(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173713
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】自動化手動変速機
(51)【国際特許分類】
F16H 3/089 20060101AFI20170724BHJP
F16H 3/72 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
F16H3/089
F16H3/72 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-32462(P2013-32462)
(22)【出願日】2013年2月21日
(65)【公開番号】特開2014-105856(P2014-105856A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0133902
(32)【優先日】2012年11月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】オー、ワン、ソー
(72)【発明者】
【氏名】イ、フン、ソク
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、ジェ、ウン
【審査官】
日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102010046766(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/089
F16H 3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチと連結されてエンジンの動力の伝達を選択的に受ける入力軸;
上記入力軸に平行した状態に配置される出力軸;
上記入力軸に対して相対回転するように備えられる第1補助ギア;
上記出力軸に備えられ、上記第1補助ギアと噛合って回転力を伝達される第2補助ギア;
三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジンから動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記第1補助ギアに連結されて回転するように構成された遊星ギア装置;及び
上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が、上記第1補助ギアに連結された回転要素と、上記第1補助ギア及び第2補助ギアを通じて出力軸に伝達されるように構成されたモータジェネレータ;を含み、
上記遊星ギア装置で、
上記エンジンから動力の伝達を受けて常時回転するように連結された回転要素はキャリアであり;
上記第1補助ギアに連結された回転要素はサンギアで;
上記モータジェネレータに連結された回転要素はリングギアである、自動化手動変速機。
【請求項2】
クラッチと連結されてエンジンの動力の伝達を選択的に受ける入力軸;
上記入力軸に平行した状態に配置される出力軸;
上記入力軸に対して相対回転するように備えられる第1補助ギア;
上記出力軸に備えられ、上記第1補助ギアと噛合って回転力を伝達される第2補助ギア;
三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジンから動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記第1補助ギアに連結されて回転するように構成された遊星ギア装置;及び
上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が、上記第1補助ギアに連結された回転要素と、上記第1補助ギア及び第2補助ギアを通じて出力軸に伝達されるように構成されたモータジェネレータ;を含み、
上記遊星ギア装置で、
上記エンジンから動力の伝達を受けて常時回転するように連結された回転要素はサンギアであり;
上記第1補助ギアに連結された回転要素はキャリアで;
上記モータジェネレータに連結された回転要素はリングギアである、自動化手動変速機。
【請求項3】
上記遊星ギア装置とモータジェネレータは、入力軸と同心軸をなして設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【請求項4】
上記入力軸と同心軸をなして上記入力軸と相対回転が可能なように連結軸が設置され;
上記連結軸の一端部は、上記第1補助ギアと連結され;
上記連結軸の他端部は、上記第1補助ギアと連結されるべき回転要素に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【請求項5】
上記遊星ギア装置は、シングルピニオン遊星ギア装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【請求項6】
