【実施例】
【0063】
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。なお、例中、特別な記載がない限り、部は質量部を、%は質量%を意味する。実施例1〜7、比較例1〜4中の転写捺染後の染色力(繊維材料(布帛)の発色性)、均染性は以下の基準で判定した。
○:繊維材料の発色性(染色力)、均染性、堅牢度が優れており品質良好。
△:繊維材料の発色性(染色力)と均染性がやや劣っており品質不良。
×:繊維材料の発色性(染色力)と均染性が明らかに不良で品質明らかに不良。
【0064】
実施例1
インク受容層兼染着促進層用形成用の混合糊液として、ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉:AVEBE社製)20g、FDアルギンBL(アルギン酸ソーダ:古川化学工業社製)20g、EX-100(タマリンドガム:トモエ製糊社製)20g、酒石酸40g及びイオン交換水400g(計500g)の混合物を、高速デスパー型攪拌機(3,000rpm)でよく攪拌し、均一で滑らかな高粘度ペーストを作製した。この高粘度ペーストに、市販の脱気剤又は消泡剤を、高粘度ペーストに対して0.2%加えて泡を消し、塗工機(横山製作所社製コンマコーター)を使用して紙(日本製紙社製、晒しクラフト紙、坪量60g/m
2)に均一に塗工・乾燥した。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は8g/m
2であった。この様にして転写捺染用紙を得た。
【0065】
得られた上記転写捺染用紙上に、分散染料インク液(C.I.Disperse Blue60:6%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水64%)を、インクジェットプリンター(ローランド社製インクジェットプリンター:SoljetEJ−640)により縞柄模様をプリントし乾燥して転写捺染紙を得た。このようにして得られた転写捺染紙とポリエステルサテン生地を密着させ、加熱・加圧(210℃、0.8MPa、40秒、ハシマ社製昇華平プレスHSP−2210を使用)することにより、ポリエステル生地に染料を移行・固着した後、紙を除去した。なお、ハシマ社製昇華プレス機の最高圧力(シリンダー圧力)は1MPaであり、この圧力は転写圧0.049MPaに相当する。従って本実施例のシリンダー圧0.8MPaは、転写圧0.039MPaに該当する。以下の実施例等においてもハシマ社製昇華プレス機を使用した場合は同様である。
【0066】
この様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており(発色性等の品質判定は○)、繊維の風合は良好であり、JISL0854による昇華堅牢性は(変)5級、(汚)4−5級であった。JISL0842による耐光堅牢度は5級であった。
【0067】
実施例2
ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉:AVEBE社製)10g、FDアルギンBL(アルギン酸ソーダ:古川化学工業社製)5g、EX-100(タマリンドガム:トモエ製糊社製)5g、ペノンJE66(加工澱粉:日澱化学社製)10g、酒石酸10g及びイオン交換水170g(計210g)の混合物を、高速デスパー型攪拌機(3,000rpm)でよく攪拌し、均一で滑らかな高粘度ペーストを作製した。この高粘度ペーストに脱気剤及び消泡剤を少量加え、かつ、防腐剤、防かび剤を微量加え、更に水を加えて粘度を約1200mPa・sに調整し混合糊液を得た。塗工機としてエアナイフコーターを使用して、得られた混合糊液を、原紙(日本製紙社製、片艶クラフト紙、坪量60g/m
2)に均一に塗工・乾燥して、転写捺染用紙を得た。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は10g/m
2であった。
【0068】
得られた転写捺染用紙上に、分散染料インク液(C.I.Disperse Blue60:6%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水64%)をインクジェットプリンター(ローランド社製インクジェットプリンター:SoljetPro4XF−640)により柄模様をプリントして転写捺染紙を得た。得られた転写捺染紙とポリエステルタフタ生地を密着させ、加熱・加圧(210℃、0.8MPa、40秒、HASHIMA昇華平プレス)することによってポリエステル生地に染料を移行・固着して紙を除去し、ポリエステル捺染布を得た。
【0069】
この様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており(染色性の判定は○)、繊維の風合は良好であり、日光堅牢度(変)と昇華堅牢性(変、汚)はいずれも4級以上であった。
【0070】
実施例3
