(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173717
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】仮想空間移動ゲーム装置及びゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/537 20140101AFI20170724BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20170724BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20170724BHJP
【FI】
A63F13/537
A63F13/58
A63F13/837
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-38729(P2013-38729)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-158640(P2014-158640A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/766,963
(32)【優先日】2013年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(72)【発明者】
【氏名】樽見 俊明
【審査官】
古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−014928(JP,A)
【文献】
特開2008−093309(JP,A)
【文献】
特開2002−336543(JP,A)
【文献】
特開2005−034208(JP,A)
【文献】
特開2001−137537(JP,A)
【文献】
BANDAI NAMCO Games Books 37 PlayStation 3対応 テイルズ オブ エクシリア 公式コンプリートガイド,株式会社バンダイナムコゲームス,2011年10月13日,初版,p.024−027
【文献】
GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動,電撃PlayStation ,アスキー・メディアワークス,2012年 2月 9日,第18巻,第7号,通巻584号,p.227−218
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元仮想空間内の、プレイヤによる操作が可能な操作キャラクタをレンダリングすることで2次元ゲーム画像を生成してディスプレイに表示する仮想空間移動ゲーム装置において、
操作キャラクタパラメータが複数種類設定された、前記操作キャラクタを前記3次元仮想空間内のステージ上に配置し、前記プレイヤの操作に応じて移動させて背景画像と共に仮想カメラでレンダリングして前記2次元ゲーム画像を生成するレンダリング手段、
前記操作キャラクタが前記ステージ上を移動する際には、前記レンダリング手段によりレンダリングした前記2次元ゲーム画像のみを前記ディスプレイに表示するゲーム画像表示手段、
前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像を前記ディスプレイに表示中であるか否かを判定するレンダリング判定手段、
前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記ディスプレイへの表示が行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタについての前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するパラメータ変化検出手段、
前記変動が検出された前記操作キャラクタパラメータについてのみ、当該操作キャラクタパラメータに対応するインジケータを所定時間、前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像上に表示するインジケータ表示手段を有し、
前記操作キャラクタパラメータに変動が生じない限り、該操作キャラクタパラメータに対応する前記インジケータが前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像上に表示されないようにしたことを特徴とする、仮想空間移動ゲーム装置。
【請求項2】