上記モータジェネレータは、第1補助ギアと遊星ギア装置の間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【請求項7】
上記エンジンから動力の伝達を受ける回転要素は、クラッチカバーに連結されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【請求項8】
上記モータジェネレータは、車両の惰行走行時に発電可能に構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動化手動変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化手動変速機{AUTOMATED MANUAL TRANSMISSION}の変速過程で変速中に引っ張られるような変速感の低下現象を改善することができるようにした自動化手動変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動化手動変速機は、車両の運転中にアクチュエータによって自動的に変速がなされて自動変速機と類似の運転の便宜性を提供し、自動変速機より優れた動力伝達効率により車両の燃費向上に寄与することができる。
【0003】
しかし、同期噛合い式変速メカニズムを基盤とする自動化手動変速機の場合、アクチュエータによって自動的に変速がなされる中間でもギアの変速中にはエンジンの動力が断絶される瞬間が必然的に存在するようになる。
【0004】
図1は、従来技術による自動化手動変速機車両でエンジンの動力が断絶されるに伴うトルク低下曲線と、トルクが補償されたトルク補償曲線を比較して示した図面で、図面で図示されたように、従来の自動化手動変速機車両では、トルク低下によってまるで車両を後方に引っ張られるような変速感の低下現象を伴う、という問題点がある。
【0005】
一方、従来に韓国公開特許10−2010−0042964号公報として「自動化手動変速機」の技術が紹介されている。
【0006】
しかし、上記の従来技術もまたギアの変速中にエンジンの動力が断絶されるのに伴う変速感の低下現象を防止するには不足であった。
【0007】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景についての理解増進のためのものであるだけで、この技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許10−2010−0042964A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述したような従来の問題点を解決するために案出したものであり、手動変速メカニズムによる変速中にモータジェネレータによって出力軸に動力を提供することにより、変速中に発生するトルク低下をモータジェネレータから供給される動力で埋めてトルク低下を防止するようにする自動化手動変速機を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明の構成は、入力軸に対して相対回転するように備えられ、出力軸に備えられ互いに対して噛合い状態に設けられて回転力を伝達する一対の補助ギア; 三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジンから動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記入力軸に備えられた補助ギアと連結されて回転するように構成された遊星ギア装置;及び上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が上記一対の補助ギアを通じて出力軸に伝達されるように構成されたモータジェネレータ;を含むことを特徴とすることができる。
【0011】
本発明の構成は、クラッチと連結されてエンジンの動力の伝達を選択的に受ける入力軸; 上記入力軸に平行した状態に配置される出力軸; 上記入力軸に対して相対回転するように備えられる第1補助ギア; 上記出力軸に備えられ、上記第1補助ギアと噛合って回転力を伝達する第2補助ギア; 三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジンから動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記第1補助ギアに連結されて回転するように構成された遊星ギア装置;及び上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が、上記第1補助ギアに連結された回転要素と、上記第1補助ギア及び第2補助ギアを通じて出力軸に伝達されるように構成されたモータジェネレータ;を含むことを特徴とすることができる。
【0012】