酒石酸40gの代わりにクエン酸20gを加える以外は実施例1と同様に処理して混合糊液の作製と紙への塗工を行い、転写捺染用紙を得た。得られた転写捺染用紙上に、分散染料インク液(C.I.Disperse Red92:5%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水64%)を、インクジェットプリンター(ローランド社製インクジェットプリンター:SoljetProIIIXJ−640)により、柄模様のプリントを行い乾燥し、転写捺染紙を得た。
【0071】
得られた転写捺染紙とポリエステルサテン生地を密着させ、加熱・加圧(218℃、1.0MPa、30秒、HASHIMA昇華平プレス)することによりポリエステル生地に染料を移行・固着して紙を除去し、ポリエステル捺染布を得たこの様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており(染色性の判定は○)、繊維の風合は良好であり、日光堅牢度と昇華堅牢性は実施例1同様に優れていた。
【0072】
実施例4
酒石酸の量を40gから4gに変え、加熱・加圧の条件を、転写圧力0.05MPa、転写温度195℃、処理時間120秒に変えた以外は実施例1と同様に処理した結果、実施例1と同様な堅牢な捺染製品を得た。
【0073】
実施例5
酒石酸40gの代わりにクエン酸20gを使用し、混合糊液に、更にマイクロイドKM386P(シリカゲル:KDCorp.社製)を、混合糊液に対して1%加える以外は実施例1と同様に処理した結果、得られたポリエステルタフタの捺染布は繊細なデザインを有し(判定は○)、繊維の風合は柔軟で、耐光、昇華、汗、洗濯等の各種堅牢性も良好であった。
【0074】
実施例6
インク受容層兼染着促進層用形成用の混合糊液として、ゴーセノールGL−05(水溶性ポリビニルアルコール:日本合成化学社製)20g、ファインガムHEL−3(セルロース誘導体:第一工業薬品社製)50g、EX−200(タマリンドガム:トモエ製糊社製)50g、尿素50g、特AクレイKL−18:20g、マイクロイドKM−386P:10g、クエン酸25g、酒石酸25g、水750gの混合物を、5,000rpmの高速デスパー型攪拌機でよく攪拌し、高粘度のペーストを作製した。この高粘度のペーストの粘度を調整した後、コンマコーターを使用して原紙(日本製紙社製、銀竹、50g/m
2)に塗工し乾燥して、転写捺染用紙を得た。この転写捺染用紙に3MPaの圧力でカレンダー加工して、平滑処理した。糊塗布量は12g/m
2であった。得られた転写捺染用紙上に、分散染料グラビアインク液(C.I.Disperse Red86製品:15%を含有し、水、セルロース系増粘剤、ポリビニルアルコール及びイソプロパノールを用いて粘度を120mPasに調整したインキ)をグラビア印刷機によりプリントを行い乾燥して転写捺染紙を得た。
【0075】
得られた転写捺染紙をポリエステルタフタ生地に密着させ、ハシマ社製平板プレス機を用いて210℃、0.8MPa、40秒間加熱・加圧してポリエステル生地に染料を転写・固着させポリエステル捺染布を得た。このポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており(品質判定は○)、繊維の風合は良好であり、JISL0854による昇華堅牢性は(変)5級、(汚)4−5級であった。また、JISL0842による耐光堅牢度は4級以上であった。
【0076】
実施例7
ハシマ社製平型昇華転写機の代わりに、井上金属工業社製のドラム型連続式サーモプリンターを用い、ドラム表面温度220℃、圧力0.5MPaでポリエステル繊維材料と転写捺染紙の熱ドラム接触滞留時間が30秒となるようにした以外は、実施例6と同様に処理した結果、繊維材料の良好な発色性(○)を示した。
【0077】
実施例8
ハシマ社製平型昇華転写機の代わりに、由利ロール社製2本ロール加圧・加熱機を用い、熱ロールの表面温度230℃、圧力3MPa、送り速度1m/minの条件で、繊維材料と転写捺染紙の熱ロール接触滞留時間が20秒となるようにした以外は、実施例1と同様に処理した結果、繊維材料の良好な発色性(○)を示した。
【0078】
比較例1
市販のA社昇華転写捺染用紙、銘柄a、銘柄b、銘柄c、銘柄dの4種類に実施例1で使用した分散染料インクを用いて印刷して転写捺染紙を作製し、転写捺染紙を変えた以外は実施例1と同様に転写捺染をした結果、発色性(染色力の判定は△〜×)は、いずれの場合も実施例1に比べて劣っており実用上問題があると判定された。
【0079】
比較例2
市販のB社昇華転写捺染用紙、C社昇華転写捺染用紙を用い、転写捺染用紙を変えた以外は実施例1と同様に、転写捺染紙の作製、転写捺染をした結果、発色性は実施例1に比べて著しく劣っていた(染色性の判定は×)。
【0080】
比較例3