前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像の前記ディスプレイへの表示が行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタが前記ステージ上で戦闘中であるか否かを判定する戦闘状態判定手段を有し、
前記パラメータ変化検出手段は、前記戦闘状態判定手段が、前記操作キャラクタが前記ステージ上で戦闘中であると判定した場合に、前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するようにした、
ことを特徴とする請求項1記載の仮想空間移動ゲーム装置。
【請求項3】
前記ステージ上に敵ターゲットを配置するターゲット配置手段、
前記操作キャラクタにシューティング武器を入力部からのコマンド入力に応じて装備自在な武器装備手段、
前記ステージ上の操作キャラクタと敵ターゲットとの間で前記シューティング武器による戦闘処理を行う戦闘処理手段、
有する、請求項1記載の仮想空間移動ゲーム装置。
【請求項4】
前記インジケータ表示手段は、前記インジケータを数秒間、前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像上に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の仮想空間移動ゲーム装置。
【請求項5】
3次元仮想空間内の、プレイヤによる操作が可能な操作キャラクタをレンダリングすることで2次元ゲーム画像を生成してディスプレイに表示するコンピュータにおいて、
該コンピュータを、
操作キャラクタパラメータが複数種類設定された、前記操作キャラクタを前記3次元仮想空間内のステージ上に配置し、前記プレイヤの操作に応じて移動させて背景画像と共に仮想カメラでレンダリングして前記2次元ゲーム画像を生成するレンダリング手段、
前記操作キャラクタが前記ステージ上を移動する際には、前記レンダリング手段によりレンダリングした前記2次元ゲーム画像のみを前記ディスプレイに表示するゲーム画像表示手段、
前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像を前記ディスプレイに表示中であるか否かを判定するレンダリング判定手段、
前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記ディスプレイへの表示が行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタについての前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するパラメータ変化検出手段、
前記変動が検出された前記操作キャラクタパラメータについてのみ、当該操作キャラクタパラメータに対応するインジケータを所定時間、前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像上に表示するインジケータ表示手段、として機能させるためのプログラムであり、
前記コンピュータを、操作キャラクタパラメータに変動が生じない限り、該操作キャラクタパラメータに対応する前記インジケータが前記レンダリング手段によるレンダリングによる前記2次元ゲーム画像上に表示されないように制御することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HP、MP、経験値、残弾数などの、操作キャラクタに関連する操作キャラクタパラメータが、該操作キャラクタが移動する3次元仮想空間をレンダリングした2次元ゲーム画像に表示されることの無い、仮想空間移動ゲーム装置及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG、シューティングゲームなどにおいては、3次元仮想空間内で操作キャラクタをプレイヤが移動させて、敵キャラクタ等の非操作キャラクタとの間で、戦闘など所定の動作を行わせるシナリオが用いられる。
この際、HP、MP、経験値、残弾数などの、操作キャラクタに関連する操作キャラクタパラメータは、通常画面の周辺部に常時表示され、プレイヤが何時でも、そうした操作キャラクタパラメータを確認できるような構成が取られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2007−29222