上記遊星ギア装置で、上記エンジンから動力の伝達を受けて常時回転するように連結された回転要素はキャリアであり; 上記第1補助ギアに連結された回転要素はサンギアで; 上記モータジェネレータに連結された回転要素はリングギアであることができる。
【0013】
上記遊星ギア装置で、上記エンジンから動力の伝達を受けて常時回転するように連結された回転要素はサンギアであり; 上記第1補助ギアに連結された回転要素はキャリアで; 上記モータジェネレータに連結された回転要素はリングギアであることができる。
【0014】
上記遊星ギア装置とモータジェネレータは、入力軸と同心軸をなして設置されることができる。
【0015】
上記入力軸と同心軸をなして上記入力軸と相対回転が可能なように連結軸が設置され; 上記連結軸の一端部は、上記第1補助ギアと連結され; 上記連結軸の他端部は上記第1補助ギアと連結された回転要素に連結されることができる。
【0016】
上記遊星ギア装置は、シングルピニオン遊星ギア装置であることができる。
【0017】
上記モータジェネレータは、第1補助ギアと遊星ギア装置の間に配置されることができる。
【0018】
上記エンジンから動力の伝達を受ける回転要素は、クラッチカバーに連結されることができる。
【0019】
上記モータジェネレータは、車両の惰行走行時に発電可能に構成されることができる。
【発明の効果】
【0020】
上記した課題解決手段によって本発明は、自動化手動変速機の変速過程でモータジェネレータによる回転動力が遊星ギア装置を通じて出力軸に供給されることにより、変速中に発生するトルクの低減現象をモータジェネレータから供給される回転動力で埋めてトルク低下現象を除去するところ、柔らかく安定した変速感を形成して、車両の商品性を向上させる効果がある。
【0021】
また、車両の惰行走行時、ホイールから出力軸に伝達される回転力が遊星ギア装置を通じてモータジェネレータに逆転して入力されることにより、上記モータジェネレータによって発電することができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、従来技術による自動化手動変速機車両でエンジンの動力が断絶されるに伴うトルク低下曲線と、トルクが補償されたトルク補償曲線を比較して示した図面。
【
図2】
図2は、本発明による自動化手動変速機でトルクの補償のための遊星ギア装置及びモータジェネレータの第1実施例の構造を示した図面。
【
図3】
図3は、本発明による自動化手動変速機でトルクの補償のための遊星ギア装置及びモータジェネレータの第2実施例の構造を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の望ましい実施例を添付された図面によって詳しく説明すれば次の通りである。
【0024】
図2は、本発明による自動化手動変速機でトルクの補償のための遊星ギア装置PG及びモータジェネレータ30の第1実施例の構造を示した図面であり、
図3は、本発明による自動化手動変速機でトルクの補償のための遊星ギア装置PG及びモータジェネレータ30の第2実施例の構造を示した図面である。
【0025】
図2及び
図3を参照すれば、本発明の自動化手動変速機は、大きく、一対の補助ギアと、遊星ギア装置PG及びモータジェネレータ30を含んで構成される。
【0026】
具体的には、入力軸INPUTに対して相対回転するように備えられ、出力軸OUTPUTに備えられ互いに対して噛合い状態で設けられて回転力を伝達する一対の補助ギア; 三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジン40から動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記入力軸INPUTに備えられた補助ギアと連結されて回転するように構成された遊星ギア装置PG;及び上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が上記一対の補助ギアを通じて出力軸OUTPUTに伝達されるように構成されたモータジェネレータ30;を含んで構成されることができる。
【0027】
別の見方をすれば、本発明の自動化手動変速機は、大きく、入力軸INPUTと、出力軸OUTPUTと、第1補助ギア10と、第2補助ギア20と、遊星ギア装置PG及びモータジェネレータ30を含んで構成される。
【0028】
図2及び