市販のA社昇華転写捺染用紙銘柄aに、昇華染料C.I.Disperse Red60を含有するインクで印刷し、圧力を0.15MPaで処理する以外は実施例1と同様に処理したところ、発色性は良好であった。しかし、非昇華染料C.I.Disperse Red92を含有するインクで印刷し、圧力0.15MPaで処理する以外は実施例1と同様に処理したところ発色性は不良(△)であった。
【0081】
比較例4
酒石酸を加えない以外は、実施例2と同様にして加工したところ、繊維材料の発色性は不十分(染色性の判定は△)であり斑が生じていた。
【0082】
実施例9
ファインガムHEL−3(カルボキシメチルセルロースナトリウム:第一工業製薬社製)20部、FDアルギンBL(アルギン酸ソーダ:古川化学工業社製)20部、EX−100(タマリンドガム:トモエ製糊社製)10部及びイオン交換水400部(計450部)の混合物を、高速デスパー型攪拌機(3,000rpm)でよく攪拌し、均一で滑らかな高粘度ペースト(混合糊液)を作製した。混合糊液に市販の脱気剤、消泡剤を加えて泡を消した。
【0083】
塗工機(横山製作所社製コンマコーター)を使用して、作製された混合糊液を紙(日本製紙社製、上質紙、坪量60g/m
2)に均一に塗工・乾燥して転写捺染用紙を得た。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は8g/m
2であった。
【0084】
このようにして得られた転写捺染用紙上に、平均粒径0.1μmにビーズミルで微粒化した分散染料を用いてインク化したインク(C.I.Disperse Blue79:4%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水66%)を、インクジェットプリンター(ローランド社製インクジェットプリンター:SoljetEJ−640)により縞柄模様のプリントを行った。その後乾燥して転写捺染紙を得た。
【0085】
このようにして得られた転写捺染紙とポリエステルサテン生地を密着させ、ハシマ社製昇華平プレスHSP−2210により、加熱・加圧(215℃、シリンダー圧0.6MPa、40秒)して、前記生地に染料を移行・固着した後、紙を除去してポリエステル捺染布を得た。このようにして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており(発色性良好)、繊維の風合は良好であり、JISL0854による昇華堅牢性は(変)5級、(汚)4〜5級であった。JISL0842による耐光堅牢度は5級以上であった。
【0086】
実施例10
ポバールAP−17(カルボキシ変性PVA、日本酢ビ・ポバール社製)10部、FDアルギンBL:20部、EX−100:10部、イオン交換水200部(計240部)の混合物を、高速デスパー型攪拌機(3,000rpm)でよく攪拌し、均一で滑らかな高粘度ペースト(混合糊液)を作製した。泡が生じたので、混合糊液に市販の脱気剤、消泡剤を加えて泡を消した。更に防腐剤、防かび剤を微量加えた。
【0087】
作製された高粘度ペーストに水を加えて粘度を約1200mPa・sに調整した混合糊液を、塗工機としてエアナイフコーターを使用して、原紙(日本製紙社製、晒しクラフト紙、坪量40g/m
2)に均一に塗工・乾燥して転写捺染用紙を得た。混合糊液の塗工量(乾燥重量)は10g/m
2であった。
【0088】
次に、メトローズ65SH・400(信越化学社製)とメトローズ65SH・4000(信越化学社製)、ポバールAP−17(日本酢ビ・ポバール社製)及びイソプロパノールを使用して粘度が200mPa・sの粘調なインク助剤を作製した。このインク助剤に、非昇華型分散染料としてのC.I.Disperse Red86・200%品(平均粒径1.5μm)を(インク助剤に対して)15%配合し、インクの粘度を150mPa・sに調整してグラビア用Magentaインクを作製した。
【0089】
このようにして得られたグラビア用Magentaインクを、前記の転写捺染用紙上に、電動式グラビア印刷試験機GP−10(クラボウ社製)を用いて、速度15m/min、温度25℃でベタ印刷して転写捺染紙を得た。この転写捺染紙とポリエステルタフタ生地を密着させ、加熱・加圧(220℃、ロール圧力0.5MPa、40秒、ローラ型転写機)することによって、前記生地に染料を移行した後、紙を除去して、ポリエステル捺染布を得た。この様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており、繊維の風合は良好であり、日光堅牢度(変)と昇華堅牢性(変、汚)はいずれも5級以上であった。
【0090】
実施例11
実施例9に於ける混合糊液の代わりに、FDアルギンBLの10%水溶液55部に、粉末硫酸バンド(大明化学工業社製)の5%水溶液10部を加えたものを混合糊液として用いる以外は、実施例9と同様にして紙への塗工を行って転写捺染用紙を得た。
【0091】