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これでは、操作キャラクタパラメータが常時画面に表示されているために、バーチャル空間内のオブジェクトを実際の対象物に似せて如何に精巧に作ってレンダリングしても、画面周囲に表示される操作キャラクタパラメータがそうしたリアリティを阻害してしまい、ゲームの興趣が阻害されてしまう不都合があった。
【0005】
しかし、操作キャラクタパラメータを一切、シナリオゲーム画面に表示せず、プレイヤが入力部を操作して要求した場合にのみ表示するように構成すると、そうしたパラメータに変動が生じる戦闘場面などにおいて、プレイヤは通常の戦闘動作のためのコマンド入力に加えて、操作キャラクタパラメータの表示を要求するコマンド入力の必要性が生じて、極めて操作性の悪いゲームとなってしまう不都合があった。
【0006】
そこで、本発明は、3次元仮想空間をレンダリングした2次元ゲーム画像でのHP、MP、経験値、残弾数などの、操作キャラクタに関連する操作キャラクタパラメータの表示を極力無くすことが出来、また、操作キャラクタパラメータの変動があった場合には、適切にそれを該2次元ゲーム画像上に表示することの出来るバーチャル空間移動ゲーム装置及びゲームプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、3次元仮想空間内に構築されたステージ上にプレイヤによる操作が可能な、操作キャラクタパラメータ(HP、MP、残弾数、ダメージ、経験値など)が複数種類設定された操作キャラクタ(PC)を配置し、該ステージを仮想カメラでレンダリングすることで2次元ゲーム画像(PT)を生成してディスプレイ(11)に表示する仮想空間移動ゲーム装置(1)において、
前記ステージを仮想カメラでレンダリングを行って前記2次元ゲーム画像(PT)を前記ディスプレイ(11)に表示中であるか否かを判定するレンダリング判定手段(5)、
前記レンダリングによる前記ディスプレイ(11)への表示が行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタについての前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するパラメータ変化検出手段(10)、
前記変動が検出された前記操作キャラクタパラメータについのみ、当該操作キャラクタパラメータに対応するインジケータ(16,17,19)を所定時間、前記2次元ゲーム画像(PT)上に表示するインジケータ表示手段(7)を有し、
前記操作キャラクタパラメータに変動が生じない限り、該操作キャラクタパラメータに対応する前記インジケータが前記2次元ゲーム画像(PT)上に表示されないようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第2の観点は、前記レンダリングが行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタ(PC)が前記ステージ上で戦闘中であるか否かを判定する戦闘状態判定手段(13)を有し、
前記パラメータ変化検出手段(10)は、前記戦闘状態判定手段(13)が、前記操作キャラクタ(PC)が前記ステージ上で戦闘中であると判定した場合に、前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するようにした、ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第3の観点は、前記ステージ上に敵ターゲットを配置するターゲット配置手段(5)、
前記操作キャラクタにシューティング武器(GN)を入力部(12)からのコマンド入力に応じて装備自在な武器装備手段(5)、
前記ステージ上の操作キャラクタ(PC)と敵ターゲットとの間で前記シューティング武器(GN)による戦闘処理を行う戦闘処理手段(5)、
を有する、ことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第4の観点は、前記インジケータ表示手段(7)は、前記インジケータを所定秒間、前記2次元ゲーム画像(PT)上に表示した後、消去する、
ことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第5の観点は、3次元仮想空間内に構築されたステージ上にプレイヤによる操作が可能な、操作キャラクタパラメータ(HP、MP、残弾数、ダメージ、経験値など)が複数種類設定された操作キャラクタ(PC)を配置し、該ステージを仮想カメラでレンダリングすることで2次元ゲーム画像(PT)を生成してディスプレイ(11)に表示するコンピュータ(1)において、
該コンピュータ(1)を、