図3を参照すれば、クラッチと連結されてエンジン40の動力の伝達を選択的に受ける入力軸INPUT; 上記入力軸INPUTに平行した状態に配置される出力軸OUTPUT; 上記入力軸INPUTに対して相対回転するように備えられる第1補助ギア10; 上記出力軸OUTPUTに備えられ、上記第1補助ギア10と噛合って回転力を伝達する第2補助ギア20; 三つ以上の回転要素が設けられ、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジン40から動力の伝達を受けて常時回転し、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記第1補助ギア10に連結されて回転するように構成された遊星ギア装置PG;及び上記残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結され、ギアの変速時に上記他のもう一つの回転要素に回転動力を提供することにより、上記回転動力が、上記第1補助ギア10に連結された回転要素と、上記第1補助ギア10及び第2補助ギア20を通じて出力軸OUTPUTに伝達されるように構成されたモータジェネレータ30;を含んで構成されることができる。
【0029】
上記した技術構成に敷衍すれば、まず入力軸INPUTは、上記クラッチと連結されるもので、クラッチの連結及び連結解除動作によってエンジン40の動力の伝達を選択的に受けて回転する。
【0030】
上記出力軸OUTPUTは、上記入力軸INPUTと平行した状態に配置されるもので、上記入力軸INPUTと出力軸OUTPUTには、手動変速メカニズムの変速段ギア装置が設置される。すなわち、各変速段を形成するギア対が互いに対をなすように配置され、上記各ギア対の間には部分的に同期装置が設置されることにより、上記同期装置を通じて上記ギア対を同期化及び噛合うように操作するようになるところ、変速がなされるようになる。
【0031】
このような手動変速メカニズムによって車両の走行時にはエンジン40の動力が入力軸INPUTに伝達され、入力軸INPUTに伝達された回転力が変速段ギア対に伝達されて変速がなされ、変速された回転力が出力軸OUTPUTに伝達されながら駆動輪側に回転力を伝達することができるようになる。
【0032】
上記第1補助ギア10は、上記入力軸INPUTに対して相対回転するように設置されるもので、遊星ギア装置PGの回転要素のうち一つの回転要素と連結されて、上記回転要素が回転するに伴って上記第1補助ギア10が共に回転する。
【0033】
ここで上記第1補助ギア10は、入力軸INPUTによって上記回転要素と連結されることができる。すなわち、上記入力軸INPUTを囲む形状で上記入力軸INPUTと同心軸をなすように連結軸12が設置されるが、上記連結軸12は、入力軸INPUTと相対回転が可能なように設置される。
【0034】
そして、上記連結軸12の一端部は上記第1補助ギア10と連結され、上記連結軸12の他端部は上記第1補助ギア10と連結した回転要素に連結されるところ、上記第1補助ギア10が入力軸INPUTの回転動作とは別個に回転動作することができ、望ましくはニードルベアリング又はブッシュであることができる。
【0035】
また、第2補助ギア20は上記出力軸OUTPUTに備えられて、上記出力軸OUTPUTと共に回転するもので、上記第1補助ギア10と噛合って回転するように噛合わされる。これで、遊星ギア装置PGから第1補助ギア10に伝達される回転力を第2補助ギア20を通じて出力軸OUTPUTに伝達するのは勿論、出力軸OUTPUTから第2補助ギア20に伝達される回転力を第1補助ギア10を通じて遊星ギア装置PGの一つの回転要素と連結されたモータジェネレータ30に伝達するようになる。
【0036】
上記遊星ギア装置PGは、三つ以上の回転要素が設けられて構成され、上記回転要素のうち一つの回転要素がエンジン40から動力の伝達を受けて常時回転する。そして、残りの回転要素のうち一つの回転要素が上記第1補助ギア10に連結されて回転し、他のもう一つの回転要素はモータジェネレータ30に連結される。
【0037】
すなわち、上記回転要素はサンギアSと、キャリアCと、リングギアRであり、上記三つの回転要素がエンジン40、第1補助ギア10、モータジェネレータ30にそれぞれ独立的に連結されることができる。
【0038】
ここで、上記遊星ギア装置PGは、中心軸から半径方向にサンギアS、キャリアC、リングギアRが設置されたシングルピニオン遊星ギア装置であることができる。
【0039】
このような遊星ギア装置PGは、上記入力軸INPUTに同心軸をなして設置されることができる。すなわち、上記遊星ギア装置PGが入力軸INPUTに設置されることができる。
【0040】
図2を参照して、上記回転要素の連結構造についての第1実施例の構成を詳察すれば、上記エンジン40から動力の伝達を受けて常時回転するように連結される回転要素はキャリアCであり、上記第1補助ギア10に連結された回転要素はサンギアSで、上記モータジェネレータ30に連結された回転要素はリングギアRであることができる。
【0041】
また、
図3を参照して、上記回転要素の連結構造についての第2実施例構成を詳察すれば、上記エンジン40から動力の伝達を受けて常時回転するように連結された回転要素はサンギアSであり、上記第1補助ギア10に連結された回転要素はキャリアCで、上記モータジェネレータ30に連結された回転要素はリングギアRであることができる。