得られた転写捺染用紙上に、微粒化した分散染料を用いてインク化した分散染料インク液(C.I.Disperse Red92:5%、エチレングリコール5%、グリセリン15%、ノニオン系分散剤5%、アニオン系分散剤5%、イオン交換水65%)を、インクジェットプリンター(ローランド社製インクジェットプリンター:SoljetProIIIXJ−640)により柄模様のプリントを行い乾燥し、転写捺染紙を得た。
【0092】
得られた転写捺染紙とポリエステルタフタ生地を密着させ、ハシマ社製昇華平プレスHSP−2210により、加熱・加圧(215℃、シリンダー圧1.0MPa、30秒)することによって前記生地に染料を移行・固着した後、紙を除去してポリエステル捺染布を得た。この様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており、繊維の風合は良好であり、日光堅牢度と昇華堅牢性は実施例9と同様に優れていた。
【0093】
実施例12
実施例9に於ける混合糊液の代わりにEX−3(カチオン化澱粉、日澱化学社製)10%水溶液100部、FDアルギンBLの10%水溶液100部からなる混合糊液を用いる以外は、実施例9と同様にしてポリエステルタフタ捺染布を得た。得られたポリエステルタフタ捺染布の発色性は良好で繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟で、耐光、昇華、汗、洗濯等の各種堅牢性も良好であった。
【0094】
実施例13
ブリバイン(燐酸化澱粉、日澱化学社製)10部、ファインガムHEL−3:50部、EX−200(タマリンドガム:トモエ製糊社製)10部、ゴーセノールGL−05(水溶性ポリビニルアルコール:日本合成化学社製)20部、マイクロイドKM−386P:10部、酒石酸50部及び水650部の混合物を、5,000rpmの高速デスパー型攪拌機でよく攪拌し、均一で滑らかな高粘度ペースト(混合糊液)を作製した。この高粘度ペーストの粘度を調整した後、コンマコーターを使用して原紙(日本製紙社製、片艶紙50g/m
2)に、塗工・乾燥して、分散染料用の転写捺染用紙を作製した。この転写捺染用紙の糊塗布量は7.5g/m
2であった。
【0095】
得られた転写捺染用紙上に、分散染料グラビアインク液(C.I.Disperse Red92製品15%を配合し、水、セルロース系増粘剤、ポリビニルアルコール及びイソプロパノールを用いて粘度を80mPa・sに調整したインク)を、グラビア印刷機によってプリントを行い乾燥し転写捺染紙を得た。
【0096】
得られた転写捺染紙をポリエステルタフタ生地に密着させ、ハシマ社製平板プレス機を用いて加熱・加圧(215℃、シリンダー圧0.8MPa、40秒)して前記生地に染料を移行・固着した後、紙を除去してポリエステル捺染布を得た。この様にして得られたポリエステル捺染布は濃厚・繊細に染着しており、繊維の風合は良好であり、JISL0854による昇華堅牢性は(変)5級、(汚)4−5級であった。また、JISL0842による耐光堅牢度は5級以上であった。
【0097】
実施例14
実施例9に於けるハシマ社製平型昇華転写機の代わりに、ロール型昇華転写機を用い、熱ロールの表面温度210℃、ロール圧力2MPa(ニップ幅3cm)の条件で、生地(繊維材料)と転写捺染紙の熱ロール接触時間が30秒となるようにした以外は、実施例9と同様に処理した結果、良好な繊維材料の発色性を示した。
【0098】
実施例15
実施例9に於ける混合糊液(高粘度ペースト)の代わりにファインガムHEL−3:20部、EX−3:10部、EX−100:20部及び水400部を混合して作製した混合糊液を用いる以外は実施例9と同様に処理した結果、ポリエステル捺染布の発色性は良好で繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟で、耐光、昇華、汗、洗濯等の各種堅牢性も良好であった。
【0099】
実施例16
実施例9に於ける混合糊液(高粘度ペースト)の代わりにブリバイン(燐酸化澱粉、日澱化学社製)10%水溶液100部、FDアルギンBLの10%水溶液100部を混合して作製した混合糊液を用いる以外は実施例9と同様に処理した結果、ポリエステル捺染布の発色性は良好で繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟で、耐光、昇華、汗、洗濯等の各種堅牢性も良好であった。
【0100】
実施例17
加熱、加圧の条件を、転写温度190℃、転写圧力0.01MPa、時間60秒とした以外は、実施例9及び10と同様に処理した結果、発色性は実施例9及び10に比べて劣っていた。ただし、温度を200℃、圧力を0.02MPa、時間を3分としたところ発色性は良好となった。
【0101】
比較例5
転写捺染紙として市販の昇華転写捺染用紙JetcolTA(コールデンホーブ社製)を用いて実施例9の非昇華型分散染料からなるインクで印刷して転写捺染紙を得た。次いで、この転写捺染紙とポリエステルタフタと密着させて210℃、0.02MPa、40秒間で発色試験したところ発色性は不良であった。