前記ステージを仮想カメラでレンダリングを行って前記2次元ゲーム画像(PT)を前記ディスプレイに表示中であるか否かを判定するレンダリング判定手段(5)、
前記レンダリングによる前記ディスプレイ(11)への表示が行われていると判定された場合に、前記操作キャラクタについての前記操作キャラクタパラメータの変動を検出するパラメータ変化検出手段(10)、
前記変動が検出された前記操作キャラクタパラメータについのみ、当該操作キャラクタパラメータに対応するインジケータ(16,17,19)を所定時間、前記2次元ゲーム画像(PT)上に表示するインジケータ表示手段(7)、
として機能させるためのプログラムであり、
前記コンピュータを、操作キャラクタパラメータに変動が生じない限り、該操作キャラクタパラメータに対応する前記インジケータが前記2次元ゲーム画像(PT)上に表示されないように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1及び第5の観点によれば、ステージをレンダリングしている間は、操作キャラクタ(PC)の操作キャラクタパラメータは、その値に変動が生じない限り、2次元ゲーム画像(PT)上に表示されないので、2次元ゲーム画像は、純粋にステージをレンダリングした画像のみから構成することが出来、2次元ゲーム画像(PT)のリアリティを大幅に向上させることが出来る。また、操作キャラクタパラメータが変動した場合には、所定時間対応するインジケータが表示されるので、いちいちプレイヤが操作キャラクタパラメータの表示を要求するコマンドを入力する必要も無く、ストレスの無いゲームの進行が可能となる。
【0013】
本発明の第2の観点によれば、操作キャラクタパラメータの変動は、操作キャラクタ(PC)が敵ターゲットと戦闘中に生じることが多いので、非戦闘中の無駄な演算処理を省くことが出来る。
【0014】
本発明の第3の観点によれば、シューティング武器(GN)を用いたシューティングゲームの提供が可能となる。
【0015】
本発明の第4の観点によれば、インジケータは所定秒間だけの表示なので、2次元ゲーム画像(PT)のリアリティを阻害することを少なくすることが出来る。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、三人称シューティングゲームにける2次元ゲーム画像の一例を示す図。
【
図2】
図2は、
図1の画像で、リロードインジケータが表示されている画像の一例を示す図。
【
図3】
図3は、
図1の画像で、照準が表示されている画像の一例を示す図。
【
図4】
図4は、
図1の画像で、経験値インジケータが表示されている画像の一例を示す図。
【
図5】
図5は、
図1の画像で、ダメージインジケータが表示されている画像の一例を示す図。
【
図6】
図6は、
図1の画像で、残弾数インジケータが表示されている画像の一例を示す図。
【
図7】
図7は、バーチャル空間移動ゲーム装置の一例を示す制御ブロック図。
【
図8】
図8は、キャラクタ行動解析プログラムの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0018】
コンピュータを構成するバーチャル空間移動ゲーム装置1は、
図7に示すように、主制御部2を有しており、主制御部2には、バス線3を介してシナリオ進行制御部5、プログラムメモリ6、パラメータ表示制御部7、パラメータメモリ9、パラメータ変化監視部10、ディスプレイ11、コントローラやキーボードなどの入力部12、キャラクタ行動監視部13及び、画像表示制御部15を有している。
【0019】
また、
図7に示すバーチャル空間移動ゲーム装置1は、実際にはコンピュータが、プログラムメモリ6に格納されたシューティングゲーム等のゲームプログラムGPRを読み出して実行することで、図示しないCPUやメモリが、マルチタスクにより時分割的に動作し、
図7に示す各ブロックに示された機能を実行してゆくこととなる。しかし、バーチャル空間移動ゲーム装置1を、各ブロックに対応したハードウエアで構成することも可能であり、また各ブロックを各ブロックに分散的に設けられたCPU又はMPUにより制御するように構成することも可能である。
【0020】
バーチャル空間移動ゲーム装置1は、以上のような構成を有するので、バーチャル空間移動ゲーム装置1を用いて、例えばシューティングゲームを実行する場合には、プレイヤからのプレイ開始のコマンドなどに基づいて、主制御部2がプログラムメモリ6からゲームプログラムGPRを読み出し、該読み出されたゲームプログラムGPRに基づいて、主制御部2はシナリオ進行制御部5を介してゲームの進行を制御する。なお、プログラムメモリ6に格納されたゲームプログラムGPRは、インターネットなどの通信回線を介したダウンロードや、ゲームプログラムGPRを格納した各種のメモリ媒体から、読み込まれることで、仮想空間移動ゲーム装置1のプログラムメモリ6に格納される。