【0042】
ここで、上記エンジン40から動力の伝達を受ける回転要素はクラッチカバー50と連結されることができる。すなわち、上記クラッチカバー50はエンジン40のフライホイールと結合されて上記エンジン40と共に常時回転するところ、上記クラッチカバーに上記回転要素が連結されて上記回転要素が常時回転するようにするものである。
【0043】
すなわち、
図2の実施例の場合、上記クラッチカバー50と連結される回転要素はキャリアCであり、
図3の実施例の場合、上記クラッチカバー50と連結される回転要素はサンギアSである。
【0044】
上記モータジェネレータ30は、上記遊星ギア装置PGの残りの回転要素のうち他のもう一つの回転要素と連結されるもので、上記したようにリングギアRと連結される。これで、上記ギアの変速時、上記リングギアRに回転動力を提供することにより、上記回転動力が上記第1補助ギア10に連結された回転要素を経ながら、上記第1補助ギア10及び第2補助ギア20を通じて出力軸OUTPUTに伝達されるようになる。
【0045】
すなわち、ギアの変速時にはエンジン40の動力がクラッチによって連結解除されて入力軸INPUTに回転動力が伝達されなくなる。この時、モータジェネレータ30によって出力軸OUTPUTに動力が伝達されることができるようにする、より具体的には、変速中にクラッチ及び同期装置の作用によって動力が遮断される瞬間にモータジェネレータ30の回転動力が遊星ギア装置PGと一対の補助ギアを通じて上記出力軸OUTPUTに伝達されることができるようにすることにより、変速中のトルク低下現象を防止することができるようにするものである。
【0046】
ここで、上記モータジェネレータ30は入力軸INPUTと同心軸をなして設置されることができ、上記モータジェネレータ30は第1補助ギア10と遊星ギア装置PGの間に配置されることができる。
【0047】
特に、上記モータジェネレータ30は、車両の惰行走行時に発電可能に構成されることができる。すなわち、車両の惰行走行時、ホイールから出力軸OUTPUTに伝達される回転力が第2補助ギア20を通じて第1補助ギア10に伝達されることにより、上記第1補助ギア10と連結された回転要素が回転しながらリングギアRを回転させるようになる。よって、上記リングギアRと連結されたモータジェネレータ30によって発電することができるようになる。
【0048】
図2及び
図3によって本発明の作用及び効果を説明する。
【0049】
図2を参照すれば、車両のギア変速時に、クラッチ及び同期装置の連結解除作用によってエンジン40の動力が出力軸OUTPUTに伝達されなくなる。
【0050】
この時、モータジェネレータ30から回転動力がリングギアRに供給されて、リングギアRが回転し、上記リングギアRが回転するに伴ってキャリアCを媒介としてサンギアSが共に回転することができるようになる。ここで、上記キャリアCはエンジン40に連結されて常時回転しているところ、リングギアRの回転動力がキャリアCを通じてサンギアSに伝達されるものである。
【0051】
そうすると、上記サンギアSは第1補助ギア10と連結されて上記第1補助ギア10が共に回転し、上記第1補助ギア10は第2補助ギア20と噛合っているため、第2補助ギア20と共に出力軸OUTPUTが回転する。
【0052】
図3を参照すれば、車両のギア変速時に、クラッチ及び同期装置の連結解除作用によってエンジン40の動力が出力軸OUTPUTに伝達されなくなる。
【0053】
この時、モータジェネレータ30から回転動力がリングギアRに供給されて、リングギアRが回転し、上記リングギアRが回転するに伴ってキャリアCが共に回転する。ここで、サンギアSはエンジン40に連結されて常時回転しているところ、リングギアRの回転動力がキャリアCに伝達して回転することができるようになる。
【0054】
そうすると、上記キャリアCは第1補助ギア10と連結されて上記第1補助ギア10が共に回転し、上記第1補助ギア10は第2補助ギア20と噛合っているため、第2補助ギア20と共に出力軸OUTPUTが回転する。
【0055】
このような構成によって、ギアの変速中にモータジェネレータ30の回転動力が出力軸OUTPUTに伝達されることにより、ギアの変速時に発生するトルクの断絶感を解消して変速感が改善されるのである。
【0056】
一方、本発明は上記した具体的な例についてのみ詳しく説明されたが、本発明の技術思想範囲内で多様な変形及び修正が可能なことは当業者において明白なことであり、このような変形及び修正が添付された特許請求範囲に属するのは当然なことである。
【符号の説明】
【0057】
10 : 第1補助ギア 20 : 第2補助ギア
30 : モータジェネレータ 40 : エンジン
50 : クラッチカバー INPUT : 入力軸
OUTPUT : 出力軸 PG : 遊星ギア装置
S : サンギア C : キャリア
R : リングギア