11の自動配置が可能となると共に、ソフトバックアップピン11への半田等の付着物やソフトバックアップピン11の曲り等の変形を画像認識することができ、ソフトバックアップピン11への半田等の付着物やソフトバックアップピン11の曲り等の変形が認識されたときに、速やかに当該ソフトバックアップピン11(ソフトバックアップピン11全体又はソフトピン部13のみ)を取り替えることができる。
【0051】
尚、ソフトバックアップピン11の連結構造や形状は、上記実施例1のものに限定されず、例えば、ソフトピン部13とホルダ部12との連結をねじ止めから係合方式に変更したり、或は、ホルダ部12を2ピース構造から1ピース構造に変更しても良い等、ソフトバックアップピン11の連結構造や形状を種々変更しても良いことは言うまでもない。
【0052】
尚、ソフトバックアップピン11の背景部29の形状は、円環状に限定されず、背景部29の内周縁の形状が円形であれば良く、背景部29の外周縁の形状は、円形でなくても良く、例えば、背景部29の内周縁(内周縁)と中心が一致する正四角形等の正多角形や、それ以外の形状であっても良い。背景部29の外周縁の形状が円形や正多角形であれば、背景部29の外周縁の中心位置が背景部29の内周側に位置するソフトバックアップピン11の中心位置と一致するため、ソフトバックアップピン11のソフトピン部13の上端が背景部29にはみ出して、背景部29の内周縁の形状が完全な円と認識できない場合(ソフトバックアップピン11が変形していると判定された場合)に、背景部29の外周縁を認識して該ソフトバックアップピン11の位置を確認することができる。
【0053】
また、ハードバックアップピン25の上端の認識マーク30の形状も円形に限定されず、他の形状に変更しても良いことは言うまでもない。
【0054】
その他、本発明は、上記実施例1に限定されず、ストッカー44の位置を変更したり、ストッカー44に収納したソフトバックアップピン11の位置を画像処理で認識するようにしても良く、また、ストッカー44が無い構成の部品実装機にも本発明を適用して実施できる。
【実施例2】
【0055】
次に、図10及び図11を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、上記実施例1と実質的に同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0056】
上記実施例1では、ソフトバックアップピン11を、下部側のホルダ部12と、該ホルダ部12に交換可能に保持される上部側のソフトピン部13とから構成したが、図10及び図11に示す本発明の実施例2では、ウレタン、ゴム等の軟質弾性材料で複数のソフトバックアップピン61をブロック板62上に一体に形成し、このブロック板62上にカバープレート63を重ね合わせる。カバープレート63は、金属、プラスチック等で形成され、画像処理によりソフトバックアップピン61と区別して認識できるように構成されている。カバープレート63には、ブロック板62上のソフトバックアップピン61の配置と同じ配置で、ソフトバックアップピン61とほぼ同一径又は僅かに大きい径の挿通孔64が形成されている。このカバープレート63の各挿通孔64をブロック板62上の各ソフトバックアップピン61に挿通して該カバープレート63をブロック板62上に重ね合わせて該ブロック板62の上面を該カバープレート63で覆うことで、該カバープレート63を各ソフトバックアップピン61の外周囲の背景部として機能させる。この状態で、ソフトバックアップピン61のブロックをバックアッププレート40上に載置して使用する。
【0057】
尚、カバープレート63の上面の所定位置(例えば角部)には、該カバープレート63の方向性と基準位置を示す基準マーク(図示せず)が設けられ、この基準マークをカメラ54で撮像して、その画像を画像処理ユニット57で処理して該基準マークを認識することで、カバープレート63の方向性と基準位置を確認できるようになっている。
【0058】
本実施例2でも、ソフトバックアップピン61の状態を確認する場合は、実装ヘッド移動装置52によってカメラ54をソフトバックアップピン61の上方へ移動させて、ソフトバックアップピン61とその外周囲の背景部となるカバープレート63をカメラ54の視野に収めて該カメラ54で撮像し、該カメラ54の撮像画像を画像処理ユニット57で処理してソフトバックアップピン61の外周囲のカバープレート63を認識することで、該カバープレート63の挿通孔64の内周縁を該ソフトバックアップピン61の外周縁として認識する。このようにすれば、複数のソフトバックアップピン61がブロック板62上に形成されたピンブロックを使用する場合でも、カバープレート63をブロック板62上に重ね合わせるだけで、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0059】
尚、複数のソフトバックアップピン61がブロック板62上に一体に形成されたピンブロックを使用する場合、カバープレート63に代えて、ブロック板62の上面を、画像処理でソフトバックアップピン61と区別して認識できるように着色して、各ソフトバックアップピン61の外周囲の背景部として機能させるようにしても良い。このようにすれば、ピンブロックを使用する場合でも、ブロック板62の上面を背景部として使用できるように着色するだけで、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0060】
その他、本発明は、上記各実施例に限定されず、種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
11…ソフトバックアップピン、12…ホルダ部、13…ソフトピン部、15…ホルダ本体、16…プラグ部、17…嵌合部、18…ねじ孔、19…固定ねじ、25…ハードバックアップピン、26…ハードピン部、28…磁石、29…背景部、30…認識マーク、32…部品実装ステーション、33,34…コンベア、35…回路基板、40…バックアッププレート、42…先付け部品、43…クランプ部材、44…ストッカー、51…制御装置、52…実装ヘッド移動装置、54…マーク撮像用のカメラ、56…表示装置(警告手段)、57…画像処理ユニット(画像処理手段)、61…ソフトバックアップピン、62…ブロック板、63…カバープレート(背景部)、64…挿通孔
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