【0021】
シナリオ進行制御部5は、ゲームプログラムGPRに基づいて図示しないメモリ内の3次元仮想空間内に複数のステージを構築し、当該ステージ上にプレイヤが入力部10を介して操作することの出来る操作キャラクタPC及びゲームプログラムGPRにより主制御部2を介して所定の行動アルゴリズムにより制御されるAI操作キャラクタ(敵キャラクタなど)を必要数だけ、配置する。本実施例では、操作キャラクタPCは、当該ステージ上をゲームプログラムGPRで規定された範囲でプレイヤの操作により自由に移動することが出来る。
【0022】
こうして、3次元仮想空間内にステージが完成すると、画像表示制御部15がゲームプログラムGPRに基づいて、ステージ上の操作キャラクタPCの近傍に配置された図示しない仮想カメラによって、当該ステージをリアルタイムでレンダリングして、2次元ゲーム画像PTを生成し、ディスプレイ11に
図1に示すように表示する。
図1の2次元ゲーム画像PT1(各ゲーム画像を区別する必要がある場合には、ゲーム画像PTn:n=1,2……nで表示し、区別する必要が無いときは、単にゲーム画像PTと表示する)には、プレイヤにより操作される操作キャラクタPCのレンダリング画像と、操作キャラクタPCが移動しているステージ上に構築された建物等の背景オブジェクトJTのレンダリング画像が表示されている。背景オブジェクトJTとしては、
図1の場合、操作キャラクタPCが移動可能な通路ALやその周辺の壁WLが表示されている。操作キャラクタPCは、ゲームプログラムGPRに基づいてシナリオ進行制御部5により、銃や弓などのシューティング武器GNを、入力部10を介したプレイヤのコマンド入力操作により装備自在に所持している。そして、プレイヤは当該シューティング武器GNを同様に入力部10を介して操作することで、ステージ上の適宜なオブジェクトに対して照準し、射撃することが出来る。その結果、AI操作キャラクタとしての敵キャラクタに対してゲームプログラムGPRで規定されたダメージを与えることが出来る。具体的なダメージ量、及びダメージ発生のタイミングは、ゲームプログラムGPRに基づいてシナリオ進行制御部5が公知の手法で演算する。
【0023】
操作キャラクタPCが、シューティング武器GNによりAI操作キャラクタである敵キャラクタ等の敵ターゲットを撃破した場合などにはゲームプログラムGPRに規定された所定の経験値を得ることが出来、それら取得した経験値はパラメータメモリ9に格納された積算経験値のデータに対して、シナリオ進行制御部5により加算される形で更新される。積算経験値の値が所定の値に達する度に操作キャラクタPCのレベルがレベルアップし、操作キャラクタPCはより高い能力を身につけることが出来るように、ゲームプログラムGPRにより主制御部2を介して制御される。
【0024】
また、ステージ上には、既に述べたように図示ない敵ターゲットとしてのAI操作キラクタがゲームプログラムGPRに基づいてシナリオ進行制御部5により配置されており、それらAI操作キャラクタも、通路ALなどのゲームプログラムGPRによりキャラクタが移動可能な場所として設定されている場所を、当該AI操作キャラクタに設定されているゲームプログラムGPRのアルゴリズムに従って、自由に移動することができ、更に必要に応じて操作キャラクタPCに対してシューティング武器などを用いて攻撃を行って、操作キャラクタPCに対してゲームプログラムGPRに基づくダメージを与えることが出来る。この場合、操作キャラクタPCに設定されているHPが与えられたダメージに相当する量だけ、減算される。具体的なダメージ量、及びダメージ発生のタイミングは、ゲームプログラムGPRに基づいてシナリオ進行制御部5が公知の手法で演算する。即ち、本ゲームは、操作キャラクタPCと敵ターゲットとの間で、ゲームプログラムGPRに基づいて、シューティング武器GNを用いた戦闘処理がシナリオ進行制御部5を介して行われる、所謂シューティングゲームである。
【0025】
更に、操作キャラクタPCが装備可能なシューティング武器GNには、それぞれ一度に射撃することの出来る射撃可能弾数がゲームプログラムGPRにより設定されており、プレイヤは操作キャラクタPCを操作してシューティング武器GNを使用して弾丸や矢などを射撃する度に、射撃可能弾数(残弾数)が減少してゆく。ある時点の操作キャラクタPCのシューティング武器GNによって射撃可能弾数は、ゲームプログラムGPRによりシナリオ進行制御部5が、パラメータメモリ9に残弾数としてリアルタイムで管理しており、残弾数が0又は、所定の数以下となると、プレイヤはゲームプログラムGPRに基づいた所定のリロード操作を、入力部10を介して行うことで、ゲームプログラムGPRで規定されたリロード弾数に射撃可能弾数をリセットすることが出来る。
【0026】
プレイヤは、3次元仮想空間内のステージ上を操作キャラクタPCを操作して移動しながら、同様にステージ上に現れるAI操作キャラクタとしての敵キャラクタをシューティング武器GNで撃破しながら、複数設けられたステージを順次クリアしてゆく。こうしたゲームは、3人称シューティングゲームとして、公知である。プレイヤが操作キャラクタPCを操作してステージ上を移動すると、操作キャラクタPCのステージ上での動きに同期する形で、レンダリング用のカメラも移動し、その結果、ディスプレイ11には、操作キャラクタPCのステージ上での現在位置に対応した背景画像がレンダリングされて、例えば壁WLや通路ALなどとして表示される。
【0027】
このように、操作キャラクタPCがステージ上を移動する際に表示されるゲーム画像PTは、
図1に示すように、3次元仮想空間内に設定されたステージを仮想カメラによってレンダリングした2次元ゲーム画像PTのみが表示され、それ以外の、操作キャラクタPCに設定された固有の変動パラメータである、HP(ヒットポイント:キャラクタPCが耐えられるダメージ量。HPが「0」になると戦闘不能となる)、MP(マジックポイント:キャラクタが特殊能力を使うために消費する「魔力(精神力)」の量を表す数値。MPが「0」になると、「魔力(精神力)」は使用できなくなる)、経験値、残弾数などの複数種類の操作キャラクタパラメータや、アイコン、マップなどの各種インジケータ類は表示されることはない。従って、ディスプレイ11に表示されるゲーム画像PTは、
図1に示すように、操作キャラクタPC周辺の情景のみとなり、プレイヤは大きな臨場感を味わうことが出来る。
【0028】
しかし、この状態では、プレイヤは、ディスプレイ11に表示される2次元ゲーム画像PTから操作キャラクタPCの操作キャラクタパラメータを知ることは出来ない。そこで、シナリオ進行制御部5は、ゲームプログラムGPRに基づいて、キャラクタ行動解析プログラムCAP(ゲームプログラムGPRの一部を構成するサブルーチン)を、3次元仮想空間のステージにおける仮想カメラによるレンダリング中、実行する処理を行う。
【0029】
即ち、キャラクタ行動解析プログラムCAPは、
図8に示すように、ステップS1で、現在、画像表示制御部15による3次元仮想空間のステージ上での仮想カメラによるリアルタイムレンダリングが行われ、それによってディスプレイ11に
図1に示すような、操作キャラクタPC及び背景オブジェクトが2次元ゲーム画像PTとして表示されているか否かを判定する。行われていない場合には、ステップS1を繰り返し、行われている場合には、ステップS2に入る。
【0030】
ステップS2では、操作キャラクタPCが当該操作キャラクタPCが配置されたステージ上で現在戦闘中であるか否かを、キャラクタ行動監視部13を介して判定する。これは、例えば操作キャラクタPCがAI操作キャラクタである敵キャラクタとシューティング武器GNを使用して戦闘中であった場合などには、その戦闘に際したシューティング武器GNの使用により操作キャラクタPCのHP、MP、残弾数、経験値などの操作キャラクタパラメータが変化する可能性があることを意味している。また、戦闘の結果、敵キャラクタを撃滅して、所定の経験値を得る場合も予定される。キャラクタ行動監視部13での操作キャラクタPCが戦闘中であるか否かの判定基準としては、多様な判定基準が考えられるが、例えば、操作キャラクタPCが配置されている3次元仮想空間の同一ステージに敵キャラクタが存在しているか否かを判定し、敵キャラクタがひとり以上、当該ステージに配置されている場合には、戦闘中と判定するように構成することも可能である。敵キャラクタは、ゲームプログラムGPRに基づいてシナリオ進行制御部5が配置するので、敵キャラクタの有無は容易に判定することが出来る。なお、操作キャラクタPCが敵キャラクタを撃滅して当該ステージ上に敵キャラクタがいなくなった場合には、ステップS2の判定は戦闘中ではなくなる。
【0031】
ステップS2で、キャラクタ行動監視部13により操作キャラクタPCが戦闘中と判定された場合には、ステップS3に入り、パラメータ変化監視部10を介して操作キャラクタPCのHP、MP、残弾数、経験値などの操作キャラクタパラメータに変化が有ったか否かを監視する。この監視は、ステップS2での戦闘中の判定が無くなるまで、即ち、戦闘が終了するまで継続的に行われる。操作キャラクタPCの操作キャラクタパラメータは、ゲームプログラムGPRによりシナリオ進行制御部5がパラメータメモリ9内に、リアルタイムで更新管理しているので、何らかの操作キャラクタパラメータに変化があった場合は、当該パラメータメモリ9内の操作キャラクタパラメータの変化を監視することで、直ちに検出することが出来る。
【0032】
即ち、敵キャラクタを撃破して、所定の経験値を得たり、敵キャラクタから攻撃されて操作キャラクタPCのHPが所定量減少したり、敵キャラクタをシューティング武器GNで射撃して残弾数が減少したり、操作キャラクタPCが何らかのMPを消費する動作を行ったりした場合は、それらに対応する操作キャラクタパラメータが変動するので、ステップS4に入り、パラメータ表示制御部7が、ゲームプログラムGPRに基づいて当該変動が検出された操作キャラクタパラメータについてのみ、一定時間、例えば数秒間だけ、ディスプレイ11に表示する。
【0033】
すると、それまで
図1に示すように、ステージを仮想カメラによってレンダリングした2次元ゲーム画像PT1のみが表示されていたディスプレイ11上の画面には、例えば、
図4の2次元ゲーム画像PT2に示すように、変化が検出された操作キャラクタパラメータ(経験値)に対応する経験値インジケータ16が数秒間表示された後、消去され、プレイヤが戦闘で得た経験値16aが一時的に表示される。あるいは、
図5の2次元ゲーム画像PT3示すように、変化が検出された操作キャラクタパラメータ(ダメージ)に対応するダメージインジケータ17が数秒間表示された後、消去され、プレイヤが敵キャラクタとの戦闘で受けたダメージが一時的に表示される。あるいは、
図6の2次元ゲーム画像PT4に示すように、変化が検出された操作キャラクタパラメータ(残弾数)に対応する残弾数インジケータ19が数秒間表示された後、消去され、操作キャラクタPCが撃てる残りの弾数、即ち残弾数19aが一時的に表示されたりする。いずれも、戦闘中に変化の生じた操作キャラクタパラメータに限られ、かつ、変化の検出された操作キャラクタパラメータに対応するインジケータが随時、一定時間表示されるだけなので、2次元ゲーム画像PTに操作キャラクタパラメータが多数、長時間(常時)表示されることによって、臨場感が損なわれたりすることは無く、また、プレイヤは、当該表示された操作キャラクタパラメータを見ることで、それらの変化を適切に認識することが出来る。即ち、操作キャラクタパラメータに変動が無い限り、それらに対応するインジケータが2次元ゲーム画像PT上に表示されることは無い。
【0034】
なお、パラメータ変化監視部10は、操作キャラクタPCのシューティング武器GNの残弾数が0又は、所定の値以下になった場合には、ゲームプログラムGPRに基づいて、画像表示制御部15を介して、
図2の2次元ゲーム画像PT5に示すように、リロードインジケータ20を2次元ゲーム画像PT上に、一定時間表示する。リロードインジケータ20は、プレイヤがシューティング武器GNをリロードする際に操作すべき入力部10のボタンのシンボルマーク20aも表示し、プレイヤのリロード操作を容易化している。
【0035】
また、操作キャラクタPCがシューティング武器GNを装備している場合には、画像表示制御部15がゲームプログラムGPRに基づいて、
図3の2次元ゲーム画像PT6に示すように、照準21を表示する。照準21の表示は、操作キャラクタPCがシューティング武器GNを装備している限り、常時2次元ゲーム画像PT6上に表示されるが、操作キャラクタPCが装備を外すと、照準21の2次元ゲーム画像PT6での表示も無くなる。なお、シューティング武器GNをプレイヤが入力部10を介して操作することで、照準21は2次元ゲーム画像PT上を移動し、2次元ゲーム画像PT上の敵キャラクタと重なると、その表示色が、例えば白色から、赤色に変化するように画像表示制御部15により制御される。
【符号の説明】
【0036】
1……ゲーム装置
5……シナリオ進行制御部(レンダリング判定手段、武器装備手段、戦闘処理手段)
7……パラメータ表示制御部(インジケータ表示手段)
10……パラメータ変化監視部(パラメータ変化検出手段)
12……入力部
13……キャラクタ行動監視部(戦闘状態判定手段)
16……経験値インジケータ
17……ダメージインジケータ
19……残弾数インジケータ
11……ディスプレイ
GN……シューティング武器
PC……操作キャラクタ
PT……2次元ゲーム画像